JP2007039674A - 成形用材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 成形性にすぐれ手や衣服や床や工作台に付着しにくく、手や衣服や床や工作台を汚しにくい成形用材を提供しようとする。
【解決手段】 無機粉体、パルプ、糊材、水分を含む組成物が混練されて成り、前記糊材がポリビニルアルコールと硼素系化合物とを含む、成形用材であり、前記無機粉体が、粘土、シラスバルーン、珪藻土から選択される1または複数種を含む前記成形用材であり、前記組成物がさらに粉体状植物を含む成形用材である。
【選択図】 図1
【解決手段】 無機粉体、パルプ、糊材、水分を含む組成物が混練されて成り、前記糊材がポリビニルアルコールと硼素系化合物とを含む、成形用材であり、前記無機粉体が、粘土、シラスバルーン、珪藻土から選択される1または複数種を含む前記成形用材であり、前記組成物がさらに粉体状植物を含む成形用材である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、粘土細工に用いる工作粘土等に適した成形用材、該成形用材を含む苗木ポット作成用キットに関する。
工作粘土として従来は天然の粘土が用いられてきた。この天然の粘土は手や衣服に付着するととれにくく手や衣服や床や工作台を汚し易かった。
また、工作粘土としては、パルプに糊剤を配合した紙粘土も一般に用いられている(例えば、特許文献1参照。)。更に、綿繊維を混入させることも試みられている(例えば、特許文献1参照。)。又、燃やして廃棄処分でき、しかも燃やした場合に有害物質が発生することのないようにと、くるみ殻粉末と、籾殻粉末と、竹粉末と、木粉末と、ケナフ粉末とから構成される群より選択された一種又は二種以上のものから構成される天然植物性粉末を配合することが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
パルプや天然植物性粉末を骨材として用いたこれらの従来の紙粘土は、パルプや天然植物性粉末の構成比率を10重量%以上と大きくするとボソボソした性状で粘りに欠け、造形がやりにくい。また、手や衣服や床や工作台を汚し易い点では天然の粘土と同じである。
特開平6−202556号公報
特開2001−134171号公報
本発明の目的は、成形性にすぐれ手や衣服や床や工作台に付着しにくく、手や衣服や床や工作台を汚しにくい成形用材を提供することにある。
本発明の目的は、この成形用材を含み、児童でも取り扱える苗木ポット作成用キットを提供することにある。
本発明の要旨とするところは、無機粉体、パルプ、糊材、水分を含む組成物が混練されて成り、前記糊材がポリビニルアルコールと硼素系化合物とを含む、成形用材であることにある。
前記無機粉体は、粘土、シラスバルーン、珪藻土から選択される1または複数種を含み得る。
前記組成物はさらに粉体状植物を含み得る。
前記粉体状植物は粉砕された茎や葉や穂であり得る。
前記成形用材においては、前記硼素系化合物が硼酸、硼砂から選択される化合物であり得、前記ポリビニルアルコールに対する該化合物の比率が0.05〜5重量%であり得る。
前記糊材はカルボキシメチルセルロースを含み得る。
また、本発明の要旨とするところは、無機粉体、パルプ、ポリビニルアルコール水溶液を混合して混合物を得る工程と、該混合物に硼素系化合物を加えて混練する工程とを含む成形用材の製造方法であることにある。
さらに、本発明の要旨とするところは、前記成形用材と、紙製の鉢形容器の材料である紙製シート材とを含んで構成され、前記紙製シート材が前記成形用材を収納する箱を展開した展開盤であり、該展開盤に前記鉢形容器を展開した展開板の輪郭形状に沿ったミシン目が形成され、該展開板から前記鉢形容器が組み立てられる苗木ポット作成用キットであることにある。
本発明によると、粘り気と成形性にすぐれ、工作時に手や衣服や床や工作台を汚さず、土に容易に還元できる成形用材が提供される。
本発明によると、粘り気と成形性にすぐれ、紙、鉄、ガラス、プラスチックに対する付着性が良好で、かつ用済み後にこれらの被付着体からこれらの被付着体を汚さずに剥がすことができる成形用材が提供される。
本発明によると、この成形用材を含み、児童でも取り扱える苗木ポット作成用キットが提供される。
本発明によると、葦等の茎性の植物の有効利用が出来る。
本発明によると、古紙の配合比率を多くしても粘り気や成形性が損なわれず、資源の有効再利用に寄与する。
本発明の実施形態について説明する。本発明の成形用材は、無機粉体、パルプ、糊材、水分を含む組成物が混練されて成り、前記糊材がポリビニルアルコールと硼素系化合物とを含む、成形用材である。
