JP2007045006A - プリンタ - Google Patents

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Toshiharu Matsui
敏治 松井
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Abstract

【課題】インクジェットプリンタにおいて、印刷ヘッドの位置を検出するために用いられるエンコーダスケールの一端がひっぱりコイルばねによりプリンタ本体に掛止される構造であっても、容易にエンコーダスケールを取付けることができ、エンコーダスケールがエンコーダスケールの幅方向にずれることを防止する。
【解決手段】エンコーダスケール7は、予めひっぱりコイルばね10によりばね用フック12に掛止された後、掛止用孔13を掛止用フック9に掛止するために主走査方向でありひっぱりコイルばね10を伸ばす方向へ引っ張られながら掛止用フック9が第1部分13aに貫通させられる。第1部分13aは、頭部9bより大きく形成されているため、頭部9bは容易に第1部分13aに貫通する。張出部15は、掛止部9aの側面に当接するためエンコーダスケール7がエンコーダスケール7の幅方向にずれるのを防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、インクジェットプリンタ等のように印刷ヘッドが主走査方向に移動しながら用紙上に画像を形成するプリンタの印刷ヘッドの位置検出構造に関する。
近年、プリンタの低価格化に伴い、インクジェットプリンタにおいても、印刷ヘッドを駆動するための駆動源として、高価なステッピングモータにかわって比較的安価なDCモータが使用されている。ところが、DCモータではステッピングモータと異なり、印刷ヘッドの位置を直接検出することはできず、位置検出のために例えば、リニアエンコーダなどが必要である。リニアエンコーダは、所定ピッチで明暗パターンが印刷され、印刷ヘッドの移動方向(主走査方向)に平行に設けられたエンコーダスケールと、このエンコーダスケールに光を照射し、透過光又は反射光を検出するフォトカプラなどで構成されている。
従来のDCモータを駆動源としたインクジェットプリンタにおいて、エンコーダスケールは、両端が掛止された状態でプリンタ本体に取付けられている。エンコーダスケールは、印刷ヘッドと一体となって移動する透過型の光センサによって読取られるために両端が掛止された状態でプリンタ本体に取付けられる必要がある。また、エンコーダスケールは、一端側にひっぱりコイルばねを介在させてプリンタ本体に取付けられることにより張力が与えられるため、弛みが防止される。これにより、光センサは、エンコーダスケールが弛まないため正確にエンコーダスケールを読取ることができる。
ここで、従来のエンコーダスケールの取付け構造を図面を参照して説明する。図5(a),(b),(c)は、従来のエンコーダスケールの取付け構造を示す。図5(a)はエンコーダスケール7が取付けられる前の状態を示し、図5(b)はエンコーダスケール7が取付けられている途中の状態を示し、図5(c)はエンコーダスケールが取付けられた後の状態を示す。図5(a)において、エンコーダスケール7は一端側にプリンタのフレームに設けられたフック9に掛止されるための掛止用孔13を備え、他端側にひっぱりコイルばね10の両端に設けられた一方のフックが掛けられるためのばね用穴14を備える。ひっぱりコイルばね10に設けられた他方のフックはプリンタのフレームに設けられたフック12に掛止される。掛止用孔13の形状は、例えば長方形であり、ばね用穴14の形状は、例えば円形である。
図5(b)において、掛止用孔13は、フック9に掛止された後にフック9から外れないようにフック9の頭部がそのままでは掛止用孔13に貫通しない寸法に形成されている。そのため、掛止用孔13をフック9に掛止するためには、エンコーダスケール7を傾けながら掛止用孔13にフック9を貫通させなければならなかった。そのため、先にひっぱりコイルばね10をばね用穴14及びフック12に掛けると、ひっぱりコイルばね10を引っ張りながらエンコーダスケール7を傾けながら掛止用孔13をフック9に掛止しなければならず、ひっぱりコイルばね10を必要以上に引っ張らなければならず、エンコーダスケール7の取付けがとても困難であった。また、ひっぱりコイルばね10の特性によっては弾性限界を超えるため、事実上この方法ではエンコーダスケール7の取付けが不可能なこともあった。そこで、ひっぱりコイルばね10をばね用穴14及びフック12に掛けるよりも先に、掛止用孔13をフック9に掛止する必要があった。
