以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1に基づき、本発明の第1の実施の形態に係わる送気装置1を用いた内視鏡システム2の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる送気装置1を用いた内視鏡システム2の構成を説明する概略構成図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係わる内視鏡システム2は、内視鏡観察システム3と、送気システム4とから構成されている。内視鏡観察システム3と送気システム4とは、シリコンやフッ素樹脂などで形成された送気チューブ5で接続されており、送気システム4から内視鏡観察システム3に対し、送気チューブ5を介して例えば二酸化炭素ガスなどの気体が供給される。
内視鏡観察システム3は、例えば大腸などの管腔内に挿入される内視鏡6と、内視鏡6を介して管腔内に照明光を供給する光源装置7と、内視鏡6で撮像され電気信号に変換された管腔内の撮像信号を映像信号に変換するカメラコントロールユニット(以下、CCUと示す)8と、CCU8から出力された映像信号に基づき管腔内の内視鏡画像を表示するモニタ9とから構成されている。
内視鏡6は、細長で可撓性を有する挿入部10と、挿入部10の基端側に連設された操作部11と、操作部11の基端側から延出されたユニバーサルコード12とを備えている。ベッド13に横たわる患者14の大腸などの管腔内に挿入される挿入部10の先端には、光源装置7から出射された照明光を管腔内に照射するための図示しない照明窓と、管腔内からの光を受光する図示しない対物光学系が設けられており、対物光学系の結像位置には図示しない撮像素子が配設されている。
操作部11には、管腔内に二酸化炭素ガスなどの気体や水などの液体を供給するための送気・送水ボタン15と、吸引ボタン16と、挿入部10に設けられた図示しない湾曲部を湾曲動作させるための湾曲操作ノブ17と、挿入部10に処置具を挿通させるための図示しない処置具チャネルとが主に設けられている。送気・送水ボタン15を含む操作部11における送気・送水に係わる詳細な構成は後に詳述する。
ユニバーサルコード12の基端側には内視鏡コネクタ18が接続されており、内視鏡コネクタ18の他端には接続コネクタ19が設けられている。内視鏡コネクタ18には、接続コネクタ19を介して光源装置7が着脱自在に接続されている。また、内視鏡コネクタ18の側面にも接続コネクタ20が設けられている。接続コネクタ20には映像ケーブル21が電気的に接続されており、映像ケーブル21の他端はCCU8に電気的に接続されている。内視鏡6の先端に設けられた撮像素子で撮像され、電気信号に変換された管腔内の撮像信号は、ユニバーサルコード12、内視鏡コネクタ18、接続コネクタ20、映像ケーブル21を介してCCU8に出力され、CCU8で映像信号に変換される。CCU8とモニタ9とは、図示しないケーブルで電気的に接続されている。モニタ9には、ケーブルを介してCCU8から受信した映像信号に基づき、管腔内の内視鏡画像が表示される。
内視鏡コネクタ18の側面には、更に、ユニバーサルコード12内に挿通された図示しない給気管に連通するガス供給口金22も設けられている。ガス供給口金22には、送気チューブ5の一端が接続されている。送気チューブ5の他端は、送気システム4の送気装置1に設けられた送気コネクタ23と接続されており、送気システム4から吐出される二酸化炭素ガスなどの気体は、送気チューブ5、ガス供給口金22を介して図示しない給気管に供給されるようになっている。
管腔内に二酸化炭素ガスなど所定の気体を供給するためのシステムである送気システム4は、管腔内に供給する気体が液化されて貯蔵されているガスボンベ24と、気体供給装置としての送気装置1と、送気チューブ5とから主に構成されている。送気装置1の一側面には高圧コネクタ25が設けられており、これと反対側の側面には送気コネクタ23が設けられている。高圧コネクタ25には、ガスボンベ24から延出された高圧ガスチューブ26の一端が接続されている。
次に、送気装置1の構成について、図2を用いて説明する。図2は、送気装置1の構成を説明するブロック図である。送気装置1は、図2に示すように、1次減圧器31aと2次減圧器31bとの二つの減圧器から成る減圧ユニット31と、電磁弁32と、流量調整機構としての管路抵抗可変機構33とが設けられており、シリコンやフッ素樹脂などで形成された給気管34によって、これらの部位はこの順に接続されている。また、送気装置1には、電磁弁32の開閉を指示する送気スイッチ35と、送気スイッチ35の指示に基づき電磁弁32の動作を制御する制御回路36と、送気装置1の各部位に対する電力供給のON・OFFを切り替える電源37も設けられている。
