JP2007043982A - 基質特異性の改善されたグルコース測定用組成物 - Google Patents
基質特異性の改善されたグルコース測定用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007043982A JP2007043982A JP2005233047A JP2005233047A JP2007043982A JP 2007043982 A JP2007043982 A JP 2007043982A JP 2005233047 A JP2005233047 A JP 2005233047A JP 2005233047 A JP2005233047 A JP 2005233047A JP 2007043982 A JP2007043982 A JP 2007043982A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- glucose
- pyrroloquinoline quinone
- modified
- maltose
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Abstract
【課題】 改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法を提供する。
【解決手段】改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定において、改変型PQQGDHを、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させる工程を含む。
【選択図】なし
【解決手段】改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定において、改変型PQQGDHを、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させる工程を含む。
【選択図】なし
Description
本発明は、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(以下、ピロロキノリンキノンをPQQ、グルコースデヒドロゲナーゼをGDH、ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼをPQQGDHともそれぞれ記載する。)を反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法、該マルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物、グルコースセンサー、ならびに、それらの製造方法に関する。
PQQGDHは、ピロロキノリンキノンを補酵素とするグルコースデヒドロゲナーゼである。グルコースを酸化してグルコノラクトンを生成する反応を触媒することから、血糖の測定に用いることが可能である。血中グルコース濃度は、糖尿病の重要なマーカーとして臨床診断上きわめて重要な指標である。現在、血中グルコース濃度の測定は、グルコースオキシダーゼを使用したバイオセンサーを用いる方法が主流となっているが、反応が溶存酸素濃度に影響されることから、測定値に誤差が生じる可能性があった。このグルコースオキシダーゼにかわる新たな酵素としてPQQ依存性グルコース脱水素酵素が注目されている。
我々のグループは、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)NCIMB11517株が、PQQGDHを産生することを見出し,遺伝子のクローニングならびに高発現系を構築した(たとえば、特許文献1を参照)。しかしながら、この野生型PQQGDHはグルコースオキシダーゼに比べて、そのグルコース以外の糖基質に対する作用性(いわゆる基質特異性)、特にマルトースに対する作用性に問題があった。
特開平11−243949号公報
本発明は、従来技術の課題を背景になされたもので、グルコース測定試薬もしくはグルコースセンサーにおけるPQQGDHの基質特異性の向上を課題としてその改良に関するものである。
本発明者らは、PQQGDHのかかる問題点を回避する方法として、アミノ酸置換等により酵素特性を改変する方法が知られている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、グルコース以外の糖基質に対する作用性(いわゆる基質特異性)、特にマルトースに対する作用性をさらに低減させる余地を残していた。
特開2004−313172号公報
そこで本発明者らは遺伝子工学的手法による改変と並行して、さらに他の側面からの改善を鋭意検討した結果、アミノ酸配列に置換・挿入・欠失等の改変を施した改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定方法において、改変型PQQGDH以外の組成を検討することによって基質特異性が改善されることを見出し、本出願に至った。
より具体的には、本発明は組成中の含有物質及び/又はpH条件を適正化することで達成される。
即ち本発明は、以下の構成からなる。
[項1]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定方法において、該改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項2]
さらに測定時のpHが7.0以下である項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項3]
さらにpHが6.0以下である項1もしくは2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項4]
さらに組成物としてメディエーターを含む項1〜3のいずれか1項に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項5]
メディエーターがフェリシアン化物塩である項4に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項6]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼが、対応する野生型酵素と比較してマルトース作用性の低下したピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼである、項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項7]
改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコース測定用試薬組成物においてなされることを含む、項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項8]
グルコース測定用組成物がグルコースアッセイキットに含まれる形態をとることを含む、項6に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項9]
改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含み、かつ、少なくとも作用極と対極からなる電極を含むグルコースセンサーにおいてなされることを含む、項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項10]
グルコースセンサーにおける反応が、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含む反応溶液に電圧を印加し、メディエーターの酸化電流を測定してなる、項8に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項11]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、および、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物。
[項12]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、および、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースセンサーにおいてマルトースに対する作用性が低減したグルコースセンサー。
[項13]
コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含有させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物の製造方法。
[項14]
コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含有させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースセンサーにおいてマルトースに対する作用性が低減したグルコースセンサーの製造方法。
より具体的には、本発明は組成中の含有物質及び/又はpH条件を適正化することで達成される。
即ち本発明は、以下の構成からなる。
[項1]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定方法において、該改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項2]
さらに測定時のpHが7.0以下である項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項3]
さらにpHが6.0以下である項1もしくは2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項4]
さらに組成物としてメディエーターを含む項1〜3のいずれか1項に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項5]
メディエーターがフェリシアン化物塩である項4に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項6]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼが、対応する野生型酵素と比較してマルトース作用性の低下したピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼである、項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項7]
改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコース測定用試薬組成物においてなされることを含む、項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項8]
グルコース測定用組成物がグルコースアッセイキットに含まれる形態をとることを含む、項6に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項9]
改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含み、かつ、少なくとも作用極と対極からなる電極を含むグルコースセンサーにおいてなされることを含む、項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項10]