図5(c)において、エンコーダスケール7の取付けは、掛止用孔13がフック9に掛止された後、ひっぱりコイルばね10がばね用穴14及びフック12に掛けられることで完了する。しかし、ばね用穴14にひっぱりコイルばね10の一方のフックを掛け、フック12にひっぱりコイルばね10の他方のフックを掛止するには、ひっぱりコイルばね10を伸ばしながらフック12に掛止しなければならないため、ひっぱりコイルばね10の縮む方向への付勢力によって容易にひっぱりコイルばね10をフック12に掛止することができなかった。
そこで、例えば、特許文献1に示されるように、プリンタ本体に設けられエンコーダスケール7を掛止するフックが主走査方向に可動し、かつ、可動するフックにひっぱりコイルばねを取り付けることにより可動するフックが取付けられたエンコーダスケール7に張力を与えることで、エンコーダスケール7の弛みを防止すると共に、エンコーダスケール7の取付けが容易である印刷ヘッドの位置検出構造が知られている。
しかしながら、上記の特許文献1に示される技術においては、ひっぱりコイルばねが取付けられたフックが主走査方向に可動するために、可動するフックの両側にガイドを設ける必要があった。これにより、部品点数及び組立工程の増加によるコスト高と組立作業効率の悪化が問題となっていた。
2000−296649号公報
本発明は、上記課題を解決するものであって、エンコーダスケールの一端側に設けられた掛止用孔を特定の形状にすることで、エンコーダスケールの他端側とプリンタのフレームに設けられたフックとをひっぱりコイルばねによって掛止しエンコーダスケールの弛みを防止する構造であっても、容易にエンコーダスケールを取付けることができると共に、取付けられたエンコーダスケールがエンコーダスケールの幅方向にずれることのない印刷ヘッドの位置検出構造を備えたプリンタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、印刷ヘッドが主走査方向に移動しながら用紙上に画像を形成するプリンタにおいて、プリンタは、印刷ヘッドを駆動させるDCモータと、印刷ヘッドの現在位置を検出するために用いられ主走査方向に張架される帯状のエンコーダスケールと、張架されたエンコーダスケールに張力を与え弛みを防止するためのひっぱりコイルばねと、印刷ヘッド近傍に取付けられ印刷ヘッドと一体となって移動しエンコーダスケールを光学的に読取ることにより印刷ヘッドの現在位置を検出する光センサと、印刷ヘッドが可動する部分の両側のフレームに設けられエンコーダスケールの一端及びひっぱりコイルばねの一端がそれぞれ掛止される第1のフック及び第2のフックとを備え、エンコーダスケールの一端が掛止される第1のフックは、フレームの一部を折り曲げて形成され張架されたエンコーダスケールの表面に対して略垂直で、かつ、エンコーダスケールの幅方向に所定の寸法を有する掛止部と、掛止部の一端をエンコーダスケールの表面に平行で、かつ、ひっぱりコイルばねの張力の作用方向とは逆向きに折り曲げて形成され主走査方向において所定の寸法を有する頭部とを有し、エンコーダスケールは、一端側にひっぱりコイルばねが取付けられるばね用穴と他端側に第1のフックに掛止するための掛止用孔とを備え、ひっぱりコイルばねは、両端にフックを有し一方のフックはばね用穴に掛けられ、他方のフックは第2のフックに掛止され、掛止用孔は、第1のフックの頭部がそのまま貫通しうる第1部分と、第1のフックの頭部がそのままでは貫通できない第2部分を有し、第1部分と第2部分はエンコーダスケールの幅方向に並んで形成され、かつ、第1のフックの掛止部が相対的に移動しうるように幅方向につながっており、第1部分と第2部分との間にはエンコーダスケールの一部が第1のフックの掛止部の側面に当接するまで掛止用孔の内側へ張出した張出部を備え、張出部は、エンコーダスケールが第1のフックに掛止されたときに、エンコーダスケールが副走査方向にずれるのを防止すると共に、第2部分に掛止された第1のフックの掛止部が第2部分から第1部分へ相対的に移動するのを防止し、エンコーダスケールは、あらかじめひっぱりコイルばねが第2のフックとエンコーダスケールのばね用穴に掛止された後、エンコーダスケールの掛止用孔が第1のフックに掛止されることで、容易に取付けられるようにしたものである。
