JP2007041050A - 着色硬化性組成物、カラーフィルター及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)染料は、一般的に顔料に比べて耐熱性、耐光性等に劣り更なる堅牢性の改良が求められる。
(2)染料のモル吸収光係数が低い場合には、多量の染料を添加しなければならず、このために着色硬化性組成物中の重合性化合物やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得ず、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、非硬化部の現像性等が低下する等の問題点の改良が望まれる。
(3)染料は硬化性組成物中の他の成分との相互作用を示す場合が多く、硬化部、硬化部の現像性(溶解性)の調節が困難であり、この点についても改良が求められている。
である。
成物である。
この製造方法は、必要により上記パターンを加熱及び/又は露光によって硬化する工程を含んでいてもよいし、これらの工程を複数回繰り返すものであってもよい。
また染料を変更して、複数種類の色のフィルタを形成してもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(I)で表される染料を含んでなり、好まし
くは光重合開始剤等の感放射線性化合物、重合性モノマーを含んでなる。また、一般には、更に溶剤を用いて構成することができ、必要に応じて更にバインダー、架橋剤などの他の成分を用いて構成することができる。
具体的には、本発明の組成物がネガ型の組成物である場合は、上記染料に加えて、溶剤、重合性化合物(モノマー)、バインダー(好ましくはアルカリ可溶性バインダー)および光重合開始剤を含むことが好ましく、さらに架橋剤を含んでもよい。
また、本発明の組成物がポジ型の組成物である場合には、上記染料に加えて、有機溶剤、または、硬化剤、感光剤を含むことが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(I)で表される色素の少なくとも一種を含
有する。この色素は良好な色相を有し、液状調整物もしくは塗布された塗布膜の状態とした時の経時析出がなく保存安定性に優れており、特に熱及び光堅牢性が高い。さらに、この色素を含む液状調製物にてパターンを形成したときのパターン形状が矩形であり、所望のパターン形成部以外の残膜が少ない。
更に、本明細書中における「アリール基」とは、単環であっても縮合環であっても良く、無置換であっても置換基(上記で説明した置換基)を有していてもよい(2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい)。
一般式(I)におけるR1はヘテロ環基を表す。好ましくは炭素数1〜36のヘテロ環
基であり、更に好ましくは炭素数2〜24のへテロ環基であり、例えば、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、プリニル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基が好ましく、中でも、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基が更に好ましい。
R2及びR3で示される置換基は、各々独立に、既述の置換基の項で説明した基と同義である。
R2及びR3の置換基が、更に置換可能な基である場合には、既述の置換基の項で説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の効果をより効果的に奏する点から、R2及びR3は各々以下の基が好適である。すなわち、
R2としては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホンアミド基、アルケニルスルホンアミド基、アルキニルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、アルケニルオキシカルボニルアミノ基、アルキニルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基である場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基である場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基である場合は最も好ましい。
R5とR6とが互いに結合して形成する5員、6員、又は7員の環としては、例えば、置換基を有していても良いピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼパニル基、モルフォリニル基等が挙げられ、ピペリジニル基、ピロリジニル基が好ましい。
義であり、各々の好ましい態様も同様である。また、一般式(II)中、R8、R9、R10及びR11は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R5及びR6が置換可能な基である場合には、前記「置換基」での項で述べた置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有している場合にはそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。また、R5とR6とが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。本発明の効果をより効果的に奏する点から、R8、R9、R10及びR11は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基である場合は最も好ましい。尚、R8、R9、R10及びR11が置換可能な基である場合には、前記「置換基」での項で述べた置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有している場合にはそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
