JP2007039792A - 焼結成品の製造方法、運動案内装置の製造方法およびこの方法によって製造される運動案内装置 - Google Patents

焼結成品の製造方法、運動案内装置の製造方法およびこの方法によって製造される運動案内装置 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、繰り返し転動・摺動圧力を受ける運動案内装置の構成部品のような部材に対して、多くの利点を有するMIM材料を適用するという、従来技術では困難であった新たな技術を提供する。
【解決手段】金属粉末と結合材とを含む成形体を成形する成形工程(ステップS10)と、成形体に対して脱脂処理を行う脱脂工程(ステップS11)と、脱脂処理を受けた成形体に対して金属部材又はセラミックスを配置する配置工程(ステップS12)と、金属部材又はセラミックスが配置された状態の成形体を焼結することによって、金属部材又はセラミックスと一体化した焼結体を得る焼結工程(ステップS13)と、少なくとも金属部材又はセラミックスに対して除去加工又は表面加工を行って焼結体の外形を整え、所望の焼結成品を得る加工工程(ステップS14)と、を含む処理を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属粉末を焼結して得られる焼結成品の製造方法、この方法を運動案内装置の構成部材に適用した運動案内装置の製造方法およびこの方法によって製造される運動案内装置に関するものである。
金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法は、複雑形状の金属部品が、プラスチックと同様なプロセスで量産できるため、新しい金属の加工法として注目されている。かかるMIM法は、金属粉末に樹脂又はワックスなどの流動性を持たせる結合材(バインダー)を添加し、加熱・混練して可塑性を持たせ、プラスチックと同様に射出成形し、その後バインダーを除去(脱脂)し、焼結して所望の金属部品を得るという方法である。MIM法は、小物、複雑、精巧、精密な部品を特殊な材料で量産するのに優れているので、現在、医療機器部品、自動車部品、OA機器部品など多くの部品の加工方法として採用されている。なお、MIM法に関連する技術を開示する文献としては、例えば、下記のものが存在する(特許文献1〜5参照)。
特開平11−181501号公報 特開平11−315304号公報 特開平11−315305号公報 特開平11−315306号公報 特開2000−96101号公報
しかしながら、MIM法によって成形される金属材料は、射出成形性を確保するために添加される結合材(バインダー)を脱脂する工程を経て得られるものなので、脱脂による空隙が不可避的に存在してしまうという問題を有している。この空隙の存在は、機械的強度の低下をもたらすものであるため、例えば、繰り返し転動・摺動圧力を受ける運動案内装置の構成材料にMIM材料を適用することは、非常に困難が伴うものである。
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、例えば、繰り返し転動・摺動圧力を受ける運動案内装置の構成部品のような部材に対して、多くの利点を有するMIM材料を適用することを可能とする、新たな技術の提供を目的とするものである。
本発明に係る焼結成品の製造方法は、金属粉末と結合材とを含む成形体を成形する成形工程と、成形体に対して脱脂処理を行う脱脂工程と、脱脂工程によって脱脂処理された成形体に対して金属部材又はセラミックスを配置する配置工程と、金属部材又はセラミックスが配置された状態の成形体を焼結することによって、金属部材又はセラミックスと一体化した焼結体を得る焼結工程と、少なくとも金属部材又はセラミックスに対して除去加工又は表面加工を行って焼結体の外形を整え、所望の焼結成品を得る加工工程と、を含む処理を実行することを特徴とする。
本発明に係る焼結成品の製造方法は、成形工程において成形される成形体から、焼結工程において焼結される焼結体への収縮率が15%〜20%であることとすることができる。
また、本発明に係る焼結成品の製造方法において、焼結工程において焼結される焼結体の金属密度は、95%〜99%であることとすることができる。