また、請求項2の発明は、印刷ヘッドが主走査方向に移動しながら用紙上に画像を形成するプリンタにおいて、プリンタは、印刷ヘッドを駆動させるDCモータと、印刷ヘッドの現在位置を検出するために用いられ主走査方向に張架される帯状のエンコーダスケールと、張架されたエンコーダスケールに張力を与え弛みを防止するための弾性体と、印刷ヘッド近傍に取付けられ印刷ヘッドと一体となって移動しエンコーダスケールを光学的に読取ることにより印刷ヘッドの現在位置を検出する光センサと、印刷ヘッドが可動する部分の両側のフレームに設けられたうち一方のフレームにエンコーダスケールの一端が掛止される掛止用フックとを備え、掛止用フックは、フレームの一部を折り曲げて形成され張架されたエンコーダスケールの表面に対して略垂直で、かつ、エンコーダスケールの幅方向に所定の寸法を有する掛止部と、掛止部の一端をエンコーダスケールの表面に平行で、かつ、弾性体の張力の作用方向とは逆向きに折り曲げて形成され主走査方向において所定の寸法を有する頭部とを有し、エンコーダスケールは、一端側に弾性体が取付けられ、他端側に掛止用フックに掛止するための掛止用孔を備え、弾性体は、エンコーダスケールに取付けられていない一端側が掛止用フックが設けられていないフレームに取付けられ、掛止用孔は、第1のフックの頭部がそのまま貫通しうる第1部分と、第1のフックの頭部がそのままでは貫通できない第2部分を有し、第1部分と第2部分はエンコーダスケールの幅方向に並んで形成され、かつ、第1のフックの掛止部が相対的に移動しうるように幅方向につながっており、第1部分と第2部分との間にはエンコーダスケールの一部が第1のフックの掛止部の側面に当接するまで掛止用孔の内側へ張出した張出部を備えるようにしたものである。
また、請求項3の発明は、請求項2において、エンコーダ用スケールは、一端側に弾性体が取付けられる弾性体用穴を備え、弾性体は、一端側にフックを有しフックは弾性体用穴に掛けられ、他端側は掛止用フックが設けられていないフレームに取付けられるようにしたものである。
請求項1の発明によれば、ひっぱりコイルばねは、自然長の状態、すなわち付勢力が作用しない状態ではね用穴及び第2のフックに掛止されるため、容易にひっぱりコイルばねをエンコーダスケールと第2のフックに掛止することができる。第1のフックの頭部は、既にエンコーダスケールの一端にひっぱりコイルばねが取付けられているため、ひっぱりコイルばねをさほど伸ばす必要がないと共に、エンコーダスケールを傾けることなく掛止用孔の第1部分に貫通される。また、第2部分は、エンコーダスケールの幅方向に第1部分に並んで形成されているので、エンコーダスケールをエンコーダスケールの幅方向にスライドさせるだけで第1部分に貫通している第1のフックを容易に第2部分に係合させることができる。このとき、張出部は、掛止部の側面に当接し、第1のフックが掛止用孔の第2部分から抜けにくくする。これにより、エンコーダスケールは、容易にプリンタに取付けられるため、取付作業の効率が向上する。さらに、張出部が、掛止部の側面に当接することで、プリンタの運搬時の衝撃や印刷時の振動などによるエンコーダスケールの幅方向へのずれを防止することができると共に、第2部分に掛止する掛止用フックが第1部分へ移動するのを防止することができる。