グルコースセンサーにおける反応が、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含む反応溶液に電圧を印加し、メディエーターの酸化電流を測定してなる、項8に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
[項11]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、および、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物。
[項12]
アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、および、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースセンサーにおいてマルトースに対する作用性が低減したグルコースセンサー。
[項13]
コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含有させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物の製造方法。
[項14]
コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含有させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースセンサーにおいてマルトースに対する作用性が低減したグルコースセンサーの製造方法。
本発明の組成物並びに測定方法は、臨床検査や食品分析などにおけるグルコースの測定に有用である。本発明をPQQGDHを使用するグルコースアッセイキットやグルコースセンサ等に適用することにより、より高精度な分析が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一つの態様は、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定方法において、該改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法である。
本発明に適用することができるPQQGDHは、ピロロキノリンキノンを補酵素として配位し、D−グルコースを酸化してD−グルコノ−1,5−ラクトンを生成するという反応を触媒する酵素(EC1.1.5.2(旧EC1.1.99.17))であり、由来や構造に関しては特に限定するものではない。
PQQGDHは、可溶性型(可溶型とも記載する。)と膜結合型(膜型とも記載する。)に分類することができる。上記のうち、アシネトバクター属由来のものは可溶性PQQGDHとして知られている。一方、エシェリヒア・コリなどに存在するものは膜結合型PQQGDHとして知られている。
PQQGDHは、可溶性型(可溶型とも記載する。)と膜結合型(膜型とも記載する。)に分類することができる。上記のうち、アシネトバクター属由来のものは可溶性PQQGDHとして知られている。一方、エシェリヒア・コリなどに存在するものは膜結合型PQQGDHとして知られている。
本発明に使用するPQQGDHは、野生型PQQGDHのアミノ酸配列に改変を施した改変型PQQGDHである。ここでアミノ酸配列の改変とは、遺伝子工学的手法により元来のアミノ酸配列に少なくとも1以上のアミノ酸残基の置換・挿入・欠失を実施することをいう。中でも、かかるアミノ酸配列の改変を施すことによって、対応する野生型酵素と比較してマルトースへの作用性が低下した改変型PQQGDHを用いるのが好ましい。
かかる改変型PQQGDHに、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させることにより、グルコース測定におけるマルトースへの作用性をさらに低下させることができる。
かかる改変型PQQGDHに、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させることにより、グルコース測定におけるマルトースへの作用性をさらに低下させることができる。
本発明において、マルトースに対する作用性とは、PQQGDHが当該糖基質を脱水素する作用を意味する。
本発明において改変型PQQGDHは、グルコース以外の少なくとも1つのマルトース以外の選択された糖基質に対する作用性が低下している酵素であってもよい。
グルコース以外の少なくとも1つのマルトース以外の選択された糖基質としては、ガラクトース、マンノース、キシロースなどの単糖類、シュクロース、ラクトース、セロビオースなどの二糖類、マルトトリオース、マルトテトラオースなどのオリゴ糖類、イコデキストリン(グルコースポリマー)などの多糖類(オリゴ糖類は2〜10分子の単糖が、多糖類は11分子以上の単糖がグリコシド結合などにより結合したものを意味し、それらの結合形態は問わない。)二糖類以上の場合はその構成はホモであってもヘテロであっても良い。)、さらには糖アルコール、2−デオキシ−D−グルコース、3−o−メチル−D−グルコースなどそれらの誘導体が該当しうる。
上記の中でも特に、本発明の改変型PQQGDHを糖尿病患者の臨床診断や血糖値コントロール等の目的で行われる血中グルコース濃度測定のために用いる際に問題となりうる、各種糖類が選択されることが好ましい。このような糖としては、マンノース、アロース、キシロース、ガラクトースまたはマルトースなどが挙げられ、さらに好ましくはガラクトース、ラクトースまたはマルトースが例示される。最も好ましくはマルトースが例示される。
なお本願明細書では、マルトース、あるいは、グルコース以外の少なくとも1つのマルトース以外の選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型PQQGDHと比較して低下したことを、基質特異性の向上とも表現する。
本発明において改変型PQQGDHは、グルコース以外の少なくとも1つのマルトース以外の選択された糖基質に対する作用性が低下している酵素であってもよい。
グルコース以外の少なくとも1つのマルトース以外の選択された糖基質としては、ガラクトース、マンノース、キシロースなどの単糖類、シュクロース、ラクトース、セロビオースなどの二糖類、マルトトリオース、マルトテトラオースなどのオリゴ糖類、イコデキストリン(グルコースポリマー)などの多糖類(オリゴ糖類は2〜10分子の単糖が、多糖類は11分子以上の単糖がグリコシド結合などにより結合したものを意味し、それらの結合形態は問わない。)二糖類以上の場合はその構成はホモであってもヘテロであっても良い。)、さらには糖アルコール、2−デオキシ−D−グルコース、3−o−メチル−D−グルコースなどそれらの誘導体が該当しうる。
上記の中でも特に、本発明の改変型PQQGDHを糖尿病患者の臨床診断や血糖値コントロール等の目的で行われる血中グルコース濃度測定のために用いる際に問題となりうる、各種糖類が選択されることが好ましい。このような糖としては、マンノース、アロース、キシロース、ガラクトースまたはマルトースなどが挙げられ、さらに好ましくはガラクトース、ラクトースまたはマルトースが例示される。最も好ましくはマルトースが例示される。
なお本願明細書では、マルトース、あるいは、グルコース以外の少なくとも1つのマルトース以外の選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型PQQGDHと比較して低下したことを、基質特異性の向上とも表現する。
ある糖類に対する作用性が低下しているかどうかの判断は、次のように行う。
後述の試験例1に記載の活性測定法において、野生型PQQGDHを用いて、D−グルコースを基質溶液とした場合のPQQGDH活性値(a)と、D−グルコースのかわりに当該糖類を基質溶液とした場合のPQQGDH活性値(b)を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を100とした場合に対する相対値((b)/(a)×100)を求める。次いで、改変型PQQGDHを用いて同様の操作を行い、その値を比較して判断する。
活性測定は、後述の試験例1に記載の活性測定法により行われる。
後述の試験例1に記載の活性測定法において、野生型PQQGDHを用いて、D−グルコースを基質溶液とした場合のPQQGDH活性値(a)と、D−グルコースのかわりに当該糖類を基質溶液とした場合のPQQGDH活性値(b)を測定し、グルコースを基質とした場合の測定値を100とした場合に対する相対値((b)/(a)×100)を求める。次いで、改変型PQQGDHを用いて同様の操作を行い、その値を比較して判断する。
活性測定は、後述の試験例1に記載の活性測定法により行われる。
本発明に用いる改変型PQQGDHは、例えば、野生型PQQGDHをコードする遺伝子を取得し、次いでそれを改変して改変型PQQGDHをコードするポリヌクレオチドを構築し、次いで当該ポリペプチドを適当な発現系において発現させることによって作製されうる。
本発明に用いる改変型PQQGDHの改変の基になる野生型のPQQGDHとしては、由来は特に限定されない。例えば微生物では、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)(例えば、特許文献1を参照。)、アシネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus)(例えば、非特許文献1および2を参照。)、シュードモナス・エルギノサ(Pseudomonasaeruginosa)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)(例えば、非特許文献3を参照。)等の酸化細菌やアグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacteriumradiobacter)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)(例えば、非特許文献4を参照。)、クレブシーラ・エーロジーンズ(Klebsiella aerogenes)等の腸内細菌、ブルクホルデリア・セパシア(Burkhorderia cepacia)などを挙げることができる。
A.M.Cleton−Jansenら、J.Bacteriol.,170,2121(1988) Mol.Gen.Genet.,217,430(1989) Mol.Gen.Genet.,229,206(1991) A.M.Cleton−Jansenら、J.Bacteriol.,172,6308(1990)
A.M.Cleton−Jansenら、J.Bacteriol.,170,2121(1988) Mol.Gen.Genet.,217,430(1989) Mol.Gen.Genet.,229,206(1991) A.M.Cleton−Jansenら、J.Bacteriol.,172,6308(1990)
上記のうち好ましいのは、アシネトバクター属由来のPQQGDHである。これらは可溶型酵素であり水系において易溶である。さらに好ましいのは、アシネトバクター・カルコアセティカスもしくはアシネトバクター・バウマンニのいずれかに由来するPQQGDHである。さらにより好ましいのは、アシネトバクター・バウマンニ NCIMB 11517株由来(例えば、特許文献1を参照。)、アシネトバクター・カルコアセティカス LMD79.41株由来(例えば、非特許文献1および2を参照。)、もしくは、アシネトバクター・カルコアセティカス IFO 12552株(例えば、特許文献3を参照。)のPQQGDHである。もっとも好ましいのは、アシネトバクター・バウマンニ NCIMB 11517株由来のPQQGDHである。なお、アシネトバクター・バウマンニNCIMB11517株は、分類当初はAcinetobacter calcoaceticusとされていた。
特開2004−173538
