JP2007040195A - ロータリーポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポンプの運転再開時におけるベーンの先端がシリンダ内壁への衝突による衝撃を緩和する。
【解決手段】ベーン4に前記ベーンの回転方向と交叉する方向の前記ベーンの一端側に設けられた凸部22と、シリンダ10と嵌合する部位に形成された凹部23が係合するようにした係合部を形成し、ロータ3が回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口5から前記ケーシング内部に吸入し、吸入した流体を前記排出口6より排出し、ロータが回転しない時には、係合部によってロータの格納溝の最深部に向かう方向へベーンの移動を規制するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】ベーン4に前記ベーンの回転方向と交叉する方向の前記ベーンの一端側に設けられた凸部22と、シリンダ10と嵌合する部位に形成された凹部23が係合するようにした係合部を形成し、ロータ3が回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口5から前記ケーシング内部に吸入し、吸入した流体を前記排出口6より排出し、ロータが回転しない時には、係合部によってロータの格納溝の最深部に向かう方向へベーンの移動を規制するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ベーン型ロータリーポンプに関し、特にロータリーポンプのシリンダ内壁へのベーンによる衝撃を防止する技術に関する。
従来のロータリーポンプにおいて、当該ポンプのシリンダ内壁に偏芯して装着されたロータに対して半径方向に出入変位することができるベーンを嵌装し、ポンプ動作中、該ベーンをシリンダ内壁に対して常時接触しながら回転摺動しながら動作するいわゆる“ベーン型ロータリーポンプ”が知られている。たとえば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
特開2005−16337号公報
特開2005−42675号公報
上記したポンプにおいて、運転時においては、ロータの回転による遠心力によって当該ベーンがロータから突出してシリンダに押し付けられ回転することによりポンプとして機能する。しかし、運転停止時には、重力等によりベーンがロータに回転軸方向に戻されてしまう。このような状態において、ポンプが運転再開始された場合に、そのロータの回転の遠心力によりベーンが急激にロータから突出して、シリンダ内面壁に打ちつけられるようになる。このような現象がポンプの運転の停止および運転再開が繰り返されることにより、ベーンの先端がその衝撃により損傷を受け、ひどい場合にはベーンが折れるという現象が生ずることがある。
本発明の目的は、バネなど複雑な機構を必要とせずに、さらに、磨耗量は遠心力の場合と同等程度に押さえながら、ポンプの運転再開時におけるベーンの先端がシリンダ内壁への衝突による衝撃を緩和する装置を提供することをも目的とする。
(1)この発明のポンプは、吸入口と排出口と円筒状のシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有するロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接して流体を吸入口から排出口へ送るベーンとを有するロータリーポンプおいて、さらに、前記ベーンに前記ベーンの回転方向と交叉する方向の前記ベーンの一端側に設けられた凸部と、前記底部の前記シリンダと嵌合する部位に形成された凹部が係合するようにした係合部を形成し、前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、前記ロータが回転しない時には、前記係合部によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制するようにした。
(2)この発明のポンプは、吸入口と排出口と円筒状のシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有するロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接するベーンとを有するロータリーポンプおいて、また、前記ベーンに前記ベーンの回転方向と交叉する方向の前記ベーンの一端側に設けられた凹部と、前記底部に凹部が係合するようにした係合部を形成し前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、前記ロータが回転しない時には、前記係合部によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制するようにした。
(3)この発明のポンプは、吸入口と排出口と円筒状の少なくとも磁性体を含有するシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する非磁性体の部材で形成された底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有する非磁性体の部材で形成されたロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接する永久磁石で形成されたベーンとを有するロータリーポンプであって、前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、前記ロータが回転しない時には、前記べーンの前記シリンダ側の先端部と前記シリンダとに作用する磁力による吸引力によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制するようにした。
