以下、図面に基づき、本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜図21は、本発明の実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機1は、遊技盤2に形成された遊技領域17に遊技球(以下、単に「球」とも称する。)を発射してゲームを行うパチンコ機である。また、遊技機1には、有価価値カードの挿入により遊技球を貸し出すためのカードユニット(CR球貸機)b(図4参照)が付設されている。
先ず、遊技機1全体の概要を説明する。
図1は、遊技機1全体を示す正面図である。本遊技機1は、発射された遊技球が落下しゲームを進行させる各種部品が取り付けられた遊技盤2と、遊技盤2の正面を覆うガラスを固定するガラス枠11と、特別遊技状態の発生を点灯によって報知する遊技機状態ランプ422等を有している。なお、ガラス枠11には、装飾装置であるランプ・LED等が組み付けられている。
前記ガラス枠11の下方には、遊技球である貸球や賞球を貯留する上受け皿3と、上受け皿3から溢れた遊技球を貯留する下受け皿4と、上受け皿3に貯留した遊技球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、下受け皿4に貯留した遊技球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技球の発射操作を遊技者が行うためのハンドル5等が設けられている。
図2は遊技盤2を示す正面図である。遊技盤2の正面には、発射された遊技球を遊技領域17へ導くための誘導レール16と、遊技領域17に導かれた遊技球の流れに変化を与えるための遊技釘や風車(図示せず)と、各種の入賞口と、普通図柄作動ゲート26と、装飾装置であるランプ・LEDと、特別図柄表示を行う特別図柄表示装置320と、特別図柄表示に対応させる表示遊技を実行する可変表示装置310と、普通図柄表示を行う普通図柄表示装置140と、変動予測時間を可変表示装置310の表示領域とは別に表示するための変動予測時間表示部410等が設けられている。
前記各種の入賞口としては、始動入賞口21、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、大入賞口24等がある。遊技球が各種の入賞口に入賞すると、それぞれ付設されたスイッチにより検出される。スイッチとして、図2,図3に示すように、始動入賞口スイッチ121、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b等が、それぞれの入賞口内部に設置されている。また、大入賞口24の内部には、カウントスイッチ125が設置されている。さらに、普通図柄作動ゲート26の内部には、普通図柄作動ゲートスイッチ126が設置されている。
前記各種の入賞口に遊技球が入賞すると、それぞれ前記スイッチによって検出され、検出される度に入賞口ごとに割り当てられた所定数の賞球の払い出しが行われる。本実施の形態では、始動入賞口21には5個、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bにはそれぞれ8個、大入賞口24には15個と、賞球数が割り当てられている。ただし、前記普通図柄作動ゲート26は通過口であり、遊技球が通過しても賞球の払い出しはない。なお、遊技盤2の最下部には、遊技領域17内の何れの入賞口にも入らずに落下した遊技球を、外部に排出するためのアウト口29が設けられている。
次に、遊技盤2上の主要な構成要素について、さらに詳細に説明する。
始動入賞口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、該始動入賞口21の左右両端に一対の可動片が揺動可能に設けられている。各可動片は、普通電動役物ソレノイド136によって拡縮動作する。始動入賞口21は、各可動片の拡縮動作により、遊技球が入賞し難い縮状態と入賞し易い拡状態とに作動する普通電動役物として構成されている。なお、各可動片が縮状態であっても、始動入賞口21は遊技球が入賞し難い程度に開いている。
始動入賞口21の各可動片は、普通図柄表示装置140における普通図柄表示の表示結果に基づき作動する。普通図柄表示装置140は、上下に設けた2つのLEDの点灯によって普通図柄表示を行い、上側の「○」型LEDが「当たり」、下側の「−」型LEDが「ハズレ」と割り当てられている。普通図柄表示の結果が「当たり」に相当すると、前記始動入賞口21の各可動片が、通常の縮状態から拡状態に所定時間の経過または所定個数の遊技球が入賞するまで作動する。なお、前記2つのLEDの点灯以外にも普通図柄表示として、7セグメント表示器を使用したり、可変表示装置310の表示領域の一部に表示しても良い。
普通図柄表示装置140では、各普通図柄作動ゲートスイッチ126により遊技球の通過が検出されると、普通図柄表示の権利が獲得され、該権利に基づいて普通図柄表示が行われる。普通図柄表示装置140の上下のLEDの交互点滅によって普通図柄表示は開始され、所定時間が経過して停止すると上下何れか一方の点灯表示となり、遊技者は表示結果を目視により確認することができる。なお、普通図柄作動ゲートスイッチ126は、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。
普通図柄表示装置140における普通図柄表示の実行中に、普通図柄作動ゲートスイッチ126によって遊技球の通過が検出された場合は、普通図柄表示装置140における普通図柄表示の権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄表示が終了した後、保留にされた権利が順次消化される。普通図柄表示の保留数は、例えば上限値4個であり、普通図柄表示装置140の傍らにある普通図柄保留LED421の点灯によって報知される。
始動入賞口21に遊技球が入賞することが、次述する可変表示装置310で表示遊技が実行されるための「始動条件」として設定されている。始動入賞口21の内部にある始動入賞口スイッチ121によって遊技球の入賞が検出されると、可変表示装置310において表示遊技を実行する権利が獲得され、該権利に基づき表示遊技が実行される。なお、始動入賞口スイッチ121は、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。
可変表示装置310は、その表示領域を成す液晶ユニット311を有しており、該液晶ユニット311は、各種画像として、複数種類の識別情報や各種画像(背景を含む)を変動表示させることができる。可変表示装置310は、液晶ユニット311以外にも、他に例えば、CRT(陰極線管)表示器、ドラムユニット、7セグメント表示器、LED、有機ELディスプレー表示器等を採用して構成することも可能である。
可変表示装置310において実行される表示遊技は、前記始動条件の成立に基づき開始されると、液晶ユニット311の表示領域に、基本的には横一列に左側の第1図柄、右側の第2図柄、中央の第3図柄と3つの識別情報である各種図柄が並ぶように表示され、各列ごとに識別情報はスクロール変動する。変動開始から所定時間が経過すると、各列ごとに1つずつ任意の識別情報が停止確定する。表示遊技の実行中には、識別情報の変動表示に合わせて、各種画像としてキャラクタや背景等も適宜表示される。なお、変動表示する識別情報の数は3つに限られるものではなく、縦横に複数ずつ並べてマトリックス状に表示しても良い。
前記表示遊技に関して、その開始から表示結果が導出されるまでの演出表示態様には、変動時間や表示内容がそれぞれ異なる複数種類の変動パターンが予め用意されている。各演出表示態様は、後述する主基板(遊技制御手段)1100から送信される制御コマンドに含まれている変動パターンコマンドに基づいて、同じく後述する演出制御基板(表示制御手段)1300により表示制御される。変動パターンコマンドには、演出表示態様の変動時間を指定する変動時間指定情報と、演出表示態様の表示内容を指定する表示内容指定情報が含まれている。
演出表示態様の何れの変動パターンに関しても、表示遊技の表示結果として、停止確定した識別情報が、予め定めた特定の組み合わせ(例えば「333」等と全て同一種類に揃った状態)となった場合が「特定表示態様(大当たり)」と定められている。また、特定表示態様が確定する前に、特定表示態様となる識別情報の組み合わせのうち、1つの識別情報を除く他の識別情報が特定表示態様となる組み合わせとなり、前記1つの識別情報が未確定である状態が「リーチ表示態様」に相当する。
