JP2007041076A - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)染料は、一般的に顔料に比べて耐熱性、耐光性等に劣り更なる堅牢性の改良が求められる。
(2)染料のモル吸収光係数が低い場合には、多量の染料を添加しなければならず、このために着色硬化性組成物中の重合性化合物やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得ず、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、非硬化部の現像性等が低下する等の問題点の改良が望まれる。
(3)染料は硬化性組成物中の他の成分との相互作用を示す場合が多く、硬化部、未硬化部の現像性(溶解性)の調節が困難であり、この点についても改良が求められている。
このように従来から感光性組成物に用いられている染料においては、特に堅牢性が充分に満足できるものではなく、更に、感光性組成物に対する溶解性が低く高濃度で染料を含有させることも困難であり改良が求められていた。
R7は、水素原子又は置換基を表し、R7が−N(R8)R9で表される置換基である場合には、R8、R9は各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。ただし、R5、R6、R8、R9の少なくとも一つはアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表す。]
<4> 前記モノマーが、(メタ)アクリルエステル系モノマーを含むことを特徴とする上記<3>の着色剤含有硬化性組成物である。
<5> 前記モノマーが、3官能以上の(メタ)アクリルエステル系モノマーを含むことを特徴とする上記<2>または<4>の着色剤含有硬化性組成物である。
<7> 前記バインダーが、アルカリ可溶性の(メタ)アクリル系樹脂を含むことを特徴とする上記<6>の着色剤含有硬化性組成物である。
<8> 前記バインダーが、アルカリ可溶性の重合性側鎖を有する(メタ)アクリル系樹脂を含むことを特徴とする上記<7>記載の着色剤含有硬化性組成物である。
<10> 前記光重合開始剤が、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする上記<9>の着色剤含有硬化性組成物である。
<12> 前記光重合開始剤が、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする上記<9>記載の着色剤含有硬化性組成物である。
<15> 前記感光剤が、o−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステルまたはo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルである上記<14>のポジ型着色剤含有硬化性組成物である。
<16> さらに、硬化剤を含むことを特徴とする上記<14>のポジ型着色剤含有硬化性組成物である。
この製造方法は、必要により前記方法により形成されたパターンを加熱および/または露光によって硬化する工程をさらに含むものであってもよいし、前記方法に記載の工程を複数回繰り返すものであってもよい。
また、染料を変更して、前記方法を繰り返し実施し、複数種類の色のパターンを含むフィルタを形成するものであってもよい。
[着色硬化性組成物]
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(I)で表される染料を含んでなり、好ましくは感放射線性化合物、重合性モノマーを含んでなる。また、一般には、更に溶剤を用いて構成することができ、必要に応じて更にバインダー、架橋剤などの他の成分を用いて構成することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(I)で表される色素の少なくとも一種を含有する。この色素は良好な色相を有し、液状調整物もしくは塗布された塗布膜の状態とした時の経時析出がなく保存安定性に優れており、特に熱及び光堅牢性が高い。さらに、この色素を含む液状調製物にて着色膜を作製し、パターン形成したとき得られるパターン形状の矩形性が良好であり、且つ、所望のパターン形成部以外の残膜が少ない。
R7は、水素原子又は置換基を表し、R7が−N(R8)R9で表される置換基である場合には、R8、R9は各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。ただし、R5、R6、R8、R9の少なくとも一つはアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表す。
また、本明細書における「置換基」とは、置換可能な基であればよく、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アルキニルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アルケニルスルホンアミド基、アルキニルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルケニルオキシカルボニルアミノ基、アルキニルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、アルキルスルフィニル基、アルケニルスルフィニル基、アルキニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、アルキルオキシアミノ基、アルケニルオキシアミノ基、アルキニルオキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジアルキルオキシフォスフィニル基、ジアルケニルオキシフォスフィニル基、ジアルキニルオキシフォスフィニル基、ジアリールオキシフォスフィニル基等をあげることができる。
更に、本明細書中における「アリール基」とは、単環であっても縮合環であっても良く、無置換であっても置換基(上記で説明した置換基)を有していてもよい。(2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい)
一般式(I)におけるR1はヘテロ環基を表す。好ましくは炭素数1〜36のヘテロ環基で、更に好ましくは炭素数2〜24のへテロ環基で、例えば、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、プリニル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基が好ましく、中でも、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基が更に好ましい。
