JP2007039826A - 撥水性吸音材およびそれを用いた車両用内装材 - Google Patents

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彰 高安
Tsutomu Yamamoto
勉 山本
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Abstract

【課題】 撥水性、長期耐水性および吸音性に優れた吸音材、ならびにこれを用いた車両用内装材を提供する。
【解決手段】 ポリエステル繊維やポリエステル繊維とアラミド繊維などの有機繊維からなる不織布の層と、JIS L 1096に基づいて測定される通気量が0.01〜30cc/cm/secで、フッ素系、シリコーン系などの撥水剤で処理された紙や不織布などの表皮材の層(水圧25cmの水圧下での7日後の漏水量が実質的に0)と、の少なくとも2つの層が積層されている。この吸音材に表層材を積層して車両用内装材とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エアーコンデイショナー、電気冷蔵庫、電気器具、自動車、建築用壁材などの分野において使用され、特に、自動車、電車、航空機などの騒音源を有する車両などに用いられる撥水性吸音材に関する。また、本発明は、該撥水性吸音材を用いた車両用内装材に関する。
車両等に搭載されるエンジン及び駆動系は、駆動時に騒音を発生する。この騒音が乗員に不快感を与えることがないように、エンジンフード、ダッシュパネル、騒音カバー、キャブフロア等の壁材の壁面には、騒音対策として、吸音材が積層状に付設されることが多い。ここで使用される吸音材は水またはガソリン、軽油等の油に晒されて汚れ、この水、油が吸音材に滲みこみ、汚れるとその後の取り扱い性、リサイクル性が低下してしまう。
このため、撥水・撥油性を有する吸音材が提案されており、例えば、特許文献1(特開平8−76768号公報)には、繊維径15μm〜25μmの樹脂製繊維で形成されたかさ密度0.05g/cm〜0.2g/cmの不織布の表面に撥水・撥油処理を施したことを特徴とする吸音材が提案されている。しかし、この吸音材では車検や定期点検時の高圧洗車による水の侵入やエンジンオイルや軽油の浸透を完全に防ぐことができない。
また、特許文献2(特開2000−81888号公報)には、吸音部材と合成樹脂不織布を積層した吸音材において、吸音部材と合成樹脂不織布との間に合成樹脂フィルム層を配設し、合成樹脂不織布は撥水、撥油処理が施されていると共に、合成樹脂フィルム層には全面に小孔を穿孔してなる吸音材が提案されている。しかし、合成樹脂フィルムの全面に小孔を穿孔して、吸音部材と不織布の間に配設する作業は製造工程を煩雑にし、コストの上昇につながる。
特許文献3(特開2002−287767号公報)には、必須繊維としてロックウール、ガラス繊維、成型条件では溶融しない有機繊維及び繊維状バインダーを含有し、これらが混合状態で不規則に配向され、かつ繊維状バインダーで繊維間が結合されたマット状吸音材と、撥水・撥油・難燃処理されたポリエステル繊維系不織布よりなる表皮材が一体的に被覆・成型されたことを特徴とする車両用吸音材が開示されている。しかし、ロックウールやガラス繊維は作業中に手をふれるとチクチクし、作業性に支障があり、特にガラス繊維は作業、運搬時に破損したり、飛散する欠点がある。
特開平8−76768号公報 特開2000−81888号公報 特開2002−287767号公報
したがって、本発明においては、吸音性能に優れ、撥水性および長期耐水性に優れた吸音材、ならびにこれを用いた車両用内装材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、通気量の低い表皮材を撥水剤で処理したものを有機繊維からなる不織布の層と積層させることにより、撥水性および吸音性に優れた吸音材が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、有機繊維からなる不織布と、JIS L 1096に基づいて測定される通気量が0.01〜30cc/cm2/secであり、撥水剤で処理された表皮材と、の少なくとも2つの層が積層されてなることを特徴とする撥水性吸音材を提供する。
本発明の吸音材においては、前記有機繊維は、不織布の風合い、成形性に優れ、リサイクル容易なポリエステル繊維であることが好ましい。アラミド繊維よりなる不織布や、ポリエステル繊維およびアラミド繊維よりなる不織布も耐熱性、難燃性にすぐれ、好ましい。
また、前記不織布が熱可塑性繊維および耐熱性繊維より構成される場合は、難燃性および加工性の点より、熱可塑性短繊維/耐熱性短繊維=95/5〜55/45(質量比)の比率で配合されてなることが好ましい。
また、前記表皮材が紙または不織布であることが好ましく、アラミドペーパーを表皮材に用いると難燃性に優れた吸音材が得られ、ポリエステルペーパーを表皮材に用いると経済性に優れた吸音材が得られる。ポリエステル繊維よりなるスパンボンド不織布を表皮材に用いると、撥水加工が容易で形状安定性に優れた吸音材が得られる。