(4)この発明のポンプは、吸入口と排出口と円筒状のシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有するロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接するベーンとを有するロータリーポンプおいて、前記ロータに設けられた格納溝の最深部に第一の永久磁石が装着され、前記格納溝の最深部に向かう方向の前記ベーンの端部の第二の永久磁石が装着され、前記第一の永久磁石と前記第二の永久磁石が互いに同一の極性が対向するように配置することにより、前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、前記ロータが回転しない時には、前記格納溝の最深部に装着された第一の永久磁石と、前記ベーンに装着された前記第二の永久磁石との磁力による斥力によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制するようにした。
本発明によれば、ロータリーポンプが再運転の開始時においても、ベーンが急激にロータから飛び出すことがないので、ベーン先端のシリンダ内壁への衝突が回避され、ベーン先端の損耗や損傷を低減することが可能なロータリーポンプを提供することができる。
本発明による第1乃至第4の実施の形態について図を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4に示す。図1は、本発明によるベーン型のロータリーポンプ1aを示し、ロータ3の回転軸7に垂直なケーシング2aの内部を示す断面である。また、図2に図1におけるA−A断面を示す。ロータリーポンプ1aは、吸入口5および排出口6を備えたケーシング2a内に、ロータ3がシリンダ10Bの中心から偏芯した位置に回転軸7が位置するように設けられている。ここでケーシング2aは、図2に示すように円筒状のシリンダ10Bとその両端部を閉塞するよう設けられた底部10Aにより構成されている。
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4に示す。図1は、本発明によるベーン型のロータリーポンプ1aを示し、ロータ3の回転軸7に垂直なケーシング2aの内部を示す断面である。また、図2に図1におけるA−A断面を示す。ロータリーポンプ1aは、吸入口5および排出口6を備えたケーシング2a内に、ロータ3がシリンダ10Bの中心から偏芯した位置に回転軸7が位置するように設けられている。ここでケーシング2aは、図2に示すように円筒状のシリンダ10Bとその両端部を閉塞するよう設けられた底部10Aにより構成されている。
ロータ3には、その外周から中心に向かって所定の幅と深さの格納溝3aが互いに90度ごとに4ヶ所に設けられている。これらの格納溝3aには、当該格納溝3aの深さ方向に移動が可能な状態で、図3に示すようなベーン4aが挿入されている。ベーン4aの先端部は、シリンダ10Bの内周面に滑らかに当接するような形状に加工されている。ここで、本実施形態では、ベーン4aの取り付け本数は、4ヶ所に設けられている場合について例示しているが、ロータリーポンプの用途や排気容量等により本数は適宜設計的に選択される。
ベーン4aは、ロータ3がモータ9(図2に示す破線部)によって駆動され、その回転による遠心力でシリンダ10Bの内周面にその先端部が押しつけながら回転する。このロータ3の回転により吸入口5から吸入された流体が、ロータ3の外周面とシリンダ10Bの内周面および当該隣接するベーン4aの先端部との当接部位により形成されるポンプ作用室Rにより閉塞された状態で回転し、排気口6の部位に回転されたときに当該排気口6から外部に排出されることによりポンプ作用が行われる。
次に、図2を用いてロータリーポンプ1aの回転軸方向の断面の構造を説明する。ロータ3の回転軸7は、ケーシング2aの両底部10Aに取り付けられた回転軸受8に軸支され、モータ9により回転駆動される。また、ベーン4aは、図3に示すように先端部に凸部22が形成され、ケーシング2aの両底部10Aに形成されている係合部である切り欠き部23に係合されるようになっており、この機構によりベーン4aが溝3aの深さ方向への移動することから規制される。切り欠き部23は底部10A及び10Bにリング状に設けられ、回転軸7はこのリング状の形状とは偏心軸の関係になっている。
すなわち、ベーン4aの一端側であるシリンダ2aに対向する部分のベーン4aの長さがロータ3の収納溝3aの対応する長さより長いので、凸部22が切り欠き部23に係合される構造になっている。このような構造にすることによりロータリーポンプ1aが停止した場合に、たとえば、ベーン4aが鉛直方向の上部に位置している場合でも、重力の力を受けて格納溝3aの最深部に落ち込むことがない。このような切り欠き部23が設けているので、ロータリーポンプが再回転始動された場合に、ベーン4aが始動時において急激な遠心力を受けてもベーン4aの先端部がシリンダ10Bの内周面の衝突の程度が弱められるので、当該先端部の損傷等を受けることはなく、長寿命のロータリーポンプを提供できる。また、ロータリーポンプ1aの運転中は、ベーン4a自体の自重による遠心力のみの力でベーン4aがシリンダ10Bの内周面に押さえつけられるため、ベーン4aの先端部とシリンダ10Bの内周面の磨耗量への悪影響もない。
特に、断続的に運転する要求があるベーンポンプで遠心力でベーン4aを飛び出させるタイプのロータリーポンプにおいては、運転の停止および運転再開始が多数回、繰り返されるので効果的である。