請求項2の発明によれば、弾性体は、自然長の状態、すなわち付勢力が作用しない状態でエンコーダスケール及びプリンタのフレームに取付けられるため、容易に弾性体を及びプリンタのフレームに取付けることができる。第1のフックの頭部は、既にエンコーダスケールの一端に弾性体が取付けられているため、弾性体をさほど伸ばす必要がないと共に、エンコーダスケールを傾けることなく掛止用孔の第1部分に貫通される。また、第2部分は、エンコーダスケールの幅方向に第1部分に並んで形成されているので、エンコーダスケールをエンコーダスケールの幅方向にスライドさせるだけで第1部分に貫通している第1のフックを容易に第2部分に係合させることができる。このとき、張出部は、掛止部の側面に当接し、第1のフックが掛止用孔の第2部分から抜けにくくする。これにより、エンコーダスケールは、容易にプリンタに取付けられるため、取付作業の効率が向上する。さらに、張出部が、掛止部の側面に当接することで、プリンタの運搬時の衝撃や印刷時の振動などによるエンコーダスケールの幅方向へのずれを防止することができると共に、第2部分に掛止する掛止用フックが第1部分へ移動するのを防止することができる。
請求項3の発明によれば、エンコーダスケールは、一端側に弾性体が取付けられる弾性体用穴を備えており、弾性体は一端側にフックを有している。これにより、弾性体は、弾性体のフックを弾性体用穴に掛けられることにより、容易にエンコーダスケールに取付けられる。
以下、本発明の実施形態に係るプリンタについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプリンタの一例として、インクジェットプリンタの概略構成を示す。プリンタ1は、印刷される用紙2をストックするための用紙台3と、用紙2に画像を形成する印刷ヘッド4と、印刷された用紙5が排出される排出口6と、印刷ヘッド4の現在位置を検出するためにエンコーダスケール7と、印刷ヘッド4近傍に取付けられエンコーダスケール7のストライプを光学的に読取る光センサ16と、印刷ヘッド4を主走査方向へ移動させるDCモータ17と、プリンタ本体に設けられフレーム8の一部を折り曲げて形成されエンコーダスケール7を掛止するための第1のフック9(以下、掛止用フック9という)と、エンコーダスケール7の一端に取付けられるひっぱりコイルばね10と、プリンタ本体に設けられフレーム11の一部を折り曲げて形成されコイルばね10が掛止される第2のフック12(以下、ばね用フック12という)とを備える。
エンコーダスケール7は、帯状の透明シートで形成され等間隔にストライプが印刷されており、一端側には掛止用フック9に掛止されるための掛止用孔13を備え、他端側にはひっぱりコイルばね10の両端に設けられたフックが掛けられるためのばね用穴14を備える。ここで、エンコーダスケール7は、ひっぱりコイルばね10によって張力が与えられることにより弛むことなくプリンタ本体に取付けられる。エンコーダスケール7は、張架されてプリンタ1に取付けられることで、透過型光センサに読み取られることが可能となる。なお、このストライプは非常に狭い間隔で印刷されているが、以下、図面をわかりやすくするため拡大している。
DCモータ17は、フレーム8の下方に取付けられており、印刷ヘッド4を移動させるための駆動ベルト19が掛けられている。駆動ベルト19は、印刷ヘッド4に繋がれると共に、フレーム11の下方に取付けられたプーリ18に掛けられている。印刷ヘッド4は、DCモータ17が回転し駆動ベルト19を動かすことにより、駆動ベルト19の動きに応じて主走査方向に移動しながら用紙5に画像を形成する。光センサ16は、形状がコ字形状に形成され、コ字形状の一端に発光部を備え他端に受光部を備える透過型光センサである。また、光センサ16は、印刷ヘッド4の近傍に取付けられ印刷ヘッド4と一体となって移動し、光センサ16のコ字形状の間に備えたエンコーダスケール7のストライプを光学的に読取ることによりプリンタ1は印刷ヘッド4の現在位置を検出する。
図2は、同プリンタのエンコーダスケール7の取付状態を示す。エンコーダスケール7は、ばね用穴14とばね用フック12にひっぱりコイルばね10が掛止された後、掛止用孔13が掛止用フック9に掛止される。これにより、ひっぱりコイルばね10は、自然長の状態、すなわち付勢力が作用しない状態でばね用穴14及びばね用フック12に掛止されるため、ひっぱりコイルばね10の取付けが容易になる。
