JP2007040750A - マイクロチップ基板貼り合わせ装置 - Google Patents

マイクロチップ基板貼り合わせ装置 Download PDF

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英昭 柳生
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Abstract

【課題】 樹脂製のチップ基板を、接合面の密着が不十分な隙間が発生させずに確実に貼り合わせ、低い製造コストで高品質のマイクロチップを得ることができ、高い生産性が得られるマイクロチップ基板貼り合わせ装置を提供すること。
【解決手段】 光透過性樹脂からなる光透過性チップ基板と、光吸収性樹脂からなる光吸収性チップ基板とを、互いに積重された状態において貼り合わせるマイクロチップ基板貼り合わせ装置であって、光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板の接合面とされる面の少なくとも一方に、幅10〜500μm、深さ10〜500μmの微小な溝部が形成されており、積重状態にある光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板をその積重方向に加圧する加圧機構と、光透過性チップ基板を介して光吸収性チップ基板に光を照射するフラッシュ光照射手段と、光吸収性チップ基板に照射される照度を部分的に減少させること。
【選択図】 図1

Description

この発明は、吸光高度法により溶液分析を行うために使用するチップ基板を貼り合わせるマイクロチップ基板貼り合わせ装置に関し、詳しくは、樹脂製のチップ基板が互いに接着されることにより、内部に微小流路を有するマイクロチップが得られるマイクロチップ基板貼り合わせ装置に関する。
近年、幅10〜数100μm、深さ10〜数100μm程度の微少流路を有するマイクロチップの研究が盛んに行われており、微量の試料による安価な分析が可能であり、小型化を図ることができる検査システムの実現が期待されている。微小流路を有するマイクロチップは、一般的には少なくとも一方のチップ基板に微小な溝部が刻まれており、2つ以上のチップ基板を貼り合わせることで製造されている。これまでに、マイクロチップ基板の部材として、ガラス、樹脂などが用いられているが、ガラスに比べ、樹脂では、生産性、コストの面で有益である。
このような樹脂製のマイクロチップ基板の貼り合わせには、微小な溝部の封鎖や変形が生じないように、溝部以外の全面を接着させなければならない。また、溝部に血液等を流すため、水密性も保たなければならない。また、チップ基板によっては表面状態が粗く、チップ基板自体の成形時に数μmの凸凹を有するものもあり、密着して貼り合わせることが困難な場合もある。これらのチップ基板の接着には、微小な溝部の形状の維持が必須であり、現在多くの手法で接合がなされており、熱溶着または接着剤を用いたものが主に行われている。接着剤に関しては、微小な溝部への液漏れによって、溝部の封鎖や汚染が生じる可能性があり、この問題に取り組んだ接着方法も特開2002−207027号公報で提案されているが、生産性、環境面などの問題が解決されていない。
熱溶着方法としては、熱源として熱板、熱風、超音波、光源などを用いたものがある。熱板などによる接合方法は、低価格ではあるが樹脂に熱変形が発生し、外観が悪いという欠点があり、マイクロチップにおける接着には不向きである。超音波を用いても、振動や熱により影響がある。光源としては、レーザ透過性樹脂とレーザ吸収性樹脂を用いたレーザ溶着法は、熱変形を比較的小さく抑えることができ、微小な溝部の封鎖や汚染の可能性も少ない。しかしながら、機材が高価格、一括に大面積照射が不可能であり生産性が悪いという問題がある。この他、溶着方法としてはフラッシュランプによる溶着が考えられる。
フラッシュランプは、短いパルス時間で点灯できるので、接着表層のみを溶融できるため、マイクロチップの外観形状を保った貼り合わせができ、さらに一括大面積照射が可能であり生産性などの面でも有益である。しかしながら、接合面を加熱し溶融させ接着させるため、密着性が重要となり、マイクロチップ基板を固定して加圧することなどで密着性を上げなければならない。密着していない部分は密着している部分に比べ、過剰な熱エネルギーを注入しなければならない。すでに述べたが、マイクロチップ樹脂においても、流路側の表面状態は、チップ基板自体の成型時に発生する凹凸があり、マイクロチップ基板を加圧した際に、密着不十分で隙間が発生する部分があり、密着性が均一にならず、局部的に密着が過剰または不足の状態になる。このようなフラッシュランプでの樹脂基板の接合面の隙間を改善する方法として、照射される光エネルギーを均一化する手法がある。
