JP2007044948A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印字ヘッドの走査速度が加速減速領域においても画像品位の劣化を起こすことなく良好な記録を行い得るインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、スキャンごとに印字ヘッドと記録媒体の距離を計測する手段と、印字ヘッドと記録媒体との相対移動に関して、その相対移動の所定距離ごとの信号を出力する位置信号出力手段を用い、その位置信号出力手段が出力する信号の1周期で定められる区間ごとに、複数回の吐出を行うべく吐出タイミングを制御する処理であって、前回の区間の周期と前回の前の区間の周期に基づいて現区間の周期を予測して、その予測した周期に基づいて複数回の吐出タイミングを定めるとともに、予測した現区間の周期に基づいてその区間における1回目の吐出までのディレイ時間を定める。
【選択図】図9
【解決手段】印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、スキャンごとに印字ヘッドと記録媒体の距離を計測する手段と、印字ヘッドと記録媒体との相対移動に関して、その相対移動の所定距離ごとの信号を出力する位置信号出力手段を用い、その位置信号出力手段が出力する信号の1周期で定められる区間ごとに、複数回の吐出を行うべく吐出タイミングを制御する処理であって、前回の区間の周期と前回の前の区間の周期に基づいて現区間の周期を予測して、その予測した周期に基づいて複数回の吐出タイミングを定めるとともに、予測した現区間の周期に基づいてその区間における1回目の吐出までのディレイ時間を定める。
【選択図】図9
Description
本発明は、インクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置の吐出タイミング生成方法に関し、詳しくはエンコーダ等を用いた記録位置検出機構からの検出信号に基づいて印字ヘッドを搭載したキャリッジの位置情報を取得しインク吐出タイミングを生成する構成に関するものである。
インクジェットプリンタ等として知られるインクジェット記録装置は、種々の利点を有し広範な用途で用いられている。そして、このような広範な用途に対応すべく、装置の小型化、印刷速度の高速化、記録画像の高精細化はこの種のインクジェット記録装置に求められる1つの傾向である。
従来のインクジェット記録装置では、画像の精度を向上させるために、記録媒体に印字中、即ち、印字ヘッドからインク吐出中のキャリッジの走査速度が目標速度で等速になるように制御を行っている。
図1は、エンコーダを用いてキャリッジの走査位置を検出し、その信号に基づいて吐出タイミングを生成する原理を説明する図である。
図1において、↓で示される時点は、エンコーダ信号が吐出制御部に入力する時点であり、又、●で示される時点は印字ヘッドの吐出タイミングである。ここで、エンコーダが、例えば、300lpi(1/300inchのピッチ)の解像度でスリットを形成し、又、印字の解像度が2400dpi(1/2400inchのピッチ)であるとすると、エンコーダ信号の入力信号の各周期間に、2400/300で8回の吐出駆動が行われる。又、ΔTは、エンコーダ信号の入力タイミングからその区間の第1回目の吐出までの時間である。
従来の制御では、印字ヘッドからインク吐出中のキャリッジの走査速度が目標速度で等速になるように制御を行っているため、キャリッジの走査速度の変化に対して、エンコーダ信号周期は十分に短く、エンコーダ信号周期の隣接する区間の間での速度差は問題にならないほど小さいものとして扱い、吐出タイミングを制御する対象区間である現区間の走査速度は隣接する前区間で得られる速度データと等しいとする方法を採ってきた。
キャリッジが目標速度で記録媒体に印字を開始するためには、キャリッジが記録媒体の印字領域に到達するまでに、目標速度まで加速しなければならないため、印字ヘッドが加速に要する助走距離と停止するための減速に要する助走距離だけ装置サイズが大きくなる。
又、印刷速度を高速化するためにキャリッジの走査速度を大きくすると、上記の助走距離は更に大きくなる。
そこで、装置サイズを小型化し、且つ、印刷速度を高速化するために、記録媒体上でキャリッジが目標速度まで加速及び目標速度から減速しながらも、インクを吐出して記録を行う技術が必要となる。
図2は、記録ヘッドの走査における速度変動を示す図である。
図2において、縦軸は走査速度、横軸は走査開始からの経過時間を示し、前区間のエンコーダ周期時間をT1、現区間のエンコーダ周期時間をT2としている。図2に示す加速減速領域では走査速度の変化が大きいため、図1にて説明した従来の吐出タイミング制御によって吐出を行った場合、図2のT1=T2として制御を行う。しかし、加速減速領域においてはT1とT2のエンコーダ周期時間に差が生じるために、T1=T2として制御を行うと想定の場所に着弾せず、画像精度に悪影響を与える。
