JP2007043757A - マルチビットd/a変換器及びマルチビットd/a変換方法 - Google Patents

マルチビットd/a変換器及びマルチビットd/a変換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の電流源の電流のばらつきを極力減らして、性能の向上を図ったマルチビットタイプのD/A変換器を得る。
【解決手段】2個の定電流源10のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、最後のアドレス番号の次に最初のアドレス番号を選択し再び2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段7、8と、選択された定電流のデグリッチを行い、デグリッチされたDi個の電流値を加算する加算手段9とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マルチビットタイプのマルチビットD/A変換器及びマルチビットD/A変換方法に関する。
CDプレーヤ等のデジタルオーディオ機器で使用されるD/A変換器の中で、16ビット以上の高精度が要求される場合は、1ビットタイプのD/A変換器が採用されることが多い。その理由は、1ビットタイプのD/A変換器は、1個の定電流源及び1個の電流スイッチで構成されているので、マルチビットタイプのD/A変換器の欠点である複数の定電流源相互の電流値のばらつきによる非線形性や、複数の電流スイッチのオンオフのタイミングのずれによる過渡領域におけるノイズ(グリッチ)が原理的に発生しないと言う利点を有しているからである。
次に、図20を参照して、従来の1ビットタイプのD/A変換器を説明する。入力端子1を通じて、通過帯域が可聴帯域(0〜20kHz)であるデジタルローパスフィルタ部2に、サンプリング周波数がFS(Hz)、語長が16ビットのデジタルオーディオ信号が供給されて、サンプリング周波数が8倍にアップサンプリングされたデジタルオーディオ信号が出力される。このデジタルローパスフィルタ部2の出力であるデジタルオーディオ信号は、直線補間部3に供給されて、サンプリング周波数が更に8倍にアップサンプリングされて、サンプリング周波数が64FS(Hz)のデジタルオーディオ信号が出力される。この直線補間部3より出力されたデジタルオーディオの語長は、直線補間部3の演算によって、20ビットになされており、入力語長16ビットより4ビットだけ長くなっている。
直線補間部3より出力されたデジタルオーディオ信号は、ノイズシェーパ部(Δ−Σ変調器)4に供給されて、4ビットに量子化される。このノイズシェーパ部4では、20ビットの入力デジタルオーディオ信号を4ビットに量子化した際に発生する量子化ノイズの低域の成分を高域にシフトして、可聴帯域(0〜20kHz)でのタイナミックレンジを確保するようにしている。
ノイズシェーパ部4から出力された、サンプリング周波数が64FS(Hz)で、4ビットに量子化されたデジタルオーディオ信号は、PWM(パルス幅変調)パルス変換部5に供給されてパルス幅変調されて、出力端子6に被パルス幅変調オーディオ信号が出力される。このPWMパルス変換部5は1個の定電流源及び1個の電流スイッチから構成される。PWMパルス変換部5では、1周期、即ち、{1/(64FS)}(sec)の中で、入力される4ビットデータに応じた16通りのパルス幅を表現するために、64FS(Hz)×16=1024FS(Hz)の周波数分解能、即ち、{1/1024FS}(sec)の時間軸分解能を必要とする。
例えば、CD(コンパクトディスク)に記録されているデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数FSは、44.1(kHz)であるから、そのデジタルオーディオ信号をD/A変換するためには、64FS(Hz)×16=1024FS(Hz)=45.1584(MHz)のクロック信号を必要とすると共に、(1/1024FS)=22.14(nsec)と言う頗る高精度の時間分解能を必要とする。
図20の従来の1ビットタイプのD/A変換器では、ノイズシェーパ部4の出力デジタルオーディオ信号のビット数は4ビットであったが、一般的には1〜5ビット程度である。フィルタ部2及び直線補間部3の出力語長は、それぞれ8ビットであったが、一般的には16〜24ビット程度である。
かかる1ビットタイプのD/A変換器は、例えば、16ビット以上と高精度のD/A変換器である反面、使用するクロック信号の周波数が、例えば、約20〜50MHzと頗る周波数が高い上に、時間軸に対する感度が高い。このため、かかるD/A変換器をプリント基板に実装する場合は、クロックジッタを最小限に抑える必要から、クロック信号が伝送される線路の引回し等には、十分注意を払わなければならない。又、使用するクロック信号の周波数が頗る高いので、不要輻射に対する対策もかなり厳しいものが要求されるので、そのための部品追加等によるコストの上昇も問題となる。
又、低価格帯の電子機器に搭載するD/A変換器、特に、電流型のD/A変換器や、最近注目されているDVD(デジタルビデオディスク)の再生装置に対するAC−3等の多チャンネルソースに対応したオーディオ/ビデオ用増幅器に搭載するD/A変換器については、使用されるクロック信号の周波数を従来より低くすることが強く要求されている。
さて、ノイズシェーパ部4で発生するPWMパルスデータの出力ビット長をN(ビット)、その演算速度をFop(Hz)とすると、1ビットタイプのD/A変換器で使用されるクロック信号の周波数Fmck1(Hz)は、
〔数1〕 Fmck1=2×Fop
で表される。この数1の式から、クロック信号の周波数Fmck1を低くするには、ノイズシェーパ部4より発生されるPWMパルスデータの出力ビット長Nを短くするか、又は、ノイズシェーパ部4の演算速度Fopを低くしなければならないことが分かる。
しかし、ノイズシェーパ部4のPWMパルスデータの出力ビット長Nを1ビット短くする毎に、ダイナミックレンジが6dB低下し、ノイズシェーパ部4が3次の場合を例にとると、演算速度が1/2に低下する毎に、ダイナミックレンジが21dBも低下してしまう。又、出力ビット長Nを短くすると、量子化ノイズが増大するので、ノイズシェーバ部4の系の安定性が補償できなくなるおそれがあり、このため量子化ノイズが増大した分、入力データの利得を低下させる必要があり、実際には、ダイナミックレンジは上述の6dBより大きく低下してしまう。従って、PWMパルスデータの出力ビット長Nを短くすることは、実現不可能である。又、1ビットタイプのD/A変換器で使用されるクロック信号の周波数を、上述の約20〜50(MHz)より低くすることは、一般的にできない。
そこで、使用するクロック信号の周波数を低くできるマルチビットタイプのD/A変換器が必須となる。マルチビットタイプのD/A変換器で使用されるクロック信号の周波数Fmck2(Hz)は、振幅方向でレベル情報を表現するために、ノイズーシェーパ部から発生されるPWMパルスデータの出力ビット長Nに無関係に、
〔数2〕 Fmck2=Fop=Fmck1/2
で表される。
上述したように、マルチビットタイプのD/A変換器は、PWMパルス変換部を、複数の定電流源及びそれぞれに対応した複数の電流スイッチで構成しなければならないので、複数の定電流源の電流のばらつき及び複数の電流スイッチのスイッチタイミングのばらつきによる性能劣化が問題となる。そこで、マルチビットタイプのD/A変換器を採用する場合は、複数の定電流源の電流のばらつきを極力減らし、複数の電流スイッチのスイッチタイミングのばらつきによって発生するグリッチの影響を極力少なくすることが必要となる。
かかる点に鑑み、本発明は、複数の電流源の電流のばらつきを極力減らして、性能の向上を図ったマルチビットタイプのD/A変換器を提案しようとするものである。
更に、本発明は、複数の電流源の電流のばらつきを極力減らし、且つ、複数の電流源に対応する複数の電流スイッチのスイッチタイミングのばらつきによって発生するグリッチの影響を極力少なくすることによって、性能の向上を図ったマルチビットタイプのD/A変換器を提案しようとするものである。