これらはいずれも、アミノ酸配列、遺伝子配列が公知であるか、酵素の精製法が確立されていてその理化学的性質も明らかになっているものであり、このような知見を基に、当業者であれば改変型PQQGDHを容易に作製することができる。
このような改変は当該技術分野における公知技術を用いて当業者であれば容易に実施することが出来る。例えば、蛋白質に部位特異的変異を導入するために当該蛋白質をコードする遺伝子の塩基配列を置換または挿入するための種々の方法が、Sambrookら著、Molecular Cloning; A Laboratory Manual 第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkに記載されている。
このような改変は当該技術分野における公知技術を用いて当業者であれば容易に実施することが出来る。例えば、蛋白質に部位特異的変異を導入するために当該蛋白質をコードする遺伝子の塩基配列を置換または挿入するための種々の方法が、Sambrookら著、Molecular Cloning; A Laboratory Manual 第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkに記載されている。
本発明に用いる改変型PQQGDHのうちで好ましいのは、活性中心近傍に少なくとも1箇所以上のアミノ酸配列の改変を施したPQQGDHが例示され、またこれに加えて活性中心近傍以外にも併せてアミノ酸配列の改変を施していてもよい。さらに詳細には、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)NCIMB11517株由来PQQGDHのアミノ酸配列における、67位Pro、68位Glu、69位Ile、76位Gln、89位Lys、129位Glu、130位Lys、131位Pro、167位Asn、168位Gln、169位Leu、170位Ala、171位Tyr、174位Leu、188位Asn、189位Ser、207位Ser、215位Phe、224位Thr、236位Ala、245位Glu、249位Asn、300位Lys、341位Glu、342位Met、343位Ala、349位Thr、351位Alaからなる群から選ばれる少なくとも1つの位置、あるいは、他のAcinetobacter属または他の種由来のピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおける上記と同等の位置において少なくとも1つの位置をターゲットに改変を行ったPQQGDHを例示することができる。なお、アシネトバクター・バウマンニNCIMB11517株由来野生型PQQGDHのアミノ酸配列は配列番号1に示す。該改変型PQQGDHが2箇所以上のアミノ酸残基を改変されている場合においては、上記の群から選ばれる少なくとも1つの位置をターゲットとした改変を1つ以上含む改変型PQQGDHを例示することができる。
なお、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii) NCIMB 11517株由来野生型PQQGDHのアミノ酸配列は配列番号1で示される。配列番号1において、アミノ酸の表記は、シグナル配列が除かれたアスパラギン酸を1として番号付けされている。
なお、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii) NCIMB 11517株由来野生型PQQGDHのアミノ酸配列は配列番号1で示される。配列番号1において、アミノ酸の表記は、シグナル配列が除かれたアスパラギン酸を1として番号付けされている。
アシネトバクター・バウマンニ NCIMB 11517株由来PQQGDHのアミノ酸配列(そのアミノ酸配列は配列番号1で、遺伝子配列は配列番号2でそれぞれ示される。)と、アシネトバクター・カルコアセティカス LMD79.41株由来PQQGDHのアミノ酸配列、ならびに、アシネトバクター・カルコアセティカス IFO 12552株由来PQQGDHのアミノ酸配列を比較すると、相違箇所はわずかで、相同性はそれぞれ92.3%、91.3%(いずれもシグナル配列含む)となり、非常に類似している(図1および図2)。
したがって、当業者であれば配列番号1におけるある残基が、アシネトバクター・カルコアセティカス LMD79.41株由来PQQGDHのどのアミノ酸残基(同等の位置)に該当するかを容易に認識することができる。そして、そのような1またはそれ以上の箇所においてアミノ酸変異を行うことにより、グルコース以外の少なくとも1つの選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型PQQGDHと比較して低下した改変型PQQGDHを得ることができる。
したがって、当業者であれば配列番号1におけるある残基が、アシネトバクター・カルコアセティカス LMD79.41株由来PQQGDHのどのアミノ酸残基(同等の位置)に該当するかを容易に認識することができる。そして、そのような1またはそれ以上の箇所においてアミノ酸変異を行うことにより、グルコース以外の少なくとも1つの選択された糖基質に対する作用性が、対応する野生型PQQGDHと比較して低下した改変型PQQGDHを得ることができる。
なお、本発明の改変型PQQGDHは、グルコースに対する作用性が本質的に維持され、好ましくはさらにマルトースに対する作用性に関して実質的な悪影響を及ぼさない限り、さらに他のアミノ酸残基の一部が欠失または置換・挿入等されていてもよく、また他のアミノ酸残基が付加または置換等されていてもよい。
さらに、本発明の改変型PQQGDHは、グルコースに対する作用性が本質的に維持され、好ましくはさらにマルトースに対する作用性に関して実質的な悪影響を及ぼさない限り、PQQGDHにヒスチジンタグなどのタグを結合または挿入させた態様、PQQGDHの少なくとも一方の末端に他のペプチドや他の蛋白質(たとえばストレプトアビジンやシトクロム)を融合させた態様、糖鎖や他の化合物により化学修飾された態様、PQQGDH分子内および/または分子間でジズルフィド結合などにより架橋されたものやリンカーペプチドなどを介して連結されたもの等の態様を含みうる。あるいは、いくつかの由来の野生型PQQGDHの断片を組み合わせて構成したものを含みうる。
さらに、本発明の改変型PQQGDHは、グルコースに対する作用性が本質的に維持され、好ましくはさらにマルトースに対する作用性に関して実質的な悪影響を及ぼさない限り、PQQGDHにヒスチジンタグなどのタグを結合または挿入させた態様、PQQGDHの少なくとも一方の末端に他のペプチドや他の蛋白質(たとえばストレプトアビジンやシトクロム)を融合させた態様、糖鎖や他の化合物により化学修飾された態様、PQQGDH分子内および/または分子間でジズルフィド結合などにより架橋されたものやリンカーペプチドなどを介して連結されたもの等の態様を含みうる。あるいは、いくつかの由来の野生型PQQGDHの断片を組み合わせて構成したものを含みうる。
これらのPQQGDHは、当該技術分野における公知技術を用いて当業者であれば容易に製造することが出来る。
例えば、野生型PQQGDHをコードする遺伝子を変異させてから、発現用ベクター(多くのものが当該技術分野において知られている。例えばプラスミド。)に挿入し、適当な宿主(多くのものが当該技術分野において知られている。例えば大腸菌。)に形質転換させた形質転換体を培養し、培養液から遠心分離などで菌体を回収した後、菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また、必要に応じてEDTAなどのキレート剤や界面活性剤等を添加して可溶化し、PQQGDHを含む水溶性画分を得ることができる。または適当な宿主ベクター系を用いることにより、発現したPQQGDHを直接培養液中に分泌させることが出来る。
上記のようにして得られたPQQGDH含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、さらに硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。また、吸着剤あるいはゲルろ過剤などによるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィーを行うことにより、精製されたPQQGDHを得ることができる。該精製酵素標品は、電気泳動(SDS−PAGE)的に単一のバンドを示す程度に純化されていることが好ましい。
これらは、例えば、以下の文献に従って進めることができる。
(a)タンパク質実験プロトコール第1巻 機能解析編,第2巻 構造解析編 (秀潤社) 西村善文,大野茂男 監修
(b)改訂 タンパク質実験ノート 上 抽出と分離精製 (洋土社) 岡田雅人,宮崎香 編集
(c)タンパク質実験の進めかた (洋土社) 岡田雅人,宮崎香 編集
(a)タンパク質実験プロトコール第1巻 機能解析編,第2巻 構造解析編 (秀潤社) 西村善文,大野茂男 監修
(b)改訂 タンパク質実験ノート 上 抽出と分離精製 (洋土社) 岡田雅人,宮崎香 編集
(c)タンパク質実験の進めかた (洋土社) 岡田雅人,宮崎香 編集
本発明の一つの態様は、アミノ酸配列の改変を施した改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定方法において、該改変型PQQGDHを、少なくとも1種類の、1分子あたり2以上のカルボシキル基を有する物質の存在下で反応させる工程を含む、改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法である。
本発明の改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法において、PQQGDHと共存させる物質としては、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質のうち少なくとも1種類である。これらの共通する特徴は、1分子あたり2以上のカルボキシル基を有する物質であり、さらに分子中に水酸基やケト基のような別の官能基を有していてもよいということである。あるいは、ジカルボン酸もしくはトリカルボン酸とも特徴付けられる。
本発明の、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法にはさらにバッファー成分、界面活性剤、PQQGDHの活性および安定性を最大限発揮させるための金属塩、親水性ポリマー及び各種安定化剤等を含んでいてもよい。バッファー成分としては特に限定しないが、例えば、リン酸カリウム塩、リン酸ナトリウム塩、PIPESやMESなどのGOODの緩衝剤、酢酸、グリシン、ホウ酸等を挙げることができる。また界面活性剤は特に限定しないが、各種Triton、Tween、胆汁酸、SDS等を挙げることができる。また、金属塩としては活性中心に結合することが知られているカルシウムを含む化合物がより好適である。安定化剤としては例えば牛血清アルブミン・卵白アルブミン等のタンパク質、グルタミン・リジン及びグルタミン酸に代表されるアミノ酸等を挙げることができる。
本発明の、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法に含まれる、分子中に2以上のカルボキシル基を有する物質の含有量は、基質特異性の向上に効果がある範囲であればよく、特に限定しないが、該組成物が凍結乾燥品のような固体状の場合は好ましくは0.4%以上であり、より好ましくは2%〜80%である。また該組成物が液状の場合、分子中に2以上のカルボキシル基を有する物質の濃度は好ましくは1mM以上であり、より好ましくは5mM〜100mMである。
また、別の観点からは、固体状もしくは液体状の該組成物における分子中に2以上のカルボキシル基を有する物質の好適な含有量は、共存するPQQGDH1分子あたり10分子以上であり、さらに好ましくは共存するPQQGDH1分子あたり103〜107分子であるのがよい。