前記不織布を構成する有機繊維と前記表皮材が、同一種類の合成繊維で構成されているとリサイクルが容易である。
また、前記表皮材を処理する撥水剤は、一般式(1)で表されるアルコキシシランを含有するコーティング液またはフッ素系撥水剤であることが好ましい。これらの撥水剤で処理した吸音材は、表皮材が、水圧25cmの水圧下での7日後の漏水量が実質的に0であり長期耐水性に優れたものである。
本発明の吸音材においては、通気性を有するフィルムがさらに積層されていても良い。このような通気性フィルムを積層させることにより、通気量を維持しながら水の浸入を防ぐことができる。
さらに、本発明は、上記のいずれかに記載の撥水性吸音材の表皮材側に、少なくとも表層材が積層されてなることを特徴とする車両用内装材を提供する。
以上説明したとおり、本発明によれば、吸音性能に優れ、かつ撥水性および長期耐水性に優れた吸音材を低コストで提供することができる。また、本発明によれば、吸音性能および撥水性、長期耐水性に優れると共に、リサイクル性に優れた車両用内装材を提供することができる。
本発明の撥水性吸音材は有機繊維からなる不織布の層と表皮材との少なくとも2つの層を積層してなる。不織布を構成する有機繊維としては、合成繊維や、レーヨン等の化学繊維や、木綿、麻、ジュート、羊毛等の天然繊維、あるいはこれらの反毛(回収再生繊維)等の1種または2種以上を使用することができる。これらのうち、耐久性の点から合成繊維が好ましい。かかる繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の熱可塑性繊維を挙げることができ、前記繊維素材を例えば湿式紡糸、乾式紡糸又は溶融紡糸等の公知の方法に従って製造したものを使用することができる。中でも、耐久性、耐摩耗性に優れる点から、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維が好ましく、これらの繊維は単独で、又は任意の割合で混合して使用することができる。特に、廃不織布の熱溶融により原料ポリエステルを容易にリサイクル使用することが可能で、経済性に優れ、不織布の風合いも良く、成形性に優れる点より、ポリエステル繊維が最も好ましい。これらの熱可塑性繊維は、一部または全部が反毛であってもよい。雑フェルトも有機繊維不織布として用いることができる。
上記のポリエステル繊維としては、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするジカルボン酸とグリコールからなるポリエステル繊維、および生分解性ポリエステル繊維などが挙げられる。生分解性ポリエステル繊維としては、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレアジペート、ポリエチレンサクシネート・アジペートコポリマー、ポリ乳酸、あるいはこれらを主成分として他のジカルボン酸及び/又はグリコールを共重合したポリエステル繊維などが挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。上記ジカルボン酸成分の一部を、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、スルホン酸金属置換イソフタル酸などで置き換えてもよく、また、上記のグリコール成分の一部を、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびポリアルキレングリコールなどに置き換えてもよい。このポリエステルには、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来からある抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤などが添加されていてもよい。
熱可塑性繊維の繊維長及び繊度は、特に限定されないが、繊維長は10mm以上が好ましい。フィラメントでもステープルでもよいが、ステープルの場合は、繊維長10〜100mmが好ましく、特に20〜80mmが好ましい。繊維長10mm以上の短繊維を使用することにより、交絡させた短繊維が不織布から脱落しにくくなる。一方、繊維長が長いとカード通過性が劣る傾向にあることより100mm以下とすることが好ましい。繊度は0.5〜30dtex、特に1.0〜10dtexのものが好適に用いられる。
前記熱可塑性短繊維は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。同種又は異種の繊維で、繊度や繊維長の異なる熱可塑性短繊維を混合して用いることもできる。この場合、繊維の混合比は任意であり、不織布の用途や目的に合せて適宜決定することができる。