本発明のマルチビットD/A変換器は、複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定手段と、複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、最後のアドレス番号の次に最初のアドレス番号を選択し再び2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段と、選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチ手段と、選択手段によって選択され、グリッチ手段によってデグリッチされたDi個の電流値を加算する加算手段とを備えるものである。
かかる本発明によれば、アドレス設定手段は、複数の各定電流源にアドレス番号を設定する。定電流源は、複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)である。選択手段は、2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、最後のアドレス番号の次に最初のアドレス番号を選択し再び2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する。デグリッチ手段は、選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行う。加算手段は、選択手段によって選択され、グリッチ手段によってデグリッチされたDi個の電流値を加算する。
本発明によれば、複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定手段と、複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、最後のアドレス番号の次に最初のアドレス番号を選択し再び2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段と、選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチ手段と、選択手段によって選択され、グリッチ手段によってデグリッチされたDi個の電流値を加算する加算手段とを有するので、複数の定電流源を平均化して使用するために、電流値の大小に従ってアドレスの順番に選択し、全部使い終わったら最後のアドレスから最初のアドレスに戻って選択を繰り返すために、定電流源を選択する際に、選択のタイミングのばらつきによって発生するグリッチの影響を少なくすることができ、これにより、複数の電流源の電流のばらつきを極力減らして、性能の向上を図ったマルチビットタイプのD/A変換器を得ることができる。
また、本発明によれば、複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定手段と、複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、2個の定電流源をアドレス番号をランダムに1回ずつ、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、再び2個の定電流源をアドレス番号をランダムに1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段と、選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチ手段と、選択手段によって選択され、グリッチ手段によってデグリッチされたDi個の電流値を加算する加算手段とを有するので、複数の定電流源を平均化して使用するために、電流値の大小に応じてアドレスをランダムに選択し、全部使い終わったら再度アドレスをランダムに選択を繰り返すために、定電流源を選択する際に、選択のタイミングのばらつきによって発生するグリッチの影響を少なくすることができ、これにより、複数の電流源の電流のばらつきを極力減らして性能の向上を図ったマルチビットタイプのD/A変換器を得ることができる。
また、本発明によれば、複数の各定電流源の電流値がそれぞれi、i、i、…………、i(但し、i<i<i<…………<i : M=2)であって、各定電流源の電流値が最小値の順にi、i、i、………、iM/2 となるM/2個の定電流源からなる第1のグループと定電流源の電流値が最大値の順にi(M/2+1) 、i(M/2+2) 、i(M/2+3) 、…………、iとなるM/2個の定電流源からなる第2のグループのどちらか一方のグループに属する定電流源に順次奇数アドレス番号を設定し、他方のグループに属する定電流源に順次偶数アドレス番号を設定するアドレス設定手段と、アドレス設定手段によって奇数アドレス番号および偶数アドレス番号に設定された2個(但し、N=2、3、4、…………、(M=2))の定電流源と、2個の定電流源のうち、1入力データ、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、該2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段と、選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチ手段と、選択手段によって選択されたDi個の定電流源の各定電流源の電流値を加算する電流加算手段とを有するので、アドレス設定複数の定電流源を平均化して使用するために、電流値の最小値からと最大値からアドレスをランダムに選択する際に、選択のタイミングのばらつきによって発生するグリッチの影響を少なくすることができ、これにより、複数の電流源の電流のばらつきを極力減らして、性能の向上を図ったマルチビットタイプのD/A変換器を得ることができる。
本発明によれば、複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定ステップと、複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、最後のアドレス番号の次に最初のアドレス番号を選択し再び2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択ステップと、選択ステップによって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチステップと、選択ステップによって選択され、グリッチ手段によってデグリッチされたDi個の電流値を加算する加算ステップとを有するので、複数の定電流源を平均化して使用するために、電流値の大小に従ってアドレスの順番に選択し、全部使い終わったら最後のアドレスから最初のアドレスに戻って選択を繰り返すために、定電流源を選択する際に、選択のタイミングのばらつきによって発生するグリッチの影響を少なくすることができ、これにより、複数の電流源の電流のばらつきを極力減らして、マルチビットタイプのD/A変換処理の性能の向上を図ることができる。
本発明によれば、複数の各定電流源の電流値がそれぞれi、i、i、…………、i(但し、i<i<i<…………<i : M=2)であって、各定電流源の電流値が最小値の順にi、i、i、………、iM/2 となるM/2個の定電流源からなる第1のグループと定電流源の電流値が最大値の順にi(M/2+1) 、i(M/2+2) 、i(M/2+3) 、…………、iとなるM/2個の定電流源からなる第2のグループのどちらか一方のグループに属する定電流源に順次奇数アドレス番号を設定し、他方のグループに属する定電流源に順次偶数アドレス番号を設定するアドレス設定ステップと、アドレス設定ステップによって奇数アドレス番号および偶数アドレス番号に設定された2個(但し、N=2、3、4、…………、(M=2))の定電流源と、2個の定電流源のうち、1入力データ、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、該2個の定電流源をアドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択ステップと、選択ステップによって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチステップと、選択ステップによって選択されたDi個の定電流源の各定電流源の電流値を加算する電流加算ステップとを有するので、アドレス設定複数の定電流源を平均化して使用するために、電流値の最小値からと最大値からアドレスをランダムに選択する際に、選択のタイミングのばらつきによって発生するグリッチの影響を少なくすることができ、これにより、複数の電流源の電流のばらつきを極力減らして、マルチビットタイプのD/A変換処理の性能の向上を図ることができる。
