JP2007045293A - 作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 作業機10は、機体19に備えた除雪作業部13を駆動するエンジン14と、走行部11L,11Rの走行速度を可変する電動モータ21L,21Rと、エンジン及び電動モータを関連させて走行速度を制御する制御部61とを備える。制御部は、複数の制御モードに基づきエンジン出力と走行部の走行を制御する。制御モードは、エンジン回転数を基に手動操作で制御する第1の制御モード、スロットル弁71の開度の増加量に対し走行速度を緩やかに減少させる第2の制御モード、開度の増加量に対し走行速度を大きく減少させる第3の制御モード、エンジンを停止させて走行部をバッテリ62の電力で作動させる第4の制御モードからなる。
【選択図】 図2
Description
従来のオーガ式除雪機100は、オーガ101及びブロア102からなる作業部103、作業部103を駆動するエンジン104、クローラからなる左右の走行部105,105、走行部105,105を駆動する左右の電動モータ106,106、エンジン104に駆動されて電動モータ106,106やバッテリ107に電力を供給する発電機108、電動モータ106,106を制御する制御部109、制御部109に操作信号を発するための各種操作部材を有する操作盤111を備えたというものである。
操作盤111はメインスイッチ112、バッテリモードスイッチ113及び左右の旋回操作スイッチ114,114を備える。旋回操作スイッチ114,114は、左又は右の電磁ブレーキ115,115を操作することによって、オーガ式除雪機100を旋回させるものである。
このように、初心者から上級作業者まで、自分に最適な作業形態で容易に使用できる作業機が求められている。
一方、旋回操作スイッチ114,114の操作方法において、バッテリモード走行へ切り替えるためには、作業者は本来の旋回操作とは異なる操作をする必要がある。
このようなことから、バッテリモード走行に切り替えるときの操作性をより高める上で、更なる改良の余地がある。
複数の制御モードは、エンジンの回転数を基に手動操作にて制御する第1の制御モードと、エンジン用のスロットル弁における開度の増加量に対して走行速度を緩やかに減少させるように制御する第2の制御モードと、スロットル弁の開度の増加量に対して走行速度を第2の制御モードの場合よりも大きく減少させるように制御する第3の制御モードと、エンジンを停止させた状態で走行部をバッテリから供給される電力によってのみ作動させるように制御する第4の制御モードとからなり、
これらの第1の制御モード、第2の制御モード、第3の制御モード及び第4の制御モードを、手動式切替スイッチによって切り替えるように構成したことを特徴とする。
第1の制御モードは、エンジンの回転数を基に手動操作にて制御する。
作業部にかかる負荷が増大した場合には、エンジンの回転数が低下する。作業者は、回転数の低下を知覚することによって、負荷が増大したと認識できる。従って、作業者はスロットル弁の開度を手動で適宜増加させて、エンジンの回転数を維持させればよい。つまり、第1の制御モードは、エンジンの回転数による負荷制御のみを行うものであり、作業者にとって、負荷のきっかけが判ればよい場合に、用いることができる。制御部の介入が少ないので、作業者の意志を十分に反映することができる。
このように、負荷の状況の変化に応じて、作業者が作業機を自由に操作したい場合には、第1の制御モードを選択することが好適である。作業に慣れている上級作業者は、第1の制御モードを選択すればよい。
作業部にかかる負荷が増大した場合には、エンジンの回転数が低下する。これに対して、作業者がスロットル弁の開度を増加させることにより、エンジンの回転数を維持させることができる。つまり、エンジンの動力で作業部を駆動可能である間は、制御部による介入が少ない。
第2の制御モードでは、スロットル弁における開度の増加量に対して、走行速度を緩やかに減少させるように制御する。従って、作業部にかかる負荷が増大したにもかかわらず、走行速度の減少を抑制することができる。このように、作業部にかかる負荷が増大しても、走行速度を大きく下げたくない場合には、第2の制御モードを選択することが好適である。つまり、安定した走行速度で比較的丁寧な作業をすることができる。作業を迅速に効率良く行いたい作業者や、作業にある程度慣れている中級作業者は、第2の制御モードを選択すればよい。
例えば、作業部にかかる負荷が増大したときに、スロットル弁の開度を自動的に増加させることで、エンジンの回転数を維持させることができる。この場合には、開度の増加量に対して走行速度が大きく減速する。このように、作業部にかかる負荷が増大したときに、これに対応して走行速度は大きく減速する。走行速度を遅くしてもよいから、作業部にかかる負荷を抑制したい場合には、第3の制御モードを選択することが好適である。つまり、丁寧な作業をすることができるとともに、操作が簡単で使い勝手が良い。作業に不慣れな初心者は、第3の制御モードを選択すればよい。