耐熱性または難燃性に優れた吸音材とするには、熱可塑性繊維、特にポリエステル繊維とともに、耐熱性繊維を用いた不織布を使用するとよい。耐熱性繊維の具体例としては、例えば、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリベンズチアゾール繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリアリレート繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維及び耐炎化繊維から選ばれた1種又は2種以上の有機繊維を挙げることができる。これらの繊維は、従来公知のものや、公知の方法又はそれに準ずる方法に従って製造したものを全て使用することができる。ここで、耐炎化繊維は、主としてアクリル繊維を空気などの活性雰囲気中で200〜500℃で焼成して製造されるもので、炭素繊維の前駆体である。例えば、旭化成社製造の商品名「ラスタン」、東邦テナックス社製造の商品名「パイロメックス」などを挙げることができる。
上記の耐熱性繊維の中でも、低収縮性及び加工性の点から、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリアリレート繊維及び耐炎化繊維から選ばれる少なくとも一種の有機繊維が好ましく、特にアラミド繊維が好ましい。
アラミド繊維には、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維とがあるが、加熱収縮が少ない点よりパラ系アラミド繊維が特に好ましい。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(米国デュポン株式会社、東レ・デュポン株式会社製、商品名「KEVLAR」(登録商標))、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名「テクノーラ」(登録商標))等の市販品を用いることができる。
また、上記の耐熱性繊維のみを使用した不織布は、高度の耐熱性が要求される場合に、好ましく使用することができる。
上記の耐熱性繊維および熱可塑性繊維は共に不織布の構成繊維となる場合には、混繊性の点から短繊維が好ましい。耐熱性短繊維の繊維長及び繊度は、特に限定されず、熱可塑性繊維との相性や吸音材の用途により適宜決定することができる。繊度は0.5〜30dtexが好ましく、特に1.0〜10dtexのものが好適に用いられる。繊維長は特に限定されないが、生産性等を考慮すると繊維長20〜100mm、特に40〜80mmの短繊維であることが好ましい。
耐熱性繊維は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。同種又は異種の繊維で、繊度や繊維長の異なる繊維を混合して用いることもできる。この場合、繊維の混合比は任意であり、吸音材の用途や目的に合せて適宜決定することができる。
不織布を構成する熱可塑性繊維と耐熱性繊維とは、(熱可塑性短繊維/耐熱性短繊維)=95/5〜55/45(質量比)の比率で配合するのがよい。前記の比率が95/5を超える場合は、不織布の難燃性が不十分となり、液ダレ(ドリップ)が生じ易くなる。つまり、耐熱性繊維をウエブ中に5質量%以上含有させて熱可塑性繊維と交絡させることにより、熱可塑性繊維の燃焼及び溶融を防止することができる。一方、前記の比率が55/45未満の場合は、難燃性は良好であるが、不織布を所望のサイズに加工する際に切断しにくくなるため加工性が不良となり、経済性にも劣る。難燃性及び加工性の点より、熱可塑性短繊維/耐熱性短繊維の比率(質量比)は、より好ましくは88/12〜65/35、さらに好ましくは85/15〜65/35であることが望ましい。
本発明において、不織布の耐摩耗性および吸音特性を向上させるためには、熱可塑性繊維中に細デニールの熱可塑性短繊維を含有させることが好ましい。細デニールの熱可塑性繊維としては、前述のポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、線状低密度ポリエチレン繊維、エチレン−酢酸ビニル共重合体繊維等から選ばれる1種又は2種以上の繊維を挙げることができる。
細デニールの熱可塑性繊維の繊度は、通常、0.0001〜5.0dtexのものを使用するが、好ましくは0.5〜6.6dtex、特に1.1〜3.3dtexであることが好ましい。繊度が細すぎると加工性が悪くなり、太すぎると吸音特性が低下する。また、繊維長は特に限定されず、耐熱性繊維との相性や難燃性不織布の用途により適宜決定することができるが、通常、10〜100mm、特に20〜80mmの短繊維であることが好ましい。
ウエブ中に細デニール繊維を配合する場合、少なすぎると配合効果が得られず、多すぎると不織布の難燃性を損なうおそれがあるため、熱可塑性繊維全量に対して30〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%とすることが望ましい。
本発明において、不織布の目付は150〜800g/mである。目付が小さすぎるとウエブ層の形態保持性が不良となり、目付が大きすぎると繊維の交絡に要するエネルギーが大きくなり、あるいは交絡が不十分となり不織布製造時に変形するなどの不都合が生じる。