以下に、図1〜図5を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。先ず、図1を参照して、実施例のマルチビットのD/A変換器の全体の構成を説明する。サンプリング周波数がFS(Hz)、語長が、例えば、16ビットのデジタルオーディオ信号が、入力端子1を通じて、通過帯域が可聴帯域(0〜20kHz)であるデジタルローパスフィルタ部2に供給されて、サンプリング周波数が、例えば、8倍にアップサンプリングされたデジタルオーディオ信号が出力される。このデジタルローパスフィルタ部2の出力であるデジタルオーディオ信号は、直線補間部3に供給されて、サンプリング周波数が更に、例えば、8倍にアップサンプリングされて、サンプリング周波数が64FS(Hz)のデジタルオーディオ信号が出力される。この直線補間部3より出力されたデジタルオーディオの語長は、直線補間部3の演算によって、20ビットになされており、入力語長16ビットより4ビットだけ長くなっている。
直線補間部3より出力されたデジタルオーディオ信号は、ノイズシェーパ部(Δ−Σ変調器)4に供給されて、例えば、4ビットに量子化される。このノイズシェーパ部4では、20ビットの入力デジタルオーディオ信号を4ビットに量子化した際に発生する量子化ノイズの低域の成分を高域にシフトして、可聴帯域(0〜20kHz)でのタイナミックレンジを確保している。
ノイズシェーパ部4から出力された、サンプリング周波数が64FS(Hz)で、4ビットに量子化されたデジタルオーディオ信号は、PWM(パルス幅変調)パルス変換部に供給されてパルス幅変調される。次に、このパルス幅変調部の構成を説明する。
ノイズシェーパ部4から出力された、サンプリング周波数が64FS(Hz)で、4ビットに量子化されたデジタルオーディオ信号は、4ビットデータ/パラレル16ライン電流スイッチデータ変換回路7に供給される。この「16」は一例であって、この変換回路7の入力データのビット数の2以上の整数倍であれば任意である。
この変換回路7は、後述するパラレル16ライン電流源(定電流源)10の中からどの定電流源を選択するかを決定し、後述するパラレル16ライン電流源(定電流源)ECL(エミッタ結合論理)スイッチング回路8を制御するための16個のスイッチング信号を発生する。
パラレル16ライン電流源ECLスイッチング回路8では、変換回路7からのスイッチング信号によって、入力データに応じた電流出力が一対の差動出力電流i、iとして出力される。この差動出力電流i、iは、スイッチング回路8を構成する16個のスイッチング回路のON/OFFのタイミングの不一致によるグリッチを含んでいる。そこで、デクリッチャー回路9によって、差動電流i、iの内グリッチが含まれている部分をカットしている。このデグリッチャー回路9には、デグリッチ信号発生回路9Aからのデグリッチ信号DGL1、DGL2が供給される。デクリッチャー回路9の出力側の一対の出力端子11、12に、グリッチがカットされた電流出力IOUT(+)、IOUT(−)が得られる。
尚、後述するが、変換回路7によってスイッチング信号を発生する際、電流源10を構成する16個の定電流源相互のばらつきによるD/A変換器の性能低下を、最小限に抑えるようにしている。
次に、図2を参照して、図1の回路8、9及び電流源10の具体構成を説明する。電流源10は、それぞれ定電流がi1 、i2 、………、i15、i16の2=16個の定電流源10、10、………、1015、1016から構成され、その各一端は基準電位点13、13、………、1315、1316に接続されている。
スイッチング回路8は、16個のスイッチング回路8、8、………、815、816から構成され、その各スイッチング回路はそれぞれ一対の差動トランジスタ(NPN形トランジスタ)Q11、Q12;Q21、Q22;…………、Q151 、Q152 ;Q161 、Q162 から構成される。これらトランジスタQ11、Q12;Q21、Q22;…………、Q151 、Q152 ;Q161 、Q162 の各エミッタは、それぞれ定電流源10、10、…………1015、1016の他端に接続され、その各ベースには、変換回路7によって発生されたそれぞれ正相及び逆相のスイッチング信号SW11、SW12;SW21、SW22;…………、SW151 、SW152 ;SW161 、SW162 が供給されて、それぞれいずれか一方がONのとき、他方がONとなるように制御される。このため、スイッチング回路8、8、…………、815、816からは、常に定電流i、i、…………、i15、i16が出力される。
デグリッチャー回路9は、デグリッチ信号発生回路9Aから発生し、それぞれベースに供給される正相及び逆相のデグリッチ信号(スイッチング信号)DGL1、DGL2によって、いずれか一方がON、他方がOFFとなるそれぞれ1対の差動トランジスタ(NPN形トランジスタ)Qa1、Qa2;Qb1、Qb2を有する1対のECLスイッチング回路9a、9bから構成される。スイッチング回路9aを構成する一対の差動トランジスタQa1、Qa2の各エミッタには、スイッチング回路8、8、…………、815、816の各一方のトランジスタQ11、Q21、…………、Q151 、Q161 のコレクタが接続されて、一対の差動トランジスタQa1、Qa2のいずれか一方に電流iSUM(+)が流されるように構成されている。トランジスタQa1のコレクタは、電流iOUT(+)の出力される出力端子11に接続されている。
又、スイッチング回路9bを構成する一対の差動トランジスタQb1、Qb2の各エミッタには、スイッチング回路8、8、…………、815、816の各他方のトランジスタQ12、Q22、…………、Q152 、Q162 のコレクタが接続されて、一対の差動トランジスタQb1、Qb2のいずれか一方に電流iSUM(−)が流されるように構成されている。トランジスタQb1のコレクタは、電流iOUT(−)の出力される出力端子12に接続されている。
トランジスタQa2、Qb2の各コレクタは、一定の直流電流iDC(=iSUM(+)+iSUM(−))の出力される端子14に接続されている。
デグリッチャー回路9では、一対の差動トランジスタQa1、Qa2のいずれか一方に流れる電流iSUM(+)は、それぞれトランジスタQ11、Q21、………、Q151、Q161 からのスイッチングタイミングにばらつきのある電流の総和であるので、この総和の電流にはスイッチングの過渡応答時のノイズ、即ち、グリッチが含まれている。同様に、一対の差動トランジスタQb1、Qb2のいずれか一方に流れる電流iSUM(−)は、それぞれトランジスタQ12、Q22、………、Q152 、Q162からのスイッチングタイミングにばらつきのある電流の総和であるので、この総和の電流にはスイッチングの過渡応答時のノイズ、即ち、グリッチが含まれている。
上述したように、トランジスタQa1、Qb1のベースに正相のデグリッチ信号DGL1が供給され、トランジスタQa2、Qb2のベースに逆相のスイッチング信号が供給されるので、トランジスタQa1、Qa2のスイッチングに拘らず、スイッチング回路9aに流れる電流iSUM(+)は変化せず、又、トランジスタQb1、Qb2のスイッチングに拘らず、スイッチング回路9bに流れる電流iSUM(−)は変化しない。
次に、図3のタイミングチャートを参照して、デグリッチャー回路9の動作説明を行う。図3A、Bは、変換回路7から発生し、それぞれスイッチング回路8の各スイッチング回路8、8、…………、815、816の各差動トランジスタのベースに供給されるそれぞれ正相及び逆相のスイッチング信号SWn1、SWn2(但し、n=1、2、…………、15、16)の波形を示し、このスイッチング信号SWn1、SWn2は、入力信号のサンプリング周波数が64FS(Hz)に対応して、(1/64FS)(sec)毎にデータが切り換わる信号である。
又、図3C、Dは、デグリッチ信号発生回路9Aから発生し、それぞれトランジスタQa1、Qb1およびQa2、Qb2のベースに供給される正相及び逆相のデグリッチ信号DGL1、DGL2の波形を示す。デグリッチ信号DGL1、DGL2は、周期が(1/64FS)sec で、デューティが50%の矩形波信号で、スイッチング信号SWn1、SWn2に対し、(1/256FS)sec だけずれた信号である。尚、デグリッチ信号DGL1は、スイッチング信号SWn1、SWn2が切り換わるタイミングでは、OFFとなる。