上記したベーン4aの先端部の突起22および底部10Aの凹部23の図2に示された形状は、一実施例であるので三角形の突起に限るものではなく、半円状、四角形などベーン4aがロータリーポンプ1aが運転の停止時において、溝部の最深部に戻ろうとするのを底部10Aに設けられた切り欠き部23との係合で規制することにより妨げられれば、いずれの形状でも良い。また、ベーン4aの突起22が形成された形状を一体で形成された場合について述べたが、当該突起部22をベーン4aに別部材を取りつけて形成しても良い。また、ベーン4aの本数や、ロータ3の半径方向に対するベーン4aが動く角度もこれに限るものではない。係合部は切り欠き形状に限定されるものではなく、底部所定の位置に凹型のリング形状であってもよい。
なお、ロータリーポンプ1aを構成するケーシン2aは、両底部10Aを構成する部材の両端部とケーシング2aの側壁を構成するシリンダ10Bの両端部を図4に示すようにこれらを嵌合させて制作される。これらの材料としては、たとえば、鋳鉄やアルミの鋳造等で形成される。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態を図5乃至図8を用いて説明する。図5は、本発明によるベーン型のロータリーポンプ1bを示し、また、図6は、図5のA−A断面の構成を示す。基本構造は、第1の実施の形態におけるロータリーポンプ1aと同様である。第1の実施の形態においては、ベーン4aに突起22を設け、ケーシング2aの底部10Bにきり欠き23を設けたが、本実施の形態では、図7に示すようにベーン4bに凹部24を設け、シリンダ20Bの底部20Aに係合部である突起25を設ける点が異なっている。それ以外の箇所の説明は省略する。このようにベーン4bおよび底部20Aには、それぞれ、凹部24と突起25が形成され、突起25によって凹部24がガイドされてベーン4bがケーシング内を移動している。凹部24に突起25を係合させることにより第1の実施の形態と同様に、ロータリーポンプが停止した時に、ベーン4bが格納溝3aに落ち込むのを防止される。従って、断続的に、運転する要求があるベーンポンプで遠心力によりベーンを飛び出させるタイプのロータリーポンプにおいては、停止時においてもベーン4bが格納溝3aに落ち込むことがないので、運転再開始時にベーン4bが急激に飛び出すことによるベーン4bの先端部等の破壊が生ずることがないので、長寿命のロータリーポンプを提供することができる。
本発明の第2の実施の形態を図5乃至図8を用いて説明する。図5は、本発明によるベーン型のロータリーポンプ1bを示し、また、図6は、図5のA−A断面の構成を示す。基本構造は、第1の実施の形態におけるロータリーポンプ1aと同様である。第1の実施の形態においては、ベーン4aに突起22を設け、ケーシング2aの底部10Bにきり欠き23を設けたが、本実施の形態では、図7に示すようにベーン4bに凹部24を設け、シリンダ20Bの底部20Aに係合部である突起25を設ける点が異なっている。それ以外の箇所の説明は省略する。このようにベーン4bおよび底部20Aには、それぞれ、凹部24と突起25が形成され、突起25によって凹部24がガイドされてベーン4bがケーシング内を移動している。凹部24に突起25を係合させることにより第1の実施の形態と同様に、ロータリーポンプが停止した時に、ベーン4bが格納溝3aに落ち込むのを防止される。従って、断続的に、運転する要求があるベーンポンプで遠心力によりベーンを飛び出させるタイプのロータリーポンプにおいては、停止時においてもベーン4bが格納溝3aに落ち込むことがないので、運転再開始時にベーン4bが急激に飛び出すことによるベーン4bの先端部等の破壊が生ずることがないので、長寿命のロータリーポンプを提供することができる。
また、運転中はこれまでの遠心力によるロータリーポンプと同等の力でベーン4bがシリンダ20Bに押さえつけられるため、磨耗量への悪影響はない。なお、上述した断面が半円形状の凹部24と突起25は、これらの形状に限るものではなく、三角形、四角形などベーン4bが、格納溝3aの最新部に落ち込むのを防止できればいずれの形状でも良い。
本実施の形態において、ベーン4bの凹部に係合させるシリンダ20Bの両底部部20Aに凸部25が形成されているので、凹部を形成するのに比べて底部20Aの強度を低下させることがない等の利点がある。また、本実施の形態では、底部20Aに突起25がついた形状を一体で形成する場合について示したが、この突起25を別部材で取り付けて形成しても良い。
なお、ロータリーポンプ1bを構成するケーシン2bは、両底部を構成する部材20Aの両端部とケーシング2bの側壁を構成するシリンダ20Bの両端部を図8に示すように嵌合させて制作される。これらの材料としては、たとえば、鋳鉄やアルミの鋳造等で形成される。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態について、図9乃至12を用いて説明する。図9は本発明によるベーン型のロータリーポンプ1cを示し、また、図10は、図9におけるA−A断面の構成を示す。基本構造は、第1の実施の形態におけるロータリーポンプ1aと同様である。本実施の形態においては、図11に示すようにベーン4cの材料として永久磁石が用いられる。たとえば、希土類磁石等が使用される。また、ケーシング2cの側壁を構成するシリンダ30Bは、鋳鉄等の磁性材料が用いられ、底部30Aは、非磁性材料で形成される。また、ロータ3も非磁性材料で形成される。これらの非磁性材料は、アルミやアルミ合金等が用いられる。また、ABSのような樹脂材料でも可能である。
