JP2007042071A - コインホッパ - Google Patents
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Abstract
本発明の第1の目的は、保留ボウル内のコインブリッジを防止することである。
本発明の第2の目的は、消費エネルギを大幅に増加することなくコインブリッジを防止することである。
本発明の第3の目的は、回転ディスクのトラブルに容易に対処できるコインブリッジ防止機能を有するコインホッパを提供することである。
【解決手段】
筒形の保留ボウルの下部に配置した回転ディスクによってコインを一つずつ払い出すようにしたコインホッパにおいて、前記回転ディスクの回転軸線とほぼ並列に配置された軸線回りに回転する攪拌体の外周面が前記保留ボウルの内壁の一部を構成することを特徴とするコインホッパである。
【選択図】図1
Description
詳しくは、コインブリッジ(コインがドーム形の塊になり、回転ディスクの上方が空間になる現象)の発生を簡単な装置で防止したコインホッパに関する。
なお、本明細書で使用する「コイン」は、通貨、トークン等の円形ディスクの総称である。
その第1の従来技術として、回転ディスク上方の保留ボウル側壁に回転円板を配置し、コインブリッジの原因となるコインの足場が保留ボウル内壁面において生じないようにすることが知られている。
換言すれば、コインが回転円板を足場にバランスしようとする場合、そのコインの押力によって回転円板が回転されることにより、足場にならないようにすることにより、コインブリッジの発生を防止するものである(例えば、特許文献1参照)。
この解決のため、保留ボウル壁面のほぼ全域を回転円板で構成することが考えられるが、構造が複雑化し、高価となる問題がある。
しかし、第3従来技術のようにベルトを用いる場合、一対のローラ間にベルトを張設しなければならず、装置が大型化し、小型のコインホッパには採用できない問題がある。
また、ベルトは回転ディスクの直ぐ上に配置され、多くのコインの重量を受けるので、ベルトを駆動する消費エネルギが大きい問題がある。
さらに、ベルトは回転ディスクと共通の駆動機構によって駆動されるため、回転ディスクの上方に回転ディスクと一体的に取り付けられている。
したがって、コインが回転ディスクとコインのスライドベースとの間に挟まれた場合、ベルトが邪魔になり容易に除去できない問題がある。
本発明の第2の目的は、消費エネルギを大幅に増加することなくコインブリッジを防止することである。
本発明の第3の目的は、回転ディスクのトラブルに容易に対処できるコインブリッジ防止機能を有するコインホッパを提供することである。
筒形の保留ボウルの下部に配置した回転ディスクによってコインを一つずつ払い出すようにしたコインホッパにおいて、前記回転ディスクの回転軸線とほぼ並列に配置された軸線回りに回転する攪拌体の外周面が前記保留ボウルの内壁の一部を構成することを特徴とするコインホッパである。
撹拌体の外周面の一部は、保留ボウルの内壁の一部を構成している。
攪拌体は、回転ディスクの回転軸線とほぼ並列な軸線回りに回転される。
したがって、積極的に移動する攪拌体の周面に接触している保留ボウル内のコインは、攪拌体との摩擦力により積極的に移動される。
換言すれば、コインが保留ボウルの内面を足場にコインブリッジを形成しようとしても、その足場が積極的に移動されるので、コインブリッジを形成することができない。
また、攪拌体の軸線は回転ディスクの軸線にほぼ並列しているので、攪拌体は保留ボウルの下方から上方に直線的に延びている。
したがって、保留ボウル内のコインの重量が攪拌体に加わった場合、攪拌体はコインと直線的に接するので、保留ボウル内のコインの重量を殆ど受けない。
換言すれば、攪拌体の回転抵抗は小さいので、攪拌体駆動のための消費エネルギは小さい。
したがって、攪拌体の消費電力が小さい利点ある。
さらに、攪拌体は回転軸線とほぼ並列な軸線回りに回転する。
したがって、攪拌体が軸線回りに回転出来るスペースがあれば良いので、小型のホッパに適用できる利点がある。
この構成において、撹拌体はその中央が両端に比し大径の太鼓形であるので、コインは攪拌体の回転による回転ディスクに対し平行な横方向への移動力に加え、回転ディスクの回転軸線に向かう移動力を受けるので、二次元的に移動される。
したがって、コインの移動方向が多様化し、コインブリッジを効果的に防止できる利点がある。
この構成において、コインは回転ディスクに対し平行な横方向への移動力に加え、撹拌体の回転によって螺旋溝を画定する壁によって押し下げられ又は押し上げられる。