すなわち、第1から第4までの各制御モードの特性上からみて、いずれも作業部を駆動中に他の制御モードに切り替えることはない。つまり、いずれか1つの制御モードで作業を続行するものである。このため、これら4つの制御モードの切替操作をする機能を、単一の手動式切替スイッチに集約することができる。しかも、手動式切替スイッチには、4つの制御モードの切替機能という、単一の機能だけを備えればよい。このようなことから、作業者にとって、第4の制御モードへの切替え操作をはじめ、複数の制御モードへの切替え操作の識別が容易であり、この結果、切替え操作性をより高めることができる。また、第4の制御モードに切り替えるための、別のスイッチを設ける必要はなく、部品数を削減することができる。
例えば、作業機を走行しつつエンジンで作業部を駆動して作業を行った後に、手動式切替スイッチで第4の制御モードに切り替えるだけで、エンジンが自動的に停止する。しかも、エンジンが停止しても走行部の走行を中断することなく、そのまま、作業機を任意の場所まで移動させることができる。従って、作業機の使い勝手がより高まるとともに、作業効率がより高まる。
図1は本発明に係る除雪機(作業機)の側面図である。図2は本発明に係る除雪機の模式的平面図兼制御系統図である。
左の電動モータ21Lの駆動力で、左の駆動輪23Lを介して左のクローラベルト22Lを駆動することができる。右の電動モータ21Rの駆動力で、右の駆動輪23Rを介して右のクローラベルト22Rを駆動することができる。
伝動機構32は、エンジン14のクランクシャフト14aに取り付けられた電磁クラッチ31から、オーガ用伝動軸33にベルトにて動力を伝達する、ベルト式伝動機構である。エンジン14の動力は、クランクシャフト14a→電磁クラッチ31→伝動機構32→オーガ用伝動軸33の経路でオーガ27及びブロア28に伝わる。オーガ27で掻き集めた雪を、ブロア28によってシュータ29を介して遠くへ飛ばすことができる。
なお、オーガハウジング25は、後下端にスクレーパ35及び左右のそり36L,36Rを備える。
詳しく説明すると、前後に延びるオーガ用伝動軸33をオーガハウジング25及びブロアケース26で回転可能に支承し、ブロアケース26を車体フレーム15の前端部に左右回転可能(ローリング可能)に取付けたものである。
これら左右の旋回操作レバー43L,43Rは、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になれば旋回スイッチ43La,43Raはオフになる。作業者の左手で左の旋回操作レバー43Lを握ってグリップ18L側に上げれば、左の旋回スイッチ43Laはオンとなる。右の旋回スイッチ43Raについても同様である。このように、左右の旋回操作レバー43L,43Rが握られているか否かは旋回スイッチ43La,43Raで検出することができる。
以上の説明から明らかなように、メインスイッチ44は除雪機10のための主電源スイッチである。
より具体的に述べると、操作ボックス41の上面41bのうち、車幅中心CLの左隣に方向速度レバー53を配置するとともに、車幅中心CLの右隣にリセットスイッチ54を配置した。
シュータ操作レバー56は、シュータ29(図1参照)の向きを変えるための、操作部材である。
図5に示すように、方向速度レバー53(「前後進速度調節レバー53」とも言う)は、作業者の手で、矢印Ad,Baの如く前後に往復させることができ、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば除雪機10(図1参照)を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。同様に、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば除雪機10を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。
エンジン14の吸気系は、スロットル弁71を制御モータ72で開閉制御するとともに、チョーク弁73を制御モータ74で開閉制御する構成である。つまり、制御部61の信号に基づいて、電子式ガバナ65の制御モータ72がスロットル弁71の開度を自動的に調整するとともに、電子式ガバナ65の制御モータ74がチョーク弁73の開度を自動的に調整する構成である。
エンジン14の回転速度(回転数)については、エンジン回転センサ77にて検出し、その検出信号を制御部61に発するようにした。
エンジン14の出力の一部で発電機81を回し、得た電力をバッテリ62に供給するとともに、左右の電動モータ21L,21Rや他の電装品に供給する。エンジン14の出力の残部は、オーガ27及びブロア28の回転に充てる。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ82L,82Rを備える。具体的には、左右の電動モータ21L,21Rの各モータ軸を左右の電磁ブレーキ82L,82Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ82L,82Rは、駐車中は制御部61の制御により、ブレーキ状態(オン状態)にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ82L,82Rを開放する。
