JP4471297B2 - オーガ式除雪機 - Google Patents

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本発明は、自走可能な機体に、エンジンにより駆動するオーガ式の除雪作業を備えたオーガ式除雪機に関する。
エンジン駆動式作業部を備えた作業機には、例えばオーガ式除雪機のように、走行速度や作業状況に応じて作業部にかかる負荷が増大するものがある。オーガ式除雪機は、前進走行しつつ前部のオーガ(作業部)で雪を掻き集めて除雪する作業機である。走行速度が増すと、オーガによる除雪量も増す。この結果、オーガにかかる負荷は増大する。このようなオーガ式除雪機としては、各種のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平3−32617号公報
特許文献1に示す従来のオーガ式除雪機を、次の図9に基づいて説明する。図9(a),(b)は従来のオーガ式除雪機の構成図であり、(a)は側方から見たオーガ式除雪機を示し、(b)はオーガ式除雪機を模式的に示す。
従来のオーガ式除雪機100は、除雪作業部101を備えた機体102を走行部103によって走行させるようにし、除雪作業部101及び走行部103をエンジン104にて駆動するというものである。除雪作業部101はオーガ111、ブロア112及びシュータ113からなる。
このオーガ式除雪機100によれば、エンジン104の回転速度を速度センサ121で検出するとともに、エンジン104からオーガ111及びブロア112に伝達されるトルクをトルクセンサ122で検出し、これらの検出信号に基づき、除雪している雪質及び積雪量を制御部123で推定することができる。
制御部123は、推定結果に基づいて走行部103、オーガ111及びブロア112の速度を制御する。具体的に述べると、制御部123は、雪質が氷雪で且つ積雪量が少ないと推定した場合には、走行部103の速度を減少させるとともにオーガ111及びブロア112の速度を増大させ、一方、普通の雪質(柔らかい雪など)で且つ積雪量が多いと推定した場合には、走行部103、オーガ111及びブロア112の速度を減少させる。
しかしながら、除雪する雪質や積雪量は常に変化することが多い。雪質や積雪量に応じて除雪作業部101にかかる負荷が変動したときに、単に走行部103の走行速度を変えるだけでは、負荷が変動する度に減速、加速を頻繁に繰り返すことになる。例えば、除雪中に走行速度が頻繁に大きく変動したのでは、作業者にとって煩わしい。作業性を高めるには改良の余地がある。
また、走行速度や負荷の大きさにかかわらず、負荷が増大する度に単に一定の走行速度まで下げるのでは、低速過ぎる場合もあり、作業性を高めるには改良の余地がある。
本発明は、電動モータにて自走可能な機体にエンジンにより駆動するオーガ式の除雪作業を備えたオーガ式除雪機の作業性を、より高めることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、機体に、エンジンにより駆動するオーガ式の除雪作業部と、この除雪作業部のオン・オフを指示する作業駆動指令部と、電動モータにより駆動する車輪やクローラ等の走行部と、電動モータを制御する制御部と、この制御部に電動モータの目標速度を指示する目標速度調節部とを備えたオーガ式除雪機において、制御部に、
予め設定され、エンジンの実回転数に対して最大1.0から最小0.0までの範囲で電動モータの減速補正係数の特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップの中から、作業駆動指令部にて除雪作業部をオンにした時点の目標速度に応じて1つを選択する、モータ減速パターン選択ステップと、
選択された減速補正係数マップに基づいて、エンジンの実回転数に対する電動モータの減速補正係数を求める、補正係数取得ステップと、
求められた減速補正係数を目標速度に乗算することで、目標速度を補正する、速度補正ステップと、
電動モータの実速度を補正された目標速度まで減速するように制御する、モータ速度制御ステップと、を備えることで、
作業駆動指令部にて除雪作業部をオンにした時点の目標速度を基準として実速度を下げるように構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、複数の減速補正係数マップが、エンジンの実回転数が大きいときには減速補正係数が大きく、エンジンの実回転数が小さいときには減速補正係数が小さくなる特性を有していることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2において、モータ減速パターン選択ステップが、除雪作業部をオンにした時点の目標速度が小さいときほど、複数の減速補正係数マップの中から、エンジンの実回転数の低下に応じて減速補正係数が小さくなる度合いの大きい特性のマップを選択するように構成したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3において、複数の減速補正係数マップが、エンジンの実回転数が予め設定された上限値を越えた場合に、この上限値に対応する減速補正係数を維持するとともに、エンジンの実回転数が予め設定された下限値を下回った場合に、この下限値に対応する減速補正係数を維持する特性を有していることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、作業駆動指令部にて除雪作業部をオンにした時点の目標速度に応じた減速補正係数マップを選択することによって、現在の作業中の走行速度(電動モータの目標速度)を基準とし、エンジンの実回転数に対する電動モータの減速補正係数(減速補正係数は、最大1.0から最小0.0までの範囲である。)を求め、この減速補正係数を目標速度に乗算することによって目標速度を補正する。このため、オーガ式除雪機における現実の走行速度を基準とした割合だけ、その走行速度を下げることができる。
