JP2007042292A - 放電灯点灯装置及びその調光制御方法 - Google Patents

放電灯点灯装置及びその調光制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動するランプの種類に応じた適切なランプ駆動を実行する。
【解決手段】 定電圧発生回路12が発生した定電圧は、トランジスタFQ1,FQ2によって、昇圧トランス14の1次側に正相又は逆相で供給される。点灯周波数制御回路13は、ランプ種別信号に基づいて、一義的に所望の調光範囲を得るために必要な入力電力又は点灯周波数を決定する。これにより、点灯周波数制御回路13は、ランプの種別に応じた、最適な点灯周波数又は入力電力を、簡単に設定することができ、高精度の調光制御が可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、容量性を有する誘電体バリア放電灯を点灯させる放電灯点灯装置及びその調光制御方法に関する。
従来、複写機、スキャナー等の読み取り用光源として、外面電極蛍光ランプを採用することがある。外面電極蛍光ランプは、環境負荷が高い水銀を使用していない点、周囲温度による光量変化が少ない点、発熱が少ない点、蛍光体を選択することにより発光色を変えることができる点等の特徴を有する。
外面電極蛍光ランプの点灯電圧は、高周波を発生するインバータ回路によって得られる。この場合において、インバータ回路を構成するプッシュプル回路の周波数を変化させることで、外面電極蛍光ランプの調光が可能である。
更に、本件出願人は先に出願した特許文献1において、プッシュプル回路のスイッチングを負帰還制御する第1の制御手段、スイッチングの制御による高周波出力を変化させて調光する第2の制御手段及び外面電極蛍光ランプに印加される電圧ピーク値を制御する第3の制御手段を備えることにより、調光範囲を広げることを可能にした提案を行っている。
特開2002−203699号公報
ところで、外面電極蛍光ランプは、バルブ外面に電極を有しており、電極とバルブとによって容量負荷を構成する。なお、バルブの内外面に電極を構成した内外面電極放電灯においても容量負荷となる。これらのランプは誘電体バリア放電によって点灯しており、誘電体バリア放電灯と呼ばれる。
ところが、このような誘電体バリア放電灯の調光範囲は比較的狭い。このため、誘電体バリア放電灯を光源として利用する装置においては、光源として必要な光量に応じた種類の放電灯を選択して採用することが多い。
しかしながら、従来の放電灯点灯装置においては、誘電体バリア放電灯の種類に応じた最適な調光制御の手法が確立されておらず、採用する放電灯によっては有効な調光が行われないことがあるという問題点があった。
本発明は、誘電体バリア放電灯のガス圧に応じた点灯周波数又は入力電力を設定することにより、いずれの放電灯についても有効な調光制御を可能にすることができる放電灯点灯装置及びその調光制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る放電灯点灯装置は、誘電体バリア放電灯に点灯電圧を供給するトランスと、前記トランスの1次側に印加する入力電圧を発生する定電圧回路と、点灯周波数で駆動されて、前記定電圧回路が発生した電圧を前記トランスの1次側に正相又は逆相で供給するプッシュプル回路と、前記誘電体バリア放電灯の封入ガス圧に関する情報が入力され、入力された封入ガス圧の情報に基づいて調光範囲を決定する前記入力電圧又は前記点灯周波数を決定し、決定した結果に応じて前記定電圧回路が発生する電圧又は前記プッシュプル回路を駆動する点灯周波数を設定する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
また、本発明に係る放電灯点灯装置の調光制御方法は、誘電体バリア放電灯に点灯電圧を供給するトランスと、前記トランスの1次側に印加する入力電圧を発生する定電圧回路と、点灯周波数で駆動されて、前記定電圧回路が発生した電圧を前記トランスの1次側に正相又は逆相で供給するプッシュプル回路とを具備した放電灯点灯装置の調光制御方法であって、前記誘電体バリア放電灯の封入ガス圧に関する情報を取得する手順と、誘電体バリア放電灯の封入ガス圧と入力電力又は点灯周波数とについて求めた固定の比率を用いて、取得した前記封入ガス圧の情報から所定の調光範囲を決定する前記入力電圧又は前記点灯周波数を決定する手順と、決定した前記入力電圧又は前記点灯周波数に応じて、前記定電圧回路又は前記プッシュプル回路を駆動する手順と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、誘電体バリア放電灯のガス圧に応じた点灯周波数又は入力電力を設定することにより、いずれの放電灯についても有効な調光制御を可能にすることができるという効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る放電灯点灯装置を示す回路図である。
