JP2007036403A - 空間多重送信装置および送信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝達関数推定誤差の大きい環境において、伝送品質の劣化を低減可能な空間多重送信装置を提供する。
【解決手段】空間多重送信装置1は、複数の送受信手段を備え、伝搬環境に適した送信重みを決定し、送信する各信号系列に重み付けを行い空間多重及び直交波周波数分割多重により送信を行う。伝達関数行列推定部1701〜170Fは、直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定する。送信重み決定ブロック001は、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列に基づいて当該周波数帯の信号系列の送信重みを算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】空間多重送信装置1は、複数の送受信手段を備え、伝搬環境に適した送信重みを決定し、送信する各信号系列に重み付けを行い空間多重及び直交波周波数分割多重により送信を行う。伝達関数行列推定部1701〜170Fは、直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定する。送信重み決定ブロック001は、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列に基づいて当該周波数帯の信号系列の送信重みを算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、直交波周波数分割多重により送信を行う空間多重送信装置および送信方法に関する。
直交波周波数分割多重送信装置は、直交性を利用し周波数軸上でのオーバーラップを許容することで中心周波数が異なる複数の搬送波を利用でき、高い周波数効率を実現する送信装置である。また、空間多重伝送用送信装置(以下、空間多重送信装置と記載)は、複数のアンテナ素子から異なる信号を送信することで、周波数帯域を増大することなしに高速伝送を実現する送信装置である。
図8に、非特許文献1に開示されている従来のマルチビームを形成することで伝送品質を改善する空間多重送信装置を示す。空間多重送信装置は、シリアル−パラレル(S/P)(Serial/Parallel)変換部700と、変調部711〜71Lと、マルチビーム形成部721〜72Lと、信号合成部731〜73Nと、送信部741〜74Nと、切り替え部751〜75Nと、送信用アンテナ素子761〜76Nと、受信部771〜77Nと、重み決定部780から構成される。
以下、空間多重送信装置の動作について説明する。まず、S/P変換部700によって入力される送信信号から複数の信号系列T1〜TLが生成され、変調部711〜71Lにより複数の信号系列T1〜TLからL系列の送信信号系列が形成される。そして、マルチビーム形成部721〜72Lによって、各々送信重み決定部780により決定され、入力される重みに基づいて、異なった指向性を有する各アンテナ素子への出力信号が形成される。マルチビーム形成部721〜72Lによって形成される出力信号は、信号合成部731〜73Nによって同一のアンテナ素子に出力される信号ごとに足し合わされ、送信部741〜74NによってD/A(Digital/Analogue)変換及びアップコンバートが行われる。そして、切り替え部751〜75Nによって、送信部741〜74Nから出力される信号が送信用アンテナ素子761〜76Nから、同一の時刻、かつ同一の周波数で送信される。
ここで、送信重み決定部780では受信部771〜77Nにおいてダウンコンバートされ、A/D(Analogue/Digital)変換されることにより得られる受信信号の情報に基づいて、マルチビーム形成部721から72Lで送信信号にかけられる重みが以下のようにして算出される。
まず、送信重み決定部780は、伝達関数行列Hの特異値分解、すなわちH=UDVHの演算を行い、ユニタリ行列U、V及び特異値√λを対角要素とする対角行列Dを算出する。送信アンテナ数をN、受信アンテナ数をM、XをMとNのうち小さい方の数字とし、ベクトルu1〜uxをM×1の列ベクトルとし、ベクトルv1〜vxをN×1の列ベクトルとする。ここで、上添え字Hは共役転置を表すものとすると、伝達関数行列Hは次式(1)で表される。
式(1)において、伝達関数行列Hの要素Hijは、送信アンテナjで送信され、受信アンテナiで受信したときの伝達関数となっている。次に、送信重み決定部780は、特異値の大きい方からL個を選択し、各特異値に対応したユニタリ行列Vの列ベクトルv1〜vLを重みとして選択し、L個の信号T1〜TLから各列ベクトルを用いて次式(2)によって各アンテナ素子から送信されるS1〜SNを形成する。
式(2)において、ユニタリ行列Vは、その共役複素転置行列HHと伝達関数行列Hとの積のHHHの固有ベクトルとなっている。
受信局では、例えば送信局から送信されるビームの数L以上の受信アンテナを用いて復号を行う。以下に、送信アンテナ数をN、受信アンテナ数Mとし、ビーム数をL(L≦N、L≦M、X=L)とした場合の復号方法の例を示す。受信局アンテナ素子において受信される信号をR1〜RLとし、各受信信号における雑音をn1〜nLとすると、空間多重送信装置によって信号を送信した際の受信信号R1〜RLは次式(3)によって表すことができる。
受信局では、例えば送信局から送信されるビームの数L以上の受信アンテナを用いて復号を行う。以下に、送信アンテナ数をN、受信アンテナ数Mとし、ビーム数をL(L≦N、L≦M、X=L)とした場合の復号方法の例を示す。受信局アンテナ素子において受信される信号をR1〜RLとし、各受信信号における雑音をn1〜nLとすると、空間多重送信装置によって信号を送信した際の受信信号R1〜RLは次式(3)によって表すことができる。
したがって、受信部771〜77Nでは次式(4)に基づいて演算を行うことによって、送信信号を復号することが可能となる。
ここで、式(4)において、T’1〜T’Lは受信部771〜77Nで推定される送信信号である。複数のアンテナを用いることによって、周波数帯域を増大せずにアンテナ数倍の伝送速度を実現することが可能であり、指向性利得が得られ、さらにN素子からLビームを形成する(N≧L)とすることによって良好なビームを選択できるためダイバーシチ効果も得ることができる。
Miyashita, K.;Nishimura, T.;Ohgane, T.;Ogawa, Y;Taktori, Y.;Keizo Cho;"High data-rate transmission with eigenbeam-space division multiplexing(E-SDM) in a MIMO channel"Vehicular Technology Conference, 2002.Proceedings. VTC 2002-Fall.2002 IEEE 56th, Volume:3, 24-28 Sept.2002 Pages:1302_1306 vol.3.