つまり、オーガ式除雪機における現在の走行速度で作業中に、除雪作業部にかかる負荷が増大した場合には、エンジンの回転数が低下する。このときに、現在の走行速度に応じた最適なマップを選択し、低下したエンジンの回転数に応じた減速補正係数を求め、この減速補正係数に応じた分だけ走行速度を下げることができる。従って、走行速度(目標速度)に対応した負荷制御を行うことができる。
例えば、負荷が頻繁に大きく変動した場合であっても、走行速度が頻繁に大きく変動することを抑制することができる。しかも、負荷が増大したときに、現在の走行速度を基準とした割合だけしか速度を下げることがない。このため、作業者にとって、走行速度が頻繁に大きく変動する煩わしさがなく、作業性をより高めることができる。
請求項2に係る発明では、各減速補正係数マップの特性を、エンジンの実回転数が大きいときには減速補正係数が大きく、エンジンの実回転数が小さいときには減速補正係数が小さくなるように設定したものである。
減速補正係数については、例えば最大1.0から最小0.0とすればよい。減速補正係数を1.0とすれば、減速補正係数によって補正される目標速度は変わらない。減速補正係数を0.0とすれば、減速補正係数によって補正される目標速度は0.0となる。つまり、停止する。このように、減速補正係数が小さいほど、減速補正係数によって補正される目標速度は小さくなる。つまり、減速補正係数が大きいときの目標速度は余り減少しない。一方、減速補正係数が小さいときの目標速度は大きく減少する。
一般に、作業中において、エンジンが高速回転に変化したときには、除雪作業部にかかる負荷が小さい作業状況になったと考えることができる。一方、エンジンが低速回転に変化したときには、除雪作業部にかかる負荷が大きい作業状況になったと考えることができる。
これに対して請求項2に係る発明では、エンジンが高速回転をしている軽負荷のときに、減速補正係数が大きい特性とすることにより、オーガ式除雪機の走行速度が余り下がらないので、現在の作業速度をできるだけ維持することができる。一方、エンジンが低速回転をしている重負荷のときには、減速補正係数が小さい特性とすることにより、オーガ式除雪機の走行速度を大きく下げて負荷を減少させ、エンジンの負担を軽減させることができる。このように、作業者の意図に沿った作業を行うことができるので、作業性をより一層高めることができる。
請求項3に係る発明では、除雪作業部をオンにした時点の目標速度が小さいときほど、エンジンの実回転数の低下に応じて減速補正係数が大きく減少する特性の、減速補正係数マップを選択するように構成したものである。
作業中の走行速度(電動モータの目標速度)が大きい場合は、除雪作業部にかかる負荷が増大しても、走行速度が余り減少しないので、現在の作業速度をできるだけ維持して、手早い作業をすることができる。また、作業中の走行速度が元々小さい場合は、除雪作業部にかかる負荷が増大したときに、減速補正係数を大きく減少させても、走行速度はそれほど大きく減少しない。従って、作業速度が比較的遅い作業のときに適している。
このように、請求項3に係る発明では、作業者の作業速度の感覚に合った作業を行うことができるので、作業性がより一層高まる。
請求項4に係る発明では、エンジンの実回転数が、予め設定された上限値を越えた場合や下限値を下回った場合、そのときの減速補正係数を維持するように、各減速補正係数マップの特性を設定したものである。
このようにすることで、電動モータの目標速度の変化に応じて、他の減速補正係数マップへ切り替わったときに、補正された目標速度の値が大きく変動することを、抑制することができる。従って、除雪機の走行速度における速度変化を円滑にすることができ、この結果、作業性がより一層高まる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Leは左側、Riは右側を示す。
図1は本発明に係る除雪機(作業機)の側面図である。図2は本発明に係る除雪機の模式的平面図兼制御系統図である。
図1及び図2に示すように、除雪機10は、左右の走行部11L,11Rを備えた走行フレーム12に、オーガ式の作業部13及びこの作業部13を駆動するエンジン14を備えた車体フレーム15の後部を上下スイング可能に取付け、車体フレーム15の前部を昇降駆動機構16によって昇降するようにし、さらに、走行フレーム12の後部から後方上部へ左右2本の操作ハンドル17L,17Rを延し、これらの操作ハンドル17L,17Rの先端にグリップ18L,18Rを設けた、自走可能な作業機である。
このような除雪機10はオーガ式除雪機と言われている。以下、作業部13のことを除雪作業部13と言う。作業者は、除雪機10に連れて歩行しながら、操作ハンドル17L,17Rで除雪機10を操作することができる。
走行フレーム12及び車体フレーム15の組合せ構造は機体19をなす。走行フレーム12は、走行部11L,11Rを駆動する左右の電動モータ21L,21Rを備える。左右の走行部11L,11Rは、左右のクローラベルト22L,22R、走行輪として後部に配置された左右の駆動輪23L,23R、及び、前部に配置された左右の転動輪24L,24Rからなる。
左の電動モータ21Lの駆動力で、左の駆動輪23Lを介して左のクローラベルト22Lを駆動することができる。右の電動モータ21Rの駆動力で、右の駆動輪23Rを介して右のクローラベルト22Rを駆動することができる。
除雪作業部13は、オーガハウジング25、オーガハウジング25の背面と一体のブロアケース26、オーガハウジング25に備えたオーガ27、ブロアケース26に備えたブロア28及びシュータ29からなる。
図1に示すように、エンジン14は、電磁クラッチ31及び伝動機構32を介して除雪作業部13を駆動する除雪用駆動源である。