図3(a),(b)は、同プリンタの拡大した掛止用フック9及びエンコーダスケール7の一部を示す。図3(a)は拡大した掛止用フック9を示し、図3(b)は拡大したエンコーダスケール7の掛止用孔13を示す。図3(a)において、掛止用フック9は、フレーム8の一部を折り曲げて形成され、掛止用フック9に取付けられたエンコーダスケール7の表面に対してほぼ垂直である掛止部9aと、掛止部9aの一端をエンコーダスケール7の表面に平行でありひっぱりコイルばね10の張力の作用方向とは逆向きに折り曲げられている頭部9bとを備える。掛止部9aは、エンコーダスケール7の幅方向に対して所定の寸法であり、頭部9bは、主走査方向であって掛止用孔13に対して所定の寸法であるように形成されている。ここで、頭部9bの主走査方向であって掛止用孔13に対する所定の寸法を寸法L9bとし、掛止部9aのエンコーダスケール7の幅方向に対する所定の寸法を幅W9とし、掛止部9aの側面の厚みを側面厚L9aとする。
図3(b)において、掛止用孔13は、主走査方向の長さが長い第1部分13aと、主走査方向の長さが短い第2部分13bと、第1部分13aと第2部分13bとの間にエンコーダスケール7が掛止用孔13の内側へ張出した張出部15とを備える。第1部分13aと第2部分13bはつながっており、エンコーダスケール7の幅方向に並んで形成されている。ここで、第1部分13aの主走査方向の長さを第1部分長L13aとし、第2部分13bの主走査方向の長さを第2部分長L13bとする。また、第1部分13a、及び第2部分13bのエンコーダスケール7の幅方向に対する寸法をそれぞれ幅W13とし、張出部15の主走査方向の長さを張出長L15とする。幅W13は、幅W9より長く形成されている。さらに、張出部15の先端近傍であって掛止用孔13の第1部分13aと第2部分13bとがつながる部分の主走査方向の長さを最短長L13とする。張出部15は、掛止部9aの側面に当接するため第2部分13bの一辺に対して垂直になるように形成されており、張出部15の形状はくさび形である。
第1部分長L13aは寸法L9bより長く、第2部分長L13bは寸法L9bより短く形成されている。これにより、頭部9bは、エンコーダスケール7を傾けることなく第1部分13aに貫通することができる。また、頭部9bは、掛止部9aが第2部分13bに掛止したとき容易に第2部分13bが掛止用フック9から外れないようになる。張出部15は、掛止部9aが第2部分13bに掛止したとき、掛止部9aの側面に当接する。ここで、張出長L15は、側面厚L9aより長く形成されており、最短長L13は、側面厚L9aより長くなるように形成されている。これにより、掛止部9aは、第1部分13aから第2部分13bへ移動することが可能となる。さらに、掛止部9aが第2部分13bに掛止したときには張出部15が掛止部9aの側面に当接するため、掛止用フック9の第2部分13bから第1部分13aへの移動を防止することができる。
図4(a),(b),(c)は、同プリンタの掛止用孔13の掛止用フック9への掛止状態を示す。図4(a)は掛止用フック9が掛止用フック9に貫通する前の状態を示し、図4(b)は掛止用フック9が掛止用フック9の第1部分13aに貫通した状態を示し、図4(c)は、掛止用孔13の第2部分13bが掛止用フック9に掛止された状態を示す。なお、図4(a)乃至図4(c)においては図示しないが、図2に示すようにあらかじめひっぱりコイルばね10は、エンコーダスケール7のばね用穴14及びばね用フック12に掛止されている。
図4(a)において、エンコーダスケール7は、掛止用孔13を掛止用フック9に掛止するために主走査方向であってひっぱりコイルばね10を伸ばす方向(図中の矢印A)へ引っ張られる。次に、図4(b)において、掛止用フック9は、エンコーダスケール7がひっぱりコイルばね10を伸ばしながら引っ張られ、掛止用孔13の第1部分13aが掛止用フック9の頭部9bの上方まで移動させられた後、第1部分13aに貫通される。第1部分13aは、頭部9bより大きく形成されているため、頭部9bは容易に第1部分13aに貫通されることができる。エンコーダスケール7は、掛止用フック9が第1部分13aに貫通された後、掛止部9aを第1部分13aから第2部分13bに相対的に移動させるため、エンコーダスケール7の幅方向である第2部分13bから第1部分13aの方向(図中の矢印B)へ引っ張られる。これにより、掛止部9aは、第1部分13aから張出部15の先端近傍の掛止用孔13を経て第2部分13bに移動させられる。