Miyashita, K.;Nishimura, T.;Ohgane, T.;Ogawa, Y;Taktori, Y.;Keizo Cho;"High data-rate transmission with eigenbeam-space division multiplexing(E-SDM) in a MIMO channel"Vehicular Technology Conference, 2002.Proceedings. VTC 2002-Fall.2002 IEEE 56th, Volume:3, 24-28 Sept.2002 Pages:1302_1306 vol.3.
しかしながら、上述した空間多重送信装置おける送信方法は推定した伝達関数行列Hのみによって形成されるため、伝達関数推定誤差が大きい環境に適用した場合、伝送品質の大きな劣化を招くという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、伝達関数推定誤差の大きい環境において、伝送品質の劣化を低減可能な空間多重送信装置および送信方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、複数の送受信手段を備え、伝搬環境に適した送信重みを決定し、送信する各信号系列に重み付けを行い空間多重及び直交波周波数分割多重により送信を行う空間多重送信方法であって、直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定し、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯及びその前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列を選択し、選択した伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列に基づいて平均化相関行列を算出し、算出した前記平均化相関行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することを特徴とする空間多重送信方法である。
また、本発明は、複数の送受信手段を備え、伝搬環境に適した送信重みを決定し、送信する各信号系列に重み付けを行い空間多重及び直交波周波数分割多重により送信を行う空間多重送信方法であって、直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定し、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯及びその前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列を選択し、選択した伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列を算出し、算出した送信側相関行列に当該周波数帯からの周波数差に対応する重みを乗算した上で和を求め、得られた平均化相関行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することを特徴とする空間多重送信方法である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、あるいはずれを表す誤差量を算出し、算出される相関値あるいは誤差量が、予め推定した伝達関数行列の誤差量に対して、十分高い相関を有する、もしくは低い誤差と判定される場合、対応する周波数差の周波数帯の伝達関数行列を用いることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す誤差量を算出し、算出した相関値もしくは誤差量に対し、予め推定した伝達関数行列の推定誤差量に基づき、該当する周波数差の周波数帯から得られる伝達関数行列を用いることによる雑音低減効果を判定し、雑音低減効果が異なる周波数帯の情報を用いることによる推定精度の劣化より大きいと判定される場合、対応する周波数差の周波数帯から得られる伝達関数行列を用いることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と、当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す誤差量をそれぞれに等しい周波数差をもつ周波数帯で算出し、算出により得られる相関値もしくは誤差量及び予め推定した伝達関数行列の推定誤差量から各周波数帯に周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった際の、当該周波数帯の真の伝達関数行列からのずれの分布を推定し、ずれに対応する伝送品質の劣化量との畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の伝達関数行列を平均し、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と、当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す相関値もしくは誤差量を算出し、算出により得られる相関値もしくは誤差に対し予め推定した伝達関数行列の推定誤差量を用いて補正を行い、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとって得られる行列の当該周波数帯の真の伝達関数行列から得られる行列とのずれをカイ2乗分布により推定し、ずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記伝達関数行列を通信相手局からのフィードバック情報に基づいて推定する場合に、フィードバック情報を送信する通信相手局において前後周波数帯の選択法もしくは重み量があらかじめ選択され、選択される情報をフィードバック情報に含めることで、フィードバック情報を削減しつつ、量子化誤差による推定誤差を低減することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、当該周波数帯の前後に同じ周波数距離の周波数帯の前記送信側相関行列を用いるかわりに、伝達関数行列を用い、平均もしくは、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった後で得られた行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列を乗算し、算出した行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することを特徴とする。
