JP2007042476A - テーブルタップ - Google Patents

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能安 東中
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Abstract

【課題】 挿入口を遮蔽する遮蔽部材を設けるに際して、遮蔽部材が破断しにくい構成を有するテーブルタップ提供する。
【解決手段】差込プラグ10の一対の刃10aが差し込まれる一対の挿入口2を少なくとも1つ有するタップ本体1と、タップ本体1の内部に、挿入口2から差し込まれた差込プラグ10の刃10aと接触する電極6と、挿入口2を閉鎖するようにタップ本体1内部に配置されると共に、刃10aを貫通させることが可能な切り込み部40が形成され、かつ弾性変形可能な遮蔽シート4を有するテーブルタップであって、切り込み部40は、刃10aの形状に沿った直線状スリット41と、この直線状スリット41の両端から二股に分岐するVの字状スリット42とで形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、差込プラグの刃が挿入される挿入口における防塵対策を施したテーブルタップに関するものである。
かかるテーブルタップとして、下記特許文献1,2,3に開示される技術が知られている。特許文献1に開示されるテーブルタップは、プラグの刃が挿入される挿入口の奥に、挿入口の下方を遮蔽させて回動自在に枢着したシャッターと、このシャッターを挿入口が常時遮蔽させる方向に付勢する捩りコイルスプリングを備えている。プラグの刃を挿入口から挿入すると、付勢力に抗してシャッターが回転し、刃が電極部に挿入される。
特許文献2に開示されるテーブルタップは、挿入口の奥に可撓性と復元性を有するバネシャッターと、これを保持する手段を備えている。具体的には、合成樹脂や合成ゴムによりバネシャッターを形成する。
特許文献3に開示されるテーブルタップは、挿入口の奥に合成皮革シートを備え、このシートにプラグの刃を挿通させる一対のスリットが形成される。スリットの両端には小孔が形成されている。合成皮革シートは柔軟性と反発性と復元性を有し、プラグの刃をスリットから挿入すると、刃の形状に沿って開口し、刃を引き抜くとスリットが閉じて遮蔽状態となる。
特開2004−95274号公報 特開2004−146349号公報 特開2004−95272号公報
しかしながら、上記各特許文献には、下記説明するような課題を有する。まず、特許文献1であるが、プラグの刃を斜め方向から挿入したときに、シャッターの動作不良が生じる可能性がある。また、シャッターを遮蔽方向に付勢するために、金属製のコイルスプリングを使用しており、作動不良などで誤って外れてしまった場合、短絡の危険性が生じる。特許文献2は、バネシャッターの片持ち支持構造であるため、何度も繰り返して動作させると、へたりを生じ挿入口との間に隙間が生じ、防塵性能が低下する恐れがある。
特許文献3は、単純なスリットであるため、プラグの刃を斜めに挿入した場合や、挿入口の端に寄せて刃を挿入した場合に、スリットに裂け目が生じてくる可能性がある。また、プラグの刃が変形している場合に、シートが破断する可能性がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、挿入口を遮蔽する遮蔽部材を設けるに際して、遮蔽部材が破断しにくい構成を有するテーブルタップ提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係るテーブルタップは、
差込プラグの一対の刃が差し込まれる一対の挿入口を少なくとも1つ有するタップ本体と、
前記タップ本体の内部に、挿入口から差し込まれた差込プラグの刃と接触する電極と、
挿入口を閉鎖するようにタップ本体内部に配置されると共に、前記刃を貫通させることが可能な切り込み部が形成され、かつ弾性変形可能な遮蔽部材を有するテーブルタップであって、
前記切り込み部は、刃の形状に沿った直線状スリットと、この直線状スリットの両端から二股に分岐するVの字状スリットとで形成されていることを特徴とするものである。
