JP2007043896A - 多相電圧インバータを制御するための方法 - Google Patents

多相電圧インバータを制御するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デカップリングコンデンサのサイズを小さくするように、インバータの上流部における電圧を安定化する。
【解決手段】多相電圧インバータを制御するための方法に関し、このインバータは、パルス幅変調により負荷を制御するようになっており、潮流側がDCバスを介して電圧電源に接続され、下流側が電気負荷に接続されるようになっている。このインバータは、前記方法を実施する制御ロジックに接続され、インバータの下流側および上流側での制約を考慮しながら、幾何学的構造が発生される。より詳細には、上流側の制約は、インバータの入力における電源の電圧に関するものであり、誤差ベクトルも発生させられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、多相電圧インバータを制御するための方法に関し、本発明は、自動車業界、航空業界、および産業分野で特に有利に実施できるが、用途は、これら分野だけに限定されるものではない。
本発明の目的は、デカップリングコンデンサのサイズを小さくするように、インバータの上流部における電圧を安定化することにある。
本発明の別の目的は、インバータでの損失を低減させ、かつ、インバータの下流側における多相負荷の制御を維持することにある。
更に本発明は、多相電圧インバータを制御するための前記方法を実施するデバイスにも関する。
現在、多相電気負荷を駆動するのに、多相電圧インバータが使用されている。この電気負荷は、例えばスタータ兼オルタネータのようなリバーシブルな機器であり、多相電圧インバータはAC/DCコンバータである。この多相電圧インバータは、上流側がDC電源に接続され、下流側が負荷の多相巻線に接続されている。電子電源により、このインバータには電力が供給され、インバータは、制御ロジックによってパルス幅変調されるように制御される。
インバータは、多数のブリッジアームを備え、各ブリッジアームは、例えばフライホイールダイオードが設けられた2つのスタティックスイッチ、すなわち2レベルのスイッチを備えている。1つの同じブリッジアームのスイッチの各ペアの中間点は、負荷の多相巻線に接続されており、制御ロジックによって、例えば1つの同じブリッジアームのスイッチを相補的に制御することによって電源の短絡を防止するよう、1つの同じブリッジアームのスイッチを制御することが可能となっている。
多相インバータを制御するために、特に負荷を電圧制御、または負荷を電流制御するための多数の技術が存在している。公知の制御技術により、インバータの上流側での電圧を安定化するために、インバータは、上流側にデカップリングコンデンサを備えている。
このデカップリングコンデンサによって、インバータに流入する、かなり不連続的な電流を、フィルタ処理することが可能である。このデカップリングコンデンサは、インバータの入力電圧を一定に維持し、かつ発振効果を防止するために、大きい容量を有する。従って、このデカップリングコンデンサの物理的サイズは極めて大きく、このデカップリングコンデンサを狭い空間で使用するときに、寸法上の問題が生じる。
デカップリングコンデンサの物理的寸法を小さくするために、現在、電解コンデンサのような、大きい容積容量を有するコンデンサが使用されている。しかし、このコンデンサは、特に高温環境または高湿度環境下における信頼性が低い。
更に、このデカップリングコンデンサを製造するには、要求される仕様を満たすために、高価な技術を使用しなければならない。この高価な技術により、多相インバータの全体のコストが増す。
従って、上記の制御技術は、インバータの上流部分の電圧を安定化できない。
本発明の目的は、高価な技術、サイズ、信頼性、およびインバータの上流部分の電圧の安定化に関する上記した問題を克服し、デカップリングコンデンサのサイズを小さくすることにある。
これを達成するため、本発明は、使用されるフィルタコンデンサはDC電圧を安定化するのに、十分な電圧慣性を提供しないときでも、多相電気負荷を制御し、かつ、DC電源の電圧内のリップル分を制限できる、多相電圧インバータを制御するための方法を提案するものである。更にこの方法によって、多相電圧インバータにおける損失を最小にすることが可能になる。
換言すれば、本発明の制御技術は、下流側で起きる現象以外に、上流側で生じる現象も制御できる。この制御技術により、デカップリングコンデンサの容量が小さいときでも、DC電源の電圧内のリップル分を制御することが可能となる。
上記目的を達成するため、インバータの下流側および上流側の制約を考慮し、空間的構造を発生できる。特に上流側の制約は、インバータの入力端における電源の電圧に関係している。誤差ベクトルも生じるので、誤差を補正できるインバータのための制御ベクトルを選択することにより、空間構造内に、この誤差ベクトルを留める試みがなされる。
この選択は、ばらつきに応じた異なる基準に従って行われる。この補正は、予測方法またはヒステリシス方法に従い、かつ、例えば誤差を短時間で補正したいのか、または次の誤差が生じるまでの時間をできるだけ長くしたいのかに応じて実行される。
特に本発明は、パルス幅変調によって負荷を制御するようになっており、上流側がDCバスを介して電源電圧に接続され、下流側が電気負荷に接続されている電圧インバータを制御するための方法に関する。
本発明によるこの方法は、
前記インバータの出力端における電源電圧を測定するステップと、
前記電源電圧の測定値と設定ポイント電圧とを比較するステップと、
瞬間的電源電圧誤差からこの比較を推定するステップと、
前記瞬間的電源電圧誤差を所定のレンジ([min、max])内に維持するような、インバータのための制御ベクトルを選択するステップと、