また、本発明は、N個のアンテナ素子を用い、直交波周波数分割多重を用いたF個の周波数多重と、L個の空間多重による送信を行う空間多重送信装置であって、前記各アンテナ素子に接続され、受信信号と送信信号を切り替える切り替え部と、前記切り替え部に接続され、前記切り替え部から出力される受信信号を入力信号として受信する受信部と、前記受信部に接続され、前記受信部が受信する前記入力信号にフーリエ変換を行い、それぞれF個の受信信号に変換するN個のフーリエ変換部と、前記フーリエ変換部の対応する周波数帯の受信信号を入力信号とし、その周波数帯での伝達関数行列を推定する伝達関数行列推定部と、送信重みを決定する送信重み決定ブロックであって、各ポートに入力される前記送信側相関行列に基づいて平均化相関行列を求め、得られた平均化相関行列の固有ベクトルを演算し、演算によって算出した前記固有ベクトルを各周波数帯における送信重みを演算して出力する送信重み演算部と、前記伝達関数行列推定部に接続され、前記伝達関数行列推定部から入力されるF個の伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列を算出し、t番目の周波数帯の送信重みを決定するための情報が入力される前記送信重み演算部のt番目のポートに、t番目の周波数帯に対応する前記送信側相関行列及びt番目の周波数帯およびt番目の周波数帯の前後同じ周波数距離の周波数帯の前記送信側相関行列とを出力する伝達関数行列演算分配部と、を具備する送信重み決定ブロックと、送信する入力信号にシリアル−パラレル変換を行い、周波数分割多重数F×空間多重数Lに振り分けるシリアル−パラレル変換部と、前記シリアルーパラレル変換部の出力信号を入力信号とし、送信信号系を出力するF×L個の変調部と、前記変調部から出力される信号を入力信号とし、N個の信号系列に分割し、前記送信重み演算部により出力される送信重みに基づいて重み付けを行い、N×F個の信号合成部の対応するポートに出力を行うマルチビーム形成部と、前記マルチビーム形成部のうち対応するL個のマルチビーム形成部からL個のポートに入力される信号を重ね合わせて出力をする信号合成部と、前記信号合成部から出力されるF個の信号に逆フーリエ変換を行うN個の逆フーリエ変換部と、前記逆フーリエ変換部から出力される信号を前記送信信号として前記切換え部に出力するN個の送信部と、を備えたことを特徴とする空間多重送信装置である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記送信重み演算部は、前記伝達関数行列演算分配部に接続され、各ポートに入力される前記送信側相関行列の和もしくは平均を算出して平均化相関行列を得て、得られる平均化相関行列の固有ベクトルを演算し、演算によって算出した前記固有ベクトルを各周波数帯における送信重みを演算して出力することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記送信重み演算部は、同じ周波数差の周波数帯における前記送信側相関行列および当該周波数帯の前記送信側相関行列に対し、当該周波数帯からの周波数差に対応する予め定めた重み値を乗算した上で和を求め、得られた平均化相関行列の固有ベクトルを演算することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記送信重み決定ブロックは、前記伝達関数行列推定部において推定されるF個の伝達関数行列より、t番目の周波数帯において前後の周波数帯の情報をどれだけ用いるか判定する判定・重み決定部を備え、前記伝達関数行列演算分配部は、t番目の周波数帯に対応する判定・重み決定部の対応するポートに、t番目の周波数帯およびt番目の周波数帯から前後に同じ周波数ずれた周波数帯の伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列、もしくはその両方を出力し、前記判定・重み決定部は、前記伝達関数行列演算分配部から入力されるt番目の周波数帯における伝達関数行列もしくは送信側相関行列とt±α番目の伝達関数行列もしくは送信側相関行列を平均して得られる行列の比較を行い、伝達関数行列の推定誤差も考慮した上で得られるt番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値等の値を算出し、推定誤差に比べ、十分高い相関を有するもしくは低い誤差量であると判定される場合に、対応する周波数差の周波数帯の前記送信側相関行列に重みを乗算し、前記送信重み演算部のt番目のポートに出力し、前記送信重み演算部は、前記判定・重み決定部から各ポートに入力される行列の平均もしくは和をとることで得られる行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列の積から各周波数帯における送信重みを演算し、前記マルチビーム形成部の送信重みとして出力することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、t番目の周波数帯の送信重みを決定する前記判定・重み決定部は、t番目の周波数帯に対して入力されるt±α番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列から得られる行列について、t番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値を演算し、伝達関数行列の推定誤差に基づき、α個ずれた周波数帯から得られる伝達関数行列を用いることによる雑音低減効果を判定し、雑音低減効果が異なる周波数帯の情報を用いることによる推定精度の劣化より大きい場合に、対応する周波数差の周波数帯から得られる前記送信側相関行列を、前記送信重み演算部に出力することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記判定・重み決定部は、t番目の周波数帯の送信重みを決定する判定および重み決定部において、t番目の周波数帯に対して入力されるt±α番目の周波数帯の伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列から得られる行列について、t番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値を演算し、伝達