デグリッチ信号DGL1がH(高)レベルのとき、トランジスタQa1、Qb1がONになり、それぞれのコレクタにグリッチを含まない電流iOUT(+)、iOUT(−)が流れる。デグリッチ信号DGL1がH(高)レベルのとき、デグリッチ信号DGL2はL(低)レベルなので、トランジスタQa2、Qb2はOFFで、それらのコレクタには電流は流れない。デグリッチ信号DGL2がH(高)レベルのときは、トランジスタQa2、Qb2がONになる。
ところで、トランジスタQa2、Qb2のコレクタ出力は、D/A変換出力として使用しないが、トランジスタQa1、Qb1がOFFのときに、トランジスタQa1、Qa2の接続中点及びトランジスタQb1、Qb2の接続中点にそれぞれ一定電流iSUM(+)、iSUM(−)を流すために、トランジスタQa2、Qb2は必要である。
ここでは、デグリッチ信号DGL1として、256FS(Hz)のクロック信号を用いたが、スイッチング信号SWn1、SWn2が切り換わり、電流出力が切り換わるタイミングを避けることができれば、その他の信号を用いても良い。
デグリッチ信号DGL1のHレベルの時間幅を可変することで、D/A変換出力のレベル制御が可能になるので、このD/A変換器に信号レベル可変機能(音量可変機能)を付与することができる。この時間幅を可変する時間幅可変手段は、デグリッチ信号発生回路9A内に設けることができるが、デグリッチ信号発生回路9A外に設けることができる。因みに、従来の入力デジタルデータと、デジタルボリュームデータ同志の乗算によるボリュウーム機能の場合は、再量子化ノイズが発生するが、このD/A変換器に付与された信号レベル可変機能の場合には、このような再量子化ノイズの発生がなく、デジタルデータの精度低下を伴わずして、理想的なデジタル信号のレベル可変手段を実現できる。
次に、図4を参照して、4ビットデータ/パラレル16ライン電流スイッチデータ変換回路7について説明する。尚、図5に、図4の各部の信号の波形を示す。ノイズシェーパ部4からの並列4ビットデータDIN1〜DIN4が、入力端子17に供給され、出力端子2811、2821、…………28151 、28161 に、正相のスイッチング信号SW11、SW21、…………、SW151 が、出力端子2812、2822、…………28152 、28162 に、逆相のスイッチング信号SW161;SW12、SW22、…………、SW152 、SW162 が出力されて、それぞれパラレル16ライン電流源ECLスイッチング回路8の各スイッチング回路8〜816の各トランジスタQ11、Q21、…………、Q151 、Q161 の各ベース及び各トランジスタQ12、Q22、…………、Q152 、Q162 の各ベースに供給される。
これらのスイッチング信号の符号SWの添え字である数字の1の桁の数字(1又は2)を除いた数字、即ち、1〜16をアドレスと呼ぶことにし、これをn(n=1、2、3、…………、16)で表す。かくすると、上述のスイッチング信号の符号をnを用いて表すと、SWn1、SWn2で表すこことができる。そして、スイッチング信号SWn1をHレベルに、従って、スイッチングSWn2をLレベルにすれば、スイッチング回路8の任意のスイッチング回路8のトランジスタQn1をONにし、トランジスタQn2をOFFにすることができる。このようにして、4ビット、即ち、16通りのデータによって、デグリッチャー回路9に流す電流値を決定する。
次に、D/A変換器において、流したい電流値分のスイッチング信号SWをどのようにして選択するかの条件を説明する。
〔条件1〕ランダムにアドレスnを選択する。但し、1データ、又は、連続する数データの変換に亘って、必ず16個全てのアドレスを使用しない限り、同一のアドレスは使用しない。1データ、又は、連続する数データの変換に亘って、16個全てのデータを使用してしまった場合、次に用いるアドレスはランダムに選択する。
この条件1は理想的な選択法で、これを満たせば、定電流源10の16個の定電流源10〜1016の定電流にばらつきがあったとしても、そのばらつきによって発生するノイズをランダムノイズ(=白色ノイズ)にすることができるので、特性劣化を改善することができる。
条件1を満足させるようなD/A変換器を得ようとすると、定電流源や、スイッチング回路や、デグリッチャーの回路規模は、図2に示した定電流源10や、スイッチング回路8や、デグリッチャー9の数倍にもなってしまうので、デジタル的ノイズによって、アナログ回路の性能劣化を回避し得なくなり、又、費用の高騰を招来することになり、実現が困難になってしまう。そこで、D/A変換器において、流したい電流値分のスイッチング信号SWをどのようにして選択するかの実用的な条件を説明する。
〔条件2〕複数のスイッチング信号SWn1をHレベルにする場合は、連続するアドレスを用いる。但し、n=16の次にはn=1とする。又、1サンプル前のデータで用いた連続するスイッチング信号のアドレス中、最後のアドレスの次のアドレスを、現データのアドレスのスタートにする。
条件2の具体例を述べると、入力データが3の場合、スイッチング信号SW、SW、SWやSW15、SW16、SWのように、3つのアドレスのスイッチング信号SWn1をHレベルにする。例えば、1サンプル前のデータが3で、スイッチング信号SW151 、SW161 、SW11を、Hレベルにした場合、現データはアドレスn=2からスタートし、例えば、現データが5の場合は、スイッチング信号SW21、SW31、SW41、SW51、SW61をHレベルにする。
上述の条件2を満たせば、1データ、又は、連続する数データの変換に亘って、必ず16個の全てのアドレスを使用しない限り、同一のアドレスは使用されない上、入力データの値によってHレベルにするスイッチング信号SWn1が固定パターンにならないので、定電流源10の個々の定電流源10〜1016のばらつきによって発生するノイズ、歪みを分散させることができ、S/NやS/(THD+N)の劣化を抑えることができる。ここで、S/(THD+N)は、入力信号成分Sと、0Hz〜20kHzまでの入力信号以外の成分の総和(THD+N)との比を示す。又、S/Nは、0信号入力の場合における、入力信号成分Sを0dB、即ち、1としたときの、入力信号成分Sと0Hz〜20kHzまでの入力信号以外の成分の総和Nとの比を示す。
図4に示した変換回路7の具体構成は、この条件2を満足する構成となっている。この図4の4ビットデータ/パラレル16ライン電流スイッチングデータ変換回路7を、図5のタイミングチャートをも参照して説明する。ノイズシェーパ部4からの4ビット並列データDIN1〜DIN4は入力端子17に供給される。尚、この4ビット並列データDIN1〜DIN4は、直列データであっても良いが、その場合には、データ転送レートが高くなり(この例では、4倍)、十分周波数の高いクロック信号を必要とし、高周波ノイズの影響への配慮が必要となるが、並列データの場合はそのような配慮は不要である。
入力端子17に入力された4ビット並列データDIN1〜DIN4は、レジスタ18に供給されて、入力端子19に供給されるクロック信号CK1の立ち上がりエッジで取り込まれる。このクロック信号CK1は、4ビット並列データDIN1〜DIN4と同じ周期を持つクロック信号である。レジスタ18より出力された4ビット並列データRG11〜14は、4ビットデータ+最終アドレスデータ/16ビットデータ変換回路24の入力端AD1〜AD4に供給される。
20は最終アドレス検出回路で、これは4ビット加算器21及びその次段のレジスタ22から構成される。レジスタ18より出力された4ビット並列データRG11〜14が、4ビット加算器21の入力端Aに供給されると共に、レジスタ22より出力された4ビット並列データRG21〜24が4ビット加算器21の入力端Bに供給されて加算され、その出力端Sよりの加算出力SUM1〜SUM4がレジスタ22に供給されて、入力端子23に供給されるクロック信号CK1の立ち上がりエッジで取り込まれる。レジスタ22よりの4ビット並列データRG21〜RG24が、変換回路24の入力端AD5〜AD8に供給される。
この最終アドレス検出回路20は、入力端子17に供給される4ビット並列データDIN1〜4を累積加算する。但し、加算器21の加算出力SUM1〜SUM4は並列4ビットなので、その加算結果は16の剰余系の動作となる。これを一例を挙げて説明する。例えば、入力端A及びBにそれぞれ4ビットデータ1110H(10進数の14)、0011H(10進数の3)が供給されたとき、出力端Sの出力データは0001H(10進数の1)となり、10進数の17にはならず、16の剰余系の動作をしていることが分かる。