特開2003−59854号公報に記載の発明では、フラッシュランプを用いた熱処理(アニール)において、光源に対向する被照射物と光源との間に光エネルギーを均一化する手段を介在させたことを特徴としている。この手段を通過した光源からの光は、均一な状態で被照射物に照射される。フラッシュランプと被照射物との間に、光強度フィルタを挿入させることにより、アニール中の被照射物の温度を均熱化し、且つ被照射物に必要以上の光エネルギーが流入しないように調整することができる。しかしながら、マイクロチップ基板の貼り合せでは、フィルタを介して光エネルギーの均一化を図るのみでは、チップ基板自体の凹凸があるため、接合面に隙間が発生し、密着が不十分となる部分があり、密着性が均一にならず局部的に密着が過剰または不足の状態になるので、さらなる改善が必要となる。
特開2002−207027号公報 特開2003−59854号公報
本発明は、このようなフラッシュランプでのマイクロチップ基板貼り合わせにおける問題を解決するべく、樹脂製のチップ基板を、接合面に密着が不十分な隙間が発生させずに確実に貼り合わせ、低い製造コストで高品質のマイクロチップを得ることができ、高い生産性が得られるマイクロチップ基板貼り合わせ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために、光透過性樹脂からなる光透過性チップ基板と、光吸収性樹脂からなる光吸収性チップ基板とを、互いに積重された状態において貼り合わせるマイクロチップ基板貼り合わせ装置であって、光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板の接合面とされる面の少なくとも一方に、幅10〜500μm、深さ10〜500μmの微小な溝部が形成されており、積重状態にある光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板をその積重方向に加圧する加圧機構と、光透過性チップ基板を介して光吸収性チップ基板に光を照射するフラッシュ光照射手段と、光吸収性チップ基板に照射される照度を部分的に減少させる手段とを具えたことを特徴とする。
また、本願第2の発明は、2枚の光透過性樹脂からなる光透過性チップ基板と、これらの光透過性チップ基板の間に介挿された光吸収性樹脂からなる光吸収性チップ基板とを互いに積重された状態において貼り合わせるマイクロチップ基板貼り合わせ装置であって、
光透過性チップ基板の各々および光吸収性チップ基板における接合面とされる面の少なくとも一方に、幅10〜500μm、深さ10〜500μmの微小な溝部が形成されており、積重状態の2枚の光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板をその積重方向に加圧する加圧機構と、各光透過性チップ基板を介して光吸収性チップ基板に光を照射するフラッシュ光照射手段と、光吸収性チップ基板に照射される照度を部分的に減少させる手段とを具えたことを特徴とする。
また、本願第3の発明は、フラッシュ光照射手段から光吸収性チップ基板に照射される光から、接合面の微小な溝部に照射される光の少なくとも一部を遮断する手段を具えたことを特徴とする。
本発明に係るマイクロチップ基板貼り合わせ装置によれば、光吸収性チップ基板に照射される照度を部分的に減少させて、照射エネルギー密度を部分的に変化させることで、接合面の密着性に対応して加熱することができ、密着不十分な隙間を発生させずに確実に貼り合わせることができるマイクロチップ基板貼り合わせ装置を提供することができる。さらに、フラッシュ光は例えばレーザなどと比して一度に大きな面積に対して照射することができるために、一度に多数のマイクロチップを得ることもでき、高い生産性が得られるマイクロチップ基板貼り合わせ装置を提供することができる。
以下、本発明について、微小流路が形成されたチップ基板を貼り合わせることによりマイクロチップが得られるマイクロチップ基板貼り合わせ装置を説明する。
図1に、本願発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置の概略断面図を示し、図2に本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置のマイクロチップの概略図を示す。
図2に示すように、マイクロチップ1は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ボリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂などのアクリル樹脂類、ポリカーボネート(PC)樹脂などの熱可塑性樹脂からなり、フラッシュ光を透過する光透過性チップ基板11と、熱可塑性樹脂に例えばカーボンブラックなどの光吸収発熱体を分散させたものからなり、光を吸収して発熱すると共に、その熱により溶融して接着性を有する光吸収性チップ基板12とを、互いに重ね合わせて、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12が積重された状態において貼り合わされたものである。