右の旋回操作レバー43Rを握って右の旋回スイッチ43Raをオン操作している間は、そのスイッチオンのスイッチ信号に基づいて制御部61は右の回生ブレーキ回路85Rを作動させ、右の電動モータ21Rの速度を下げる。
すなわち、左の旋回操作レバー43Lを握っている間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右の旋回操作レバー43Rを握っている間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
ST01;メインスイッチ44のスイッチ信号を読み込む。
ST02;メインスイッチ44が「オン位置ON」(図3参照)にあるか否かを調べ、NOならST01に戻り、YESならST03に進む。
ST03;モード切替スイッチ51のスイッチ信号を読み込む。
ST04;モード切替スイッチ51の切替位置を調べ、第1制御位置P1ならST05に進み、第2制御位置P2ならST06に進み、第3制御位置P3ならST07に進み、第4制御位置P4ならST08に進む。
ST06;第2の制御モードを実行することにより、エンジン14及び電動モータ21L,21Rを制御した後に、ST03に戻る。このST06を具体的に実行するためのサブルーチンについては、後述する図9にて示す。
ST08;第4の制御モードを実行することにより、エンジン14を停止させた状態で電動モータ21L,21Rをバッテリ62から供給される電力によってのみ作動させるように制御した後に、ST03に戻る。このST08を具体的に実行するためのサブルーチンについては、後述する図13にて示す。
ST101;スロットルレバー52の操作量Sopを読み込む。操作量Sopについては、スロットルレバー52のポジションに応じた電圧をポテンショメータ52aで検出すればよい。
ST102;スロットルレバー52の操作量Sopから、エンジン14の目標回転数Esを求める。
ST104;方向速度レバー53の操作量Ropから、走行用電動モータ21L,21Rの目標走行速度Msを求める。
ST106;メモリ63に記憶されている、第1の基準PIDのデータを選択して読み込む。この第1の基準PIDは、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度をPID制御するときの基準となる、PID定数である。
ST108;メモリ63に記憶されている、図8に示す第1の負荷制御マップを選択して読み込む。
図8は本発明に係る第1の負荷制御マップの説明図であり、縦軸をエンジンの実回転数Ne(rpm)とし、横軸を走行部の減速度Rd(%)として、実回転数Neに対応する減速度Rdを得る、第1の負荷制御マップを示す。
Mdr=Mnr×(100−Rd)/100
減速度Rd=0%の場合には、減速した後の回転速度「Mdr=Mnr」である。つまり、電動モータ21L,21Rの回転速度Mnrを全く減速させない。
減速度Rd=Rd1%の場合には、減速した後の回転速度「Mdr=Mnr×(100−Rd1)/100」である。
減速度Rd=100%の場合には、減速した後の回転速度「Mdr=0」である。つまり、電動モータ21L,21Rの回転速度Mnrを全減速(停止)させる。
ST109;目標回転数Esに基づいてエンジン14の回転速度を制御する。
ST110;目標走行速度Ms、第1の基準加・減速度、第1の基準PID、第1の負荷制御マップに基づいて、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度を制御した後に、図6のST05にリターンする。
このST110では、エンジン14の目標回転数Esに対して、実回転数Neが低下してきたら、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度、つまり、走行部11L,11Rの走行速度を「第1の負荷制御マップ」に基づいて減速させる。
ST201;方向速度レバー53の操作量Ropを読み込む。
ST202;操作量Ropから、走行用電動モータ21L,21Rの目標走行速度Msを求める。
ST204;メモリ63に記憶されている、第2の基準PIDのデータを選択して読み込む。この第2の基準PIDは、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度をPID制御するときの基準となる、PID定数である。
ST206;メモリ63に記憶されている、図10に示す第2の負荷制御マップを選択して読み込む。