この構成によるテーブルタップの作用・効果を説明する。タップ本体には、差込プラグの一対の刃が差し込まれる一対の挿入口が形成される。一対の挿入口は、少なくとも1つ設けられ、複数設けられていてもよい。挿入口を閉鎖するように、タップ本体内部に遮蔽部材が配置される。この遮蔽部材は、挿入口からの異物の進入を防ぐ防塵機能を有するものであり、差込プラグの刃が貫通可能な切り込み部が形成されている。遮蔽部材は、弾性変形可能であり、切り込み部から刃を挿入することで、切り込み部が変形し刃を貫通させて、電極と接触させることができる。また、切り込み部の形状は、直線状スリットの両端から二股に分岐するVの字状スリットが形成されている。直線状スリットのみでは、差込プラグを斜めに差し込んだ場合など、亀裂を生じやすくなるが、本発明の場合、上記Vの字状スリットが形成されているため、スリットの端部に応力が集中することを抑制し、亀裂が生じることを抑制することができる。これにより、挿入口を遮蔽する遮蔽部材を設けるに際して、遮蔽部材が破断しにくい構成を有するテーブルタップ提供することができる。
本発明において、前記二股に分岐した先端部に小孔が形成されていることが好ましい。かかる小孔を設けることで、二股に分岐した先端部に応力集中が生じることを抑制でき、更に亀裂が生じにくい構造とすることができる。
本発明において、前記挿入口の内面側にシート状の前記遮蔽部材が密着して取り付けられ、かつ挿入口の前記内面側には、挿入口の大きさよりも大きな空間部が形成され、この空間部により、刃を抜く時に生じる遮蔽部材の変形を許容することが好ましい。
切り込み部から差込プラグの刃を挿入した後、これを引き抜こうとすると、遮蔽部材は弾性変形可能であることから、切り込み部の周囲も一緒に引き抜き方向に移動する。この遮蔽部材部分が、挿入口の内部に入ってくると、刃の引き抜き動作に必要以上の力を要するため、使い勝手が悪くなる。そこで、挿入口の内面側に挿入口よりも大きな空間部を設けることで、遮蔽部材が変形すると、この空間部に入り込むことができるため、刃の引き抜き動作を支障なく行なうことができる。
本発明に係る前記空間部の挿入方向の高さ寸法は、前記二股に分岐したスリットの先端位置と直線状スリットとの垂直距離よりも長くなるように設定されていることが好ましい。
空間部を設けることで、遮蔽部材部分が変形して挿入口の内部に入り込むことを抑制できるが、空間部の挿入方向の高さ寸法を上記のように設定することで、遮蔽部材部分が挿入口の内部に入り込むのを確実に防止することができる。
本発明に係るテーブルタップの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、テーブルタップの外観を示す図である。テーブルタップは、タップ本体1と、タップ本体1の表面に設けられる一対の挿入口2と、電源コード3を備えている。
タップ本体1は、外観を構成する第1本体ケース1aと、第2本体ケース1bと、挿入口ケース1cを組み合わせて構成される。一対の挿入口2は、図例では2組設けられているが、これを何組(1組もしくは任意の複数組)設けるかについては、適宜設定することができる。また、挿入口2の配置場所は、上面だけではなく側面に挿入口2を配置してもよい。タップ本体1を構成する部材は、合成樹脂により形成される。また、タップ本体1を構成するに際し、どのようなケース構造にするかについては、任意である。
次に、テーブルタップの内部構成について図2により説明する。第1本体ケース1aには、挿入口ケース1cが挿入される穴1dが形成されている。挿入口ケース1cは、スナップフィット、圧入、接着、ネジ等の適宜の方法により第1本体ケース1aに固定される。挿入口ケース1cの内面側には、遮蔽シート4(遮蔽部材に相当)が密着した状態で取り付けられる。遮蔽シート4は、弾性変形を有する部材、例えばゴムにより形成され、差込プラグの刃が貫通可能な切り込み部40が形成されている。遮蔽シート4を挿入口ケース1cに固定するための、シート押え5が設けられており、このシート押え5は挿入口ケース1cにスナップフィット、圧入、接着等の方法により固定され、遮蔽シート4が落下しないように固定する。なお、シート押え5を設けず、遮蔽シート4を挿入口ケース1cの内面に接着するなどの方法で固定してもよい。
第2本体ケース1bには、差込プラグの刃が挿入される電極6が設けられる。この電極6の構造と、電源コード3との接続構造に関しては、公知の構造であるので詳細は省略する。第1本体ケース1aと第2本体ケース1bとは、ネジ7により結合される。
<遮蔽シートの構成>
次に、図3により遮蔽シート4の構成を説明する。遮蔽シート4は、厚み1mm以下のゴムシート、好ましくは0.5mm程度のゴムシートにより形成される。遮蔽シート4は、機械的強度、電気的絶縁性、耐熱性、復元性を有する材料が選択され、例えば、ネオプレンゴムやシリコンゴムで形成することができる。
図3に示すように、切り込み部40は、直線状スリット41と、この直線状スリット41の両端から二股に分岐するVの字状スリット42により構成される。直線状スリット41は、刃が挿入される挿入口2の長手方向に沿った直線となっている。また、Vの字状スリット42の二股に分岐した先端には小孔43が形成されており、先端から亀裂が生じることを抑制している。Vの字の角度としては、例えば、90゜±20゜程度に設定される。