図3は、印字ヘッドから吐出されたインク滴に掛かる成分を示す図である。
図3において、印字ヘッドのインク吐出面と記録媒体の距離(紙間又は紙間距離と呼ぶこともある)をD、印字ヘッドのインク吐出速度をVj、キャリッジ速度をVnとする。
図3に示すように、吐出されたインク滴は、吐出速度Vjとキャリッジ速度Vnの合成速度で記録媒体に着弾する。従って、インク滴の着弾位置は吐出速度Vjとキャリッジ速度Vnの合成速度と紙間距離Dで決定する。
加速減速領域における着弾精度を向上させる技術として、速度プロファイルをストアしたLUTを設けてそのLUTに沿って速度制御を行う方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
又、キャリッジの目標速度における位置補正量を基に任意のキャリッジ速度における位置補正量を記憶した補正量テーブル備え、エンコーダ周期を計時することにより検出されるキャリッジ速度に補正量テーブルを用いて位置補正量を求め印字ヘッドからのインク吐出を制御する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−276269号公報
特開2004−034650号公報
上述した従来の技術では、紙間距離は常に変化していないと仮定して制御を行っている。
しかし、プラテンの印刷装置への取り付け精度やプラテン自体の寸法精度、記録媒体のぼこつき等により、紙間距離を印字ヘッドの走査方向に関して均一に保つことは事実上困難である。印字ヘッドの走査方向に対して紙間距離が変化すると、図4に示すように印字ヘッドのインク吐出面から記録媒体までの距離が変化するので、着弾位置にずれが生じる原因となる。
又、記録媒体の大型化に伴いプラテンが長くなるほど、プラテンの印刷装置への取り付け精度やプラテン自体の寸法精度等により紙間距離の不均一さが大きくなるため、印刷品質の高精細化を妨げる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、紙間距離の変化を加えることにより印字ヘッドの走査速度が加速減速領域においても画像品位の劣化を起こすことなく良好な記録を行い得るインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、インクを吐出する印字ヘッドを用い、その印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、スキャンごとに印字ヘッドと記録媒体の距離を計測する手段と、印字ヘッドと記録媒体との相対移動に関して、その相対移動の所定距離ごとの信号を出力する位置信号出力手段を用い、その位置信号出力手段が出力する信号の1周期で定められる区間ごとに、複数回の吐出を行うべく吐出タイミングを制御する処理であって、前回の区間の周期と前回の前の区間の周期に基づいて現区間の周期を予測して、その予測した周期に基づいて複数回の吐出タイミングを定めるとともに、予測した現区間の周期に基づいてその区間における1回目の吐出までのディレイ時間を定めることを特徴とする。
上記の構成によれば、スキャンごとに印字ヘッドと記録媒体の距離を計測することにより、印字前の位置信号出力手段が出力する信号の周期について、前回の区間の周期と前回の前の区間の周期に基づいて、吐出タイミング制御に掛かる現区間の周期を予測して、その予測した周期に基づいて複数回の吐出タイミングを定めるとともに、予測した現区間の周期に基づいてその区間における1回目の吐出までのディレイ時間を定めるので、複数回の吐出の周期が前区間の加速度を考慮して定めることが可能となるとともに、複数回の吐出のタイミングをその吐出する現区間について推定される印字ヘッドと記録媒体との相対速度に基づいて全体的にシフトすることが可能となり、正規の吐出インク滴の着弾位置からのずれを小さくすることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
尚、以下において、「プリント」とは、文字、図形等有無の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、又、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する場合、又はプリント媒体の加工を行う場合を言うものとする。
又、「記録媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを言うものとする。