制御ベクトルをインバータに適用するステップとを備えている。
非限定的実施例として、本発明に係わる方法は、次の特徴事項のうちの1つ以上を含むことができる。
前記所定のレンジは、0を中心として対称的である。
インバータの制御を行うために、本方法は、前記瞬間的電源電圧誤差が前記所定のレンジから離脱した場合に、
DCバスのインピーダンスの所定のモデルに基づき、予測方法を実施するステップを備え、この予測方法を実行するステップは、
前記DCバスのインピーダンスのモデルと可能な制御ベクトルとを比較するステップと、
前記瞬間的電源電圧誤差を所定のレンジに戻すことができる制御ベクトルを選択するステップとを備えている。
この方法は、前記予測ベクトル電流制御を行うためのステップを備え、このステップは、
前記多相位相の位相電流を測定するステップと、
前記電流測定値から、負荷内の電流ベクトルを決定するステップと、
設定ポイント電流に対するベクトル電流誤差を計算するステップとを備え、
前記ベクトル電流誤差が所定の幾何学的構造から離脱した場合に、
この方法は、可能な制御ベクトルと負荷のモデルとを比較するステップと、
ベクトル電流負荷を所定の幾何学的構造内に戻す制御ベクトルを選択するステップとを備えている。
この方法は、ベクトル電圧制御を行うためのステップを備え、このステップは、
インバータの出力電圧を測定するステップと、
設定ポイントベクトルに対する電圧ベクトルを決定するステップと、
電圧誤差ベクトルを計算するステップと、
電圧誤差ベクトルを変換するステップとを備え、
電圧誤差ベクトルの変換が所定の幾何学的構造から離脱した場合に、
この方法は、この可能な制御ベクトルと対応する誤差ベクトルの変換の対応する変化とを比較するステップと、
ベクトル電圧誤差の変換値を所定の幾何学的構造内に戻す制御ベクトルを選択するステップとを備えている。
前記変換は、時間積分である。
前記所定の幾何学的構造は、少なくとも2つの次元を有する。
インバータの制御を行うために、前記瞬間的電源電圧誤差が所定のレンジから離脱した場合に、この方法は、
ヒステリシス方法を実施するステップを備え、このステップは、
電源電圧の変化する方向を補正する、前記インバータの入力端における電流ステージを形成できる制御ベクトルを選択するステップを備えている。
この方法は、所定のレンジおよび瞬間的電源電圧誤差(ここで、電源電圧誤差は測定された電圧−設定ポイント電圧である)を知るステップを備え、
前記電源電圧誤差が所定レンジの上限以上である場合に、電流を増加できる制御ベクトルを選択し、
前記電源電圧誤差が所定レンジの下限以下である場合に、電流を減少できる制御ベクトルを選択する。
この方法は、ヒステリシス電流制御をするのステップを備え、かつ、
各位相電流に対する電流誤差を計算するステップと、
前記電流誤差とヒステリシスとを比較するステップとを備え、
前記ヒステリシスとの比較の結果として、対応する位相のための制御を行い、
所定のレンジ内に瞬間的電圧誤差を維持する目的を有する選択の結果を、前記ヒステリシスとの比較の結果よりも優先させる。
前記選択ステップは、前記誤差の変化をチェックする、収束をチェックするステップを備え、この変化が、電流制御ベクトルと共に誤差を補正する方向にある場合に、制御ベクトルを変化させることはないようにする。
多数の制御ベクトルが適当である場合に、この方法は、インバータにおけるスイッチング動作の回数を最小にする制限ベクトルを優先的に選択し、次の誤差が生じるまでの時間を最大にする制御ベクトルを選択する。
また本発明は、上記方法を実施するためのデバイスにも関する。このデバイスは、1つの特徴によれば、上流側がDCバスに接続され、下流側が電気負荷、更に制御ロジックにも接続された電圧インバータを備え、前記制御ロジックは、前記方法を実施し、インバータのための制御ベクトルを発生するようになっている。
次の説明を読み、添付図面を検討すれば、本発明について、よりよく理解できると思う。添付図面は、単なる例として示したものであり、いかなる意味においても、本発明を限定するものではない。
図1は、多相インバータ1を示し、この多相インバータ1は、制御ロジック4によって生じた制御ベクトルにより制御されるもので、上流側がDCバス2に接続され、下流側が多相負荷3に接続されている。
このインバータ1は、DC電圧を位相ごとに1つずつ対応する、多数のサイン波電圧に変換するようになっている電気的デバイスである。このインバータ1は、多数のブリッジアーム(図示せず)を備え、各ブリッジアームは、電子的に制御できる多数のスイッチを備えている。
本明細書の以下の部分では、2レベルを有する三相インバータについて説明するが、この三相インバータは、他の現存するタイプのインバータにも置換できることが理解できると思う。従って、このインバータは、負荷3を制御する三相インバータであり、3つのブリッジアームを備えている。各ブリッジアームは、フライホイールダイオードを有する双方向の2つの電流スイッチを備えている。
DCバス2は、DC電圧電源5を備え、好ましい例では、このDC電圧電源は、バッテリーまたは整流された幹線電源である。この電圧電源5は、インバータ1を介して負荷3に電力を供給する。図1の例では、接続ラインであり、電気消費機器であるデバイス6が直列に接続され、かつ電圧電源5に対して並列に接続されている。この電気消費機器は、自動車の場合、ヘッドランプ、ラジオ、または空調システムであるが、これらだけに限定されるものではない。
DCバス2は、電圧電源5に並列に接続されたデカップリングコンデンサ7も備えている。このコンデンサ7は、インバータ1の近くにあることが好ましく、このコンデンサ7は容量が小さい。コンデンサ7の容量は、従来のデカップリングコンデンサ7の容量と比較して、25%小さくなっていることが好ましい。