伝動機構32は、エンジン14のクランクシャフト14aに取り付けられた電磁クラッチ31から、オーガ用伝動軸33にベルトにて動力を伝達する、ベルト式伝動機構である。エンジン14の動力は、クランクシャフト14a→電磁クラッチ31→伝動機構32→オーガ用伝動軸33の経路でオーガ27及びブロア28に伝わる。オーガ27で掻き集めた雪を、ブロア28によってシュータ29を介して遠くへ飛ばすことができる。
なお、オーガハウジング25は、後下端にスクレーパ35及び左右のそり36L,36Rを備える。
昇降駆動機構16は、シリンダからピストンが進退可能なアクチュエータである。このアクチュエータは、電動モータ16a(図2参照)にて図示せぬ油圧ポンプから発生させた油圧によって、ピストンを伸縮させる型式の電動油圧シリンダである。電動モータ16aは、昇降駆動機構16のシリンダの側部に一体に組込んだ、昇降用駆動源である。
このような除雪機10は、走行フレーム12に、オーガハウジング25及びブロアケース26をローリング可能に取付け、オーガハウジング25をローリング駆動機構38で左右にローリング(横揺れ)させるようにした構成である。
詳しく説明すると、前後に延びるオーガ用伝動軸33をオーガハウジング25及びブロアケース26で回転可能に支承し、ブロアケース26を車体フレーム15の前端部に左右回転可能(ローリング可能)に取付けたものである。
上述のように、走行フレーム12は車体フレーム15を取り付けた構成である。このため、走行フレーム12にオーガハウジング25及びブロアケース26をローリング可能に取付けたことになる。この結果、走行フレーム12に対して、オーガハウジング25は昇降可能且つローリング可能である。
ローリング駆動機構38は、シリンダからピストンが進退可能なアクチュエータである。このアクチュエータは、電動モータ38a(図2参照)にて図示せぬ油圧ポンプから発生させた油圧によって、ピストンを伸縮させる型式の電動油圧シリンダである。電動モータ38aは、ローリング駆動機構38のシリンダの側部に一体に組込んだ、ローリング用駆動源である。
ところで、左右の操作ハンドル17L,17R間には、操作部40、制御部61、バッテリ62を配置したものである。以下、操作部40について説明する。
図3は本発明に係る操作部の斜視図である。図4は本発明に係る操作部の平面図である。図3及び図4に示すように操作部40は、左右の操作ハンドル17L,17Rの間に設けた操作ボックス41と、グリップ18Lの近傍で左の操作ハンドル17Lに設けた走行準備レバー42並びに左の旋回操作レバー43Lと、グリップ18Rの近傍で右の操作ハンドル17Rに取付けた右の旋回操作レバー43Rとからなる。
走行準備レバー42は、スイッチ42a(図2参照)に作用する走行準備部材であり、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になればスイッチ42aはオフになる。作業者の左手で走行準備レバー42を握ってグリップ18L側に下げれば、スイッチ42aはオンとなる。
左右の旋回操作レバー43L,43Rは、左右のグリップ18L,18Rを握った手でそれぞれ操作する旋回操作部材であり、それぞれ対応する旋回スイッチ43La,43Ra(図2参照)に作用する機構である。
これら左右の旋回操作レバー43L,43Rは、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になれば旋回スイッチ43La,43Raはオフになる。作業者の左手で左の旋回操作レバー43Lを握ってグリップ18L側に上げれば、左の旋回スイッチ43Laはオンとなる。右の旋回スイッチ43Raについても同様である。このように、左右の旋回操作レバー43L,43Rが握られているか否かは旋回スイッチ43La,43Raで検出することができる。
上記図2も参照しつつ説明すると、操作ボックス41はその背面41a(作業者側の面)に、メインスイッチ44及びオーガスイッチ45(「クラッチ操作スイッチ45」とも言う)を備える。
メインスイッチ44を回してオンにすることで、エンジン14を始動させることができる。オーガスイッチ45は、電磁クラッチ31をオン・オフ切替えする手動スイッチであり、例えば押し釦スイッチからなる。
さらに操作ボックス41はその上面41bに、モード切替スイッチ51、スロットルレバー52、方向速度レバー53、リセットスイッチ54、オーガハウジング姿勢操作レバー55及びシュータ操作レバー56を、この順に左側から右側へ配列して、備えたものである。
より具体的に述べると、操作ボックス41の上面41bのうち、車幅中心CLの左隣に方向速度レバー53を配置するとともに、車幅中心CLの右隣にリセットスイッチ54を配置した。
モード切替スイッチ51は、制御部61における走行制御モードを切り替える手動式切替スイッチであり、例えばロータリスイッチからなる。ノブ51aを図反時計回りに回すことで第1制御位置P1、第2制御位置P2及び第3制御位置P3に切り替えることができる。これらの各位置P1,P2,P3に切り替えたときに、モード切替スイッチ51はそれぞれ対応するスイッチ信号を発する。
第1制御位置P1は、制御部61に「第1の制御モード」で制御をさせるためのスイッチ位置である。第2制御位置P2は、制御部61に「第2の制御モード」で制御をさせるためのスイッチ位置である。第3制御位置P3は、制御部61に「第3の制御モード」で制御をさせるためのスイッチ位置である。
第1の制御モードは、エンジン14の回転数を基に手動操作にて制御する、いわゆる、手動モードである。第2の制御モードは、スロットル弁71における開度の増加量に対して走行速度を緩やかに減少させるように制御する、いわゆる、パワーモードである。第3の制御モードは、スロットル弁71の開度の増加量に対して、走行速度を第2の制御モードの場合よりも大きく減少させるように制御する、いわゆる、オートモード(自動モード)である。なお、第2・第3の制御モードにおいて、スロットル弁71の開度の代わりに、エンジン14の回転数を基に走行速度を制御する構成であってもよい。