無機粉体としては天然の粘土、シラスバルーン、珪藻土、タルクなどの金属炭酸塩の粉末、酸化チタン、アルミナ、酸化鉄等の金属酸化物の粉末、マイカの粉末が挙げられる。
パルプとしては製紙用のパルプであってもよいが、古紙をほぐした再生パルプ(古紙パルプ)であってもよい。資源の有効利用の点で再生パルプの使用が好ましい。
糊材はポリビニルアルコールと硼素系化合物とを含むものであり、このほかにカルボキシメチルセルロースやでんぷんが糊材に含まれていてもよい。
本発明の成形用材はさらに、粉体状植物が配合されてもよい。粉体状植物は、葦、ススキ、イグサ、麻、稲、麦類等の植物の茎や葉や穂が好ましくは0.1〜5mmにカットまたは粉砕されたものである。植物の種類や用いる部位は特に限定されないが茎性の植物の使用が粉体に繊維状の部分を多く含むので好ましい。粉体状植物は用済み後の成形用材が廃棄されたときに生分解性を高めて好ましい。なかでも葦はパルプや綿繊維に比べて土中の分解が早いので、使用後に工作粘土を畑や野原に投棄しても、容易に土に還元され好ましい。
本発明においては、これらの配合用材料が逐次あるいは同時に混合され混練されることにより工作粘土に適した成形用材が得られる。
配合用材料の混練により、硼素系化合物がポリビニルアルコール分子間を架橋してポリビニルアルコールがゲル化し、弾力性のある成形用材が得られる。また、この成形用材はゲル化したポリビニルアルコールを含むことにより、粘土工作時に手や衣服や床や工作台に付着しにくく、手や衣服や床や工作台を汚しにくい。
硼素系化合物はポリビニルアルコールに対して0.05〜5重量%添加されることが好ましい。0.5〜2重量%添加されることが成形用材の工作時の成形性のうえでさらに好ましい。
ポリビニルアルコールを水溶液となして、その水溶液を無機粉体、パルプと混合して混合物を得たのち、その混合物に硼素系化合物を添加し混練することが、良好な性能の成形用材を得るうえで好ましい。この場合、硼素系化合物は残余のポリビニルアルコール水溶液とともにあるいは残余のポリビニルアルコール水溶液に混ぜて混合物に添加してもよい。あるいはポリビニルアルコールを水溶液となして硼素系化合物を添加したのちこれ以外の配合物と混合して混練してもよい。ポリビニルアルコールの水溶液は多段階に分けてこれ以外の配合物と混合して混練することが好ましい。
硼素系化合物としては、硼酸イオンを発生するものであれば特に制限はなく、硼酸 、硼酸塩、硼酸エステルが挙げられ、そのなかでも硼酸または硼酸の無機塩が好ましい。硼酸塩としては、例えば、メタ硼酸 、四硼酸など硼酸の金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。具体的には硼砂などが例示される。また、この硼酸系化合物を含む液体にアルカリ性物質をポリビニルアルコール水溶液に添加して水溶液のpHを8以上に調節してもよい。アルカリ性物質としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酸化カルシウムなどが挙げられる。安全性のうえで炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
本発明に使用するポリビニルアルコールは平均重合度が200〜2700程度であることが好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は77〜99.9モル%程度であることが好ましい。本発明に使用するポリビニルアルコールとしては、無変性PVAのほかに本発明の効果を阻害しない範囲において、公知の種々の変性PVAを用いることができる。
また、糊材がカルボキシメチルセルロースを含む場合、ポリビニルアルコールとカルボキシメチルセルロースとの比率は2:1〜10:1であることが成形用材の成形性のうえで好ましい。
無機粉体は、成形用材中に10〜40重量%配合されることが好ましい。無機粉体としてシラスバルーンや珪藻土、あるいは両者の混合物を用いることが成形用材の成形性を向上させて好ましい。シラスバルーンや珪藻土は他の無機粉体例えば天然の粘土、タルク、マイカの粉末等と併用されてもよい。
パルプは、成形用材中に5〜50重量%配合されることが成形用材の成形性のうえで好ましい。成形用材中に50重量%をこえてパルプが配合されると成形用材の粘り気が損なわれ、パサパサになり成形性のうえで好ましくない。
本発明の成形用材には、更に防腐剤が添加されていることが好ましい。防腐剤は、混練時に上述の原料とともに配合されることが好ましい。防腐剤としては特に限定されないが、有機酸をはじめ公知の防腐剤を用いることが出来る。なかでもリンゴ酢が不快臭を伴わず好ましい。防腐剤は例えば全体に対して0.05〜2重量%添加されることが好ましい。本発明の成形用材には、そのほかに必要に応じて着色剤、防黴剤などの添加剤が添加されてもよい。防黴剤は例えば全体に対して0.05〜3重量%添加されることが好ましい。