好ましい実施例では、このコンデンサ7の容量は、約10マイクロヘンリーの接続ラインの寄生インダクタンスおよび36Vの、18mmオームのバッテリーに対して、約500マイクロファラッドとなっている。このコンデンサ7は、電源電流のリップル分を除去し、電圧電源5が、インバータ1に対して、前記電源電流の平均値だけを送ることができるようにする。
電子バス2とインバータ1とを組み合わせた機器は、負荷3を作動させるのに必要な電力を供給するようになっている。インバータ1は、負荷3を駆動するのに使用される。この負荷3は、誘導モータまたは非同期モータでよく、インバータ1の1つの同じブリッジアームのスイッチの各ペアの中間点は、負荷3の1つの位相に接続されている。
インバータ1は、制御ロジック4によりパルス幅変調されるように制御される。多相インバータを制御するために、制御ロジック4は、インバータのすべてのスイッチの開閉状態を定める。この制御ロジック4によって、1つの同じブリッジアームのうちのスイッチを相補的に制御することが可能となっている。1つの同じブリッジアームのスイッチの制御と、一定の数のスイッチの制御とが相反することは、ブリッジアームのスイッチに対して、可能な構造の数は有限であることを意味する。
2レベルを有する三相インバータに対し、ブリッジアームのうちのスイッチの8つの異なる構造を生じさせることが可能である。これら8つの各構造は、インバータの出力電圧のベクトル表示に関連させることができる。この出力電圧のベクトル表示を、インバータの制御ベクトルと呼ぶ。これら制御ベクトルは、一般にインバータの出力レベルと呼ばれている。
制御ベクトルは、負荷3に印加される実際の電圧の合成値を示す数学的表示である。これらの構成のうちで、固定された値の制御ベクトルに対応し、位相によって区別されるアクティブステートV1〜V6は、6つ存在し、2つのV0およびV7は、制御ベクトルの振幅が0であり、その位相(φ=arc tangent y/x)が定められないフライホイールステートである。
制御ロジック4によって生じる制御ベクトルは、少なくとも負荷3が有する位相と同じ数の制御モードを有する。相補的に制御される、2つのレベルを有する三相インバータを仮定した例の場合、3つの制御モードが存在する。
制御ロジック4によって生じる制御ベクトルは、ステータに基づいて表示できる。ステータに基づく表示とは、ステータに関連する固定軸(α、β)を有する表示であり、軸αは水平軸であり、軸βは垂直軸である。
制御ロジック4は、集積回路として構成されることが多い。一例では、この制御ロジック4は、マイクロプロセッサ8と、プログラムメモリ9と、入出力インターフェース10とを備え、このマイクロプロセッサ8とメモリ9と入出力インターフェース10とは、バス11によって相互に接続されている。
1つのデバイスには、1つの動作が割り当てられ、この動作は、デバイスのプログラム命令内に記憶されたコード命令によって制御されるデバイスのマイクロプロセッサによって実行される。
プログラムメモリ9は、多数のゾーンに分割されており、各ゾーンは、デバイスの機能を実行するために、コード命令に対応している。メモリ9は、本発明の変形例に応じ、DCバス2の予測モデルを実現するためのコード命令を有するゾーン13を備えている。
このメモリ9は、負荷3の予測モデルを実現するためのコード命令を有するゾーン12を備えている。またこのメモリ9は、電源電圧と電圧設定ポイントとの差を定めるためのコード命令を有するゾーン14と、誤差を決定するためのコード命令を有するゾーン10と、インバータのための制御ベクトルを選択するためのコード命令を有するゾーン16と、更に、インバータに対し、選択された制御ベクトルを加えるためのコード命令を有するゾーン17も備えている。
図2は、電源電圧の調節を示す。図2の例では、制御ロジック4は、所定のレンジ[min、max]を発生し、好ましい例では、このレンジは、0を中心として対称的、例えば[−1V、+1V]である。このレンジは、オープンにすることも可能であることが理解されると思う。
この制御ロジック4は、インターフェース10において、設定ポイントの電源電圧U*DCを受信する。この設定電源電圧U*DCは、電源電圧の測定値のフィルタにかけられた値であることが好ましい。この電圧は、例えばカルマン、またはルーエンベルガータイプのステート再構成器を使った電源電圧の推定値でもよい。このフィルタにかけられた値、またはこの推定値によって、電圧内のリップル分を電源電圧の平均値の前後に制限することが可能となる。
制御ロジック4は、電源電圧UDCの測定値を取得する。この制御ロジック4は、インバータ1に近いDCバスの電圧を測定することにより、このDCバスの電圧でもある電源電圧UDCのこの測定値を取得してもよい。また、制御ロジック4は、推定または間接的な測定により、電源電圧UDCの測定値を取得してもよい。
制御ロジック4は、瞬間的電源電圧誤差ΔUDCを計算する。一例では、ΔUDCは、電源電圧UDCと設定ポイント電圧U*DCとの差である。この瞬間的電源電圧誤差ΔUDCは、制御ロジック4により所定のレンジ[min、max]内に維持されるが、このように所定レンジ内に維持されない場合、負荷が制御されなくなる可能性がある。このために、制御ロジックは、この制御ベクトルに対し、電源電圧UDCが設定電圧値U*DCにできるだけ接近する制御ベクトルを選択する。この制御ロジックは、選択された制御ベクトルをインバータに加える。
一例では、電源電圧UDCの調節は、2つの方法によって実行できる。第1の方法では、予測方法により電源電圧UDCが調節され、第2の方法では、ヒステリシス方法に従って電源電圧UDCが調節される。
これら2つの方法は、インバータ用の現存するすべてのタイプの制御と組み合わせることもできる。このように、上流側部分を、予測方法またはヒステリシス方法によって制御し、下流側部分を、現在のタイプのインバータ制御を使って制御することができる。