したがって、コインは前記二次元的移動に加え上下方向に移動されるので、三次元的に移動され、コインの移動方向が多様化し、コインブリッジを効果的に防止できる利点がある。
この構成において、回転ディスクは傾斜配置されているので、回転ディスクによって撹拌されるコインは、回転ディスクから受ける回転力と重力による戻り力とが釣り合う回転ディスクの最下端よりも回転方向の後位に位置において多く滞留する。
攪拌体はこの滞留位置に配置されているので、攪拌体の回転によって保留ボウル内のコインを効果的に攪拌でき、もってコインブリッジを効果的に防止できる利点がある。
この構成において、円筒部の壁面の一部は攪拌体の周面によって構成される。
傾斜底面を滑り落下するメダルは傾斜底面の延長上に位置する円筒部壁面にもたれかかり、この壁面を足場にコインブリッジを生じる。
しかし、攪拌体の回転により、円筒部の壁面は移動するから、コインブリッジの足場は崩され、コインブリッジを生じることができない利点がある。
回転ディスクにコインが噛み込んだ場合、保留ボウルを回転ディスク側から外して作業を行う。
この場合、攪拌体は保留ボウルに対し回転自在に取り付けられ、かつ、回転ディスクの駆動装置にクラッチを介して接続されているので、保留ボウルと一体的に回転ディスク側から取り外すことができる。
また、保留ボウルを回転ディスク側に取り付ける場合、そのクラッチを接続することにより保留ボウルを回転ディスク側に取り付けることができるので、容易に着脱可能である。
したがって、回転ディスクのメンテナンスが容易にできる利点がある。
保留ボウルを回転ディスク側から取り外す場合、軸方向に離すことにより噛み合いクラッチを外し、及び、軸方向に近づけることにより噛み合いクラッチを接続することができる。
したがって、回転ディスクのメンテナンスが容易にできる利点がある。
この構成において、回転ディスクの回転により、保留ボウル内のコインは一つずつ区分けされて払い出される。
撹拌体の外周面の一部は、保留ボウルの内壁の一部を構成している。
攪拌体は、回転ディスクの回転軸線とほぼ平行な軸線回りに回転される。
したがって、積極的に移動する攪拌体の周面に接触している保留ボウル内のコインは、攪拌体との摩擦力により積極的に移動される。
換言すれば、コインが保留ボウルの内面を足場にコインブリッジを形成しようとしても、その足場が積極的に移動されるので、コインブリッジを形成することができない。
また、攪拌体は保留ボウルの下方から上方に直線的に延びている。
したがって、保留ボウル内のコインの重量が攪拌体に加わった場合、攪拌体はコインと直線的に接するので、保留ボウル内のコインの重量を殆ど受けない。
換言すれば、攪拌体の回転抵抗は小さいので、駆動エネルギは小さい。
したがって、攪拌体の消費エネルギが小さい利点ある。
さらに、攪拌体は回転軸線とほぼ平行な軸線回りに回転する。
したがって、攪拌体が軸線回りに回転出来るスペースがあれば良いので、小型のホッパに適用できる利点がある。
さらに、攪拌体は保留ボウルに対し回転自在に取り付けられ、かつ、回転ディスクの駆動装置にクラッチを介して接続されているので、保留ボウルと一体的に回転ディスク側から取り外すことができる。
また、保留ボウルを回転ディスク側に取り付ける場合、そのクラッチを接続することにより保留ボウルを回転ディスク側に取り付けることができるので、容易に着脱可能である。
したがって、回転ディスクのメンテナンスが容易にできる利点がある。
この構成において、攪拌体に加え、さらに、横向き攪拌体を備える。
よって、攪拌体の回転ディスクの軸線と平行な軸線回りの回転による保留ボウル壁面の回転ディスクの周方向の移動若しくは上下方向の移動により、コインのブリッジを防止する。
さらに、横向き攪拌体は保留ボウルの壁面に対しほぼ直角な軸線回りに回転するので、これに接するコインは回転ディスクの上方において横転力を受ける。
よって、この横転力によってコインが横転されるので、更にコインの攪拌効果が増し、コインブリッジを防止することができる。
この構成により、横向き攪拌体用の個別の駆動源を設ける必要がないので、装置の小型化、低コスト化が可能である。
図2は、本発明の実施例1のコインホッパの後上方からの分解斜視図である。
図3は、本発明の実施例1のコインホッパの前上方からの分解斜視図である。
図4は、図1におけるA―A線断面図である。
図5は、図4におけるB―B線断面図である。
コインホッパ100は箱形のベース102、ベース102の上に位置する筒形の保留ボウル104、回転ディスク106及び駆動装置108を含んでいる。