従って、上述の条件2で述べた「1サンプル前のデータで用いた連続するスイッチングアドレスn中の最後のアドレス」を、加算器21の加算出力として取り出すことができる。実際には、レジスタ22がクロック信号CK1によって加算器21の出力SUM1〜SUM4を取り込んで出力することで、「レジスタ22のデータに対して1サンプル前のデータで用いた連続するスイッチングアドレスn中の最後のアドレス」を検出している。即ち、レジスタ22の出力は、「1サンプル前のデータで用いた連続するスイッチングアドレスn中の最後のアドレス」となっている。
さて、変換回路24では、入力端AD1〜AD4に供給される4ビット並列データRG11〜RG14及び入力端AD5〜AD8に供給される1サンプル前のデータで用いられる連続するスイッチングアドレスn中の最後のアドレスのデータRG21〜RG24によって、出力端O1〜O16よりの出力データOUT1〜OUT16の内どれをHレベルにするかを決定する。
尚、変換回路24は、簡易的には、8ビットの入力端及び16ビットの出力端を有するROMによって構成することができる。
変換回路24よりの16ビットの出力データOUT1〜0UT16は、直接レジスタ25に供給されると共に、反転回路27に供給されて論理反転された後、レジスタ25に供給されて、入力端子26に供給されるクロック信号CK1によって取り込まれる。そして、出力端子2811、2821、…………、28151 、28161 及び2812、2822、…………、28152 、28162 に、スイッチング信号SW11、SW21、…………、SW151 、SW161 及びSW12、SW22、…………、SW152 、SW162 が出力されて、スイッチング回路8の各スイッチング回路8、8、…………816のスイッチングトランジスタQ11、Q21、…………、Q151 、Q161 及びQ12、Q22、…………、Q152 、Q162 の各ベースに供給される。
この場合は、図5のスイッチング信号SW11〜SW161 から明らかなように、スイッチング回路8において、例えば、あるインターバルでトランジスタQ11のみがONとなり、残りのトランジスタはOFFとなる。その次のインターバルでトランジスタQ21、Q31、Q41のみがONとなり、残りのトランジスタがOFFとなる。その次の次のインターバルでトランジスタQ51、Q61、Q71、Q81、Q91がONとなり、残りのトランジスタがOFFとなる。その次にの次の次のインターバルでトランジスタQ101 、Q111 、Q121 、Q131 、Q141 、Q151 、Q161 、Q11がONとなり、残りのトランジスタがOFFとなる。
上述の構成によって、カウンタやシフトレジスタを必要とせずに、入力データのサンプリング周波数以上の高い周波数のクロック信号を必要とせずに、低い動作周波数を以て、条件2に基づいた16個の定電流源10〜1016をスイッチングするスイッチング信号SW11、SW21、…………、SW151 、SW161 及びSW12、SW22、…………、SW152 、SW162 を発生することができる。
次に、実施例のマルチビットタイプのD/A変換器(但し、条件2を採用した場合)及び従来のマルチビットタイプのD/A変換器のシミュレーションの結果を比較して説明する。ここで、従来のマルチビットタイプのD/A変換器は、実施例のマルチビットタイプのD/A変換器において、1サンプルデータ内では、スイッチングアドレスnから順番に入力データの数だけ、連続するアドレスの定電流源をONさせる(Hレベルにする)もので、例えば、入力データが1のときはスイッチアドレスn=1のスイッチング回路をONにする、入力データが2のときはスイッチアドレスn=1、2のスイッチング回路をONにする、入力データが3のときはスイッチングアドレスn=1、2、3のスイッチング回路をONにする。このD/A変換器は従来の一般的なマルチビットタイプのD/A変換器を意味する。
電流源のモデル化について説明する。今回の例では4ビット、即ち、16個の定電流源モデルを用意し、理想値、即ち、1.0からばらつきを持たせる分け方であるが、そのばらつきについては、標準偏差σ=0.33%の正規分布に従って、±3σの範囲内で16個の定電流源の定電流をばらつかせた。その定電流源のモデルを、図6に表1として示した。尚、表1の定電流i=i、i、i、…………、i16は、図2の電流源(定電流源)10の各電流源(定電流源)10、10、10、…………、1016の定電流i、i、i、…………、i16にそれぞれ対応している。
又、図7に、表2として、定電流源に対するスイッチングアドレスnの割り振り方を示している。このようなばらつき方で、定電流をモデル化した理由は、実際にD/A変換器をIC化した場合に、特別な合わせ込みをしない場合は、同一チップ上に16個の個々の定電流源の間の相対誤差が、標準偏差σ=0.33%の正規分布に従った±3σの範囲内に略存在すると考えられるからである。
シミュレーションのD/A変換器では、サンプリング周波数F=44.1kHzの入力信号が、入力端子を通じて、通過帯域が可聴帯域(0〜20kHz)に設定されているデジタルローパスフィルタ部2に、サンプリング周波数がFS(Hz)、語長が、例えば、16ビットのデジタルオーディオ信号が供給されて、サンプリング周波数が、例えば、8倍にアップサンプリングされたデジタルオーディオ信号が出力される。このデジタルローパスフィルタ部の出力であるデジタルオーディオ信号は、直線補間部に供給されて、サンプリング周波数が更に、例えば、8倍にアップサンプリングされて、サンプリング周波数が64FS(Hz)のデジタルオーディオ信号が出力される。この直線補間部3より出力されたデジタルオーディオの語長は、直線補間部の演算によって、20ビットとなされ、入力語長16ビットより4ビットだけ長くなっている。
直線補間部より出力されたデジタルオーディオ信号は、ノイズシェーパ部(Δ−Σ変調器)に供給されて、例えば、4ビットに量子化される。このノイズシェーパ部では、20ビットの入力デジタルオーディオ信号を4ビットに量子化した際に発生する量子化ノイズの低域の成分を高域にシフトして、可聴帯域(0〜20kHz)でのタイナミックレンジを確保するようにしている。
ノイズシェーパ部から出力された、サンプリング周波数が64FS(Hz)で、4ビットに量子化されたデジタルオーディオ信号は、PWM(パルス幅変調)パルス変換部に供給されてパルス幅変調されて、その出力側にD/A変換出力が得られる。
このシミュレーションでは、D/A変換出力を高速フーリエ変換(FFT)した。シミュレーションに用いた入力信号は、1kHz、0dB、30ビット量子化の正弦波及び1kHz、−60dB、30ビット量子化の正弦波及びゼロ信号である。
実施例のマルチビットタイプのD/A変換器において、各定電流源の電流が理想的に等しい場合に、入力信号を1kHz、0dB、30ビットの正弦波としたときの、D/A変換出力を高速フーリエ変換(FFT)して得たシミュレーションによるレスポンスの周波数特性(シュミレーション1)を図9に示し、入力信号を1kHz、−60dB、30ビットの正弦波としたときの、同様のレスポンスの周波数特性(シュミレーション2)を図10に示し、入力信号をゼロ信号としたときの同様のレスポンスの周波数特性(シュミレーション3)を図11に示した。
実施例のマルチビットタイプのD/A変換器において、条件2を採用し、且つ、図6の表1の定電流源モデルを採用した場合に、入力信号を1kHz、0dB、30ビットの正弦波としたときの、D/A変換出力を高速フーリエ変換(FFT)して得たシュミレーションによるレスポンスの周波数特性(シュミレーション4)を図12に示し、入力信号を1kHz、−60dB、30ビットの正弦波としたときの、同様のレスポンスの周波数特性(シュミレーション5)を図13に示し、入力信号をゼロ信号としたときの同様のレスポンスの周波数特性(シュミレーション6)を図14に示した。
実施例のマルチビットタイプのD/A変換器において、条件2を採用し、且つ、図7の表2の電流源モデルを採用した場合に、入力信号を1kHz、0dB、30ビットの正弦波としたときの、D/A変換出力を高速フーリエ変換(FFT)して得たシュミレーションによるレスポンスの周波数特性(シュミレーション7)を図15に示し、入力信号をゼロ信号としたときの同様のレスポンスの周波数特性(シュミレーション8)を図16に示した。
