JP2007042878A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多層部とケーブル部の境界における接着剤の流れ出しを抑制してケーブル部の柔軟性の良好な多層FPCを製造し得る製造方法の提供。
【解決手段】 (A)開口部から端子部を露出させた内層配線板を作製する工程、(B)開口部に対応する除去予定領域の外周の一部に第1のスリットを形成した層間接着層と、外層配線板とを貼り合わせて積層体を作製する工程、(C)積層体に、除去予定領域の外周の他部に第2のスリットを形成し、除去予定領域内の層間接着層を除去する工程、(D)内層配線板の外側に積層体を貼り合わせる工程、(E)次いで、外層配線板の導電層に対して所要の配線パターンを形成する工程、(F)次いで、外層配線板の除去予定領域を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、端子部を含む内層配線板の開口部を露出させる工程、を有する多層プリント配線板の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 (A)開口部から端子部を露出させた内層配線板を作製する工程、(B)開口部に対応する除去予定領域の外周の一部に第1のスリットを形成した層間接着層と、外層配線板とを貼り合わせて積層体を作製する工程、(C)積層体に、除去予定領域の外周の他部に第2のスリットを形成し、除去予定領域内の層間接着層を除去する工程、(D)内層配線板の外側に積層体を貼り合わせる工程、(E)次いで、外層配線板の導電層に対して所要の配線パターンを形成する工程、(F)次いで、外層配線板の除去予定領域を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、端子部を含む内層配線板の開口部を露出させる工程、を有する多層プリント配線板の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電気機器・電子機器等で回路基板として用いられる2層以上の多層プリント配線板に関し、特に、コネクタ端子等の端子部を有するフレキシブルケーブル部(以下、ケーブル部と記す。)とビルドアップ構造の多層部とを具備する多層プリント配線板の製造方法に関する。
従来より、端子部付き多層プリント配線板としては、リジッド配線板(RPC)とフレキシブル配線板(FPC)が複合されたリジッド・フレックス(R-F)配線基板が良く知られている。このR-F配線基板は、デジタルカメラ等の電子機器に採用されている。さらに、近年では電気機器・電子機器の軽量化・薄型化に伴って、全てをFPCのみで構成した多層FPCの採用も進められている。
前述した端子部付き多層プリント配線板の製造方法としては、特許文献1(特開2004−172490号公報)に記載されているように、主に2つの方法が知られている。
前述した端子部付き多層プリント配線板の製造方法としては、特許文献1(特開2004−172490号公報)に記載されているように、主に2つの方法が知られている。
第1の方法では、まず端子部を有するケーブル部の配線パターンを形成した後、さらに銅張積層配線板を積層し、多層積層体を作製する。その多層積層体に配線パターンを形成するなど一連の加工を施した後に、不要な導体層及び絶縁体層を除去して内層FPCの端子部を表出させる。不要な導体層及び絶縁体層を除去する方法としては、Vカットマシンにより表層にVカットを入れて表層を除去する方法や、レーザー加工によりカットを入れて表層を除去する方法が知られている。
第2の方法は、予め不要な導体層と絶縁体層をカット除去した銅張積層配線板と内層FPCとを積層して多層積層体を作製する方法である。
第2の方法は、予め不要な導体層と絶縁体層をカット除去した銅張積層配線板と内層FPCとを積層して多層積層体を作製する方法である。
しかしながら、第1の方法は、多層FPCの製造に対して適用することが難しい。その理由としては、この多層FPCは、R-F基板と比較して除去する表層部分の厚さが薄く、Vカットマシンやレーザーによる保護層部分の除去加工ではその深さ方向の制御が困難であること、また多層FPCでは加工時の基板固定方法にも工夫を凝らす技術が必要であることが挙げられる。従って、多層FPCを製造する場合には、第2の方法を採用するのが一般的である。