ベース102は、駆動装置108及び後述の減速機構124を内蔵し、上面110は回転ディスク106によって移動されるコインを案内する機能を有している。
本実施例のベース102の上面110は、前方から後方へ向かって後ろ下がりに傾斜している。
図2に示すように、ベース102の上面110に回転ディスク106の厚みよりも僅かに深い円形凹部112が形成されている。
回転軸116が、円形凹部112の底面118の中央に底面118に対してほぼ直角の回転軸線L1を中心に回転自在に配置されている。
回転軸116は、ベース102内に配置された減速機構124を介して駆動装置108である電気モータ126によって回転される。
減速機構124は、ベース102の裏面側に配置され、以下の構成からなっている。
図5に示すように、モータ126の出力軸128に固定した駆動ギヤ130が第1固定軸132に回転自在に取り付けられた第1中間ギヤ134に噛み合っている。
第3中間ギヤ140と同軸に一体に形成された第4中間ギヤ142は、回転軸116の下端に固定された第1被動ギヤ144に噛み合っている。
したがって、回転ディスク106は、ギヤ130、134、136、140、142及び144によって定まる所定の減速比によってモータ126によって、通常、図1において矢印で示す反時計方向に回転される。
保留ボウル104は、下部開口150が円形であって、上部開口152は矩形である。
保留ボウル104は、回転ディスク106の回転軸線L1とほぼ同心の円筒部154及び円筒部154に連続して上方及び前方に拡大する増量保留部156を有している。
換言すれば、円筒部154はベース102に対し直角方向に延びている。
すなわち、円筒部154は水平線に対し傾斜している。
したがって、円筒部154の下端が下部開口150であり、増量保留部156の上端が上部開口152である。
傾斜底面158の傾斜は、載置されるコインが自重によって自然滑落するよう設定されている。
取付装置160は、保留ボウル104をベース102に対し少なくとも2操作で着脱出来るワンタッチ取付装置であることが好ましい。
例えば、コインが底面118と回転ディスク106との間にかみ込まれた場合、保留ボウル104を取り外すことにより回復作業を迅速に行うためである。
ベース102の前部の左右に一対の第1装着穴162、第2装着穴164が形成されている。
装着穴162、164の一側に横梁状に第1掛止部166、第2掛止部168が設けられている。
ベース102の後部の左右に一対の第3装着穴174、第4装着穴176が形成され、ベース102の側壁に第3掛止部178、他側壁に第4掛止部180が形成されている。
保留ボウルベース165の後方下部の左右端に弾性を有する第1ステー182及び第2ステー184が下方に向かって形成され、それら下端部に外向きの第3フック186、第4フック187が形成されている。
保留ボウル104をベース102に取り付ける場合、まず、フック170、172を相対する装着穴162、164にそれぞれ挿入してフック170、172をそれぞれ掛止部166、168にフックする。
これにより、フック186、187の外向き傾斜部188、189が装着穴174、176の縁壁に接触して内方へ力を受けるので、ステー182、184が弾性的に内方に撓む。
この撓みによりフック186、187は装着穴174、176内に進行する。
保留ボウルベース165の下面がベース102の上面110と面接触したとき、フック186、187が掛止部178、180に相対し、前記ステー182、184の弾性による復帰力により移動して各掛止部178、180にフックし、保留ボウル104がベース102に固定される。
次いで、保留ボウル104の後端部を上方に引き上げ、フック186、187が装着穴174、176外へ移動した後、後方(図3において左方)にスライドすることによりフック170、172を装着穴162、164から抜き出すことにより、保留ボウル104をベース102から取り外す。
回転ディスク106は、保留ボウル104に保留されたコインを一つずつ区分けして払い出す機能を有する。
回転ディスク106は、回転軸116を中心とする円上に使用コインよりも僅かに大きい複数の通孔122が所定の間隔で配置されている。
回転ディスク106は、円形凹部112に位置し、通孔122の外周縁が下部開口150の直下方に配置されている。
これにより、円筒部154の内面にもたれかかったコインは、回転ディスク106の外周縁に支えられることなく通孔122に落下する。
回転ディスク106の通孔122の間のリブ192の下面には、中心部から周縁に伸びるコインの押出突条194が形成されている。