関数行列の推定誤差から、各周波数帯に周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった際の、当該周波数帯の真の伝達関数行列からのずれの分布を推定し、予め前記判定・重み決定部が記憶しているずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みを行い、伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行い、前記送信重み演算部に出力を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、t番目の周波数帯の送信重みを決定する前記判定・重み決定部は、t番目の周波数帯に対して入力されるt±α番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列から得られる行列について、t番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値を演算し、伝達関数行列の推定誤差によって補正を行い、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとって得られる行列の当該周波数帯の真の伝達関数行列から得られる行列とのずれをカイ2乗分布により推定し、予め前記判定および重み決定部が記憶しているずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みを行い、伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行い、前記送信重み演算部に出力を行うことを特徴とする。
また、本発明は、N個のアンテナ素子を用い、直交波周波数分割多重を用いたF個の周波数多重と、L個の空間多重による送信を行う空間多重送信装置であって、通信相手局において前後周波数帯の選択法もしくは重み量を予め決定され、前記通信相手局から送信されるフィードバック情報により得られる伝達関数行列および決定される前後周波数帯の選択法もしくは重みの乗算法を記憶するフィードバック情報記憶部と、前記フィードバック情報記憶部に記憶されるF個の伝達関数行列に基づいて、t番目の周波数帯において前後の周波数帯の情報をどれだけ用いるか判定し、前記フィードバック情報記憶部からt番目の周波数帯における伝達関数行列もしくは伝達関数行列とt±α番目の伝達関数行列もしくは伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列を読み出して、比較を行い、伝達関数行列の推定誤差も考慮した上で得られるt番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積からのずれを表す誤差量もしくは相関値等の値を算出し、推定誤差に比べ、十分高い相関を有するもしくは低い誤差量であると判定される場合に、対応する周波数差から得られる伝達関数行列に重みを乗算し、前記送信重み演算部のt番目のポートに出力する判定・重み決定部と、前記判定・重み決定部から各ポートに入力される行列の平均もしくは和をとることで得られる行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列の積から各周波数帯における送信重みを演算し、前記マルチビーム形成部の送信重みとして出力する送信重み演算部と、を備える送信重み決定ブロックと、送信する入力信号にシリアル−パラレル変換を行い、周波数分割多重数F×空間多重数Lに振り分けるシリアル−パラレル変換部と、前記シリアルーパラレル変換部の出力信号を入力信号とし、送信信号系を出力するF×L個の変調部と、前記変調部から出力される信号を入力信号とし、N個の信号に分割し、前記送信重み演算部により出力される送信重みに基づいて重み付けを行い、N×F個の信号合成部の対応するポートに出力を行うマルチビーム形成部と、前記マルチビーム形成部のうち対応するL個のマルチビーム形成部からL個のポートに入力される信号を重ね合わせて出力をする信号合成部と、前記信号合成部から出力されるF個の信号に逆フーリエ変換を行うN個の逆フーリエ変換部と、前記逆フーリエ変換部から出力される信号を前記送信信号として出力するN個の送信部と、を備えたことを特徴とする空間多重送信装置である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記伝達関数行列演算分配部は、伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積を演算し、分配するかわりに、伝達関数行列を分配し、前記送信重み演算部は、対応するポートに入力された伝達関数行列を平均もしくは、周波数差に対応する重みを乗算して和をとり、得られた行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列の積から送信重みを決定することを特徴とする。
この発明によれば、空間多重送信方法は、直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定し、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯及びその前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列を選択し、選択した伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列に基づいて平均化相関行列を算出し、算出した前記平均化相関行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することとした。これにより、前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列と、当該伝達関数行列に対応する共役複素転置行列とを乗算した行列の平均の行列に基づいて算出した固有ベクトルを送信重みとすることで、伝達関数推定誤差の大きい環境において伝送品質の劣化を低減することが可能となる。