R2が、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、又はアルキニルスルホニルオキシ基;
R5、R6、R8、R9、R10及びR11が、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基;
で表される色素が挙げられる。
R2が、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シアノ基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基;
R5、R6、R8、R9、R10及びR11が、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
R5、R6、R8、R9、R10、及びR11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
2個以上(同一であっても、異なっていてもよい)有していてもよく、R1〜R11のいずれかを介して結合を形成して、ビス体、トリス体、又は多量体を形成していてもよい。この際の金属イオンは前記一般式(I)又は(II)で表される色素の置換基に含まれるア
ニオン部と塩を形成するカチオン性のものであれば限定はない。好ましい金属イオンとしてはLi、Na、K、Rb、Cs、Ag,Mg,Ca,Sr,Ba、Zn、Al、Ni、Cu、Co、Feが挙げられる。前記含窒素化合物は、特開2005−99658号のページ12〜ページ20に記載の化合物等が挙げられる。
(1)〜(103))を以下に示すが、本発明はこれらによって限定されるわけではない。
成した例を以下の反応スキームAに示す。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
2−アミノ−1−メトキシプロパン61.0g(0.684モル)に化合物A50.0g(0.273モル)を滴下した後、75℃に加熱、攪拌した。この溶液にトリエチルアミン76ml(0.545モル)を滴下した。滴下終了後、105℃〜115℃で7.5時間加熱、攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水300mlと酢酸エチル300mlとを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製した。化合物B70.0g(収率:88.8%)を得た。化合物Aは、シグマ−アルドリッチ社製の「2,4,6-トリクロロピリミジン」を用いた。
前記の方法で得られた化合物B70.0g(0.242モル)にメトキシプロピルアミン53.9g(0.605モル)を加え、外温160℃〜170℃で29時間加熱、攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水400mlと酢酸エチル400mlとを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製した。化合物C51.8g(収率:62.8%)を得た。
化合物(D)5.00g(0.046モル)を燐酸56.0mlに溶かした溶液を0℃で攪拌し、攪拌下において、亜硝酸ナトリウム3.51g(0.051モル)を添加し、1時間攪拌した。反応液に化合物(C)15.3g(0.045モル)の酢酸5.0ml溶液を添加し、25℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル500ml、水500mlを加えた後、炭酸水素ナトリウムにて中和した。有機層を水で充分洗浄して溶媒を留去した。残渣に酢酸エチル200mlを加えて溶解させた後、n−ヘキサン600mlを加えて析出した粘ちょう個体を除いた後、ろ液に更にn−ヘキサン600mlを加えて析出した黄色個体をろ別した。得られた結晶を乾燥し、化合物(E)を19.0g得た(収率89.1%)。
化合物(E)3.8g(0.0083モル)にジメチルアセトアミド20ml、炭酸水素ナトリウム2.18g(0.0259モル)、2−クロロベンゾチアゾール2.10g(0.0124モル)、蒸留水2.0mlを加え、90℃〜95℃で15時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に冷却してから水400mlと酢酸エチル400mlとを添加して抽出した。この酢酸エチル溶液を飽和食塩水300mlで2回洗浄した後、水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製した。酢酸エチル100mlに溶解させた後、n−ヘキサン400mlを加えた。析出した固体をろ取し、n−ヘキサン100mlで洗浄し、乾燥し、黄色結晶の本発明の例示化合物(1)を4.2g得た(収率85.7%)。
上併用して用いることができる。
本発明における色素の着色硬化性組成物中における濃度は、分子量及びモル吸光係数によって異なるが、該組成物の全固形成分に対して、0.5〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましく、10〜70質量%が最も好ましい。
<バインダー>
本発明の着色硬化性組成物は、膜性向上などの目的でバインダーを含有することができる。本発明におけるバインダーとしては、アルカリ可溶性であれば特には限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶性であり、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号等の明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、特に、側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
これらの重合性基を有するポリマーの例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、硬化被膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