本発明に係る運動案内装置の製造方法は、転動体転走面を備える軌道部材と、転動体転走面に対向する負荷転動体転走面を備える移動部材と、転動体転走面と負荷転動体転走面とによって構成される負荷転走路内に転動自在に設置される複数の転動体と、を有することにより、移動部材が軌道部材の軸線方向又は周方向に往復運動自在又は回転運動自在とされ、さらに、転動体転走面および負荷転動体転走面の少なくとも一方が金属材料又はセラミックスから成る転走部によって形成され、転走部以外の部分が金属粉末射出成形により得られる焼結体によって構成される運動案内装置の製造方法であって、軌道部材又は移動部材が、金属粉末と結合材とを含む成形体を成形する成形工程と、成形体に対して脱脂処理を行う脱脂工程と、脱脂工程によって脱脂処理された成形体に対して金属部材又はセラミックスを配置する配置工程と、金属部材又はセラミックスが配置された状態の成形体を焼結することによって、金属部材又はセラミックスと一体化した焼結体を得る焼結工程と、少なくとも金属部材又はセラミックスに対して除去加工又は表面加工を行って焼結体の外形を整え、所望の焼結成品を得る加工工程と、を含む処理を実行されることによって製造されることを特徴とする。
本発明に係る運動案内装置は、転動体転走面を備える軌道部材と、転動体転走面に対向する負荷転動体転走面を備える移動部材と、転動体転走面と負荷転動体転走面とによって構成される負荷転走路内に転動自在に設置される複数の転動体と、を有することにより、移動部材が軌道部材の軸線方向又は周方向に往復運動自在又は回転運動自在とされる運動案内装置であって、転動体転走面および負荷転動体転走面の少なくとも一方が金属材料又はセラミックスから成る転走部によって形成されており、転走部以外の部分が金属粉末射出成形により得られる焼結体によって構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、繰り返し転動・摺動圧力を受ける運動案内装置の構成部品のような部材に対して、多くの利点を有するMIM材料を適用するという、従来技術では困難であった新たな技術を提供することができる。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[焼結成品の製造方法について]
図1ないし図1Eを用いて、本実施形態に係る焼結成品の製造方法について説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る焼結成品の製造方法を示すフローチャートである。また、図1Aないし図1Eは、本実施形態に係る焼結成品の製造方法の各工程における部材の模式図である。なお、本実施形態では、運動案内装置を構成する軌道部材としての軌道レールを例示して説明する。
本実施形態に係る焼結成品の製造方法では、まず、成形工程において、金属粉末と結合材とを混練してペレット化したものを射出成形し、軌道レールとしての外郭形状を有する成形体10を成形する(ステップS10)。この成形体10は、後に実施される焼結工程における成形体の収縮率を考慮して成形されている(図1A参照)。なお、成形工程(ステップS10)において成形される成形体10から、焼結工程(ステップS13)において焼結される焼結体20への収縮率は、15%〜20%である。
続いて、成形工程(ステップS10)において成形された成形体10に対して脱脂処理が行われる(脱脂工程:ステップS11)。この脱脂工程によって、成形体10からバインダーなどの結合材が除去された成形体10aが得られることになる(図1B参照)。
次に、脱脂工程(ステップS11)において脱脂された成形体10aに対して金属部材12を配置する配置工程が実行される(ステップS12)。図1Cにおいて例示する軌道レールの場合には、複数の転動体から繰り返し転動・摺動圧力を受けることとなる転動体の転走面の設置箇所に対応する位置に対して金属部材12が配置されている。つまり、転走面近傍が金属部材12によって形成されることによって軌道レールとしての機能を確保しつつ、その他の部分が焼結体によって形成されることになるので、従来技術では困難であった複雑形状の軌道レールを実現することが可能となる。
さらに、金属部材12が配置された状態の成形体10aを焼結することによって、金属部材12と一体化した焼結体20を得ることができる(焼結工程:ステップS13)。この段階での焼結体20の金属密度は95%〜99%であり、かかる焼結体20は、軌道レールとしての外郭形状を維持する能力を十分に備えている。また、脱脂処理後の成形体10aから焼結体20となる間に成形体10aは収縮することになるので、この収縮によって金属部材12は確実に固定され、複数の転動体による転動・摺動動作を受容することが可能となる(図1D参照)。