この発明によれば、空間多重送信方法は、直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定し、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯及びその前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列を選択し、選択した伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列を算出し、算出した送信側相関行列に当該周波数帯からの周波数差に対応する重みを乗算した上で和を求め、得られた平均化相関行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することとした。これにより、前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列と、当該伝達関数行列に対応する共役複素転置行列とを乗算した行列の和の行列に基づいて算出した固有ベクトルを送信重みとすることで、伝達関数推定誤差の大きい環境において伝送品質の劣化を低減することが可能となる。
この発明によれば、空間多重送信方法は、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、あるいはずれを表す誤差量を算出し、算出される相関値あるいは誤差量が、予め推定した伝達関数行列の誤差量に対して、十分高い相関を有する、もしくは低い誤差と判定される場合、対応する周波数差の周波数帯の伝達関数行列に基づいて、送信重みを決定することとした。これにより、第1の行列と当該周波数帯の伝達関数行列との相関値、あるいは前記第1の行列と伝達関数行列とのずれを表す誤差量を考慮しつつ、送信重みを決定することができ、伝達関数推定誤差による伝送品質の劣化を低減することが可能となる。
この発明によれば、空間多重送信方法は、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す誤差量を算出し、算出した相関値もしくは誤差量に対し、予め推定した伝達関数行列の推定誤差量に基づき、該当する周波数差の周波数帯から得られる伝達関数行列を用いることによる雑音低減効果を判定し、雑音低減効果が異なる周波数帯の情報を用いることによる推定精度の劣化より大きいと判定される場合、対応する周波数差の周波数帯から得られる伝達関数行列に基づいて、送信重みを決定することで、伝達関数推定誤差による伝送品質を改善することが可能となる。
この発明によれば、空間多重送信方法は、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と、当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す誤差量をそれぞれに等しい周波数差をもつ周波数帯で算出し、算出により得られる相関値もしくは誤差量及び予め推定した伝達関数行列の推定誤差量から各周波数帯に周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった際の、当該周波数帯の真の伝達関数行列からのずれの分布を推定し、ずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行うこととした。これにより、推定したずれの分布に基づいて、ずれに対応する伝送品質の劣化量との畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行いつつ、送信重みを決定することができ、伝達関数推定誤差による伝送品質を改善することが可能となる。
この発明によれば、空間多重送信方法は、推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の伝達関数行列を平均し、もしくは送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、算出した前記第1の行列と、当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す相関値もしくは誤差量を算出し、算出により得られる相関値もしくは誤差に対し予め推定した伝達関数行列の推定誤差量を用いて補正を行い、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとって得られる行列の当該周波数帯の真の伝達関数行列から得られる行列とのずれをカイ2乗分布により推定し、ずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行うこととした。これにより、カイ2乗分布により推定したずれの分布に基づいて、ずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行いつつ、送信重みを決定することができ、伝達関数推定誤差による伝送品質を改善することが可能となる。
この発明によれば、空間多重送信方法は、伝達関数行列を通信相手局からのフィードバック情報に基づいて推定する場合に、フィードバック情報を送信する通信相手局において前後周波数帯の選択法もしくは重み量があらかじめ選択され、選択される情報をフィードバック情報に含めることで、フィードバック情報を削減しつつ、量子化誤差による推定誤差を低減することとした。これにより、通信相手局から送信される信号に基づいて推定を行うことなく、送信重みを算出することが可能となる。
この発明によれば、空間多重送信方法は、当該周波数帯の前後に同じ周波数距離の周波数帯の送信側相関行列を用いるかわりに、伝達関数行列を用い、平均もしくは、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった後で得られた行列の共役複素転置行列を乗算し、算出した行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することとした。これにより、伝達関数行列と、当該伝達関数行列に対応する共役複素転置行列とを乗算した行列に対する平均を算出、あるいは予め定められる重みを乗算して乗算した値の和を算出することで、伝播環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る空間多重送信装置1の内部構成を示す概略ブロック図である。空間多重送信装置1は、伝搬環境誤差が存在する環境において空間多重伝送の伝送品質の劣化を防ぐことを可能とする構成を有している。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る空間多重送信装置1の内部構成を示す概略ブロック図である。空間多重送信装置1は、伝搬環境誤差が存在する環境において空間多重伝送の伝送品質の劣化を防ぐことを可能とする構成を有している。