光吸収性チップ基板12の厚みは、例えば0.1〜1.0mmとされ、フラッシュ光が照射されたときに光吸収性チップ基板12自体の形状を維持できる程度の厚みが必要とされる。光透過性チップ基板11の厚みは、必要とするマイクロチップ1の厚さや密着されて接合面14となる面に形成される溝部13の深さなどに応じて適宜に選択され、例えば0.1〜5.0mmとされ、フラッシュ光が照射されたときに光吸収性チップ基板12自体の形状を維持できる程度の厚みが必要とされる。また光透過性チップ基板12には、幅10〜500μm、深さ10〜500μmの微小な溝部13が予め形成され、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12が貼り合わされることで、溝部13が接合面14に経路を形成している。
このようなマイクロチップ1を形成するためには、図1に示すマイクロチップ基板貼り合わせ装置において、光透過性樹脂からなる光透過性チップ基板11と、光吸収性樹脂からなる光吸収性チップ基板12とを、互いに重ね合わせて、積重された状態において、加圧機構20によって、狭圧することによりその積重方向(図1において上下方向)に加圧し、フラッシュランプ6を照射して、光透過性チップ基板11を介して光吸収性チップ基板12を加熱する必要がある。
マイクロチップ1を形成する光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12を加圧する加圧機構20は、例えば、箱型の機枠21によって固定された、狭圧用基板の一方を構成する加圧窓6と、ゴム弾性体よりなる介挿体22を介して配置されるジャッキ23によって加圧窓6に近接する方向(図1において上方)に押し上げられる支持部材5とを備えている。加圧機構20によってマイクロチップ1に加えられる加圧力は、例えば0.1〜2.0MPaの範囲であることが好ましい。このマイクロチップ1に加えられる加圧力が0.1MPa未満であると、マイクロチップ1における光透過性チップ基板11および光吸収性チップ基板12との密着が不十分となり、接合面14において所望の形状の微小流路が得られない恐れがある。また、マイクロチップ1に加えられる加圧力が2.0MPaを越えると、マイクロチップ1に加えられた過大な圧力に起因して、溝部13の損傷が発生する恐れがある。
この加圧機構20の支持部材5上に光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12を載置し、これらを位置決めピン7に押し当てることにより所定の位置に設置する。マイクロチップ1の加圧機構20に対する位置決めをするためには、縦と横の2面を指定する必要があり、最低2ヶ所に位置決めピン7を支持部材5に設置しなければならない。位置決めピン7は、例えばアルミよりなり、ネジにより支持部材上に固定され、ネジと一体となっているネジ止めピンであることが好ましい。フラッシュランプ6側からは光透過性部材よりなる加圧窓4、反対側からはマイクロチップ1を載置する支持部材5を用いて、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12を両側から挟み込んで、その積重方向に加圧する。
そして、フラッシュランプ7を1ショット当りのパルス幅が0.1〜100ms、好ましくは0.5〜20msで光吸収性チップ基板12の接合面14における照射エネルギー密度が0.1〜10J/cm、好ましくは1〜7J/cmとなる光を照射する特定の作動条件に従って照射すると、フラッシュランプ7からの光は加圧窓6及び光透過性チップ基板11を通過し、光吸収性チップ基板12により吸収され、加熱される。そして、光吸収性チップ基板12は、軟化、溶融され、光透過性チップ基板11に熱を伝え、接合面14付近のみが溶融された光透過性チップ基板11の樹脂と光吸収性チップ基板12の樹脂を、接着させることが可能となる。
しかしながら、このようなマイクロチップ基板貼り合わせ装置では、光透過性チップ基板11や光吸収性チップ基板12の表面状態が粗く、密着されて接合面14となる面に数μmの凸凹を有するものもある。このようなマイクロチップ1を加圧した際には、図3に示すように、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12の接合面14に密着が不十分で隙間15が発生する部分や、逆に、局部的にフラッシュランプ6からの光が過剰に照射され、光透過性チップ基板11または光吸収性チップ基板12に熱変形16が発生する部分がある。
そこで、本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置では、マイクロチップ1の接合面14の密着状態に合わせて配置したフィルタ2をマイクロチップ1の光の受光側に設置している。
密着状態は、予めフィルタ2を設置しない状態で加圧試験を行い観察する。観察方法としては、圧力試験紙や、ギャップセンサなどを用いて光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12の密着状態を計測する方法などがある。また、光透過性チップ基板11自体の部分的な透過率変化が大きい場合はそれらも考慮する必要がある。これらの計測により、例えば、光が過剰に照射されている部分には透過率が減少するようなフィルタ2を設置して照度を減少させ、溝部13以外の部分において、接合面14の全面が密着するように接合できるようにする。このフィルタ2には、部分的に何段階かに分かれた異なる光吸収力を持ったものが用いられる。