最後に、外形を整えることによって軌道レールを完成させるための加工工程が実行される(ステップS14)。なお、図1Eで例示する軌道レールにおいては、金属部材12に対して研削加工が実施されることによって、転動体の転走面13が形成されている。ただし、この加工工程の具体的な処理内容は、少なくとも金属部材12に対して除去加工又は表面加工を行って焼結体の外形を整え、所望の焼結成品を得ようとするものであれば良い。したがって、加工対象は、金属部材12のみに限られるものではなく、焼結体20に対して加工を行っても良い。また、加工方法としては、切削加工、研削加工、研磨加工などの除去加工や、化学処理やコーティング処理などの表面処理を含む表面加工を施すことが可能である。
以上説明したような本実施形態に係る焼結成品の製造方法によれば、例えば、図2に示すようなL字形の軌道レールを実現することが可能となる。従来、このような複雑形状の軌道レールを実現するのは、製造コストの増加や高度な加工技術が必要であったために非常に困難を伴うものであったが、本発明の適用によって、容易に実現が可能となる。また、本発明によって、従来のMIM材料では適用が困難であった転動・摺動部材への適用を実現し、MIM材料の適用範囲拡大を図ることができる。
また、図1ないし図1Eで例示される金属部材12については、セラミックスを用いて構成することも可能である。金属部材12とセラミックスの材料選択については、焼結成品(運動案内装置)の使用環境や使用条件等によって任意に行うことができる。なお、金属部材12をセラミックスに置き換えた場合であっても、図1ないし図1Eを用いて説明した製造方法と同様の方法を用いれば良い。
次に、本発明方法によって得られる焼結成品の具体的な適用事例について、図面を用いて説明を行う。以下で説明する製品群は、複雑な形状を有しつつ転動・摺動部材としての機能を発揮することができるものである。
[直線型運動案内装置への適用例]
図3及び図4は、本実施形態に係る直線型運動案内装置の一形態を示す図であり、図3は、本実施形態に係る直線型運動案内装置の概略構造を説明するための斜視分断図であり、図4は、本実施形態に係る直線型運動案内装置の縦断面図である。
この直線型運動案内装置30は、リニアモーションガイドとボールねじが組み合わされて一体構造となっている形式の運動案内装置である。主な構造としては、軌道部材としての軌道レール31と、その軌道レール31に転動体としてのボール32…を介して移動自在に取り付けられた移動部材33とを備えている。また、移動部材33の中央部には、螺旋状のねじ溝が形成された開口部33bが設けられており、かかる開口部33bには、この開口部33bに導通するとともに、ボール32…を介して回転移動自在に取り付けられたねじ軸34が設けられている。
軌道レール31は概略U字形状の断面を有する長尺の部材であり、その内側両側面にはボール32を受け入れ可能なボール転走面31a…が左右2条ずつ軌道レール31の全長に亘って形成されている。軌道レール31には、その長手方向に適宜間隔をおいて複数のボルト取付孔31bが形成されている。これらボルト取付孔31bに螺着されるボルト(不図示)により、軌道レール31が所定の取付面、例えば工作機械のベッドの上面に固定されることになる。なお、図3および図4において示す軌道レール31は直線状であるが、曲線状のレールが使用されることもある。
移動部材33は、鋼等の強度の高い金属材料に孔を空けた構造のブロックとして構成されている。この移動部材33には、軌道レール31が有する4条のボール転走面31a…とそれぞれ対向する4条の負荷ボール転走面33a…が設けられている。これらボール転走面31aと負荷ボール転走面33aとの組み合わせにより、軌道レール31と移動部材33との間に4条の負荷転走路35…が形成される。移動部材33の上面33cには複数(図3で見えているのは3本、実際には4本)の雌ねじ33d…が形成されている。これらの雌ねじ33d…を利用して、移動部材33が所定の取付面、例えば工作機械のサドルやテーブルの下面に固定されることになる。なお、移動部材33については、金属材料のみによって構成されるものだけでなく、鋼等の強度の高い金属材料と一体に射出成形された合成樹脂製の型成形体を含む構造とすることも可能である。
移動部材33には、4条の負荷転走路35…と並行して延びる4条の戻し路36…が形成されている。また、移動部材33は、その両端面に端蓋38を有しており、この端蓋38に形成されるアーチ状に陥没する図示しないボール案内面によって、負荷転走路35…と戻し路36…との間でアーチ状に突出して形成されるボール案内路37…(図3では、1コーナ側のみ2条のボール案内路37…を、端蓋38を除いた状態で示す)を形成する。