このように制御部61の負荷制御モードを、(1)作業に慣れている上級者が使う手動操作式の第1の制御モードと、(2)ある程度慣れている中級作業者が使う半自動式の第2の制御モードと、(3)不慣れな初心者が使う自動式の第3の制御モードとの、3つのモードに設定したものである。
これらのモードを適宜選択することにより、1台の除雪機10を初心者から上級作業者まで、自分に最適な作業形態で容易に使用することができる。
スロットルレバー52は、電子式ガバナ(電気式ガバナとも言う。)の制御モータ72を制御することによって、スロットル弁71を開閉制御するための操作部材であり、作業者の手で、矢印De,Inの如く前後方向へ往復させることができ、ポテンショメータ52aでポジションに応じた電圧を発生させる。スロットルレバー52を矢印De方向へ倒せばスロットル弁71を全閉まで閉じることができ、スロットルレバー52を矢印In方向へ倒せばスロットル弁71を全開まで開けることができる。この結果、エンジン14の回転数を調節することができる。
方向速度レバー53は、電動モータ21L,21Rの回転を制御するための操作部材であり、その詳細については後述する(図5参照)。
リセットスイッチ54(オーガ原位置自動復帰スイッチ54)は、オーガハウジング25の姿勢(位置)を、予め設定されている原点に復帰させるための手動スイッチであり、例えば押し釦スイッチからなり、表示灯57を備える。
オーガハウジング姿勢操作レバー55は、オーガハウジング25の姿勢を変えるための、操作部材である。つまり、オーガハウジング姿勢操作レバー55は、オーガ27で除雪作業時にオーガハウジング25を雪面に合わせて昇降並びにローリングさせるべく、昇降駆動機構16やローリング駆動機構38を操作するための、操作部材である。オーガハウジング姿勢操作レバー55を前側Frs、後側Rrs、左側Les及び右側Risにスイング操作しているときに、それぞれ対応するスイッチをオンにすることができる。
シュータ操作レバー56は、シュータ29(図1参照)の向きを変えるための、操作部材である。
図5は本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図である。
図5に示すように、方向速度レバー53(「前後進速度調節レバー53」とも言う)は、作業者の手で、矢印Ad,Baの如く前後に往復させることができ、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば除雪機10(図1参照)を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。同様に、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば除雪機10を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。
この例では、図の左端に付記した通りに、後進の最高速が0V(ボルト)、前進の最高速が5V、中立範囲が2.3V〜2.7Vになるようにポテンショメータ53a(図2参照)でポジションに応じた電圧を発生させる。1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー53と名付けた。
次に、除雪機10の制御系統について図2に基づき説明する。除雪機10の制御系統は、制御部61に中心に集約されたものである。制御部61はメモリ63を内蔵し、このメモリ63に記憶されている各種の情報を適宜読み出して制御する構成である。
先ず、除雪作業部13の系統の作動を説明する。
エンジン14の吸気系は、スロットル弁71を制御モータ72で開閉制御するとともに、チョーク弁73を制御モータ74で開閉制御する構成である。スロットル弁71の開度についてはスロットルポジションセンサ75で検出し、チョーク弁73の開度についてはチョークポジションセンサ76で検出し、これらの各検出信号を制御部61に発するようにした。
エンジン14の回転速度(回転数)については、エンジン回転センサ77にて検出し、その検出信号を制御部61に発するようにした。
エンジン14の出力の一部で発電機81を回し、得た電力をバッテリ62に供給するとともに、左右の電動モータ21L,21Rや他の電装品に供給する。エンジン14の出力の残部は、オーガ27及びブロア28の回転に充てる。
走行準備レバー42を握るとともに、オーガスイッチ45を操作することにより、電磁クラッチ31を接続(オン)し、エンジン14の動力でオーガ27及びブロア28を回転させることができる。なお、走行準備レバー42をフリーにするか、又は、オーガスイッチ45を操作することにより、電磁クラッチ31を断(オフ)状態にすることができる。
次に走行部11L,11Rの系統の作動を説明する。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ82L,82Rを備える。具体的には、左右の電動モータ21L,21Rの各モータ軸を左右の電磁ブレーキ82L,82Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ82L,82Rは、駐車中は制御部61の制御により、ブレーキ状態(オン状態)にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ82L,82Rを開放する。
メインスイッチ44がオン位置にあること、及び、走行準備レバー42が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー53を前進又は後進に切換えると、電磁ブレーキ82L,82Rはオフ状態になる。