上記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、又はビスフェノールA等が挙げられる。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、又はベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記フェノール類及びアルデヒド類は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の着色硬化性組成物中の上記バインダーの使用量は、該組成物中の全固形分に対して0〜90質量%が好ましく、0〜60質量%が更に好ましい。0〜30質量%が特に好ましい。
本発明は前記一般式(I)〜一般式(II)で表される色素を用いることにより、従来
に比較して膜の硬化反応をより高度に進行させ、硬化性の良好な膜が得られるが、補足的に架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることが可能である。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
前記(b)における化合物は、単独で使用しても良く、組み合わせて使用してもよい。
以下、これらの化合物を総じて、(c)における化合物(メチロール基含有化合物、アルコキシメチル基含有化合物、又はアシロキシメチル基含有化合物)ということがある。
更に、アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部又は全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
これら(c)における化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、重合性モノマーの少なくとも一種を含有することによって好適に構成することができる。重合性モノマーは、着色硬化性組成物をネガ型に構成する場合に主として含まれる。
尚、ポジ型の系においても、後述のように光重合開始剤等の感放射線性化合物と共に重合性モノマーを含有でき、この場合には形成されるパターンの硬化度をより促進させることができる。以下、重合性モノマーについて説明する。
本発明における重合性モノマーとしては、メタ)アクリルエステル系モノマーを含むことが好ましく、3官能以上の(メタ)アクリルエステル系モノマーを含むことが更に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、感放射線性化合物の少なくとも一種を含有することにより好適に構成することができる。本発明における感放射線性化合物は、UV、DeepUV、可視光、赤外光、電子線などの放射線に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を起こし得る化合物であり、この化合物に起因して生成したラジカル、酸などの開始種が、該組成物からなる塗膜中に共存するバインダーに作用して架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などの反応を生起、進行させることで塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。感放射線化合物としては、公知の後述の光重合開始剤等を用いることができる。
まず、本発明の着色硬化性組成物が、ネガ型の組成物である場合の好ましい成分である光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤は該開始剤から発生した開始種によって前記重合性モノマーを重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
尚、光重合開始剤を上記のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に更に含有してもよく、この場合には形成されるパターン硬化度をより促進させることができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリールイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
次に、本発明の着色硬化性組成物がポジ型の場合に含まれるナフトキノンジアジド化合物について説明する。
前記ナフトキノンジアジド化合物は、少なくとも1つのo−キノンジアジド基を有する化合物であり、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等が挙げられる。これらのエステルやアミド化合物は、例えば特開平2−84650号公報、特開平3−49437号公報において一般式(I)で記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
本発明の着色硬化性組成物の調整の際には、一般に溶剤を含有することができる。使用される溶剤は、該組成物の各成分の溶解性や着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的にとくには限定されないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
前記溶剤の具体例としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が好ましい。
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
ポジ型画像を得る為、即ち本発明の組成物がポジ型の組成物の場合、本発明の組成物には、溶剤とともに感光剤を含ませることができる。該感光剤としては、上述のナフトキノンジアジド化合物が好適に挙げられ、例えば、o−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル又はo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが好適である。また、ポジ型着色剤含有硬化性組成物は硬化剤を含んでいてもよい。