なお、ウエブは、従来と同様のウエブ形成装置を用いて、従来のウエブ形成方法に従って作製することができる。例えば、混綿された熱可塑性短繊維と耐熱性短繊維とをカード機を用いて開繊された後に、ウエブに形成される。
本発明において好ましく使用される不織布は、熱可塑性短繊維又は熱可塑性繊維と耐熱性短繊維とを混合して得られた繊維ウエブを、従来の方法でニードルパンチ又はウォータージェットパンチによって交絡させて一体化することにより得られるが、ニードルパンチが好ましい。パンチング処理を施すことにより、ウエブの繊維を交絡させて不織布の耐摩耗性を向上させることができる。
ニードルパンチング、ウォータージェットパンチングの後、従来と同様に乾燥し、必要に応じてヒートセットすることにより、不織布を得ることができる。
短繊維不織布は、その嵩高度が小さすぎると断熱性、吸音性および難燃性が低下し、大きすぎても耐摩耗性、加工性および難燃性が低下するため、0.01〜0.2g/cmの範囲である必要がある。好ましくは0.01〜0.1g/cm、より好ましくは0.02〜0.08g/cm、さらに好ましくは0.02〜0.05g/cmの範囲であることが望ましい。
本発明において不織布の厚みは、厚いほど吸音性が良くなるが、経済性、扱い易さ、吸音材としてのスペース確保等の点から、好ましくは2〜100mm、より好ましくは3〜50mm、更に好ましくは5〜30mmのものが使用される。
本発明の撥水性吸音材は上記不織布と、JIS L 1096にもとづいて測定される通気量が0.01〜30cc/cm2/secであり、撥水剤で処理された表皮材の少なくとも2つの層を積層してなる。JIS L−1096に基づいて測定される通気量は0.01〜30cc/cm2/sec、好ましくは0.05〜20cc/cm2/sec である。通気量が0.01cc/cm2/sec未満ではエンジンガスなど気体の透過性が低く、30cc/cm/secを超えると吸音性能が低下し、撥水性および長期耐水性に影響するので好ましくない。
かかる表皮材の形態は紙、フィルム、不織布(乾式および湿式)、織物、編物等種々の形態であってもよいが、低い通気性を有するという観点から、紙および不織布が好ましい。
表皮材が紙の場合、素材がセルロース系物質である洋紙、和紙などの通常の紙でも、合成繊維を抄紙して製造されたポリエステルペーパーなどのいわゆる合繊紙であってもよい。
不織布の場合、構成する繊維は、ステープル、フィラメントいずれでもよい。製造コスト、強度特性の観点から、長繊維で構成された不織布も好ましく使用される。特にスパンボンド製法により、繊維相互が部分的に接着されたサーマルボンド製布方法によるものが、吸音性の点で好ましい。このような不織布としては、市販の不織布、例えば、商品名アクスター(東レ社製)をそのまま用いることもできる。また、チョップドファイバー、パルプやステープルなどを抄紙してなるペーパーやフェルトなど、短繊維からなる湿式不織布も好ましく使用される。なかでも、前記不織布がポリエステル繊維およびアラミド繊維からなる場合に積層される表皮材としてアラミドペーパーを使用すると吸音性、撥水性に優れ、しかも耐熱性、難燃性に優れた吸音材を得ることができる。
本発明において、表皮材を構成する繊維は、繊度が0.01〜10dtex、好ましくは0.01〜3dtexである。
表皮材は、分割繊維から発生した繊度が0.5dtex以下の極細繊維を含んでいるものであってもよい。このような極細繊維を使用した表皮材は、通気度が0.01〜30cm/cm/secとすることが容易である。ここで、分割繊維は、従来公知の方法により製造されたものを用いることができ、例えば、水流などの流体流やニードルなどの外力によって分割した繊度が0.5dtex以下の極細繊維や、溶媒によって樹脂成分を溶解除去した繊度が0.5dtex以下の極細繊維などを用いることができる。このような極細繊維を含む表皮材は、ニードルパンチ不織布又は流体流絡合不織布からなるのが好ましい。中でも、分割繊維を使用して繊維ウエブを形成した後に、流体流(特に水流)を繊維ウエブに対して噴出させることによって、分割繊維を分割して極細繊維を発生させるとともに、繊維同士を絡合させて不織布化したものが最も好ましい。
撥水処理を施す前の表皮材の厚さは、任意であるが、好ましくは0.01〜2mm、より好ましくは0.05〜1mm程度のものがよい。表皮材重量は、軽い方がよいが、強力の点から、好ましくは20〜400g/m、より好ましくは50〜300g/m程度のものを使用するのがよい。
表皮材の素材は特に限定されないが、前記不織布と同一素材で構成されていることが好ましい。すなわち、たとえば自動車など車両内装材として使用される吸音材などは大量に使用され、かつ、リサイクルが可能であることが要求される。したがって、不織布層と異なる素材を使うと、分解作業の必要が出てきてリサイクルしにくくなる。たとえばポリプロピレン素材を含む不織布の場合には、ポリプロピレン製の表皮材を使用する。ポリエステル素材を含む不織布と、ポリエステル製のスパンボンド不織布、例えば、商品名アクスター(東レ社製)との組み合わせ、あるいは、ポリエステル素材を含む不織布と、ポリエステルペーパーとの組み合わせは、好ましく使用される。