一方、第2の方法では、予め、不要な導体層と絶縁体層をカット除去した銅張積層配線板と、端子部の露出している内層配線板の積層体に表層パターン形成等の一連の加工を行うので、通常の多層FPCの製造工程に比べて複雑な工程となる。つまり、表層パターン形成等の一連の加工を行う際に、内層パターンの露出している部分(端子部)をメッキ工程、エッチング工程から保護する必要がある。
この端子部を保護する方法としては、
(1)メッキレジストやエッチングレジストを用いる方法、
(2)カバーレイを用いる方法、
(3)マスキングテープを用いる方法、
(4)特許文献2(特開2001−36239号公報)に記載されているようにスリットを入れた外層配線板で保護する方法、
が知られている。
この端子部を保護する方法としては、
(1)メッキレジストやエッチングレジストを用いる方法、
(2)カバーレイを用いる方法、
(3)マスキングテープを用いる方法、
(4)特許文献2(特開2001−36239号公報)に記載されているようにスリットを入れた外層配線板で保護する方法、
が知られている。
前記(1)の方法に用いるレジストとしては、一般に感光性レジストや熱硬化型レジストが知られているが、レジスト形成工程が複雑であり、また、表層パターン等の一連の加工後にはレジストを除去する工程が必要であり、工程が煩雑になる。
前記(2)の方法は工数、部材費がかかり、コストアップをまねいてしまう。
前記(3)の方法は、メッキ工程、エッチング工程の都度、テープを貼る作業を要するため、工程が煩雑になり、また、マスキングテープが途中で剥がれるという不具合も発生する。
前記(4)の方法は、端子部付き多層FPCを製造する方法としては簡便な方法である。
前記(2)の方法は工数、部材費がかかり、コストアップをまねいてしまう。
前記(3)の方法は、メッキ工程、エッチング工程の都度、テープを貼る作業を要するため、工程が煩雑になり、また、マスキングテープが途中で剥がれるという不具合も発生する。
前記(4)の方法は、端子部付き多層FPCを製造する方法としては簡便な方法である。
図4及び図5は、前記(4)の方法により端子部付きの多層FPC1を製造する方法を説明する図であり、図4は内層配線板10の外側に層間接着層12を介して外層配線板11を貼り合わせた状態を示す断面図、図5は作製した多層FPC1の斜視図である。これらの図中、符号1は多層FPC、2は開口部、3は端子部、4はスリット、5は接着剤流れ出し領域、10は内層配線板、11は外層配線板、12は層間接着層である。本例示において、内層配線板10は、絶縁ベース材13と接着層14と配線パターン15とからなる内層FPC16上に、接着層17と表面保護層18とからなるカバーレイ19を貼り合わせて構成されている。また外層配線板11は、絶縁ベース層20と接着層21と銅箔などの導電層22とからなっている。
この従来の多層FPC製造方法では、まず、所定の箇所に開口部2を設け、所要の配線パターンを持つ端子部3を開口部2から露出させた構造の内層FPC10を作製する。
一方、外層配線板11の一方に、予め前記開口部2の端縁から所定の距離だけ外側に位置する該当箇所であって前記開口部2の対向する二辺に対応させて二本のスリット4,4を貫通させて形成する。
次に、前記内層配線板の両面に前記開口部2と対応する位置に開口部2を設けた層間接着層12となる接着剤シートを各々介して前記外層配線板11を重ね合わせ、これらを加熱、加圧して貼り合わせる。
次に、外層配線板11の導電層22に対して所要の配線パターンを形成する。
次に、前記二本のスリット4,4の各両端を含む位置で前記外層配線板11を打ち抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部3を含む前記内層配線板10の開口部2を露出させ、図5に示す多層FPC1を作製する。
特開2004−172490号公報
特開2001−36239号公報
この従来の多層FPC製造方法では、まず、所定の箇所に開口部2を設け、所要の配線パターンを持つ端子部3を開口部2から露出させた構造の内層FPC10を作製する。
