JP4153474B2 - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
1)染料は、一般的に顔料に比べて耐熱性、耐光性等に劣り更なる堅牢性の改良が求められる。
2)染料のモル吸収光係数が低い場合には、多量の染料を添加しなければならず、このために硬化性組成物中の重合性化合物やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得ず、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、非硬化部の現像性等が低下する等の問題点の改良が望まれる。
3)染料は硬化性組成物中の他の成分との相互作用を示す場合が多く、硬化部、非硬化部の現像性(溶解性)の調節が困難であり、この点についても改良が求められている。
このように従来から感光性組成物に用いられている染料においては、特に堅牢性が充分に満足できるものではなく、更に、感光性組成物に対する溶解性が低く高濃度で染料を含有させることも困難であり改良が求められている。
<1> 下記のT−1からT−85の構造式の群から選ばれる基を少なくとも1つ分子内に有するテトラアザポルフィリン系色素を含有することを特徴とする着色硬化性組成物である。
<4> 前記<1>〜<3>の着色硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタである。
<5> 前記<1>〜<3>の着色硬化性組成物を、支持体上に塗布後、マスクを通して露光、現像してパターンを形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
前記カラーフィルタの製造方法は、必要により前記パターンを加熱および/または露光によって硬化する工程を含んでいてもよいし、これらの工程を複数回繰り返すものであってもよい。また染料を変更して、複数種類の色のフィルターを形成してもよい。
また、本発明によれば、前記着色硬化性組成物を用いて構成され、高解像度および高透過率特性を有すると共に色相が良好で、熱堅牢性および光堅牢性の高いカラーフィルタ、および該カラーフィルタを高い生産性での作製が可能なカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、前記のT−1からT−85の構造式の群から選ばれる基を少なくとも1つ分子内に有するテトラアザポルフィリン系色素を含有し、好ましくはバインダー、感放射線性化合物、重合性モノマーを含んでなる。また、一般には、更に溶剤を用いて構成することができ、必要に応じて更に架橋剤などの他の成分を用いて構成することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、前記のT−1からT−85の構造式の群から選ばれる基を少なくとも1つ分子内に有するテトラアザポルフィリン系色素(以下、単に「本発明における色素」という場合がある。)を含有する。この色素は良好な色相を有し、液状調製物若しくは塗布された塗布膜の状態とした時の経時析出がなく保存安定性に優れており、また、現像性に優れ、熱および光堅牢性に優れる。
本発明における色素は、下記一般式(II)で表されるフタロシアニン系色素であることが好ましい。
尚、R 10 〜R 13 で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、イミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基、カルボキシル基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基が更に好ましい。
R 10 〜R 13 で表される置換基が更に置換可能な基である場合には、前記R 10 〜R 13 で表される置換基として例示した置換基で更に置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合にはそれらの置換基は同一であってもよいし異なっていてもよい。
一般式(II)におけるMは金属類を表す。Mで表される金属類としては、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2などの金属塩化物;TiO、VO等の金属酸化物;Si(OH)2等の金属水酸化物も含まれる。
また、一般式(III)で表されるフタロシアニン系色素は、置換位置異性体の混合物であってもよい。
(例示色素C−2)の合成)
本発明の例示色素C−2を以下の反応スキームAに従って合成した。
メトキシエトキシエトキシエタノール 138g(0.84モル)にピリジン10mを加えて室温で攪拌した。この液に、塩化チオニル 73mlを滴下した。滴下終了後、80〜85℃に加熱して2時間反応を行った。この反応液を室温に冷却してから、水 500mlに注いだ後、酢酸エチル500mlを添加した。この溶液を炭酸水素ナトリウムを加えてpH8とした後、分液して水層を除去した。この酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。定量的に中間体Aを得た。
チオウレア 30g(0.38モル)と前記の方法から得られた中間体A 84g、沃化ナトリウム30gに2−プロパノール 100mを加えて20時間加熱還流を行った。反応終了後、窒素ガスを通じながら、水酸化ナトリウム 55.2gを水200mlに溶解した水溶液を滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌してから、この溶液に濃塩酸を滴下してpH6〜pH5に調整した。この溶液に酢酸エチル200mlを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で酢酸エチルを留去した。油状の中間体B を31g(収率:45.3%)得た。
3−ニトロフタロニトリル 40g(0.231モル)、炭酸ナトリウム 36.7g(0.437モル)に、ジメチルスルホキシド 120mlを加えて室温で攪拌した。この溶液に、前記方法から得られた中間体B 50g(0.277モル)を滴下した。滴下終了後、室温で3時間攪拌してから、水 1500ml中に注ぎ、結晶を析出させた。この結晶を濾過して、水洗した。この結晶をメタノール300mlに加熱溶解し、次いで、攪拌しながら水 600mlを滴下した。析出した結晶を濾過して乾燥した。中間体Cを 48.8g(収率:68.9%)で得た。