予測方法
電源電圧UDCを調節する第1方法では、制御ロジック4は、予測方法を使用し、予測方法は、DCバスのインピーダンスの所定のモデルに基づく。DCバスのインピーダンスのこの所定モデルは、DCバスのための予測モデルを示す。
瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが、所定のレンジ[min、max]から離脱する場合、制御ロジック4は、DCバスのモデルと可能な制御ベクトルとを比較し、この比較に基づいて、制御ロジックは、誤差を所定のレンジ内に戻すことができるようにする制御ベクトルを選択する。従って、DCバスのこのモデルにより、所定の制御ベクトルに対するDCバスの応答をシミュレートすることができる。このシミュレートにより、所定の基準に最良に対応する制御ベクトルを選択するように、種々の可能な制御ベクトルをテストすることができる。
予測方法を使った電源電圧の調節は、最良の可能なスイッチング動作を選択するように、インバータのブリッジアームのスイッチのスイッチングを実行しなければならないときの電圧UDCの変化を考慮するようになっている。
電源電圧に対するこのような方法により、デカップリング容量の値が小さいときに、電源電圧のリップルを制御することが可能となっている。容量が小さい状態で、インヅクタンスが最も少ないと仮定すると、インバータの上流側に共振回路が形成され、これによって、電源電圧にリップルが生じる。
このリップル分は、スイッチのターミナルにおける許容逆電圧を越えることにより、インバータのスイッチを不可逆的に破壊することがあり得る。これによって、電気消費機器、特に自動車の場合には、電源に並列に接続されているヘッドランプへの給電が遮断される。
ヒステリシス方法
電源電圧を調節する第2の方法では、制御ロジック4は、ヒステリシス方法を使用する。瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジから離脱する場合、制御ロジック4は、インバータ1に加えられたときに、インバータ1の入力端に電流ステージを形成でき、これによって、電源電圧UDCの変化方向を補正することができるようにする制御ベクトルを選択する。
この瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定レンジの最大値よりも大きくなった場合、制御ロジック7は、電源電圧に対する十分な傾きの破断点がその変化方向が変わるようにする正の電源電流ステージを生じさせる。同様に、瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジの最小値を下回った場合、制御ロジック4は負の電源電流ステージを形成する。
このようなヒステリシス方法により、DCバスの予測モデルを知らなくてもよいようになる。このモデルは、例えば値が極めて小さい寄生素子の測定を必要とするので、モデルを得ることは困難である。
この方法は、DCバスのパラメータの変化に対して従順でない。すなわち、結果が前記パラメータの変化に依存しない。
更に、この方法のアルゴリズムは、実行が簡単かつ迅速である。
最後に、この方法は、アナログ式またはデジタル式に実行できる。
予測方法と予測電流または予測電圧制御との組み合わせ
図3は、インバータ1の上流側制御と下流側制御の双方を行うように、予測方法と負荷3の予測電流制御、または負荷3のベクトル電圧制御とを組み合わせた、本発明の一実施例を示す。
図3の例では、制御ロジック4は、ステップ20で所定の幾何学的構造を発生する。この所定の幾何学的構造を決定するために、制御ロジック4は、ステップ20において(下流側制御のために必要な)幾何学的構造の第1部分、および(上流側制御に必要な)所定のレンジ[min、max]内にあるこの幾何学的構造の第2部分を発生する。この幾何学的構造の第1部分の発生は、負荷3の制御モードに応じて決まる。
負荷3の予測電流制御の場合、インバータ1は、電流に関して負荷3を制御する。この制御ロジック4は、負荷3の各位相の電流の測定値を取得する。この制御ロジック4は、負荷3の位相における測定を実行するか、または推定を行うか、間接的な測定を実行するかのいずれかにより、これら測定値を取得できる。
位相電流の組は、ステータをベースとする表示の電流ベクトル(数1)によって表示できる。制御ロジック4は、インターフェース10にて設定ポイント電流ベクトル(数2)を受信する。制御ロジック4は、ベクトル電流誤差を計算する。
一例として、ベクトル電流誤差(ΔIx、ΔIy)は、電流ベクトル(数1)と設定ポイント電流ベクトル(数2)との差である。負荷の電流制御を最適にするには、ベクトル電流誤差をできるだけ小さくする必要がある。次に、制御ロジック4により、平面状ドメインにベクトル電流誤差を割り当てる。この平面状ドメインは、ステップ20において、制御ロジック4により作成された所定の幾何学的構造の第1部分である。
好ましい一実施例では、この平面状ドメインはディスクであり、これによって、平面状ドメインからの離脱を容易に検出することが可能となる。
Figure 2007043896
Figure 2007043896
多相電気負荷を知り、その測定を行うことにより、制御ロジック4が、インバータの制御ベクトルの関数としてのベクトル電流誤差の変化の予測モデルを作成することが可能となる。
ベクトル電流誤差がディスクから離脱する場合、制御ロジック4は、可能な制御ベクトルと負荷3のモデルとを比較する。制御ロジック4は、この比較に基づき、ベクトル電流誤差をディスク内まで戻すような制御ベクトルを選択する。