一方、外層配線板11の一方に、予め前記開口部2の端縁から所定の距離だけ外側に位置する該当箇所であって前記開口部2の対向する二辺に対応させて二本のスリット4,4を貫通させて形成する。
次に、前記内層配線板の両面に前記開口部2と対応する位置に開口部2を設けた層間接着層12となる接着剤シートを各々介して前記外層配線板11を重ね合わせ、これらを加熱、加圧して貼り合わせる。
次に、外層配線板11の導電層22に対して所要の配線パターンを形成する。
次に、前記二本のスリット4,4の各両端を含む位置で前記外層配線板11を打ち抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部3を含む前記内層配線板10の開口部2を露出させ、図5に示す多層FPC1を作製する。
前述した図4、図5に示す従来の多層FPC製造方法において、表面回路パターンを形成するために行うメッキ工程、エッチング工程から端子部3を保護するという目的からは、特許文献2に記載されているように、スリット4,4を開口部2の端縁から0.2mm〜1.0mm外側に位置する箇所に形成することが好ましい。つまり、層間接着層12と外層配線板11の貼り合わせ時の位置ずれ等を考慮すると0.2mm以上の間隔が必要であり、それ以下の間隔ではメッキ工程やエッチング工程で端子部3がメッキされたり、エッチングされたりする不具合が発生しやすい。
しかしながら、スリット4,4と開口部2の間隔を0.2mm以上にした場合、貼り合わせ時の位置ずれ等も考慮すると、多層部とケーブル部の境界における接着剤流れ出し領域5(図5参照)を0.3mm以下、望ましくは0.2mm以下に抑えることが困難となり、この接着剤流れ出し領域5が広がるほど、ケーブル部の屈曲性が低下するという問題がある。つまり、従来技術では、層間接着層12に開口部2を作製する際の機械的誤差、外層配線板11にスリット4,4を設ける際の機械的誤差、層間接着層12と外層配線板11の貼り合わせ時の位置ずれ、接着剤のフロー量のばらつき等を全て制御しなければならず、多層部とケーブル部の境界における接着剤流れ出し領域を0.3mm以下、望ましくは0.2mm以下に抑えられない場合は、ケーブル部の柔軟性が著しく低下してしまうという問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、多層部とケーブル部の境界における接着剤の流れ出しを抑制してケーブル部の柔軟性の良好な多層FPCを製造し得る製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、以下の工程、
(A)所定の箇所に開口部を設けると共に、該開口部から端子部を露出させるように所要の配線パターンを形成した内層配線板を作製する工程、
(B)前記開口部に対応する除去予定領域の外周の一部に第1のスリットを形成した層間接着層と、外層配線板とを貼り合わせて積層体を作製する工程、
(C)前記積層体に、前記除去予定領域の外周の他部に第2のスリットを形成し、前記除去予定領域内の層間接着層を除去する工程、
(D)前記内層配線板の外側に(C)工程で得られた積層体を貼り合わせる工程、
(E)次いで、前記外層配線板の導電層に対して所要の配線パターンを形成する工程、
(F)次いで、前記外層配線板の除去予定領域を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部を含む前記内層配線板の開口部を露出させて多層プリント配線板を得る工程、
を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法を提供する。
(A)所定の箇所に開口部を設けると共に、該開口部から端子部を露出させるように所要の配線パターンを形成した内層配線板を作製する工程、
(B)前記開口部に対応する除去予定領域の外周の一部に第1のスリットを形成した層間接着層と、外層配線板とを貼り合わせて積層体を作製する工程、
(C)前記積層体に、前記除去予定領域の外周の他部に第2のスリットを形成し、前記除去予定領域内の層間接着層を除去する工程、
(D)前記内層配線板の外側に(C)工程で得られた積層体を貼り合わせる工程、
(E)次いで、前記外層配線板の導電層に対して所要の配線パターンを形成する工程、