図10は本発明に係る第2の負荷制御マップの説明図であり、縦軸をスロットル弁の開度Sa(%)とし、横軸を走行部の減速度Rd(%)として、開度Saに対応する減速度Rdを得る、第2の負荷制御マップを示す。
この第2の負荷制御マップの特性は、スロットル弁71の開度Saの増加量に対して、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度(つまり、走行部11L,11Rの走行速度)の減速度Rdが増す割合を、開度Saが小さい前半の開度域では小さく設定するとともに、開度Saが大きい後半の開度域では大きく設定したことを特徴とする。
第2の負荷制御マップによれば、負荷の増大に応じてエンジン14の実回転数Neが低下することに伴い、スロットル弁71の開度Saを増すことになるので、この結果、開度Saの増加に応じて、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度(つまり、走行部11L,11Rの走行速度)を弱めに減速させることができる。
ST207;目標回転数Esに基づいてエンジン14の回転速度を制御する。
ST208;目標走行速度Ms、第2の基準加・減速度、第2の基準PID、第2の負荷制御マップに基づいて、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度を制御した後に、図6のST06にリターンする。
このST208では、負荷の増大に応じてエンジン14の実回転数Neが低下してきたら、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度、つまり、走行部11L,11Rの走行速度を「第2の負荷制御マップ」に基づいて減速させる。
ST301;メモリ63に記憶されている、エンジン14の目標回転数Esを求める。
ST302;方向速度レバー53の操作量Ropを読み込む。
ST303;操作量Ropから、走行用電動モータ21L,21Rの目標走行速度Msを求める。
ST305;メモリ63に記憶されている、第3の基準PIDのデータを選択して読み込む。この第3の基準PIDは、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度をPID制御するときの基準となる、PID定数である。
ST307;走行用電動モータ21L,21Rの回転速度に、予め設定された一定の速度制限を設ける。第3の制御モードにおいては、第1・第2制御モードに比べて、より安定した走行をしつつ、より丁寧な除雪作業をするために、走行部11L,11Rの走行速度を半分程度に制限するように、電動モータ21L,21Rの回転速度を制限することにした。
ST308;メモリ63に記憶されている、図12に示す第3の負荷制御マップを選択して読み込む。
図12は本発明に係る第3の負荷制御マップの説明図であり、縦軸をスロットル弁の開度Sa(%)とし、横軸を走行部の減速度Rd(%)として、開度Saに対応する減速度Rdを得る、第3の負荷制御マップを示す。
この第3の負荷制御マップの特性は、スロットル弁71の開度Saの増加量に対して、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度(つまり、走行部11L,11Rの走行速度)の減速度Rdが増す割合を、開度Saが小さい前半の開度域では大きく設定するとともに、開度Saが大きい後半の開度域では小さく設定したことを特徴とする。
第3の負荷制御マップによれば、負荷の増大に応じてエンジン14の実回転数Neが低下することに伴い、スロットル弁71の開度Saを増すことになるので、この結果、開度Saの増加に応じて、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度(つまり、走行部11L,11Rの走行速度)を強めに減速させることができる。
ST309;目標回転数Esに基づいてエンジン14の回転速度を制御する。
ST310;目標走行速度Ms、第3の基準加・減速度、第3の基準PID、第3の負荷制御マップ、走行速度の制限に基づいて、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度を制御した後に、図6のST07にリターンする。
このST310では、負荷の増大に応じてエンジン14の実回転数Neが低下してきたら、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度、つまり、走行部11L,11Rの走行速度を「第3の負荷制御マップ」に基づいて減速させる。
第2の基準加速度及び第2の基準減速度を標準とし、第1の基準加速度及び第1の基準減速度を第2の基準加・減速度より大きく設定し、第3の基準加速度及び第3の基準減速度を第2の基準加・減速度より小さく設定した。
つまり、走行用電動モータ21L,21Rの回転速度が、第1の制御モードでは高速、第2の制御モードでは中速、第3の制御モードでは低速となるように、基準となる加速度及び減速度の定数を設定した。