本発明の効果をより効果的に奏する点から、該ヘテロ環基は以下の置換基を有するものが好適である。すなわち、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32オアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1から48のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、
R2及びR3の置換基は、各々独立に、既述の置換基の項で説明した基と同義である。
R2及びR3の置換基が、更に置換可能な基である場合には、既述の置換基の項で説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の効果をより効果的に奏する点から、R2およびR3は各々以下の基が好適である。
具体的には、R2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホンアミド基、アルケニルスルホンアミド基、アルキニルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルケニルオキシカルボニルアミノ基、アルキニルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基である場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基である場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基である場合は最も好ましい。
本発明の効果をより効果的に奏する点から、R4は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アルケニルスルホンアミド基、アルキニルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニアミノ基、アルキニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基である場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基である場合は更に好ましく、水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、シアノ基である場合は特に好ましい。
R7が−N(R8)R9で表される置換基である場合、R8およびR9は各々独立に水素原子または置換基を表すが、前記R5、R6およびR8、R9で表される置換基の少なくとも一つはアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
R7で表される置換基は、既述の「置換基」の項で述べた基であって、置換可能な基であればよい。またR7が置換可能な基である場合には、前記「置換基」での項で述べた置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有している場合にはそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の効果をより効果的に奏する点から、R7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アルケニルスルホンアミド基、アルキニルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、−N(R8)R9で表される置換基である場合が好ましく、水素原子、ヒドロキシ基、−N(R8)R9で表される置換基である場合が更に好ましい。
R7が−N(R8)R9で表される置換基である場合、R8およびR9は各々独立に水素原子または置換基を表すが、上記R5、R6およびR8、R9で表される置換基の少なくとも一つはアルキル基またはアルキニル基を表す。上記R5、R6およびR8、R9で表される置換基の少なくとも一つはアルキル基、アルキニル基またはアルキニル基を表すという制限を満たす限り、R8およびR9は、既述の「置換基」の項で述べた基であって、置換可能な基であればよい。またR8およびR9が置換可能な基である場合には、前記「置換基」での項で述べた置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有している場合にはそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。本発明の効果をより効果的に奏する点から、上記R5、R6およびR8、R9で表される置換基の少なくとも一つはアルキル基またはアルキニル基を表すという制限を満たす限り、R8およびR9は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基である場合は最も好ましい。
R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基であることが好ましく、R4は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、R5、R6、R8、及びR9は各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が上げられる。ただし、R5、R6、R8、及びR9の少なくとも一つはアルキル基である。
nは前記一般式(I)または(II)で表される色素分子と対イオンである含窒素化合物とのモル比率を決定する値であり、前記一般式(I)または(II)で表される色素−アミン化合物の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、前記一般式(I)または(II)で表される色素中の酸の官能基数の0<n≦5の間の数値が実用上多く用いられ、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等、必要とする性能の全てを考慮して選択される。吸光度のみの観点で選択すると、上記nは0<n≦4.5の間の数値をとることが好ましく、0<n≦4の間の数値をとることがさらに好ましく、0<n≦3.5の間の数値をとることが特に好ましい。
[合成例]:例示化合物(19)の合成