第3の実施の形態について、図9乃至12を用いて説明する。図9は本発明によるベーン型のロータリーポンプ1cを示し、また、図10は、図9におけるA−A断面の構成を示す。基本構造は、第1の実施の形態におけるロータリーポンプ1aと同様である。本実施の形態においては、図11に示すようにベーン4cの材料として永久磁石が用いられる。たとえば、希土類磁石等が使用される。また、ケーシング2cの側壁を構成するシリンダ30Bは、鋳鉄等の磁性材料が用いられ、底部30Aは、非磁性材料で形成される。また、ロータ3も非磁性材料で形成される。これらの非磁性材料は、アルミやアルミ合金等が用いられる。また、ABSのような樹脂材料でも可能である。
このような構成において、ベーン4cは、永久磁石であるので磁性材料で形成されているシリンダ30Bに磁力により吸引されるので、ロータ3の格納溝3aの最深部に落ち込むことがないので、実施の形態1や実施の形態2におけるロータリーポンプと同様な機能および作用効果を有する。尚、シリンダ30Bにベーン4cが押し付けられる力はロータの回転トルクより小さくなるようにベーン4cの磁力を設定している。
また、本実施の形態では、ベーン4cやケーシング2cに突起や凹部などを加工する必要がないことから加工のコストに対して有利である。また、従来の遠心力でベーン4がシリンダ30Bに押し付けられ、運転停止時にベーン4がロータ3に戻されてしまうタイプのロータリーポンプの基本設計があれば、材料を変更するだけで実施可能である。
なお、ロータリーポンプ1cを構成するケーシン2cは、両底部を構成する部材30Aの両端部とケーシング2cの側壁を構成するシリンダ30Bの両端部を図12に示すように嵌合させて制作される。これらの材料としては、たとえば、鋳鉄の鋳造等で形成される。
次に、第3の実施の形態の変形例として図13乃至図16を用いて説明する。図13にこの実施の形態におけるロータリーポンプ1dを示し、そのA−A断面を図14に示す。このロータリーポンプ1dの基本構成は、第3の実施の形態におけるロータリーポンプ1cと同様であるが、ケーシング2dのシリンダ40Bについては、樹脂等の非磁性材料を用いる場合は、図16に示すようにシリンダ40Bは、樹脂部材の中に鉄等の磁性材料41を埋め込んで形成されているので同様な効果を発揮させることができる。なお、ベーン4dの形状は図15に示すように第3の実施の形態例と同様である。
また、他の変形例として、図17乃至図20に示す。図17に示すロータリーポンプ1eの基本構造は、第3の実施の形態のロータリーポンプ1cと同様である。また、第17のA−A断面の断面図を図18に示す。この実施の形態において、ロータリーポンプ1eのロータ3に設けられている格納溝3aの最深部に第一の永久磁石52がはめ込まれている。また、ベーン4eの中心軸方向の端部には、図19に示すように第二の永久磁石51が取り付けられている。図20に示すように、第一の永久磁石52と第二の永久磁石51はロータ3の格納溝3a内で対向して配置されており、互いの対向面側が同極性となっている。このような構成により、格納溝3aのはめ込まれたベーン4eは、シリンダ50Bに向かう方向に磁石による反発力を受けて、その先端部がシリンダ50Bの内周面に押しつけられる。そのために当該ロータリーポンプが運転を停止され、運転が再開され、起動時におけるベーン4eが急激な遠心力を受けてもシリンダ50Bの内周面に対して衝撃を受けることもない。尚、シリンダ50Bにベーン4eが押し付けられる力は、ロータ3の回転トルクよりも小さく設定されている。
また、ベーン4eがロータ3の格納溝3aの最深部に第一の永久磁石52の小片を接着等により取り付けるだけで容易にかつ安価に実施可能である。
また本実施の形態において、ケーシング2e、ベーン4eやロータ3の材質を、磨耗や放熱の観点から、適した組み合わせを選択できるので、その他の寿命や性能に悪影響がない。
1 ロータリーポンプ
2a ケーシング
3 ロータ
4 ベーン
5 吸入口
6 排出口
9 モータ
10A ケーシング底部
10B シリンダ
51,52 永久磁石
2a ケーシング
3 ロータ
4 ベーン
5 吸入口
6 排出口
9 モータ
10A ケーシング底部
10B シリンダ
51,52 永久磁石
Claims (8)
- 吸入口と排出口と円筒状のシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有するロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接するベーンとを有するロータリーポンプおいて、
さらに、前記ベーンに前記ベーンの回転方向と交叉する方向の前記ベーンの一端側に設けられた凸部と、前記底部に前記凸部が係合するようにした係合部を形成し、
前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、
前記ロータが回転しない時には、前記係合部によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制することを特徴とするロータリーポンプ。 - 前記係合部は、切り欠き形状であることを特徴とする請求項1記載のロータリーポンプ。
- 吸入口と排出口と円筒状のシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有するロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接するベーンとを有するロータリーポンプおいて、
さらに、前記ベーンに前記ベーンの回転方向と交叉する方向の前記ベーンの一端側に設けられた凹部と、前記底部に前記凹部が係合するようにした係合部を形成し、
前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、