撥水剤としては、フッ素系、シリコーン系などの公知の撥水・撥油剤が使用できる。フッ素系撥水剤としては、例えば、ポリペンタデカフルオロオクチルアクリレート、ポリトリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられる。
また、下記一般式(1)
Figure 2007039826
(式中、R、R、R、Rは互いに同一または異なっていてもよく、水素もしくは、炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは2〜10である)
で表されるアルコキシシランを含有するコーティング液も撥水剤として用いることができ、このコーティング液は表皮材に塗布または含浸したのち、加熱するとポリシロキサン構造を主構造とする高分子膜を形成し、撥水性能を奏する。
上記コーティング液は、一般式(1)で表される化合物を主成分として含むものであり、特開2002−1873号公報、特開2002−321327号公報等に開示されている。一般式(1)で表される化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン等の各種シラン単量体の縮合体を例示できる。一般式(1)で表される化合物は、上記単量体の2種以上を縮合した縮合体であってもよい。コーティング液には単量体を単独または2種以上添加してもよいし、縮合体を添加してもよい。
このコーティング液には、通常、一般式(1)で表される化合物を硬化・固化させる触媒として、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等の酸触媒、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン等の塩基触媒のような通常の触媒を水と共存させる。また、加水分解可能な有機金属化合物、例えば、チタン、ジルコン、アルミまたはスズを含む化合物も触媒作用を有し、表皮材中の水分や空気中の水分と反応して加水分解し、一般式(1)で表される化合物と結合して網状構造体となり、高分子膜を形成する。かかる有機金属化合物としては、より具体的には、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラプロポキシジルコネート、テトラブトキシジルコネート、トリプロポキシアルミネート、アルミニウムアセチルアセトナート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート等を例示することができる。
また、コーティング液には、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のセロソルブ類などの有機溶剤が添加される。
また、コーティング液には、主成分である一般式(1)で表される化合物より少量の下記一般式(2)
Figure 2007039826
(式中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なり、水素、アルキル基またはアルケニル基であり、Rはその分子内にエポキシ基またはグリシジル基を含んでいてもよいアルキル基、アルケニル基またはフェニル基である。mは1〜10を示す)
で表される化合物を添加することができる。
上記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等や、これらの2〜10程度の縮合体が例示できる。一般式(2)で表される化合物は上記単量体の2種以上であってもよく、また2種以上の単量体を縮合したものであってもよい。
上記の各コーティング液には、シリコーンオイル等の公知の撥水・撥油剤が添加されていても良い。
コーティング液を塗布または含浸した表皮材は、例えば300℃以下、好ましくは80〜150℃で、2分から1時間程度、加熱することにより、表面にポリシロキサン構造を主構造とする高分子膜が形成される。
また、本発明の吸音材は、上記の表皮材と不織布の他に、通気性を有するフィルム等が積層されていても良い。通気性を有するフィルムは、表皮材の上、表皮材と不織布の間、或いは、不織布の下に配置する。通気性フィルムとしては、合成樹脂フィルムや、合成樹脂フィルムの全面に小孔を穿孔したもの等が挙げられる。通気性フィルムを積層させることにより、通気量を維持しながら水の侵入を防ぐことができ、かつ、孔の大きさを調整することによって通気量をコントロールしやすくなる点で、好ましく用いられる。
表皮材と不織布等との積層は、非接着状態でもよいが、好ましくは通常の結合方法で結合したものが好ましく、融着、縫合、ニードルパンチング、接着剤による接着、さらには熱エンボス、超音波接着、接着樹脂によるシンター接着、熱接着シートによる接着、ウエルダーによる接着などの汎用の方法による結合、積層したものが使用される。熱溶融接着剤粉末、熱溶融性不織布を用いた熱融着によると通気性、吸音性能を損なわず、積層することができ、好ましい。
また、本発明の撥水性吸音材は、必要に応じて染料や顔料で着色されていてもよい。着色方法として、紡糸前に染料や顔料をポリマーと混合して紡糸した原着糸を使用してもよく、各種方法で着色した繊維を用いてもよい。吸音材を染料や顔料で着色してもよい。