従来のマルチビットD/A変換器において、図6の表1の電流源モデルを採用した場合に、入力信号を1kHz、0dB、30ビットの正弦波としたときの、D/A変換出力を高速フーリエ変換(FFT)して得たシュミレーションによるレスポンスの周波数特性(シュミレーション9)を図17に示し、入力信号を1kHz、−60dB、30ビットの正弦波としたときの、同様のレスポンスの周波数特性(シュミレーション10)を図18に示し、入力信号をゼロ信号としたときの同様のレスポンスの周波数特性(シュミレーション11)を図19に示した。
尚、図9〜図19において、0信号入力でない場合におけるSNR(signal−to−noise ratio)(dB)は、入力信号成分Sと、0Hz〜20kHzまでの入力信号以外の成分の総和(THD+N)との比S/(THD+N)を示す。又、0信号入力の場合におけるSNR(dB)は、入力信号成分Sを0dB、即ち、1としたときの、入力信号成分と、0Hz〜20kHzまでの入力信号以外の成分の総和Nとの比S/Nを示す。
入力信号を1kHz、0dB、30ビットの正弦波としたときの比S/(THD+N)については、図17のシュミレーション9の従来例の場合は85.5dBまで劣化してしまうが、図12のシュミレーション4の条件2を採用した実施例の場合は108.3dBが得られ、従来例に比べて20dB以上改善されていることが分かる。
入力信号を1kHz、−60dB、30ビットの正弦波としたときの比S/(THD+N)については、図18のシュミレーション10の従来例の場合は信号が再生されず、直流成分のみとなっていて、−60dBの入力信号において既にリニアリティが保たれなくなっているが、図13のシュミレーション5の条件2を採用した実施例の場合は49.4dBが得られており、これを入力信号が0dBのときの比S/(THD+N)に換算すると、49.4dB+60dB=109.4dBとなり、上述の入力信号が0dBのときの比S/(THD+N)=108.3dBに対して、略リニアリティが保たれていると言える。尚、離散FFT解析の場合、分析する信号始点付近と終点付近のデータの状態によって、その解析結果が±3dB程度ばらつくことが予想されるので、この程度の誤差はFFT解析自体の誤差範囲であると言える。
0信号入力の場合におけるS/Nについては、図19のシュミレーション11の従来例の場合、直流成分が発生しているが、D/A変換器が電子機器に搭載される場合は、アナログ信号の最終出力の前段で直流成分がカットされるので、シュミレーション結果に対しても直流成分をカットした形でS/Nを計算したところ、102.4dBであったが、図14のシュミレーション6の条件2を採用した実施例の場合は、直流成分は発生せず、122.7dBが得られ、従来例に比べて20dB以上改善されていることが分かる。
尚、入力信号を1kHz、0dB、30ビットの正弦波としたときの比S/(THD+N)については、上述しように、図12のシュミレーション4の条件2を採用した実施例の場合は108.3dBが得られるが、これは18ビット相当の変換精度を有することを意味し、CD(コンパクトディスク)プレーヤに搭載されるD/A変換器の変換精度である16ビットを上回っており、実用的に十分高い精度であることを意味している。
上述の実施例のシュミレーションの場合は、図2の定電流源10の定電流源10〜1016の定電流i〜i16に対するスイッチングアドレスnの割り振り方を、図7の表2に示したように、定電流を示すiのサフィックスの小さいものから順にしたが、逆に、定電流を示すiのサフィックスの大きいものから順に割り振るようにしても、上述と同様の特性が得られる。これは、D/A変換器を半導体IC(集積回路)化する場合も実現可能である。即ち、半導体ICチップ上で16個の定電流源を、一列に並べる形でレイアウトすれば、その配列方向に対して、各定電流は単調に増加、又は、減少する傾向があるから、定電流源を配列方向にスイッチングアドレスnを割り振れば良いからである。
さて、このように、実際の半導体ICチップ上で16個の定電流源の定電流のばらつきの傾向が分かっていれば、スイッチングアドレスnのアドレスの割り振り方を考慮すると、変換精度を一層高くすることができる。そこで、電流源モデルは図6の表1を採用し、スイッチングアドレスの割り振り方が図8の表3のようにしても、定電流源の定電流i〜i16の間に、i<i<i…………<i15<i16の傾向があるので、定電流の最小のものの次は最大のもの、その次は12番目に小さいもの、その次は2番目に大きいもの、…………というように、割り振られたことになる。このようにすれば、先ず、1つのサンプルデータ内での定電流源定電流のばらつき誤差が直ちに補正される。即ち、定電流iは定電流i〜i16の平均値に対する負の誤差が最大のものであり、定電流i16は定電流i〜i16の平均値に対する正の誤差が最大のものであるから、これら二者が連続するアドレスであれば、その誤差を相殺できるか、又は、最小にすることができるからである。
又、定電流i16の次のアドレスには定電流iが割り振られており、定電流iは、i〜i16の平均値に対する負の誤差が2番目に大きいものであるから、定電流i16を定電流iとして用いた場合でも、誤差を補正する効果はかなり大きいと言うことができ、同様に16個の定電流源がアドレッシングされているため、この方法は定電流源の定電流のばらつき誤差を直ちに補正する効果が大きいと言えるからである。
更に、前後のサンプルデータとの間でも、同様に定電流源の定電流のばらつき誤差を容易に補正するができる。換言すれば、16個の定電流源の定電流の平均値を定電流とする16個の定電流源によって変換が行われているように補正動作を行わせることになる。
図15及び図16に示した図8の、表1及び表3を採用した場合の実施例のシュミレーション7及び8の結果を、図12及び図14に示した表1及び表2を採用した場合の実施例のシュミレーション4及び6の結果とそれぞれ比較すると、比S/(THD+N)については、前者の方が後者より約5dB改善され、比S/Nについては、前者の方が後者より約8dB改善されていることが分かる。
又、図6の表1の16個の定電流源10〜10の定電流i〜iには奇数番目のスイッチングアドレスを、定電流源10〜1016の定電流i〜i16には偶数番のスイッチングアドレスをそれぞれ割り当てるようにするか、又は、図6の表1の16個の定電流源10〜10の定電流i〜iには偶数番目のスイッチングアドレスを、定電流源10〜1016の定電流i〜i16には奇数番のスイッチングアドレスをそれぞれ割り当てるようにすれば、図8の表3の割り振り方に比べれば、効果は小さいものの、定電流源の定電流のばらつきの補正効果がある。即ち、16個の定電流源の定電流の平均値に対しての誤差が必ず正及び負側に現れるから、誤差を小さくする方向に振る舞うからである。
上述の実施例では、入力データとして4ビットのものを例に採ったが、入力データのビット数は任意である。
上述の実施例によれば、定電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、その2個の定電流源のうち、1入力データ、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、その2個の定電流源を1回ずつ使用するように、入力語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じたDi個の定電流源を選択する選択手段と、その選択手段によって選択されたDi個の定電流源よりの各定電流を加算する電流加算手段とを有するので、2個の定電流源の定電流にばらつきがあっても、そのばらつきによる変換精度の劣化を20dB以上改善することのできるD/A変換器を得ることができる。
上述の実施例によれば、定電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、その2個の定電流源のうち、1入力データ、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、その2個の定電流源を1回ずつ使用するように、入力語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じたDi個の定電流源を選択する選択手段と、その選択手段によって選択されたDi個の定電流源よりの各定電流を加算する電流加算手段とを有するので、2個の定電流源の定電流にばらつきがあっても、半導体IC化した場合の2個の定電流源のレイアウトによるばらつきの傾向を基にスイッチングアドレスを割り振ることで、S/(THD+N)において約5dB、S/Nで約8dBの更なる改善が行われたD/A変換器を得ることができる。