光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12は、一般に射出成型により製造されるものなので、同一の型を用いて製造されたものは同一の特性を持っている。したがって、他の光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12との接合面14の密着状態も、予めフィルタ2を設置しない状態で加圧試験を行った光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12との接合面14と同様の特性を示すと考えられる。このため、他のマイクロチップについても、加圧試験の計測により得られたフィルタ2を適用することができる。
このような光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12との接合面14の密着状態に合わせたフィルタ2を、マイクロチップ1に対してフラッシュランプ6の照射側に設置する。図1では、本発明のフィルタ2を、光透過性の加圧窓4のマイクロチップ側表面に設置し、マイクロチップ1を位置決めピン7に押し当てることにより、マイクロチップ貼り合わせ装置に対して所定の位置に載置してフィルタ2とマイクロチップ1の位置合わせをし、マイクロチップ1のフィルタ2を設置した箇所に対応する部分を減光できるようにしている。フィルタ2の構成としては、金属膜が主な光吸収体として使用されている。特に金属膜のインコネル、クロム及びニッケル等は、波長に依存せずに光を減光できるため、本発明のフィルタとして適している。ただし、ある特定の波長領域を選択的に減光するフィルタ2を用いることも可能である。また、カーボンなどを定着させる方法でもよい。
フィルタ2は、あらかじめ密着状態などから算出した照度分布に合わせて、1〜数段階の金属膜を光透過性の加圧窓4の表面に分散させる。フィルタ2の製作方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、インクジェットプリンティング法、スプレー法などがある。比較的光吸収力の高いフィルタを使用するときは、吸収する光のエネルギーに応じてガラスに冷却装置を設置することも可能である(図示せず)。冷却方法としては、ガラス内部や表面に冷却水を流す水冷や、空気を循環させてガラスを冷却する空冷などによる放熱が可能である。
図4では、フィルタA、フィルタB、フィルタCの3段階に分かれた異なる光吸収力を有するフィルタ2を配置している。この3種のフィルタ2の光吸収力はフィルタCが最も大きく、次にフィルタB、続いてフィルタAとなっており、フィルタCに対応する部分の光吸収性チップ基板12に到達する光量は最も少なくなっている。このように照度分布にあわせてフィルタ2を設置することで、各部分の密着状態に適した光照射エネルギー密度が得られ、接合面の密着性に対応して加熱することができ、密着不十分な隙間を発生させずに確実に貼り合わせることができる。
フィルタ2は、設置された箇所に対応した部分の照射光を減光させなければならないので、マイクロチップ1に隣接して設置することが好ましい。図5(a)のように、フィルタ2を加圧窓4のマイクロチップに接する表面に配置すれば、フラッシュランプ6から照射される光の入射角の影響があっても、マイクロチップ1の表面上の減光される部分は、フィルタ2を設置した箇所と比べても、その誤差は小さい。しかし、図5(b)のように、フィルタ2を加圧窓4のフラッシュランプ6の光が入射される表面に配置すれば、フィルタ2とマイクロチップ1との間隔が広くなり、フラッシュランプ6から照射される光の入射角の影響により、マイクロチップ1の表面上の減光される部分は、フィルタ2を設置した箇所と比べると、その誤差は大きく、減光する必要のない部分の照度を減少させる恐れがある。
また、フィルタ2の設置方法としては、以上で説明した方法の他に、金属箔などのフィルタ2をガラスなどで挟み込んで固定する方法や、金属膜が分散された薄ガラスや、金属箔がコーティングされた樹脂よりなるフィルタ2を加圧窓4とマイクロチップ1の間に設置する方法などがある。
図6に、フィルタ2に加えて、マイクロチップ1の溝部13のパターンに沿って遮光するマスク3を設置し、加圧窓4、フィルタ2、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12を重ね合わせた断面に光が照射されたときの照度分布を示す。フィルタ2は、マイクロチップ1の密着状態などから算出された照度分布にあわせて光吸収力の異なるものを対応する部分ごとに用いている。光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12の接合面14に隙間15が生じた部分には照射光をそのまま利用できるようにし、熱変形が発生した部分には照射光を減光できるようなフィルタ2を設置している。また、マスク3は溝部13への光の侵入を防ぐために、溝部13に沿って設置されている。このマスク3は、光の反射率の高いアルミニウムなどの金属膜をフィルタ2と同様の方法で加圧窓4にコーティングし、マイクロチップ1に照射される光を遮断することができるものである。また、マスク3は溝部13の形状に型抜きした金属板よりなり、フィルタ2とは別体で設けることも可能である。