負荷3をベクトル電圧制御する場合、インバータ1は、電圧に関して負荷3を制御する。制御ロジック4は、負荷3の各位相の電圧の測定値を取得する。制御ロジック4は、負荷3の位相の特定を実施するか、または推定もしくは間接測定を行うことにより、これら測定値を取得できる。位相電圧の組は、ステータをベクトルとする表示の電圧ベクトルによって表示できる。
制御ロジック4は、設定ポイント電圧ベクトル(数3)をインバーフェース10で受信し、この制御ロジック4は、ベクトル電圧誤差を計算する。一例では、ベクトル電圧誤差は、設定ポイント電圧ベクトル(数3)と電圧ベクトル(数4)との差である。負荷を効果的に制御するよう、負荷の電圧制御を最適にするには、ベクトル電圧誤差の平均標準値をできるだけ小さくする必要がある。
Figure 2007043896
Figure 2007043896
電圧ベクトルがとる値は離散的であるので、瞬間的にベクトル電圧誤差をキャンセルすることはできない。制御ロジック4は、その部分に対して、キャンセルできるベクトル電圧誤差の変換を実行する。
好ましい一実施例では、制御ロジックは、平均値に換算してベクトル電圧誤差をキャンセルできる。一例では、このベクトル電圧誤差の平均値のキャンセルは、前記ベクトル電圧誤差を時間積分することによって得られる。換言すれば、ベクトル電圧誤差の変換は、ベクトル電圧誤差の時間積分である。
負荷3のベクトル電圧制御の質を良好にするためには、すなわち、最適にするには、ベクトル電圧誤差の時間積分をできるだけ小さくしなければならない。次に制御ロジック4は、ベクトル電圧誤差の積分ベクトルを、平面状ドメインに割り当てる。すなわち、積分ベクトルを、この平面状ドメイン内部に維持する。この平面状ドメインは、ステップ20において制御ロジック4が作成する所定の幾何学的形状の第1部分である。好ましい一実施例では、この平面状ドメインはディスクである。
ベクトル電圧誤差の積分が、ディスクから離脱した場合、制御ロジック4は可能な制御ベクトルと、対応する誤差ベクトルの変換値と、対応する変化とを比較する。制御ロジック4は、ベクトル電圧誤差の積分をディスク内に戻す制御ベクトルを選択する。このベクトルは、図5に示した実施例に従って選択される。次の説明において、この実施例について、より詳細に説明する。
一般に、所定の幾何学的構造は負荷3の位相の数に係わらず、少なくとも2つの次元を有する。本明細書に示した例では、3つの位相が存在し、幾何学的形状はディスク状であるので、二次元である。
ステップ20において、制御ロジック4により所定の幾何学的構造を決定した後に、制御ロジック4は、ステップ21にて電源電圧UDCを測定または推定する。ステップ22において、制御ロジック4は、設定ポイント電圧U*DCの関数として瞬間的電源電圧誤差ΔUDCを計算する。この瞬間的電源電圧誤差ΔUDCは、電源電圧UDCと設定ポイント電圧U*DCとの差である。
制御ロジック4は、電流制御の場合には、ベクトル電流誤差をディスク内部に維持しなければならず、電圧制御の場合、ディスク内にベクトル電圧誤差の積分を維持しなければならず、他方、予測方法により、瞬間的電圧電源誤差ΔUDCを所定のレンジ内に維持しなければならない。
これを行うために、制御ロジック4は、ステップ23において、誤差ベクトル数5を定める。この誤差ベクトル(数5)は、ベクトル電流誤差(ΔIx、ΔIy)(下流側制御)またはベクトル電流誤差の積分と電源電圧誤差ΔUDC(上流側制御)との連結を表示するものである。従って、この方法の目的は、所定の幾何学的構造内に誤差ベクトル(数5)((ΔIx、ΔIy)、ΔUDC)が永続的に留まるように、多相インバータのスイッチのステートを定めることにある。
この所定の幾何学的構造は、ある容積である。この容積は、所定の幾何学的構造の第1部分および所定のレンジを示す。所定の幾何学的構造の第1部分がディスクである場合、誤差ベクトル数5の空間領域は円筒体である。
Figure 2007043896
一般に、所定の幾何学的形状の第1部分は、負荷3の位相の数に係わらず、少なくとも2つの次元を有する。本明細書で示した例では、3つの位相が存在し、幾何学的構造の第1部分はディスクであるので、二次元である。更に、幾何学的構造の第1部分の次元を、瞬間的電源電圧誤差の次元に結合すると、この構造は、別の次元まで拡張される。従って、図3の例では、ステップ20で作成された所定の幾何学的構造は、円筒体、すなわち三次元の構造である。
電流に関して予測可能、または電圧に関して予測可能な2つの予測モデルを用いることにより、制御ロジック4は、どんな時間にも空間内の誤差ベクトル(数5)の軌跡を推定できる。従って、制御ロジック4は、誤差を円筒体内に維持できるインバータのための制御ベクトルを最適に決定できる。
ステップ24において、制御ロジック4は、誤差ベクトル(数5)が円筒体内にあるかどうかを見るために、誤差ベクトル(数5)を永続的に精査する。誤差ベクトルが円筒体の外側にある場合、制御ロジック4は、ステップ25において誤差ベクトル(数5)が円筒体に向かって収束しているかどうかを判断する。
誤差ベクトル(数5)が円筒体に向かって収束している場合、制御ロジック4はインバータ1に対して同じ制御ベクトルを維持する。誤差ベクトル(数5)が円筒体に向かって収束していない場合、制御ロジック4は、ステップ26において円筒体内に誤差ベクトル(数5)を戻す新しい制御ベクトルを選択する。
図5には、ステップ26におけるこの新しい制御ベクトルを選択するための基準が示されている。ステップ27において、制御ロジック4は、この新しい制御ベクトルを用いることによりインバータ1を制御する。
従って、かかる結合により、幾何学的構造の所定の容積に対し、スイッチの平均スイッチング周波数を最小にすることが可能であり、スイッチング損失が少なくなり、従って電力部品にかかるストレスも小さくなる。