また、別の観点からは、固体状もしくは液体状の該組成物における分子中に2以上のカルボキシル基を有する物質の好適な含有量は、共存するPQQGDH1分子あたり10分子以上であり、さらに好ましくは共存するPQQGDH1分子あたり103〜107分子であるのがよい。
また、本発明の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法は、該PQQGDHの等電点未満であり、PQQGDH表面の電荷が正に傾倒するpH範囲であれば効果を奏すると考えられ、その範囲の上限はおおむねpH9.0以下である。但し、よりマルトース作用性の絶対値を低めるには好ましくは測定反応時のpHが7.0以下であり、さらに好ましくは反応測定時のpHが6.0以下であるのがよい。下限は、PQQGDHが活性を示す限りとくに限定されないが、好ましくはpH4.0以上であり、さらに好ましくはpH5.0以上である。
pHの調整は組成物の作製時にあらかじめ行ってもよく、また測定直前に行ってもよい。pH調製の方法は常法に従えばよく、pHをモニタリングしながら例えばHCl、リン酸、酢酸のような酸あるいはKOHやNaOHのようなアルカリを適宜添加することでなされる。
本発明の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法においては、添加したカルボン酸のカルボキシル基は、PQQGDHにあって溶媒に接する部分の正電荷を帯びた残基すなわちリジンやアルギニンンのような残基と電荷的な親和性を有すると考えられる。ここで物質1分子あたりに2以上のカルボキシル基を添加するのは、PQQGDH表面と電気的親和性により吸着するカルボキシル基の他に1以上のフリーのカルボキシル基が必要なためである。本発明に用いる改変型PQQGDHは、二糖類に対する反応性が低下している場合にあっては、アミノ酸配列の改変によって反応中心と基質との相互作用の様式に変化が生じている。二糖としてマルトースを例に挙げるならば、PQQGDHとの反応でマルトースの一方の環の1位水酸基が酸化されてケトンとなると考えられるが、基質特異性に変化のある改変型PQQGDHにおいては、反応に寄与しない、すなわち活性中心に認識されない側の環への物理化学的作用の影響を受けやすくなっており、これが基質特異性の変化という結果に結びついていると考えられる。このような状態にあっては、PQQGDHの表面に吸着したカルボン酸が有するフリーのカルボキシル基がマルトースの活性中心部位との親和性を損ねるに寄与していると推察することができる。こうした効果に直接寄与しているカルボン酸分子が吸着するPQQGDH上の部位としては、28位、142位、292位、300位のリジン残基もしくは45位アルギニン残基が考えられる。この部位に電荷的に結合したカルボン酸のフリーのカルボキシル基が二糖の活性中心への親和性を損ねる作用を及ぼしているものと推察される。また、本発明はより好適には測定時のpHが7.0以下、さらに好ましくは6.0以下であるのがよいが、これは該PQQGDHの溶媒に接する部分の正電荷がより強い状態において上記作用がより効果的になされるためであると考えられる。
こうした理論に基づけば、もともとの特性として野生型に比し基質特異性に向上の見られる改変型PQQGDHであれば、程度の違いはあれ本発明の実施によりグルコース測定反応時におけるさらなる基質特異性の向上に効果があると予想される。
本発明はまた、組成物として、電子の授受に寄与するメディエーターを含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法を包含する。本特許に記載するメディエーターは特に限定されないが、フェナジンメトサルフェート(PMS)、2,6−dichlorophenol−indophenol(DCPIP)、フェロセンおよびその誘導体、フェリシアン化物等を例示することができる。さらに、メトキシ−フェナジンメトサルフェート(PMS)、フェナジンメトサルフェート(PMS)と2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)との組み合わせ、PMSとニトロブルーテトラゾリウム(NBT)との組み合わせ、DCPIP単独、フェリシアン化物イオン(化合物としてはフェリシアン化カリウムなど)単独、フェロセン単独などが例示できる。より好適にはフェリシアン化物塩、最も好適にはフェリシアン化カリウムを用いるのがよい。
これらの各メディエーターは感度に様々な違いが存在するするために、添加濃度を一律に規定する必要性はないが、一般的には1mM以上の添加が望ましい。
これらのメディエーターは測定時に添加してもよいし、後記するグルコース測定用試薬、グルコースアッセイキットあるいはグルコースセンサーを作製するときに予め含有させておくこともできる。なお、その際には、液体状態、乾燥状態などの形態は問われず、測定時に反応時に解離してイオンの状態になるようにしておけばよい。
これらの各メディエーターは感度に様々な違いが存在するするために、添加濃度を一律に規定する必要性はないが、一般的には1mM以上の添加が望ましい。
これらのメディエーターは測定時に添加してもよいし、後記するグルコース測定用試薬、グルコースアッセイキットあるいはグルコースセンサーを作製するときに予め含有させておくこともできる。なお、その際には、液体状態、乾燥状態などの形態は問われず、測定時に反応時に解離してイオンの状態になるようにしておけばよい。
本発明の別の一つの態様は、改変型PQQGDHを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型PQQGDHを含むグルコース測定用試薬組成物においてなされることを含む、改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法を含む。
このときさらに別の態様として、グルコース測定用組成物がグルコースアッセイキットに含まれる形態であってもよい。また、カルボキシル基を有する化合物は、測定対象であるグルコース含有検体を添加する直前に加えてもよく、また組成物作製時にあらかじめ添加しておいてもよい。また、本発明の方法においては、測定時に各種バッファー成分、金属塩、界面活性剤、親水性ポリマー及び各種安定化剤等を組成物にあらかじめ含んでおくかあるいは測定時に添加してもよい。このような成分の例は、記載のとおりである。
このときさらに別の態様として、グルコース測定用組成物がグルコースアッセイキットに含まれる形態であってもよい。また、カルボキシル基を有する化合物は、測定対象であるグルコース含有検体を添加する直前に加えてもよく、また組成物作製時にあらかじめ添加しておいてもよい。また、本発明の方法においては、測定時に各種バッファー成分、金属塩、界面活性剤、親水性ポリマー及び各種安定化剤等を組成物にあらかじめ含んでおくかあるいは測定時に添加してもよい。このような成分の例は、記載のとおりである。
本発明の別の一つの態様は、改変型PQQGDHを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型PQQGDHを含み、かつ、少なくとも作用極と対極からなる電極を含むグルコースセンサーにおいてなされることを含む、改変型PQQGDHを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法を含む。
このときさらに別の態様として、グルコースセンサーにおける反応が、改変型PQQGDHを含む反応溶液に電圧を印加し、メディエーターの酸化電流を測定してなる形態であってもよい。あるいは、さらに参照極を具備するものであってもよい。またこのようなグルコースセンサーは、デバイス中にPQQGDHおよびメディエーターを流出不可能な状態に封入するかもしくは基盤上に固定化した連続測定可能な形態のものでもよく、またPQQGDHおよびメディエーターを交換可能なチップ上に装備させる形態のものでもよい。
このときさらに別の態様として、グルコースセンサーにおける反応が、改変型PQQGDHを含む反応溶液に電圧を印加し、メディエーターの酸化電流を測定してなる形態であってもよい。あるいは、さらに参照極を具備するものであってもよい。またこのようなグルコースセンサーは、デバイス中にPQQGDHおよびメディエーターを流出不可能な状態に封入するかもしくは基盤上に固定化した連続測定可能な形態のものでもよく、またPQQGDHおよびメディエーターを交換可能なチップ上に装備させる形態のものでもよい。
本発明の別の一つの態様は、アミノ酸配列の改変を施した改変型PQQGDH、および、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる、1分子あたり2以上のカルボシキル基を有する物質を含む、改変型PQQGDHを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物、または、グルコースセンサーを含む。
本発明の別の一つの態様は、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる、1分子あたり2以上のカルボシキル基を有する物質を含有させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物、または、グルコースセンサーの製造方法を含む。
上記各形態において、本発明の改変型PQQGDH、グルコース測定用組成物、グルコースアッセイキットならびにグルコースセンサーは、液状(水溶液、懸濁液等)、粉末、凍結乾燥など種々の形態をとることができる。凍結乾燥法としては、特に制限されるものではなく常法に従って行えばよい。本発明の酵素を含む組成物は凍結乾燥物に限られず、凍結乾燥物を再溶解した溶液状態であってもよい。
凍結乾燥組成物中においては、PQQGDH含有量は、酵素の起源によっても異なるが、通常は約5〜50%(重量比)の範囲で好適に用いられる。酵素活性に換算すると、100〜2000U/mgの範囲で好適に用いられる。
さらに上記各形態において、本発明の改変型PQQGDH、グルコース測定用組成物、グルコースアッセイキットならびにグルコースセンサーは、その形態や使用方法に応じて、精製された状態であっても良いし、必要により他の成分、例えば界面活性剤、安定化剤、賦形剤など種々の添加物が加えられていても良い。
本発明へのそれらの添加物の配合法は特に制限されるものではない。例えばPQQGDHを含む緩衝液に安定化剤を配合する方法、安定化剤を含む緩衝液にPQQGDHを配合する方法、あるいはPQQGDHと安定化剤を緩衝液に同時に配合する方法などが挙げられる。
本発明へのそれらの添加物の配合法は特に制限されるものではない。例えばPQQGDHを含む緩衝液に安定化剤を配合する方法、安定化剤を含む緩衝液にPQQGDHを配合する方法、あるいはPQQGDHと安定化剤を緩衝液に同時に配合する方法などが挙げられる。
例えば、改変型PQQGDHタンパク質に(1)アスパラギン酸、グルタミン酸、α−ケトグルタル酸、リンゴ酸、α−ケトグルコン酸、α−サイクロデキストリンおよびそれらの塩からなる群から選ばれた1種または2種以上の化合物および(2)アルブミンを共存せしめることにより、改変型PQQGDHをさらに安定化することができる。
アスパラギン酸、グルタミン酸、αーケトグルタル酸、リンゴ酸、及びαーケトグルコン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、及びマグネシウム等の塩が挙げられるが特に限定されるものではない。上記化合物とその塩及びα−シクロデキストリンの添加量は、1〜90%(重量比)の範囲で添加することが好ましい。これらの物質は単独で用いてもよいし、複数組み合わせてもよい。