化合物(A)100.0g(0.534モル)にメタノール400mlを加えて溶解させた後、0℃〜10℃に保ちながら3−アミノ−1−メトキシプロパン52.4g(0.588モル)を滴下した。さらに、0℃〜10℃に保ったままトリエチルアミン89mlを滴下した。滴下終了後、25℃〜30℃で7時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水400mlと酢酸エチル400mlを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、再度、酢酸エチル100mlに溶解させ、n−ヘキサン500mlを加えることで析出した結晶をろ取して化合物(B)50.5g(収率:39%)を得た。化合物(A)は、東京化成社製の市販品を用いた。
前記の方法で得た化合物(B)50.0g(0.209モル)に3−アミノ−1−プロパノール38ml(0.605モル)を加え、125℃〜135℃で5時間加熱、攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水400mlと酢酸エチル400mlを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、再度、酢酸エチル100mlに溶解させ、n−ヘキサン500mlを加ることで析出した結晶をろ取して化合物(C)50.0g(収率:94.5%)を得た。
化合物(D)20.0g(0.185モル)を燐酸270mlに溶かした溶液を0℃で攪拌下に、亜硝酸ナトリウム14.0g(0.203モル)を添加し、1時間間攪拌した。反応液に前記の方法で得た化合物(C)50.0g(0.179モル)を添加し、25℃で2時間攪拌した。反応液蒸留水1000mlに添加し、炭酸水素ナトリウムにて中和した。析出した固体をろ取し、酢酸エチル/n−ヘキサンにて再結晶を行って得られた結晶を乾燥し、化合物(E)を35.0g得た。収率49.2%
前記の方法で得た化合物(E)13.9g(0.035モル)にジメチルアセトアミド80ml、炭酸水素ナトリウム9.2g(0.110モル)、2−クロロピリミジン6.0g(0.0525モル)、蒸留水8.0mlを加え、90℃〜95℃で10時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してからクロロホルム300ml、メタノール50ml、酢酸エチル50ml、水300mlを加えて80℃で1時間、過熱、攪拌した後、析出した固体をろ取した。固体にクロロホルム200ml、メタノール30ml、酢酸エチル30mlを加えて過熱溶解させた後、n−ヘキサン100mlを加えた。析出した固体をろ取し、n−ヘキサン100mlで洗浄し、乾燥して黄色結晶の化合物(F)を14.0g得た(収率84.0%)。
前記の方法で得た化合物(F)14.0g(0.0294モル)にクロロホルム100ml、塩化チオニル17.5g(0.147モル)を加え、45℃〜55℃で4時間過熱、攪拌した。反応終了後、クロロホルム200mlを加え、水で洗浄した。水層のpHが7になるまで洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このクロロホルム溶液を減圧下で200ml程度になるまで濃縮した後、n−ヘキサン500mlを加ることで析出した結晶をろ取して化合物(G)を12.0g(収率:82.8%)を得た。
前記の方法で得た化合物(G)12.0g(0.024モル)にジメチルアセトアミド180ml、炭酸カリウム5.4g(0.039モル)を加え、攪拌した。さらに、2−メルカプトプロピオン酸エチルエステル5.0ml(0.698モル)のジメチルアセトアミド20ml溶液を滴下した後、60℃で2時間過熱、攪拌した。反応終了後、クロロホルム200mlを加え、水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このクロロホルム溶液を減圧下で200ml程度になるまで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/酢酸エチル=3/1)で精製して化合物(H)5.0g(収率:34.8%)を得た。
前記の方法で得た化合物(H)5.0g(0.0085モル)にテトラヒドロフラン200ml、イソプロピルアルコール20mlを加えて溶解させた後、水酸化リチウム一水和物0.425g(0.010モル)の水50ml溶液を滴下した。25℃で4時間攪拌した。さらに水酸化リチウム一水和物0.425g(0.010モル)の水50ml溶液を滴下した後、25℃で2時間攪拌した。1N塩酸にてpH1とした。酢酸エチル200ml、テトラヒドロフラン50ml、クロロホルム100mlを加えて水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/酢酸エチル=1/1の後、クロロホルム/メタノール=9/1)で精製し、目的物質である黄色結晶の本発明の例示化合物(19)を4.2g得た(収率88.2%)。
本発明の着色硬化性組成物中における色素の濃度は、分子量及びモル吸光係数によって異なるが、該組成物の全固形成分に対して、0.5〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましく、10〜70質量%が最も好ましい。
<バインダー>
本発明の着色硬化性組成物は、膜性向上などの目的でバインダーを含有することができる。
本発明に用いうるバインダーとしては、アルカリ可溶性高分子化合物であれば特には限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶性であって、且つ、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号等の明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、特に、側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
これらの重合性基を有するポリマーの例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等の市販品が挙げられる。
また、硬化被膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、より具体的には、例えば、ノボラック樹脂、又はビニル重合体等が挙げられる。
ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。ノボラック樹脂を合成するために用いられるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、又はビスフェノールA等が挙げられる。