更に、「インク」とは、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、プリント媒体の加工、或はインクの処理に供される液体を言うものとする。
図5は本実施の形態のインクジェットプリンタの内部構造を概略的に示す斜視図である。
図5において、1はインクを吐出してプリントを行うノズルを1つ或は複数個有し、キャリッジ2に搭載されて走査され、記録媒体Pに記録を行う印字ヘッドである。2はヘッド1を搭載して主走査方向に走査するキャリッジ、3はキャリッジ2が主走査する際にガイドとなるキャリッジ軸である。4はエンコーダフィルムで、印字ヘッド1によるプリントタイミングを設定するのに使用される。
5は光学式センサで、キャリッジ2の側面に配置されスキャンごとの紙間距離を測定するのに使用する。7は搬送ローラ、8はプラテンである。9は印字ヘッド1の維持装置で、ヘッドのキャッピング、ヘッドのインク吐出面の払拭、更にはヘッドの回復等を行っている。10はヘッドキャップで、印字ヘッドにキャッピングを行うことにより、印字ヘッド1のノズルを密閉してインクの乾燥を防止している。
以上の構成により、プリント動作が開始されると、記録媒体Pは、給紙ローラ(不図示)によって給紙位置へと給送され、搬送ローラ7によって所定のプリント開始位置まで搬送される。この搬送ローラ7によって記録可能領域へと搬送された記録媒体Pは、その下方からプラテン8によって支持される。
そして、キャリッジ2は、キャリッジモータ(不図示)の記録領域を含む走査領域を、矢印Q1,Q2で示す主走査方向に沿って往復移動を行い、その間にキャリッジ2に搭載された印字ヘッド1は、インク吐出口からその下方に位置する記録媒体Pに向けてインクを吐出し、これによって1走査分の記録が行われる。
又、1回の主走査が終了すると、記録媒体Pを矢印Rで示す副走査方向に一定量だけ記録媒体Pを搬送し、次の主走査に備える。これらの主走査と副走査を繰り返すことにより、記録が行われる。このとき、キャリッジ2に搭載された光学式センサ5により、紙間距離を測定し、又、キャリッジ2に搭載されたエンコーダセンサ6により、エンコーダフィルム6上のスリットが読み取られる。それにより印字ヘッド1によるプリントタイミングが得られる。
図6は本実施の形態におけるインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
ホストコンピュータ等の外部装置120からは、インクジェット記録装置100にて記録すべき文字や画像等の記録データ及び制御データが送信され、これらがインクジェット記録装置100の受信バッファ101に蓄えられる。又、外部装置120から送信されたデータが正しく転送されているかどうかを確認するデータ、及びインクジェット記録装置100の動作状態を知らせるデータがインクジェット記録装置100から外部装置120に送信される。
受信バッファ101に蓄えられたデータは、ROM110等に格納されたプログラムに従って演算、判別、制御等の処理を行うCPU102の管理下において、印字ヘッドが主走査した時に記録を行うためのデータに加工され、RAM103内の記録部に記憶される。
記録部に記録されたデータは、印字ヘッドコントロール部111により印字ヘッドのヘッド部112に転送され、ヘッド部112を制御して文字や画像のデータを記録する。又、印字ヘッドコントロール部111は、印字ヘッド部112の状態を示す温度情報等を検出してCPU102に送り、印字ヘッドコントロール部111にその情報を伝達し、印字ヘッドのインク吐出動作を制御する。
又、CPU102は、タイミング補正値算出部200を含んでいる。タイミング補正値算出部200は、印字ヘッドコントロール部111内のタイミング補正部201を制御して、ホストコンピュータ等の外部装置120から受け取った印刷データに従った記録媒体への印刷を開始するのに先立ち、制御データ、センサ107で検出したデータに基づいて印字ヘッドのインク吐出タイミング補正量を算出し、RAM103内の記録部に記憶される。
又、機械コントロール部104は、CPU102からの指令によりキャリッジモータやLFモータ等の機械部105の駆動を制御する。
センサコントロール部106は、各種センサから成るセンサ部107からの信号をCPU602に送る。尚、ここに示すセンサ部107には、キャリッジの位置を検出するエンコーダセンサ等のキャリッジ位置検出センサや、印字ヘッドと記録媒体の距離を計測する光学式センサも含む。
又、表示パネルコントロール部108は、CPU102からの指令により、操作・表示部のLEDや液晶表示素子等から成る表示部109等の駆動制御を行う。
<実施の形態1>
以下、本発明の特徴的な構成の実施形態であるインクジェット記録装置における吐出タイミングの制御について説明する。