また、本発明の着色硬化性組成物がポジ型の組成物の場合、上記アルカリ可溶性フェノール樹脂並びに硬化剤は、通常、有機溶剤中にそれぞれ2〜50質量%および2〜30質量%程度の割合で溶解させるのが好ましい。上記ナフトキノンジアジド化合物および上記有機溶媒可溶性染料の使用量は通常、硬化性、分光特性等の観点から、上記アルカリ可溶性樹脂並びに硬化剤を溶解した溶液に対して、各々2〜30質量%および2〜50質量%程度の割合で添加するのが好ましい。
本発明のカラーフィルターは前記本発明の着色硬化性組成物の少なくとも1種を用いてなることを特徴とするものである。即ち、本発明のカラーフィルターは、本発明の着色硬化性組成物の少なくとも1種を用いてなる着色層を有する。
また、このようなカラーフィルターは、前記本発明の着色硬化性組成物の少なくとも1種を、支持体上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、該着色層をマスクを通してパターン露光し、現像して着色パターンを形成するパターン形成工程と、を有することを特徴とする製造方法により作製することができる。
以下、本発明のカラーフィルターについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルターの製造方法においては、前記本発明の着色硬化性組成物が用いられる。本発明のカラーフィルターは、本発明の着色硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性の着色硬化性組成物層(着色層)を形成し(着色層形成工程)、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型もしくはポジ型の着色されたパターン(レジストパターン)を形成することができる(パターン形成工程)。その後、必要に応じて、形成されたパターンを加熱及び/又は露光により硬化する後硬化工程を実施することができる。このようにして得られた着色パターンがカラーフィルターにおける画素を構成することになる。
着色硬化性組成物により形成される着色層の厚みは目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、0.2μm〜5.0μmであることが好ましく、0.3μm〜2.5μmであることが更に好ましく、0.3μm〜1.5μm最も好ましい。
このパターン形成工程や後硬化工程に使用される光もしくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。パターン形成工程では好ましくはi線を100〜5000mJ/cm2の露光量で照射する。また、後硬化工程では好ましくはi線を100〜50000mJ/cm2の露光量で照射する。
現像に用いることのできる有機溶剤としては、本発明の組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
1)レジスト溶液の調製
下記組成を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
〔レジスト溶液用組成〕
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.00部
(PGMEA)
・エチルラクテート 36.00部
・シクロヘキサノン 0.87部
・バインダー 30.51部
(アリルメタクリレート/メタクリル酸)共重合体(モル比=65:35)41%PGMEA溶液
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0075部
・フッ素系界面活性剤 0.95部
・2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン(光重合開始剤) 0.600部
ガラス基板(コーニング1737、コーニング社製)を0.5%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/20分)を行った。
ついで上記1)のレジスト溶液を洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、硬化膜を得た。
上記1)で得られたレジスト溶液9.4gと本発明における染料である既述の例示化合物(1)0.6gとを混合して溶解し、着色剤含有レジスト溶液(着色硬化性組成物[ネガ型]の溶液)を得た。
上記3)で得られた染料レジスト溶液を上記2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、120℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で線幅20μmのマスクを通して500mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、現像液(商品名:CD−2000(60%)、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)現像液を使用して、25℃、60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥した
以上のようにして、イエロー色のカラーフィルターに好適なパターンが得られた。
上記で調製されたレジスト溶液の保存安定性、及び染料レジスト溶液を用いてガラス基板上に塗布された塗布膜の耐熱性、耐光性、さらに、パターン形成性を下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
前記レジスト液を室温で1ケ月保存した後の異物の目視による析出度合いを目視により下記判定基準に従って評価した。
<判定基準>
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
前記染料レジスト溶液を塗布したガラス基板を、ホットプレートにより200℃で1時間加熱した後、色度計MCPD−1000(大塚電子(株)製)にて、耐熱テスト前後の色差のΔEab値を測定し、下記基準に従って評価した。ΔEab値の小さい方が、耐熱
性が良好であることを示す。
<判定基準>
○:ΔEab値<5
△:5≦ΔEab値≦10
×:10<ΔEab値
前記染料レジスト溶液を塗布したガラス基板に対し、キセノンランプを5万luxで20時間照射(100万lux・h相当)したのち、耐光テスト前後の色差のΔEab値を
測定した。ΔEab値の小さいほうが、耐光性が良好である。
