JP2007039747A - 高炉操業法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多量の微粉炭吹込み操業下にあっても、通気性、通液性、及び還元状況を良好な状態に維持でき、経済的で安定した高炉操業を可能とする高炉操業法を提供する。
【解決手段】 高炉10の炉頂11から固体還元材と鉄原料を装入しながら、高炉10の羽口12から熱風と共に微粉炭を吹込む高炉操業法において、塊状鉱石を含む処理原料を加熱処理して乾燥し、乾燥した処理原料を鉄原料として高炉10へ炉頂11から装入する前に、篩選別処理して処理原料に付着した微粉鉱石を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高炉炉内に羽口から補助燃料として多量の微粉炭吹込みを行う高炉操業法に関する。
高炉においては、炉頂部からコークス(固体還元材)と鉱石(鉄原料)が各々(例えば、交互に)装入される。この鉱石は、炉内を降下しつつ、炉下部に設置された羽口から吹込まれる熱風とコークスとの反応により生成する還元性ガスの作用によって徐々に加熱し還元され、軟化融着帯を形成した後、炉芯のコークス層の隙間を伝って炉底に溜まり溶銑となる。
この高炉を、安定かつ効率よく操業するためには、炉内の通気性と通液性を良好に保って、炉内を上昇するガス(還元性ガスを含む)と炉内を降下するコークス及び鉱石との熱交換並びに反応を、効率よく行わせることが重要である。
近年、高炉の操業は、コークス使用量の低減を図るため、羽口から熱風と共に多量の微粉炭を吹込む高微粉炭吹込み操業(以下、高PCI操業ともいう)へ移行しており、炉頂部から装入するコークス量を、高炉へ装入する鉱石量に対して減少させている。そのため、高炉上部においては、鉱石/コークス比の増大に伴って装入物の平均粒径が低下し、塊状帯における通気抵抗が増大する。また、高炉下部でコークスと熱風とを反応させて、鉱石の還元に必要な量の還元性ガスを生成させるためには、単位コークス当たりの反応量を増大させなければならず、コークスの反応劣化が進んでコークスの粒径が低下すると共に、粉の発生量が増大して高炉下部の炉芯のコークス層で空隙率の低下が起こる。また、高炉から出銑する溶銑1トン当たりに使用される微粉炭量、即ち微粉炭比は、微粉炭の搬送ガス圧力と、高炉炉内圧力の差圧により決定されているため、炉内圧力の変動が微粉炭比の変動に繋がる。更に、羽口で燃焼しなかった微粉炭の炉内での蓄積により、コークスの充填層での空隙率の低下が起こり、上昇ガスの通気抵抗及び溶銑滓の通液抵抗が増大し易い状況になる。
このような状況下において、高炉操業の効率及び安定性を維持した上で、なおかつ生産性を高めるためには、炉内の通気性と通液性を良好に保つことが必要不可欠である。
例えば、特許文献1には、高炉へ微粉炭を多量に吹込む際に、高炉炉内の通気性を確保するための高炉操業法が開示されている。この方法は、高炉炉内でのコークスの粉化の原因がCO2 ガスとのガス化反応にあると考え、高炉を、炉内半径方向に中心部、中間部、及び炉壁部に区分して、それぞれの領域のガス組成からガス化反応量を演算し、反応が多い領域におけるコークス粒径が他の領域より大きくなるように、炉頂からコークスを装入する方法である。
また、特許文献2には、高炉下部の通気抵抗指数を確認しながら、熱間反応後強度(CRI)が所定範囲に調整されたコークスを高炉に装入する高炉操業法が開示されている。
そして、特許文献3には、炉上部の温度がある一定の範囲を維持するように、多孔質鉱石の投入量を変更し、炉内の通気性を改善する高炉操業法が開示されている。
更に、特許文献4には、炉頂部に原料加熱用装置を設置し、乾燥させた鉄原料を炉内へ装入する方法が開示されている。
特開2000−17311号公報 特開平8−188808号公報 特開平4−263003号公報 特開昭58−144404号公報
しかしながら、前記した従来の高炉操業法には、以下の問題がある。
特許文献1では、高炉の炉内半径方向のコークスの粒度分布を、炉頂の装入物分布制御装置で調整しようとしているが、炉内に形成されるコークス装入面の状況は、例えば、ガス流速、装入するコークスとコークス装入面との距離、又は現状のコークス装入面の傾斜角のように、時々刻々と変化する要因に依存するため、正確に制御することが事実上困難であり、結果的に通気性の悪化を抑えることはできない。