成形用材にはさらに液体肥料が含有されていてもよい。又、粉体状植物に液体肥料成分が含有されていてもよい。液体肥料成分は、チッソ成分、リン成分、カリ成分から選択される1種以上の成分を含むものであることが好ましい。チッソ成分、リン成分、カリ成分の全てが含まれることがさらに好ましい。これらの成分はポリビニルアルコールのゲル化を助長して好ましい。また、成形用材の生分解性を高めて好ましい。
本発明の成形用材は、適度の粘弾性を有し、粘土工作における成形性に優れるばかりでなく、粘土工作時に手で握ったり、手に押し付けたりしても容易に剥がすことができ手に付着しにくい。例えば、本発明の成形用材は、一旦手で握ってからその成形用材からその手をはなすと、握ったときの成形用材と手の面との接触全面積中、その手の面に成形用材が付着して残留している面積は、接触全面積の約2%にすぎない。従来の紙粘土は、同様に握ると、手の面に粘土が付着して残留している面積は、接触全面積の95%に達する。また、衣服や床や工作台等の物体に触れたり押し付けられても容易に剥がすことができ、このような物体に触れたり押し付けられてもその物体を汚すことが殆どない。
その一方で本発明の成形用材は、ガラス面や紙、鉄、プラスチックその他の物体の面に押し付けることにより容易にその面に貼着させることができ付着性が良好である。また、引き剥がさない限りその貼着状態をそのまま維持することができる。この性質を利用して、ワッペンのような形状に成形した成形物を、装飾用として、壁面、ドアの面、家具の面などに容易に貼り付けておくことができる。長時間経過後に成形物をこれらの面から剥がすときは、その面と成形物との界面を水で濡らしてやれば引き剥がしが容易であり、かつ、引き剥がした跡がその面に殆ど残らない。
これらの特性は、ポリビニルアルコールに硼酸が添加されてゲル化したことと、本発明の成形用材の特殊な組成による総合効果により得られたものと考えられる。
また、本発明の成形用材は、既設の壁面や壁面の下地に簡単に貼り付けることができるので施工容易な壁面材として有用である。さらに、本発明の成形用材からなる壁面は湿気の吸収・放出能に優れるので、室内の湿度緩衝調節の役割をはたすことができる。
またさらに、本発明の成形用材は児童の工作用として苗木ポットのような鉢状成形体を図1に示すような態様で簡単に作ることができる。即ち、図1(a)に示すように、鉢状の型容器2の外周壁面及び外底面に成形用材4を所定の厚さに層状に塗付し、そのまま約2〜3日自然乾燥する。符号5は底穴である。これにより、図1(b)に示すように鉢状成形体6が得られる。鉢状成形体6に型容器2がそのまま成形用材4の乾燥に伴って固着され、複合鉢10が形成される。型容器2から取り外した鉢状成形体6または、型容器2と鉢状成形体6とが一体になった複合鉢10に培土を充填して苗を植生し、植生された苗を所定期間育成後、培土と鉢状成形体6(または複合鉢10)ごと土に植えることが出来る。植えたあとそのまま苗を育成すると鉢状成形体6が土に自然に還元される。あるいは型容器2が生分解性であると複合鉢10が土に自然に還元される。
成形用材あるいは、粉体状植物に液体肥料が含有されていると、鉢状成形体6あるいは複合鉢10が土に自然に還元される速度が増進され好ましい。
成形用材から鉢状成形体6への成形は、通常の陶土の素地の成形の方法に準じて、例えば、轆轤成形や型プレス成形等により行なうことも出来るが、成形作業を型容器2を用いて図1に示す態様で児童により手作業で行なうことが出来る。更に、鉢状成形体6の成形から上述の苗の植生、地面への鉢状成形体6の植え込みに至る一貫の作業が、児童によりなされることにより、情操教育と自然環境保護意識の涵養を計ることが出来る。
成形用材と、型容器2と、チップ化された植物とをセットにして所定の包装容器に収納して、供給することが出来る。
この包装容器は紙箱であり得る。更に、この紙箱を展開して型容器2の材料として用いることが出来る。紙は生分解性であり、これにより資源を土に還元できて好ましい。この態様の一例を図2に示す。図2に示すように、梱包材22に梱包された成形前の成形用材20と、梱包材22aに梱包されたチップ化された植物24とが、紙箱26に収納されて苗木ポット作成用キット30を構成する。構成品の全てが土に還元される苗木ポット作成用キット30は、情操教育、自然環境保護教育にとって有用な教材となる。なお、苗木ポット作成用キット30には、付属品として成形作業に用いるポリエチレン製手袋が加えられてもよい。あるいは紙箱26と梱包材22に梱包された成形前の成形用材20とからなるものであってもよい。