端蓋38が移動部材33端部を構成する部材として確実に固定されることにより、それらの間に負荷転走路35…と戻し路36…とを結ぶボール案内路37…が形成される。戻し路36…とボール案内路37…とによってボール32の無負荷転走路39が構成され、その無負荷転走路39と負荷転走路35…との組み合わせによって無限循環路40が構成される。
また、本実施形態に係る直線型運動案内装置30のボール32…間には、ボール32…よりも柔らかいスペーサ部材41が設置されている。なお、図3において例示するスペーサ部材41については、軌道レール31と移動部材33の間に設置されるものには帯状のスペーサ部材41が採用されており、一方、移動部材33とねじ軸34の間に設置されるものにはボール32…間に1個ずつ挿入されるリテーナとしてのスペーサ部材41が採用されている。ただし、スペーサ部材41の種類や設置の組み合わせについては、図3に例示するものに限られず、例えば、転動体であるボール32…の径以下の径を持つスペーサボール等を採用することが可能である。このようにして設置されるスペーサ部材41は、ボール32…同士の干渉や衝突、ボール32…の脱落等を防止できるとともに、ボール32…の整列運動を実現し、さらにはスペーサ部材41の自己潤滑効果も相まって、直線型運動案内装置30の耐摩耗性を大きく改良できるという効果を発揮する。
上述したスペーサ部材41の材質としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルサルホン(PES)の少なくとも1つが含まれる樹脂によって構成することができる。そして、スペーサ部材41は、これらの内から選択される樹脂単体あるいは複合樹脂を素材とし、射出成形等によって一体に形成される。
ここで、本実施形態に係る直線型運動案内装置30の特徴的な点として、軌道部材としての軌道レール31は、ボール32…と接触する転動体転走面(ボール転走面31a…)の近傍が金属材料によって形成されており、その他の部分が金属粉末射出成形によって得られる焼結体によって形成されていることが挙げられる。かかる特徴を有することによって、本実施形態に係る直線型運動案内装置30は、従来の直線型運動案内装置と同等以上の強度および剛性を維持しつつ、複雑形状を備える軌道レール31を実現することができる。
本実施形態に係る軌道レール31の構造を、図5を用いてより詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る軌道レール31の構造を説明するための縦断面図である。
本実施形態に係る軌道レール31は、金属材料から成る転走部50と、金属粉末射出成形によって得られる焼結体から成る軌道本体部51という2つの部材によって構成されている。金属材料から成る転走部50は、軌道レール31のうち、ボール32…と接触して転動体転走面を形成しているボール転走面31a…の近傍部分を占める部材であり、高い強度と剛性が求められるとともに耐摩耗性をも必要とされる部材である。転走部50に用いられる金属材料としては、高炭素クロム軸受鋼やステンレス鋼、肌焼鋼のような硬度の高いものを採用できる他、アルミニウム合金やベリリウム銅、チタン合金等を採用することが可能である。一方、軌道本体部51は、上述した本実施形態に係る焼結成品の製造方法によって得られる焼結体によって形成されている。
なお、図3、図4及び図5に示した本実施形態に係る直線型運動案内装置30においては、軌道レール31のみを金属材料と金属粉末射出成形によって得られる焼結体とで構成するようにしたが、本発明は、かかる実施形態に限られるものではなく、図6に示すように、移動部材33又はねじ軸34に対して適用することも可能である。すなわち、軌道レール31が有する4条のボール転走面31a…と協働して負荷転走路35…を形成している4条の負荷ボール転走面33a…の近傍を金属材料から成る転走部60…によって形成したり、あるいは、ボール32…を介してねじ軸34が設置される開口部33bの近傍を金属材料から成る転走部62によって形成したり、さらには、ボール32…と接するねじ軸34の外周部分を金属材料から成る転走部64によって形成したりし、その他の部分を金属粉末射出成形によって得られる焼結体から成る移動本体部63やねじ軸芯棒部65として構成することができる。軌道レール31だけでなく、移動部材33又はねじ軸34をもこのような金属材料と金属粉末射出成形によって得られる焼結体とによって構成することにより、あらゆる形態をした運動案内装置の実現が可能となる。