なお、本発明の撥水性吸音材には、その難燃性や耐摩耗性を更に向上させるために、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、アクリル樹脂エマルジョンや、リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水和金属化合物などの公知の難燃剤を配合したアクリル樹脂エマルジョンあるいはアクリル樹脂溶液等をコーティング又は含浸させてもよい。
本発明の撥水性吸音材は、これに表層材を積層することにより、車両用内装材に好ましく適用することができる。表層材は、撥水性吸音材の撥水性や耐水性、吸音性を損なわないようにするため、撥水性吸音材の表皮材側に積層される。表皮材に表層材を積層する場合は、表皮材に表層材を直に積層してもよく、或いは、他の層(例えば、グレイ層)を介して積層してもよい。
表層材としては、車両用内装材に通常用いられる表層材を用いることができる。例えば、不織布、織物、モケット、トリコット、ジャージ、絨毯、皮革、人工皮革、合成樹脂シート等が例示される。これらの表層材の中でも、リサイクル性に優れ、低コストである点より不織布が好ましい。好ましく使用される不織布は、短繊維を混合して得られた繊維ウエブを、従来の方法でニードルパンチ又はウォータージェットパンチによって交絡させて一体化することにより得られるが、ニードルパンチが好ましい。短繊維は、実用上は、染料や顔料で着色されたものが使用される。
短繊維としては、撥水性吸音材を構成する不織布と同様の合成繊維が好ましく、なかでも、ポリエステル繊維(生分解性ポリエステル繊維を含む)、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維が好ましく、これらの繊維は単独で、又は任意の割合で混合して使用することができる。特に、廃不織布の熱溶融により原料ポリエステルを容易にリサイクル使用することが可能で、経済性に優れ、不織布の風合いも良く、成形性に優れる点より、ポリエステル繊維(生分解性ポリエステル繊維を含む)が最も好ましい。これらの繊維は、一部または全部が反毛であってもよい。
表皮材と表層材との積層は、通常の結合方法で結合する。例えば、融着、縫合、ニードルパンチング、接着剤による接着、さらには熱エンボス、超音波接着、接着樹脂によるシンター接着、熱接着シートによる接着、ウエルダーによる接着などの汎用の方法による結合、積層したものが使用される。
本発明の撥水性吸音材は、その目的や用途に合せて公知の方法等を適用して適宜な大きさ、形状等に加工することにより、種々の用途に用いることができる。本発明の吸音材は、撥水・耐水性と吸音性が求められる用途の全てに用いることができ、例えば、自動車、貨車、航空機などの車両や船舶の内装材、土木・建築用の壁材等に好適に使用することができる。特に、自動車の天井材、フロアー材、オプションマット、リアパッケージ、ドアトリムなどの車両用内装材をはじめ、その他、自動車、電車、航空機などのダッシュボードにおけるインシュレータ;冷蔵庫、掃除機、エアコンなどの電化製品;スピーカー用振動板;芝刈り機、電気ドリル、電動掘削機等の電動機具などの各種用途に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における各特性値の測定方法は次の通りである。
〔通気量〕
JIS L−1096のフラジール法に基づいて測定した。表皮材を、不織布または表層材と貼り合せる前の状態で測定した。但し、貼りあわせ後に撥水加工したものについては、表皮材を剥がして測定した。
〔吸音率〕
自動垂直入射吸音率測定器(電子測器株式会社製)を用いた。サンプルの表皮部分を音源側にして取り付け、測定波長2000Hzにおける垂直入射吸音率を測定した。
〔撥水性〕
JIS L 1092−6.2撥水度試験(スプレー法)に従って測定した。
〔長期耐水性〕
直径(内径)100mm、長さ300mmのアクリル製のフランジ付き筒Aと、直径(内径)100mm、長さ100mmのアクリル製フランジ付き筒Bのフランジ部分に厚さ1mmのゴムパッキン2枚の中央に表皮材をはさみ、フランジ部分をネジで締め付けて試料保持部分からの水漏れを無くした状態で試料を固定した。筒Aに水を入れて試料に水圧がかかる状態で放置し、試料から水が漏れて筒Bに水が貯まる量と時間との関係を試験した。試料の撥水加工面は上(筒A)側になるよう取り付けた。
(実施例1)
東レ・デュポン株式会社製のパラ系アラミド繊維「ケブラー(登録商標)」ステープル(1.7dtex×51mm)と東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレートステープル(1.7dtex×51mm)を30:70の重量比で混繊し、ニードルパンチ方式により厚さ10mm、目付400g/mのケブラー混不織布を作成した(嵩高度:0.04g/cm)。