図4(c)において、第2部分13bは、エンコーダスケール7がひっぱりコイルばね10によって張力が与えられることにより掛止部9aに掛止される。また、第2部分13bの側面は、張出部15に当接する。これにより、エンコーダスケール7は弛むことなく取付けられると共に、エンコーダスケール7の幅方向にずれることが防止される。第2部分13bの側面に当接する張出部15は、第2部分13bに掛止された掛止用フック9が第1部分13aへ移動するのを防止する。
以上のように本発明の実施形態のプリンタ1においては、ひっぱりコイルばねは、自然長の状態、すなわち付勢力が作用しない状態ではね用穴及び第2のフックに掛止されるため、容易にひっぱりコイルばねを取付けることができる。第1のフックの頭部は、既にエンコーダスケールの一端にひっぱりコイルばねが取付けられているため、ひっぱりコイルばねをさほど伸ばす必要がないと共に、エンコーダスケールを傾けることなく掛止用孔の第1部分に貫通される。また、第2部分は、エンコーダスケールの幅方向に第1部分に並んで形成されているので、エンコーダスケールをエンコーダスケールの幅方向にスライドさせるだけで第1部分に貫通している第1のフックを容易に第2部分に係合させることができる。このとき、張出部は、掛止部の側面に当接するため、第1のフックが掛止用孔の第2部分から抜けにくくする。これにより、エンコーダスケールは、容易にプリンタに取付けられるため、取付作業の効率が向上する。さらに、張出部が、掛止部の側面に当接することで、プリンタの運搬時の衝撃や印刷時の振動などによるエンコーダスケールの幅方向へのずれを防止することができるのと共に、第2部分に掛止する掛止用フックが第1部分へ移動するのを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能であり、例えば、掛止部9aの形状が円柱であり、掛止用孔13の第2部分13bの形状が、円柱形状の掛止部9aに掛止し易いように半円形である構成であっても構わない。また、張出部15の形状はくさび形に限定されず、例えば、長方形である構成であっても構わない。
本発明の実施形態に係るプリンタ1の概略を示す構成図。 同プリンタのエンコーダスケール7の取付状態を示す斜視図。 (a),(b)は同プリンタの拡大した掛止用フック9及びエンコーダスケール7の一部を示す説明図。 (a),(b),(c)はそれぞれ同プリンタの掛止用孔13の掛止用フック9への掛止状態を示す説明図。 (a),(b),(c)はそれぞれ従来のエンコーダスケール7の取付状態を示す説明図。
符号の説明
1 プリンタ
4 印刷ヘッド
7 エンコーダスケール
8 フレーム
9 第1のフック(掛止用フック)
9a 掛止部
9b 頭部
10 ひっぱりコイルばね
11 フレーム
12 第2のフック(ばね用フック)
13 掛止用孔
13a 第1部分
13b 第2部分
14 ばね用穴
15 張出部
16 光センサ
17 DCモータ

Claims (3)

  1. 印刷ヘッドが主走査方向に移動しながら用紙上に画像を形成するプリンタにおいて、
    前記プリンタは、前記印刷ヘッドを駆動させるDCモータと、該印刷ヘッドの現在位置を検出するために用いられ主走査方向に張架される帯状のエンコーダスケールと、張架された該エンコーダスケールに張力を与え弛みを防止するためのひっぱりコイルばねと、該印刷ヘッド近傍に取付けられ該印刷ヘッドと一体となって移動し該エンコーダスケールを光学的に読取ることにより該印刷ヘッドの現在位置を検出する光センサと、該印刷ヘッドが可動する部分の両側のフレームに設けられ該エンコーダスケールの一端及びひっぱりコイルばねの一端がそれぞれ掛止される第1のフック及び第2のフックとを備え、