また、金属材料から成る転走部50と金属粉末射出成形によって得られる焼結体から成る軌道本体部51、金属材料から成る転走部60,62と金属粉末射出成形によって得られる焼結体から成る移動本体部63、あるいは、金属材料から成る転走部64と金属粉末射出成形によって得られる焼結体から成るねじ軸芯棒部65との結合面の形状については、図3ないし図6で示したような平面あるいは曲面だけでなく、より確実に結合状態を維持できるような嵌め合い形状(例えば、ほぞとほぞ穴、継ぎ手、ローレット形状など)を採用することも可能である。
さらに、上記各転走部50,60,62,64については、金属材料のほかにセラミックスを適用することも可能である。
[スプライン装置への適用例]
本発明に係る焼結成品の製造方法によって得られる焼結体を用いた運動案内装置としては、図7に示すようなスプライン装置として構成することが可能である。ここで、図7は、本実施形態に係る運動案内装置の製造方法によって製造される運動案内装置をスプライン装置として構成した場合の一形態を例示する外観斜視図である。
図7に示されるスプライン装置70は、軌道部材としてのスプライン軸71と、そのスプライン軸71に多数の転動体としてのボール72…を介して移動自在に取り付けられた移動部材としての円筒状の外筒73とを有している。
スプライン軸71の表面には、ボール72の軌道となり、スプライン軸71の軸線方向に延びる転動体転走面71a…が形成されている。スプライン軸71に取り付けられる外筒73には、転動体転走面71aに対応する負荷転動体転走面が形成される。これらの負荷転動体転走面には、転動体転走面71a…が伸びる方向に伸びる複数条の突起が形成されている。
外筒73に形成した負荷転動体転走面とスプライン軸71に形成した転動体転走面71aとの間で負荷転走路が形成される。負荷転走路の隣には、荷重から解放されたボール72…が移動する無負荷戻し通路が形成されている。外筒73には、複数のボール72…をサーキット状に整列・保持する保持器74が組み込まれている。
そして、複数のボール72…が、外筒73の負荷転動体転走面とスプライン軸71の転動体転走面71aとの間に転動自在に設置され、無負荷戻し通路を通って無限循環するように設置されることによって、外筒73がスプライン軸71に対して相対的に往復運動可能となっている。
このようなスプライン装置70を構成する部材のうち、外筒73の負荷転動体転走面とスプライン軸71の転動体転走面71aの少なくとも一方の近傍を金属材料から成る転走部75によって形成し、この転走部75以外の部分を金属粉末射出成形により得られる焼結体76によって構成することが可能である。かかる構成を採用することによって、従来スプライン装置に適用が不可能であったMIM材料を採用することができるので、従来からのスプライン装置の製品性能を維持しつつ、種々の形態をしたスプライン装置を安価に実現することが可能となる。
なお、図7に示されるスプライン装置70の場合についても、金属材料から成る転走部75を、セラミックスによって構成することが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。すなわち、本発明は、上述した直線型運動案内装置やスプライン装置だけでなく、例えば、工作機械などに用いられる転がり軸受全般や真空中で使用される無潤滑軸受、リニアガイド装置、ボールねじ装置、転がり軸受、回転ベアリング装置などのあらゆる転動・摺動動作を伴う運動案内装置に適用することが可能である。
さらに、本発明方法によって製造された焼結成品は、ピニオンやラックのギア当接面など、運動案内装置以外のあらゆる機構部品に適用することが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本実施形態に係る焼結成品の製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る焼結成品の製造方法の成形工程における部材の模式図である。 本実施形態に係る焼結成品の製造方法の脱脂工程における部材の模式図である。 本実施形態に係る焼結成品の製造方法の配置工程における部材の模式図である。 本実施形態に係る焼結成品の製造方法の焼結工程における部材の模式図である。 本実施形態に係る焼結成品の製造方法の加工工程における部材の模式図である。 本実施形態に係る焼結成品の製造方法によって実現することができるL字形の軌道レールを示す図である。 本実施形態に係る直線型運動案内装置の概略構造を説明するための斜視分断図である。 本実施形態に係る直線型運動案内装置の縦断面図である。 本実施形態に係る軌道レールの構造を説明するための縦断面図である。 本発明が適用された移動部材の構造例を説明するための縦断面図である。 本実施形態に係る運動案内装置の製造方法によって製造される運動案内装置をスプライン装置として構成した場合の一形態を例示する外観斜視図である。