方向速度レバー53の位置情報をポテンショメータ53aから得た制御部61は、左右のモータドライバ84L,84Rを介して左右の電動モータ21L,21Rを回転させ、電動モータ21L,21Rの回転速度(回転数)をモータ回転センサ83L,83Rで検出して、その検出信号に基づいて回転速度が所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪21L,21Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。
走行中の制動は次の手順で行う。モータドライバ84L,84Rは、回生ブレーキ回路85L,85R及び短絡ブレーキ回路86L,86Rを含む。短絡ブレーキ回路86L,86Rはブレーキ手段である。
左の旋回操作レバー43Lを握って左の旋回スイッチ43Laをオン操作している間は、そのスイッチオンのスイッチ信号に基づいて制御部61は左の回生ブレーキ回路85Lを作動させ、左の電動モータ21Lの速度を下げる。
右の旋回操作レバー43Rを握って右の旋回スイッチ43Raをオン操作している間は、そのスイッチオンのスイッチ信号に基づいて制御部61は右の回生ブレーキ回路85Rを作動させ、右の電動モータ21Rの速度を下げる。
すなわち、左の旋回操作レバー43Lを握っている間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右の旋回操作レバー43Rを握っている間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
そして、(1)走行準備レバー42を離すか、(2)メインスイッチ44をオフ位置に戻すか、(3)方向速度レバー53を中立位置に戻すかの、何れかにより走行を停止させることができる。
オーガハウジング姿勢操作レバー55を前後にスイング操作することで、電動モータ16aは正逆転し、昇降駆動機構16のピストンを伸縮させる。この結果、オーガハウジング25及びブロアケース26は昇降する。オーガハウジング25の昇降位置については、ハイト位置センサ87(上下動検出部87)にて検出し、その検出信号を制御部61に発するようにした。
オーガハウジング姿勢操作レバー55を左右にスイング操作することで、電動モータ38aは正転し、ローリング駆動機構38のピストンを伸縮させる。この結果、オーガハウジング25及びブロアケース26は左右にローリングする。オーガハウジング25のローリング位置については、ローリング位置センサ88(左右傾動検出部88)にて検出し、その検出信号を制御部61に発するようにした。
次に、上記図2に示す制御部61をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図6〜図8に基づき説明する。この制御フローは、例えばメインスイッチ44をオンにしたときに制御を開始し、メインスイッチ44をオフにしたときに制御を終了する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。以下、図2及び図4を参照しつつ説明する。
図6は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その1)であり、エンジン14及び電動モータ21L,21Rを制御するためのメインルーチンを示す。
ST01;方向速度レバー53の操作方向並びに操作量Opを読み込む。この信号は方向速度レバー53のポジションにより定まる。すなわち、方向速度レバー53のポテンショメータ53aから制御部61に発した、電動モータ21L,21Rの目標速度指令を読み込む。
ST02;方向速度レバー53の操作位置を調べ、「中立位置」なら停止制御であると判断してST03に進み、「後進位置」なら後進走行制御であると判断してST04に進み、「前進位置」なら前進走行制御であると判断してST05に進む。
ST03;電動モータ21L,21Rを停止させる又は停止状態を維持させた後に、ST01に戻る。
ST04;電動モータ21L,21Rの後進制御(逆転制御)を実行した後に、ST01に戻る。走行部11L,11Rは後進走行をする。
ST05;方向速度レバー53の操作量Opから電動モータ21L,21Rの目標速度Ts(目標回転数Ts)を求める。
ST06;電動モータ21L,21Rの実際の速度Tr(実回転速度Tr。以下、「実速度Tr」と言う)を計測する。実速度Trについては、例えばモータ回転センサ83L,83Rで計測すればよい。
ST07;オーガスイッチ45のスイッチ信号を読み込む。
ST08;オーガスイッチ45がオンであるか否かを調べ、YESならST09に進み、NOならST10に進む。なお、図6では省略するが、YESの判断の場合には、電磁クラッチ31をオンにする(除雪作業部13を作動させる)。NOの判断の場合には、電磁クラッチ31をオフにする(除雪作業部13を停止させる)。
ST09;減速補正係数マップに基づいて、電動モータ21L,21Rの前進制御(正転制御)を実行した後に、ST01に戻る。走行部11L,11Rは前進走行をする。このST09を具体的に実行するためのサブルーチンについては、後述する図7にて示す。
ST10;電動モータ21L,21Rの実速度Trが目標速度Tsとなるように、電動モータ21L,21Rの前進制御(正転制御)を実行した後に、ST01に戻る。走行部11L,11Rは前進走行をする。
図7は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その2)であり、上記図6のステップST09に示す、減速補正係数マップに基づく電動モータ21L,21Rの前進制御モードを、具体的に実行するためのサブルーチンを示す。
ST101;エンジン14の実際の回転数Ne(以下、「実回転数Ne」と言う)を計測する。実回転数Neについては、例えばエンジン回転センサ77で計測すればよい。