本実施の形態では、リーチ表示態様として、識別情報(の種類)とは別に表示内容が異なり、かつ変動時間も異なる複数種類が用意されており、各リーチ表示態様の種類に応じて、各リーチ表示態様を含む演出表示態様の変動パターンが異なるように設定されている。詳しく言えば、演出表示態様の変動パターンには、リーチ表示態様が導出されない「通常変動」の他、基本的なリーチ表示態様を含む「ノーマルリーチ」と、該ノーマルリーチよりも特定表示態様となる信頼度が高く設定された「短変動遊技リーチ」が用意されている。
ここで「短変動遊技リーチ」は、前記演出表示態様のうち表示遊技が開始されてから所定時間経過後に実行される特別演出表示態様に相当するものであり、その具体的な表示内容は、前述した第1図柄、第2図柄、第3図柄の変動表示とは別に、複数種類の識別情報による変動表示の開始ないし停止表示を行う短変動遊技を所定回数繰り返すものとなっている。なお、短変動遊技について詳しくは後述する。
ところで、前記変動パターンコマンドに含まれている変動時間指定情報には、遊技者が演出表示態様の変動時間を予測可能な複数の変動予測時間が対応づけられているが、この変動予測時間は、前記演出表示態様のうち特別演出表示態様である短変動遊技の開始から終了に至るまでの変動予測時間として定められている。なお、詳しくは後述するが、短変動遊技だけに関しても、特定表示態様となる「当たりパターン」と、特定表示態様とならない「外れパターン」とに大別され、さらにそれぞれのパターンの中でも、変動時間が異なる複数種類の変動パターンが用意されている。
前記表示遊技の表示結果が最終的に特定表示態様に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が実行されるように設定されている。一方、表示遊技の表示結果が、最終的に前記特定表示態様に確定しなかった場合は、「外れ表示結果(ハズレ)」に該当し、特別遊技状態は実行されない。なお、表示遊技に用いる識別情報は、0〜9の数字や記号等の単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクタを模したものを用いても良い。
また、前記表示遊技の表示結果が、識別情報のうち確変図柄(例えば奇数図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴う特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特定表示態様(確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態が発生するまで、表示遊技の表示結果が特定表示態様に確定する大当たり確率が高確率に変化する。
このように、通常の遊技状態(低確率状態)に比べて、特定表示態様に確定する大当たり確率が高まった遊技状態が、高確率状態(または「確変状態」、「確変モード」とも言う。)である。また、高確率状態中には、可変表示装置310における表示遊技の変動時間が短縮される時間短縮状態(または「時短状態」、「時短モード」とも言う。)も併せて発生するように設定しても良い。さらに、本実施の形態における時間短縮状態では、前記普通図柄表示装置140における普通図柄表示の変動時間も短縮されるように設定しても良い。
一方、前記表示遊技の表示結果が、識別情報のうち非確変図柄(例えば偶数図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(非確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴わない特別遊技状態が発生することになる。ここで、非確変図柄で揃った特定表示態様(非確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)を限度に、次回以降の表示遊技および普通図柄表示における変動時間が短縮されるように設定しても良い。
前記表示遊技の実行中あるいは前記特別遊技状態の発生中に、前記始動入賞口21に遊技球が入賞した場合には、表示遊技を実行する権利が保留として獲得され、現在進行中の表示遊技等が終了した後、保留されていた権利が順次消化されるようになっている。前記表示遊技の保留数は、例えば最大で4個と設定されており、実際の保留数は、遊技者が目視で確認できるように特別図柄保留LED420によって報知される。もちろん、特別図柄保留LED420の構成を省いて、可変表示装置310に保留球数を表示するようにしてもかまわない。
特別図柄表示装置320は、前記可変表示装置310で実行される表示遊技の表示結果の元となる大当たり判定結果、および確率変動大当たりまたは非確率変動大当たりの区別が可能な特別図柄を、前記表示遊技の実行に対応させて同時に変動表示するものであり、例えば、7セグメントLED等を利用して構成されている。
変動予測時間表示部410は、変動予測時間を可変表示装置310の表示領域とは別に表示するものであり、変動予測時間を表す数字を順に減算して表示(カウントダウン表示)するように構成されている。変動予測時間表示部410は、本実施の形態では7セグメント表示器から成るが、他に例えば、液晶や有機ELディスプレー表示器等の別の表示デバイスを用いて構成しても良い。
変動予測時間表示部410は、遊技領域17にて2点間を移動可能に配設されており、図2に示すように、装飾部材の背後に半分以上隠れて、変動予測時間の表示を行わない非表示位置と、図3に示すように、装飾部材の背後より出現して、変動予測時間の表示を行う表示位置とに所定機構を介して、ステッピングモータ411(図6参照)の駆動により移動させることができる。ここで所定機構とは、例えば、変動予測時間表示部410自体から離れた位置に回転中心となる支点を設け、該支点を中心に揺動させる揺動機構としたり、あるいはスライド機構により、表示位置と非表示位置とを直線往復運動するように構成しても良い。
大入賞口24は、一般にはアタッカーと称されるものであり、大入賞口ソレノイド134の作動により、遊技球が入賞し易い開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞できない通常の閉状態(第2の状態)とに変化するように構成されている。なお、大入賞口24の入賞口を開閉する扉は、その下端を揺動中心として前方に傾倒することで開くようになっている。
大入賞口ソレノイド134は、前記特別遊技状態が成立した際に大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。すなわち、大入賞口24は、前記表示遊技の表示結果が特定表示態様となった場合に、特別遊技状態を形成するように開閉制御される。ここで特別遊技状態は、大入賞口24の扉が開いて遊技球が入賞し易い開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作を、所定の回数(例えば15回)を上限に繰り返す状態である。
次に、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図4は、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図4に示すように、本実施の形態では制御基板として、主基板1100、演出制御基板1300、払出制御基板200、発射制御基板600、電源基板2700等を有している。
主基板1100は、遊技機1全体の制御を掌る制御基板であり、演出制御基板1300は、可変表示装置310の表示制御、LED・ランプの点灯制御、音声の出力制御をそれぞれ統括して行う制御基板である。主基板1100は主として「遊技制御手段」を構成し、演出制御基板1300は主として「表示制御手段」を構成している。
図7に示すように表示制御手段は、本発明の根幹に関わる機能として、変動予測時間選択手段3100、変動予測時間表示手段3200、カウントダウン表示手段3300、前段階変動予測時間選択手段3400、前段階変動予測時間算出手段3500、前段階変動予測時間表示手段3600、変動残り時間表示手段3700を備えている。
変動予測時間選択手段3100は、変動パターンコマンドに含まれている変動時間指定情報に基づき、複数の変動予測時間のいずれかを選択する手段である。変動時間指定情報には、遊技者が演出表示態様の変動時間を予測可能な複数の変動予測時間が対応づけられている。変動予測時間選択手段3100による選択の詳細は後述するが、実際の変動時間と近い変動予測時間ほど、高い確率で選択されるように選択確率の分布を設定している。