また、特許文献2では、高品質のコークスを使用する必要があり、コークスの価格が高くなって、コークスよりも安価な微粉炭を使用する効果が少なくなり、銑鉄製造原価を低減させるという要請に応えることができない。
そして、特許文献3では、鉱石銘柄の投入割合を変更するため、鉱石層の還元速度が安定せず、微粉炭比を増減させる調整が必要になる。その結果、微粉炭比及び鉱石投入比率が一定とならないため、炉内の通気性及び還元性を安定した状態に維持し継続することができない。
更に、特許文献4の方法は、炉頂部に原料加熱用装置を設置するため、設備投資が高くなり、加えて乾燥エネルギーも新たに必要になるため、銑鉄製造原価を低減させるという要請に応えることができない。また、原料を加熱するのみでは、例えば、炉内の通気性が改善できない。
このように、高炉操業において高PCI操業を行うと、炉頂から装入されるコークス量の減少(鉱石/コークス比が増大)に伴う高炉上部における装入物(コークスと鉱石)の平均粒径の低下と、未燃焼微粉炭の炉内充填層への蓄積による炉芯コークス層及びコークス充填層での空隙率の低下が起こる。このため、高炉炉内の通気抵抗及び通液抵抗が増大する傾向が現れ、安定した高炉操業を実施できない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、多量の微粉炭吹込み操業下にあっても、通気性、通液性、及び還元状況を良好な状態に維持でき、経済的で安定した高炉操業を可能とする高炉操業法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る高炉操業法は、高炉の炉頂から固体還元材と鉄原料を装入しながら、前記高炉の羽口から熱風と共に微粉炭を吹込む高炉操業法において、
塊状鉱石を含む処理原料を加熱処理して乾燥し、該乾燥した処理原料を前記鉄原料として前記高炉へ炉頂から装入する前に、篩選別処理して該処理原料に付着した微粉鉱石を除去する。
本発明に係る高炉操業法において、前記処理原料は、前記塊状鉱石の他に、粉状の鉱石を固めて乾燥又は焼成したペレットを有することが好ましい。
本発明に係る高炉操業法において、前記高炉へ吹込む微粉炭比は溶銑1トン当たり150kg以上であることが好ましい。
本発明に係る高炉操業法において、前記微粉鉱石の除去により、前記篩選別処理した後の前記処理原料に残存付着する粒径6mm以下の微粉鉱石量を前記処理原料全体の2質量%以下にすることが好ましい。
本発明に係る高炉操業法において、前記処理原料の加熱処理は、予め焼結機で製造した焼結鉱の保有熱を用いて行われることが好ましい。
本発明に係る高炉操業法において、前記処理原料の加熱処理は、前記焼結鉱の熱回収設備以降、該焼結鉱を前記高炉へ装入する前に貯蔵する鉄原料貯蔵庫までの焼結鉱搬送経路で、前記処理原料を前記焼結鉱に接触させて行うことが好ましい。
本発明に係る高炉操業法において、前記処理原料が接触する前記焼結鉱の温度を80℃以上200℃以下とし、その接触時間を20分以上にすることが好ましい。
請求項1〜7記載の高炉操業法は、塊状鉱石を含む処理原料に付着している微粉鉱石を除去することにより、微粉鉱石による炉内の空隙率の低下を抑制でき、羽口からの微粉炭比が増えた場合においても、炉内圧力の変動を抑制できる。これにより、安定した通気性を維持し、鉄原料装入比率を一定にして還元状況を維持し、更に通液性も良好な状態に維持して、経済的に安定した高炉操業が可能になる。
特に、請求項2記載の高炉操業法は、処理原料に含まれるペレットに付着している微粉鉱石を除去することにより、微粉鉱石による炉内の空隙率の低下を更に抑制できる。
請求項3記載の高炉操業法は、高炉へ吹込む微粉炭比を、溶銑1トン当たり150kg以上とするので、多量の微粉炭吹込み操業下における鉄原料の微粉鉱石の除去効果がより顕著に現れる。
請求項4記載の高炉操業法は、高炉に装入された微粉鉱石の影響を少なくできる条件を規定することにより、安定した高炉操業が可能になる。