以下、本発明の特徴的な構成の実施形態であるインクジェット記録装置における吐出タイミングの制御について説明する。
尚、以下で示す吐出タイミング制御に関するデータの演算やその結果の記憶等は、図6のCPU102やRAM103内の記録部などを用いて行うことができる。
図7は、本発明の実施の形態1における吐出タイミング生成法を説明する図である。
図7において、Tbで示される区間は吐出制御に掛かるエンコーダ周期に関して、現区間の2つ前のエンコーダ周期時間を示し、Taで示される区間は前区間のエンコーダ周期時間を示し、Tnは現区間を示す。又、現区間の2つ前のエンコーダ周期時間から求められる平均走査速度をVb、前区間のエンコーダ周期時間から求められる平均走査速度をVa、現区間におけるエンコーダ周期時間から求められる平均走査速度をVnとする。
本実施の形態では、吐出制御に掛かる現区間におけるエンコーダ周期時間Tnは、現区間では知ることができないので、現区間の2つ前のエンコーダ周期時間Tbと前区間のエンコーダ周期時間Taから予測する。
先ず、微小時間においては速度変化分が一定の割合で変化していると見なすことができる。これより、現区間の2つ前のエンコーダ周期時間Tbと前区間のエンコーダ周期時間Taの速度変化分と現区間のエンコーダ周期時間Tnと前区間のエンコーダ周期時間Taの速度変化分は、等しいと考えると、
(Vb−Va)/(Tb−Ta)=(Va−Vn)/(Ta−Tn)
とすることができる。
(Vb−Va)/(Tb−Ta)=(Va−Vn)/(Ta−Tn)
とすることができる。
又、この場合において、印字ヘッドの平均走査速度の速度変化に対してエンコーダ周期時間の時間変化は非常に小さく無視できると仮定すると、
Vb−Va=Va−Vn
と考えられ、これより
Vn=2Va−Vb
の関係式を得ることができる。
Vb−Va=Va−Vn
と考えられ、これより
Vn=2Va−Vb
の関係式を得ることができる。
次に、各区間の平均走査速度はエンコーダ周期時間とエンコーダスリットの間隔より求めることができる。エンコーダのスリット間隔をLとすると、現区間におけるエンコーダ周期時間Tnは、現区間における平均走査速度Vnとエンコーダスリットの間隔Lより、
Vn=L/Tn
となる。
Vn=L/Tn
となる。
又、VaとVbでも同様に、
Va=L/Ta、Vb=L/Tb
とできる。
Va=L/Ta、Vb=L/Tb
とできる。
以上の関係より、現区間のエンコーダ周期時間Tnは、
Tn=1/(2/Ta−1/Tb)
と、既知である現区間の2つ前のエンコーダ周期時間Tbと前区間のエンコーダ周期時間Taから予測することができる。
Tn=1/(2/Ta−1/Tb)
と、既知である現区間の2つ前のエンコーダ周期時間Tbと前区間のエンコーダ周期時間Taから予測することができる。
実際には、記録媒体と印字ヘッドの吐出口までの距離(以下、「紙間距離」と言う)があるためにインクを吐出してから記録媒体に着弾するまでに時間差が生じることにより、理想の位置に着弾させることができない。
本実施の形態では、1回目の吐出までのディレイ時間ΔTを可変にすることによって、インクを吐出してから記録媒体に着弾するまでの時間差を補正する。
図3を用いてディレイ時間ΔTの求め方を説明する。
図3において、紙間距離をD、記録ヘッドのインク吐出速度をVj、推定した現区間における平均走査速度をVn、基準とする走査速度をV0とする。
ここで、ディレイ時間ΔTは次のように求めることができる。
インクが印字ヘッドより吐出されてから記録媒体に着弾するまでの時間は、吐出速度Vjで紙間距離Dを移動した時間となるので、D/Vjである。インクが吐出されてから着弾するまでの時間に印字ヘッドが移動する距離は、Vnの速度でD/Vjの時間だけ移動したと考えられるので、その距離はVn×D/Vjとなる。
更に、上記着弾までの時間に、V0−Vnを乗じることにより、速度V0で走査した場合と速度Vnで走査した場合でインクが着弾する位置の差を計算することができる。
そして、上記着弾する位置の差を走査速度V0で除すことにより、基準とする走査速度V0で走査した場合と、推定される現在の走査速度Vnで走査した場合とで、インクが着弾する位置の差を補正するための、全体として吐出タイミングを遅らせるディレイ時間ΔTを求めることができる。
又、ディレイ時間ΔTは、
ΔT=D/Vj×(V0−Vn)/V0
と表すことができ、V0=L/T0、上記Vnの式より、
ΔT=(Tn−T0)×D/T0×Vj
となる。
ΔT=D/Vj×(V0−Vn)/V0
と表すことができ、V0=L/T0、上記Vnの式より、
ΔT=(Tn−T0)×D/T0×Vj
となる。
上記Tnより、
ΔT={TaTb/(2Tb−Ta)−T0}×D/T0×Vj
を得る。