第1の制御モードにおいては、オーガスイッチ45のオン・オフにかかわらず、スロットルレバー52を手動操作することにより、エンジン14の回転数Neを任意に調整することができる。なお、オーガスイッチ45がオンであるときだけ、手動操作によりエンジン14の回転数Neを調整可能としてもよい。
ST401;エンジン14を停止させる(停止状態で維持させることを含む。)。
方向速度レバー53の操作方向並びに操作量Ropは、方向速度レバー53のポジションにより定まる。すなわち、方向速度レバー53から制御部61に発した、電動モータ21L,21Rの走行目標速度指令を読み込む。
ST404;方向速度レバー53の操作方向が「前進位置」又は「後進位置」にあるか否かを調べ、YESならST405に進み、NOならST407に進む。
ST405;方向速度レバー53の操作量Ropから、走行用電動モータ21L,21Rの目標走行速度Msを求める。
ST407;走行用電動モータ21L,21Rを停止させる。
ST408;モード切替スイッチ51の切替位置が第4制御位置P4にあるか否かを調べ、YESならST402に戻り、NOならST409に進む。
ST409;エンジン14を自動的に始動させた後に、図6のST08にリターンする。
作業機10(除雪機10)は、機体19に備えた作業部13(除雪作業部13)を駆動するエンジン14と、機体19を走行させる走行部11L,11Rの走行速度を可変する電動モータ21L,21Rと、これらのエンジン14並びに電動モータ21L,21Rを関連させて走行速度を制御する制御部61とを備えた作業機10であって、制御部61は、複数の制御モードに基づいて、エンジン14の出力及び走行部11L,11Rの走行を制御するものである。
第1の制御モードは、エンジン14の回転数を基に手動操作にて制御する、いわゆる、手動モードである。
作業部13にかかる負荷が増大した場合には、エンジン14の回転数Neが低下する。作業者は、回転数Neの低下を知覚することによって、負荷が増大したと認識できる。従って、作業者はスロットル弁71の開度Saを手動で適宜増加させて、エンジン14の回転数Neを維持させればよい。つまり、第1の制御モードは、エンジン14の回転数Neによる負荷制御のみを行うものであり、作業者にとって、負荷のきっかけが判ればよい場合に、用いることができる。制御部61の介入が少ないので、作業者の意志を十分に反映することができる。
このように、負荷の状況の変化に応じて、作業者が作業機10を自由に操作したい場合には、第1の制御モードを選択することが好適である。作業に慣れている上級作業者は、第1の制御モードを選択すればよい。
作業部13にかかる負荷が増大した場合には、エンジン14の回転数Neが低下する。これに対して、作業者がスロットル弁71の開度Saを増加させることにより、エンジン14の回転数Neを維持させることができる。つまり、エンジン14の動力で除雪作業部13を駆動可能である間は、制御部61による介入が少ない。
第2の制御モードでは、スロットルレバー52を操作してエンジン14の回転数Neを増減させることにより、シュータ29からの投雪距離を調節することもできる。
例えば、除雪作業部13にかかる負荷が増大したときに、スロットル弁71の開度Saを自動的に増加させることで、エンジン14の回転数Neを維持させることができる。この場合には、開度Saの増加量に対して走行速度が大きく減速する。このように、除雪作業部13にかかる負荷が増大したときに、これに対応して走行速度は大きく減速する。走行速度を遅くしてもよいから、除雪作業部13にかかる負荷を抑制したい場合には、第3の制御モードを選択することが好適である。つまり、丁寧な作業をすることができるとともに、操作が簡単で使い勝手が良い。作業に不慣れな初心者は、第3の制御モードを選択すればよい。
すなわち、第1から第4までの各制御モードの特性上からみて、いずれも除雪作業部13を駆動中に他の制御モードに切り替えることはない。つまり、いずれか1つの制御モードで作業を続行するものである。このため、これら4つの制御モードの切替操作をする機能を、単一の手動式切替スイッチ51に集約することができる。しかも、手動式切替スイッチ51には、4つの制御モードの切替機能という、単一の機能だけを備えればよい。このようなことから、作業者にとって、第4の制御モードへの切替え操作をはじめ、複数の制御モードへの切替え操作の識別が容易であり、この結果、切替え操作性をより高めることができる。また、第4の制御モードに切り替えるための、別のスイッチを設ける必要はなく、部品数を削減することができる。
第2の制御モードは、スロットル弁71の開度Saの増加量に対して、走行速度の減速度が増す割合を、開度Saが小さい前半の開度域では小さく設定するとともに、開度Saが大きい後半の開度域では大きく設定したモードであり、
第3の制御モードは、スロットル弁71の開度Saの増加量に対して、走行速度の減速度が増す割合を、開度Saが小さい前半の開度域では大きく且つ開度Saが大きい後半の開度域では小さく設定したモードであることを特徴とする。