変動予測時間表示手段3200は、変動予測時間選択手段3100により選択された変動予測時間を表示制御する手段である。変動予測時間表示手段3200は、変動予測時間を表す数字を変動予測時間表示部410に表示させるが、カウントダウン表示手段3300により、変動予測時間を順に減算して表示(カウントダウン表示)することで、演出表示態様の残り時間を遊技者に知らせることができるようになっている。
また、演出制御基板1300から成る表示制御手段には、変動予測時間をカウントダウン表示する際に、変動予測時間表示部410を図3に示す表示位置に移動させ、変動予測時間を表示しない際には、変動予測時間表示部410を図2に示す非表示位置に戻す駆動制御の機能があるが、この機能を主基板1100から成る遊技制御手段に付加して駆動制御しても良い。
前段階変動予測時間選択手段3400は、前記変動予測時間選択手段3100により選択された変動予測時間を最終変動予測時間として、この最終変動予測時間を表示する前段階で、該最終変動予測時間とは異なる前段階変動予測時間を表示するか否かを選択する手段である。かかる選択に基づき、次述する前段階変動予測時間選択手段3400等の制御も相俟って、変動予測時間を見かけ上、何段階(本実施の形態では1回または2回)かに変更(昇格)するような表示制御を可能とする。
前段階変動予測時間算出手段3500は、前段階変動予測時間選択手段3400により前段階変動予測時間の表示が選択された場合、最終変動予測時間に基づいて、前段階変動予測時間を算出する手段である。
前段階変動予測時間表示手段3600は、前段階変動予測時間算出手段3500により算出した前段階変動予測時間を表示した後に、最終変動予測時間を表示する手段である。
変動残り時間表示手段3700は、変動予測時間選択手段3100により選択された変動予測時間の終了時に、未だ演出表示態様が実行中であった場合、該演出表示態様の残り時間を追加表示する手段である。ここでの追加表示は詳しくは後述するが、残り時間が経過するまで順にカウントアップする表示方法と、最初に残り時間を表示してから0になるまで順にカウントダウンする表示方法とがある。
図5は、主基板1100の詳細を示している。
主基板1100は、主基板1100内部のクロック回路1110が生成するクロックを基準に動作する。また、クロック回路1110が生成したクロックを内部タイマー1107で分周して得た一定時間間隔の割り込み信号をCPU1102に入力することで、一定時間ごとに該CPU1102でタイマー割り込み処理を実行する。CPU1102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割り込みごとに実行することで一連の動作を遂行する。
始動入賞口スイッチ121、普通図柄作動ゲートスイッチ126、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bは、それぞれ遊技球の入賞を検出するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、入力インターフェイス回路1115aに入力される。カウントスイッチ125、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、入力インターフェイス回路1115bに入力される。
入力インターフェイス回路1115a,1115bのアドレスは、CPU1102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU1102が出力するアドレス信号およびリード/ライトの制御信号を、CPU1102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路1113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
前記チップセレクト信号にて、入力インターフェイス回路1115a,1115bがセレクトされると、始動入賞口スイッチ121等からの各入力信号が各入力インターフェイス回路1115a,1115bを通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間ごとに発生する割り込み信号によって、次の割り込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号ごとに指定されたRAM領域(RAM1104)に記憶される。
始動入賞口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定された各RAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU1102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。なお、各入賞口に設けられたスイッチの賞球払い出し数は、固定となっているが、遊技機の仕様により払い出し個数を変更することができる。
その他、始動入賞口スイッチ121、普通図柄作動ゲートスイッチ126からの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これらの値がRAM領域の各乱数値記憶領域に記憶され、このデータを基にして、遊技機1の遊技状態や遊技演出等が設定され、各制御基板に遊技状態や遊技演出等のデータが順次出力される。
各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ1114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路1116a〜1116eに出力される。出力用のラッチ回路1116a〜1116eとCPU1102とを結ぶデータバスの途中に、バッファ1114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
始動入賞口スイッチ5個賞球RAM領域、左右袖入賞口スイッチ、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU1102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116cに出力する。
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路1113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路1116a、ラッチ回路1116cに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路1116aに、割り込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路1116cにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板200に賞球データとして出力される。
賞球データが入力された払出制御基板200は、球排出機構を制御して、入力された賞球データに対応した数の賞球排出を行う。実際に払い出された賞球総数はCPU1102で演算処理され、その値がRAM領域(RAM1104)の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また、排出賞球数の設定数ごとに出力信号がラッチ回路1116dに出力され、アドレスデコード回路1113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力され、枠用外部出力端子板800を介して管理用コンピュータ(図示せず)等に出力される。
始動入賞口スイッチ121、普通図柄作動ゲートスイッチ126の入力信号に対応した乱数値が格納されているRAM領域(RAM1104)に乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置140、可変表示装置310における表示の開始直前に前述した変動パターンコマンド等が決定され、該決定された変動パターンコマンド等を演出制御基板1300に送信すると共に、決定された情報をRAM領域(RAM1104)に記憶する。
