JP2007045310A - トレーラのフレーム構造及びトレーラ - Google Patents

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Abstract

【課題】道路運送車両の保安基準及び車両制限令の下、軽量化を図ることにより多くの荷物を積載可能なトレーラのフレーム構造及びトレーラを提供する。
【解決手段】トレーラ1のフレーム部2は、前後方向に延びる複数の主フレーム10と、主フレーム10の各々に対して直交する方向に設置された複数のクロスメンバ11とを有するトレーラのフレーム構造であって、各主フレームは、上フランジ16と、下フランジ17と、上下フランジを接続するウエブ18とを有するI形鋼により形成されており、I形鋼の下フランジ17の厚さβが、上フランジ16の厚さαに対して肉薄に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、トレーラのフレーム構造及びトレーラに関するものであり、特に、道路運送車両の保安基準(昭和26年7月28日 運輸省令第67号)及び車両制限令(昭和36年7月17日 政令265号)下、軽量化を図ることにより多くの荷物を積載可能なトレーラのフレーム構造及びトレーラに関する。
従来のトレーラのフレーム構造として、例えば図5に示すトレーラのフレーム構造が知られている(特許文献1参照)。
図5に示すトレーラのフレーム構造30は、前後方向に並行して延びる2本の主フレーム31と、主フレーム31の各々に対して直交する方向に取付けられる複数のクロスメンバ32と、各クロスメンバ32の両端に取付けられ、クロスメンバ32に対して直行する方向に延びるサイドレール33と、主フレーム31の前端部に取付けられる前立組立体34と、主フレーム31の後端部に取付けられるリヤバンパ35とから構成されている。そして、通常、主フレーム31はI形鋼で形成されている。
特開平10−67337号公報
ところで、道路運送車両の保安基準及び車両制限令においては、高速道路等の指定道路において通行できるトレーラの車両総重量(トラクタヘッドを除くトレーラの車両重量と最大積載量との総和)と連結車両総重量(トラクタヘッドとトレーラとを連結させた車両総重量の総和)の上限が定められている。
したがって、トレーラのフレーム構造30においては、これを用いたトレーラの重量が重くなり、その分積載可能な荷物の重量が少なくなるため、物流が非効率となってしまうという問題点がある。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、道路運送車両の保安基準及び車両制限令の下、軽量化を図ることにより多くの荷物を積載可能なトレーラのフレーム構造及びトレーラを提供することにある。
本発明のうち請求項1に係るトレーラのフレーム構造は、前後方向に延びる複数の主フレームと、該主フレームの各々に対して直交する方向に設置された複数のクロスメンバとを有するトレーラのフレーム構造であって、
前記各主フレームは、上フランジと、下フランジと、上下フランジを接続するウエブとを有するI形鋼により形成されており、該I形鋼の前記下フランジの厚さが、前記上フランジの厚さに対して肉薄に形成されていることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項2に係るトレーラのフレーム構造は、請求項1記載のトレーラのフレーム構造において、前記各主フレームは、その前方側において前記I形鋼の前記ウエブの上下方向の長さが短く形成されたネック部を有しており、該ネック部を除いた部分について前記I形鋼の前記下フランジの厚さが、前記上フランジの厚さに対して肉薄に形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明のうち請求項3に係るトレーラは、請求項1又は2のトレーラのフレーム構造を備えることを特徴とする。
本願請求項1に係るトレーラのフレーム構造によれば、前記各主フレームは、上フランジと、下フランジと、上下フランジを接続するウエブとを有するI形鋼により形成されており、該I形鋼の前記下フランジの厚さが、前記上フランジの厚さに対して肉薄に形成されている構成により、フレームにおいて必要な強度を保ちつつ、その軽量化を図ることが可能となる。
また、本願請求項2に係るトレーラのフレーム構造によれば、前記各主フレームは、その前方側において前記I形鋼の前記ウエブの上下方向の長さが短く形成されたネック部を有しており、該ネック部を除いた部分について前記I形鋼の前記下フランジの厚さが、前記上フランジの厚さに対して肉薄に形成されている構成により、ネック部の強度を確保しつつ、フレームの軽量化を図ることが可能となる。
また、本願請求項3に係るトレーラによれば、請求項1又は2のトレーラのフレーム構造を備える構成により、道路運送車両の保安基準及び車両制限令の下、トレーラの軽量化を図ることにより、トレーラに多くの荷物を積載することが可能となり、効率のよい物流を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係るトレーラを図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係るトレーラの平面図である。図2はトレーラの側面図である。図3はトレーラの背面図である。図4は主フレームの断面図である。