一方、表皮材として、東レ・デュポン株式会社製のパラ系アラミド繊維「ケブラー(登録商標)」3mmチョップドファイバー糸を抄紙し、カレンダー加工して厚さ95μm、目付72g/mのケブラーペーパーを得た。得られたケブラーペーパーを撥水加工剤(明成化学工業(株)製、アサヒガードGS−10)20g/リットル溶液に浸漬し、ゴムローラーのマングルで絞った(絞り圧2kg/cm、速度4m/min.)。撥水剤のウエットピックアップ量は520g/mであった。直ちに、加熱炉にて乾燥(120℃×2分)し、その後、加熱炉にてキュアーした(170℃×1分)。
このようにして作成した撥水処理ケブラーペーパーの表面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体の粉末(東京インキ(株)製、2030−M)を塗布(10g/m)し、この面にケブラー混不織布を重ね合わせ、加熱炉にて貼り合わせて(135℃×1分)、撥水性吸音材を作成した。
(実施例2)
ケブラーペーパーとケブラー混不織布を実施例1と同様な方法で貼り合わせた積層体のペーパー側に、実施例1と同じ撥水加工剤をハンドスプレーにて塗布した(撥水剤溶液のウエットピックアップ量として320g/m)。直ちに、加熱炉にて乾燥、キュアーを同時処理した(150℃×5分)。このようにして作成した撥水性吸音材は貼り合わせ面の接着力も十分維持していた。
(実施例3)
東レ・デュポン(株)製のKEVLAR(登録商標)ステープル(1.5dtex×51mm)を用い、通常のニードルパンチ方法により、厚さ11.5mm、目付510g/m、密度0.044g/cmのKEVLAR不織布を作成した。
実施例1において使用した撥水加工剤にかえて、アルコキシシランを含有するコーティング液((株)飾一製、SPK−312C)を加工した(付着率3.5%)ものを表皮材とし、実施例1と同様に不織布と貼り合わせて撥水性吸音材を得た。
(実施例4)
実施例1において使用した表皮材にかえて、ポリエチレンテレフタレート製スパンボンド不織布(東レ社製、商品名アクスターG2260−1S、厚さ620μm、目付260g/m)を、アルコキシシランを含有するコーティング液((株)飾一製、SPK−312C)を加工して(付着率2.6%)表皮材とした。実施例1と同様に不織布と貼り合わせて撥水性吸音材を得た。
(実施例5)
実施例4において使用したスパンボンド不織布に、実施例1と同様の方法で、フッ素系の撥水剤で加工して表皮材とした。実施例1と同様に不織布と貼り合わせて撥水性吸音材を得た。
(実施例6)
ポリエチレンテレフタレート繊維(1.7dtex×51mm)のみからウエブを作成する以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、厚さ2.5mm、目付100g/mの不織布を作成した(嵩高度:0.04g/cm)。
実施例4において使用したものと同様の表皮材の表面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体の粉末(東京インキ(株)製、2030−M)を塗布(10g/m)し、この面にポリエチレンテレフタレート不織布を重ね合わせ、加熱炉にて貼り合わせて(135℃×1分)、撥水性吸音材を作成した。
(実施例7)
東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレートステープル(1.7dtex×44mm)、同社製ポリエチレンテレフタレートステープル(6.6dtex×51mm)および低融点糸“サフメット”(4.4dtex×51mm)を質量比60:20:20で混繊し、ニードルパンチ方式により繊維を交絡させた後、150℃×3分間熱処理して、厚さ10mm、目付400g/m、嵩密度0.04g/cmの不織布を得た。
一方、表皮材として、ポリエチレンテレフタレート製スパンボンド不織布(東レ社製、商品名アクスターG2150−1SBKO、厚さ450μm、目付150g/m)を、アルコキシシランを含有するコーティング液((株)飾一製、SPK−312C)を加工して(付着率2.8%)表皮材とした。実施例1と同様に不織布と貼り合わせて撥水性吸音材を得た。
(実施例8)
市販のポリエステルペーパー(厚さ98μm、目付43g/m)に、実施例3と同様の方法で、アルコキシシラン系の撥水剤で加工して表皮材とした。この表皮材の表面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体の粉末(東京インキ(株)製、2030−M)を塗布(10g/m)し、この面に実施例7で作成したポリエチレンテレフタレート不織布を重ね合わせ、加熱炉にて貼り合わせて(135℃×1分)、撥水性吸音材を作成した。
(実施例9)
市販のポリエステルペーパー(厚さ98μm、目付43g/m)に、実施例1と同様の方法で、フッ素系の撥水剤で加工して表皮材とした。この表皮材の表面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体の粉末(東京インキ(株)製、2030−M)を塗布(10g/m)し、この面に実施例7で作成したポリエチレンテレフタレート不織布を重ね合わせ、加熱炉にて貼り合わせて(135℃×1分)、撥水性吸音材を作成した。