コインホッパ100は、コインが保留ボウル104内にバラ積み状態に保留される。
回転ディスク106が回転した場合、コインは回転ディスク106の通孔122及び攪拌突起196によって攪拌され、様々に姿勢を変えられて通孔122に落下し、ベース102の底面118に支えられる。
この移動途上において、コインは底面118から突出する第1ピン198及び第2ピン200によって回転ディスク106の周方向へ案内され、払出口202から一つずつ送り出される。
弾き出されたコインは、金属センサ204によって検知され、その検知信号は払出数のカウントに用いられる。
金属センサ204を通過したコインは、払出シュート206によって所定の位置に案内される。
例えば、回転ディスク106が水平に配置されたコインホッパ100にも適用できる。
攪拌体210は、保留ボウル104の壁面の一部を構成し、少なくとも所定の速度でその周面が横方向(図1において左右方向)に移動する機能を有する。
具体的には、攪拌体210は、回転ディスク106の回転軸線L1とほぼ並列な回転軸線L2回りに回転する回転体212の周面214である。
回転体212の周面214の一部は、円筒部154に形成された開口216内に配置されている。
したがって、周面214は保留ボウル104の内面の一部を構成している。
周面214と開口216の縁との間隔は、コインの厚みよりも小さくし、コインがそれらの間に進入しないようにする。
円筒部154において滞留するコインを効果的に攪拌できるからである。
回転体212は円柱形であるが、上下両端部よりも中央が大径である太鼓形が好ましい。
コインの接触部が小径部から大径部に、逆に、大径部から小径部に移る過程において、コインに横方向の移動力を与えるので、より効果的にコインを攪拌できるからである。
さらに、回転体212は、周面に螺旋溝218を形成し、その螺旋溝218が下から上方へ移動するよう回転体212を回転させることが好ましい。
コインは、螺旋溝218によって回転ディスク106から離されるように移動されるので、回転ディスク106の回転抵抗が減少するからである。
回転体212は、保留ボウル104の円筒部154の外周面に固定された縦向きであって、かつ、半円筒形のカバー219にその上端部が回転自在に支持され、下端部は保留ボウルベース165に軸受220を介して回転自在に支持されている。
本実施例において、攪拌体210は二つ設けられている。
第2攪拌体222は、攪拌体210と同一構造であるので構造の説明は省略し、攪拌体210と同一部品には同一符号を付してある。
すなわち、回転ディスク106の回転によってコインは回転ディスク106の最下端よりも回転方向後位側、換言すれば上方へ移動される力が作用する。
一方、コインには重力によって低い方、換言すれば下方へ移動する力が作用する。
したがって、これら上方へ移動される力と下方へ移動する力がバランスする位置が回転ディスク106の最下端に対し約45度の角度の位置であり、最もコインが滞留し、コインブリッジ発生の基になる位置である。
なお、攪拌体210、222は三個以上配置することができ、また、増量保留部156の壁面にも配置することができる。
したがって、回転ディスク106の回転軸線L1にほぼ並行する軸線とは、軸線L2が回転軸線L1に対し相当程度傾斜する場合も含んでいる。
攪拌体210、222の何れか一つを配置する場合、前記したように回転ディスク106の最下端部よりも回転後位側の攪拌体222を設けることが最も好ましい。
攪拌体駆動装置230は、回転ディスク106と同一のモータ126によって駆動される。
モータ126を回転ディスク106と共用することにより、コインホッパ100の小型化及びコストダウンに効果がある。
具体的には、第4中間ギヤ142に第3固定軸232に回転自在に取り付けられた第4中間ギヤ234が噛み合っている。
第4中間ギヤ234は、ベース102に固定された第4固定軸(図示せず)に回転自在に取り付けられた第2被動ギヤ238に噛み合っている。
第5中間ギヤ242に第5固定軸244に回転自在に取り付けた第3被動ギヤ246が噛み合っている。
第3被動ギヤ246と攪拌体210はクラッチ248を介して接続されている。
クラッチ248によって、駆動装置230と攪拌体210とが容易に接続かつ解除できるようにしたものである。
クラッチ248は、第3被動ギヤ246の上方に延びる軸部249から回転されるクラッチ片250と回転体212の下端部のクラッチ片252とにより構成され、適宜に接続し解除される。
クラッチ248は、クラッチ片250と252によって構成される噛合クラッチ254であることが好ましい。