普通図柄に係わる乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置140の普通図柄表示を実行するための表示制御データが生成され、表示制御データがCPU1102からデータバスを通じてラッチ回路1116eに出力される。そして、アドレスデコード回路1113からチップセレクト信号が出力されるごとに、前記普通図柄表示装置140において普通図柄表示が一定時間行われる。
普通図柄表示装置140の表示結果が当たりの場合には、前記始動入賞口21の各可動片を拡開動作させる普通電動役物ソレノイド136の制動データが、CPU1102からラッチ回路1116eに出力されると共に、アドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号に応じて、ラッチ回路1116eから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、始動入賞口21が拡状態となり、遊技球が入賞し易い状態が発生する。
始動入賞口21に係わる乱数値が記憶されている場合は、可変表示装置310の表示遊技を行わせるため演出制御基板1300に、前記変動パターンコマンドとこれに対応して停止図柄を定める各停止図柄等に関するデータが、時系列にラッチ回路1116bを介して、演出制御基板1300へ演出出力データとして順次出力され、演出制御基板1300を制御する。また、LED・ランプの点灯演出や音声演出、モータ駆動制御も、同調して実行されるようになっている。
特別遊技状態が発生する場合、大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路1116eに出力され、かつアドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号がラッチ回路1116eに入力される。これによりラッチ回路1116eから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力されて、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態となって遊技球を大入賞口24内に誘導可能となる。
大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125により、入賞した遊技球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達すると、ラッチ回路1116eの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134が非能動状態になり、1回のラウンドが終了する。その後、未だ上限ラウンド回数に到達していない場合には、大当たりラウンドがさらに継続することになる。
遊技機1に電源が供給されると、電源基板2700よりリセット信号が供給され、主基板1100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化すると、クロック同期・遅延回路1111による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン1101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン1101が稼動状態になり、主基板1100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン1101の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板2700から停電検出信号がワンチップマイコン1101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)1105に供給され、ワンチップマイコン1101において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間に亘って賞球検出データの検出を行った後、RAM1104に停電処理判定のデータを保存し、RAM1104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下することで、電源基板2700からRAM1104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM1104の記憶状態が保持される。
電源が次に供給された時、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン1101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU1102はI/Oポート1106のデータを検出してRAM1104の初期化を行う。シュート球切れスイッチ131で球切れを検出した信号、およびオーバーフロースイッチ133で遊技機1の下受け皿4にて賞球の球詰まりを検出した信号は、入力インターフェイス回路1115bおよびデータバスを通じてワンチップマイコン1101に取り込まれる。
次に、図6に示す演出制御基板1300について説明する。
演出制御基板1300は、遊技領域17内に配設された可変表示装置310の表示遊技や、遊技盤2上に設置された遊技機状態ランプ422等の各種LED・ランプの点滅、スピーカ510での音声、効果音、遊技機1の異常状態を知らせるための警告音等に関する制御、それにステッピングモータ411の駆動制御を行うものである。
演出制御基板1300は、マイクロコンピュータ1301を動作させるクロック発信器1316と、演出制御を実行することで取得した情報を一時記憶するための制御用RAM1311と、演出出力データに基づき演出制御を実行するための制御プログラムが記憶された制御用ROM1310を有し、主基板1100からの制御情報を入力する入力インターフェイス1314を通して制御情報を取得し、取得した情報に基づき遊技演出を実行する。
マイクロコンピュータ1301は、クロック発信器1316が生成するクロックを基準に動作し、主基板1100からの制御情報が入力インターフェイス1314を通して、マイクロコンピュータ1301内のPIOa1306a、PIOj1306jに入力され、入力情報に基づき可変表示装置310での演出、各種ランプ・LEDでの光による演出、音による演出等を制御用ROM1310に記憶されたプログラムの手順で実行する。
電源基板2700からのリセット信号は、遊技機1に電源が投入されると、電源基板2700からマイクロコンピュータ1301に入力されて、制御ROM1310に記憶されている制御手順に従って、マイクロコンピュータ1301のリセットを行うと共に、演出制御基板1300の初期化を行うように設定されている。
演出制御基板1300は、画像処理部と、ランプ・LED・モータ駆動回路部と、音声制御部とを有し、マイクロコンピュータ1301は、それぞれを主基板1100からの制御信号に基づいて制御する。先ず、画像処理部は、可変表示装置310上での演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1301は、各制御信号に基づいて画像制御IC1320へ具体的な指示を行う。画像制御IC1320は、クロック発信器1316のクロック信号を基準に動作する。
画像制御IC1320は、マイクロコンピュータ1301からの制御情報に従って、画像データROM1322の画像データを入手し、具体的な映像信号を生成し、可変表示装置310へ出力する。図6では、画像制御IC1320が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶する領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC1320の内部にVRAMを内蔵した画像制御ICで構成してある。なお、前記演出表示態様の表示内容に関する画像データは、画像データROM1322に記憶されている。
画像補正IC1321は、画像制御IC1320からの入力画像信号(アナログR,G,B信号、水平、垂直同期信号)を可変表示装置310用に補正し出力する。電源生成回路1324a〜1324fは、電源基板2700からの電源に基づいてDC13V,23V,−5V,3.3V,2.5Vの各電圧を画像処理部へと供給することにより、画像制御IC1320、画像補正IC1321を駆動する。