(比較例1)
実施例1において、ケブラーペーパーを撥水加工剤で加工しないほかは実施例1と同様にして吸音材を作成した。
上記の実施例および比較例で得た撥水性吸音材の構成、性能評価結果を表1に示す。また、経過時間(hr)と漏水量(cm)との関係を表2に示す。
Figure 2007039826
Figure 2007039826
表1および表2の結果から、本発明の撥水性吸音材は、吸音特性、撥水性および長期耐水性に優れていることがわかる。また、アルコキシシラン系およびフッ素系撥水剤で処理した吸音材を構成する表皮材は、168時間(7日)後の漏水量が実質的にゼロであった。特に、アルコキシシラン系撥水剤は水位を高くした場合でも漏水が無く、フッ素系撥水剤に比べて長期耐水性に優れていることがわかる。
(実施例10)
ポリエチレンテレフタレート繊維(1.7dtex×51mm)のみからウエブを作成する以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、厚さ2.5mm、目付100g/mの不織布を作成した(嵩高度:0.04g/cm)。
実施例4において使用したものと同様の表皮材の表面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体の粉末(東京インキ(株)製、2030−M)を塗布(10g/m)し、この面にポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね合わせ、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体の粉末を塗布し、この面にポリエチレンテレフタレート不織布を重ね合わせ、加熱炉にて貼り合わせて(135℃×1分)、撥水性吸音材を作成した。
このようにして作成した撥水性吸音材の性能は、垂直入射吸音率が90%(2000Hz)であった。
(実施例11)
実施例4で作成した撥水性吸音材の表皮材の表面に、厚さ3mmのポリエチレンテレフタレート繊維のニードルパンチカーペット(目付250g/m)を積層して内装材を作成したところ、吸音性に優れた内装材が得られた。また、耐水性に優れているため、表層材を通じて内部に水が浸透することもなく、吸音性が長期間維持された。

Claims (14)

  1. 有機繊維からなる不織布と、
    JIS L 1096に基づいて測定される通気量が0.01〜30cc/cm/secであり、撥水剤で処理された表皮材と、
    の少なくとも2つの層が積層されてなることを特徴とする撥水性吸音材。
  2. 前記有機繊維がポリエステル繊維またはアラミド繊維である請求項1に記載の撥水性吸音材。
  3. 前記有機繊維がポリエステル繊維およびアラミド繊維よりなる請求項1に記載の撥水性吸音材。
  4. 前記不織布が熱可塑性繊維および耐熱性繊維より構成され、かつ、熱可塑性短繊維/耐熱性短繊維=95/5〜55/45(質量比)の比率で配合されてなる請求項1に記載の撥水性吸音材。
  5. 前記表皮材が紙である請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥水性吸音材。
  6. 前記紙がアラミドペーパーまたはポリエステルペーパーである請求項5に記載の撥水性吸音材。
  7. 前記表皮材が不織布である請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥水性吸音材。
  8. 前記不織布がポリエステル繊維よりなるスパンボンド不織布である請求項7に記載の撥水性吸音材。
  9. 前記不織布を構成する有機繊維と前記表皮材が、同一種類の合成繊維で構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の撥水性吸音材。
  10. 前記撥水剤が下記一般式(1)で表されるアルコキシシランを含有するコーティング液である請求項1〜9のいずれか1項に記載の撥水性吸音材。
    Figure 2007039826
    (式中、R、R、R、Rは互いに同一または異なっていてもよく、水素もしくは、炭素数が1〜4のアルキル基であり、nは2〜10である)
  11. 前記撥水剤がフッ素系撥水剤である請求項1〜9のいずれか1項に記載の撥水性吸音材。
  12. 前記表皮材が、水圧25cmの水圧下での7日後の漏水量が実質的に0である請求項1〜11のいずれか1項に記載の撥水性吸音材。
  13. 通気性を有するフィルムがさらに積層されてなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の撥水性吸音材。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の撥水性吸音材の表皮材側に、少なくとも表層材が積層されてなることを特徴とする車両用内装材。
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