請求項5記載の高炉操業法は、現に製造している焼結鉱の保有熱を処理原料の加熱処理のための熱源として利用することで、熱源設備を新たに用意することなく処理原料を乾燥できる。
請求項6記載の高炉操業法は、焼結鉱に処理原料を接触させることにより、処理原料に付着している微粉鉱石を剥離させ、高炉装入前の篩選別処理にて除去でき、高炉の炉内微粉量の低減に効果を発揮する。
請求項7記載の高炉操業法は、処理原料に接触する際の焼結鉱の温度と時間を規定することで、焼結鉱の熱源を利用しながら、例えば、大規模な設備投資を実施することなく、適切な加熱処理を実施できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る高炉操業法の説明図、図2は塊状鉱石に付着した水分の乾燥速度を示した説明図、図3は加熱処理の有無による塊状鉱石の粒度比率の説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る高炉操業法は、高炉10の炉頂11からコークス(固体還元材の一例)と鉄原料を各々(例えば、交互に)装入しながら、高炉10の羽口12から熱風と共に微粉炭を吹込む方法であり、塊状鉱石を含む処理原料を加熱処理して乾燥し、乾燥した処理原料を鉄原料として高炉10へ炉頂11から装入する前に、篩選別処理して処理原料に付着した微粉鉱石を除去する。以下、詳しく説明する。
高炉10の炉頂11から装入する鉄原料は、例えば、塊状鉱石及び焼結鉱を有する。なお、鉄原料に、粉状鉱石を固めて乾燥又は焼成したペレットが含まれる場合もある。
海外から輸入して荷揚げした鉱石は、分別処理して高炉用塊鉱石と焼結用鉱石とに分けられる。この高炉用塊鉱石が塊状鉱石となる。
この塊状鉱石は、高炉10の鉄原料貯蔵庫(鉱石庫ともいう)13に輸送されて貯蔵された後、サージホッパー14へ送られ、高炉10へ所定量ずつ装入されるが、鉄原料貯蔵庫13に貯蔵する前に、需要調整のためヤードに一時屋外保管しておく場合が多い。このため、塊状鉱石は風雨に曝され、微粉鉱石が付着し易い状況にある。しかし、従来は、微粉鉱石が付着した塊状鉱石をそのまま高炉10に装入しており、これが、高炉10炉内の通気性及び通液性を悪化させる原因となっている。
そこで、高炉10へ塊状鉱石を装入する前に、塊状鉱石の一部(例えば、鉄原料の3質量%以上15質量%以下程度)又は全部を処理原料として、この処理原料から微粉鉱石を除去する。なお、鉄原料にペレットが含まれる場合は、ペレットの一部又は全部を塊状鉱石と共に、処理原料として処理してもよく、この場合、塊状鉱石及びペレットの一部(例えば、鉄原料の3質量%以上15質量%以下程度)又は全部を処理すればよい。
まず、処理原料の加熱処理を、予め焼結機15で製造した焼結鉱の保有熱を用いて行う。この加熱処理は、焼結機15で製造した焼結鉱の熱を回収する熱回収設備16以降、焼結鉱を高炉10へ装入する前に貯蔵する鉄原料貯蔵庫13までの焼結鉱搬送経路、例えば、焼結鉱を搬送するベルトコンベアで行う。その方法としては、ベルトコンベアのベルト上に載置した焼結鉱(例えば、厚さ100mm以上200mm以下程度)上に、処理原料を100mm以下の厚さ(例えば、10mm以上50mm以下程度)で積層し、処理原料を焼結鉱に接触させる。なお、焼結鉱と処理原料を鉄原料貯蔵庫13内に保管して、処理原料の加熱処理を行うこともできる。
処理原料を焼結鉱に接触させるときの焼結鉱の温度は、80℃以上200℃以下とし、その接触時間を20分以上にする。
処理原料を接触させる焼結鉱の温度が200℃を超える場合、焼結鉱を輸送するベルトコンベアのベルトが劣化する恐れがある。一方、図2に示すように、温度50℃の焼結鉱に処理原料を接触させて加熱処理した場合、初期値が7質量%の処理原料の付着水分量を、目標値の2質量%以下にするまで4時間程度かかり、処理原料の生産性が悪くなる。そこで、図2に示すように、温度80℃の焼結鉱に処理原料を接触させて加熱処理することで、処理原料の付着水分量を2時間で2質量%以下まで低減でき、例えば、大規模な設備投資を実施することなく、処理原料の加熱処理を実施できる。なお、図2は、処理原料として塊状鉱石を使用し、この塊状鉱石を、厚さ100mm以上200mm以下の範囲内で調整した各所定温度(50℃、80℃、150℃、170℃、200℃)の焼結鉱上に、厚さ10mm以上50mm以下程度に積載したときの結果である。