1次減圧器31aと高圧コネクタ25、及び、管路抵抗可変機構33と送気コネクタ23も、給気管34によって接続されている。すなわち、ガスボンベ24から送り出され、高圧ガスチューブ26を介して送気装置1に供給された二酸化炭素ガスなどの気体は、給気管34によって、1次減圧器31a、2次減圧器31b、電磁弁32、管路抵抗可変機構33をこの順に通過し、所定の圧力・流量に調整された後、送気チューブ5を介して内視鏡観察システム3へ供給されるように、送気装置1は構成されている。
1次減圧器31aと2次減圧器31bとは、高圧コネクタ25を介して供給された二酸化炭素ガスなどの気体を所定の圧力に減圧するための図示しない減圧機構と、減圧機構の下流側圧力を調整する図示しない圧力調整機構とを備えている。また、電磁弁32は、減圧ユニット31から送り出された二酸化炭素ガスなどの気体を下流側へ流さないよう遮断するための図示しないプランジャと、プランジャによって閉じられる孔部を有する図示しないオリフィスと、プランジャの動作を制御する図示しないソレノイドとを備えている。
管路抵抗可変機構33は、図3に示すように、気体を送気するための筒状部材である給気管41と、管路抵抗可変機構33に供給される気体の流量に応じ、給気管41内で気体が通過する気道の断面積を制限する可動部材42とを備えている。図3は、管路抵抗可変機構33の構成を説明する斜視図である。なお、図3において、矢印は管路抵抗可変機構33を気体が流れる方向を示している。
給気管41は、外形は略円柱状の形状を有するが、気体を送気するための送気路である、貫通された気道41aの軸方向の断面は、略矩形状の形状を有する。また、給気管41の両端には、給気管41と給気管34とを接続するために、端部に向かって外径が小さくなる円錐形状を有するチューブ接続口43が設けられている。なお、チューブ接続口43には、周方向に複数の溝(図示せず)が刻まれている。また、給気管41の内部には、可動部材42を固定するための固定部材としてのピン44が設けられている。ピン44は、その軸方向が給気管41の軸方向と直交するように気道41aの一面に設置されている。更に、給気管41の内部には、給気管41と可動部材42とを連結するための、板バネなどの弾性部材45も設けられている。
ここで、可動部材42の構成について、図4を用いて説明する。図4は、可動部材42の構成を説明する図であって、図4(a)は、可動部材42の正面図、図4(b)は、可動部材42の側面図である。図4(a)に示すように、可動部材42は、略矩形状の形状を有する可動板51と、可動板51の一面と給気管41とが直接接触しないようにするための緩衝材52とから構成されている。可動板51の中心には、給気管41内を通過する気体の流量を任意の閾値以下に制限するための、孔部である絞り53が設けられている。なお、絞り53の形状は図4(a)に示す円形に限らず、絞り53と同程度の断面積を有する形状であれば他の形状でもよい。また、絞り53を設ける位置は可動板51の中心に限らず、例えば一隅に設けてもよい。
また、可動板51の一辺には、ピン44を挿通するための挿通口54が設けられている。更に、図4(b)に示すように、挿通口54が設けられている辺と対向する辺には、辺の中心部分に緩衝材52が取り付けられている。なお、緩衝材52は、可動板51において絞り53が設けられた面に直交する方向に向かって、可動板51から突出するように取り付けられている。
図3に示すように、可動板51の挿通口54にピン44が挿通されることで、可動部材42の一辺は給気管41内に、ピン44を回動中心軸として回動可能に固定される。また、ピン44が設置されている気道41aの面と、可動板51の緩衝材52が突出している面とは、板バネなどの弾性部材45によって連結されている。弾性部材45によって、気道41a内に気体が流入していない状態においては、給気管41がどのような向きに配置されても、ピン44が設置されている気道41aの面に緩衝材52が接するように、すなわち、ピン44が設置されている気道41aの面と可動板51との角度が最小になるようにように、可動板51は付勢されている。
なお、ピン44が設置されている気道41aの面が、常に鉛直方向に対して水平に保たれ、かつ、ピン44が設置されている気道41aの面に対して可動部材42が鉛直方向の上方に位置するように給気管41が設置される場合、可動部材42が自重によって気道41aの面に向かって倒れた状態となるので、弾性部材45によって気道41aと可動板51とを連結しなくてもよい。
ここで、給気管41内の気道41aを通過する気体の流速と、可動部材42の回動動作との関係について、図5を用いて説明する。図5は、給気管41の中心軸に沿った、ピン44が設置されている気道41aの面に直交する方向に切断した、管路抵抗可変機構33の断面図であり、図5(a)は、気道41a内に気体が流れていない場合、図5(b)は、気道41a内に所定の閾値以下の流速で気体が流れている場合、図5(c)は、気道41a内に所定の閾値を超える流速で気体が流れている場合を示している。なお、閾値としては、内視鏡観察に必要な気体の流速以上の任意の値が設定され、通常は3〜4l/min程度の値が設定される。また、図5において、矢印は気道41aを通過する気体の流れる方向を示している。