アスパラギン酸、グルタミン酸、αーケトグルタル酸、リンゴ酸、及びαーケトグルコン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、及びマグネシウム等の塩が挙げられるが特に限定されるものではない。上記化合物とその塩及びα−シクロデキストリンの添加量は、1〜90%(重量比)の範囲で添加することが好ましい。これらの物質は単独で用いてもよいし、複数組み合わせてもよい。
また、カルシウムイオンを添加しても安定化効果が得られる。すなわち、カルシウムイオンまたはカルシウム塩を含有させることにより、改変タンパク質を安定化させることができる。カルシウム塩としては、塩化カルシウムまたは酢酸カルシウムもしくはクエン酸カルシウム等の無機酸または有機酸のカルシウム塩などが例示される。また、水性組成物において、カルシウムイオンの含有量は、1×10−4〜1×10−2Mであることが好ましい。
カルシウムイオンまたはカルシウム塩を含有させることによる安定化効果は、グルタミン酸、グルタミンおよびリジンからなる群から選択されたアミノ酸を含有させることにより、さらに向上する。
グルタミン酸、グルタミンおよびリジンからなる群から選択されるアミノ酸は、1種または2種以上であってもよい。前記の水性組成物において、グルタミン酸、グルタミンおよびリジンからなる群から選択されたアミノ酸の含有量は、0.01〜0.2重量%であることが好ましい。
このほか、凍結乾燥安定剤として、N−カルバモイル−β−D−グルコピラノシルアミンなどのグルコシルウレイド化合物を用いることもできる。
カルシウムイオンまたはカルシウム塩を含有させることによる安定化効果は、グルタミン酸、グルタミンおよびリジンからなる群から選択されたアミノ酸を含有させることにより、さらに向上する。
グルタミン酸、グルタミンおよびリジンからなる群から選択されるアミノ酸は、1種または2種以上であってもよい。前記の水性組成物において、グルタミン酸、グルタミンおよびリジンからなる群から選択されたアミノ酸の含有量は、0.01〜0.2重量%であることが好ましい。
このほか、凍結乾燥安定剤として、N−カルバモイル−β−D−グルコピラノシルアミンなどのグルコシルウレイド化合物を用いることもできる。
含有される緩衝液としては特に限定されるものではないが、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、GOOD緩衝液などが挙げられるが、カルシウムと不溶性の塩を形成しない緩衝液はすべて使用可能である。該緩衝液のpHは5.0〜10.0程度の範囲で使用目的に応じて調整される。凍結乾燥物中においては緩衝剤の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1%(重量比)以上、特に好ましくは0.1〜30%(重量比)の範囲で使用される。
また、さらに血清アルブミンを含有させてもよい。前記の水性組成物に血清アルブミンを添加する場合、その含有量は0.05〜0.5重量%であることが好ましい。
使用できるアルブミンとしては、牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA)などが挙げられる。特にBSAが好ましい。該アルブミンの含有量は、好ましくは1〜80%(重量比)、より好ましくは5〜70%(重量比)の範囲で使用される。
使用できるアルブミンとしては、牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA)などが挙げられる。特にBSAが好ましい。該アルブミンの含有量は、好ましくは1〜80%(重量比)、より好ましくは5〜70%(重量比)の範囲で使用される。
一方、上記各形態において、本発明の改変型PQQGDH、グルコース測定用組成物、グルコースアッセイキットならびにグルコースセンサーは、宿主由来のタンパク質成分以外のタンパク質成分を含有しない構成とすることもできる。
宿主由来のタンパク質成分以外のタンパク質成分としては、例えばBSA等の生体由来物質が挙げられる。
このような構成にすることにより、グルコース測定系における非特異反応が低減する可能性が考えられる。
宿主由来のタンパク質成分以外のタンパク質成分としては、例えばBSA等の生体由来物質が挙げられる。
このような構成にすることにより、グルコース測定系における非特異反応が低減する可能性が考えられる。
この場合、組成物は、改変型PQQGDHとカルシウムまたはカルシウム塩、及び緩衝剤から基本的に成る。
カルシウムの供給形態としては、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の無機酸または有機酸のカルシウム塩を挙げることができる。また、粉末組成物において、カルシウムの含有量(W/W)は、0.05%〜5%であることが望ましい。
緩衝剤としては、一般的に使用されるものであれば良く、通常、組成物のpHを5〜10とするものが好ましい。但し、リン酸バッファーのようにカルシウムと不溶性の塩を形成する可能性のあるものはその添加条件に留意する必要がある。またトリスアミノメタンのようにアミノ基末端を有するものは、PQQ依存性グルコースデヒドロゲナーゼのPQQ結合を不安定とする可能性があるためその添加条件に留意する必要がある。このため、緩衝剤としてさらに好ましくは、ホウ酸や酢酸といった緩衝剤や、BES、Bicine、Bis−Tris、CHES、EPPS、HEPES、HEPPSO、MES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、TAPS、TAPSO、TES、Tricineといったグッド緩衝剤が挙げられる。
また、粉末組成物において、緩衝剤の含有量(W/W)は、1.0%〜50%であることが望ましい。
また、粉末組成物において、緩衝剤の含有量(W/W)は、1.0%〜50%であることが望ましい。
また、改変型PQQGDHとカルシウムまたはカルシウム塩、及び緩衝剤から基本的に成る組成物に、アミノ酸、あるいは有機酸をさらに加えてもかまわない。
また、これらを含有するものであれば、水性組成物、凍結乾燥物を問わない。
また、これらを含有するものであれば、水性組成物、凍結乾燥物を問わない。
本発明の測定方法においてはグルコースの測定はメディエーターあるいは発色試薬の発色・減色に起因する特定波長の吸光度の増減を指標とする、いわゆる比色法を採用することもでき、あるいは反応溶液に電圧を印加しメディエーターの酸化電流値を元に測定することもできる。
本発明におけるグルコース測定方法においては、検体中のグルコースすべてをPQQGDHと反応させた後に蓄積された還元型メディエーターを測定する、いわゆるエンドポイント測定を行ってもよく、また基質であるグルコース濃度依存的なPQQGDH酵素活性を測定する、いわゆるレート測定を行ってもよい。
グルコース測定用試薬
本発明のグルコース測定用試薬は、典型的には、PQQGDH、緩衝液、メディエーターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のキットは、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発明のPQQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用時にホロ化することもできる。
本発明のグルコース測定用試薬は、典型的には、PQQGDH、緩衝液、メディエーターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のキットは、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発明のPQQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用時にホロ化することもできる。
グルコースアッセイキット
本発明のグルコースアッセイキットは、典型的には、PQQGDH、緩衝液、メディエーターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のキットは、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発明のPQQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用時にホロ化することもできる。
本発明のグルコースアッセイキットは、典型的には、PQQGDH、緩衝液、メディエーターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のキットは、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。好ましくは本発明のPQQGDHはホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態で提供し、使用時にホロ化することもできる。
本発明のグルコース測定用組成物およびグルコース測定方法は、より具体的には以下の形態をとることができる。
グルコースアッセイキット
本発明はまた、本発明に従うグルコース測定用組成物を含むグルコースアッセイキットを特徴とする。本発明のグルコースアッセイキットは、本発明に従う改変型PQQGDHを少なくとも1回のアッセイに十分な量で含む。典型的には、キットは、本発明の改変型PQQGDHに加えて、アッセイに必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明に従う改変型PQQGDHは種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。
本発明はまた、本発明に従うグルコース測定用組成物を含むグルコースアッセイキットを特徴とする。本発明のグルコースアッセイキットは、本発明に従う改変型PQQGDHを少なくとも1回のアッセイに十分な量で含む。典型的には、キットは、本発明の改変型PQQGDHに加えて、アッセイに必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明に従う改変型PQQGDHは種々の形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。
グルコースセンサー
本発明はまた、本発明に従うグルコース測定用組成物を用いるグルコースセンサーを特徴とする。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明の酵素を固定化する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどがあり、あるいはメディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。好ましくは本発明の改変型PQQGDHはホロ化した形態で電極上に固定化するが、アポ酵素の形態で固定化し、PQQを別の層としてまたは溶液中で提供することもできる。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて本発明の改変型PQQGDHをカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングする。
本発明はまた、本発明に従うグルコース測定用組成物を用いるグルコースセンサーを特徴とする。電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明の酵素を固定化する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどがあり、あるいはメディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。好ましくは本発明の改変型PQQGDHはホロ化した形態で電極上に固定化するが、アポ酵素の形態で固定化し、PQQを別の層としてまたは溶液中で提供することもできる。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて本発明の改変型PQQGDHをカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングする。