以下、空間多重送信装置1が備える各機能部について説明する。図1において、符号1000はS/P変換部であり、入力される送信データをシリアル−パラレル変換し、送信信号を発生させる。符号1111〜11LFは、変調部であり、符号1211〜12NFは、マルチビーム形成部であり、符号1311〜13NFは、信号合成部であり、符号1401〜140Nは、逆フーリエ変換部であり、符号1501〜150Nは、送信部であり、符号1511〜151Nは、切り替え部であり、符号1521〜152Nはアンテナ素子である。
また、符号1531〜153Nは、受信部であり、符号1601〜160Nは、フーリエ変換部であり、符号1701〜170Fは、伝達関数行列推定部である。符号001は、送信重み決定ブロックであり、送信重み決定ブロック001には、符号1801〜180Fが付された伝達関数行列演算分配部と、符号1900が付された送信重み演算部とを備えている。
以下、空間多重送信装置1の各部に係る動作について説明する。
(送信動作)
まず、入力される送信データは、S/P変換部1000によりシリアル−パラレル変換され、周波数分割多重数F×空間多重数Lとして振り分けられ出力される。S/P変換部1000により出力される送信信号は、それぞれ変調部1111〜11LFにより符号化され、送信信号系列として出力される。変調部1111〜11LFから出力される送信信号系列は、送信重み演算部1900により決定されて入力される送信重みVtk(t=1〜F,K=1〜L)とアナログ、もしくはデジタルで、マルチビーム形成部1211〜12LFにより乗算されてL個ずつ信号合成部1311〜13NFに出力される。信号合成部1311〜13NFは、それぞれに入力されるL個の信号を1つの信号に合成し、F個ずつ逆フーリエ変換部1401〜140Nに対して出力される。
(送信動作)
まず、入力される送信データは、S/P変換部1000によりシリアル−パラレル変換され、周波数分割多重数F×空間多重数Lとして振り分けられ出力される。S/P変換部1000により出力される送信信号は、それぞれ変調部1111〜11LFにより符号化され、送信信号系列として出力される。変調部1111〜11LFから出力される送信信号系列は、送信重み演算部1900により決定されて入力される送信重みVtk(t=1〜F,K=1〜L)とアナログ、もしくはデジタルで、マルチビーム形成部1211〜12LFにより乗算されてL個ずつ信号合成部1311〜13NFに出力される。信号合成部1311〜13NFは、それぞれに入力されるL個の信号を1つの信号に合成し、F個ずつ逆フーリエ変換部1401〜140Nに対して出力される。
逆フーリエ変換部1401〜140Nは、入力されるF個の信号に対して逆フーリエ変換が行い出力する。逆フーリエ変換部1401〜140Nから出力される信号は、送信部1501〜150Nにより、D/A変換され、アップコンバートされ、切り替え部1511〜151Nを介して、アンテナ素子1521〜152Nより送信される。
(受信動作)
アンテナ素子1521〜152Nにて受信された受信信号は、切り替え部1511〜151Nを介し、受信部1531〜153Nに入力され、ダウンコンバートおよび利得調整、A/D変換されて出力される。受信部1531〜153Nから出力される信号は、フーリエ変換部1601〜160Nによりフーリエ変換され、周波数帯毎に分離されて出力される。伝達関数行列推定部1701〜170Fは、フーリエ変換部1601〜160Nから出力される信号の各周波数帯において伝達関数行列を算出する。
アンテナ素子1521〜152Nにて受信された受信信号は、切り替え部1511〜151Nを介し、受信部1531〜153Nに入力され、ダウンコンバートおよび利得調整、A/D変換されて出力される。受信部1531〜153Nから出力される信号は、フーリエ変換部1601〜160Nによりフーリエ変換され、周波数帯毎に分離されて出力される。伝達関数行列推定部1701〜170Fは、フーリエ変換部1601〜160Nから出力される信号の各周波数帯において伝達関数行列を算出する。
送信重み決定ブロック001の伝達関数行列演算分配部1801〜180Fは、t番目の周波数帯の送信重みを決定するための情報が入力される送信重み演算部1900のt番目のポートに、t番目の周波数帯の伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積およびt番目の周波数帯の前後同じ周波数距離の周波数帯の伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積を出力する。ここで、伝達関数行列の共役複素転置行列と当該伝達関数行列の積は、送信側相関行列とも呼ばれる。
送信重み決定ブロック001の送信重み演算部1900は、各ポートに入力された行列の平均もしくは和を算出することで得られる行列から各周波数帯における送信重みを演算により算出し、マルチビーム形成部1211〜12LFの送信重みとして出力する。
ここで、一例として、N個のアンテナ素子を有する送信装置と、M個のアンテナ素子を有する受信装置間における直交波周波数分割多重と空間多重を用いた通信における伝達関数の推定の手段について説明する。ここで、送信装置は、図1に示す空間多重送信装置1に対応する装置である。
ある周波数帯に着目すると、送信装置は、伝達関数を推定するため、まず既知の信号T’(M×N行列)を受信装置から受信し、伝達関数行列推定部1701〜170Fにおいて得られた受信信号R’(N×N行列)からその周波数帯での上りの伝達関数行列G(N×M行列)を式(5)及び式(6)に基づく演算により推定する。
下りの伝達関数行列H(M×N行列)は上り伝達関数行列の転置をとることで次式(7)として与えられる。
式(7)において、Hijは送信部1501〜150Nのアンテナ素子#jから受信部1531〜153Nのアンテナ素子#i間の伝達関数の推定結果である。
次に、上記の送信重み演算部1900は、例えば、1〜F番目の全周波数帯で得られた伝達関数行列Ht(t=1〜F)から、複数の伝達関数行列を各周波数帯において選択し、その伝搬環境の到来波方向、到来波数、レベル、遅延の推定をMUSIC法(Multiple Signal Classification)やESPRIT法(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)(Paulaj et a1,‘ESPRIT-a subspace rotation approach to signal parameter estimation’,IEEE Proceeding, 74(7),1044-1045, July 1986.参照)を用いて推定し、あらかじめ準備された重みの中から、その環境において所定の伝送品質の基準値を最大とするような重みを選択し、マルチビーム形成部1211〜12LFにおいて乗算される重みとして出力する。