トレーラ1は、トラクタヘッド(図示せず)により牽引されて鋼板コイル(図示せず)を搬送するためのものであり、図1から図3に示すように、フレーム部2と、床板3と、コイル積載部4と、キングピン5と、走行装置6と、サイドガード7と、エアタンク8と、補助脚9とを備えている。
フレーム部2は、前後方向(図1における左右方向)に並行して延びる2本の主フレーム10と、主フレーム10の各々に対して直交する方向内側に接続された複数の内クロスメンバと11と、各主フレーム10に対して直交する方向外側に接続された複数の外クロスメンバ12と、各外クロスメンバ12に対して直行する方向に延びる2本の補助フレーム13とを備えている。
各主フレーム10は、上フランジ16と、下フランジ17と、両フランジ16,17を接続するウエブ18とを有するI形鋼により形成されている。また、主フレーム10は、前後方向に延びる主要部19と、主要部19の前方側に一連に設けられ、主要部19のウエブ18に対してウエブ18が鉛直方向に短く形成されたネック部20と、主要部19の後方側に一連に設けられたリアオーバーハング部21とを有している。
各内クロスメンバ11は、I形鋼により形成されており、主フレーム10に対して直交する方向に配置され、2本の主フレーム10間を懸架するように各主フレーム10の下フランジ17の上部に接続されている。ここで、主フレーム10のコイル積載部4より後方においては、鋼板コイルを積載した際において鋼板コイルによる直接の荷重を受けないため、かかる部分においては、内クロスメンバ11は、その設置するピッチが大きく設定されており、これによりトレーラ1の軽量化を図ることが可能となっている。
各外クロスメンバ12は、I形鋼により形成されており、各主フレーム10の上フランジ16の下部外側であって、各内クロスメンバ11に対応する位置に、主フレーム10に対して直交する方向外側に延びるように接続されている。
各補助フレーム13は、溝形鋼により形成されており、各外クロスメンバ12の側端部を連結するように、クロスメンバ12に対して直交する方向に接続されている。
床板3は、加工された木材の木表同士を圧着加工したラミネート材が用いられ、外クロスメンバ12を介した主フレーム10と補助フレームとの間に張られている。
コイル積載部4は、前後方向から見た断面が略V字形になるように折り曲げ形成された鋼板床板24の左右方向(図1における上下方向)両端を、2本の主フレーム10間を懸架するように各主フレーム10に接続することにより、前後方向に延びる略V形の溝状に形成されている。
キングピン5は、2本の主フレーム10間の左右方向中央部であって、主フレーム10の前端部に備えられている。
走行装置6は、6輪のタイヤホイール26と、6組のサスペンション装置27とを備えており、主フレーム10後部側の下フランジ17の下面に設置された懸架装置25を介して備えられている。
各タイヤホイール26は、アルミホイールが採用されており、本実施形態においてはスーパーシングルタイヤが採用されており、左右片側に各3輪ずつ備えられている。かかる構成により、トレーラ1の軽量化を図っている。
各サスペンション装置27は、2枚のテーパーリーフスプリングが採用されており、これにより、マルチリーフスプリングが採用された場合に対して、軽量化を図りつつバネ定数の増加を図っている。
サイドガード7は、トレーラ1の側方にせり出すように、主フレーム10の下部に備えられている。この場合において、サイドガード7はアルミパイプを3段備える構造となっており、スチールパイプにより構成する場合に対して軽量化を図っている。
エアタンク8は、タンク内に蓄えられた圧縮空気によってエアブレーキ(図示せず)を作動させるものであり、これについてもアルミ材を採用することにより、トレーラ1の軽量化を図っている。
補助脚9は、主フレーム10のネック部20の最後部に備えられており、上下方向に伸縮可能に構成されている。
トレーラ1とトラクタヘッドとは、トレーラ1の補助脚9を鉛直下方に延ばして地面に接地した状態で、トレーラ1のネック部20の下側に、トラクタヘッド後方のカプラ(図示せず)設置部を走入し、カプラとトレーラ1のキングピン5とを噛み合わせることにより連結される。
そして、トレーラ1は、トラクタヘッドが接続された状態においては、補助脚9の接地が解除され、キングピン5と走行装置6とでフレーム部2を支持する。一方、トレーラ1は、トラクタヘッドが連結されていない状態においては、補助脚9を鉛直下方に延ばして地面に接地させ、補助脚9と走行装置6とでフレーム部2を支持する。
そして、クレーン等により鋼板コイルを、その軸の延びる方向をトレーラ1の前後方向にしてトレーラ1のコイル積載部4上に積載する。この場合において、コイル積載部4は前後方向から見て略V形の溝状となっているため、コイルの転がりを防止することが可能となり、鋼板コイルを安定して積載し搬送することが可能となる。