ST102;目標速度Tsを、予め設定された複数の速度しきい値(第1速度しきい値To1、第2速度しきい値To2、第3速度しきい値To3、第4速度しきい値To4)と比較する。各速度しきい値To1〜To4については、「0<To1<To2<To3<To4」の関係にある。
目標速度Tsが0から第1速度しきい値To1までの範囲なら(0<Ts≦To1)、目標速度Tsが起動域にあると判断して、ST103に進む。
目標速度Tsが第1速度しきい値To1を越えて第2速度しきい値To2までの範囲にあるなら(To1<Ts≦To2)、目標速度Tsが微速域にあると判断して、ST104に進む。
目標速度Tsが第2速度しきい値To2を越えて第3速度しきい値To3までの範囲にあるなら(To2<Ts≦To3)、目標速度Tsが低速域にあると判断して、ST105に進む。
目標速度Tsが第3速度しきい値To3を越えて第4速度しきい値To4までの範囲にあるなら(To3<Ts≦To4)、目標速度Tsが中速域にあると判断して、ST106に進む。
目標速度Tsが第4速度しきい値To4を越えているなら、(To4<Ts)、目標速度Tsが高速域にあると判断して、ST107に進む。
ST103;減速補正係数の特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップの中から、第1減速補正係数マップR1(図8参照)を選択する。
ST104;減速補正係数の特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップの中から、第2減速補正係数マップR2(図8参照)を選択する。
ST105;減速補正係数の特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップの中から、第3減速補正係数マップR3(図8参照)を選択する。
ST106;減速補正係数の特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップの中から、第4減速補正係数マップR4(図8参照)を選択する。
ST107;減速補正係数の特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップの中から、第5減速補正係数マップR5(図8参照)を選択する。
ここで、図8において、各減速補正係数マップR1〜R5について説明する。
図8は本発明に係る減速補正係数マップの説明図であり、横軸をエンジンの実回転数Ne(rpm)とし縦軸を減速補正係数Rdとして、エンジンの実回転数Neに対応する減速補正係数Rdを得る、5つの減速補正係数マップR1〜R5を示す。
これらの減速補正係数マップR1〜R5は、エンジンの実回転数Neが大きいときには減速補正係数Rdが大きく、エンジンの実回転数Neが小さいときには減速補正係数Rdが小さくなる特性を有している。つまり、減速補正係数Rdは、エンジンの実回転数Neが大きいほど1.0に近く、回転数Noが小さいほど0に近い値である。
さらに、これらの減速補正係数マップR1〜R5は、エンジンの実回転数Neが予め設定された上限値Nsuを越えた場合に、この上限値Nsuに対応する減速補正係数Rdm(例えば、Rdm=1.0)を維持するとともに、エンジンの実回転数Neが予め設定された下限値Nsdを下回った場合に、この下限値Nsdに対応する各減速補正係数Rd1〜Rd5を維持する特性を有している。
つまり、第1減速補正係数マップR1において、下限値Nsdに対応する減速補正係数はRd1である。第2減速補正係数マップR2において、下限値Nsdに対応する減速補正係数はRd2である。第3減速補正係数マップR3において、下限値Nsdに対応する減速補正係数はRd3である。第4減速補正係数マップR4において、下限値Nsdに対応する減速補正係数はRd4である。第5減速補正係数マップR5において、下限値Nsdに対応する減速補正係数はRd5である。
下限値Nsdに対応する、各減速補正係数Rd1〜Rd5については、「0<Rd1<Rd2<Rd3<Rd4<Rd5<1.0」の関係にある。
以上の説明をまとめると、次の通りである。
複数の減速補正係数マップR1〜R5は、エンジンの実回転数Neが上限値Nsuから下限値Nsdまで低下するにつれて、減速補正係数Rdが小さくなる。
このように、上限値Nsuから下限値Nsdまで低下するにつれて、つまり、エンジンの実回転数Neの低下に応じて、減速補正係数Rdが小さくなる度合いは、第5減速補正係数マップR5が最も小さく、第4減速補正係数マップR4、第3減速補正係数マップR3、第2減速補正係数マップR2、第1減速補正係数マップR1の順に大きくなる特性を有している。
図7に戻って説明を続ける。
ST108;上記ST103〜ST107において選択された減速補正係数マップR1,R2,R3,R4又はR5に基づいて、エンジン14の実回転数Neに対する電動モータ21L,21Rの減速補正係数Rdを求める。
ST109;求められた減速補正係数Rdにて目標速度Tsを補正する。すなわち、方向速度レバー53の操作量Opから求められた元の目標速度Tsに、減速補正係数Rdを乗じて補正し、この補正した値を新たな目標速度Tsとする(Ts=Ts×Rd)。
ST110;電動モータ21L,21Rの実速度Trが、補正された目標速度Tsとなるように、電動モータ21L,21Rの前進制御(正転制御)を実行した後に、図6のST09にリターンする。走行部11L,11Rは前進走行をする。
以上の説明から明らかなように、ST102〜ST107の集合体は、モータ減速パターン選択ステップ91をなす。ST108は補正係数取得ステップ92をなす。ST109は速度補正ステップ93をなす。ST109はモータ速度制御ステップ94をなす。