図5は、予測方法のための制御ベクトルの選択における種々のステップを示す。予備的ステップ60では、制御ロジック4は、新しい制御ベクトルを選択する。このために、制御ロジック4は、ステップ61において、インバータ1のブリッジアームのアクセス可能な制御ベクトル、およびアクセス不能な制御ベクトルを決定する。アクセス可能な制御ベクトルとは、インバータ1の電流状態に関して、単一のブリッジアームでの1回のスイッチング動作を必要とする制御ベクトルのことであり、アクセス不能な制御ベクトルとは、残りの制御ベクトルのことである。
ステップ62において、制御ロジック4は、アクセス可能な制御ベクトルのうちの、誤差を幾何学的構造内まで戻すベクトルを決定する。次に制御ロジックは、これら制御ベクトルのうちの、次の誤差が生じるまでかかる時間を最長にするベクトルを決定する。
制御ロジック4は、このようなアクセス可能な制御ベクトルによりインバータを制御する。
アクセス可能な制御ベクトルのいずれも、誤差を幾何学的構造内まで戻すことができなかった場合、制御ロジック4は、ステップ63においてアクセス不能な制御ベクトルのうちの1つが誤差を幾何学的構造内まで戻すかどうかをチェックする。制御ロジックは、これら制御ベクトルのうちで次の誤差が生じるまで、かかる時間を最大にするベクトルを決定し、インバータにおけるスイッチング損失を低減する。
予測制御の精度を高めるために、幾何学的構造の中心に最も近い制御ベクトルを提供することも可能である。
制御ロジック4は、このような制御不能な制御ベクトルにより、インバータを制御する。
アクセス可能な制御ベクトル、またはアクセス不能な制御ベクトルのいずれも、誤差を幾何学的構造内まで戻すことができない場合、制御ロジック4は、次のように制御ロジックを選択できる。
すなわち、幾何学的構造からの距離を最短にする制御ベクトルを選択できる。
当然ながら、このケースにおいて、アクセス可能なベクトルとアクセス不能なベクトルとの差を求めることも可能である。
ヒステリシス方法とヒステリシス電流制御との組み合わせ
図4は、インバータの上流側制御と下流側制御の双方を行うようにヒステリシス方法と負荷3の電流制御とを結合した別の実施例を示す。負荷3を電流制御する場合、インバータ1は電流に関して多相電気負荷3を制御する。図3の例では、制御ロジック4はステップ30においてヒステリシスを発生する。
このヒステリシスにより、負荷3の各位相のスカラー電流誤差と2つの所定の異なる電流誤差スレッショルドとを比較することが可能となる。従って、ヒステリシスを発生すると、あるレンジ[δH1、δH2]を発生することになる。このヒステリシスは電流誤差スレッショルドδH1を定める。このスレッショルドに対し、ヒステリシスは、その出力端において、(ここでは+UDCの)位相制御を行い、更にヒステリシスは、(ここでは0の)位相制御の発生を停止させる電流誤差スレッショルドδH2も定める。
ステップ31において、制御ロジック4は、所定のレンジ[min、max]を発生する。制御ロジックは、ステップ32において、電源電圧UDCを測定または推定し、ステップ33にて設定ポイント電圧U*DCの関数としての瞬間的電源電圧誤差ΔUDCを計算する。ステップ34において、制御ロジック4は瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジ内にあるかどうかをチェックするように、この瞬間的電源電圧誤差を永続的に精査する。
瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジ内にある場合、制御ロジック4は、ステップ50を実行する。瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジよりも外にある場合、制御ロジック4は、ステップ35を実施する。
ステップ50は、インバータ1の下流側の負荷3の制御に対応し、ステップ35は、インバータの上流側での電源電圧の制御に対応する。図4の例では、インバータの上流側部分の制御は、インバータの下流側の制御よりも優先する。換言すれば、瞬間的電源電圧誤差ΔUDCを所定のレンジ内に維持する目的の選択の結果は、ヒステリシスの出力よりも優先する。その理由は、上流側で制御がなくなれば、下流側でも制御が行われなくなるからである。すなわち、必要な電圧が上流側で得られなかった場合、下流側で必要な電流を流すことができなくなるからである。
ステップ35では、制御ロジック4は、瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジの最大値以上であるかどうかをチェックする。誤差が最大値以上であれば、制御ロジック4は、ステップ36で瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定レンジに向かって収束していると判断する。瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定レンジに向かって収束中であれば、制御ロジック4は、同じ制御ベクトルを維持する。
瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定レンジに向かって収束していなければ、制御ロジック4は、ステップ37で瞬間的電源電圧誤差ΔUDCを所定レンジ内に戻すような、上記新しい制御ベクトルを選択する。
ステップ35において、瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが最大値未満であれば、制御ロジック4は、ステップ38において、瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジの最小値以下であるかどうかをチェックする。誤差が最小値以下であれば、制御ロジック4は、ステップ39において瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定レンジに向かって収束していると判断する。瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが、所定レンジに向かって収束していれば、制御ロジック4は同じ制御ベクトルを維持する。