ΔT={TaTb/(2Tb−Ta)−T0}×D/T0×Vj
を得る。
図8は、タイミング補正部201の概略構成図である。
図8において、区間検出器211は、エンコーダセンサ6から出力されたキャリッジのプラテン上での位置に応じた信号を監視する。
レジスタ212は、区間検出器211から読み出された1区間でのエンコーダ周期時間を一時的に保持するシフトレジスタであり、レジスタ213は、レジスタ212から出力された1区間でのエンコーダ周期時間を一時的に保持するシフトレジスタである。
レジスタ214は、区間検出器211から読み出された1区間における光学式センサ5から出力された紙間距離を格納する。
エンコーダ周期算出回路215は、レジスタ212とレジスタ213から現区間のエンコーダ周期時間Tnを算出する。
補正時間算出回路216は、エンコーダ周期算出回路215により求められた現区間のエンコーダ周期時間Tnと、レジスタ214に保持されている紙間距離を用いて、現在位置におけるインク吐出タイミングディレイ時間ΔTを算出する。
印字タイミング遅延回路217は、補正時間算出回路216で算出されたキャリッジの現在位置におけるインク吐出タイミングディレイ時間ΔTに従い、CPU102で生成された印字ヘッドのインク吐出を制御する駆動信号Sの出力タイミングを遅延させる。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録装置の動作について説明する。
図9は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の動作について説明するためのフローである。
インクジェット記録装置100において、外部装置120を介して印刷データを受け取ると(ステップS301)、キャリッジが1スキャン分往復動作を行い、各エンコーダ周期における紙間距離を光学式センサ5で測定し、CPU102及びRAM103内の記録部に記憶する(ステップS302)。
次に、タイミング補正値算出部で現在の区間におけるインク吐出タイミングディレイ時間ΔTを算出する。そして、算出したインク吐出タイミングディレイ時間ΔTに従いインク吐出制御のための駆動信号を遅延させ、インク吐出タイミングを補正する(ステップS303)。この処理を1スキャンごと繰り返し行い、印刷データによる記録媒体への印刷が終了するまで続ける(ステップS304)。
以上説明した本実施方法の着弾位置をシミュレートしたものが図10である。
図10に示すように、走査開始位置から2mm以降の範囲では、着弾誤差は±2μmにおさまっている。この程度の誤差であれば、加速領域において記録を開始し、又、往復記録をしても、画質劣化の無い高品位な画像を得ることができる。
又、本実施の形態では、印字ヘッドの走査領域のうち、加速領域についての吐出タイミング制御について説明したが、減速領域であっても本発明を同様に適用できることは明らかである。更に、加減速領域ばかりでなく、定速制御区間で速度変動がある場合にも本発明を適用することができることは勿論である。
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1を改良した方法であり、現区間を予測するために用いるエンコーダ周期時間を増やすことによって、走査速度の速度変化の割合をも考慮している。
本実施の形態は、実施の形態1を改良した方法であり、現区間を予測するために用いるエンコーダ周期時間を増やすことによって、走査速度の速度変化の割合をも考慮している。
図11は本発明の実施形態に係る吐出タイミング生成法を説明する図であり、図7と同様の図である。
図11において、Tcで示される区間は吐出制御に掛かるエンコーダ周期に関して、現区間の3つ前のエンコーダ周期時間を示し、Tbで示される区間は吐出制御に掛かるエンコーダ周期に関して、現区間の2つ前のエンコーダ周期時間を示し、Taで示される区間は前区間のエンコーダ周期時間を示し、Tnは現区間を示す。
又、現区間の3つ前のエンコーダ周期時間から求められる平均走査速度をVc、現区間の2つ前のエンコーダ周期時間から求められる平均走査速度をVb、前区間のエンコーダ周期時間から求められる平均走査速度をVa、現区間におけるエンコーダ周期時間から求められる平均走査速度をVnとする。
本実施の形態では、吐出制御に掛かる現区間におけるエンコーダ周期時間Tnは、現区間では知ることができないので、現区間の3つ前のエンコーダ周期時間Tcと現区間の2つ前のエンコーダ周期時間Tbと前区間のエンコーダ周期時間Taから予測する。
先ず、印字ヘッドの平均走査速度の速度変化に対してエンコーダ周期時間の時間変化は非常に小さく無視でき、又、微小時間においては速度変化の割合、つまり加速度が等しいと仮定する。
即ち、VcからVbの速度変化分とVbからVaの速度変化分とVaからVnの速度変化分は等しいと考えられる。
