JP2007036721A - 帰還型パルス幅変調方式ad変換器 - Google Patents

帰還型パルス幅変調方式ad変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】電源や積分器などの回路構成部材による分解能の制限を改善するPWMAD変換器を提供する。
【解決手段】本発明のPWMAD変換器は、公知のPWMAD変換器において、Vcomを被測定電圧の基準電圧とするために、被測定電圧の入力部に備えた、利得が0より大きい増幅器と、コンパレータの出力信号に同期してVcomを変動させるコモン変動回路とを備えて成り、また、前記コモン変動回路は、所定の抵抗比を成す複数の抵抗を備えて成り、Vcomの変動範囲となる所定電位を抵抗分割してVcomを生成すると共に、抵抗比からVcomの変動量を設定することから、PWMAD変換器の持つ分解能を損なうことなく電源電圧の低電圧化を可能とし、また、電源電圧をそのままに更に分解能を上げることを可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、帰還型PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)方式AD変換器(以下、PWMAD変換器と言う。)に関する。
従来、PWMAD変換器は、積分出力の1周期に掛かる時間を長くすることにより、分解能を大きく取ることが出来るため、高速且つ高分解能で処理可能なAD変換回路として、高性能機器に用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。また、原理や回路設計に関して詳しく解説しているものがある(例えば、非特許文献1参照)。
従来のPWMAD変換器の構成及び動作を、図5に示す回路図及び図6及び図7に示す出力波形を用いて説明する。
従来のPWMAD変換器0は、Ex入力端子1、Ec入力端子2及びEs入力端子3から入力される3つの入力信号を、コモングランドの電位(以下、Vcomと言う。)を基準電圧とする積分器4及びコンパレータ5を順次介して出力端子6から出力し、公知のディジタル処理部に入力する構成である。ただし、前記ディジタル処理部に関しては、公知であるため、図示及び説明を省略する。ここで、このPWMAD変換回路0で用いる電源は、+Vdd及びグランド(以下、GNDと言う。)を備える単電源であるものとし、積分器4及びコンパレータ5の各基準となるVcomを+Vdd/2として、図5中において同じ記号を用いて示してある。
前記Ex入力端子1は、被測定電圧:Ex(ここでは、Ex≧0とする。)を入力するものであり、抵抗Rxを介して積分器4のマイナス側入力端子に接続して成る。
また、前記Ec入力端子2は、パルス電圧:Ec(ここでは、+Ec=+Vddとし、−Ec=GNDとする。)を入力するものであり、抵抗Rcを介して積分器4のマイナス側入力端子に接続して成る。
また、前記Es入力端子3は、コンパレータ5の出力に応じて、積分器4の出力に対して負帰還となるように、Es入力端子3の接続を+VddとGNDとの内いずれか一方に自動で切り換えられる切換器7を備えて成り、切換器7によって切り換えられた一方の電位をリファレンス電圧:Esとして入力するものであり、抵抗Rsを介して積分器4のマイナス側入力端子に接続して成る。
図6は、各入力端子1、2及び3からの入力電圧に対する前記積分器4からの積分出力波形を示すものであり、図6(a)が、前記被測定電圧:Exが入力されない場合の出力波形であり、図6(b)が、Exを入力した場合の出力波形を示すものである。
図6(a)に示した積分出力は、Vcomに対して上下対称に最大振幅Vaで変動し、1周期が2t0の波形であるとし、前記パルス電圧:Ecの周期Tにおける前記積分出力の変動量の平均値はゼロとなる。ここで、2t0=周期Tである。
また、図6(b)に示した、被側低電圧:Exを入力した場合の積分出力は、Vcomに対して上下非対称に最大振幅Vxで変動し、1周期は、tα+tβと変化するが、図6(a)の場合と同様に、tα+tβ=周期Tとなり、前記パルス電圧:Ecの周期Tにおける前記積分出力の変動量の平均値はゼロとなる。