以上のことから、ベルトコンベアのベルトの劣化を抑制しながら、生産性よく処理原料を加熱処理するためには、処理原料を接触させる焼結鉱の温度の上限値を200℃、好ましくは170℃、更に好ましくは150℃とし、下限値を80℃、好ましくは100℃とする。
なお、接触時間は、最短20分としているが、処理原料を接触させる焼結鉱の温度低下に伴って30分以上、更には60分以上程度まで長くするのがよい。一方、上限値については、処理原料を乾燥できればよいため、特に限定していないが、前記したように4時間程度かかると処理原料の生産性が悪くなる。。
このように、鉄原料として使用する焼結鉱を熱源として利用することで、熱源設備を新たに用意することなく、処理原料を加熱処理して乾燥することができる。また、処理原料を焼結鉱と接触させることにより、処理原料に付着している微粉鉱石を剥離できる。
以上の方法で、加熱処理して乾燥させた処理原料を、鉄原料貯蔵庫13に貯蔵した後、更に篩選別機(図示しない)を使用し、高炉10炉内の圧力変動の原因となる微粉鉱石を除去しながら、サージホッパー14へ供給する。ここで、圧力変動のメカニズムについて説明する。
高炉10の羽口12から吹込む微粉炭の未燃物は、例えば、コークス又は鉄原料のように、大きな粒の隙間(空隙)に目詰まりし、通気性を阻害する。この目詰まりは、高炉10炉内に複数箇所あり、生成又は消滅を繰り返し、炉内の圧力を不安定にする。その結果、微粉炭吹込み時は、炉内の圧力変動が顕著に現れる。また、目詰まりは、微粉炭の目詰まり以外に、塊状鉱石に付着した粒径6mm以下の微粉鉱石の影響が極めて大きいことが判明した。
そこで、高炉10の通気性及び通液性の悪化に影響を及ぼしにくい粒径が6mmを超えるものを篩選別処理して回収する。なお、焼結鉱は、鉄原料に含まれるものであるため、処理原料の加熱処理後は、処理原料と共に焼結鉱を篩選別処理することが作業上好ましいが、処理原料の加熱処理後に、焼結鉱と分けて篩選別処理することも可能である。
ここで、塊状鉱石を前記した方法で加熱処理して乾燥を行った場合と、行わない場合の塊状鉱石の粒度分布比率について、図3を参照しながら説明する。なお、この結果は、高炉装入前に採取した塊状鉱石を、試験的に粒度分布調査した結果である。
図3に示すように、従来高炉に装入している塊状鉱石の見かけの粒度区分は、粒径6mm以下のものが1.7質量%であった(図3:見かけ)。しかし、実際は、塊状鉱石の表面に微粉鉱石が付着しているため、上記篩分けした粒径6mm超のものを水洗して、その表面に付着した微粉鉱石を回収し、100℃に乾燥処理して粒径6mm以下の量を測定すると、7.2質量%まで増加した(図3:実質)。
以上のことから、従来は、高炉の炉頂から7.2質量%の微粉鉱石が装入されていたことが分かった。
そこで、前記した加熱処理、即ち80℃の焼結鉱に処理原料を接触させて乾燥させ、篩選別機で選別した粒径6mm超の処理原料を使用し、これを水洗して、その表面に付着した微粉鉱石を除去し、100℃に乾燥処理して粒径6mm以下の量を測定すると、0.7質量%にまで低減できることを確認できた(図3:加熱処理)。
このように、処理原料を加熱処理して乾燥し篩選別処理することにより、高炉へ装入される微粉鉱石量を大幅に低減できることを確認できた。
以上のことから、微粉鉱石の除去により、篩選別処理した後の処理原料に残存付着する粒径6mm以下の微粉鉱石量を、処理原料全体の2質量%以下、好ましくは1質量%以下にする。なお、微粉鉱石の除去量は、この条件を満足していればよく、例えば、篩選別処理により、粒径10mm以下の微粉鉱石を除去したとしても、また粒径5mm以下の微粉鉱石を除去したとしても、処理原料に残存付着する粒径6mm以下の微粉鉱石量が、処理原料全体の2質量%以下になっていればよい。
このように、篩選別処理した処理原料を、他の鉄原料と共に、高炉10の炉頂11から装入する。
このとき、高炉10の羽口12からは、熱風と共に微粉炭を吹込む。
微粉炭比を溶銑1トン当たり150kg(150kg/トン−pig)以上とした条件下で行うことで、微粉鉱石を除去した効果がより顕著になる。