図6の照度分布図より、マスク3を設置することで、密着させる必要のない溝部13に加えられる熱を遮断し、フィルタ2を設置することで、照射エネルギー密度を部分的に変化させることで、接合面14の密着性に対応して加熱することができ、マイクロチップ基板自体の成型時に発生する凹凸や経路13に合わせた照度分布が得られ、マイクロチップ1全体で均一に密着させることができることがわかる。
また、通常では密着性が悪く接着が不可能である光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12に対して、その密着性の悪い領域以外にマスク3を設置して照射光を遮断して、比較的高エネルギーでフラッシュ照射することで、その密着性の悪い領域のみを接着させ、その後、マスク3を取り払い、先にマスク3を設置しなかった領域にマスク3を設置し、照射することで、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12を密着させることもできる。また、比較的高エネルギーの光を照射することになるとチップ自体が損傷する恐れがあるので、密着性の悪い領域のみに複数回照射、周期的照射を行うこともできる。この複数回照射する効果は、樹脂の温度上昇に伴う熱膨張により、少しずつ隙間を埋めることができ、密着性を向上させて溶着させるということにある。特に、ある一定の周期で光吸収性樹脂が軟化点近辺から融点まで段階的に温度上昇させると、フラッシュランプ6の短パルスによる密着表面の先端部分のみを加熱し、その状態を維持しながら軟化による隙間の改善が段階的に行えるため適している。この周期としては、材料、照射エネルギー、照射時間、冷却時間などによって変化するため適宜選択する必要がある。
図7に本発明の加圧部及び照射部の応用例を示す。光吸収性チップ基板12の両面に光透過性チップ基板11をあわせて、マイクロチップ1に隣接する面にフィルタ2を具えた加圧窓4を両側に配置し、この加圧窓4より光透過性チップ基板11を加圧して、両側に配置されたフラッシュランプ6から光を照射している。これにより二層のパターンが刻まれたマイクロチップ1に照射される照度を部分的に減光して、照射エネルギー密度を部分的に変化させることで、接合面14の密着性に対応して加熱することができ、密着不十分な隙間を発生させず、一括にかつ均一に貼り合わせることができる。また、二層のパターンが刻まれたマイクロチップ1においても、密着させる必要のない溝部13に加えられる熱を遮断するためのマスクを設置してもよい。
以上、光透過性チップ基板11に形成された溝部13がマイクロチップ1の微小経路となる例について説明したが、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12の積重体における溝部13は、光透過性チップ基板11に形成されていることに限定されず、例えば光吸収性チップ基板12に形成されていてもよく、また、光透過性チップ基板11と光吸収性チップ基板12の両方に形成された溝部13が、接合面14で連通していてもよい。
次に、本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置について、その効果を確認した実験について説明する。
図1に示す構成のマイクロチップ基板貼り合わせ装置であって、マイクロチップとしては、ポリエチレンテレフタレートからなる微小な溝部が刻まれた光透過性チップ基板(厚さ1.5mm)と光吸収性チップ基板(厚さ0.5mm)を使用した。フラッシュランプはキセノンガス450torrを封入したもので、支持部材には、アルミ板、厚さ1.5mmのものを用いた。加圧圧力は、光透過性チップ基板と光吸収性チップ基板の接合面の間に富士写真フィルム製の圧力試験紙「プレスケール」を挟み、接合面の密着度を測定した。加圧圧力が0.2MPa以上の部分には照射エネルギー密度が60%に減少するフィルタAを加圧窓の表面に設置し、加圧圧力が0.2〜0.1MPa部分には照射エネルギー密度が80%に減少するフィルタBを加圧窓の表面に設置した。また、さらに密着性が弱い部分にはフィルタは設置しなかった。比較例として、フィルタを設置しない状態についても照射実験を行った。
上記条件で照射エネルギー密度を6J/cm、パルス幅5msで照射実験を行ったところ、フィルタを設置した条件では光透過性チップ基板と光吸収性チップ基板を溝部以外の全面に接着することができ、非常に外観は良好であった。また、経路に液体を注入したところリークは発生せず、水密性にも優れていた。フィルタを設置しない場合では、マイクロチップ基板を全面に接着することができたが、経路に液体を注入したところ抽出口から液体が出てこない経路が確認された。これは、密着性のよい部分に高エネルギーが入り、接合面が過熱され熱損傷を起したためであり、チップを切断、研磨し経路断面を観察すると、経路が潰れている部分や熱変形の大きい経路があった。