また、アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、又はベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記フェノール類及びアルデヒド類は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節したものを用いてもよく、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール系水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合して用いてもよい。
本発明の着色硬化性組成物中の上記バインダーの使用量は、該組成物中の全固形分に対して0〜90質量%が好ましく、0〜60質量%が更に好ましい。0〜30質量%が特に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物はさらに高度に硬化させる目的で架橋剤を含有することができる。
架橋剤に用いられる(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、且つ架橋性を有しているものであればいずれでもよいが、これらの化合物の例としては、ビスフェノールA−グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノール−A−テトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物等が挙げられる。
架橋剤(b)成分に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数は、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
(b)に係わる化合物は、単独で使用しても良く、組み合わせて使用しても良い。
架橋剤(c):メチロール基、アシロキシメチル基、及びアルコキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物、又はヒドロキシアントラセン化合物は、前記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。
以下、これらの化合物を総じて、(c)に係る化合物(メチロール基含有化合物、アルコキシメチル基含有化合物、又はアシロキシメチル基含有化合物)ということがある。
アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
これら(c)に係わる化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、重合性モノマーの少なくとも一種を含有することが好適である。重合性モノマーは、着色硬化性組成物をネガ型に構成する場合に主として含まれる。
なお、ポジ型の系においても、後述の様に感放射線製化合物と重合性モノマーとを含有することができ、この場合には形成されるパターンの硬化度をより促進させることができる。以下、重合性モノマーについて説明する。
本発明の着色硬化性組成物は、感放射線性化合物の少なくとも一種を含有することが好適である。本発明の組成物に用いうる感放射線性化合物は、UV、DeepUV、可視光、赤外光、電子線などの放射線に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を生起し得る化合物であり、この化合物に起因して生成したラジカル、酸などの開始種が、該組成物からなる塗膜中に共存する上記バインダーに作用して架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、或いは、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などの反応を生起、進行させることで塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。感放射線性化合物としては、より具体的には、公知の光重合開始剤、光酸発生剤などが挙げられる。
次に本発明の着色硬化性組成物が、ネガ型の組成物である場合の好ましい成分である光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤は該開始剤から発生した開始種により前記重合性モノマーを重合させうるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
なお、該光重合開始剤は上記のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に更に含有してもよく、この場合には形成されるパターン硬化度をより促進させることができる。
光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物、ハロメチル−s−トリアジン化合物から選択された少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、オキシム系化合物等が挙げられる。
2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
次に、本発明の着色硬化性組成物がポジ型の場合に含まれうるナフトキノンジアジド化合物について説明する。
該ナフトキノンジアジド化合物は、少なくとも1つのo−キノンジアジド基を有する化合物であり、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等が挙げられる。これらのエステルやアミド化合物は、例えば特開平2−84650号公報、特開平3−49437号公報において一般式(I)で記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
本発明の着色硬化性組成物の調整の際には、一般に溶剤を含有することができる。使用される溶剤は、該組成物の各成分の溶解性や着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的にとくには限定されないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
前記溶剤の具体例としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が好ましい。
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて前記成分以外にも各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