    前記エンコーダスケールの一端が掛止される前記第1のフックは、前記フレームの一部を折り曲げて形成され張架された該エンコーダスケールの表面に対して略垂直で、かつ、該エンコーダスケールの幅方向に所定の寸法を有する掛止部と、該掛止部の一端をエンコーダスケールの表面に平行で、かつ、ひっぱりコイルばねの張力の作用方向とは逆向きに折り曲げて形成され主走査方向において所定の寸法を有する頭部とを有し、
    前記エンコーダスケールは、一端側に前記ひっぱりコイルばねが取付けられるばね用穴と他端側に前記第1のフックに掛止するための掛止用孔とを備え、
    前記ひっぱりコイルばねは、両端にフックを有し一方のフックは前記ばね用穴に掛けられ、他方のフックは前記第2のフックに掛止され、
    前記掛止用孔は、前記第1のフックの頭部がそのまま貫通しうる第1部分と、該第1のフックの頭部がそのままでは貫通できない第2部分を有し、該第1部分と該第2部分は前記エンコーダスケールの幅方向に並んで形成され、かつ、該第1のフックの掛止部が相対的に移動しうるように幅方向につながっており、該第1部分と該第2部分との間には前記エンコーダスケールの一部が該第1のフックの掛止部の側面に当接するまで該掛止用孔の内側へ張出した張出部を備え、
    前記張出部は、前記エンコーダスケールが前記第1のフックに掛止されたときに、該エンコーダスケールが該エンコーダスケールの幅方向にずれるのを防止すると共に、該第2部分に掛止された前記第1のフックの掛止部が該第2部分から該第1部分へ相対的に移動するのを防止し、
    前記エンコーダスケールは、あらかじめ前記ひっぱりコイルばねが前記第2のフックと該エンコーダスケールのばね用穴に掛止された後、該エンコーダスケールの掛止用孔が前記第1のフックに掛止されることで、容易に取付けられることを特徴とするプリンタ。
  2. 印刷ヘッドが主走査方向に移動しながら用紙上に画像を形成するプリンタにおいて、
    前記プリンタは、前記印刷ヘッドを駆動させるDCモータと、該印刷ヘッドの現在位置を検出するために用いられ主走査方向に張架される帯状のエンコーダスケールと、張架された該エンコーダスケールに張力を与え弛みを防止するための弾性体と、該印刷ヘッド近傍に取付けられ該印刷ヘッドと一体となって移動し該エンコーダスケールを光学的に読取ることにより該印刷ヘッドの現在位置を検出する光センサと、該印刷ヘッドが可動する部分の両側のフレームに設けられたうち一方のフレームに該エンコーダスケールの一端が掛止される掛止用フックとを備え、
    前記掛止用フックは、前記フレームの一部を折り曲げて形成され張架された該エンコーダスケールの表面に対して略垂直で、かつ、該エンコーダスケールの幅方向に所定の寸法を有する掛止部と、該掛止部の一端をエンコーダスケールの表面に平行で、かつ、弾性体の張力の作用方向とは逆向きに折り曲げて形成され主走査方向において所定の寸法を有する頭部とを有し、
    前記エンコーダスケールは、一端側に弾性体が取付けられ、他端側に前記掛止用フックに掛止するための掛止用孔を備え、
    前記弾性体は、前記エンコーダスケールに取付けられていない一端側が前記掛止用フックが設けられていないフレームに取付けられ、
    前記掛止用孔は、前記第1のフックの頭部がそのまま貫通しうる第1部分と、該第1のフックの頭部がそのままでは貫通できない第2部分を有し、該第1部分と該第2部分は前記エンコーダスケールの幅方向に並んで形成され、かつ、該第1のフックの掛止部が相対的に移動しうるように幅方向につながっており、該第1部分と該第2部分との間には前記エンコーダスケールの一部が該第1のフックの掛止部の側面に当接するまで該掛止用孔の内側へ張出した張出部を備えたことを特徴とするプリンタ。
  3. 前記エンコーダスケールは、一端側に弾性体が取付けられる弾性体用穴を備え、
    前記弾性体は、一端側にフックを有し該フックは前記弾性体用穴に掛けられ、他端側は前記掛止用フックが設けられていないフレームに取付けられることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
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