噛合クラッチ254は、クラッチ片250の上端面に回転軸心を中心に対称に形成された噛合穴256と、クラッチ片252の下端面に形成し、噛合穴256に差し込まれる突起258によって構成される。
攪拌体210の周面に所定値の回転抵抗が加わった場合、トルクリミッタ260が滑りを生じ、無理に攪拌体210を回転させないのでモータ126の消費エネルギを低減できるからである。
したがって、クラッチ片252をクラッチ片250に近づけ、突起258を噛合穴256に挿入することにより噛合クラッチ254が接続される。
換言すれば、保留ボウル104のベース102への取り付け動作により、噛合クラッチ254が噛み合う。
この状態において第3被動ギヤ246の回転は、噛合クラッチ254を介して回転体212に伝達される。
図示を省略したが、攪拌体222の下端部と、第2被動ギヤ238の上部の間にも同様に噛合クラッチが配置されている。
保留ボウル104に多数のコインがバラ積み状態に保留される。
図1及び3において、回転ディスク106が反時計方向に回転された場合、各ギヤを介して撹拌体210、222は時計方向へ回転される。
これにより、攪拌体210、222の保留ボウル104の開口216に位置する周面は右方へ移動する。
したがって、攪拌体210、222の周面214と接触するコインは、回転ディスク106の回転によってコインを介して左横方向へ移動する力を受け、かつ、周面214から右横方向に移動する力を受ける。
特に、保留ボウル104内にコインが多数存在する場合、傾斜底面158上を滑り落ちるコインの重量により、コインは延長線L3よりも上方の円筒部154の壁面に大きな力で押し付けられる。
コインは、この保留ボウル104の内面に対する大きな押し付け力によって滞留し、コインブリッジの足場が発生し易い。
しかし、この位置に攪拌体210、222の周面214が配置されているので、コインは攪拌体の周面214によって横方向へ移動する力を受け、コインブリッジの足場を形成しない。
換言すれば、コインは傾斜底面158へ向かって押されるので、この移動によってもコインブリッジの足場は崩される。
さらに、コインの周縁部は螺旋溝218に位置する。
螺旋溝218の画定壁は、攪拌体210、222の回転によって下方から上方に向かって移動する。
螺旋溝218に周縁部が位置するコインは、螺旋溝126の画定壁によって上方へ移動されるので、これによってもコインブリッジの足場は崩される。
したがって、攪拌体210、222の回転によってコインブリッジの足場が崩されるので、コインブリッジが生じることはない。
これにより、クラッチ片252の噛合穴256から攪拌体210、222の下端面の突起258が抜け出て噛合クラッチ254が自動的に切り離される。
次いで、フック170、172を掛止部166、168から外すことにより保留ボウル104はベース102から容易に取り外すことができる。
この過程において、攪拌体210、222の下端面の突起258は噛合穴256に進入し、自動的に噛み合いクラッチ254が噛み合う。
突起258と噛合穴256の位相がずれている場合、周面214を指先で横方向に移動させて攪拌体210、222を回動させることにより、位相合わせを行う。
また、フック186、188が掛止部178、180にフックし、保留ボウル104はベース102に固定される。
したがって、本発明に於ける保留ボウル104の下部に配置した回転ディスク106とは、円筒部154の下端部に配置された場合、及び、円筒部154の直下方に配置された場合の両態様を含んでいる。
また、回転体212は、螺旋溝218が上から下方へ移動するよう回転されることができる。
さらに、回転体212に加え、円筒部154に保留されているコインを回転ディスク106の回転軸線L1に向かって押し動かす往復動体を設けることができる。
本発明において、駆動装置230と攪拌体210、222との間のクラッチ248は、摩擦クラッチにすることが出来る。
摩擦クラッチは所定値以上の負荷が攪拌体210、222に加わった場合、滑りが発生するので、トルクリミッタ260を装着する必要がない。
図7は、本発明の実施例2の図8における矢視C方向から見た図である。
図8は、本発明の実施例2の図7におけるD−D線断面図である。
なお、説明の明確化のため実施例1の攪拌体を便宜的に縦向き攪拌体という。
図に示すように、実施例1の縦向き攪拌体210、222の直上に横向き攪拌体300が配置されている。
横向き攪拌体300は、第1横向き攪拌体302及び第2横向き攪拌体304を含んでいる。