図7は、前記図6(a)に示したExを入力しない場合における、積分出力波形の振幅又は周期の異なる波形を示す図であり、図7(a)は、積分出力周期形の周期をt1(t1=T)とした場合に、最大振幅Vaであるとし、図7(b)は、周期t2(t2<t1)として、最大振幅Vb(Vb<Va)であるとし、図7(c)は、周期t3(t3>t1)として、最大振幅Vc(Vc>Va)であるとしたものである。
すなわち、PWMAD変換器0は、1周期の時間を長くするに伴い、1周期あたりのサンプリングを数多く取ることにより、分解能を向上させることを可能とするものである。また、コンパレータ5により、積分器4の出力に対して、リファレンス電圧が負帰還として入力されるため、コンパレータのオフセットやヒステリシスなどの影響を小さくできることから、高分解能の測定を可能とするものである。
特公昭44−8130号公報
「トランジスタ技術」、CQ出版社、1987年9月1日、第24巻、第9号、通巻第276号、p.391−399
しかしながら、前記図6(b)に示したように、Ex入力端子から被測定電圧Exを入力した場合において、Vcomを中心に積分出力波形が+Vdd側及びGND側に対称にならず、例えば、丸囲み部Xで示すように、入力される被測定電圧Exの値によっては前記積分出力の振幅が大きくなってしまい、電源電圧の範囲(従来例においては、+VddからGNDまでの範囲)を超えた分の出力がサチレーションを起こしてしまう場合があった。
また、このようなサチレーションを回避するために、積分出力波形の最大振幅Vaを、図7(b)に示したVbとして小さくするように、積分出力の大きさ自体を小さくする方法が考えられるが、この場合には、積分出力波形の振幅と共に1周期に掛かる時間が、t2(t2<t1)になってしまうため、これに伴い分解能が低下してしまう可能性があった。
また、前記図7(c)に示したように、1周期に掛かる時間をt3(t3>t1)とすることにより分解能の向上を目指した場合にも、1周期に掛かる時間に伴い積分出力の振幅も大きくなることから、同様に電源電圧の範囲を超えた分の出力がサチレーションを起こしてしまう可能性があった。
すなわち、積分出力は、電源電圧の範囲内でしか正確に捉えることができないため、最大振幅が電源電圧を超えないように積分出力波形の周期を設定しなければならなかった。このように、PWMAD変換器0の分解能は、電源及び積分器により制限を受け、これを改善するための最も単純な手段は、より性能の良い積分器又はより大きな出力を得られる電源に変えることであるが、これはコストアップに繋がるものである。
従って、本発明は上述の問題点を解決し、電源や積分器などの回路構成部品による分解能の制限を改善するPWMAD変換器を提供する。
上記課題を解決するために本発明は、被測定電圧、パルス電圧及びリファレンス電圧を入力する各入力部と、Vcomを基準電位とする積分器及びコンパレータと、前記3つの各入力部からの入力信号を積分器により加算積分した出力信号に対して負帰還となるように、前記コンパレータを介してリファレンス電圧の電位を切り換える切換器とを備えるPWMAD変換器において、Vcomを被測定電圧の基準電圧とするために、被測定電圧の入力部に備えた、利得が0より大きい増幅器と、コンパレータの出力信号に同期してVcomを変動させるコモン変動回路とを備えて成るPWMAD変換器。
また、前記コモン変動回路は、所定の抵抗比を成す複数の抵抗を備えて成り、Vcomの変動範囲となる所定電位を抵抗分割してVcomを生成すると共に、抵抗比からVcomの変動量を設定する。
また、前記コモン変動回路は、コンパレータの出力端子に一端を接続するコモン変動抵抗と、前記コモン変動抵抗のもう一端と前記Vcomの変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成る。
また、前記コンパレータがヒステリシス付きコンパレータであり、前記コモン変動回路は、ヒステリシス付きコンパレータに備えた抵抗を共用としたコモン変動抵抗と、積分器のプラス入力端子及びVcomに接続する前記コモン変動抵抗の一端と前記Vcomの変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成る。
また、前記コモン変動回路は、前記コモン変動抵抗と前記2つのコモン生成抵抗との抵抗比によりVcomの変動量を設定する。