(F)次いで、前記外層配線板の除去予定領域を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部を含む前記内層配線板の開口部を露出させて多層プリント配線板を得る工程、
を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法を提供する。
本発明の多層プリント配線板の製造方法において、前記除去予定領域が四角形をなしており、前記第1のスリットは該四角形の対向する二辺に沿って形成し、かつ前記第2のスリットは残りの二辺に沿って形成することが好ましい。
本発明の多層プリント配線板の製造方法において、前記内層配線板が片面銅張積層配線板又は両面銅張積層配線板であることが好ましい。
本発明の多層プリント配線板の製造方法において、前記層間接着層の開口部から前記第1のスリット又は第2のスリットまでの距離が0〜0.15mmの範囲であることが好ましい。
本発明によれば、予め層間接着層にのみ第1のスリットを入れておき、この層間接着層を介して内層配線板に外層配線板を貼り合わせた後、外層配線板に層間接着層の除去予定領域を除去可能とする第2のスリットを入れる手法を用いることにより、スリットと層間接着層との位置ずれ量を低減することが可能となる。
また本発明によれば、開口部への接着剤の流れ出しを抑制することができるので、ケーブル部の柔軟性が良好な多層FPCを作製することができる。
また本発明によれば、開口部への接着剤の流れ出しを抑制することができるので、ケーブル部の柔軟性が良好な多層FPCを作製することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明による多層FPCの製造方法の一例を説明する図であり、図1は内層配線板10の両側に層間接着層12を介して外層配線板11を貼り合わせた状態を示す断面図、図2は作製した多層FPC30の斜視図である。
これらの図中、符号10は内層配線板、11は外層配線板、12は層間接着層、14と17と21は接着層、13と20は絶縁ベース材、15は配線パターン、16は内層FPC、18は表面保護層、19はカバーレイ(CL)、22は導電層、30は多層FPC、31は開口部、32は端子部、33は第1のスリット、34は第2のスリット、35は接着剤流れ出し領域、36は除去予定領域である。
図1及び図2は、本発明による多層FPCの製造方法の一例を説明する図であり、図1は内層配線板10の両側に層間接着層12を介して外層配線板11を貼り合わせた状態を示す断面図、図2は作製した多層FPC30の斜視図である。
これらの図中、符号10は内層配線板、11は外層配線板、12は層間接着層、14と17と21は接着層、13と20は絶縁ベース材、15は配線パターン、16は内層FPC、18は表面保護層、19はカバーレイ(CL)、22は導電層、30は多層FPC、31は開口部、32は端子部、33は第1のスリット、34は第2のスリット、35は接着剤流れ出し領域、36は除去予定領域である。
本実施形態において、内層配線板10は、絶縁ベース材13と接着層14と配線パターン15とからなる内層FPC16上に、接着層17と表面保護層18とからなるカバーレイ19を貼り合わせて構成されている。この内層FPC16は、片面銅張積層配線板又は両面銅張積層配線板であることが好まい。絶縁ベース材13及び表面保護層18としてはポリイミド系樹脂シートなどが好ましく、接着層14,17としてはポリイミド系接着剤などが好ましい。配線パターン15は、例えば、片面銅張積層配線板又は両面銅張積層配線板の銅箔にレジスト塗布、エッチング処理を含む従来より公知のパターン形成方法を用いて形成することができる。
また外層配線板11は、絶縁ベース層20と接着層21と銅箔などの導電層22とからなっている。絶縁ベース層20としてはポリイミド系樹脂シートなどが好ましく、接着層21としてはポリイミド系接着剤などが好ましい。
本実施形態では、図2に示すように、開口部31につながる除去予定領域36を四角形としている。また、この除去予定領域36を形成するための第1のスリット33は、該四角形の対向する二辺に沿って形成し、かつ第2のスリット34は、残りの二辺に沿って形成している。なお、除去予定領域の平面形状は四角形に限定されず、円形、楕円形、三角形などの形状とすることができる。