前記ロータが回転しない時には、前記係合部によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制することを特徴とするロータリーポンプ。 - 前記係合部は、突起形状でありこの突起の少なくとも一部が前記凹の内部に配置されていることを特徴とする請求項3記載のロータリーポンプ。
- 吸入口と排出口と円筒状の少なくとも磁性体を含有するシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する非磁性体の部材で形成された底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有する非磁性体の部材で形成されたロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接する永久磁石で形成されたベーンとを有するロータリーポンプであって、
前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、
前記ロータが回転しない時には、前記べーンの前記シリンダ側の先端部と前記シリンダとに作用する磁力による吸引力によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制することを特徴とするロータリーポンプ。 - 前記シリンダと前記ベーンの吸着力は、前記ロータの回転トルクよりも弱いことを特徴とする請求項5記載のロータリーポンプ。
- 吸入口と排出口と円筒状のシリンダとこのシリンダの両端を閉塞する底部を有するケーシングと、このケーシングの内部にシリンダの中心位置から偏心させて回転可能に装着されその外周面から内部方向に設けられた格納溝を有するロータと、少なくとも一部が前記収納溝に収納され前記ロータの回転によりその一端側が前記シリンダの内壁に遠心力により一端側が前記シリンダの内壁に当接するベーンとを有するロータリーポンプおいて、
前記ロータに設けられた格納溝の最深部に第一の永久磁石が装着され、前記格納溝の最深部に向かう方向の前記ベーンの端部の第二の永久磁石が装着され、前記第一の永久磁石と前記第二の永久磁石が互いに同一の極性が対向するように配置することにより、
前記ロータが回転する場合は、ベーンの一端側が前記シリンダの内壁に当接して前記ロータの回転により前記吸入口から前記ケーシング内部に吸入し、前記吸入した流体を前記排出口より排出し、
前記ロータが回転しない時には、前記格納溝の最深部に装着された第一の永久磁石と、前記ベーンに装着された前記第二の永久磁石との磁力による斥力によって前記ロータの格納溝の最深部に向かう方向へ前記ベーンの移動を規制することを特徴とするロータリーポンプ。 - 前記シリンダに前記ベーンが押し付けられる力は、前記ロータの回転トルクよりも弱いことを特徴とする請求項5記載のロータリーポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005225714A JP2007040195A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | ロータリーポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005225714A JP2007040195A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | ロータリーポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=37798415
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007040195A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014066185A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Hitachi Automotive Systems Ltd | ベーンポンプ |
JPWO2013057752A1 (ja) * | 2011-10-18 | 2015-04-02 | 株式会社Tbk | ベーン式油圧装置 |
CN108005900A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-05-08 | 陈永辉 | 一种偏心曲线转子装置 |
CN108501915A (zh) * | 2018-04-25 | 2018-09-07 | 罗德凯 | 一种叶片式刹车制动系统 |
-
2005
- 2005-08-03 JP JP2005225714A patent/JP2007040195A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2013057752A1 (ja) * | 2011-10-18 | 2015-04-02 | 株式会社Tbk | ベーン式油圧装置 |
JP2014066185A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Hitachi Automotive Systems Ltd | ベーンポンプ |
CN108005900A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-05-08 | 陈永辉 | 一种偏心曲线转子装置 |
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