本発明のカラーフィルタは前記本発明の着色硬化性組成物の少なくとも1種を用いてなることを特徴とするものである
また、このようなカラーフィルタは、前記本発明の着色硬化性組成物の少なくとも1種を、支持体上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、該着色層をマスクを通してパターン露光し、現像して着色パターンを形成するパターン形成工程と、を有することを特徴とする製造方法により作製することができる。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、前記本発明の着色硬化性組成物が用いられる。本発明のカラーフィルタは、本発明の着色硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性の着色硬化性組成物層(着色層)を形成し(着色層形成工程)、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型もしくはポジ型の着色されたパターン(レジストパターン)を形成することができる(パターン形成工程)。その後、必要に応じて、形成されたパターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を実施することができる。得られた着色パターンがカラーフィルタにおける画素を構成することになる。
着色硬化性組成物により形成される着色層の厚みは目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、0.2〜5.0μmであることが好ましく、0.3〜2.5μmであることが更に好ましく、0.3〜1.5μmであることが最も好ましい。
このパターン形成工程や後硬化工程に使用される光もしくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。パターン形成工程では好ましくはi線を100〜5000mJ/cm2の露光量で照射する。また、後硬化工程では好ましくはi線を100〜50000mJ/cm2の露光量で照射する。
現像に用いうる有機溶剤としては、本発明の組成物を調整する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
また、これらの支持体上には、必要により上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは支持体表面の平坦化の為に、下塗り層を設けてもよい。
[実施例1]
1)レジスト溶液の調製
下記組成を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
〔レジスト溶液用組成〕
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.00部
(PGMEA)
・エチルラクテート 36.00部
・シクロヘキサノン 0.87部
・バインダー 30.51部
〔(アリルメタクリレート/メタクリル酸)共重合体
(モル比=65:35)41%PGMEA溶液〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0075部
・フッ素系界面活性剤 0.95部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・2−(o−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)
フェニル]−1,2−オクタンジオン(光重合開始剤) 0.600部
ガラス基板(コーニング1737)を0.5%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/20分)を行った。
ついで上記1)のレジスト溶液を洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、硬化膜を得た。
上記1)で得られたレジスト溶液9.4gと本発明に係わる染料である既述の例示化合物(19)0.6gとを混合して溶解し、着色剤含有レジスト溶液(着色硬化性組成物[ネガ型]塗布液)を得た。
上記3)で得られた着色硬化性組成物[ネガ型]塗布液を上記2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、120℃で120秒間プリベークし、着色層を形成した。
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で線幅20μmのマスクを通して500mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)現像液を使用して、25℃、60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥した
以上のようにして、イエロー色のカラーフィルタに好適な着色パターンが得られた。
上記で調整された着色硬化性組成物[ネガ型]塗布液の保存安定性、及び該着色硬化性組成物を用いてガラス基板上に形成された塗布膜(着色層)の耐熱性、耐光性、さらに、パターン形成性を下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
前記塗布液を室温で1ケ月保存した後、異物の析出度合いを目視により下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
前記着色硬化性組成物塗布液を塗布したガラス基板を、ホットプレートにより200℃で1時間加熱した後、色度計MCPD−1000(大塚電子製)にて、耐熱テスト前後の色差のΔEab値を測定して、下記基準に従って評価した。ΔEab値の小さい方が耐熱
性が良好であることを示す。
<判定基準>
○:ΔEab値<5以下
△:5≦ΔEab値≦10
×:10<ΔEab値
前記着色硬化性組成物塗布液を塗布したガラス基板に対し、キセノンランプを5万luxで20時間照射(100万lux・h相当)したのち、耐光テスト前後の色差のΔEa
b値を測定した。ΔEab値の小さいほうが耐光性が良好である。
<判定基準>
○:ΔEab値<3
△:3≦ΔEab値≦10
×:10<ΔEab値
本実施例において、パターン形成性、即ち、パターン露光、現像により形成された着色パターンの形成性は光学顕微鏡およびSEM写真観察により通常の方法で確認した。また、「未露光部現像性」、「露光部残膜率」は色度計(商品名:MCPD−1000、大塚電子(株)製)で測定した。
「未露光部現像性」とは、現像前後の膜の吸光度値の変化率を示す。ネガ型感光性組成物の場合には、未露光部に残膜を生じることなく現像されることがパターン形成性の観点から好ましいため、変化率の値が大きいほうが良好であると評価する。