これより、VcからVbの速度変化分とVbからVaの速度変化分の差とVbからVaの速度変化分とVaからVnの速度変化分の差が等しくなると考え、
(Vc−Vb)−(Vb−Va)=(Vb−Va)−(Va−Vn)
の関係式を得ることができる。これをVnについて考えると
Vn=3Va−3Vb+Vc
次に、各区間の平均走査速度はエンコーダ周期時間とエンコーダスリットの間隔より求めることができる。エンコーダのスリット間隔をLとすると、現区間におけるエンコーダ周期時間Tnは、現区間における平均走査速度Vnとエンコーダスリットの間隔Lより、
Vn=L/Tn
となる。
(Vc−Vb)−(Vb−Va)=(Vb−Va)−(Va−Vn)
の関係式を得ることができる。これをVnについて考えると
Vn=3Va−3Vb+Vc
次に、各区間の平均走査速度はエンコーダ周期時間とエンコーダスリットの間隔より求めることができる。エンコーダのスリット間隔をLとすると、現区間におけるエンコーダ周期時間Tnは、現区間における平均走査速度Vnとエンコーダスリットの間隔Lより、
Vn=L/Tn
となる。
又、VaとVbでも同様に、
Va=L/Ta、Vb=L/Tb、Vc=L/Tc
とできる。
Va=L/Ta、Vb=L/Tb、Vc=L/Tc
とできる。
以上の関係より、現区間のエンコーダ周期時間Tnは、
Tn=TaTbTc/(3TbTc−3TaTc+TaTb)
と、既知である現区間の3つ前のエンコーダ周期時間Tcと現区間の2つ前のエンコーダ周期時間Tbと前区間のエンコーダ周期時間Taから予測することができる。
Tn=TaTbTc/(3TbTc−3TaTc+TaTb)
と、既知である現区間の3つ前のエンコーダ周期時間Tcと現区間の2つ前のエンコーダ周期時間Tbと前区間のエンコーダ周期時間Taから予測することができる。
本実施の形態では、1回目の吐出までのディレイ時間ΔTを可変にすることによって、インクを吐出してから記録媒体に着弾するまでの時間差を補正する。
図3を用いてディレイ時間ΔTの求め方を説明する。
図3において、紙間距離をD、記録ヘッドのインク吐出速度をVj、推定した現区間における平均走査速度をVn、基準とする走査速度をV0とする。
ここで、ディレイ時間ΔTは次のように求めることができる。
インクが印字ヘッドより吐出されてから記録媒体に着弾するまでの時間は、吐出速度Vjで紙間距離Dを移動した時間となるので、D/Vjである。インクが吐出されてから着弾するまでの時間に印字ヘッドが移動する距離は、Vnの速度でD/Vjの時間だけ移動したと考えられるので、その距離はVn×D/Vjとなる。
更に、上記着弾までの時間に、V0−Vnを乗じることにより、速度V0で走査した場合と速度Vnで走査した場合でインクが着弾する位置の差を計算することができる。
そして、上記着弾する位置の差を走査速度V0で除すことにより、基準とする走査速度V0で走査した場合と、推定される現在の走査速度Vnで走査した場合とで、インクが着弾する位置の差を補正するための、全体として吐出タイミングを遅らせるディレイ時間ΔTを求めることができる。
又、ディレイ時間ΔTは、
ΔT=D/Vj×(V0−Vn)/V0
と表すことができ、V0=L/T0、上記Vnの式より、
ΔT=(Tn−T0)×D/T0×Vj
となる。
ΔT=D/Vj×(V0−Vn)/V0
と表すことができ、V0=L/T0、上記Vnの式より、
ΔT=(Tn−T0)×D/T0×Vj
となる。
上記Tnより、
ΔT={TaTbTc/(3TbTc−3TaTc+TaTb)−T0}
×D/T0×Vj
を得る。
ΔT={TaTbTc/(3TbTc−3TaTc+TaTb)−T0}
×D/T0×Vj
を得る。
この方法によれば、図7で説明した実施の形態1よりも精度の高い速度推定が可能になり、より精度の高い着弾制度を得ることができる。
又、本実施の形態では、印字ヘッドの走査領域のうち、加速領域についての吐出タイミング制御について説明したが、減速領域であっても本発明を同様に適用できることは明らかである。更に、加減速領域ばかりでなく、定速制御区間で速度変動がある場合にも本発明を適用することができることは勿論である。
本発明により、加速減速領域を含む広い範囲で安定した記録を行うことが可能になるので、写真、アート、プールフ等の高品位を要求される用途でも、装置サイズの小型化が可能になる。
1 印字ヘッド
2 キャリッジ
3 キャリッジ軸
4 エンコーダフィルム
5 光学式センサ
6 エンコーダセンサ
7 搬送ローラ
8 プラテン
9 回復系
10 ヘッドキャップ
100 本体部
101 受信バッファ
102 CPU
103 RAM
104 機械コントロール部
105 機械部
106 センサコントロール部
107 センサ