また、前記コモン変動回路は、前記2つのコモン生成抵抗の抵抗比に応じた抵抗分割によってVcomを生成する。
また、前記コモン変動回路は、前記コモン生成抵抗の抵抗値を同値として備える。
更に、前記コモン変動回路は、前記コモン変動抵抗の抵抗値を小さくする又は前記2つのコモン生成抵抗の抵抗値を大きくすることによって、Vcomの変動量を大きくする。
本発明のPWMAD変換器は、被測定電圧、パルス電圧及びリファレンス電圧を入力する各入力部と、Vcomを基準電位とする積分器及びコンパレータと、前記3つの各入力部からの入力信号を積分器により加算積分した出力信号に対して負帰還となるように、前記コンパレータを介してリファレンス電圧の電位を切り換える切換器とを備えるPWMAD変換器において、Vcomを被測定電圧の基準電圧とするために、被測定電圧の入力部に備えた、利得が0より大きい増幅器と、コンパレータの出力信号に同期してVcomを変動させるコモン変動回路とを備えて成り、また、前記コモン変動回路は、所定の抵抗比を成す複数の抵抗を備えて成り、Vcomの変動範囲となる所定電位を抵抗分割してVcomを生成すると共に、抵抗比からVcomの変動量を設定することから、PWMAD変換器の持つ分解能を損なうことなく電源電圧の低電圧化を可能とし、また、電源電圧をそのままに更に分解能を上げることを可能とする。
また、前記コモン変動回路は、コンパレータの出力端子に一端を接続するコモン変動抵抗と、前記コモン変動抵抗のもう一端と前記Vcomの変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成り、また、前記コンパレータがヒステリシス付きコンパレータであり、前記コモン変動回路は、ヒステリシス付きコンパレータに備えた抵抗を共用としたコモン変動抵抗と、積分器のプラス入力端子及びVcomに接続する前記コモン変動抵抗の一端と前記Vcomの変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成ることから、性能の良いAD変換器を複雑な回路を要せず安価に構成可能とする。
また、前記コモン変動回路は、前記コモン変動抵抗と前記2つのコモン生成抵抗との抵抗比によりVcomの変動量を設定し、また、前記2つのコモン生成抵抗の抵抗比に応じた抵抗分割によってVcomを生成し、また、前記コモン生成抵抗の抵抗値を同値として備え、更に、前記コモン変動抵抗の抵抗値を小さくする又は前記2つのコモン生成抵抗の抵抗値を大きくすることによって、Vcomの変動量を大きくするものであることから、積分出力に応じて簡便にVcomを設定することを可能とする。
本発明のPWMAD変換器は、被測定電圧、パルス電圧及びリファレンス電圧を入力する各入力部と、Vcomを基準電位とする積分器及びコンパレータと、前記3つの各入力部からの入力信号を積分器により加算積分した出力信号に対して負帰還となるように、前記コンパレータを介してリファレンス電圧の電位を切り換える切換器とを備えるPWMAD変換器において、Vcomを被測定電圧の基準電圧とするために、被測定電圧の入力部に備えた、利得が0より大きい増幅器と、コンパレータの出力信号に同期してVcomを変動させるコモン変動回路とを備えて成る。
また、前記コモン変動回路は、所定の抵抗比を成す複数の抵抗を備えて成り、Vcomの変動範囲となる所定電位を抵抗分割してVcomを生成すると共に、抵抗比からVcomの変動量を設定するものである。
また、前記コモン変動回路は、コンパレータの出力端子に一端を接続するコモン変動抵抗と、前記コモン変動抵抗のもう一端と前記Vcomの変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成る。
また、前記コンパレータがヒステリシス付きコンパレータであり、前記コモン変動回路は、ヒステリシス付きコンパレータに備えた抵抗を共用としたコモン変動抵抗と、積分器のプラス入力端子及びVcomに接続する前記コモン変動抵抗の一端と前記Vcomの変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成る。
また、前記コモン変動回路は、前記コモン変動抵抗と前記2つのコモン生成抵抗との抵抗比によりVcomの変動量を設定するものである。