<判定基準>
○:ΔEab値<3
△:3≦ΔEab値≦10
×:10<ΔEab値
本実施例において、画像形成は光学顕微鏡及びSEM写真観察により通常の方法で確認した。また、「未露光部現像性」、「露光部残膜率」は色度計(商品名:MCPD−1000、大塚電子(株)製)で測定した。
また、「未露光部現像性」とは、現像前後の膜の吸光度値の変化率を示し、ネガ型感光性組成物の場合には値が大きいほうがよい。さらに、「露光部残膜率」とは、現像前後の膜の吸光度値の維持率を示し、ネガ型感光性組成物の場合には値が大きいほうがよい。
上記未露光部現像性及び上記露光部残膜率が共に高い値であるということは、パターン形成性がよいということを意味する。
<判定基準>
○:「未露光部現像性」が95%以上かつ「露光部残膜率」が95%以上
△:「未露光部現像性」と「露光部残膜率」とのうちの一方が90%以上95%未満、又は、「未露光部現像性」と「露光部残膜率」との双方が90%以上95%未満
×:「未露光部現像性」及び/又は「露光部残膜率」が90%未満
実施例1の前記3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、例示化合物(1)を下記表1の染料に置き換えた以外は、すべて実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
1)着色硬化性組成物[ポジ型]の調製
下記組成を混合し、溶解し着色硬化性組成物[ポジ型]を得た。
〔組成〕
・乳酸エチル(EL) 30部
・下記樹脂P−1 3.0部
・下記ナフトキノンジアジド化合物N−1 1.8部
・架橋剤:ヘキサメトキシメチロール化メラミン 0.6部
・光酸発生剤:TAZ−107(みどり化学(株)製) 1.2部
・フッ素系界面活性剤 0.0005部
(商品名:F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・本発明における例示化合物(1) 1.5部
ベンジルメタクリレート70.0g、メタクリル酸13.0g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル17.0g、2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置と還流冷却管と温度計とを取り付け窒素気流下65℃にて重合開始剤(商品名:V−65、和光純薬工業(株)製)を触媒量添加して10時間攪拌した。得られた樹脂溶液を20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。この白色粉体を40℃で24時間真空乾燥し145gの樹脂P−1を得た。分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=28,000 数平均分子量Mn=11,000であった。
Trisp−PA(本州化学(株)製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド 61.80g、アセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下 トリエチルアミン 24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後 更に2時間攪拌した後、反応液を大量の水に攪拌しながら注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを、吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥し感光性化合物N−1を得た。
実施例1と同様にして、下塗り層つきのガラス基板に上記のようにして調製した着色硬化性組成物を塗布し、プリベーク、照射、現像及びリンス、乾燥を行ってマゼンタ画像パターンを得、その後このパターン画像を180℃で5分間加熱した(ポストベーク)。形成されたマゼンタパターン画像は矩形状の良好なプロファイルを示した。
実施例1のガラス基板をシリコンウエハー基板に変えた他は、実施例1と全て同様の操作を行い下塗り層つきシリコンウエハーの塗布基板を得た。
次いで、i−線縮小投影露光装置を使用して2μmの正方形パターンに500mJ/cm2の露光量で露光し、現像液(CD−2000(60%)、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)現像液を使用して、23℃で60秒間現像した。次いで、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥した。正方形の断面が矩形のCCD用カラーフィルターとして好適なパターンが得られた。
特開2002−14222号公報に記載の実施例1に記載の方法に従って、同公報の実施例1に記載のシー・アイ・ソルベント・イエロー162を、等モルの本発明における色素(実施例1〜10で用いた10種の色素)にそれぞれ置き換えた以外は、特開2002−14222号公報に記載の実施例1の方法に従ってポジ型着色硬化性組成物を得た。得られた組成物を用いて該公報に記載の実施例1と同様にしてイエローフィルタ層を形成した。
これらを、本発明の実施例1の方法に従って着色硬化性組成物の保存安定性、耐熱性、及び耐光性の評価を行った結果、上記表1の結果と同様な傾向が認められた。
Claims (4)
- 下記一般式(I)で表される色素を含有することを特徴とする着色硬化性組成物。
- 下記一般式(II)で表される色素を含有することを特徴とする着色硬化性組成物。
- 請求項1又は2に記載の着色硬化性組成物の少なくとも1種を用いてなる着色層を含むことを特徴とするカラーフィルター。
- 請求項1又は2に記載の着色硬化性組成物の少なくとも1種を、支持体上に塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層を、マスクを通してパターン露光し、現像して着色パターンを形成するパターン形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
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