108 表示パネルコントロール部
2 キャリッジ
3 キャリッジ軸
4 エンコーダフィルム
5 光学式センサ
6 エンコーダセンサ
7 搬送ローラ
8 プラテン
9 回復系
10 ヘッドキャップ
100 本体部
101 受信バッファ
102 CPU
103 RAM
104 機械コントロール部
105 機械部
106 センサコントロール部
107 センサ
108 表示パネルコントロール部
Claims (5)
- インクを吐出する印字ヘッドを用い、その印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
印字ヘッドと記録媒体の距離を計測する手段と、
印字ヘッドと記録媒体との相対移動に関して、その相対移動の所定距離ごとの信号を出力する位置信号出力手段と、
その位置信号出力手段が出力する信号の1周期で定められる区間ごとに、複数回の吐出を行うべく吐出タイミングを制御するタイミング制御手段であって、前回の区間の周期と前回の前の区間の周期に基づいて現区間の周期を予測して、その予測した周期に基づいて複数回の吐出タイミングを定めるとともに、予測した現区間の周期に基づいてその区間における1回目の吐出までのディレイ時間を定めるタイミング制御手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 印字ヘッドを印字ヘッドに対して走査して記録を行うシリアル式の記録装置であり、前記位置信号出力手段は、印字ヘッドの走査位置を検出して所定距離ごとの信号を出力するためのエンコーダセンサを有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記印字ヘッドと記録媒体の距離を計測する手段として、光学式センサを有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
- 前記タイミング制御手段は、現区間の2つ前の周期をTb、前区間の周期をTa、現区間の周期をTn、記録媒体と印字ヘッドの吐出口までの距離をD、印字ヘッドのインク吐出速度をVj、基準とする走査速度に対応するエンコーダ信号時間間隔をT0、現区間における1回目の吐出までのディレイ時間をΔTとするとき、
ΔT={TaTb/(2Tb−Ta)−T0}×D/T0×Vj
に基づいてディレイ時間を求めることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記タイミング制御手段は、現区間の3つ前の周期をTc、現区間の2つ前の周期をTb、前区間の周期をTa、現区間の周期をTn、記録媒体と印字ヘッドの吐出口までの距離をD、印字ヘッドのインク吐出速度をVj、基準とする走査速度に対応するエンコーダ信号時間間隔をT0、現区間における1回目の吐出までのディレイ時間をΔTとするとき、
ΔT={TaTbTc/(3TbTc−3TaTc+TaTb)−T0}
×D/T0×Vj
に基づいてディレイ時間を求めることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005230501A JP2007044948A (ja) | 2005-08-09 | 2005-08-09 | インクジェット記録装置 |
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JP2005230501A JP2007044948A (ja) | 2005-08-09 | 2005-08-09 | インクジェット記録装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2143560A1 (en) | 2008-07-10 | 2010-01-13 | Ricoh Company, Limited | Image forming apparatus |
-
2005
- 2005-08-09 JP JP2005230501A patent/JP2007044948A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2143560A1 (en) | 2008-07-10 | 2010-01-13 | Ricoh Company, Limited | Image forming apparatus |
JP2010017920A (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-28 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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