図5(a)に示すように、給気管41の気道41a内に気体が流入していない場合、可動部材42の可動板51に取り付けられた緩衝材52と気道41aの一面とが接しており、ピン44が設置されている気道41aの面と可動板51との角度が最小になされている。以下、図5(a)に示す状態を、初期状態という。給気管41の気道41a内に気体が流れ始めると、可動部材42の緩衝材52に気体が衝突することで生じる揚力により、可動板51がピン44を回動中心軸として回動しようとする。しかし、気体の流速が所定の閾値以下である場合、給気管41の下流側において、可動板51が取り付けられた気道41aの面方向に向かって気体が可動板51を押し戻す力(以下、管路抵抗と示す)が、揚力よりも大きいために、可動板51は初期状態を保っている(図5(b)参照)。
気道41a内を通過する気体の流速が所定の閾値を超える場合、気体による揚力が管路抵抗よりも大きくなるため、可動板51はピン44を回動中心軸として回動し、図5(c)に示すように、気道41aを塞ぐ。ただし、可動板51には絞り53が設けられているために、気体はここで遮断されることなく、絞り53によって流量を制限されて下流側へ流れることができる。なお、図5(c)の状態において、気道41a内を流れる気体の流速が減速して所定の閾値以下となった場合、気体による揚力が管路抵抗よりも小さくなるために、可動板51は図5(b)の状態に戻るので、気動41aは大きく開く。
次に、操作部11における、送気・送水に係わる詳細な構成について、図6を用いて説明する。図6は、操作部11における送気・送水に係わる詳細な構成を説明する図であり、図6(a)は、送気・送水ボタン15が塞がれていない場合の構成を説明する断面図、図6(b)は、送気・送水ボタン15を塞がれている場合の構成を説明する概略図を示している。送気・送水ボタン15は、管腔内への気体の送気と非送気、及び液体の送水と非送水を切り替えるための操作手段である。
図6(a)に示すように、操作部11には、給気管34、給水管61、送気管62、及び送水管63が接続されたシリンダ64内に、軸方向に進退自在にピストン65が嵌挿されていて、ピストン65の突端に取り付けられた送気・送水ボタン15を指先で押すことによりピストン65がシリンダ64内で移動する。ピストン65の軸位置には、全長にわたって貫通するリーク孔66が形成されている。
また、ピストン65の軸方向の中心より下の部分には、リーク孔66に連通する通気用円周溝67が形成されており、送気・送水ボタン15が押し込まれておらずピストン65が押されていない図6(a)(b)に示す状態では、通気用円周溝67を介して給気管34がリーク孔66に通じている。また、ピストン65には、通気用円周溝67と送気管62との間に軟性の弁68が取り付けられている。
その結果、図6(a)に示すように、リーク孔66の開口を指先などで塞がない状態(以下、非観察状態という)では、軟性の弁68によって送気管62と通気用円周溝67とが遮断され、給気管34から送り込まれた気体がリーク孔66を通って外部に放出されるため、挿入部10に挿通された送気送水管69には送気も送水も行われない。このとき、リーク孔66を気体が通過するときの通過抵抗は小さくなされている。
一方、図6(b)に示すように、リーク孔66の開口を指先などで塞いだ状態(以下、観察状態という)では、給気管34から送り込まれた気体が軟性の弁68を押し上げるため、給気管34と送気管62とが連通するため、送気装置1から供給された気体が送気管62に送り出される。送気管62に送り出された気体は、挿入部10に挿通された送気送水管69を通過して挿入部10の先端から管腔内へ供給される。なお、送気管62の径はリーク孔66の径よりも非常に小さくなされているため、送気管62を気体が通過するときの通過抵抗は、図6(a)に示す場合に比べて大きい。
また、送気・送水ボタン15を指先などで押し込んだ状態では、ピストン65に取り付けられた図示しないシール部材が送気管62を閉塞し、同時に給水管61と送水管63とが連通される。送気装置1から給気管34に送り出された気体は、リーク孔66と送気管62とが塞がれているため、給気管34の途中に設けられた送水タンク70の内部を加圧する。送水タンク70の内圧が上昇することで、貯蔵されていた液体が給水管61に押し出され、送水管63と送気送水管69とを介し、挿入部10の先端から管腔内に供給される。
次に、上述のように構成された内視鏡システム2の作用について説明する。ここでは、送気装置1により管腔へ二酸化炭素ガスを供給する作用について、図7を用いて説明する。図7は、送気装置1から送り出される気体の流量の経時変化を示すタイムチャートである。図7において、実線は、本実施の形態における気体の流量の経時変化を示し、破線は、従来の送気装置における気体の流量の経時変化を示している。