符号の説明
10 成形体、10a (脱脂後の)成形体、12 金属部材、13 転走面、20 焼結体、30 直線型運動案内装置、31 軌道レール、31a ボール転走面、31b ボルト取付孔、32 ボール、33 移動部材、33a 負荷ボール転走面、33b 開口部、33c 上面、33d 雌ねじ、34 ねじ軸、35 負荷転走路、36 戻し路、37 ボール案内路、38 端蓋、39 無負荷転走路、40 無限循環路、41 スペーサ部材、50 転走部、51 軌道本体部、60,62,64 転走部、63 移動本体部、65 ねじ軸芯棒部、70 スプライン装置、71 スプライン軸、71a 転動体転走面、72 ボール、73 外筒、74 保持器、75 転走部、76 焼結体。

Claims (5)

  1. 金属粉末と結合材とを含む成形体を成形する成形工程と、
    成形体に対して脱脂処理を行う脱脂工程と、
    脱脂工程によって脱脂処理された成形体に対して金属部材又はセラミックスを配置する配置工程と、
    金属部材又はセラミックスが配置された状態の成形体を焼結することによって、金属部材又はセラミックスと一体化した焼結体を得る焼結工程と、
    少なくとも金属部材又はセラミックスに対して除去加工又は表面加工を行って焼結体の外形を整え、所望の焼結成品を得る加工工程と、
    を含む処理を実行することを特徴とする焼結成品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の焼結成品の製造方法において、
    成形工程において成形される成形体から、焼結工程において焼結される焼結体への収縮率が15%〜20%であることを特徴とする焼結成品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の焼結成品の製造方法において、
    焼結工程において焼結される焼結体の金属密度は、95%〜99%であることを特徴とする焼結成品の製造方法。
  4. 転動体転走面を備える軌道部材と、
    転動体転走面に対向する負荷転動体転走面を備える移動部材と、
    転動体転走面と負荷転動体転走面とによって構成される負荷転走路内に転動自在に設置される複数の転動体と、
    を有することにより、移動部材が軌道部材の軸線方向又は周方向に往復運動自在又は回転運動自在とされ、さらに、
    転動体転走面および負荷転動体転走面の少なくとも一方が金属材料又はセラミックスから成る転走部によって形成され、転走部以外の部分が金属粉末射出成形により得られる焼結体によって構成される運動案内装置の製造方法であって、
    軌道部材又は移動部材が、
    金属粉末と結合材とを含む成形体を成形する成形工程と、
    成形体に対して脱脂処理を行う脱脂工程と、
    脱脂工程によって脱脂処理された成形体に対して金属部材又はセラミックスを配置する配置工程と、
    金属部材又はセラミックスが配置された状態の成形体を焼結することによって、金属部材又はセラミックスと一体化した焼結体を得る焼結工程と、
    少なくとも金属部材又はセラミックスに対して除去加工又は表面加工を行って焼結体の外形を整え、所望の焼結成品を得る加工工程と、
    を含む処理を実行されることによって製造されることを特徴とする運動案内装置の製造方法。
  5. 転動体転走面を備える軌道部材と、
    転動体転走面に対向する負荷転動体転走面を備える移動部材と、
    転動体転走面と負荷転動体転走面とによって構成される負荷転走路内に転動自在に設置される複数の転動体と、
    を有することにより、移動部材が軌道部材の軸線方向又は周方向に往復運動自在又は回転運動自在とされる運動案内装置であって、
    転動体転走面および負荷転動体転走面の少なくとも一方が金属材料又はセラミックスから成る転走部によって形成されており、転走部以外の部分が金属粉末射出成形により得られる焼結体によって構成されていることを特徴とする運動案内装置。
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