また、前記コモン変動回路は、前記2つのコモン生成抵抗の抵抗比に応じた抵抗分割によってVcomを生成するものである。
また、前記コモン変動回路は、前記コモン生成抵抗の抵抗値を同値として備える。
更に、前記コモン変動回路は、前記コモン変動抵抗の抵抗値を小さくする又は前記2つのコモン生成抵抗の抵抗値を大きくすることによって、Vcomの変動量を大きくするものである。
本発明の実施例1は、従来技術として例示した図5の回路で構成されたPWMAD変換器0において、コンパレータ5の出力に同期してVcomを変動させる回路と、被測定電圧:ExをVcomを基準とする入力信号として積分器に入力するためのアンプとを設けることにより、積分出力がVcomに同期して変動させ、積分出力の最大振幅を実質上小さくすることを可能とするように構成したものである。
以下、本発明の実施例1を図面を用いて説明する。図1は、本実施例1のPWMAD変換器10の回路図である。ここでは、従来例として図5に示したPWMAD変換器0との比較により、本発明のPWMAD変換器10の構成を説明する。ただし、同じ構成及び作用のものは、同じ符号を用いて説明する。
図1によると、実施例1のPWMAD変換器10は、Ex入力端子1及び抵抗Rx、Ec入力端子2及び抵抗Rc、Es入力端子3及びRs、積分器4、コンパレータ5、出力端子6並びに切換器7を備えて成り、後述するVcomの変動範囲となる電源は、+VddからGNDまでを電圧範囲とする単電源を用いて構成するものである。ここまでの構成は、図5の前記PWMAD変換器0と同様である。
本発明のPWMAD変換器10は、上記構成に加えて、コンパレータ5と出力端子6との接続間に、Vcomを変動させるためのコモン変動回路8を接続し、また、Ex入力端子1と抵抗Rxとの接続間にVcomを基準電位とする利得1のアンプであるボルテージフォロワ9を接続して構成する。
前記コモン変動回路8は、前記電源電圧を抵抗分割してVcomを生成すると共に、抵抗比からVcomno 変動量を設定するための複数の抵抗を備えてなるものであり、具体的には、コンパレータ5と出力端子6との接続間にコモン変動抵抗R1の一方の片端を接続し、もう一方の片端は、コモン生成抵抗R2及びR3を各々介して+Vdd及びGNDに接続して構成する。これにより、前記コモン変動抵抗R1並びにコモン生成抵抗R2及びR3の抵抗比を適切に設定することによって、コンパレータ5の出力に同期してVcomを+Vdd及びGND間において変動させるものである。
続いて、図2を含めて、実施例1のPWMAD変換器10の動作を説明する。特に前記各抵抗R1、R2及びR3の関係によって、どのような積分出力波形が得られるかを詳述する。
図2は、前記Ex入力端子1からの入力が無い場合、すなわち、被測定電圧Ex=0の場合の積分器4から出力される積分出力波形を示しており、前記コモン変動回路8において、前記コモン生成抵抗R2及びR3の関係を、R2=R3=Rとしたときの、積分出力に応じた前記コモン変動抵抗R1の抵抗値の違いによる3つの態様を(a)、(b)及び(c)として図示したものである。ここで、前述のようにR2=R3=Rとしたことから、Vcomは、電源を同値の抵抗により抵抗分割して生成することになり、Vcom=+Vdd/2となる。
図2(a)は、コモン変動回路8によるVcomの変動が無い場合の波形、すなわち、前記従来技術で図6(a)に例示したPWMAD変換器0の積分出力波形を示す図であり、図2(b)は、前記図2(a)に対して、積分出力波形の出力振幅を小さくして電源の低電圧化を可能とするように、コモン変動回路8によりVcomを変動させた場合の波形を示す図であり、図2(c)は、同じく、前記図2(a)に対して、積分出力波形の周期を長く取ることにより分解能を上げて高精度化を目指した場合に、最大振幅が変わらないように、コモン変動回路8によりVcomを変動させた場合の波形を示す図である。
図2(a)に示すように、Vcomの変動が無い従来のPWMAD変換器0における積分出力波形は、出力電圧の最大振幅をVaとし、1周期の時間をt1とする波形として得られる。ここで、積分出力波形を区切るように縦の点線で示す位置pは、前記コンパレータ5の切り換えのタイミング、つまり、積分出力に対して負帰還となるように切換器7によって、リファレンス電圧Esを+Vdd又はGNDのいずれかに切り換えるタイミングを示す。