図4は、遮蔽シート4の取り付け状態を示す断面図である。遮蔽シート4は、挿入口ケース1cの内面1eに密着した状態で取り付けられる。これにより、防塵機能を確実にすることができる。また、挿入口2の内面側には空間部8が形成されており、挿入口2の幅寸法w1よりも空間部8の幅寸法w2の方が大きくなるように設定されている。この空間部8は、遮蔽シート4の変形を許容するために設けられるものである。
また、図3に示すように、直線状スリット41とVの字状スリット42の先端位置との垂直距離(x)と、空間部8の刃の挿入方向の高さ寸法(y)よの寸法関係については、y>xとなるように設定されている。
<テーブルタップの動作>
次に、差込プラグ10の指し込みと引き抜きを行なうときの動作を図5、図6により説明する。図5は、差込プラグ10を挿入完了した状態、すなわち、刃が電極6に接触している状態を示す図である。差込プラグ10を挿入口2から挿入していくと、刃10aの先端が切り込み部40に入り込む。遮蔽シート4は弾性変形可能な材料で形成されているため、刃10aにより直線状スリット41が押し広げられようと作用する。この場合、Vの字状スリット42が設けられているため、容易に拡げることができ、無理な力が作用することなく、刃10aを挿入可能である。また、刃10aを斜め方向から挿入したとしても、Vの字状スリット42が設けられているため、無理な力が作用することがない。刃10aの挿入完了状態では、刃10aの移動と共に、切り込み部40の周囲の部分4aが下方向に引きずられた状態になっている。
図6は、差込プラグ10を引き抜くときの動作を示している。刃10aを引き抜いていくと、これに引きずられて遮蔽シート4の部分4aも上方に持ち上げられる。このとき、空間部8が設けられているので、挿入口2の内部に部分4aが入り込もうとするのを抑制することができる(図6のA参照)。これにより、引き抜き動作に無理な力が作用することなく、容易に行なうことができる。また、前述の寸法関係y>xにより、確実に部分4aの入り込みを防止することができる。
寸法関係が仮にy≦xであるとすると、図6のBのように、部分4aが挿入口2の内部に入り込んでくる可能性があり、引き抜き動作に無理な力が作用し、使い勝手が悪くなる。
<別実施形態>
次に、遮蔽シート4の別実施形態を図7により説明する。図3では、1枚の遮蔽シート4に2つの切り込み部40を形成していたが、図7(a)に示すように、1枚の遮蔽シート4に1つの切り込み部40を形成した構成でもよい。この場合、1対の挿入口2に対して、2枚の遮蔽シート4が必要となる。また、図7(b)に示すように、Vの字状スリット42については、二股部分を曲線状に形成してもよい。
テーブルタップの外観を示す図 テーブルタップの内部構成を示す図 遮蔽シートの構成を示す図 遮蔽シートの取り付け状態を示す断面図 差込プラグの挿入時の動作を説明する図 差込プラグの引き抜き持の動作を説明する図 別実施形態の構成例を示す図
符号の説明
1 タップ本体
1a 第1本体ケース
1b 第2本体ケース
1c 挿入口ケース
2 挿入口
4 遮蔽シート
6 電極
8 空間部
10 差込プラグ
10a 刃
40 切り込み部
41 直線状スリット
42 Vの字状スリット
43 小孔

Claims (4)

  1. 差込プラグの一対の刃が差し込まれる一対の挿入口を少なくとも1つ有するタップ本体と、
    前記タップ本体の内部に、挿入口から差し込まれた差込プラグの刃と接触する電極と、
    挿入口を閉鎖するようにタップ本体内部に配置されると共に、前記刃を貫通させることが可能な切り込み部が形成され、かつ弾性変形可能な遮蔽部材を有するテーブルタップであって、
    前記切り込み部は、刃の形状に沿った直線状スリットと、この直線状スリットの両端から二股に分岐するVの字状スリットとで形成されていることを特徴とするテーブルタップ。
  2. 前記二股に分岐した先端部に小孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のテーブルタップ。
  3. 前記挿入口の内面側にシート状の前記遮蔽部材が密着して取り付けられ、かつ挿入口の前記内面側には、挿入口の大きさよりも大きな空間部が形成され、この空間部により、刃を抜く時に生じる遮蔽部材の変形を許容することを特徴とする請求項1又は2に記載のテーブルタップ。
  4. 前記空間部の挿入方向の高さ寸法は、前記二股に分岐したスリットの先端位置と直線状スリットとの垂直距離よりも長くなるように設定されていることを特徴とする請求項3に記載のテーブルタップ。
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