JP2007038337A - レジンボンドホイール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 砥粒1はその周囲に金属被膜2が施され、結合材中にはフィラー3が添加されている。金属被膜2は銅単体、銅を含む合金、またはチタンからなり、フィラー3は銅単体、銅を含む合金、またはチタンからなる。金属被膜2とフィラー3は、温度範囲が300℃から600℃の範囲で焼結されている。フィラー3の粒径は、砥粒1の粒径の5%以上90%以下としている。
【選択図】 図1
Description
レジンボンドの耐熱性を高めることを目的とした技術の一例が特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されている。
また、特許文献8には、メタル成分からなる結合剤と超砥粒とを焼成成形してなる超砥粒砥石において、結合剤内に焼成条件で成形可能な合成樹脂からなる充填材を分散させた超砥粒砥石が記載され、特許文献9には、ポリイミド樹脂を結合剤とする超砥粒層を有するホイールであって、超砥粒層がコバルト及び/又はコバルト基合金粉末を含む超砥粒ホイールが記載され、特許文献10には、ポリイミド樹脂を結合剤とする超砥粒層と、その超砥粒層を固定する台金とからなるホイールであって、超砥粒層が金属系フィラーを含むと共に、台金が金属系材料の粉末焼結体からなり、かつ該超砥粒層と台金とが、加圧焼成によって同時に一体的に成形されてなる超砥粒ホイールが記載されている。
接着性を高めるためにはフェノール樹脂を用いるのが良いが、フェノール樹脂は耐熱性が乏しく、高温になりやすい重研削条件下では劣化が著しく、砥粒が脱落しやすい。
また、砥粒保持力を高めるために、砥粒にニッケル金属被膜を施すことがなされているが、金属被膜を施すことによって得られる砥粒表面の凹凸は小さく、十分な砥粒保持力を得ることは難しい。
また、特許文献8に記載されたものは、メタルボンド中に合成樹脂からなる充填材を分散させたものであり、レジンボンド中にフィラーを含有するという構成のものではない。
また、特許文献9に記載されたものは、超砥粒層がコバルト及び/又はコバルト基合金粉末を含むことに特徴があり、耐摩耗性を高めたものである。
また、特許文献10に記載されたものは、超砥粒層と台金とが、加圧焼成によって同時に一体的に成形される点に特徴を有するものである。
上記の特許文献8、特許文献9、特許文献10のいずれによっても、耐熱性を維持しつつ砥粒保持力を高めることはできない。
また、フィラーと砥粒が焼結されることで、アンカー効果を得ることができ、砥粒保持力をさらに高めることができる。
以上のことにより、メタルボンドを使用できない研削用途において、切れ味の良いレジンボンドを用いたときにも、耐熱性を維持しつつ砥粒保持力を高めることが可能となる。
フィラーの粒径が砥粒の粒径の5%未満であると、フィラーの粒径が小さすぎてアンカー効果が得られず、砥粒保持力を十分に高めることができない。一方、フィラーの粒径が砥粒の粒径の90%を超えると、添加できるフィラーの数が少なくなり、金属被膜と接触できる確率が低下し、砥粒保持力の向上に寄与することができない。また、砥粒層中でのフィラーの分散性も低下し、フィラーとしての機能を十分に発揮することができない。
フィラーの含有量が5体積%未満では、フィラーが少なすぎてフィラーとしての機能が十分に得られず、80体積%を超えると、成形が不安定となって好ましくない。
図1に、本発明の実施形態に係るレジンボンドホイールについて、砥粒層における砥粒と結合材とを示す。
図1において、砥粒1はその周囲に金属被膜2が施され、結合材中にはフィラー3が添加されている。金属被膜2は銅単体、銅を含む合金、またはチタンからなり、フィラー3は銅単体、銅を含む合金、またはチタンからなる。金属被膜2とフィラー3は、温度範囲が300℃から600℃の範囲で焼結されている。結合材として使用する樹脂としては、耐熱温度が高いことが条件となるため、焼結温度の観点からポリイミド系樹脂を用いることが最も好ましく、その他、ポリビスマレイミド系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリピロメリット酸系樹脂等を用いることができる。
また、金属被覆としては、使用する超砥粒は電気を通さないことと、生産性、コストの観点から無電解メッキを用いることが最も好ましく、その他、電解メッキ、CVD、PVD、造粒等により被覆を形成してもよい。
表1に、超硬材の溝研削試験の試験条件を示す。
試験結果を表3に示す。
ニッケル被膜を施したテスト品1(従来品)の摩耗量が多いのに対して、これと同じ条件で銅被膜を施したテスト品2は摩耗量が低減しており、チタン被膜を施したテスト品3についても摩耗量の低減が見られる。これに対し、樹脂としてフェノールを用いたテスト品4は、銅フィラーを添加しても摩耗量が大きい。摩耗量の低減効果が最も顕著なものは、フィラーの粒径が、砥粒の粒径の5%以上90%以下の範囲である、テスト品2、テスト品3、テスト品5、テスト品7であり、フィラーの粒径がこの範囲より顕著に大きいテスト品6では摩耗量の低減効果が得られていない。また、テスト品8は、フィラーの粒径が小さすぎて、砥粒保持力が十分に得られず、摩耗量が多くなっている。
超硬材の溝研削においては、高精度の溝形状が求められているため、摩耗量が30μm以上摩耗することは好ましくない。この観点から、フィラーの粒径が、砥粒の粒径の5%以上90%以下の範囲であることが好ましい。
2 金属被膜
3 フィラー
Claims (2)
- ポリイミド系樹脂を結合材として用いたレジンボンドホイールであって、銅単体、銅を含む合金、またはチタンからなる金属被膜が施された砥粒と、銅単体、銅を含む合金、またはチタンからなるフィラーが添加された結合材とからなる砥粒層を有し、前記フィラーの粒径は、前記砥粒の粒径の5%以上90%以下であることを特徴とするレジンボンドホイール。
- 前記フィラーの含有量が、前記砥粒層から砥粒と金属被膜とを除いた結合材に対して5体積%以上80体積%以下であることを特徴とする請求項1記載のレジンボンドホイール。
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2005
- 2005-08-02 JP JP2005224507A patent/JP2007038337A/ja active Pending
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