「露光部残膜率」とは、現像前後の膜の吸光度値の維持率を示し、露光部が硬化して強固な着色パターンが形成され、現像によって損傷を受けないことが好ましいネガ型感光性組成物の場合には、残膜率の値が大きいほうが良好であると評価する。
上記未露光部現像性および上記露光部残膜率が共に高い値であるということは、パターン形成性がよいということを意味する。
<判定基準>
○:「未露光部現像性」が95%以上かつ「露光部残膜率」が95%以上
△:「未露光部現像性」と「露光部残膜率」のうちの一方が90%以上95%未満、または、「未露光部現像性」と「露光部残膜率」の双方が90%以上95%未満
×:「未露光部現像性」及び/又は「露光部残膜率」が90%未満
実施例1の前記3)着色硬化性組成物塗布液の調製において、例示化合物(19)を下記表1に記載の色素に置き換えた以外は、すべて実施例1と同様に行い着色パターンを得て、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例1〜2]
実施例1の前記3)着色硬化性組成物塗布液の調製において、染料を下記表1に示される様に変えた以外は、すべて実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
1)着色硬化性組成物[ポジ型]の調製
・乳酸エチル(EL) 30部
・樹脂P−1(下記) 3.0部
・ナフトキノンジアジド化合物N−1(下記) 1.8部
・架橋剤:ヘキサメトキシメチロール化メラミン 0.6部
・光酸発生剤:TAZ−107(みどり化学製) 1.2部
・フッ素系界面活性剤(F−475大日本インキ化学工業製) 0.0005部
・一般式(I)で表される色素[例示化合物(19)] 1.5部
以上を混合し、溶解し着色硬化性組成物[ポジ型]を得た。
ベンジルメタクリレート70.0g、メタクリル酸13.0g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル17.0g、2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置と還流冷却管、温度計を取り付け窒素気流下65℃にて重合開始剤V−65(和光純薬工業製)を触媒量添加して10時間攪拌した。得られた樹脂溶液を20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。この白色粉体を40℃で24時間真空乾燥し145gの樹脂P−1を得た。分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=28,000 数平均分子量Mn=11,000であった。
Trisp−PA(本州化学製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド 61.80g、アセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下 トリエチルアミン 24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後 更に2時間攪拌した後、反応液を大量の水に攪拌しながら注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを、吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥し感光性化合物N−1を得た。
実施例1と同様にして、下塗り層つきのガラス基板に上記のようにして調整した着色硬化性組成物[ポジ型]塗布液を塗布し、プリベーク、照射、現像及びリンス、乾燥を行ってマゼンタ画像パターンを得、その後このパターン画像を180℃で5分間加熱した(ポストベーク)。形成されたマゼンタパターン画像は矩形状の良好なプロファイルを示した。
実施例1のガラス基板をシリコンウエハー基板に変えた他は、実施例1と全て同様の操作を行い下塗り層つきシリコンウエハーの塗布基板を得た。該基板表面に実施例1〜10と同様にして色素(実施例1〜10で用いた10種の色素)を用いた着色硬化性組成物[ネガ型]塗布液を用い、着色層を形成した。
次いで、i−線縮小投影露光装置を使用して2μmの正方形パターンに500mj/cm2の露光量で露光し、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)現像液を使用して、23℃で60秒間現像した。次いで、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥し、着色パターンを形成した。いずれの実施例においても、正方形の断面が矩形のCCD用カラーフィルタとして好適なパターンが得られた。
特開2002−14222号公報に記載の実施例1に記載の方法に従って、ここに記載のシー・アイ・ソルベント・イエロー162を、等モルの本発明に係わる色素(実施例1〜10で用いた10種の色素)にそれぞれ置き換えた以外は、特開2002−14222号公報に記載の実施例1の方法に従ってポジ型着色硬化性組成物を得た。得られた組成物を用いて該公報に記載の実施例1と同様にしてイエローフィルタ層を形成した。
これらを、本発明の実施例1の方法に従って着色硬化性組成物の保存安定性、耐熱性、及び耐光性の評価を行った結果、上記表1の結果と同様な傾向が認められた。
Claims (4)
- 下記一般式(I)で表される色素を含有することを特徴とする着色硬化性組成物。
R7は、水素原子又は置換基を表し、R7が−N(R8)R9で表される置換基である場合には、R8、R9は各々独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。ただし、R5、R6、R8、R9の少なくとも一つはアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表す。] - 請求項1乃至請求項2に記載の着色硬化性組成物の少なくとも1種を用いてなる着色層を含むことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1乃至請求項2に記載の着色硬化性組成物の少なくとも1種を、支持体上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、該着色層をマスクを通してパターン露光し、現像して着色パターンを形成するパターン形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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