実施例1のPWMAD変換器10は、まず、図2(b)において、前記コモン変動回路8のコモン変動抵抗R1並びにコモン生成抵抗R2及びR3を後述する所望の抵抗比に設定してあることによって、コンパレータ5の切り換えのタイミングに従って、積分出力に対して負帰還となるようにVcomが変動すると共に、積分出力も同じ量だけ変動する。これによって、図示したようにVcomA又はVcomBとして変動したVcomを基準にして積分出力波形が形成され、結果として、積分出力の最大振幅はVbとなり、Vb<Vaなる関係を得る。
このとき、電源電圧は、Vcomを中心とする積分出力波形の最大振幅Vbがサチレーションを起こさない程度あれば良いため、少なくとも(Va−Vb)分の低電源化することを可能とするものである。
ここで、前記コモン変動抵抗R1並びにコモン生成抵抗R2及びR3の関係を以下に示す。前述したように、R2=R3=RとしてR1を変動させた場合、Vcomは、Vcom=+Vdd/2を中心に、コンパレータ5の切り換えのタイミングに従って+Vdd側又はGND側に同じ量だけ変動するものである。
例えば、コンパレータ5の出力に伴い、切換器7がリファレンス電圧Es=+Vddとして切り換えられた場合、前記コンパレータ5に接続されている前記コモン変動抵抗R1の一端は、+Vddに接続されていることになり、このときのVcomをVcomAとして、
VcomA={(R+R1)/(R+2R1)}×Vdd・・・(式1)
で表される。
また、コンパレータ5の出力に伴い、切換器7がリファレンス電圧Es=GNDとして切り換えられた場合、前記コンパレータ5に接続されている前記コモン変動抵抗R1の一端は、GNDに接続されていることになり、このときのVcomをVcomBとして、
VcomB={R1/(R+2R1)}×Vdd・・・(式2)
で表される。
これにより、図2(b)並びに式(1)及び式(2)によって、VcomA>VcomBとなることが分かる。すなわち、コンパレータ5の出力が+Vddであった場合、Vcom=+Vdd/2よりも高い電位を基準として積分出力波形が形成され、コンパレータ5の出力がGNDであった場合、Vcom=+Vdd/2よりも低い電位を基準として積分出力波形が形成されるものであり、電源の低電圧化を可能とする。
続いて、図2(c)に示すように、PWMAD変換器10は、図2(a)の積分出力に対して、積分出力波形の1周期に掛かる時間を長くとり、振幅を大きくして分解能を更に向上させる場合であっても、最大振幅Vaを維持したまま、つまり、電源電圧を維持したままで分解能を上げることも可能であり、従来例において、図7(c)に示したような、従来のPWMAD変換器0ではサチレーションを起こす可能性のある状態を回避することを可能とするものである。
すなわち、パルス電圧Ecの1周期Tの時間を図2(a)に示すt1からt3(t3>t1)とするものであり、これに伴い積分出力波の振幅も大きくなるが、これに対して、最大振幅Vaを維持させるようにコモン変動回路8の抵抗比を設定することによってVcomの変動量、つまり、前記VcomAとVcomBとの電位差を大きくするものである。
ここで、VcomAとVcomBとの電位差をHとすると、H=VcomA−VcomBと表され、前記式1及び2より、
H=R/(R+2R1)×Vdd・・・(式3)
と表される。
従って、コモン生成抵抗Rとコモン変動抵抗R1との関係は、コモン変動抵抗R1の抵抗値を小さくする又はコモン生成抵抗Rの抵抗値を大きくするように、抵抗比を設定することによって、前記VcomAとVcomBとの電位差Hを大きくすることが可能であることが分かる。これによって、Vcomは、Vcom=+Vdd/2からの変動量が大きくなり、図2(c)に示すようにVcomC及びVcomDを基準として、これに同期して積分出力波形が形成されるものであり、電源に依らず高分解能を可能とするものである。
次に、図3を含めて、被測定電圧Exを入力した場合の例を説明する。また、2つのコモン生成抵抗R2とR3との関係によるVcom変動についても説明する。