本実施形態の製造方法では、まず、所定の箇所に開口部31を設けると共に、該開口部31から端子部32を露出させるように所要の配線パターンを形成した内層配線板10を作製する。この内層配線板10は、従来より公知の手法を用いて作製することができる。
一方、内層配線板10と外層配線板11との貼り合わせに用いる層間接着層12と、外層配線板11とを用意する。この層間接着層12は、10μm〜100μm程度の厚さの接着剤フィルムが用いられる。本発明では、この接着剤フィルムに第1のスリット33を貫通形成しておく。この第1のスリット33は、前記除去予定領域36の外周の四辺のうち、対向する二辺に沿って形成する。
次に、前述した通り、第1のスリット33を設けた接着剤フィルム(層間接着層12)を外層配線板11の絶縁ベース材20側に貼り合わせて積層体を作製する。なお、図1に示した例示では、内層配線板10の両面に貼り合わせる層間接着層12の一方(上側)のみに除去予定領域36を設ける構成としているが、内層配線板10の両面に貼り合わせる層間接着層12の両方に除去予定領域36を設ける構成としてもよい。
次に、前記積層体に、前記除去予定領域36の外周の四辺のうち、前記第1のスリット33とは別の二辺に沿って第2のスリット34を形成する。前記積層体に第2のスリット34を形成する方法は、Vカットマシンによる切削加工やレーザー加工などを用いることができる。
この第2のスリット34を形成することにより、層間接着層12には、予め形成して置いた第1のスリット33と合わせて、除去予定領域36の外周の全てにスリットが入ることになる。次に、これらのスリットにより分離された除去予定領域36内の層間接着層12を除去する。一方、外層配線板11には、第2のスリット34が形成されているものの、第1のスリット33を設けていないので、除去予定領域36内の外層配線板11は未だ除去されずに残存している。
次に、内層配線板10の外側に、前述した積層体を重ね合わせ、位置合わせし、加熱・加圧して貼り合わせる。本実施形態では、図1に示すように、内層配線板10の開口部31形成側(上側)に、前述したようにスリットを形成し且つ除去予定領域36内の層間接着層12を除去した積層体を貼り合わせると共に、内層配線板10の下側にはスリットを形成していない層間接着層12と外層配線板11とを貼り合わせてなる積層体を貼り合わせた構成としている。
次に、外層配線板11の導電層22に対して所要の配線パターンを形成する。この配線パターン形成は、レジスト形成や銅箔のエッチング処理を含む従来公知のパターン形成手法を用いて実施することができる。この外層配線板11の配線パターン形成の際、内層配線板10の開口部31は、図1に示すように外層配線板11によって保護されているので、この配線パターン形成の際に端子部32がダメージを受けることがない。
次に、外層配線板11の除去予定領域36を打抜いて、不要な除去片を取り去る。これにより、端子部32を含む内層配線板10の開口部31が露出され、図2に示す多層プリント配線板30が得られる。
本実施形態の製造方法によれば、予め層間接着層12にのみ第1のスリット33を入れておき、この層間接着層12を介して内層配線板10に外層配線板11を貼り合わせた後、外層配線板11に層間接着層12の除去予定領域36を除去可能とする第2のスリット34を入れる手法を用いることにより、スリット34と層間接着層12との位置ずれ量を低減することが可能となる。
また本方法では、開口部31への接着剤の流れ出しを抑制することができるので、ケーブル部の柔軟性が良好な多層FPC30を作製することができる。
また本方法では、開口部31への接着剤の流れ出しを抑制することができるので、ケーブル部の柔軟性が良好な多層FPC30を作製することができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法において、前記層間接着層の開口部31(除去予定領域36)から前記第1のスリット33又は第2のスリット34までの距離は、0〜0.15mmの範囲であることが好ましい。この距離が0.15mm以下であれば、ケーブル部の柔軟性が良好な多層FPC30が製造できる。この距離が0.15mmを超えると、柔軟性が悪化する。