前記方法から得られた中間体C 50g(0.163モル)に炭酸アンモニウム 7.8gとn−ブタノール130mlを加えて50℃に加熱した。この溶液に塩化第二銅 8.5gを添加した。添加終了後、90℃〜100℃で4時間加熱攪拌し、次いで、n−ブタノールを常圧で留去した。残留物にトルエンを200ml添加して、100℃〜110℃加熱し3時間攪拌した。反応終了後、トルエンを減圧下で留去した。残留物にクロロホルム200mlを添加して溶解させた。このクロロホルム溶液を、10%塩酸水で2回洗浄した後、飽和食塩水で洗浄した。このクロロホルム溶液を硫酸マグネシウムで乾燥してから、減圧下でクロロホルムを留去した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=20/1)で分離、精製することで、アモルファス状の例示色素C−2を27.7g(収率:52.7%)得た。酢酸エチル溶媒中の例示色素C−2は、λmax=657nmであり、最大吸光係数は45400であった。
下記反応スキームBに従って例示色素C−32を合成した。
3−ニトロフタロニトリル 25.0g(0.144モル)、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル 34.7g(0.159モル)にジメチルスルホキシド 100mlを加えて室温で攪拌した。この溶液に炭酸ナトリウム 17.0gを少しずつ添加した。添加終了後、室温で2時間攪拌して反応を完結させた。反応終了後、酢酸エチル200mlと水500mlとを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で酢酸エチルを留去した。油状の中間体Dを定量的に得た。
前記方法で得られた中間体D 6.89g(0.02モル)、炭酸アンモニウム1.0gにn−ブタノール30mlを加えて50℃に加熱して攪拌した。この溶液に塩化第二銅 0.81gを添加して95℃〜100℃に加熱、攪拌した。1時間加熱攪拌しながら常圧でn−ブタノールを留去した。再びn−ブタノール50mlを加えて更に100℃〜110℃で4時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を室温に冷却してからメタノール300mlを添加し、析出した固形物を濾取した。この固形物をクロロホルムに溶解してカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)で分離、精製することで、アモルファス状の例示色素C−32を4.5g(収率:62.4%)得た。酢酸エチル溶媒中の例示色素C−32は、λmax=625.5mであり、最大吸光係数は56000であった。
前記の例示色素C−32の合成における CuCl2の替わりに等モルのZnCl2を使用して、同様な方法で合成した。例示色素C−48の酢酸エチル溶液中のλmax=626nmで、最大吸光係数は、52600であった。
本発明における色素の着色硬化性組成物中における濃度は、分子量およびモル吸光係数によって異なるが、該組成物の全固形成分に対して、0.5〜80質量%が好ましく、0.5〜60質量%がより好ましく、0.5〜50質量%が最も好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、バインダーの少なくとも一種を含有することが好ましい。本発明におけるバインダーとしては、アルカリ可溶性であれば特には限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶性で弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号等の明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、特に、側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
これらの重合性基を有するポリマーの例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、硬化被膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
前記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、またはビスフェノールA等が挙げられる。
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、またはベンズアルデヒド等が挙げられる。
前記フェノール類およびアルデヒド類は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。また、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール系水酸基を有する低分子量成分を前記ノボラック樹脂に混合してもよい。
本発明の着色硬化性組成物中の前記バインダーの使用量は、塗布膜の硬化性の現像性および硬化性の観点から、該組成物中の全固形分に対して10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%が更に好ましい。30〜70質量%が特に好ましい。
本発明においては、補足的に架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることが可能である。
メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
前記(b)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、前記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
これら(c)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、重合性モノマーの少なくとも一種を含有することによって好適に構成することができる。重合性モノマーは、着色硬化性組成物をネガ型に構成する場合に主として含まれる。
尚、後述のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に、後述の光重合開始剤と共に含有でき、この場合には形成されるパターンの硬化度をより促進させることができる。以下、重合性モノマーについて説明する。