本実施の形態は、複写機、ファクシミリ等に用いられる原稿照射用の外面電極放電灯の点灯回路の例である。誘電体バリア放電灯である外面電極放電灯として、キセノンガスが封入された希ガス蛍光ランプを用いる。本実施の形態においては、複写機やファクシミリ等の各種システム毎に、光量的に最適な外面電極放電灯を採用するものである。例えば、高速複写機と低速複写機では、原稿照射用の光源として必要な光量が夫々異なり、高速複写機用では比較的大きな光量を必要とし、低速複写機では比較的小さな光量を必要とする。これらの必要な光量に応じた外面電極放電灯を選択するのである。
ところで、外面電極放電灯においては、入力電圧及び点灯周波数を上昇させたとしても、照度は飽和する。本実施の形態においては、入力電圧及び点灯周波数の制御に対して照度が比較的リニアに変化する範囲を調光範囲とするように、各ランプの飽和照度の例えば約90%の照度を最大照度に設定するようになっている。この場合において、本実施の形態においては、後述するように、各ランプの封入ガス圧の情報に基づいて、調光範囲の制御を切り替えるようになっている。
図1において、点灯回路11の入力端子T1には、直流電源からの直流電圧、例えば24Vの電圧が与えられ、入力端子T2には回路のオン・オフ信号が与えられる。また、端子T4はグランド端子(GND)である。本実施の形態においては、端子T3にはシステムにおいて採用する外面電極放電灯の種別を示すランプ種別信号が入力されるようになっている。
端子T1からの電源電圧は、定電圧発生回路12の電源端に供給される。端子T4は定電圧発生回路12の基準電位端に接続されると共に、点灯周波数制御回路13の基準電位端にも接続される。点灯周波数制御回路13の電源端には、定電圧発生回路12の出力が供給されるようになっている。なお、定電圧発生回路12の出力端と基準電位端との間には、コンデンサC1が接続されており、コンデンサC1によって平滑された電源電圧が昇圧トランス14及び点灯周波数制御回路13に供給されるようになっている。
定電圧発生回路12は、例えば、チョッパ回路によって構成することができる。この場合には、定電圧発生回路12は、図示しないチョッパトランジスタのオン,オフ期間の制御に応じた定電圧を発生する。定電圧発生回路12の出力端は、昇圧トランス14の1次側コイルの中点に接続される。昇圧トランス14の2次側コイルの両端には外面電極放電灯15が接続されており、2次側コイルの一端は定電圧発生回路12の基準電位端に接続される。
プッシュプル構成のトランジスタFQ1,FQ2及び点灯周波数制御回路13によってインバータ回路が構成される。トランジスタFQ1のドレインは昇圧トランス14の1次側コイルの一端に接続され、トランジスタFQ2のドレインは昇圧トランス14の1次コイルの他端に接続される。トランジスタFQ1,FQ2のソースはトランス14の2次コイルの一端に接続される。トランジスタFQ1,FQ2のゲートには、点灯周波数制御回路13から制御信号が供給されるようになっている。
点灯周波数制御回路13は、トランジスタFQ1,FQ2を交互にオンさせるための制御信号を出力する。これにより、トランス14の1次コイルの両端には、互いに逆極性の駆動パルスが印加される。昇圧トランス14は1次コイルに印加された電圧を昇圧して2次コイルから取り出す。こうして、2次コイルに接続された放電灯15にランプ電圧が印加されて、放電灯15が点灯するようになっている。
放電灯15の調光範囲は、定電圧発生回路12の出力電圧又はトランジスタFQ1,FQ2のオン,オフ周波数、即ち、点灯周波数を変更することによって変化する。本実施の形態においては、ランプ種別信号に基づいて点灯周波数を制御することで、いずれの種類の放電灯15が採用された場合でも最適な調光範囲を得るようになっている。
端子T3からのランプ種別信号は、点灯周波数制御回路13に供給される。本実施の形態においては、点灯周波数制御回路13は、封入ガス圧と点灯周波数との関係を示すテーブルを備えたメモリ16を用いる。即ち、点灯周波数制御回路13は、マイクロコンピュータ等によって構成されており、ランプ種別信号に応じてメモリ16から点灯周波数の範囲についての情報を読み出し、読み出した情報に基づいてトランジスタFQ1,FQ2を制御するようになっている。