高炉へ微粉炭の吹込みを実施する場合、微粉炭の搬送ガス圧力と高炉炉内圧力により、微粉炭比が決定されるため、高炉炉内圧力が変動すると、微粉炭比が変動する。特に、微粉炭比を、溶銑1トン当たり150kg以上の多量吹込みとした低コークス比操業を行う場合、微粉炭比の変動は、高炉炉内反応の安定性に対して顕著に悪影響を及ぼす。
従って、高炉10炉内へ装入される微粉なものを、炉頂11から装入する鉄原料から除去することによって、炉内圧力変動の低減効果を発揮でき、特に微粉炭比が170kg以上であれば、その効果が顕著に現れる。
一方、微粉炭比が増加するほど、本発明の高炉操業法の効果が顕著に現れるため、上限値については規定していないが、例えば、溶銑1トン当たり200kg程度でも可能である。
以上の条件で高炉操業を行うことにより、微粉炭を多量に吹込む高炉操業を行った場合でも、通気性、通液性、及び還元状況を良好な状態に維持でき、経済的で安定した高炉操業を実施できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
これは、風量6400Nm3 /分程度、熱風の送風温度1220℃、送風湿度18g/Nm3 で操業している内容積が4000m3 程度の高炉に、コークスと鉄原料(焼結鉱、塊状鉱石、及びペレット)を交互に装入するに際し、鉄原料に含まれる塊状鉱石の一部を加熱処理した影響、及び羽口から吹込む微粉炭比を増減させた影響について、炉内の通気抵抗指数平均値、炉内状況、及び溶銑の生産性を、それぞれ検討した結果である。
ここで、塊状鉱石の一部を加熱処理して乾燥し、篩選別処理(加熱、乾燥、及び篩選別あり)して微粉鉱石を除去した後、これを他の鉄原料と共に炉内へ装入した高炉操業の結果を実施例1〜3として表1に示す。この加熱処理は、ベルトコンベア上に積載した厚さ100mm以上200mm以下の100℃焼結鉱上に、厚さ10mm以上50mm以下程度に塊状鉱石を積載して、この塊状鉱石を焼結鉱に120分以上接触させて行った。
なお、表1には、塊状鉱石を加熱処理することなく(加熱、乾燥、及び篩選別のいずれもしない)他の鉄原料と共に炉内へ装入する従来行っている高炉操業の結果を従来例とし、この従来例に対して微粉炭比を増減させた高炉操業の結果を比較例1、2としてそれぞれ示している。
Figure 2007039747
表1の通気抵抗指数(K値ともいう)とは、炉内の通気抵抗を示すものであり、高炉の内容積、炉内装入物条件、炉内圧力測定位置により多少異なることから、その高炉において、安定操業可能な管理上限値を求めておき、この管理上限値以下に維持するための指標である(例えば、特開平6−81015号公報参照)。更に、このK値は、炉頂圧力を測定する圧力計で求めた炉頂圧力PT(g/cm2 )、送風圧力を測定する圧力計で求めた送風圧力PB(g/cm2 )、計算から求めたボッシュガス量VBG(Nm3 /分)を用いて、下式により求められる。
K={(PB+A)2 −(PT+A)2 }/VBG1.7
但し、Aは定数であり、高炉の内容積及び形状で異なる値である。
なお、表1の通気抵抗指数平均値とは、上記式から得られた分単位の通気抵抗指数の1日分のデータを平均した値である。
従来例のように、加熱処理することなく乾燥しない塊状鉱石を16質量%含む鉄原料を使用し、コークス比350kg、微粉炭比150kgとした高炉操業下では、通気抵抗指数が2.42であった。
ここで、実施例1のように、16質量%の塊状鉱石のうち5質量%の塊状鉱石を加熱処理して乾燥することにより、同じコークス比、微粉炭比では、通気抵抗指数が2.32まで低下した。これは、微粉鉱石が除去された塊状鉱石を高炉へ装入することで、高炉の通気性を改善できたことに起因する。
そこで、実施例2のように、通気が改善された量をコークス比の低減に利用することで、微粉炭比を160kgまで増加すると共に、コークス比を340kgまで低減することができた。更に、実施例3のように、塊状鉱石の加熱乾燥割合を10質量%まで増加することで、微粉炭比を170kgまで増加し、コークス比を330kgまで低減しても、通気抵抗指数は2.43となり、従来例の操業と同程度のレベルを維持できた。