図8に示すように、第1縦向き攪拌体210の直上方に横向き軸306が配置され、ケーシング308に回転自在に保持されている。
横向き軸306の横向き軸線312は、保留ボウル104の円筒部154の壁面314に対しほぼ直交するように配置されている。
横向き軸306の保留ボウル104内の端部には円板状の第1攪拌体302が固定されている。
第1攪拌体302は、円錐形であり、円錐面316にはリブ形の攪拌突起318が形成されている。
第1攪拌体302の表面は、円筒部154の壁面314に実質的に連なっているので、保留ボウル104の内壁面を構成している。
横向き軸306にハスバ歯車322が固定され、第1攪拌体210の上端に固定されているハスバ歯車324に噛み合っている。
これにより、回転ディスク106が図6において反時計方向へ回転される場合、第1攪拌体210は反時計方向へ回転され、螺旋溝218が下部から上部へ向かって移動し、さらに、ハスバ歯車324、322を介して横向き軸306が回転され、第1横向き攪拌体302が矢印で示す時計方向へ回転される。
これにより、第1横向き攪拌体302と接しているコインは横転力を受けるので、コインブリッジの足場になることが出来ない。
さらに、直接横転力を受けるコインの周囲のコインも影響を受けるので、コインブリッジの足場になることができない。
よって、実施例2においては、実施例1よりも効果的にコインブリッジの発生を抑制できる。
横向き攪拌体300を一つにする場合、回転ディスク106の最下部に相対する位置から僅かに回転ディスク106の回転方向に偏倚した位置、換言すれば、第2縦向き攪拌体222に相対する第2横向き攪拌体304の位置に配置することが好ましい。
また、横向き攪拌体300は、円板状であっても良い。
L2 軸線
L3 延長線
104 保留ボウル
106 回転ディスク
126 駆動装置
158 底面
156 増量保留部
210、222 攪拌体
212 外周面
218 螺旋溝
248 クラッチ
250、252 クラッチ片
254 噛合クラッチ
300 横向き攪拌体
Claims (10)
- 筒形の保留ボウル(104)の下部に配置した回転ディスク(106)によってコインを一つずつ払い出すようにしたコインホッパ(100)において、
前記回転ディスクの回転軸線(L1)とほぼ並列に配置された軸線(L2)回りに回転する攪拌体(210、222)の外周面(212)が前記保留ボウルの内壁の一部を構成することを特徴とするコインホッパ。 - 請求項1のコインホッパにおいて、前記撹拌体は中央が両端に比し大径の太鼓形であることを特徴とする。
- 請求項1または2のコインホッパにおいて、前記攪拌体の周面に螺旋溝(216)が形成されていることを特徴とする。
- 請求項1のコインホッパにおいて、前記回転ディスクが傾斜配置され、前記攪拌体が前記回転ディスクの最下端よりも回転方向の後位に位置していることを特徴とする。
- 請求項4のコインホッパにおいて、前記保留ボウルは前記回転ディスクの軸線に沿って延びる円筒部(154)及び回転ディスクに対しほぼ平行な傾斜底面(158)を有する増量保留部(156)を有し、前記攪拌体の周面が傾斜底面の延長線(L3)よりも上方の前記円筒部の内壁面に配置されていることを特徴とする。
- 請求項1のコインホッパにおいて、前記攪拌体が前記保留ボウルに回転自在に取り付けられ、前記回転ディスクの駆動装置(108)にクラッチ(248)を介して連結されていることを特徴とする。
- 請求項5のコインホッパにおいて、前記クラッチは軸線方向に接離可能な噛合クラッチ(254)であることを特徴とする。
- 筒形の保留ボウルの下部に配置した回転ディスクによってコインを一つずつ払い出すようにしたコインホッパにおいて、
前記回転ディスクの回転軸線とほぼ平行に配置された軸線回りに回転する外周面が前記保留ボウルの内壁の一部を構成し、前記保留ボウルに回転自在に支持され、かつ、その下端部に噛み合いクラッチ片(258)を有する攪拌体と、
前記回転ディスクの側方に位置し、前記回転ディスクの駆動装置から回転され、前記攪拌体のクラッチ片と噛み合うクラッチ片(256)とを有することを特徴とするコインホッパ。 - 請求項1又は請求項8のコインホッパにおいて、さらに、前記保留ボウルの壁面をなし、かつ、前記壁面にほぼ直角をなす軸線回りに回転する横向き攪拌体(300)を備えることを特徴とする。
- 請求項9のコインホッパにおいて、前記横向き攪拌体は、前記攪拌体から駆動されることを特徴とする。
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