上記の構成において、伝達関数行列演算分配部1801〜180Fは、伝達関数行列推定部1701〜170Fから出力される対応するt番目(t=1〜F)の周波数帯の伝達関数行列Htから、例えば、伝達関数行列の共役複素転置行列と、伝達関数行列の積であるHt HHtを算出して、送信重み演算部1900のt番目のポートに出力する。送信重み演算部1900は、入力される共役複素転置行列と、伝達関数行列の積に基づいて次式(8)に示す平均化相関行列を算出する。
式(8)において、S(t)は考慮する前後の周波数帯の数である。送信重み演算部1900は、平均化相関行列の固有ベクトルを演算し、演算によって算出した固有ベクトルをt番目の周波数帯の送信重みとして適用する。このようにして、送信重みを決定することで、伝播環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減することができる。
なお、重みwt,0、wt,s(t)は、例えば全て1/(1+2S(t))としたり、wt,0を1/(1+S(t))、wt,2〜wt,s(t)を1/(2+2S(t))としたり、もしくはwt,0≧wt,1≧‥・≧wt,s(t)となるようにある値を予め決定しておくようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図2に示す第2実施形態に係る送信重み決定ブロック002は、伝達関数行列演算分配部1801〜180Fと、判定および重み決定を行う判定・重み決定部2001〜200Fと、送信重み演算部1900を備えている。第2実施形態では、送信重み決定ブロック001が送信重み決定ブロック002と置き換えられる点が第1実施形態と異なる点であり、それ以外の構成については第1実施形態と同様である。なお、図2では、伝達関数行列演算分配部1801〜180Fのうちの1805〜1809の部分と、判定・重み決定部2001〜200Fのうちの2005〜2009の部分について示している。
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図2に示す第2実施形態に係る送信重み決定ブロック002は、伝達関数行列演算分配部1801〜180Fと、判定および重み決定を行う判定・重み決定部2001〜200Fと、送信重み演算部1900を備えている。第2実施形態では、送信重み決定ブロック001が送信重み決定ブロック002と置き換えられる点が第1実施形態と異なる点であり、それ以外の構成については第1実施形態と同様である。なお、図2では、伝達関数行列演算分配部1801〜180Fのうちの1805〜1809の部分と、判定・重み決定部2001〜200Fのうちの2005〜2009の部分について示している。
図2において、伝達関数行列演算分配部1801〜180Fは、t番目の周波数帯に対応する判定・重み判定部200tの対応するポートにt番目の周波数帯の前後同じ周波数距離の周波数帯の伝達関数行列、あるいは伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列との積、もしくはその両方を出力する。判定・重み決定部200tは、t番目の周波数帯において、判定・重み決定部200tに入力されたt番目の周波数帯の情報とt番目の周波数帯から前後にα個ずれた周波数帯の情報との比較を行い、その結果から送信重み演算部1900のt番目のポートに適当な重み付けを行った次式(9)で示される平均化伝達関数行列を出力する。
送信重み演算部1900は、入力される平均化伝達関数行列について、その共役複素転置行列と当該平均化伝達関数行列との積における固有ベクトルを演算し、演算によって得られる固有ベクトルをt番目の周波数帯の送信重みとして適用する。
ここで、判定・重み決定部2001〜200Fは、送信重み演算部1900のt番目の周波数帯に対応するポートにおいて、伝達関数行列Htとその前後α個ずれた周波数帯の平均行列(Ht−α+Ht+α)/2との相関値を以下のように演算する。まず、t番目の周波数帯において前後α番目の周波数帯の平均化伝達関数行列を次式(10)とする。
式(10)において、Ht (α)の各要素の絶対値の期待値はやはり1であるが、分散はσH 2/2となる。このとき、HtとHt (α)の相関値ρt,αを次式(11)のように表すことができる。
式(11)において、上付き添え字*は共役複素数、Hab,tはt番目の周波数帯における送信部1501〜150Nのアンテナ素子#bから受信部1531〜153Nのアンテナ素子#a間の伝達関数である。また、Hab,t (α)はHt (α)のa行b列の要素を表す。ここで得られた相関値はHab,t、Hab,t (α)が共に熱雑音を含むために劣化を受ける。
ここで、推定誤りを含まない真の伝達関数行列を^Hi(Hiハットと読み、数式において^はHの真上に記載される、以下同様)と定義し、E(‖^Hi‖F 2)=MNと定義する。E(・)は期待値を表す。下添え字のiはi番目の周波数帯を表し、‖・‖FはFrobenius-ノルムを表す。このとき、推定された伝達関数行列Hiは、次式(12)として表される。
式(12)において、NiはM×Nの行列であり、各要素は分散σH 2平均0の白色雑音であるとする。この推定誤差のために、相関値ρt,αはσH 2に応じた減衰を受けており、実際の相関値ρ’t,αは例えば次式(13)のように推定することができる。
このようにして得られた相関値が、伝達関数行列に含まれる推定誤差に対し十分高い値
であれば式(8)や式(9)に基づいて算出することによる効果が期待でき、演算重みwt,αに有意な値を与え、そうでない場合にはwt,αに0を与えるように制御することで、推定誤差による伝送品質の劣化を低減できる。
また、相関値ではなく、次式(14)に示すようにHtとHt (α)のずれの大きさDt,αで評価することもできる。
であれば式(8)や式(9)に基づいて算出することによる効果が期待でき、演算重みwt,αに有意な値を与え、そうでない場合にはwt,αに0を与えるように制御することで、推定誤差による伝送品質の劣化を低減できる。
また、相関値ではなく、次式(14)に示すようにHtとHt (α)のずれの大きさDt,αで評価することもできる。