デグリッチ信号DGL1、DGL2の時間幅を可変することによって、再量子化ノイズの発生がなく、デジタルデータの精度低下を伴わずして、理想的なデジタル信号のレベルを可変することのできるD/A変換器を得ることができる。
本発明の実施例のD/A変換器を示すブロック線図である。 実施例のD/A変換器の一部の具体回路を示す回路図である。 図2の回路に供給する信号のタイミングチャートである。 実施例のD/A変換器の一部の具体回路を示す回路図である。 図4の各部の信号タイミングチャンネルである。 定電流源モデルを示す表図である。 定電流とスイッチングアドレスとの対応を示す表図である。 定電流とスイッチングアドレスとの対応を示す表図である。 定電流源の各定電流値にばらつきがない場合の、入力信号が1kHz、0dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション1)である。 定電流源の各定電流値にばらつきがない場合の、入力信号が1kHz、−60dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション2)である。 定電流源の各定電流値にばらつきがない場合の、0信号入力時のシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション3)である。 実施例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図7(表2)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、入力信号が1kHz、0dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション4)である。 実施例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図7(表2)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、入力信号が1kHz、−60dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション5)である。 実施例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図7(表2)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、0信号入力時のシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション6)である。 実施例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図8(表3)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、入力信号が1kHz、0dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション4)である。 実施例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図8(表3)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、入力信号が1kHz、−60dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション5)である。 従来例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図7(表2)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、入力信号が1kHz、0dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション4)である。 従来例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図7(表2)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、入力信号が1kHz、−60dB、30ビットの正弦波であるときのシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション5)である。 従来例の場合の、条件2、図6(表1)の定電流源モデル及び図7(表2)の定電流とスイッチングアドレスとの対応を採用したときの、0信号入力時のシュミレーションによる周波数(kHz)−レスポンス(dB)の特性を示す特性曲線図(シュミレーション6)である。 従来の1ビットタイプのD/A変換器を示すブロック線図である。
符号の説明
1 入力端子、2 フィルタ部、3 直線変換部、4 ノイズシェーパ部、74ビットデータ/パラレル16ライン電流スイッチデータ変換回路、8 パラレル16ライン電流源ECLスイッチング回路、9 デグリッチャー回路、9Aデグリッチ信号発生回路、10 パラレル16ライン電流源

Claims (11)

  1. 複数の定電流源を備えたマルチビットD/A変換器であって、
    上記複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定手段と、
    上記複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、
    上記2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、上記2個の定電流源を上記アドレス番号の順番に従って1回ずつ、上記1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、最後のアドレス番号の次に最初のアドレス番号を選択し再び上記2個の定電流源を上記アドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、上記2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段と、
    上記選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチ手段と、
    上記選択手段によって選択され、上記でグリッチ手段によってデグリッチされた上記Di個の電流値を加算する加算手段とを
    備えることを特徴とするマルチビットD/A変換器。
  2. 上記選択手段は、上記2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、上記2個の定電流源を上記アドレス番号の順番に従って1回ずつ、上記1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、上記アドレス番号の中からランダムに選択したアドレス番号に従って1回ずつ使用するように上記定電流源を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチビットD/A変換器。
  3. 複数の定電流源を備えたマルチビットD/A変換器であって、
    上記複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定手段と、
    上記複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、
    上記2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、上記2個の定電流源を上記アドレス番号をランダムに1回ずつ、上記1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、再び上記2個の定電流源を上記アドレス番号をランダムに1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、上記2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段と、