以下、実施例により本発明の効果を実証する。
以下、実施例により本発明の効果を実証する。
[基本構成]
・構造;4層FPC。
ただし、多層FPCに限らず、R-F多層配線板、リジッド多層配線板でもよい。また、基板サイズ、材料の厚み、層数、構成にも特に制限はない。
・基板サイズ:300×300mm。
・内層FPC:両面銅張積層配線板(以下、内層CCLと記す。)を用いた。両面の銅箔厚さは18μm、接着剤の厚さは10μm、絶縁ベース材としてのポリイミド層の厚さは25μmである。
・外層配線板:片面銅張積層板を用いた。片面銅箔の厚さは18μm、接着剤の厚さは10μm、絶縁ベース材としてのポリイミド層の厚さは25μmである。
・カバーレイ:絶縁ベース材としてのポリイミド層の厚さは25μm、接着剤の厚さは25μmである。
・層間接着層:厚さ40μmの接着剤フィルムを用いた。
・材料及び構成は、以下の実施例及び比較例とも同一である。
・実施例、比較例ともに、1000ピース(20ピース/シート)を評価した。
・構造;4層FPC。
ただし、多層FPCに限らず、R-F多層配線板、リジッド多層配線板でもよい。また、基板サイズ、材料の厚み、層数、構成にも特に制限はない。
・基板サイズ:300×300mm。
・内層FPC:両面銅張積層配線板(以下、内層CCLと記す。)を用いた。両面の銅箔厚さは18μm、接着剤の厚さは10μm、絶縁ベース材としてのポリイミド層の厚さは25μmである。
・外層配線板:片面銅張積層板を用いた。片面銅箔の厚さは18μm、接着剤の厚さは10μm、絶縁ベース材としてのポリイミド層の厚さは25μmである。
・カバーレイ:絶縁ベース材としてのポリイミド層の厚さは25μm、接着剤の厚さは25μmである。
・層間接着層:厚さ40μmの接着剤フィルムを用いた。
・材料及び構成は、以下の実施例及び比較例とも同一である。
・実施例、比較例ともに、1000ピース(20ピース/シート)を評価した。
[実施例]
内層CCLに開口部を設け、さらに端子部を含む所要の配線パターンを作製し、内層FPCとする。さらに、予め所定の箇所に開口部を設けたカバーレイを前記内層FPCと貼り合わせ、端子部が露出した状態の内層配線板を作製する。
一方、層間接着層に、除去予定領域の二辺に沿って第1のスリットを設ける。
次に、外層配線板と前記層間接着層を貼り合わせ、積層体とする。
次に、この積層体に前記第1のスリットとは異なる二辺に第2のスリットを設ける。
次に、第1のスリットと第2のスリットで囲まれた除去予定領域の層間接着層を除去し、開口部とする。
次に、内層配線板と前記積層体を積層する。
次に、外層配線板の導体層に表層配線パターンなど、一連の加工を施す。
次に、前記第2のスリットの各両端を含む位置で前記外層配線板の除去予定領域を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部を含む前記内層配線板の開口部を露出させる。
内層CCLに開口部を設け、さらに端子部を含む所要の配線パターンを作製し、内層FPCとする。さらに、予め所定の箇所に開口部を設けたカバーレイを前記内層FPCと貼り合わせ、端子部が露出した状態の内層配線板を作製する。
一方、層間接着層に、除去予定領域の二辺に沿って第1のスリットを設ける。
次に、外層配線板と前記層間接着層を貼り合わせ、積層体とする。
次に、この積層体に前記第1のスリットとは異なる二辺に第2のスリットを設ける。
次に、第1のスリットと第2のスリットで囲まれた除去予定領域の層間接着層を除去し、開口部とする。
次に、内層配線板と前記積層体を積層する。
次に、外層配線板の導体層に表層配線パターンなど、一連の加工を施す。
次に、前記第2のスリットの各両端を含む位置で前記外層配線板の除去予定領域を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部を含む前記内層配線板の開口部を露出させる。
[比較例]
内層CCLに開口部を設け、さらに端子部を含む所要の配線パターンを作製し、内層FPCとする。さらに、予め所定の箇所に開口部を設けたカバーレイを前記内層FPCと貼り合わせ、端子部が露出した状態の内層配線板を作製する。