グルコース濃度の測定は、以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、PQQおよびCaCl2、およびメディエーターを加えて一定温度に維持する。作用電極として本発明の改変型PQQGDHを固定化した電極を用い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばAg/AgCl電極)を用いる。カーボン電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、グルコースを含む試料を加えて電流の増加を測定する。標準濃度のグルコース溶液により作製したキャリブレーションカーブに従い、試料中のグルコース濃度を計算することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、いうまでもなく本実施例は本特許出願の範囲を限定するものではない。
実施例1:変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素の遺伝子組換え生産菌作製
野生型PQQ依存性グルコース脱水素酵素の発現プラスミドpNPG5は、ベクターpBluescript SK(−)のマルチクローニング部位にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii) NCIMB11517株由来のPQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする構造遺伝子を挿入したものである。この組換えプラスミドpNPG5と変異導入部位のアミノ酸をコードするトリプレットを中央に含む40mer程度の合成オリゴヌクレオチドを基に、QuickChangeTM Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行い、168位GlnをAlaに、169位LeuをProに、170位AlaをMetに、245位GluをAspに、342位MetをIleに、351位AlaをThrにそれぞれ置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351T)を取得した。このpNPG5−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351TのDNA5μgを制限酵素BamHIおよびXhoI(東洋紡績製)で切断して、変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素の構造遺伝子部分を単離した。単離したDNAとBamHIおよびXhoIで切断したpTM33(1μg)とT4DNAリガーゼ1単位で16℃、16時間反応させ、DNAを連結した。連結したDNAはエシェリヒア・コリDH5αのコンピテントセルを用いて形質転換を行った。得られた発現プラスミドをpNPG6−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351Tと命名した。この発現プラスミドをシュードモナス・プチダTE3493(微工研寄12298号)にエレクトロポレーションにより形質転換し、得られた形質転換体を改変型PQQGDH生産菌とした。
野生型PQQ依存性グルコース脱水素酵素の発現プラスミドpNPG5は、ベクターpBluescript SK(−)のマルチクローニング部位にアシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii) NCIMB11517株由来のPQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする構造遺伝子を挿入したものである。この組換えプラスミドpNPG5と変異導入部位のアミノ酸をコードするトリプレットを中央に含む40mer程度の合成オリゴヌクレオチドを基に、QuickChangeTM Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行い、168位GlnをAlaに、169位LeuをProに、170位AlaをMetに、245位GluをAspに、342位MetをIleに、351位AlaをThrにそれぞれ置換された変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素をコードする組換えプラスミド(pNPG5−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351T)を取得した。このpNPG5−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351TのDNA5μgを制限酵素BamHIおよびXhoI(東洋紡績製)で切断して、変異型PQQ依存性グルコース脱水素酵素の構造遺伝子部分を単離した。単離したDNAとBamHIおよびXhoIで切断したpTM33(1μg)とT4DNAリガーゼ1単位で16℃、16時間反応させ、DNAを連結した。連結したDNAはエシェリヒア・コリDH5αのコンピテントセルを用いて形質転換を行った。得られた発現プラスミドをpNPG6−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351Tと命名した。この発現プラスミドをシュードモナス・プチダTE3493(微工研寄12298号)にエレクトロポレーションにより形質転換し、得られた形質転換体を改変型PQQGDH生産菌とした。
試験例1
GDH活性の測定方法
測定原理
D−グルコース+PMS+PQQGDH → D−グルコノ−1,5−ラクトン + PMS(red)
PMS(red) + DCPIP → PMS + DCPIP(red)
フェナジンメトサルフェート(PMS)(red)による2,6−ジクロロフェノール-インドフェノール(DCPIP)の還元により形成されたDCPIP(red)の存在は、600nmで分光光度法により測定した。
単位の定義
1単位は、以下に記載の条件下で1分当たりDCPIP(red)を1.0ミリモル形成させるPQQGDHの酵素量をいう。
(3)方法
試薬
A.D−グルコース溶液:1.0M(1.8g D−グルコース(分子量180.16)/10ml H2O)
B.PIPES−NaOH緩衝液, pH6.5:50mM(60mLの水中に懸濁した1.51gのPIPES(分子量302.36)を、5N NaOHに溶解し、2.2mlの10% Triton X−100を加える。5N NaOHを用いて25℃でpHを6.5±0.05に調整し、水を加えて100mlとした。)
C.PMS溶液:24mM(73.52mgのフェナジンメトサルフェート(分子量817.65)/10mlH2O)
D.DCPIP溶液:2.0mM(6.5mgのニトロテトラゾリウムブルー(分子量817.65)/10mlH2O)
E.酵素希釈液:1mM CaCl2, 0.1% Triton X−100, 0.1% BSAを含む50mM PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5)
手順
遮光ビンに以下の反応混合物を調製し、氷上で貯蔵した(用時調製)
1. 4.5ml D−グルコース溶液 (A)
21.9ml PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5) (B)
2.0ml PMS溶液 (C)
1.0ml DCPIP溶液 (D)
GDH活性の測定方法
測定原理
D−グルコース+PMS+PQQGDH → D−グルコノ−1,5−ラクトン + PMS(red)
PMS(red) + DCPIP → PMS + DCPIP(red)
フェナジンメトサルフェート(PMS)(red)による2,6−ジクロロフェノール-インドフェノール(DCPIP)の還元により形成されたDCPIP(red)の存在は、600nmで分光光度法により測定した。
単位の定義
1単位は、以下に記載の条件下で1分当たりDCPIP(red)を1.0ミリモル形成させるPQQGDHの酵素量をいう。
(3)方法
試薬
A.D−グルコース溶液:1.0M(1.8g D−グルコース(分子量180.16)/10ml H2O)
B.PIPES−NaOH緩衝液, pH6.5:50mM(60mLの水中に懸濁した1.51gのPIPES(分子量302.36)を、5N NaOHに溶解し、2.2mlの10% Triton X−100を加える。5N NaOHを用いて25℃でpHを6.5±0.05に調整し、水を加えて100mlとした。)
C.PMS溶液:24mM(73.52mgのフェナジンメトサルフェート(分子量817.65)/10mlH2O)
D.DCPIP溶液:2.0mM(6.5mgのニトロテトラゾリウムブルー(分子量817.65)/10mlH2O)
E.酵素希釈液:1mM CaCl2, 0.1% Triton X−100, 0.1% BSAを含む50mM PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5)
手順
遮光ビンに以下の反応混合物を調製し、氷上で貯蔵した(用時調製)
1. 4.5ml D−グルコース溶液 (A)
21.9ml PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5) (B)
2.0ml PMS溶液 (C)
1.0ml DCPIP溶液 (D)
上記アッセイ混合物中の濃度は次のとおり。
PIPES緩衝液 36mM
D−グルコース 148mM
PMS 1.58mM
NTB 0.066mM
PIPES緩衝液 36mM
D−グルコース 148mM
PMS 1.58mM
NTB 0.066mM
3.0mlの反応混合液を試験管(プラスチック製)に入れ、37℃で5分間予備加温した。
0.1mlの酵素溶液を加え、穏やかに反転して混合した。
600nmでの水に対する吸光度の減少を37℃に維持しながら分光光度計で4〜5分間記録し、曲線の初期直線部分からの1分当たりのΔODを計算した(ODテスト)。
同時に、酵素溶液に代えて酵素希釈液(E)加えることを除いては同一の方法を繰り返し、ブランク(ΔODブランク)を測定した。
アッセイの直前に氷冷した酵素希釈液(E)で酵素粉末を溶解し、同一の緩衝液で0.05−0.10U/mlに希釈した(該酵素の接着性のためにプラスチックチューブの使用が好ましい)。
計算
活性を以下の式を用いて計算する:
U/ml={ΔOD/min(ΔODテスト− ΔODブランク)×Vt×df}/(16.8×1.0×Vs)
U/mg=(U/ml)×1/C
Vt:総体積(3.1ml)
Vs:サンプル体積(0.1ml)
16.8:上記測定条件でのDCPIPのミリモル分子吸光係数(cm2/マイクロモル)
1.0:光路長(cm)
df:希釈係数
C:溶液中の酵素濃度(c mg/ml)
0.1mlの酵素溶液を加え、穏やかに反転して混合した。
600nmでの水に対する吸光度の減少を37℃に維持しながら分光光度計で4〜5分間記録し、曲線の初期直線部分からの1分当たりのΔODを計算した(ODテスト)。
同時に、酵素溶液に代えて酵素希釈液(E)加えることを除いては同一の方法を繰り返し、ブランク(ΔODブランク)を測定した。
アッセイの直前に氷冷した酵素希釈液(E)で酵素粉末を溶解し、同一の緩衝液で0.05−0.10U/mlに希釈した(該酵素の接着性のためにプラスチックチューブの使用が好ましい)。
計算
活性を以下の式を用いて計算する:
U/ml={ΔOD/min(ΔODテスト− ΔODブランク)×Vt×df}/(16.8×1.0×Vs)