なお、後述するように、定電圧発生回路12としてチョッパ回路を採用した場合には、点灯周波数を変更すると同時に昇圧トランス14の1次側コイルに印加される電圧も変化する。この場合には、点灯周波数制御回路13は、トランジスタFQ1,FQ2のオン,オフ周波数の制御と共に、チョッパトランジスタのオンデューティの制御も行う。
なお、点灯周波数制御回路13を、マイクロコンピュータに代えて、ディスクリート部品を用いて構成してもよい。
次に、図2乃至図6を参照して、外面電極放電灯の種類毎の調光範囲の設定の仕方について説明する。図2乃至図5は横軸に入力電力をとり縦軸に照度又は点灯周波数をとって、封入ガス圧毎の調光範囲を説明するためのグラフである。なお、図2乃至図5は、夫々封入ガス圧が18620(Pa)、21280Pa、23940Pa又は26600Paである放電灯の特性を示すものである。図2乃至図5の(1)乃至(8)は夫々定電圧発生回路としてのチョッパ回路の出力電圧が18V、20V、50V、60V、18V、20V、50V、60Vの例であり、図2乃至図5の(1)−(4)は入力電力と照度との関係を示す点を示し、(5)−(8)は入力電力と点灯周波数との関係を示す点を示している。
図2乃至図5のグラフは、昇圧トランス14に印加される電圧Vbが18V、20V、50V、60Vの場合における入力電力と照度との関係及び入力電力と点灯周波数との関係を測定してプロットしたものである。図2乃至図5に示すように、いずれの封入ガス圧の例からも明らかなように、入力電力及び点灯周波数を十分に大きくしても、照度は飽和することが分かる。そして、飽和する照度は、封入ガス圧毎に、即ち、ランプ種類に応じて決定される。
また、図2乃至図5に示すように、いずれの封入ガス圧の例でも、入力電力と点灯周波数との関係は、入力電圧に拘らずリニアに変化する。従って、調光に際しては、入力電力か点灯周波数の一方のみを制御すれば、他方も追随して変化することが分かる。
本実施の形態においては、飽和照度の例えば約90%の照度を、使用する照度の最大値とする。この場合において、本実施の形態においては、図2乃至図5の実験結果を利用することで、封入ガス圧と入力電力との関係のみに応じて、各ランプの90%照度を得るために必要な制御を決定する。図6は図2乃至図5の実験結果を数値化したものであり、封入ガス圧が18620(Pa)、21280Pa、23940Pa又は26600Paである各ランプにおいて90%照度を得るために必要な入力電力(W)を示す図表である。
図6に示すように、例えば、封入ガス圧が18620Paのランプについては、入力電力を25Wに設定することによって、このランプの90%調光が得られることが分かる。また、例えば、封入ガス圧が26600Paのランプについては、入力電力を35Wに設定することによって、このランプの90%調光が得られることが分かる。
そして、ガス圧と入力電力との比を求めると、図6に示すように、その値は、750(Pa/W)前後であることが分かる。即ち、外面電極放電灯においては、封入ガス圧が分かれば、例えば90%調光に必要な入力電力(又は点灯周波数)が概略求められることになる。封入ガス圧は、ランプの種類に応じて決まっており、ランプの種類を特定するための情報が与えられれば、その90%調光、即ち、点灯周波数を変化させる等の調光制御によって照度が略リニアに変化する上限の調光に必要な入力電力又は点灯周波数を把握することができる。
なお、本実施の形態においては、90%調光の調光範囲を決定する値として、ガス圧と入力電力との比を750(Pa/W)前後に設定したが、制御可能な調光範囲として90%よりも小さい値や90%よりも大きい値を設定した場合には、ガス圧と入力電力との比は、例えば、700〜1150(Pa/W)程度の間の値をとることになる。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図7を参照して説明する。図7は点灯周波数制御回路13の動作を説明するためのフローチャートである。
図1の点灯回路は、図示しない複写機等のシステム内に組み込まれているものとし、放電灯15は当該システムに必要な光量に適した種類であるものとする。点灯周波数制御回路13には、端子T3からランプ種別信号が入力される(ステップS1)。ランプ種別信号は、外面電極放電灯15の種別を示すものである。
上述したように、外面電極放電灯15は、封入ガス圧に応じて、所望の調光を得るための入力電力又は点灯周波数が決定される。点灯周波数制御回路13は、入力されたランプ種別信号に基づいてメモリ16にアクセスし、所望の調光を行うために必要な点灯周波数の情報を取得する(ステップS2)。