また、前記ランプ・LED・モータ駆動回路部は、光による演出やモータ駆動制御を行う部位であり、遊技機1および遊技盤2上に設置されたランプ・LEDによる具体的な演出や、ステッピングモータ411による変動予測時間表示部410の移動を行わせる、LED駆動回路1400a〜1400cと、駆動回路1401を通し実行される。CPU1302の制御に従いPIOb1306b〜PIOe1306e(パラレルI/O)を通し、LED駆動回路a1400a、LED駆動回路b1400b、LED駆動回路c1400cと、駆動回路1401に制御信号を出力して、各駆動回路がランプ・LED・モータを動作させる。
さらに、前記音声制御部は、音による演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1301は、遊技機1に設置されたスピーカ510に具体的な演出を行わせるため、音声制御IC1500に制御情報を出力する。音声制御IC1500は、クロック発信器1316のクロック信号を分周器1317で分周し、音声制御IC1500の動作クロックとして使用する。また、マイクロコンピュータ1301の制御情報に従い、音声データROM1501の音声データを入手し、具体的な音声信号を生成し、スピーカ510へと出力する。
前記CPU1302は、パラレルI/OであるPIOf1306f、PIOg1306gを通して、音声制御IC1500に音による制御情報を出力する。PIOf1306fは、データを出力し、PIOg1306gは、制御信号(チップセレクト、リード、ライト等)を出力する。音声制御IC1500は、マイクロコンピュータ1301からの制御情報に基づき、音声データROM1501のデータを入手し音声信号に変換する。
また、擬音や効果音等は、音声制御IC1500に内蔵された発信器で作られ出力される。音声制御IC1500からの音声信号は、フィルター1502で出力電圧調整を行い音声以外のノイズ成分を除去してアンプ1503へと出力され、アンプ1503によりスピーカ駆動可能な電圧レベルに増幅され、スピーカ510から音として出力される。
以下に、遊技機1の作用について説明する。
先ず、図8に示すフローチャートに沿って、表示遊技に対応する特別図柄遊技処理の詳細について説明する。特別図柄遊技処理は、主基板1100から成る遊技制御手段によって実行される。遊技が開始されて、遊技領域17に発射された遊技球が始動入賞口21に入賞すると(ステップS101;Y)、始動入賞口スイッチ121によって検出され、主基板1100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき、現在保留している表示遊技を実行する権利の数である保留球数が、所定値(例えば4)以下であるか否かを判断する(ステップS102)。
保留球数が所定値以下でなければ(ステップS102;N)、今回の始動条件の成立による権利を保留せずに処理は終了するが、保留球数が所定値以下であれば(ステップS102;Y)、権利に係る保留球数のインクリメントを行い(ステップS103)、大当たり判定用乱数を取得する(ステップS104)。さらに、大当たり図柄乱数を取得する(ステップS105)。保留球数データは、主基板1100から演出制御基板1300に送信される。演出制御基板1300が保留球数データを受信すると、特別図柄保留LED420が1つ点灯し、また表示遊技の開始に伴い1つ消灯する。
続いて、大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS106)。後述するが、大当たり判定用乱数が所定の大当たり乱数の何れかと一致すれば、大当たりと判定されて大当たりフラグがONにセットされる。大当たりフラグがONでなければ(ステップS106;N)、表示遊技の実行中であるか否かを判断し(ステップS107)、一方、大当たりフラグがONであれば(ステップS106;Y)、そのまま処理を終了する。
表示遊技が実行中でなければ(ステップS107;N)、停止図柄表示時間中であるか否かを判断する(ステップS108)。ここで停止図柄表示時間とは、予め定められた変動時間だけ実行する表示遊技の終了時点から特別遊技状態の開始時までに、可変表示装置310に停止図柄を表示している時間を意味する。表示遊技の実行中であれば(ステップS107;Y)、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断し(ステップS123)、変動時間が経過してなければ(ステップS123;N)、そのまま処理を終了する。変動時間が経過していれば(ステップS123;Y)、停止図柄表示時間を設定する(ステップS124)。
また、前記停止図柄表示時間中であるか否かの判断において、停止図柄表示時間中であれば(ステップS108;Y)、停止図柄表示時間が経過したか否かを判断する(ステップS120)。ここで停止図柄表示時間が経過してなければ(ステップS120;N)、そのまま処理を終了し、停止図柄表示時間が経過していれば(ステップS120;Y)、大当たり判定用乱数が大当たり乱数であるか否かを判断する(ステップS121)。
大当たり判定用乱数が大当たり乱数に相当していなければ(ステップS121;N)、そのまま処理を終了し、大当たり判定用乱数が大当たり乱数に相当していれば(ステップS121;Y)、大当たりフラグをONにセットする(ステップS122)。また、前記停止図柄表示時間中であるか否かの判断において、停止図柄表示時間中でなければ(ステップS108;N)、現時点における保留球数の有無を判断し(ステップS109)、保留球数が「0」でなければ(ステップS109;Y)、大当たり判定用乱数が大当たり乱数であるか否かを判断し(ステップS110)、保留球数が「0」であれば(ステップS109;N)、そのまま処理を終了する。
大当たり判定用乱数が大当たり乱数に相当すれば(ステップS110;Y)、大当たり図柄乱数に基づいて大当たり用停止図柄が記憶される(ステップS111)。一方、大当たり判定用乱数が大当たり乱数に相当しなければ(ステップS110;N)、外れ用停止図柄が記憶される(ステップS112)。なお、大当たり判定用乱数が大当たり乱数であるか否かの判断時に、高確率状態中であれば、高い大当たり確率で大当たり判定用乱数が大当たり乱数に相当することになり、通常の低確率状態中であれば、低い大当たり確率により、大当たり判定用乱数が大当たり乱数に相当することになる。
続いて、変動パターン乱数を取得する(ステップS113)。ここで、先に取得した大当たり判定用乱数が大当たり乱数に相当していれば(ステップS114;Y)、大当たりに対応した変動パターンを判定して(ステップS115)、今回の表示遊技における変動パターンを決定する(ステップS117)。一方、大当たり判定用乱数が大当たり乱数でなければ(ステップS114;N)、外れに対応した変動パターンを判定して(ステップS116)、今回の表示遊技における変動パターンを決定する(ステップS117)。さらに、前記変動パターンに対応付けられた変動時間を設定して(ステップS118)、停止図柄データと変動パターンコマンドを演出制御基板1300に送信して(ステップS119)、特別図柄表示処理を終了する。
このように主基板1100により決定された変動パターンコマンドには、前述したように、表示遊技中における演出表示態様の変動時間を指定する変動時間指定情報と、演出表示態様の表示内容を指定する表示内容指定情報が含まれている。ここで変動パターンコマンドにより指定された演出表示態様が、前記短変動遊技リーチに相当する場合、変動予測時間選択手段3100は、変動時間指定情報に基づき、複数の変動予測時間のいずれかを選択することになる。
次に、図9に示すフローチャートに沿って、図10〜図13を参照しつつ、前記短変動遊技リーチに関する短変動遊技時間帯処理の詳細について説明する。短変動遊技時間帯処理は、演出制御基板1300から成る表示制御手段によって実行される。演出制御基板1300が主基板1100から短変動遊技リーチに相当する変動パターンコマンドを受信すると(ステップS201)、該短変動遊技リーチの開始から終了に至るまでの時間である短変動遊技時間帯を決定する(ステップS202)。
ここで短変動遊技リーチの表示内容は、複数種類の識別情報による変動表示の開始ないし停止表示を行う短変動遊技(以下「短変動パターン」とも言う。)を所定回数繰り返すものであるから、短変動遊技時間帯は、短変動パターンの所定回数の合計時間に相当する。この短変動遊技時間帯は、変動パターンコマンド中の変動時間指定情報により指定される表示遊技の変動時間に応じて決定される。