U/mg=(U/ml)×1/C
Vt:総体積(3.1ml)
Vs:サンプル体積(0.1ml)
16.8:上記測定条件でのDCPIPのミリモル分子吸光係数(cm2/マイクロモル)
1.0:光路長(cm)
df:希釈係数
C:溶液中の酵素濃度(c mg/ml)
実施例2:ホロ型発現精製酵素の調製
500mlのTerrific brothを2L容坂口フラスコに分注し、121℃、20分間オートクレーブを行い、放冷後別途無菌濾過したストレプトマイシンを100μg/mlになるように添加した。この培地に100μg/mlのストレプトマイシンを含むPY培地で予め30℃、24時間培養したシュードモナス・プチダTE3493(pNPG6−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351T)の培養液を5ml接種し、30℃で40時間通気攪拌培養した。培養終了時のPQQ依存性グルコース脱水素酵素活性は、前記活性測定において、培養液1ml当たり約5U/mlであった。
上記菌体を遠心分離により集菌し、20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した後、超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得られた粗酵素液をHiTrap−SP(アマシャムバイオサイエンス)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離・精製した。次いで10mM PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5)で透析した後に終濃度が1mMになるように塩化カルシウムを添加した。最後にHiTrap−DEAE(アマシャムバイオサイエンス)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、SDS−PAGE的にほぼ単一なバンドを示した。
500mlのTerrific brothを2L容坂口フラスコに分注し、121℃、20分間オートクレーブを行い、放冷後別途無菌濾過したストレプトマイシンを100μg/mlになるように添加した。この培地に100μg/mlのストレプトマイシンを含むPY培地で予め30℃、24時間培養したシュードモナス・プチダTE3493(pNPG6−Q168A+L169P+A170M+E245D+M342I+A351T)の培養液を5ml接種し、30℃で40時間通気攪拌培養した。培養終了時のPQQ依存性グルコース脱水素酵素活性は、前記活性測定において、培養液1ml当たり約5U/mlであった。
上記菌体を遠心分離により集菌し、20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した後、超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得られた粗酵素液をHiTrap−SP(アマシャムバイオサイエンス)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離・精製した。次いで10mM PIPES−NaOH緩衝液(pH6.5)で透析した後に終濃度が1mMになるように塩化カルシウムを添加した。最後にHiTrap−DEAE(アマシャムバイオサイエンス)イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、SDS−PAGE的にほぼ単一なバンドを示した。
実施例3:改変型PQQGDHの基質特異性確認
実施例2で作製した精製改変型PQQGDHのマルトースに対する作用性を、野生型PQQGDH(東洋紡製GLD−321)と比較した。それぞれを試験例1の方法(但し、アッセイ混合物中の基質濃度は4.8mMとした)で、基質としてグルコースを用いた場合とマルトースを用いた場合とでそれぞれ活性を算出し、グルコース使用時に対するマルトース使用時の活性値の割合を計算しマルトース作用性とした。結果、野生型のマルトース作用性は110%であったのに対し、改変型PQQGDHのマルトース作用性は13%であり、基質特異性の向上を達成していることを確認した。
実施例2で作製した精製改変型PQQGDHのマルトースに対する作用性を、野生型PQQGDH(東洋紡製GLD−321)と比較した。それぞれを試験例1の方法(但し、アッセイ混合物中の基質濃度は4.8mMとした)で、基質としてグルコースを用いた場合とマルトースを用いた場合とでそれぞれ活性を算出し、グルコース使用時に対するマルトース使用時の活性値の割合を計算しマルトース作用性とした。結果、野生型のマルトース作用性は110%であったのに対し、改変型PQQGDHのマルトース作用性は13%であり、基質特異性の向上を達成していることを確認した。
実施例4:改変型PQQGDHを装着したグルコース電極の作製
乳鉢にカーボングラファイト0.5gをのせ、流動パラフィン0.3mLを加えて乳棒で30分練り、カーボンペーストを作製した。作製したカーボンペーストは白金電極上に練りこみ、さらに実施例2で作製した改変型PQQGDH溶液(2,000U/mL)を10μL添加して室温で30分風乾した。風乾した酵素電極上に分子量8,000カットのセルロース半透膜を被せ、プラスチック製のOリングで半透膜を固定した。こうして作製したグルコース電極は、あらかじめ氷冷した反応用溶媒に30分浸漬した後使用した。
乳鉢にカーボングラファイト0.5gをのせ、流動パラフィン0.3mLを加えて乳棒で30分練り、カーボンペーストを作製した。作製したカーボンペーストは白金電極上に練りこみ、さらに実施例2で作製した改変型PQQGDH溶液(2,000U/mL)を10μL添加して室温で30分風乾した。風乾した酵素電極上に分子量8,000カットのセルロース半透膜を被せ、プラスチック製のOリングで半透膜を固定した。こうして作製したグルコース電極は、あらかじめ氷冷した反応用溶媒に30分浸漬した後使用した。
実施例5:グルコース測定における基質特異性と溶質との関連性確認
溶質として、表1に記載の物質を用意し、それぞれ終濃度50mMのバッファー(pH5.5)を作製した。それぞれの溶媒は表に記載の溶質の他に活性化・安定化剤として1mMの塩化カルシウム及び界面活性剤として0.1%のTritonX−100を含んでいる。作製した各溶媒には終濃度0.1Mとなるようフェリシアン化カリウムを溶解し、反応液とした。25℃に保温したキュベットに20mlの反応液を入れ、これに実施例4のグルコース電極(作用極)、対極として白金電極、及び参照電極としてAg/AgCl電極を浸し、+0.35Vの電圧を印加した。電流値が一定になった後にグルコースもしくはマルトースを終濃度4mMとなるよう添加し、これに応答する電流値をモニタリングした。マルトース作用性は、グルコースを添加した場合の応答電流値をA、マルトースを添加したときの応答電流値をBとして、マルトース作用性=B/A×100(%)として算出した。各溶質を用いた場合のマルトース作用性を表1に示す。
溶質として、表1に記載の物質を用意し、それぞれ終濃度50mMのバッファー(pH5.5)を作製した。それぞれの溶媒は表に記載の溶質の他に活性化・安定化剤として1mMの塩化カルシウム及び界面活性剤として0.1%のTritonX−100を含んでいる。作製した各溶媒には終濃度0.1Mとなるようフェリシアン化カリウムを溶解し、反応液とした。25℃に保温したキュベットに20mlの反応液を入れ、これに実施例4のグルコース電極(作用極)、対極として白金電極、及び参照電極としてAg/AgCl電極を浸し、+0.35Vの電圧を印加した。電流値が一定になった後にグルコースもしくはマルトースを終濃度4mMとなるよう添加し、これに応答する電流値をモニタリングした。マルトース作用性は、グルコースを添加した場合の応答電流値をA、マルトースを添加したときの応答電流値をBとして、マルトース作用性=B/A×100(%)として算出した。各溶質を用いた場合のマルトース作用性を表1に示す。
汎用バッファー成分であるリン酸、GOOD緩衝材のMESおよびモノカルボン酸である酢酸を用いた場合に比べ、ジカルボン酸およびトリカルボン酸を用いた場合ではマルトース作用性の低減がみられた。
実施例6:グルコース測定におけるpH条件の基質特異性への影響確認
1mMの塩化カルシウムおよび0.1%のTritonX−100を含む50mMのリン酸もしくはピメリン酸溶液(pHはそれぞれ5.0、6.0、7.0の3種類)を作製した。それぞれについて実施例5の方法に従ってグルコース電極のマルトース作用性を調べた。結果を表2に示す。
1mMの塩化カルシウムおよび0.1%のTritonX−100を含む50mMのリン酸もしくはピメリン酸溶液(pHはそれぞれ5.0、6.0、7.0の3種類)を作製した。それぞれについて実施例5の方法に従ってグルコース電極のマルトース作用性を調べた。結果を表2に示す。
結果からわかるように、ピメリン酸を溶質としpHを低減した場合でよりマルトース作用性が低減することが確認された。本明細中に記載の理論からは分子中に2以上のカルボシキル基を有する他の物質を用いた場合でも同様の結果が得られると推測される。
本発明によれば、基質特異性が改善されたグルコース測定用組成物もしくはグルコース測定方法を得ることができる。このグルコース測定用組成物もしくはグルコース測定方法は、グルコースアッセイキット、グルコースセンサーに利用できる。
Claims (14)
- アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定方法において、該改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を、少なくとも1種類の存在下で反応させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- さらに測定時のpHが7.0以下である請求項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- さらにpHが6.0以下である請求項1もしくは2に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- さらに組成物としてメディエーターを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- メディエーターがフェリシアン化物塩である請求項4に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼが、対応する野生型酵素と比較してマルトース作用性の低下したピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼである、請求項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- 改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコース測定用試薬組成物においてなされることを含む、請求項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- グルコース測定用組成物がグルコースアッセイキットに含まれる形態をとることを含む、請求項7に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- 改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程が、アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含み、かつ、少なくとも作用極と対極からなる電極を含むグルコースセンサーにおいてなされることを含む、請求項1に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- グルコースセンサーにおける反応が、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含む反応溶液に電圧を印加し、メディエーターの酸化電流を測定してなる、請求項9に記載の改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを反応させる工程を含むグルコース測定においてマルトースに対する作用性を低減させる方法。
- アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、および、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物。
- アミノ酸配列の改変を施した改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、および、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースセンサーにおいてマルトースに対する作用性が低減したグルコースセンサー。
- コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含有させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース測定用組成物においてマルトースに対する作用性が低減したグルコース測定用組成物の製造方法。
- コハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、フタル酸、2−ケトグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、マレイン酸及びクエン酸からなる群より選ばれる物質を含有させる工程を含む、改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコースセンサーにおいてマルトースに対する作用性が低減したグルコースセンサーの製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005233047A JP2007043982A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 基質特異性の改善されたグルコース測定用組成物 |
TW095107501A TW200706650A (en) | 2005-08-11 | 2006-03-07 | A substrate specificity improved composition for glucose measurement |
CN 200610067817 CN1912132A (zh) | 2005-08-11 | 2006-03-13 | 底物特异性改善的葡萄糖测定用组合物 |
EP06006805A EP1752769A1 (en) | 2005-08-11 | 2006-03-30 | Composition for measuring glucose having improved substrate specificity |
US11/393,285 US7381540B2 (en) | 2005-08-11 | 2006-03-30 | Composition for measuring glucose having improved substrate specificity |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005233047A JP2007043982A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 基質特異性の改善されたグルコース測定用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007043982A true JP2007043982A (ja) | 2007-02-22 |
Family
ID=37721188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005233047A Pending JP2007043982A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 基質特異性の改善されたグルコース測定用組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007043982A (ja) |
CN (1) | CN1912132A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014533829A (ja) * | 2011-11-16 | 2014-12-15 | ライトシップ メディカル リミテッド | グルコースセンサーの較正 |
JP2014533839A (ja) * | 2011-11-22 | 2014-12-15 | シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッドSiemens Healthcare Diagnostics Inc. | キャリブレーションおよび/またはクオリティ・コントロール溶液として再構成用の乾燥試薬を含むデバイスとその製造および使用方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105331591B (zh) * | 2015-10-29 | 2020-02-28 | 英科隆生物技术(杭州)有限公司 | PQQ-sGDH突变体、聚核苷酸及葡萄糖检测装置 |
JP7005769B2 (ja) * | 2017-12-21 | 2022-01-24 | シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド | 安定化酸素を含む組成物およびその作製方法 |
-
2005
- 2005-08-11 JP JP2005233047A patent/JP2007043982A/ja active Pending
-
2006
- 2006-03-13 CN CN 200610067817 patent/CN1912132A/zh active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014533829A (ja) * | 2011-11-16 | 2014-12-15 | ライトシップ メディカル リミテッド | グルコースセンサーの較正 |
JP2014533839A (ja) * | 2011-11-22 | 2014-12-15 | シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッドSiemens Healthcare Diagnostics Inc. | キャリブレーションおよび/またはクオリティ・コントロール溶液として再構成用の乾燥試薬を含むデバイスとその製造および使用方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN1912132A (zh) | 2007-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2003199B1 (en) | Glucose dehydrogenase | |
EP1367120A2 (en) | Modified pyrroloquinoline quinone (PQQ) dependent glucose dehydrogenase with superior substrate specificity and stability | |
JP2007043982A (ja) | 基質特異性の改善されたグルコース測定用組成物 | |
JP2007043984A (ja) | ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の基質特異性を向上する方法 | |
US8900844B2 (en) | Glucose dehydrogenase | |
JP6101011B2 (ja) | フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼを含む組成物の安定性を向上する方法 | |
JP2004344145A (ja) | 基質特異性または安定性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 | |
US7381540B2 (en) | Composition for measuring glucose having improved substrate specificity | |
WO2005026340A1 (ja) | 基質特異性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 | |
JP4332794B2 (ja) | 基質特異性または安定性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 | |
WO2003027294A1 (fr) | Deshydrogenase de glucose | |
JP4029346B2 (ja) | 基質特異性または安定性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 | |
JP5114756B2 (ja) | 基質特異性または安定性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 | |
JP2007043983A (ja) | 基質特異性に優れた改変型ピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ | |
JP2006149378A (ja) | Pqq依存性グルコースデヒドロゲナーゼ組成物 | |
JP7276530B2 (ja) | グルコース測定用酵素製剤 | |
JP2006217811A (ja) | 基質特異性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 | |
JP4452988B2 (ja) | ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素の比活性を向上する方法、および、比活性の向上したピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素 | |
EP1752530A1 (en) | Composition for suppression PQQGDH reaction inhibition | |
JP2007116935A (ja) | Pqqgdhの基質特異性を改善する組成物 | |
JP4058701B2 (ja) | 基質特異性または安定性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 | |
JP2006280360A (ja) | Pqqgdhの基質阻害を回避する方法 | |
JP4591074B2 (ja) | 加熱処理を施した脱水素酵素 | |
WO2006046524A1 (ja) | Pqq依存性グルコースデヒドロゲナーゼ組成物 | |
JP4415283B2 (ja) | 基質特異性または安定性に優れたピロロキノリンキノン(pqq)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ改変体 |