図3は、従来例の図6(b)に示した、被測定電圧Exを入力した場合の積分出力波形において、丸囲み部Xに示したサチレーションを回避するようにVcomを変動させた積分出力波形を示す図であり、図3(a)は、図2を用いて前述したものと同様にして、コモン生成抵抗Rとコモン変動抵抗R1との抵抗比によりVcomA及びVcomBを設定した場合の図であり、図3(b)は、コモン生成抵抗R2とR3との抵抗比によるVcom変動の場合の図である。
図3(a)においては、前記図2(b)と同様にして、積分出力波形適切に設定したコモン変動抵抗R1とコモン生成抵抗Rとの抵抗比により、VcomA及びVcomBを各々基準とする積分出力波形を形成することによって、最大サチレーションを回避することを可能とし、また、最大振幅をVy(Vy<Vx)となることから、低電圧下を可能とするものである。
また、ここでは図示していないが、図2(c)と同様にして積分出力波形の1周期に掛かる時間を長くすることにより、電源電圧を維持したままで分解能を上げることも可能である。
また、Vcom=+Vdd/2に対して+Vdd側とGND側の積分出力波形が非対称となる場合において、コモン生成抵抗R2とR3との抵抗比による抵抗分割を用いて、Vcomを変動させることも有用であり、R1=0としたときの積分出力波形を示したものが図3(b)である。
この場合において、Vcomは、コモン生成抵抗R2とR3との抵抗分割によってのみ設定され、このときのVcomをVcomEとすると、
VcomE=R3/(R2+R3)・・・(式4)
で表される。
従って、R3>R2として、コモン生成抵抗R2とR3との抵抗比を設定した場合には、Vcom=+Vdd/2よりも高い電位を基準として積分出力波形が形成され、逆にR2>R3となる場合には、Vcom=+Vdd/2よりも低い電位を基準として積分出力波形が形成されるものである。
更に、図示しないが、PWMAD変換器10は、R2とR3との抵抗比によりVcomを+Vdd/2から変動させた上で、R1とR2及びR3との抵抗比により、VcomA及びVcomBを各々設定しVcomAとVcomBとの電位差自体を小さくすることができる。これにより、コンパレータ5の出力に同期してVcomを切り換える際の応答性が安定し、より精度の高い測定を可能とするものである。
本発明の実施例2は、実施例1のPWMAD変換器10のコンパレータ5に代えてヒステリシス付きコンパレータを用いた例を示す。図4は、実施例2の回路図である。以下、図1との差異を用いて説明する。
本実施例2で用いるヒステリシス付きコンパレータ15に備えた2つの抵抗R1及びR4は、コモン変動回路17におけるコモン変動抵抗として共有されるものであり、R1は、Vcomに接続される積分器のプラス入力端子とヒステリシス付きコンパレータ15のプラス側入力端子との間に接続され、R4は、前記R1のヒステリシス付きコンパレータ15のプラス側入力端子に接続された一端とヒステリシス付きコンパレータ15の出力端子との間に接続されて成る。
また、前記R1の積分器のプラス入力端子及びVcomに接続された一端は、各々R2及びR3を介して+Vdd及びGNDに接続されて成る。つまり、実施例1で示したコモン変動抵抗R1は、実施例2においてはR1とR4との合成抵抗で表されるものであり、この合成抵抗をRfとすると、コモン変動抵抗Rf並びにコモン生成抵抗R2及びR3の関係は、実施例1に示したコモン変動抵抗R1並びにコモン生成抵抗R2及びR3の関係と同様であり、各抵抗の抵抗比を適切に設定することにより、前述した実施例1と同様の効果を得ることを可能とするものである。
なお、実施例1及び実施例2においては、Ex入力端子1からの入力信号に対して、基準電位をVcomにとるために、利得が1となるボルテージフォロワ9を用いたが、ボルテージフォロワに限定されること無く、利得が0より大きい増幅器であれば良い。
また、前記コモングランドの変動範囲となる所定の電位差を、+VddからGNDまでとする単電源回路での動作を例示したが、例えば、+Vddから−Vddまでの負電圧を含む電源回路においても同様に動作するものである。