一方、比較例1のように、微粉炭比140kg、コークス比360kgで、塊状鉱石に加熱処理を行わない場合、従来例の微粉炭比150kgと比較して、通気性については改善されるが、微粉炭よりも高価なコークスの使用量が増加するため、溶銑の生産性が低下する。
また、比較例2のように、塊状鉱石を加熱処理することなく、コークス比を低減した場合、通気抵抗指数が2.52まで上昇し、安定操業を継続できなかった。
ここで、微粉炭比に応じて、塊状鉱石に加熱処理を行った場合と行っていない場合について、通気抵抗変動比率を比較した結果を、表2に示す。この表2において、鉄原料の組成は、表1と同様に焼結鉱82質量%、塊状鉱石16質量%、及びペレット2質量%となっており、塊状鉱石に加熱処理を行う場合、微粉炭比140、150については塊状鉱石の5質量%を加熱処理し、微粉炭比170については塊状鉱石の10質量%を加熱処理し、加熱処理を行わない場合は、塊状鉱石の全量(16質量%)を加熱処理しなかった。
Figure 2007039747
なお、表2の通気抵抗変動比率とは、前記式で算出された分単位の通気抵抗指数の2時間分のデータを使用し、その偏差量を前記した通気抵抗指数平均値で除した値である。
表2から明らかなように、微粉炭比140kgにおける通気抵抗変動比率は、塊状鉱石の加熱処理の有無に関係なく、ほとんど変化がみられなかった。しかし、微粉炭比を150kg以上に増加させることで、加熱処理を行っていない塊状鉱石を使用した場合に、通気抵抗変動比率が顕著に悪化している。
このように、微粉炭比の増加に伴って、塊状鉱石の加熱処理を行う効果がより顕著に得られることを確認できた。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の高炉操業法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係る高炉操業法の説明図である。 塊状鉱石に付着した水分の乾燥速度を示した説明図である。 乾燥処理の有無による塊状鉱石の粒度比率の説明図である。
符号の説明
10:高炉、11:炉頂、12:羽口、13:鉄原料貯蔵庫、14:サージホッパー、15:焼結機、16:熱回収設備

Claims (7)

  1. 高炉の炉頂から固体還元材と鉄原料を装入しながら、前記高炉の羽口から熱風と共に微粉炭を吹込む高炉操業法において、
    塊状鉱石を含む処理原料を加熱処理して乾燥し、該乾燥した処理原料を前記鉄原料として前記高炉へ炉頂から装入する前に、篩選別処理して該処理原料に付着した微粉鉱石を除去することを特徴とする高炉操業法。
  2. 請求項1記載の高炉操業法において、前記処理原料は、前記塊状鉱石の他に、粉状の鉱石を固めて乾燥又は焼成したペレットを有することを特徴とする高炉操業法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の高炉操業法において、前記高炉へ吹込む微粉炭比は溶銑1トン当たり150kg以上であることを特徴とする高炉操業法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉操業法において、前記微粉鉱石の除去により、前記篩選別処理した後の前記処理原料に残存付着する粒径6mm以下の微粉鉱石量を前記処理原料全体の2質量%以下にすることを特徴とする高炉操業法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の高炉操業法において、前記処理原料の加熱処理は、予め焼結機で製造した焼結鉱の保有熱を用いて行われることを特徴とする高炉操業法。
  6. 請求項5記載の高炉操業法において、前記処理原料の加熱処理は、前記焼結鉱の熱回収設備以降、該焼結鉱を前記高炉へ装入する前に貯蔵する鉄原料貯蔵庫までの焼結鉱搬送経路で、前記処理原料を前記焼結鉱に接触させて行うことを特徴とする高炉操業法。
  7. 請求項6記載の高炉操業法において、前記処理原料が接触する前記焼結鉱の温度を80℃以上200℃以下とし、その接触時間を20分以上にすることを特徴とする高炉操業法。
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