一方、外層配線板には予め前記開口部の端縁から所定の距離だけ外側に位置する該当箇所であって前記開口部の対向する二辺に対応させて貫通させた二本のスリットを形成する。
次に、内層配線板の両面に、前記開口部と対応する位置に他の開口部を設けた層間接着層を各々介して、前記外層配線板を積層する。
次に、前記外側積層板の導電層に対して所要の配線パターンを形成する。
次に、前記二本のスリットの各両端を含む位置で前記外層配線板を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部を含む前記内層配線板の開口部を露出させる。
内層CCLに開口部を設け、さらに端子部を含む所要の配線パターンを作製し、内層FPCとする。さらに、予め所定の箇所に開口部を設けたカバーレイを前記内層FPCと貼り合わせ、端子部が露出した状態の内層配線板を作製する。
一方、外層配線板には予め前記開口部の端縁から所定の距離だけ外側に位置する該当箇所であって前記開口部の対向する二辺に対応させて貫通させた二本のスリットを形成する。
次に、内層配線板の両面に、前記開口部と対応する位置に他の開口部を設けた層間接着層を各々介して、前記外層配線板を積層する。
次に、前記外側積層板の導電層に対して所要の配線パターンを形成する。
次に、前記二本のスリットの各両端を含む位置で前記外層配線板を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部を含む前記内層配線板の開口部を露出させる。
[試験例1]
実施例と比較例の各試料(各々1000ピース)について、スリットと層間接着層との位置ずれ量を測定した。結果を表1に示す。
実施例と比較例の各試料(各々1000ピース)について、スリットと層間接着層との位置ずれ量を測定した。結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明の製造方法は、スリットと層間接着層との位置ずれ量を低減することができる優れた手法であることがわかる。これは、本発明の方法では、層間接着層に開口部を作製する際の位置ずれ、外層配線板にスリットを設ける際の位置ずれ、層間接着層と外層配線板の貼り合わせ時の位置ずれの影響を受けない手法であるためである。
一方、比較例は、前述の位置ずれの影響を受ける手法であるため、スリットと層間接着層との位置ずれ量も大きいし、ばらつきも大きい。位置ずれ量が大きいと、電気回路の断線や混線といった不良を生じることは自明である。
一方、比較例は、前述の位置ずれの影響を受ける手法であるため、スリットと層間接着層との位置ずれ量も大きいし、ばらつきも大きい。位置ずれ量が大きいと、電気回路の断線や混線といった不良を生じることは自明である。
[試験例2]
実施例の製造方法を用いて層間接着層の開口部(除去予定領域)から第2のスリットまでの距離を変えた試料を作製した。
その試料(各20ピース)について、JIS C2116に準拠して柔軟性を評価した。但し、データはN=20の平均値とし、層間接着層の開口部からスリットまでの距離がゼロの場合を基準とした相対値を使用した。結果を図3に示す。
実施例の製造方法を用いて層間接着層の開口部(除去予定領域)から第2のスリットまでの距離を変えた試料を作製した。
その試料(各20ピース)について、JIS C2116に準拠して柔軟性を評価した。但し、データはN=20の平均値とし、層間接着層の開口部からスリットまでの距離がゼロの場合を基準とした相対値を使用した。結果を図3に示す。
一般に、ケーブル部への接着剤の付着量が多いほど、ケーブル部の柔軟性が低下することが知られている。これを言い換えれば、層間接着層の開口部からスリットまでの距離が大きくなれば、それだけケーブル部に接着剤が多く付着することになるので、ケーブル部の柔軟性が低下するということになる。
この定性的な傾向は既に一般的に知られていることであるが、定量的に明示するものは知られていない。試験例2によって、層間接着層の開口部からスリットまでの距離によって3つの領域に分けられることが判明した。すなわち、
・領域1:層間接着層の開口部からスリットまでの距離が0〜0.15mmの範囲。この領域1は柔軟性の低下が見られない領域である。