まず、内視鏡観察システム2を非観察状態、すなわち、図6(a)に示すように、内視鏡6の操作部11に設けられた送気・送水ボタン15のリーク孔66の開口を指先などで塞がない状態にする。続いて、送気システム4の送気装置1の電源37をONにし、送気スイッチ35を操作して、制御回路36に電磁弁32を開くように指示を入力する。制御回路36は、送気スイッチ35からの指示に従って電磁弁32を開くように制御し、ガスボンベ24から供給される二酸化炭素ガスが、電磁弁32よりも下流側へ送り出されるようにする。通常、ガスタンク24内に充填された気体の圧力は6MPa程度の高圧に設定されているが、送気装置1内の減圧ユニット31を通過することで、管腔内に送気するのに適した圧力、例えば40kPa程度の圧力に減圧される。
減圧された気体は、電磁弁32から管路抵抗可変機構33へ送り出される。非観察状態においては、リーク孔66における気体の通過抵抗が小さいため、送気装置1は大容量で二酸化炭素ガスを送り出すことができるため、管路抵抗可変機構33内を通過する気体の流量は、気体の供給が開始されてから時間が経過すると共に増加していく。このとき、管路抵抗可変機構33の可動部材42は、図5(b)に示すように初期状態を保っている。
しかし、管路抵抗可変機構33内を通過する二酸化炭素ガスの流量が、例えば3.5l/minなど予め設定された閾値Qを超えると、可動部材42に加わる揚力が管路抵抗よりも大きくなるために、図5(c)に示すように、可動板51がピン44を回動中心軸として気道41aを塞ぐ位置まで回動する。この可動板51によって、管路抵抗可変機構33を流れる気体の流量は、閾値Ql/min以下になるように制御される。なお、管路抵抗可変機構33を具備しない従来の送気装置においては、破線で示したように、送気装置から供給される二酸化炭素ガスの流量は、閾値Ql/minを超えても時間の経過と共に増加し続ける。
次に、時間t1において、内視鏡観察システム2を観察状態、すなわち、図6(b)に示すように、内視鏡6の操作部11に設けられた送気・送水ボタン15のリーク孔66の開口を指先などで塞いだ状態にする。すると、送気装置1から供給された二酸化炭素ガスは、送気管62に送り出され、挿入部10に挿通された送気送水管69を通過して挿入部10の先端から管腔内へ供給される。ここで、送気管62の径はリーク孔66の径よりも非常に小さくなされているため、送気管62を気体が通過するときの通過抵抗が大きくなる。通過抵抗の増大に伴い、送気装置1から送り出される二酸化炭素ガスの流量が低下し、設定された閾値Ql/min以下の流量、例えば2l/minまで徐々に低下する。
管路抵抗可変機構33では、送り込まれる気体の流量が閾値Ql/min以下になると、可動部材42に加わる揚力が管路抵抗よりも小さくなるために、可動板51がピン44を回動中心軸として気道41aの一面と緩衝材52が接する位置まで回動し、気道41aが開いて図5(b)に示すような初期状態に戻る。なお、管腔内に送水するために、送気・送水ボタン15を指先などで押し込んだ状態では、送気装置1から送り出された二酸化炭素ガスは送水タンク70の内部を加圧するのみに使用され、リーク孔66や送気管62には送り出されない。従って、可動部材42は図5(b)に示すような初期状態に戻り、二酸化炭素ガスの流量を低下させることがないため、送水性能にはなんら影響しない。
このように、本実施の形態の送気装置1では、装置内の給気管34の途中に設けた管路抵抗可変機構33に送り込まれる気体がある所定の流量を超えた場合にのみ、可動板51によって気道41aの断面積を小さくし、管路抵抗可変機構33から送り出す気体の流量を低下させるようにしたので、管腔内に気体を供給する場合は送気性能を維持することができる。また、管腔内に気体を供給せずにリーク孔66から外部に気体を放出する場合は、管路抵抗可変機構33によって気体の流量が低下されるため、気体の消費量を抑制することができる。更に、送水時においては、管路抵抗可変機構33は作動しないため、送水タンク70の加圧動作になんら影響を及ぼすことなく、送水性能も維持することができる。
なお、本実施の形態においては、可動板51を初期状態に保つための弾性部材45として板バネを用いたが、コイルバネなどを用いてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる送気装置71の構成について説明する。送気装置71の全体構成は、流量調整機構としての管路抵抗可変機構72の構成が異なる点を除き、第1の実施の形態と同一であるため、ここでは管路抵抗可変機構72の構成についてのみ説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明は省略する。
本実施の形態の送気装置71における管路抵抗可変機構72は、図8に示すように、気体を送気するための筒状部材である給気管81と、給気管81に流し込まれる気体の流量に応じて給気管81の内径を調整するフロート82及び流量調整板としてのオリフィス83と、フロート82を定位置に維持するためのコイルバネなどの弾性部材84と、弾性部材84を給気管81内の所定の位置に固定するための固定部材85とを備えている。図8は、管路抵抗可変機構72の内部構成を説明するため、一部を切り取った斜視図である。なお、図8において、矢印は管路抵抗可変機構72を気体が流れる方向を示している。