瞬間的電源電圧誤差ΔUDCが所定のレンジに向かって収束していなければ、制御ロジック4は、ステップ37にて所定のレンジ内に瞬間的電源電圧誤差ΔUDCを戻す新しい制御ベクトルを選択する。
ステップ50において、制御ロジック4は、負荷3の各位相の電流を測定または推定する。制御ロジック4は、インターフェース10にて設定ポイント電流を受信し、この制御ロジック4は、ステップ51にて負荷3の各位相の電流誤差を計算する。一例では、この電流誤差は、位相電流と設定ポイント電流との差に等しい。
ステップ52において、制御ロジック4は、負荷3の各位相の各電流誤差とヒステリシスとを比較する。このヒステリシスは、その出力端において、負荷3の位相の各々に対する位相制御を行う。この位相制御は、対応するインバータの各ブリッジアームのステートを決定する。
換言すれば、負荷の電流制御は、インバータにおける位相電流誤差の関数として多相インバータのブリッジアームのステートを定める。対応するアーム内のこの誤差に応じ、ヒステリシス原理に従い、制御ベクトルを変えるような選択が行われる。
ヒステリシスの出力状態の数は、制御されている多相インバータの出力レベルの数に等しい。
ブリッジアームの電流誤差がヒステリシスの外側にある場合、制御ロジック4は、ステップ53において、ヒステリシスに対し、電流誤差が収束しているかどうかと判断する。前記ブリッジアームの電流誤差がヒステリシスに向かって収束中であれば、このことは、インバータのすべてのブリッジアームに関しても言える。
ブリッジアームの電流誤差が、ヒステリシスに向かって収束していなければ、制御ロジック4は、このブリッジアームのためにステップ54において、新しい位相制御を行う。このことは、1つのアームについて、1つのヒステリシスは生じ、従って、負荷3の位相ごとにヒステリシスが生じるようインバータのすべてのブリッジアームに関しても言える。
ステップ40において、制御ロジック4は、この新しい制御ベクトルによりインバータ1を制御する。
変形実施例
負荷の電流制御と組み合わされたヒステリシス方法の変形例を使って負荷3を制御することができる。この変形制御方法は、負荷がアイソレートされたとき、すなわち負荷の位相の中立点がどの電位にも接続されなくなったときに使用される。実際に負荷がアイソレートされると、対応する位相を制御するためのヒステリシスのうちの1つは、冗長となることがわかっている。この場合、位相電流の合計が常に0に等しくなるからである。従って、所定の時間において、ブリッジアームのうちの1つは実際に電流制御できなくなる。
負荷の電流制御を行うために、制御ロジック4はヒステリシスの作動モードを変更する。制御ロジック4は、負荷の各位相の誤差とヒステリシスとを比較することによって、N−1個のブリッジアームにて電流制御を行う。ここで、Nは負荷の位相の数であり、ブリッジアームと同じ数の位相が存在する。
好ましい実施例では、制御ロジック4は、ブリッジアームをロックすることにより、最大の位相電流により、ブリッジアームでの電圧制御を行う。このブリッジアームをロックすることは、前記ブリッジアームを所定のステートに維持することを意味する。換言すると、前記ブリッジアームでのスイッチの状態は変化しない。
制御ロジック4は、インバータのブリッジアームのすべてを交互にスイッチングできるようにする。この利点は、ブリッジアーム内の電流が最大になったときにブリッジアームがスイッチングされないこと、すなわち、スイッチのスイッチングによって生じる損失が低減できることである。
電流ベクトル(数1)と設定ポイント電圧ベクトル(数3)との間の位相シフトに応じ、最大位相電流でブリッジアームをロックできないことがときどきある。この場合、制御ロジック4は、第2の最大の位相電流でブリッジアームをロックする。ブリッジアームをロックできない場合、制御ロジック4は、第3の最大の位相電流でブリッジアームをロックし、更にブリッジアームをロックできない場合、次に大きい位相電流でブリッジアームをロックする。
従って、アイソレートされた負荷に結合する1つの利点は、スイッチング損失を最適に低減できることである。
従って、アイソレートされ得るか、またはアイソレートされない負荷3のヒステリシス制御とヒステリシス結合とを組み合わせる利点は、次のとおりである。
−アルゴリズムが実行上簡便かつ迅速となり、搭載信号プロセッサ内にアルゴリズムを容易に組み込むことができる。
− 負荷のパラメータの変化に対して、ロバストである。すなわち従順でない。
本発明に係わる方法を実施するための手段を示す。 本発明の方法に従って、所定レンジ内に電源電圧誤差を調節する方法を示す。 本発明の方法に従って、インバータのための予測方法と現在の制御技術とを組み合わせるためのステップを示す。 本発明の方法に従って、インバータのためのヒステリシス方法と現在の制御技術とを組み合わせるためのステップを示す。 本発明の方法に従い、制御ベクトルを選択するためのステップを示す。
符号の説明
1 多相インバータ
2 DCバス
3 多相負荷
4 制御ロジック
5 電圧電源
6 デバイス
7 デカップリングコンデンサ
8 マイクロプロセッサ
9 プログラムメモリ
10 入出力インターフェース
11 バス
12、15、17 ゾーン

Claims (13)

  1. パルス幅変調によって負荷を制御するようになっており、上流側がDCバスを介して電源電圧に接続され、下流側が電気負荷に接続されている電圧インバータを制御するための方法において、
    前記インバータの出力端における電源電圧を測定するステップと、