・領域2:層間接着層の開口部からスリットまでの距離が0.15〜0.5mmの範囲。この領域2は柔軟性が大きく変化する領域である。
・領域3:層間接着層の開口部からスリットまでの距離が0.5〜2mmの範囲。この領域3は柔軟性の低下が著しい領域である。
・領域1:層間接着層の開口部からスリットまでの距離が0〜0.15mmの範囲。この領域1は柔軟性の低下が見られない領域である。
・領域2:層間接着層の開口部からスリットまでの距離が0.15〜0.5mmの範囲。この領域2は柔軟性が大きく変化する領域である。
・領域3:層間接着層の開口部からスリットまでの距離が0.5〜2mmの範囲。この領域3は柔軟性の低下が著しい領域である。
多層FPCのケーブル部には、繰り返し屈曲や高屈曲の特性が必要であることから、高い柔軟性を有する領域1が最も好適である。領域2では、接着剤の流れ出し量が微妙に変化することによって柔軟性が大きく変化するので、品質上のばらつきが大きくなってしまうという問題がある。領域3では図示しているように高い柔軟性を有しないという欠点がある。特許文献2では層間接着層の開口端からスリットまでの距離が0.2mm〜1.0mmとなるように形成するものであるが、このような条件で作製すればケーブル部の柔軟性が低下する可能性がある。
10…内層配線板、11…外層配線板、12…層間接着層、13,20…絶縁ベース材、14,17,21…接着層、15…配線パターン、16…内層FPC、18…表面保護層、19…カバーレイ、22…導電層、30…多層FPC、31…開口部、32…端子部、33…第1のスリット、34…第2のスリット、35…接着剤流れ出し領域、36…除去予定領域。
Claims (4)
- (A)所定の箇所に開口部を設けると共に、該開口部から端子部を露出させるように所要の配線パターンを形成した内層配線板を作製する工程、
(B)前記開口部に対応する除去予定領域の外周の一部に第1のスリットを形成した層間接着層と、外層配線板とを貼り合わせて積層体を作製する工程、
(C)前記積層体に、前記除去予定領域の外周の他部に第2のスリットを形成し、前記除去予定領域内の層間接着層を除去する工程、
(D)前記内層配線板の外側に(C)工程で得られた積層体を貼り合わせる工程、
(E)次いで、前記外層配線板の導電層に対して所要の配線パターンを形成する工程、
(F)次いで、前記外層配線板の除去予定領域を打抜いて、不要な除去片を取り去ることにより、前記端子部を含む前記内層配線板の開口部を露出させて多層プリント配線板を得る工程、
を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 前記除去予定領域が四角形をなしており、前記第1のスリットは該四角形の対向する二辺に沿って形成し、かつ前記第2のスリットは残りの二辺に沿って形成することを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記内層配線板が片面銅張積層配線板又は両面銅張積層配線板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記層間接着層の開口部から前記第1のスリット又は第2のスリットまでの距離が0〜0.15mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
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JP2005225587A JP2007042878A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 多層プリント配線板の製造方法 |
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CN114828454A (zh) * | 2022-04-07 | 2022-07-29 | 盐城维信电子有限公司 | 在多层线路板同一区域开盖多层的制作方法 |
-
2005
- 2005-08-03 JP JP2005225587A patent/JP2007042878A/ja not_active Withdrawn
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