第1実施例のPWMAD変換器の回路図である。 (a)Ex入力が無い場合のR1=0のときの積分出力波形である。(b)Ex入力が無い場合の低電圧化させるようにVcomを変動させたときの積分出力波形を示す図である。(c)Ex入力が無い場合の分解能を向上させるようにVcomを変動させたときの積分出力波形を示す図である。 (a)Exを入力した場合のRとR1との抵抗比によりVcomを変動させたときの積分出力波形を示す図である。(b)Exを入力したときのR2とR3との抵抗比によりVcomを変動させたときの積分出力波形を示す図である。 第2実施例のPWMAD変換器の回路図である。 従来のPWMAD変換器の回路図である。 (a)Ex入力が無い場合の従来のPWMAD変換器の入力と積分出力との関係を示す図である。(b)Exを入力した場合の従来のPWMAD変換器の入力と積分出力との関係を示す図である。 (a)Ex入力が無い場合の従来のPWMAD変換器の積分出力波形である。(b)Ex入力が無い場合の低電圧化させるように1周期を短くしたときの積分出力波形を示す図である。(c)Ex入力が無い場合の分解能を向上させるように1周期を長くしたときの積分出力波形を示す図である。
符号の説明
0,10 PWMAD変換器
1 Ex入力端子
2 Ec入力端子
3 Es入力端子
4 積分器
5 コンパレータ
6 出力端子
7 切換器
8 コモン変動回路
9 ボルテージフォロワ
15 ヒステリシス付きコンパレータ
18 コモン変動回路
R1、Rf コモン変動抵抗
R2、R3、R コモン生成抵抗

Claims (8)

  1. 被測定電圧、パルス電圧及びリファレンス電圧を入力する各入力部と、コモングランドの電位を基準電位とする積分器及びコンパレータと、前記3つの各入力部からの入力信号を積分器により加算積分した出力信号に対して負帰還となるように、前記コンパレータを介してリファレンス電圧の電位を切り換える切換器とを備える帰還型パルス幅変調方式AD変換器において、
    コモングランドの電位を被測定電圧の基準電圧とするために、被測定電圧の入力部に備えた、利得が0より大きい増幅器と、
    コンパレータの出力信号に同期してコモングランドの電位を変動させるコモン変動回路とを備えて成ることを特徴とする帰還型パルス幅変調方式AD変換器。
  2. 前記コモン変動回路は、所定の抵抗比を成す複数の抵抗を備えて成り、コモングランドの電位の変動範囲となる所定電位を抵抗分割してコモングランドの電位を生成すると共に、抵抗比からコモングランドの電位の変動量を設定することを特徴とする請求項1記載の帰還型パルス幅変調方式AD変換器。
  3. 前記コモン変動回路は、コンパレータの出力端子に一端を接続するコモン変動抵抗と、前記コモン変動抵抗のもう一端と前記コモングランドの電位の変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成ることを特徴とする請求項2記載の帰還型パルス幅変調方式AD変換器。
  4. 前記コンパレータがヒステリシス付きコンパレータであり、前記コモン変動回路は、ヒステリシス付きコンパレータに備えた抵抗を共用としたコモン変動抵抗と、積分器のプラス入力端子及びコモングランドに接続する前記コモン変動抵抗の一端と前記コモングランドの電位の変動範囲となる所定電位を発生する2つの電圧端子との間に、各々接続する2つのコモン生成抵抗とを備えて成ることを特徴とする請求項2記載の帰還型パルス幅変調方式AD変換器。
  5. 前記コモン変動回路は、前記コモン変動抵抗と前記2つのコモン生成抵抗との抵抗比によりコモングランドの電位の変動量を設定することを特徴とする請求項3又は4記載の帰還型パルス幅変調方式AD変換器。
  6. 前記コモン変動回路は、前記2つのコモン生成抵抗の抵抗比に応じた抵抗分割によってコモングランドの電位を生成することを特徴とする請求項3乃至5の内いずれか一項に記載の帰還型パルス幅変調方式AD変換器。
  7. 前記コモン変動回路は、前記コモン生成抵抗の抵抗値を同値として備えることを特徴とする請求項3乃至6の内いずれか一項に記載の帰還型パルス幅変調方式AD変換器。
  8. 前記コモン変動回路は、前記コモン変動抵抗の抵抗値を小さくする又は前記2つのコモン生成抵抗の抵抗値を大きくすることによって、コモングランドの電位の変動量を大きくすることを特徴とする請求項3乃至7の内いずれか一項に記載の帰還型パルス幅変調方式AD変換器。


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