略球形状を有するフロート82は、給気管81に流し込まれる気体の僅かな流速の変化に応じ、気体の流れに乗って上流から下流へ移動することが必要であるため、軽量に形成する必要がある。このため、フロート82は、例えば樹脂などの軽量な材料で形成されており、必要であれば、中空になされている。
略円形の形状を有する薄板状部材であるオリフィス83は、その表面が給気管81の軸方向に対して直交するように垂直に設置されており、フロート82よりも下流側に配置されている。また、オリフィス83は、給気管81の内壁とオリフィス83の外周との間に隙間ができないよう、給気管81と密着して設置されている。
オリフィス83には、給気管81の軸と同軸に、気体を下流側へ通過させるための絞り86が設けられている。なお、絞り86の径は、フロート82の径よりも小さいが、内視鏡6に十分な流量で気体が送気される程度の大きさになされている。また、オリフィス83の上流側の一面には、絞り86の外周部に小さな突起部87が2つ設けられている。なお、2つの突起部87は、絞り86の中心に対して点対象の位置に配置されている。突起部87が設置されていることによって、給気管81内を流れる気体によってフロート82がオリフィス83の位置まで移動した場合にも、絞り86とフロート82との間には突起部87の高さの分だけ空隙が設けられる。従って、フロート82によって絞り86が完全に塞がれることなく、気体を下流側へ流すことができる。
固定部材85は、円柱状の基台部88と、基台部から四方へ延びる腕部89とから構成されている。基台部88の中心軸は給気管81の軸と同軸に配置されており、基台部88から給気管81の内壁に延びる腕部89によって、内壁と所定の距離を持って固定されている。なお、固定部材85は、フロート82よりも上流側に設置されている。基台部88の下流側の一面の中心には、弾性部材84の一端が取り付けられている。また、弾性部材84の他端は、フロート82と接合されている。
ここで、給気管81を通過する気体の流速と、フロート82の移動動作による気体の流速制御との関係について、図9を用いて説明する。図9は、給気管81の中心軸に沿って二つの突起部87の中心を結ぶ線分と平行な面で切断した管路抵抗可変機構71の断面図であり、図9(a)は、給気管81内に気体が流れていない場合、図9(b)は、給気管81内に所定の閾値以下の流速で気体が流れている場合、図9(c)は、給気管81内に所定の閾値を超える流速で気体が流れている場合を示している。なお、図9において、矢印は給気管81を通過する気体の流れる方向を示している。
図9(a)に示すように、給気管81内に気体が流入していない場合、フロート82はオリフィス83とは所定の距離を有しており、接続されている弾性部材84の剛性の範囲内で任意の姿勢を取っている。以下、図9(a)に示す状態を、初期状態という。給気管81内に気体が流れ始めると、気体の抗力よってフロート82が下流側に移動しようとする。しかし、気体の流速が所定の閾値以下である場合、気体による抗力は、弾性部材84を伸張させるだけの十分な力に達しないため、フロート82とオリフィス83とは一定の距離を保っている(図9(b)参照)。ただし、気体の揚力によって、フロート82は下流方向に姿勢を保たれる。
給気管81内を通過する気体の流速が所定の閾値を超える場合、気体の抗力が大きくなり、弾性部材84を伸張させるだけの力が働くため、フロート82は下流側へ移動し、図9(c)に示すように、オリフィス83に達して絞り85を塞ごうとする。ただし、絞り85の周縁部には、上流方向へ突出した突起部86が設けられているために、フロート82と絞り85との間には突起部86による空隙が設けられるため、気体はここで遮断されることなく、流量を制限されて下流側へ流れることができる。なお、図9(c)の状態において、給気管81内を流れる気体の流速が減速して所定の閾値以下となった場合、弾性部材84の弾性力よりも抗力が小さくなるために、フロート82は図9(b)の状態に戻る。
上述のように構成された送気装置71を用いて管腔内に気体を供給する作用は、図7を用いて説明した第1の実施の形態において、送気装置1を送気装置71に置き換えれば同様の作用であるので、説明を省略する。
このように、本実施の形態の送気装置71では、装置内に設けた管路抵抗可変機構72に送り込まれる気体がある特定の流量を超えた場合にのみ、フロート82とオリフィス83とによって給気管81の断面積を小さくし、管路抵抗可変機構72から送り出す気体の流量を低下させるようにしたので、管腔内に気体を供給する場合は送気性能を維持することができる。また、管腔内に気体を供給せずに外部に気体を放出する場合は、管路抵抗可変機構72によって気体の流量が低下されるため、気体の消費量を抑制することができる。更に、送水時においては、管路抵抗可変機構72は作動しないため、送水性能も維持することができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の送気装置91の構成について説明する。送気装置91の全体構成は、流量調整機構としての管路抵抗可変機構92に設けられたフロート93の形状が異なる点を除き、第2の実施の形態と同一であるため、ここではフロート93の形状についてのみ説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明は省略する。