モータ減速パターン選択ステップ91は、予め設定された、エンジン14の実回転数Neに対する電動モータ21L,21Rの減速補正係数Rdの特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップR1〜R5の中から、オーガスイッチ45にて除雪作業部13をオンにした時点の目標速度Tsに応じて1つを選択する構成である。
補正係数取得ステップ92は、選択された減速補正係数マップR1,R2,R3,R4又はR5に基づいて、エンジン14の実回転数Neに対する電動モータ21L,21Rの減速補正係数Rdを求める構成である。
速度補正ステップ93は、求められた減速補正係数Rdにて目標速度Tsを補正する構成である。
モータ速度制御ステップ94は、電動モータ21L,21Rの実速度Trを補正された目標速度Tsとなるように制御する構成である。
以上述べたように除雪機等の作業機10は上記構成、作用を有するので、次のような効果を発揮する。
すなわち作業機10は、機体19に、エンジン14により駆動する作業部13(除雪作業部13)と、この作業部13のオン・オフを指示する作業駆動指令部45(オーガスイッチ45)と、走行用電動モータ21L,21Rにより駆動する車輪やクローラ等の走行部11L,11Rと、電動モータ21L,21Rを制御する制御部61と、この制御部61に電動モータ21L,21Rの目標速度Tsを指示する目標速度調節部53(方向速度レバー53)とを備える。
制御部61は、モータ減速パターン選択ステップ91、補正係数取得ステップ92、速度補正ステップ93、及び、モータ速度制御ステップ94を備えたことを特徴とする。
このような制御部61は、作業駆動指令部45にて作業部13をオンにした時点の目標速度Tsに応じた減速補正係数マップR1,R2,R3,R4又はR5を選択することによって、現在の作業中の走行速度(電動モータ21L,21Rの目標速度Ts)を基準とし、エンジン14の実回転数Neに対する電動モータ21L,21Rの減速補正係数Rdを求め、この減速補正係数Rdによって目標速度Tsを補正する。このため、作業機10における現実の走行速度を基準とした割合だけ、その走行速度を下げることができる。
つまり、作業機10における現在の走行速度で作業中に、作業部13にかかる負荷が増大した場合には、エンジン14の回転数Neが低下する。このときに、現在の走行速度に応じた最適なマップR1,R2,R3,R4又はR5を選択し、低下したエンジン14の回転数Neに応じた減速補正係数Rdを求め、この減速補正係数Rdに応じた分だけ走行速度を下げることができる。従って、走行速度(電動モータ21L,21Rの目標速度Ts)に対応した負荷制御を行うことができる。
例えば、負荷が頻繁に大きく変動した場合であっても、作業機10の走行速度が頻繁に大きく変動することを抑制することができる。しかも、負荷が増大したときに、現在の走行速度を基準とした割合だけしか速度を下げることがない。このため、作業者にとって、走行速度が頻繁に大きく変動する煩わしさがなく、作業性をより高めることができる。
さらに複数の減速補正係数マップR1〜R5は、エンジン14の実回転数Neが大きいときには減速補正係数Rdが大きく、エンジン14の実回転数Neが小さいときには減速補正係数Rdが小さくなる特性を有している。
減速補正係数Rdについては、例えば最大1.0から最小0.0とすればよい。減速補正係数Rdを1.0とすれば、減速補正係数Rdによって補正される目標速度Tsは変わらない。減速補正係数Rdを0.0とすれば、減速補正係数Rdによって補正される目標速度Tsは0.0となる。つまり、停止する。このように、減速補正係数Rdが小さいほど、減速補正係数Rdによって補正される目標速度Tsは小さくなる。つまり、減速補正係数Rdが大きいときの目標速度Tsは余り減少しない。一方、減速補正係数Rdが小さいときの目標速度Tsは大きく減少する。
一般に、作業中において、エンジン14が高速回転に変化したときには、作業部13にかかる負荷が小さい作業状況になったと考えることができる。一方、エンジン14が低速回転に変化したときには、作業部13にかかる負荷が大きい作業状況になったと考えることができる。
これに対して発明では、エンジン14が高速回転をしている軽負荷のときに、減速補正係数Rdが大きい特性とすることにより、作業機10の走行速度が余り下がらないので、現在の作業速度をできるだけ維持することができる。一方、エンジン14が低速回転をしている重負荷のときには、減速補正係数Rdが小さい特性とすることにより、作業機10の走行速度を大きく下げて負荷を減少させ、エンジン14の負担を軽減させることができる。このように、作業者の意図に沿った作業を行うことができるので、作業性をより一層高めることができる。
さらには、モータ減速パターン選択ステップ91は、作業部13をオンにした時点の目標速度Tsが小さいときほど、エンジン14の実回転数Neの低下に応じて減速補正係数Rdが大きく減少する特性の、減速補正係数マップR1,R2,R3,R4又はR5を選択するように構成したものである。
作業中の走行速度(電動モータ21L,21Rの目標速度Ts)が大きい場合は、作業部13にかかる負荷が増大しても、走行速度が余り減少しないので、現在の作業速度をできるだけ維持して、手早い作業をすることができる。
また、作業中の走行速度が元々小さい場合は、作業部13にかかる負荷が増大したときに、減速補正係数Rdを大きく減少させても、走行速度はそれほど大きく減少しない。従って、作業速度が比較的遅い作業のときに適している。
このように、作業者の作業速度の感覚に合った作業を行うことができるので、作業性がより一層高まる。
さらには、複数の減速補正係数マップR1〜R5は、エンジン14の実回転数Neが、予め設定された上限値Nsuを越えた場合に、この上限値Nsuに対応する減速補正係数Rdを維持するとともに、エンジン14の実回転数Neが予め設定された下限値Nsdを下回った場合に、この下限値Nsdに対応する減速補正係数Rdを維持する特性を有している。