    上記選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチ手段と、
    上記選択手段によって選択され、上記でグリッチ手段によってデグリッチされた上記Di個の電流値を加算する加算手段とを
    備えることを特徴とするマルチビットD/A変換器。
  4. 複数の定電流源を備えたマルチビットD/A変換器において、
    上記複数の各定電流源の電流値がそれぞれi、i、i、…………、i(但し、i<i<i<…………<i : M=2)であって、各定電流源の電流値が最小値の順にi、i、i、………、iM/2 となるM/2個の定電流源からなる第1のグループと定電流源の電流値が最大値の順にi(M/2+1) 、i(M/2+2) 、i(M/2+3) 、…………、iとなるM/2個の定電流源からなる第2のグループのどちらか一方のグループに属する定電流源に順次奇数アドレス番号を設定し、他方のグループに属する定電流源に順次偶数アドレス番号を設定するアドレス設定手段と、
    上記アドレス設定手段によって奇数アドレス番号および偶数アドレス番号に設定された2個(但し、N=2、3、4、…………、(M=2))の定電流源と、
    上記2個の定電流源のうち、1入力データ、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、該2個の定電流源を上記アドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、上記2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択手段と、
    上記選択手段によって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチ手段と、
    上記選択手段によって選択されたDi個の定電流源の各定電流源の電流値を加算する電流加算手段とを有する
    ことを特徴とするマルチビットD/A変換器。
  5. 上記アドレス設定手段は、上記複数の各定電流値がそれぞれi、i、i、…………、i(但し、i<i<i<…………<i: M=2)であって、各定電流値が最小値と最大値とを交互になるようにi、i、i、i(M−1) 、i、i(M−2) 、…………、iM/2 、i(M/2+1) の順番になるようにアドレス番号を設定するアドレス設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のマルチビットD/A変換器。
  6. 上記2個の定電流源の定電流をスイッチングする第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段を
    備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチビットD/A変換器。
  7. 上記デグリッチ手段は、デグリッチを行う時間幅を可変する時間幅可変手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチビットD/A変換器。
  8. 上記時間幅可変手段によって上記加算された電流値を可変する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチビットD/A変換器。
  9. 複数の定電流源を備えたマルチビットD/A変換方法であって、
    上記複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定ステップと、
    上記複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、
    上記2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、上記2個の定電流源を上記アドレス番号の順番に従って1回ずつ、上記1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、最後のアドレス番号の次に最初のアドレス番号を選択し再び上記2個の定電流源を上記アドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、上記2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択ステップと、
    上記選択ステップによって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチステップと、
    上記選択ステップによって選択され、上記でグリッチ手段によってデグリッチされた上記Di個の電流値を加算する加算ステップとを
    備えることを特徴とするマルチビットD/A変換方法。
  10. 複数の定電流源を備えたマルチビットD/A変換方法であって、
    上記複数の各定電流源にアドレス番号を設定するアドレス設定ステップと、
    上記複数の各定電流源の電流値が互いに等しい2個(但し、NはN=2、3、……)の定電流源と、
    上記2個の定電流源のうち、1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、上記2個の定電流源を上記アドレス番号をランダムに1回ずつ、上記1入力データDi、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えた場合には、再び上記2個の定電流源を上記アドレス番号をランダムに1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、上記2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択ステップと、
    上記選択ステップによって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチステップと、
    上記選択ステップによって選択され、上記でグリッチ手段によってデグリッチされた上記Di個の電流値を加算する加算ステップとを
    備えることを特徴とするマルチビットD/A変換方法。
  11. 複数の定電流源を備えたマルチビットD/A変換方法において、
    上記複数の各定電流源の電流値がそれぞれi、i、i、…………、i(但し、i<i<i<…………<i : M=2)であって、各定電流源の電流値が最小値の順にi、i、i、………、iM/2 となるM/2個の定電流源からなる第1のグループと定電流源の電流値が最大値の順にi(M/2+1) 、i(M/2+2) 、i(M/2+3) 、…………、iとなるM/2個の定電流源からなる第2のグループのどちらか一方のグループに属する定電流源に順次奇数アドレス番号を設定し、他方のグループに属する定電流源に順次偶数アドレス番号を設定するアドレス設定ステップと、
    上記アドレス設定ステップによって奇数アドレス番号および偶数アドレス番号に設定された2個(但し、N=2、3、4、…………、(M=2))の定電流源と、
    上記2個の定電流源のうち、1入力データ、又は、連続する複数の入力データの値の和が2を越えるまでは、該2個の定電流源を上記アドレス番号の順番に従って1回ずつ使用するように、入力信号の語長がNビットの入力データDi{但し、Di=0、1、2、3、…………、(2−1)}に応じて、上記2個の定電流源の中からDi個の定電流源を選択する選択ステップと、
    上記選択ステップによって選択された定電流のデグリッチを行うデグリッチステップと、
    上記選択ステップによって選択されたDi個の定電流源の各定電流源の電流値を加算する電流加算ステップとを有する
    ことを特徴とするマルチビットD/A変換方法。
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JP5500072B2 (ja) * 2008-08-22 2014-05-21 日本電気株式会社 ディジタル・アナログ変換回路

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