第2の実施の形態におけるフロート82は略球型の形状を有しているが、図10に示すように、本実施の形態におけるフロート93は、下流側に向かって径が小さくなる円錐形状の部材と円柱形状の部材とを、底面同士を張り合わせた形状を有している。また、フロート93を構成する円柱形状の部材の、円錐形状の部材と張り合わせた面と反対側の面の中心に、弾性部材84の一端が接合されている。図10は、管路抵抗可変機構92の構成を説明する図であり、図10(a)は、管路抵抗可変機構92の内部構成を説明するため、一部を切り取った斜視図、図10(b)は、給気管81の中心軸に沿って二つの突起部86の中心を結ぶ線分と平行な面で切断した管路抵抗可変機構91の断面図を示している。なお、図10において、矢印は管路抵抗可変機構92を気体が流れる方向を示している。
このように、本実施の形態の送気装置91では、フロート93の気体が衝突する面が平面であり、給気管81内を気体が流れている場合、この平面が気体の流れ方向と直交する面と平行になされるので、気体の流速をより正確に制御することができる。従って、管腔内に気体を供給せずに外部に気体を放出する場合に、気体の消費量を確実に抑制することができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態の送気装置101の構成について説明する。送気装置101の全体構成は、流量調整機構としての管路抵抗可変機構102の構成が異なる点を除き、第2の実施の形態と同一であるため、ここでは管路抵抗可変機構102の構成についてのみ説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明は省略する。
本実施の形態の送気装置101における管路抵抗可変機構102は、図11に示すように、気体を送気するための筒状部材である給気管81と、給気管81に流し込まれる気体の流量に応じて給気管81を開閉する弁103と、弁103を定位置に維持するためのコイルバネなどの弾性部材104と、弾性部材104を介して弁103を給気管81内の所定の位置に保持するための、固定部材としての弁取り付け部105とを備えている。図11は、管路抵抗可変機構102の内部構成を説明するため、一部を切り取った斜視図である。なお、図11において、矢印は管路抵抗可変機構102を気体が流れる方向を示している。
弁103は、中心に小径の通気孔106が貫通された円柱状部材である軸部の一方の面に、フランジが形成された構造を有する。弁103は、給気管81と同軸に、かつ、フランジが形成されている面が上流側になるように給気管81内に配置される。
弁取り付け部105は、給気管81の内壁に取り付けられ、給気管81の中心に向かって肉厚を厚くした壁であり、第1の段部107と第2の段部108とが形成されている。第1の段部107により形成される気道の内径は、弁103の軸部の径と同程度になされており、第1の段部107には弾性部材104の一端が取り付けられている。また、弾性部材104の他端は、弁103に形成されたフランジの下流側の面に取り付けられており、これによって、弁103は弁取り付け部105に連結されて、給気管81内の所定の位置に保持されている。
第2の段部108は、第1の段部107より弁103の軸部の長さ程度上流に形成されている。また、第2の段部108により形成される気道の内径は、弁103の軸部の径よりも大きく、かつ、軸部に形成されたフランジの径よりも小さくなされている。更に、第2の段部108には、周方向に溝部が形成されており、水密部材であるOリング109が嵌め込まれている。なお、溝部は、第2の段部108において、給気管81の中心から弁103に形成されたフランジの径と同程度か、それ以下の径の位置に形成されている。
このように弁取り付け部105が構成されていることで、給気管81に流し込まれる気体の抗力により、弁103が下流方向へ移動してフランジが第2の段部108の位置まで移動すると、フランジの下流側の面とOリング109とが密着することによって、気道が閉塞される。但し、弁103には中心に小径の通気孔106が貫通されているため、給気管81に流し込まれた気体は、この通気孔106を通って下流側へ流れ出ることができるようになっている。