このようにすることで、電動モータ21L,21Rの目標速度Tsの変化に応じて、他の減速補正係数マップへ切り替わったときに、補正された目標速度Tsの値が大きく変動することを、抑制することができる。従って、作業機10の走行速度における速度変化を円滑にすることができ、この結果、作業性がより一層高まる。
以上、図6〜図8に基づきに説明した制御部61の制御フローの構成は、例えば上記モード切替スイッチ51で第2制御位置P2に切り替えたときの、第2の制御モード(パワーモード)に適用するのに最適である。
なお、本発明は実施の形態では、作業機10は走行速度に応じて作業部13にかかる負荷が増大するものであればよく、オーガ式除雪機に限定されるものではない。
また、作業駆動指令部45にて作業部13をオンにした時点の目標速度Tsに応じて、エンジン14の実回転数Neに対する電動モータ21L,21Rの減速補正係数Rdを求める構成、すなわち、モータ減速パターン選択ステップ91及び補正係数取得ステップ92の組合せ構成は、演算式によって求める構成を包含する。つまり、複数の減速補正係数マップR1〜R5の各特性に合致する演算式を予め設定し、この演算式によって減速補正係数Rdを求める構成であってもよい。
また、上記制御フローにおいて、左右の電動モータ21L,21Rの駆動制御方式は、例えば、モータ端子にパルス電圧を供給するパルス幅変調方式(PWM方式)とすればよい。制御部61の制御信号に応じて、モータドライバ84L,84Rはパルス幅が制御されたパルス信号を発して、電動モータ21L,21Rの回転を制御することができる。
本発明の作業機10は、作業部13をエンジン14で駆動するとともに、走行部11L,11Rの走行速度を電動モータ21L,21Rで可変するようにし、エンジン14並びに電動モータ21L,21Rを関連させて走行速度を制御するものであって、走行速度に応じて作業部13にかかる負荷が増大する自走式作業機である。このような作業機10は、前進走行しつつ前部のオーガで雪を掻き集めて除雪するオーガ式除雪機に好適である。
本発明に係る除雪機(作業機)の側面図である。 本発明に係る除雪機の模式的平面図兼制御系統図である。 本発明に係る操作部の斜視図である。 本発明に係る操作部の平面図である。 本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その1)である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その2)である。 本発明に係る減速補正係数マップの説明図である。 従来のオーガ式除雪機の構成図である。
符号の説明
10…作業機(除雪機)、11L,11R…走行部、13…作業部(除雪作業部)、14…エンジン、19…機体、21L,21R…電動モータ、45…作業駆動指令部(オーガスイッチ)、53…目標速度調節部(方向速度レバー)、61…制御部、91…モータ減速パターン選択ステップ、92…補正係数取得ステップ、93…速度補正ステップ、94…モータ速度制御ステップ、Ne…エンジンの実回転数、Nsd…下限値、Nsu…上限値、Rd…減速補正係数、Rd1〜Rd5…下限値に対応する減速補正係数、Rdm…上限値に対応する減速補正係数、R1〜R5…減速補正係数マップ、Tr…電動モータの実速度、Ts…電動モータの目標速度。

Claims (4)

  1. 機体に、エンジンにより駆動するオーガ式の除雪作業部と、この除雪作業部のオン・オフを指示する作業駆動指令部と、電動モータにより駆動する車輪やクローラ等の走行部と、前記電動モータを制御する制御部と、この制御部に前記電動モータの目標速度を指示する目標速度調節部とを備えたオーガ式除雪機において、前記制御部は、
    予め設定され、前記エンジンの実回転数に対して最大1.0から最小0.0までの範囲で前記電動モータの減速補正係数の特性が互いに異なる、複数の減速補正係数マップの中から、前記作業駆動指令部にて前記除雪作業部をオンにした時点の前記目標速度に応じて1つを選択する、モータ減速パターン選択ステップと、
    前記選択された減速補正係数マップに基づいて、前記エンジンの実回転数に対する前記電動モータの減速補正係数を求める、補正係数取得ステップと、
    前記求められた減速補正係数を前記目標速度に乗算することで、前記目標速度を補正する、速度補正ステップと、
    前記電動モータの実速度を前記補正された目標速度まで減速するように制御する、モータ速度制御ステップと、を備えることで、
    前記作業駆動指令部にて前記除雪作業部をオンにした時点の前記目標速度を基準として前記実速度を下げるように構成したことを特徴とするオーガ式除雪機
  2. 前記複数の減速補正係数マップは、前記エンジンの実回転数が大きいときには前記減速補正係数が大きく、前記エンジンの実回転数が小さいときには前記減速補正係数が小さくなる特性を有していることを特徴とした請求項1記載のオーガ式除雪機
  3. 前記モータ減速パターン選択ステップは、前記除雪作業部をオンにした時点の前記目標速度が小さいときほど、前記複数の減速補正係数マップの中から、前記エンジンの実回転数の低下に応じて前記減速補正係数が小さくなる度合いの大きい特性のマップを選択するように構成したことを特徴とする請求項2記載のオーガ式除雪機
  4. 前記複数の減速補正係数マップは、前記エンジンの実回転数が予め設定された上限値を越えた場合に、この上限値に対応する前記減速補正係数を維持するとともに、前記エンジンの実回転数が予め設定された下限値を下回った場合に、この下限値に対応する前記減速補正係数を維持する特性を有していることを特徴とした請求項2又は請求項3記載のオーガ式除雪機
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