紙箱26は、図3−a、図3−bに示す形状に展開されて展開盤34となる。展開盤34を折り目32で折り、あるいは紙箱26を折り目32で開くことにより、組み立て展開自在とされている。又、展開盤34にはミシン目40、41がそれぞれ形成されている。ミシン目40に沿って展開盤34をちぎり取ると、型容器2(図2)の側壁に相当する部分の略矩形の展開板42や略扇形の展開板42aが得られる。ミシン目41に沿って展開盤34をちぎり取ると、型容器2(図2)の底壁に相当する部分の略円形の展開板35が得られる。
図4に示すように、展開板42を筒状(展開板42aであればはコーン状)に組み立て、展開板35を嵌め込み型容器2aが得られる。展開板42は長手方向の一端の縁に係合片54が形成され、長手方向の他端部に係合片54に係合する長穴56が形成されている。又、展開板42は一長縁部に長穴50が形成されている。展開板35の縁には長穴50と係合する係合片52が形成されている。展開板35は筒状あるいはコーン状に組み立てた展開板42(展開板42a)の端部に接着剤で接着されてもよい。
粉体状植物 10kg
シラスバルーン 30kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 15kg
硼酸 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均0.8mmの長さに粉砕したものを用いた。
シラスバルーン 30kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 15kg
硼酸 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均0.8mmの長さに粉砕したものを用いた。
シラスバルーン及び再生パルプの全量と、ポリビニルアルコールを5重量倍の水に混合したものの半量を攪拌・混合し、混合物を得た。混合物全量と、ポリビニルアルコールを5重量倍の水に混合したものの残り半量と、水と硼酸とを混練装置にて混練し工作粘土(成形用材)を得た。
粉体状植物 10kg
シラスバルーン 30kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 12kg
カルボキシメチルセルロース 1.5kg
硼酸 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均1mmの長さに粉砕したものを用いた。
シラスバルーン 30kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 12kg
カルボキシメチルセルロース 1.5kg
硼酸 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均1mmの長さに粉砕したものを用いた。
シラスバルーン及び再生パルプ、カルボキシメチルセルロースの全量と、ポリビニルアルコールを5.5重量倍の水に混合したものの半量を攪拌・混合し、混合物を得た。混合物全量と、ポリビニルアルコールを5.5重量倍の水に混合したものの残り半量と、水と硼酸とを混練装置にて混練し工作粘土(成形用材)を得た。
粉体状植物 5kg
シラスバルーン 10kg
珪藻土 10kg
タルク 10kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 12kg
カルボキシメチルセルロース 1.5kg
硼砂 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均1mmの長さに粉砕したものを用いた。ポリビニルアルコールは重合度200のものを用いた。
シラスバルーン 10kg
珪藻土 10kg
タルク 10kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 12kg
カルボキシメチルセルロース 1.5kg
硼砂 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均1mmの長さに粉砕したものを用いた。ポリビニルアルコールは重合度200のものを用いた。
シラスバルーン、珪藻土、タルク及び再生パルプ、カルボキシメチルセルロースの全量と、ポリビニルアルコールを5.5重量倍の水に混合したものの半量を攪拌・混合し、混合物を得た。混合物全量と、ポリビニルアルコールを5.5重量倍の水に混合したものの残り半量と、水と硼砂とを混練装置にて混練し工作粘土(成形用材)を得た。