詳しくは図10において、図10(a)に示すように、表示遊技の開始から終了に至る「変動時間」の中で、短変動遊技リーチは、表示遊技の開始から所定時間経過後から、表示結果が導出されるまでの間に実行される。従って、短変動遊技時間帯の具体的な時間は、前記変動パターンコマンドにより定まる変動時間に応じて自動的に決定される。
具体的には例えば、図10(b)に示すように、変動パターンが「96」(プログラム上の識別番号)でリーチ名称が「短変動外れ(1)」の場合、この表示遊技の変動時間は「52.5秒」であり、これに応じて短変動遊技時間帯は「32.5秒」と定められる。また、変動パターンが「101」でリーチ名称が「短変動当たり(3)」の場合、この表示遊技の変動時間は「85秒」であり、これに応じて短変動遊技時間帯は「60秒」と定められる。
このように、表示遊技の変動時間が長いほど短変動遊技時間帯も長くなるように設定されている。なお、図10(a)において、表示遊技の開始から短変動遊技リーチの開始に至るまでの「開始」時間帯には、第1図柄、第2図柄、第3図柄の変動開始から第1図柄と第2図柄とが同一種類に停止する「開始演出」が行われる。また、短変動遊技リーチの終了から表示遊技の終了に至る「終了」時間帯には所定の終了演出が行われる。
また、短変動遊技時間帯を構成する所定回数の短変動パターンには、図10(c)に示すように、短変動遊技を1回実行するときに要する変動時間が異なるA、B、Cの3つの短変動パターンが用意されている。このうち、短変動パターンAは基本変動時間(2.5秒)と定められ、短変動パターンB、Cは、基本変動時間よりも長い特別変動時間(B;5.0秒,C;10.0秒)と定められている。特別変動時間である短変動パターンB、Cは、それぞれ短変動遊技の実行過程で遊技者の期待感が高まる識別情報の組み合わせであるリーチ表示態様を導出するものである。なお、短変動遊技のリーチ表示態様を含む詳しい表示内容については後述する。
短変動遊技時間帯は、前述したように所定回数の短変動パターンの組み合わせから成るが、この組み合わせに関しては、先ず最初に、短変動遊技時間帯において最後に実行される短変動パターン(以下「最終短変動パターン」という。)を、前記A、B、Cのいずれかのパターンの中から抽選し(ステップS203)、決定する(ステップS204)。ここでの抽選は、例えば後述する図13(b)に示すように、「当たりパターン」と「外れパターン」のどちらの場合でも、短変動パターンAの抽選確率は256分の200、短変動パターンBの抽選確率は256分の50、短変動パターンCの抽選確率は256分の6というような所定確率により行うと良い。
前記変動時間指定情報(すなわち変動時間)には、短変動遊技時間帯(演出表示態様の変動時間)を遊技者が予測可能な複数の変動予測時間が対応づけられており、図7に示す変動予測時間選択手段3100により、前記変動時間指定情報に基づき、複数の変動予測時間のいずれかが選択され(ステップS205)、この選択された変動予測時間が変動予測時間表示部410に表示されることが決定される(ステップS206)。
詳しくは図11に示すように、変動予測時間の具体的な選択に関しては、変動パターンおよび短変動遊技帯と最終短変動パターンによって、図11中における所定確率でいずれかの変動予測時間が振り分けられることになる。具体的には例えば、変動パターンが「96」で短変動遊技時間帯が「32.5秒」の場合、最終短変動パターンがA、B、Cのいずれであっても、変動予測時間は必ず「30秒」が選択される。
また、変動パターンが「98」で短変動遊技時間帯が「52.5秒」の場合、最終短変動パターンがAであれば、変動予測時間は「51秒」または「52秒」が同等の確率(256分の128)で選択され、最終短変動パターンがBであれば、変動予測時間は「48秒」から「52秒」のいずれかが同等の確率(256分の51(または52))で選択され、最終短変動パターンがCであれば、変動予測時間は「43秒」から「52秒」のいずれかが同等の確率(256分の28(または29))で選択される。図11中での確率分布は、実際の短変動遊技時間帯に近似する変動予測時間が、より高い確率で出現するように設定され、予測に関する信頼性を担保している。
このように変動予測時間が選択された後、さらに変動予測時間に関していわゆる昇格演出を行うか否かが選択される(ステップS207)。すなわち、図7に示す前段階変動予測時間選択手段3400により、前記選択された変動予測時間を「最終変動予測時間」として、この最終変動予測時間を表示する前段階で、該最終変動予測時間とは異なる「前段階変動予測時間」を表示するか否かを選択する。
ここで昇格演出が選択され得るのは、最終変動予測時間(短変動遊技時間帯ではない。)が50秒以上の場合に限られており、最終変動予測時間が50秒〜59秒の場合は、昇格演出が無し、あるいは1回のいずれかが選択され、最終変動予測時間が60秒以上の場合は、昇格演出が無し、あるいは1回または2回のいずれかが選択される。
詳しくは図12において、図12(a)に示すように、最終変動予測時間が50秒〜59秒の場合は、例えば、変動パターンが「97」で短変動遊技時間帯が「45秒」(ただし最終変動予測時間は50秒〜59秒のいずれか。)の場合、昇格演出が無い確率は256分の240であり、昇格演出が1回の確率は256分の16となる。また、変動パターンが「99」で短変動遊技時間帯が「32.5秒」(ただし最終変動予測時間は50秒〜59秒のいずれか。)の場合、昇格演出が無い確率は256分の200であり、昇格演出が1回の確率は256分の56となる。
図12(b)に示すように、最終変動予測時間が60秒以上の場合は、変動パターンは全て当たりパターンに限られており、例えば、変動パターンが「99」で短変動遊技時間帯が「32.5秒」(ただし最終変動予測時間は60秒以上のいずれか。)の場合、昇格演出が無い確率は256分の200であり、昇格演出が1回の確率は256分の50であり、昇格演出が2回の確率は256分の6となる。変動パターンが「100」や「101」の場合も同様である。
このような昇格演出の選択により、最終変動予測時間を表示する前段階で、前段階変動予測時間を1回または2回表示することが選択された場合には、変動予測時間表示部410に表示する前段階変動予測時間の具体的な数値は次のように決定する。すなわち、前述したように前段階変動予測時間選択手段3400により、前段階変動予測時間の表示が選択された場合には、前段階変動予測時間算出手段3500により、最終変動予測時間に基づいて前段階変動予測時間の具体的な値が算出される。
詳しくは図12(c)に示すように、先ず、1回の昇格演出が決定された場合には、該昇格前の仮表示である前段階変動予測時間は、最終変動予測時間が50秒〜59秒の場合は一律に「30秒」と設定し、最終変動予測時間が60秒以上の場合は、この最終変動予測時間から20秒ないし30秒の数字をランダムに減算した時間として算出する。
次に、2回の昇格演出が決定された場合には、最終変動予測時間は全て60秒以上の場合に限られており、最初の仮表示である前段階変動予測時間は、次述する1回目昇格後の仮表示である前段階変動予測時間から1秒ないし10秒の数字をランダムに減算した時間として算出する。また、1回目昇格後の仮表示である前段階変動予測時間は、最終変動予測時間から一律に20秒を減算した時間として算出する。
このように、昇格演出の有無が選択され前段階変動予測時間が算出されると、その後、今度は短変動遊技時間帯において、既に決定されている最終短変動パターン以外の残りの短変動パターンを全て決定することになる。かかる決定に先立ち、先ず短変動遊技時間帯から最終短変動パターンの変動時間と昇格演出に要する変動時間をそれぞれ減算した時間を算出する(ステップS208)。
詳しくは図13(a)に示すように、変動パターンに応じて定められている短変動遊技時間帯より、最終短変動パターンの変動時間と昇格演出に要する変動時間をそれぞれ減算するが、ここで昇格演出に要する変動時間は、1回目、2回目共に2.5秒と予め定められている。従って、図13(a)に示すように、例えば、短変動遊技時間帯が32.5秒で、最終短変動パターンがCの10秒であり(図10(c)参照)、昇格演出が1回で2.5秒を要する場合には、32.5−(10+2.5)=20.0秒が、短変動遊技時間帯の残り時間として算出される。
この残り時間に応じて、短変動遊技時間帯における残りの短変動パターンが順次抽選され(ステップS209)、残りの短変動パターンの組み合わせが決定される(ステップS210)。ここで順次決定された残りの短変動パターンは、それぞれ抽選順番通りに実行されることになる。