    前記電源電圧の測定値と設定ポイント電圧とを比較するステップと、
    瞬間的電源電圧誤差からこの比較を推定するステップと、
    前記瞬間的電源電圧誤差を所定のレンジ([min、max])内に維持するような、インバータのための制御ベクトルを選択するステップと、
    制御ベクトルをインバータに適用するステップとを備えることを特徴とする、電圧インバータを制御するための方法。
  2. 前記所定のレンジは、0を中心として対称的であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. インバータの制御を行うために、前記瞬間的電源電圧誤差が前記所定のレンジから離脱した場合に、
    DCバスのインピーダンスの所定のモデルに基づき、予測方法を実施するステップを有し、
    この予測方法を実行するステップは、
    前記DCバスのインピーダンスのモデルと可能な制御ベクトルとを比較するステップと、
    前記瞬間的電源電圧誤差を所定のレンジに戻すことができる制御ベクトルを選択するステップとを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記予測ベクトル電流制御を行うために、
    前記多相位相の位相電流を測定するステップと、
    前記電流測定値から、負荷内の電流ベクトルを決定するステップと、
    設定ポイント電流に対するベクトル電流誤差を計算するステップとを有し、
    前記ベクトル電流誤差が所定の幾何学的構造から離脱した場合に、
    可能な制御ベクトルと負荷のモデルとを比較するステップと、
    ベクトル電流負荷を所定の幾何学的構造内に戻す制御ベクトルを選択するステップとを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. ベクトル電圧制御を行うために、
    インバータの出力電圧を測定するステップと、
    設定ポイントベクトルに対する電圧ベクトルを決定するステップと、
    電圧誤差ベクトルを計算するステップと、
    電圧誤差ベクトルを変換するステップとを有し、
    電圧誤差ベクトルの変換が所定の幾何学的構造から離脱した場合に、
    可能な制御ベクトルと対応する誤差ベクトルの変換の対応する変化とを比較するステップと、
    ベクトル電圧誤差の変換値を所定の幾何学的構造内に戻す制御ベクトルを選択するステップとを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記変換は、時間積分であることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 前記所定の幾何学的構造は、少なくとも2つの次元を備えることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
  8. インバータの制御を行うために、前記瞬間的電源電圧誤差が所定のレンジから離脱した場合に、
    ヒステリシス方法を実施するステップは、
    電源電圧の変化する方向を補正する、前記インバータの入力端における電流ステージを形成できる制御ベクトルを選択するステップを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  9. 所定のレンジ([min、max])および瞬間的電源電圧誤差(ΔUDC)(ここで、電源電圧誤差(ΔUDC)は測定された電圧(UDC)−設定ポイント電圧(U*DC))である)を知るステップを備え、
    前記電源電圧誤差(ΔUDC)が所定レンジ([min、max])の上限(max)以上である場合に、電流を増加できる制御ベクトルを選択し、
    前記電源電圧誤差(ΔUDC)が所定レンジ([min、max])の下限(min)以下である場合に、電流を減少できる制御ベクトルを選択することを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. ヒステリシス電流制御をするために、
    各位相電流に対する電流誤差を計算するステップと、
    前記電流誤差とヒステリシスとを比較するステップとを備え、
    前記ヒステリシスとの比較の結果、対応する位相のための制御を行い、
    所定のレンジ内に瞬間的電圧誤差を維持する目的を有する選択の結果を、前記ヒステリシスとの比較の結果よりも優先させることを特徴とする、請求項1、2、8、9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記選択ステップは、前記誤差の変化をチェックする、収束をチェックするステップを備え、この変化が電流制御ベクトルと共に誤差を補正する方向にある場合に、制御ベクトルを変化させないままにすることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 多数の制御ベクトルが適当である場合に、インバータにおけるスイッチング動作の回数を最小にする制限ベクトルを優先的に選択し、次に、次の誤差が生じるまでの時間を最大にする制御ベクトルを選択することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  13. 上流側がDCバスに接続され、下流側が電気負荷、更に制御ロジックにも接続された電圧インバータを含み、前記制御ロジック(4)は、前記方法を実施して、インバータのための制御ベクトルを発生するようになっていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法を実行するためのデバイス。
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