第1の制御モードは、負荷が過大になったことを、作業者に喚起するだけのモードであるから、エンジン14の回転数Neの低下に応じて、走行速度の減速度を増すだけでよい。第1の制御モードを選択したときには、除雪作業部13にかかる負荷が過大になると、エンジン14の回転数Neが低下し、これに応じて走行速度の減速度が増す。作業者は、減速したことを知覚することによって、負荷が過大になったと認識できる。作業者は負荷の状況の変化に応じて、作業機10をより自由に操作することができる。
除雪機10を概ね現在の走行速度で走行させつつ、スロットル弁71を大きく開けて、エンジン14の能力の限界近くまで除雪作業部13に大きい負荷をかけ続けることができる。この結果、除雪作業を迅速に効率良く行うことができる。
図14は本発明に係る変形例の制御部の制御フローチャートであり、上記図13の代わりに、上記図6のステップST08に示す第4の制御モードを具体的に実行するためのサブルーチンを示す。
なお、図14に示す変形例の制御部61の制御フローチャートは、図13に示すステップのうち、ST401〜ST408が同一であり、ST409の代わりにST501〜ST505を実行することを特徴とする。ST401〜ST407については説明を省略する。
ST501;制御部61から報知器58(図2参照)に、エンジン始動要求の報知信号を発する。この結果、報知器58はエンジン14を始動させるように作業者に報知する。なお、報知器58は表示器や報音器からなり、操作ボックス41に配置すればよい。
ST503;メインスイッチ44の操作位置を判断する。操作位置がオフ位置OFFであればST504に進み、操作位置がスタート位置STであればST505に進み、操作位置がオン位置ONであればST502に戻る。
ST504;報知器58をオフにした後に、図6のST08にリターンする。
ST505;作業者がメインスイッチ44をスタート位置STに操作したので、スタート位置STの信号を受けてエンジン14を始動させた後に、図6のST08にリターンする。なお、作業者は、エンジン14の回転が安定した後に、メインスイッチ44の操作位置をオン位置ONに切換えればよい。
すなわち制御部61は、手動式切替スイッチ51によって第4の制御モードから他の第1・第2・第3の制御モードに切り替えたという条件(図14のST408)と、エンジンを始動操作したという条件(図14のST503)との、2つの条件を満たしたときに、エンジン14を始動させる(図14のST505)ように制御する構成であることを特徴とする。
つまり、電動モータ21L,21Rは、走行部11L,11Rの走行速度を可変する構成であればよい。
Claims (4)
- 機体に備えた作業部を駆動するエンジンと、前記機体を走行させる走行部の走行速度を可変する電動モータと、これらのエンジン並びに電動モータを関連させて前記走行速度を制御する制御部とを備えた作業機であって、前記制御部は、複数の制御モードに基づいて、前記エンジンの出力及び前記走行部の走行を制御する作業機において、
前記複数の制御モードは、
前記エンジンの回転数を基に手動操作にて制御する第1の制御モードと、
前記エンジン用のスロットル弁における開度の増加量に対して前記走行速度を緩やかに減少させるように制御する第2の制御モードと、
前記スロットル弁の開度の増加量に対して前記走行速度を前記第2の制御モードの場合よりも大きく減少させるように制御する第3の制御モードと、
前記エンジンを停止させた状態で前記走行部をバッテリから供給される電力によってのみ作動させるように制御する第4の制御モードとからなり、
これらの第1の制御モード、第2の制御モード、第3の制御モード及び第4の制御モードを、手動式切替スイッチによって切り替えるように構成したことを特徴とする作業機。 - 前記制御部は、前記作業機のための主電源スイッチがオンであるという条件と、前記手動式切替スイッチによって前記第4の制御モードに切り替えたという条件との、2つの条件を満たしたときに、前記エンジンを停止させるように制御する構成であることを特徴とした請求項1記載の作業機。
- 前記制御部は、前記手動式切替スイッチによって前記第4の制御モードから前記他の制御モードに切り替えたという条件を満たしたときに、前記エンジンを自動的に始動させるように制御する構成であることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の作業機。
- 前記制御部は、前記手動式切替スイッチによって前記第4の制御モードから前記他の制御モードに切り替えたという条件と、前記エンジンを始動操作したという条件との、2つの条件を満たしたときに、前記エンジンを始動させるように制御する構成であることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の作業機。
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