粉体状植物 5kg
シラスバルーン 10kg
珪藻土 10kg
タルク 7kg
マイカ粉末 3kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 12kg
カルボキシメチルセルロース 1.5kg
硼砂 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均1mmの長さに粉砕したものを用いた。ポリビニルアルコールは重合度500のものを用いた。
シラスバルーン 10kg
珪藻土 10kg
タルク 7kg
マイカ粉末 3kg
再生パルプ 45kg
ポリビニルアルコール 12kg
カルボキシメチルセルロース 1.5kg
硼砂 100g
を準備した。粉体状植物としては葦を平均1mmの長さに粉砕したものを用いた。ポリビニルアルコールは重合度500のものを用いた。
シラスバルーン、珪藻土、タルク、マイカ粉末及び再生パルプ、カルボキシメチルセルロースの全量と、ポリビニルアルコールを5.5重量倍の水に混合したものの半量を攪拌・混合し、混合物を得た。混合物全量と、ポリビニルアルコールを5.5重量倍の水に混合したものの残り半量と、水と硼砂とを混練装置にて混練し工作粘土(成形用材)を得た。
実施例1で得られた工作粘土(粘土A)、実施例2で得られた工作粘土(粘土B)、実施例3で得られた工作粘土(粘土C)、実施例4で得られた工作粘土(粘土D)をそれぞれ3cm径の球体に成形し、両手で左右に引き千切るように引き伸ばしたところ粘土Aは30cm以上、粘土B、粘土C、粘土Dは35cm以上の長さに引き伸ばすことができた。一方パルプと澱粉糊を主体とした通常の市販の紙粘土(粘土E)を同様にして引き伸ばしたところ5cm以下の長さで千切れてしまった。
又、粘土A、粘土B、粘土C、粘土D、粘土Eにつき、それぞれ径1.5cmの20個の球体に成形し、垂直に立てたダンボール板の面に各球体それぞれを貼り付けた。粘土Eから成る球体は約30分後に全ての球体が落下したが、粘土A、粘土B、粘土C、粘土Dから成る球体は20個全てが6時間以上ダンボール板の面に付着したままで、落下することはなかった。
又、手で握れるほどの量の粘土A、粘土B、粘土C、粘土Dを手で強く握ったが、いずれも握ったのちの手のひらには、殆んど粘土の付着が認められなかった。粘土Eを同様に握ったのちの手のひらには、多くの粘土が付着していた。
又更に、粘土A、粘土B、粘土C、粘土Dは粘土工作時の成形性が極めて良好であった。工作後のこれらの工作粘土を土中に埋めたところ1年間で土に還元された。
その他、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明の成形用材は、植木鉢形に工業的手段で成形して土に還る苗木ポットとして市販することも出来る。これにより、葦等の植物資源の有効活用に寄与することが出来る。
2、2a:型容器
4:成形用材
6:鉢状成形体
10:複合鉢
24:チップ化された植物
26:紙箱
30:苗木ポット作成用キット
34:展開盤
35、42:展開板
40、41:ミシン目
4:成形用材
6:鉢状成形体
10:複合鉢
24:チップ化された植物
26:紙箱
30:苗木ポット作成用キット
34:展開盤
35、42:展開板
40、41:ミシン目
Claims (7)
- 無機粉体、パルプ、糊材、水分を含む組成物が混練されて成り、前記糊材がポリビニルアルコールと硼素系化合物とを含む、成形用材。
- 前記無機粉体が、粘土、シラスバルーン、珪藻土から選択される1または複数種を含む請求項1に記載の成形用材。
- 前記組成物がさらに粉体状植物を含む請求項1又は2に記載の成形用材。
- 前記硼素系化合物が硼酸、硼砂から選択される化合物であり、前記ポリビニルアルコールに対する該化合物の比率が0.05〜5重量%である請求項1ないし3のいずれかに記載の成形用材。
- 前記糊材がカルボキシメチルセルロースを含む請求項1ないし4のいずれかに記載の成形用材。
- 無機粉体、パルプ、ポリビニルアルコール水溶液を混合して混合物を得る工程と、該混合物に硼素系化合物を加えて混練する工程とを含む成形用材の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の前記成形用材と、紙製の鉢形容器の材料である紙製シート材とを含んで構成され、前記紙製シート材が前記成形用材を収納する箱を展開した展開盤であり、該展開盤に前記鉢形容器を展開した展開板の輪郭形状に沿ったミシン目が形成され、該展開板から前記鉢形容器が組み立てられる苗木ポット作成用キット。
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