前記重合性モノマーの着色硬化性組成物中における含有量は、塗布膜の硬化性の観点から、固形分に対して0.1〜90質量%が好ましく、1.0〜80質量%がさらに好ましく、2.0〜70質量%が特に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、感放射線性化合物の少なくとも一種を含有することによって好適に構成することができる。本発明における感放射線性化合物は、UV、DeepUV、可視光、赤外光、電子線などの放射線に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を起こし得る化合物であり、前記のバインダーを架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などを起こすことで塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。
本発明の着色硬化性組成物が、ネガ型の組成物である場合に含まれる光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤は前記重合性モノマーを重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。尚、光重合開始剤は、前記ナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に更に含有してもよく、この場合には形成されるパターン硬化度をより促進させることができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
次に、本発明の着色硬化性組成物がポジ型の場合に含まれるナフトキノンジアジド化合物について説明する。
前記ナフトキノンジアジド化合物は、少なくとも1つのo−キノンジアジド基を有する化合物であり、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等が挙げられる。これらのエステルやアミド化合物は、例えば特開平2−84650号公報、特開平3−49437号公報において一般式(I)で記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
本発明の着色硬化性組成物の調製の際には、一般に溶剤を含有することができる。使用される溶剤は、該組成物の各成分の溶解性や着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的にとくには限定されないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
前記溶剤の具体例としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が好ましい。
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。
本発明のカラーフィルターについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の着色硬化性組成物が用いられる。本発明のカラーフィルタは、本発明の着色硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型若しくはポジ型の着色されたパターン(レジストパターン)を形成することができる(画像形成工程)。この時必要に応じて、形成されたパターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を設けることができる。この際に使用される光若しくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
1)レジスト溶液の調製
下記の組成を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
〔組成〕
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 5.20部
(PGMEA)
・乳酸エチル(EL) 52.6部
・バインダー
(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体
(モル比=60:20:20)41%EL溶液 30.5部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10.2部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.006部
・フッ素系界面活性剤 0.80部
(商品名:F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・光重合開始剤 0.58部
(商品名:TAZ−107、みどり化学(株)製)
ガラス基板(商品名:コーニング1737、コーニング社製)を0.5%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/20分)を行った。
ついで前記1)のレジスト溶液を洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、硬化膜を形成し、下塗り層月ガラス基板を作製。
前記1)で得られたレジスト溶液9.4gと本発明における染料である既述の例示色素C−1(一般式(II)で表されるフタロシアニン系色素)1.50gとを混合し溶解して染料レジスト溶液(着色硬化性組成物[ネガ型]の溶液)を調製した。
前記3)で得られた染料レジスト溶液を、2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で5mm角マスク(islandパターン)を通して500mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、現像液(商品名:CD−2000、60%、富士フイルムアーチ(株)製)を使用して、25℃、40秒間の条件で現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。
以上のようにして、カラーフィルタに好適なパターンが得られた。
前記で調製された染料レジスト溶液の保存安定性、および染料レジスト溶液を用いてガラス基板上に塗布された塗布膜の耐熱性、耐光性、および現像性を下記のようにして評価した。結果を下記表1に示す。