ここで、給気管81を通過する気体の流速と、弁103の移動動作による気体の流速制御との関係について、図12を用いて説明する。図12は、給気管81の軸方向における管路抵抗可変機構102の断面図であり、図12(a)は、給気管81内に気体が流れていない場合、図12(b)は、給気管81内に所定の閾値以下の流速で気体が流れている場合、図12(c)は、給気管81内に所定の閾値を超える流速で気体が流れている場合を示している。なお、図12において、矢印は給気管81を通過する気体の流れる方向を示している。
図12(a)に示すように、給気管81内に気体が流入していない場合、弁103に形成されたフランジと弁取り付け部105の第2の段部108とは接触しておらず、所定の距離を有している。以下、図12(a)に示す状態を、初期状態という。給気管81内に気体が流れ始めると、気体がフランジに衝突することによって生じる抗力よって、弁103が下流側に移動しようとする。しかし、気体の流速が所定の閾値以下である場合、気体による抗力は、弾性部材84を圧縮させるだけの十分な力に達しないため、弁103に形成されたフランジと弁取り付け部105の第2の段部108とは一定の距離を保っている(図12(b)参照)。
給気管81内を通過する気体の流速が所定の閾値を超える場合、気体の抗力が大きくなり、弾性部材84を圧縮させるだけの力が働くため、弁103は下流側へ移動し、図12(c)に示すように、弁103に形成されたフランジが弁取り付け部105と接触し、フランジの下流側の面とOリング109とが密着することによって気道が閉塞される。ただし、弁103の中心には小径の通気孔106が貫通されているため、給気管81に流し込まれた気体は遮断されることなく、この通気孔106を通って下流側へ流れ出ることができる。なお、図12(c)の状態において、給気管81内を流れる気体の流速が減速して所定の閾値以下となった場合、弾性部材84の弾性力よりも抗力が小さくなるために、弁103は図12(b)の状態に戻る。
上述のように構成された送気装置101を用いて管腔内に気体を供給する作用は、図7を用いて説明した第1の実施の形態において、送気装置1を送気装置101に置き換えれば同様の作用であるので、説明を省略する。
このように、本実施の形態の送気装置101では、装置内に設けた管路抵抗可変機構102に送り込まれる気体がある特定の流量を超えた場合にのみ、弁103に設けられた小径の通気孔106からのみ気体を下流側に送り出すことで、管路抵抗可変機構102から送り出す気体の流量を低下させるようにしたので、管腔内に気体を供給する場合は送気性能を維持することができる。また、管腔内に気体を供給せずに外部に気体を放出する場合は、管路抵抗可変機構102によって気体の流量が低下されるため、気体の消費量を抑制することができる。更に、送水時においては、管路抵抗可変機構102は作動しないため、送水性能も維持することができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の送気装置111の構成について図13を用いて説明する。図13は、送気装置111の構成を説明するブロック図である。送気装置111の全体構成は、管路抵抗可変機構102に替わり固定絞り112が設けられている点と、2次減圧器31bに圧力調整手段113が追加されている点とを除き、第1の実施の形態と同一であるため、同じ構成要素については同じ符号を付して説明は省略する。
本実施の形態の送気装置111に設けられた固定絞り112は、図14に示すように、筒状部材である給気管121を有する。図14は、固定絞り112を説明するための図であり、図14(a)は斜視図、図14(b)は軸方向の断面図である。また、給気管121の両端には、給気管121と給気管34とを接続するために、端部に向かって外径が小さくなる円錐形状を有するチューブ接続口122が設けられている。なお、チューブ接続口122には、周方向に複数の溝(図示せず)が刻まれている。
固定絞り112の軸方向の中心位置には、中心に所望の径の開口部を有するドーナツ状の薄板部である、オリフィス型の絞り機構123が、固定絞り112の軸方向と垂直に設置されている。固定絞り112の上流側から流し込まれた気体は、絞り機構123を通過することによって流量が制限され、下流側へ流しだされる。
固定絞り112から下流側へ流しだされる気体の流量は、図15に示すように、送気装置111から出力される気体の圧力に応じて変化する。図15は、送気装置111から出力される気体の圧力と流量との関係を示す特性図である。なお、図15において、実線は、固定絞り112と圧力調整手段113とを設けない場合、すなわち従来の送気装置の特性を示し、太実線は、固定絞り112と圧力調整手段113とを設けた場合、すなわち本実施の形態における送気装置111の特性を示している。また、図15において、破線は、固定絞り112のみを設け圧力調整手段113を設けない場合の送気装置の送気特性を示し、一点鎖線は、内視鏡送気特性を示している。