また、上記と同様の条件のマイクロチップ基板貼り合わせ装置において、フィルタを設置した部分に光を遮断するマスクを設置し、照射エネルギー密度6J/cmで照射し、次に、フィルタA以外の部分にマスクを設置し、照射エネルギー密度3.6J/cmで照射し、さらにフィルタB以外に部分にマスクを設置し、照射エネルギー密度4.8J/cmで三回照射を行った。フィルタのみを設置した状態と同じように、美観に優れたチップが得られ、水密性、断面形状も良好であった。
これらの実施例より、マイクロチップ基板の接合面の密着性に応じて、フィルタやマスクを設置して、照射エネルギー密度を部分的に変化させることで、接合面の密着性に対応して加熱することができ、全面に偏りのない良接着状態が実現可能であることが分かった。
本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置の概略断面図 本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置のマイクロチップの概略図 本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置のマイクロチップの概略図 本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置の拡大断面図 本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置の拡大断面図 本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置の拡大断面図 本発明のマイクロチップ基板貼り合わせ装置の拡大断面図
符号の説明
1 マイクロチップ
2 フィルタ
3 マスク
4 加圧窓
5 支持部材
6 フラッシュランプ
7 位置決めピン
11 光透過性チップ基板
12 光吸収性チップ基板
13 溝部
14 接合面
15 隙間
16 熱変形
20 加圧機構
21 機枠
22 介挿体
23 ジャッキ

Claims (3)

  1. 光透過性樹脂からなる光透過性チップ基板と、光吸収性樹脂からなる光吸収性チップ基板とを、互いに積重された状態において貼り合わせるマイクロチップ基板貼り合わせ装置であって、
    光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板の接合面とされる面の少なくとも一方に、幅10〜500μm、深さ10〜500μmの微小な溝部が形成されており、
    積重状態にある光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板をその積重方向に加圧する加圧機構と、
    光透過性チップ基板を介して光吸収性チップ基板に光を照射するフラッシュ光照射手段と、
    光吸収性チップ基板に照射される照度を部分的に減少させる手段とを具えたことを特徴とするマイクロチップ基板貼り合わせ装置。
  2. 2枚の光透過性樹脂からなる光透過性チップ基板と、これらの光透過性チップ基板の間に介挿された光吸収性樹脂からなる光吸収性チップ基板とを互いに積重された状態において貼り合わせるマイクロチップ基板貼り合わせ装置であって、
    光透過性チップ基板の各々および光吸収性チップ基板における接合面とされる面の少なくとも一方に、幅10〜500μm、深さ10〜500μmの微小な溝部が形成されており、
    積重状態の2枚の光透過性チップ基板および光吸収性チップ基板をその積重方向に加圧する加圧機構と、
    各光透過性チップ基板を介して光吸収性チップ基板に光を照射するフラッシュ光照射手段と、
    光吸収性チップ基板に照射される照度を部分的に減少させる手段とを具えたことを特徴とするマイクロチップ基板貼り合わせ装置。
  3. 前記フラッシュ光照射手段から光吸収性チップ基板に照射される光から、前記接合面の微小な溝部に照射される光の少なくとも一部を遮断する手段を具えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイクロチップ基板貼り合わせ装置。









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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009184295A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Ushio Inc 樹脂溶着用光源装置および樹脂溶着装置

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JP2009184295A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Ushio Inc 樹脂溶着用光源装置および樹脂溶着装置

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