前記染料レジスト液を室温で1ケ月(約720時間)保存した後の異物の析出度合いを目視によって観察し、下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:異物の析出は認められなかった。
△:僅かに異物の析出が認められた。
×:異物の析出が顕著に認められた。
前記染料レジスト溶液を塗布したガラス基板を、ホットプレートにより200℃で1時間加熱した後、色度計(商品名:MCPD−1000、大塚電子(株)製)にて、加熱前後の色差のΔEab値を測定して、下記基準に従って評価した。ΔEab値の小さい方が耐熱性が良好であることを示す。
<判定基準>
○:ΔEab値<5
△:5≦ΔEab値≦10
×:10<ΔEab値
前記染料レジスト溶液を塗布したガラス基板に対し、キセノンランプを5万luxで20時間照射(100万lux・h相当)したのち、照射前後の色差のΔEab値を測定した。ΔEab値の小さいほうが耐光性が良好であることを示す。
<判定基準>
○:ΔEab値<3
△:3≦ΔEab値≦10
×:10<ΔEab値
前記の染料レジストを塗布したガラス基板の現像前の可視吸収スペクトルを測定した。この試料を用いて、前記の条件で露光、現像処理、洗浄、スプレー乾燥してパターンを形成させた。その後、このパターンの露光部(画像部)の可視吸収スペクトルと未露光部の可視吸収スペクトルとを測定した。現像前の試料のλmaxにおける吸光度を1として、露光部のλmaxにおける吸光度の比、および未露光部のλmaxにおける吸光度の比を算出した(色素残存率)。露光部においては、色素残存率が100%に近いことが好ましく、未露光部においては、色素残存率が0%であることが好ましい。
<判定基準>
−露光部−
○:色素残存率>98%
△:90%≦色素残存率≦98%
×:色素残存率<90%
−未露光部−
○:色素残存率<1%
△:1%≦色素残存率≦5%
×:5%<色素残存率
実施例1の前記3)染料レジスト溶液の調製において、例示色素C−1を下記表1の染料に等モル置き換えた以外はすべて実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1の前記3)染料レジスト溶液の調製において、本発明の例示色素C−1に代えて下記比較色素A〜Dにそれぞれ等モル置き換えた以外は、実施例1と同様に行った。結果を下記表1に示す。
1)着色硬化性組成物[ポジ型]の調製
下記組成を混合し、溶解して着色硬化性組成物[ポジ型]を得た。
〔組成〕
・乳酸エチル(EL) 30部
・樹脂P−1(下記) 3.0部
・ナフトキノンジアジド化合物N−1(下記) 1.8部
・架橋剤(ヘキサメトキシメチロール化メラミン) 0.6部
・光酸発生剤 1.2部
(商品名:TAZ−107、みどり化学(株)製)
・フッ素系界面活性剤 0.0005部
(商品名:F−475大日本インキ化学工業製)
・前記例示色素C−2 1.5部
ベンジルメタクリレート70.0g、メタクリル酸13.0g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル17.0g、2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置と還流冷却管、温度計を取り付け窒素気流下65℃にて重合開始剤(商品名:V−65、和光純薬工業(株)製)を触媒量添加して10時間攪拌した。得られた樹脂溶液を20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。この白色粉体を40℃で24時間真空乾燥し145gの前記樹脂P−1を得た。分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=28,000であり、数平均分子量Mn=11,000であった。
Trisp−PA(本州化学製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド 61.80g、アセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下 トリエチルアミン 24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後 更に2時間攪拌した後、反応液を大量の水に攪拌しながら注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを、吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥し感光性化合物N−1を得た。
実施例1と同様にして、下塗り層つきのガラス基板に前記のようにして調製したポジ型の着色硬化性組成物を塗布し、プリベーク、照射、現像およびリンス、乾燥を行って画像パターンを形成し、その後このパターン画像を180℃で5分間加熱した(ポストベーク)。形成されたマゼンタパターン画像は矩形状の良好なプロファイルを示した。
実施例1〜17のガラス基板をシリコンウエハー基板に変えた他は、実施例1〜17と全て同様の操作を行い下塗り層つきシリコンウエハーの塗布基板を得た。
次いで、i−線縮小投影露光装置を使用して2μmの正方形パターンに500mJ/cm2の露光量で露光し、現像液(商品名:CD−2000、60%、富士フイルムアーチ(株)製)を使用して、23℃で60秒間現像した。次いで、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。正方形の断面が矩形のCCD用カラーフィルタとして好適なパターンが得られた。
Claims (5)
- 下記のT−1からT−85の構造式の群から選ばれる基を少なくとも1つ分子内に有するテトラアザポルフィリン系色素を含有することを特徴とする着色硬化性組成物。
- 前記テトラアザポルフィリン系色素が、下記一般式(II)で表されるフタロシアニン系色素であることを特徴とする請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- 前記テトラアザポルフィリン系色素が、下記一般式(III)で表されるフタロシアニン系色素であることを特徴とする請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1〜3のいずれかに一項に記載の着色硬化性組成物を、支持体上に塗布後、マスクを通して露光、現像してパターンを形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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