ここで、トレーラ1に鋼板コイルを積載した状態においては、補助脚9と走行装置6との間の主要部19又は、キングピン5と走行装置6との間の主要部19及びネック部20に鋼板コイルの荷重がかかることとなる。この場合において、主フレーム10としてI形鋼を使用した場合、I形鋼には鋼板コイルの重量に応じた荷重が鉛直下方向へかかり、かかる荷重により、I形鋼の上フランジ16には圧縮応力が働き、下フランジ17には引張り応力が働くこととなる。
そして、下フランジ17に働く引張り応力については、ウエブ18により補助されるため、上フランジ16が受ける圧縮応力に比べて許容し得るものとなる。一方、主フランジ10のネック部20は、主フランジ10の上フランジ16上面を全長において平面状に形成することにより広い荷台面積を確保しつつ、ネック部20の下側にトラクタヘッド後方のカプラ設置部を走入する空間を確保すべく、主要部19に対してウエブ18が鉛直方向に短く形成されているため、トレーラ1の旋回時における水平方向の応力に耐久可能な強度を確保することが必要となる。
そこで、主フレーム10の主要部19及びリアオーバーハング部21においては、図4に示すように、下フランジ17の厚さβを上フランジ16の厚さαに対して肉薄に形成する一方、ネック部20においては、下フランジ17の厚さを上フランジ16の厚さαと同一に形成している。これにより、主フレーム10において必要な強度を保ちつつ、その軽量化を図ることが可能となっている。
また、トレーラ1に鋼板コイルが積載された状態においては、キングピン5又は補助脚9と走行装置6とによりフレーム部2を支持することとなり、走行装置6の後部側に設けられたリアオーバーハング部21には鋼板コイルの荷重はかからないこととなる。
そこで、リアオーバーハング部21の上フランジ16及び下フランジ17の厚さは、主要部19の上フランジ16及下フランジ17の厚さに対して肉薄に形成している。これにより、主フレーム10において必要な強度を保ちつつ、その軽量化を図ることを可能としている。
そして、これらの主フレーム10の軽量化を図ることにより、トレーラ1の軽量化を図ることが可能となる結果、道路運送車両の保安基準及び車両制限令の下、より多くの鋼板コイルの積載が可能となり、効率のよい物流を行うことが可能となる。
また、トレーラ1においては、主フレーム10の軽量化の他にも、上述した種々の軽量化が図られており、かかる軽量化によっても積載可能な鋼板コイルの増加に貢献している。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施形態においては、トレーラ1は鋼板コイルの搬送用を例にとって説明したが、かかる場合に限定されず、他の荷物を積載するトレーラに構成してもかまわない。
また、上記実施形態においては、主要部19及びリアオーバーハング部21において、主フレーム10の下フランジ17の厚さβを上フランジ16の厚さαに対して肉薄に形成しているが、主フレーム10の全体において下フランジ17の厚さβを上フランジ16の厚さαに対して肉薄に形成しても構わない。また、下フランジ17の厚さβを上フランジ16の厚さαに対して肉薄に形成する構成は、主フランジ10だけではなく、フレーム部2を形成する他のI形鋼の部材において適用しても構わない。
さらに、本実施形態におけるフレーム部2を形成するI形鋼の部材は、H形鋼により形成しても構わない。
本発明の実施形態に係るトレーラの平面図である。 トレーラの側面図である。 トレーラの背面図である。 主フレームの断面図である。 従来のトレーラのフレーム構造を示す斜視図である。
符号の説明
1 トレーラ
2 フレーム部
3 床板
4 コイル積載部
5 キングピン
6 走行装置
7 サイドガード
8 エアタンク
9 補助脚
10 主フレーム
11 内クロスメンバ
12 外クロスメンバ
13 補助フレーム
16 上フランジ
17 下フランジ
18 ウエブ
19 主要部
20 ネック部
21 リアオーバーハング部
24 鋼板床板
25 懸架装置
26 タイヤホイール
27 サスペンション装置
30 トレーラのフレーム構造
31 主フレーム
32 クロスメンバ
33 サイドレール
34 前立組立体
35 リヤバンパ

Claims (3)

  1. 前後方向に延びる複数の主フレームと、該主フレームの各々に対して直交する方向に設置された複数のクロスメンバとを有するトレーラのフレーム構造であって、
    前記各主フレームは、上フランジと、下フランジと、上下フランジを接続するウエブとを有するI形鋼により形成されており、該I形鋼の前記下フランジの厚さが、前記上フランジの厚さに対して肉薄に形成されていることを特徴とするトレーラのフレーム構造。
  2. 前記各主フレームは、その前方側において前記I形鋼の前記ウエブの上下方向の長さが短く形成されたネック部を有しており、該ネック部を除いた部分について前記I形鋼の前記下フランジの厚さが、前記上フランジの厚さに対して肉薄に形成されていることを特徴とする請求項1記載のトレーラのフレーム構造。
  3. 請求項1又は2のトレーラのフレーム構造を備えることを特徴とするトレーラ。
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