図13(b)に示すように、短変動遊技リーチが外れパターンであった場合には、短変動パターンA(基本変動時間2.5秒)の抽選確率は256分の200、短変動パターンB(基本変動時間5.0秒)の抽選確率は256分の50、短変動パターンC(基本変動時間10.0秒)の抽選確率は256分の6であり、1回ずつ順番に短変動パターンを抽選して決定する。なお、短変動遊技リーチが当たりパターンであった場合も同様である。
このように短変動パターンが決定される度に、短変動遊技時間帯における残り時間から順に変動時間を減算し、残り時間が0になるまで抽選を繰り返す。かかる抽選中に、短変動遊技時間帯における残り時間が7.5秒になった時は、短変動パターンC以外で振り分け、さらに残り時間が2.5秒になった時は、短変動パターンAのみを選択する。また、短変動パターンB,Cにおいては、それぞれの実行過程で遊技者の期待感が高まる識別情報の組み合わせであるリーチ表示態様が導出される。ここでのリーチ表示態様については詳しくは後述するが、該リーチ表示態様を構成する識別情報として図柄Aと図柄Bの2種類が用意されており、それぞれ同等の確率(256分の128)で選択される。
以上のようにして決定された短変動遊技リーチにおける各短変動パターン(S210)は、演出制御基板1300から成る表示制御手段により、可変表示装置310の画面上で表示制御される。また、前記選択された変動予測時間(S206)は、変動予測時間表示手段3200により、変動予測時間表示部410上に表示され、さらに、変動予測時間に関して昇格演出がある場合(S207)には、前段階変動予測時間表示手段3600により、変動予測時間表示部410で先ず前段階変動予測時間が表示され、その後、最終変動予測時間が表示されることになる。
次に、可変表示装置310における液晶ユニット311の画面上で実行される表示遊技(短変動遊技リーチを含む。)の表示内容、および表示遊技の実行に伴い変動予測時間表示部410で実行される変動予測時間の具体的な表示について説明する。図14〜図17は、表示遊技の実行過程における具体的な表示内容の一例を示している。図14(a)は、表示遊技の開始前の状態を示しており、液晶ユニット311には、停止した第1図柄、第2図柄、第3図柄がデモ画面として表示されている。この時、図示省略したが変動予測時間表示部410は、遊技領域17上にて装飾部材の背後に半分以上隠れた非表示位置に配されている(図2参照)。
遊技領域17上に発射された遊技球が始動入賞口21に入賞すると始動条件が成立し、始動入賞口スイッチ121によって入賞球は検出され、図4に示す主基板1100のワンチップマイコン1101に検出信号が出力されて権利が保存される。この権利に基づき表示遊技が開始されると、図14(b)に示すように、液晶ユニット311にて、第1図柄、第2図柄、第3図柄と3つの識別情報が一斉にスクロール変動する。
また、表示遊技の開始に伴い、変動予測時間表示部410が、遊技領域17上にて装飾部材の背後より出現し、表示位置まで移動して停止する(図3参照)。このように、変動予測時間を可変表示装置310の表示領域とは別に表示するための変動予測時間表示部410を設けたことにより、表示遊技の表示が侵食される虞がなくなると共に、表示上の興趣を高めることができる。なお、図14〜図17において、液晶ユニット311の右側に示す変動予測時間表示部410は表示位置にあることを意味する。
表示遊技の変動パターンが短変動遊技リーチに相当する場合には、第1図柄と第2図柄が同一種類に揃う代わりに、あるいは第1図柄と第2図柄が同一種類に揃った後、図14(c)に示すように、液晶ユニット311には、短変動遊技リーチ(特別演出表示態様)である旨を知らせる「短変動チャンス」という文字が表示され、これと同時に、変動予測時間表示部410には、短変動遊技リーチの短変動遊技時間帯(図10(a)参照)を遊技者が予測可能な変動予測時間が表示される。なお、「短変動チャンス」という文字表示の代わりに、背景画像を特別な表示に変化させたり、特別なキャラクタ等を表示することで、短変動遊技リーチである旨を知らせるようにしても良い。
図14(d)において、本来なら変動予測時間表示部410上の変動予測時間は順に減算して表示されて、短変動遊技時間帯の残り時間を遊技者に知らせる。このような変動予測時間のカウントダウン表示は、図7に示すカウントダウン表示手段3300によって制御される。ところで、図14〜図17に示す表示遊技では、2回の昇格演出が行われることが選択されており、図14(c)で示した変動予測時間「30秒」は、最初の仮表示としての前段階変動予測時間に相当することになる。
すなわち、図15(e)において、先の変動予測時間「30秒」は、本来ならさらにカウントダウンされているにも関わらず、1回の昇格後の仮表示である前段階変動予測時間「40秒」に増えている。本実施の形態では、遊技者に有利となるように変動予測時間が増加する昇格演出についてのみ説明するが、逆に、変動予測時間が突然大きく減算されるような演出を用意してもかまわない。図15(f)は、2回目の昇格演出の表示状態であり、この昇格演出を経て図15(g)に示すように、既に選択されていた最終変動予測時間「60秒」が変動予測時間表示部410に表示される。このような昇格演出の際には、液晶ユニット311で特別な表示を行うように表示制御しても良い。
図15(h)は、短変動遊技時間帯において、所定回数繰り返される短変動遊技(短変動パターン)の具体的な表示内容を示している。本実施の形態における短変動遊技は、複数種類の識別情報として2つの図柄Aと図柄Bとが、それぞれ同時に短時間だけスクロール変動して停止する表示内容となっている。図柄Aと図柄Bは、通常の表示遊技で変動表示する識別情報とは異なる内容とすれば良く、具体的には例えば、タレント等の肖像を特別キャラクタとして用いても面白い。なお、通常の表示遊技で変動表示する識別情報は、液晶ユニット311の画面左上の隅に表示されている。
図15(h)に示したように、液晶ユニット311において短変動遊技リーチが開始されると、変動予測時間表示部410において最終変動予測時間のカウントダウン表示が開始される。図15(h)〜図17(m)に示すように、所定時間の経過に伴って、短変動遊技は1回ずつ繰り返し所定回数分を消化するまで実行され、また、最終変動予測時間は1秒ずつ順次カウントダウン表示される。
詳しく言えば、図15(h)では短変動遊技が開始され、図16(i)では短変動遊技が停止し、図16(j)では短変動遊技が開始され、図16(k)では短変動遊技が停止している。なお、図15(h)〜図16(k)において、変動予測時間表示部410に表示された最終変動予測時間は、5の倍数単位でカウントダウンされているように見えるが、実際には1秒単位でカウントダウン表示が行われている。もちろん、所定の単位時間ごとにまとめてカウントダウン表示を行うようにしても良い。
図16(k)では、最後に実行される短変動遊技が停止した際に、横一列に並んだ2つの識別情報が同じ図柄Aに揃った状態で停止しており、かかる表示状態が、短変動遊技の実行過程で遊技者の期待感が高まるリーチ表示態様に相当する。このようなリーチ表示態様が導出されるのは、前述したように短変動パターンB、Cが選択されている場合に限られる。また、図柄Aと図柄Bのどちらで揃うかは、それぞれ同等の確率で選択されるようになっている。
短変動遊技の実行過程でリーチ表示態様が導出されると、続いて図16(l)に示すように、停止している2列の図柄の間に、さらに新たな図柄の列が中央でスクロール変動するように出現する。そして図17(m)に示すように、中央の図柄の変動が停止した際に、中央に停止した図柄の種類がリーチ表示態様と同一種類で揃った場合、短変動遊技リーチにおける当たり表示態様となり、表示遊技の表示結果が特定表示態様となる旨を示唆する。すなわち、短変動遊技リーチにおいて当たり表示態様が出現した後、直ぐに図17(n)に示すように、特定表示態様である表示内容に切り換わる。
図17(m)においては、短変動遊技リーチの終了時、すなわち最後の短変動遊技の停止時点と、変動予測時間表示部410でカウントダウン表示されていた変動予測時間が0となる時点とが一致している。以上のような変動予測時間の表示によって、前もって遊技者はどのような演出表示態様が行われるかを予測することが可能になると共に、該演出表示態様の種類の予測を元にさらに表示遊技の表示結果(大当たりか外れか)も予測することが可能となる。