送気装置が組み込まれた送気システム4が内視鏡観察システム3に接続されており、内視鏡6の操作部11に設けられた送気・送水ボタン15のリーク孔66から気体が外部へ放出されている場合、従来の送気装置ではq1O≒5l/min程度の流速で気体が消費されている。これに比べて、本実施の形態における送気装置111では、外部へ放出される気体の流速はq2O≒3l/min程度となり、従来の装置に比べて40%程度無駄な気体の消費を抑制することができる。ただし、従来の送気装置に固定絞り112のみを設けた送気装置では、外部へ放出される気体の流速はq3O≒2.2l/min程度となり、無駄な気体の消費を最も抑制することができる。
ところが、従来の送気装置に固定絞り112のみを設けた送気装置では、送水ボタン15のリーク孔66を指などで塞いで管腔内へ気体を供給する場合の気体の流速は、送気装置の送気特性と内視鏡送気特性との交点で現され、q3i≒1.3l/min程度となり、従来の送気装置における気体の流速q1i≒1.6l/minよりも遅くなってしまう。一方、本実施の形態における送気装置111では、圧力調整手段113によって送気装置111から出力される気体の圧力を約10kPa程度上げることによって、管腔内へ気体を供給する場合の気体の流速をq2i≒1.6l/minとし、従来の送気装置と同じ流速を得ることが可能となる。すなわち、本実施の形態の送気装置111では、管腔内に気体を供給する場合は送気性能を維持しつつ、外部に気体を放出する場合は気体の消費量を抑制することができる。
次に、上述のように構成された送気装置111を用いた内視鏡システム2の作用について説明する。ここでは、送気装置111により管腔へ気体を供給する作用について、図16を用いて説明する。図16は、送気装置111から送り出される気体の流量の経時変化を示すタイムチャートである。図16において、実線は、本実施の形態における気体の流量の経時変化を示し、破線は、従来の送気装置おける気体の流量の経時変化を示している。
まず、内視鏡観察システム2を非観察状態、すなわち、内視鏡6の操作部11に設けられた送気・送水ボタン15のリーク孔66の開口を指先などで塞がない状態にする。続いて、送気システム4の送気装置1の電源37をONにし、送気スイッチ35を操作して、制御回路36に電磁弁32を開くように指示を入力し、ガスボンベ24から供給される二酸化炭素ガスが、電磁弁32よりも下流側へ送り出されるようにする。ガスタンク24から送り出された気体は、送気装置111内の減圧ユニット31を通過することで、管腔内に送気するのに適した圧力に減圧される。なお、減圧ユニット31を通過後の気体の圧力は、圧力調整手段113によって、従来の送気装置よりも高い圧力に設定されている。
減圧された気体は、電磁弁32から固定絞り112へ送り出される。固定絞り112を通過する気体の流量は時間と共に増加していくが、固定絞り112に設けられた絞り機構123によって、例えば3.5l/minなど、絞り機構123の開口部の大きさに応じた値まで達すると、それ以上は増加せずにこの流速を維持する。なお、固定絞り112を具備しない従来の送気装置においては、破線で示したように、送気装置から供給される気体の流量は、時間の経過と共に増加し、6l/min程度まで増加するとこの流速を維持する。
次に、時間t1において、内視鏡観察システム2を観察状態、すなわち、内視鏡6の操作部11に設けられた送気・送水ボタン15のリーク孔66の開口を指先などで塞いだ状態にする。すると、送気装置111から供給された気体は、送気管62に送り出され、挿入部10に挿通された送気送水管69を通過して挿入部10の先端から管腔内へ供給される。ここで、送気管62の径はリーク孔66の径よりも非常に小さくなされているため、送気管62を気体が通過するときの通過抵抗が大きくなる。通過抵抗の増大に伴い、送気装置111から送り出される気体の流量が低下し、2l/minまで徐々に低下する。なお、固定絞り112を具備しない従来の送気装置においても、内視鏡観察システム2を観察状態にした場合、供給される気体の流量は2l/min程度となる。
このように、本実施の形態の送気装置111では、固定絞り112と圧力調整手段113とによって、管腔内に気体を供給する場合は送気性能を維持し、また、管腔内に気体を供給せずに外部に気体を放出する場合は気体の消費量を抑制するように、送気装置111から送り出す気体の流量を調整することができるため、複雑な構造を有する管路抵抗可変機構を用いるよりも安価に装置を実現することができる。
以上の実施の形態から、次の付記項に記載の点に特徴がある。
(付記項1)内視鏡の送気管路を介して気体を送気する送気装置において、前記気体を送気するための管路と、前記管路の中に設けられた絞りを有する可動部材と、前記可動部材と前記管路とを連結する弾性体とを有することを特徴とする送気装置。
1…送気装置、2…内視鏡システム、3…内視鏡観察システム、4…送気システム、5…送気チューブ、10…挿入部、12…ユニバーサルコード、18…内視鏡コネクタ、22…ガス供給口金、23…送気コネクタ、24…ガスボンベ、25…高圧コネクタ、26…高圧ガスチューブ、31…減圧ユニット、31a…1次減圧器、31b…2次減圧器、32…電磁弁、33…管路抵抗可変機構、34…給気管、35…送気スイッチ、36…制御回路、37…電源、