いま例えば、外面電極放電灯15として、23940Paの封入ガスのランプが採用されているものとする。点灯周波数制御回路13は、このランプを示すランプ種別信号を用いてメモリ16にアクセスする。メモリ16には、例えば、図6と同様の情報が記述されており、点灯周波数制御回路13は、採用された外面電極放電灯15を90%調光するために必要な入力電力は30Wであり、そのときの点灯周波数は74kHz(図4参照)であることを把握する。
なお、メモリ16には、入力電力と点灯周波数との関係まで記憶されていてもよく、あるいは、点灯周波数制御回路13において、読み出した入力電力の情報から必要な点灯周波数を算出してもよい。更に、ガス圧/電力は、約750前後の値であり、メモリ16には、ガス圧、及びガス圧×750の値のみが記憶されていてもよい。更に、メモリ16には、ランプ種別信号とその封入ガス圧の情報のみを記憶させ、点灯周波数制御回路13において読み出した封入ガス圧に、ガス圧と電力の比である約750を乗算することで、90%調光を得る入力電力を把握するようにしてもよい。
端子T2のオン・オフ信号がオン信号になると、定電圧発生回路12は、放電灯15を点灯させるための電圧を発生する。一方、点灯周波数制御回路13は、30〜74kHzの範囲の点灯周波数で、プッシュプルトランジスタFQ1,FQ2を駆動する。例えば、放電灯15の最高照度の90%を制御範囲とし、その50%の照度を得る場合には、点灯周波数制御回路13は、約{(74−30)/2}+30=52kHzで、トランジスタFQ1,FQ2を駆動する(ステップS3、ステップS4)。
これにより、トランス14の1次コイルの両端は、50%照度を得るために必要なレベル及び周期の駆動パルスとなる。この駆動パルスは、昇圧トランス14によって昇圧され、2次側コイルにランプ電圧が発生する。こうして、2次側コイルに接続された放電灯15は、50%調光の状態で点灯する。本実施の形態においては、点灯周波数に対して調光がリニアに変化する領域で放電灯15を駆動しており、簡単に高精度の調光制御が可能である。
このように本実施の形態においては、点灯開始時においてランプの種別毎に定まった封入ガス圧から、一義的に所望の調光範囲を得るために必要な入力電力又は点灯周波数を決定している。従って、ランプの種別に拘らず、調光制御が極めて容易である。また、調光範囲を飽和照度の90%程度の領域に設定しており、点灯周波数と照度とがリニアな範囲で光を行うことができ、高精度の調光制御が可能である。
従って、システム毎にランプを切り替えた場合でも、単一の点灯回路によって、簡単で且つ高精度の調光制御が可能である。
本発明の一実施の形態に係る放電灯点灯装置を示す回路図。 封入ガス圧毎の調光範囲を説明するためのグラフ。 封入ガス圧毎の調光範囲を説明するためのグラフ。 封入ガス圧毎の調光範囲を説明するためのグラフ。 封入ガス圧毎の調光範囲を説明するためのグラフ。 図2乃至図5の実験結果を数値化した図表。 点灯周波数制御回路13の動作を説明するためのフローチャート。
符号の説明
12…定電圧発生回路、13…点灯周波数制御回路、14…昇圧トランス、15…外面電極放電灯、FQ1,FQ2…トランジスタ。

Claims (2)

  1. 誘電体バリア放電灯に点灯電圧を供給するトランスと、
    前記トランスの1次側に印加する入力電圧を発生する定電圧回路と、
    点灯周波数で駆動されて、前記定電圧回路が発生した電圧を前記トランスの1次側に正相又は逆相で供給するプッシュプル回路と、
    前記誘電体バリア放電灯の封入ガス圧に関する情報が入力され、入力された封入ガス圧の情報に基づいて調光範囲を決定する前記入力電圧又は前記点灯周波数を決定し、決定した結果に応じて前記定電圧回路が発生する電圧又は前記プッシュプル回路を駆動する点灯周波数を設定する制御手段と、を具備したことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 誘電体バリア放電灯に点灯電圧を供給するトランスと、前記トランスの1次側に印加する入力電圧を発生する定電圧回路と、点灯周波数で駆動されて、前記定電圧回路が発生した電圧を前記トランスの1次側に正相又は逆相で供給するプッシュプル回路とを具備した放電灯点灯装置の調光制御方法であって、
    前記誘電体バリア放電灯の封入ガス圧に関する情報を取得する手順と、
    誘電体バリア放電灯の封入ガス圧と入力電力又は点灯周波数とについて求めた固定の比率を用いて、取得した前記封入ガス圧の情報から所定の調光範囲を決定する前記入力電圧又は前記点灯周波数を決定する手順と、
    決定した前記入力電圧又は前記点灯周波数に応じて、前記定電圧回路又は前記プッシュプル回路を駆動する手順と、を具備したことを特徴とする放電灯点灯装置の調光制御方法。
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