また、遊技者は変動予測時間を見ることで、短変動遊技リーチとして繰り返される短変動遊技が、基本変動時間であるか特別変動時間であるかを予測することが可能となる。すなわち、変動予測時間が長いほど、基本変動時間よりも長い特別変動時間に相当する短変動遊技が多く繰り返される可能性が高く、遊技者は表示結果に対していっそう期待感をもって表示遊技を楽しむことができる。なお、表示された変動予測時間が短くても、特別変動時間に相当する短変動遊技が実行されないとは限らないので、遊技者は短い変動予測時間を見たからといって、表示遊技の表示結果に全く期待感を持てなくなるという訳ではない。
さらに、昇格演出により前段階変動予測時間を表示した後に最終変動予測時間を表示することにより、例えば、前段階変動予測時間が表示された段階では演出表示態様や表示結果に期待できなくても、最終変動予測時間が表示される過程で遊技者に演出表示態様や表示結果に対して期待感を増大させることができる。しかも、最終変動予測時間が表示されると、改めて最終的に実行される演出表示態様や表示結果を予測することができるので、遊技者を飽きさせることがなく、前段階から最終的な表示までの長期に亘り遊技の興趣を高めることができる。
ところで、図17(m)に示した例では、前述したように短変動遊技リーチの終了時と変動予測時間の終了時とが一致している。すなわち、変動時間指定情報に対応づけられた複数の変動予測時間には、演出表示態様の変動時間の終了時に至るまでの時間と同一時間を示す変動予測時間が含まれている。このように、変動予測時間の終了時と演出表示態様の変動時間の終了時とが一致する場合には、演出表示態様および表示結果の予測をより簡単に行うことができるので、遊技者に表示遊技に対する期待感を容易に持たせることができる。
ただし、別の例として、変動時間指定情報に対応づけられた複数の変動予測時間に、演出表示態様の変動時間の終了時に至るまでの時間とは異なる時間を示す変動予測時間が含まれるようにしても良い。このように、変動予測時間の終了時と演出表示態様の変動時間の終了時とが異なる場合には、演出表示態様および表示結果を単純に予測することができないので、遊技者が遊技に飽きることを防止することができる。
図18は、短変動遊技リーチの終了時が早く、変動予測時間の終了時が遅い場合の例を示している。図18(a)に示すように、短変動遊技リーチおける最後の短変動遊技が停止し、当たり表示態様となった時点においても、変動予測時間表示部410には未だ変動予測時間が残り「1秒」と表示されている。その後、直ぐに図18(b)に示すように、通常の表示遊技の画面に戻り、表示遊技の表示結果として、第1図柄、第2図柄、第3図柄が全て同一種類に停止した特定表示態様が表示される。
このように、短変動遊技リーチの終了時が早く、変動予測時間の終了時が遅い場合には、遊技者に対し表示結果の予測に関して意外性を与えることができる。ただし、短変動遊技リーチの終了時と変動予測時間の終了時との時間差が大きい場合には、変動予測時間の表示によって、どのような演出表示態様が行われるかや、表示遊技の表示結果について予測しにくいものとなる。
図19は、短変動遊技リーチの終了時が遅く、変動予測時間の終了時が早い場合の例を示している。図19(a)に示すように、変動予測時間表示部410に表示されていた変動予測時間が「0」となった時点において、短変動遊技リーチおける最後の短変動遊技は未だ変動中であり、続いて、図19(b)に示すように、最後の短変動遊技は停止して当たり表示態様となる。その後、直ぐに図19(c)に示すように、通常の表示遊技の画面に戻り、表示遊技の表示結果として特定表示態様が表示される。
このように、短変動遊技リーチの終了時が遅く、変動予測時間の終了時が早い場合であって、これらの時間差が余りなければ、変動予測時間が終了したにもかかわらず、短変動遊技リーチの演出表示が継続して大当たりとなるので、遊技者が得した気分になるという心理的な効果を生じさせることができる。
さらにまた、図19で説明したように、変動予測時間の終了時に未だ短変動遊技リーチが実行中であって、変動予測時間の終了時から短変動遊技リーチの終了時までに至る時間がかなりある場合には、図7に示す変動残り時間表示手段3700により、変動予測時間の終了時から実際の短変動遊技リーチの終了時までの残り時間を変動予測時間表示部410に新たに表示すると良い。ここでの残り時間の表示は、所定の残り時間の経過まで順にカウントアップしても良く、あるいは、所定の残り時間を先ず表示してから順にカウントダウンしても良い。
図20は、変動予測時間の終了時に未だ短変動遊技リーチが実行中であって、変動予測時間の終了時から実際の短変動遊技リーチの終了時までの残り時間を変動予測時間表示部410にカウントアップ表示する例を示している。図20(a)では、短変動遊技が実行中に変動予測時間表示部410に表示された変動予測時間はあと「1秒」であり、図20(b)では、短変動遊技が停止し、変動予測時間表示部410に表示された変動予測時間は「0秒」となり終了するが、未だ実行していない短変動遊技が残っており、図20(c)では、残りの短変動遊技が開始される。
かかる場合に、変動予測時間の終了時から実際の短変動遊技リーチの終了時までの残り時間が変動予測時間表示部410にカウントアップ表示される。図20(c)では、変動予測時間表示部410に残り時間のうち「1秒」経過が表示されており、以後は図示省略したが例えば残り時間の合計が10秒である場合には、変動予測時間表示部410に「10秒」が表示されるまで1秒ずつカウントアップ表示される。これにより、演出表示態様の実際の変動時間と変動予測時間とが異なっていることを遊技者に解りやすく認識させることができる。
図21は、変動予測時間の終了時に未だ短変動遊技リーチが実行中であって、変動予測時間の終了時から実際の短変動遊技リーチの終了時までの残り時間を変動予測時間表示部410にカウントダウン表示する例を示している。図21(a)では、短変動遊技が実行中に変動予測時間表示部410に表示された変動予測時間はあと「1秒」であり、図21(b)では、短変動遊技が停止し、変動予測時間表示部410に表示された変動予測時間は「0秒」となり終了するが、未だ実行していない短変動遊技が残っており、図21(c)では、残りの短変動遊技が開始される。
かかる場合に、変動予測時間の終了時から実際の短変動遊技リーチの終了時までの残り時間が変動予測時間表示部410にカウントダウン表示される。すなわち、図21(c)において、変動予測時間表示部410に残り時間の合計である「10秒」が最初に表示され、以後は図示省略したが、時間経過と共に「10秒」から「0秒」になるまで1秒ずつカウントダウン表示される。これにより、変動予測時間が終了した時点でも遊技者が特定表示態様を諦めることがなくなり、最終短変動パターンを予測することができると共に、残り時間が長ければ遊技者に特定表示態様を期待させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機、スロットマシンといった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態では、変動予測時間を表示するための変動予測時間表示部410を設けたが、この変動予測時間表示部410を無くして変動予測時間を可変表示装置310の表示領域の一部に表示するように構成しても良い。また、図10〜図13で説明した具体的な変動パターン、短変動遊技時間帯、それに変動予測時間等は、ほんの一例に過ぎないものであることは言うまでもない。
また、前記実施の形態では、変動予測時間の具体的な選択に関して、変動パターンおよび短変動遊技時間帯と最終短変動パターンによって、図11中における所定確率でいずれかの変動予測時間を振り分けられるように構成したが、変動パターンコマンドを受信する毎に別の方法で変動予測時間を抽選する抽選手段を設けて、該抽選結果により変動予測時間を選択するようにしても良い。また、変動パターンが短変動遊技リーチに相当する場合であっても、変動予測時間の表示は必ずしも100%実行する必要はなく、この変動予測時間を表示するか否かも抽選により決定しても良い。
さらに、前記実施の形態では、主基板1100に対して、表示遊技の制御やランプ・LEDの点灯制御、音声の出力制御、それにモータの駆動制御を1つの演出制御基板1300によって集中的に行うように構成しているが、他の制御基板の構成として、表示制御基板、ランプ制御基板、音制御基板との3つの制御基板に分けたり、あるいは 表示制御基板、音・ランプ制御基板との2つの制御基板に分けても良い。