また、このときも予めHtとHt (α)に含まれる推定誤差を知っておくことで、誤差量を補正することが可能である式(14)を式(12)を用いて書き直すと、次式(15)として表すことができる。
式(15)において得られたDt,αから推定誤りを含まない^Htと^Ht (α)のずれの大きさD’t,αは、次式(16)として得られる。
この値を元に、伝達関数行列に含まれる推定誤差に対しこのずれが十分低い値であれば、式(8)や式(9)に基づいて算出することによる効果が期待でき、演算重みwt,αに有意な値を与え、そうでない場合にはwt,αに0を与えるように制御することで、推定誤差による伝送品質の劣化を低減、すなわち雑音低減効果を得ることができる。
また、これらの相関値ρ’t,αや、ずれの大きさD’t,αは伝搬環境の遅延スプレッドと深い関係を持っているため、この遅延スプレッドを推定することで決定することが可能であり、伝達関数行列や、時系列のデータから推定し、重みwt,0〜wt,S(t)を決定することもできる。
次に、判定・重み決定部2001〜200Fにおいて、t番目の周波数帯の送信重みを決定するために前後の伝達関数行列、もしくは伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列との積にかける重みwt,0〜wt,S(t)を、伝達関数行列もしくは伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積が、本来の誤差を含まない行列からどれだけずれているかを示す分布を推定して通信品質が最大となるように制御する手段について説明する。
式(12)に示されるように、得られる伝達関数行列は雑音を含むため、この伝達関数行列から送信重みの計算を行うと、この推定誤差により伝送品質は劣化を受け、統計的には推定誤差量s=‖Ni‖F 2の大きさに応じた伝送品質の劣化が想定される。NiのM×Nの実部虚部それぞれの要素は分散σH 2/2、平均0の正規分布で表すことができるので、‖Ni‖F/(NM)は自由度M×N×2のカイ2乗分布で表すことでき、確率密度関数(pdf: probability density function)は次式(17)で表すことができる。
式(17)において、nは自由度を表し、n=2NMである。また、推定誤差量sに対
応する伝送品質を表す関数をΦ(s)として予め決定しておけば、伝送品質の評価指標Qを次式(18)により得ることができる。
応する伝送品質を表す関数をΦ(s)として予め決定しておけば、伝送品質の評価指標Qを次式(18)により得ることができる。
次に、伝送品質を改善するH’(t)を重みwt,0〜wt,S(t)を適切に選ぶことによって実現する手段について説明する。上述したように各伝達関数行列の要素の実部虚部それぞれの成分には分散σH 2/2の雑音成分が含まれているが、以下のように和をとることで、この分散を低減させることができる。すなわち、wt,0+wt,1+wt,2+…+wt,S(t)=1と仮定するとH’tの分散σ’H 2は次式(19)にように表すことができる。
式(19)において、例えば、S(t)=2としてwt,0=1/5、wt,1=wt,2=2/5とすると、上式からσ’H 2=σH 2/5となっており、分散を1/5に低減できる。
また、分散を低減する効果のほかに伝達関数行列が実際の行列からずれていく効果もあ
る。これは、t番目の周波数帯から前後にα個ずれた伝達関数行列の平均行列の期待値が必ずしもt番目の周波数帯の伝達関数行列と等しくないことによる効果であり、αが大きくなるほど、そのずれは大きくなる。t番目の周波数帯における、α番目の前後周波数帯の伝達関数行列の平均とのずれをΔt,αとおくと、Δt,αは、次式(20)によって表すことができる。
る。これは、t番目の周波数帯から前後にα個ずれた伝達関数行列の平均行列の期待値が必ずしもt番目の周波数帯の伝達関数行列と等しくないことによる効果であり、αが大きくなるほど、そのずれは大きくなる。t番目の周波数帯における、α番目の前後周波数帯の伝達関数行列の平均とのずれをΔt,αとおくと、Δt,αは、次式(20)によって表すことができる。
式(20)においてΔ1<Δ2<…<ΔS(t)の関係が成り立つ。ここでreal(・)は実数部を表し、imag(・)は虚数部を表す。H’tは分散を低減することができるが、期待値が真の伝達関数行列の和^Htからずれてしまうことになる。ずれの大きさ△tは重みwt,0〜wt,S(t)を用いて、次式(21)のように表すことができる。
上記についてまとめると、H’tは^Htからのずれの分布は、分散σ’H 2、期待値のずれ△tであり、例えば非中心カイ2乗分布で表すことができる。このとき、確率密度関数は、次式(22)で表すことができる。
式(22)において、Iy(x)は、y次の第一種変形ベッセル関数であり、次式(23)の無限級数で表される。
また、式(22)において、nは自由度であり、n=2NMである。このとき、伝送品質の評価指標Qtは次式(24)によって表される。
式(24)における評価指数Qtが高い値をとるように重みwt,0〜wt,S(t)を決定することで伝送品質を改善することが可能となる。
また、上記のような計算を行わなくとも、確率密度関数の期待値が最小となるように重
みwt,0〜wt,S(t)を決定することもできる。つまり式(18)および式(24)の期待値は、それぞれnσH 2およびn(σ’H 2+Δt 2)と表すことができることから、α個ずれた周波数帯の情報をもちいることで、この値が減るならば、その周波数帯の情報にある重みを与えるように制御することもできる。
みwt,0〜wt,S(t)を決定することもできる。つまり式(18)および式(24)の期待値は、それぞれnσH 2およびn(σ’H 2+Δt 2)と表すことができることから、α個ずれた周波数帯の情報をもちいることで、この値が減るならば、その周波数帯の情報にある重みを与えるように制御することもできる。
また、上記の計算は、ずれの大きさσH 2の変わりに相関値の逆数や(1−相関値)など、伝達関数行列のずれの大きさを表す他のパラメータを用いて、同様に制御することができる。
また、上記の議論で用いた重みwt,0〜wt,S(t)を決定するために用いる指標ρ’t,αやD’t,αは、tを含む複数の周波数帯で用いることができ、t周辺の周波数帯の重みを決定するために用いることもできる。
また、上記の議論で用いた重みwt,0〜wt,S(t)を決定するために用いる指標ρ’t,αやD’t,αは、tを含む複数の周波数帯で用いることができ、t周辺の周波数帯の重みを決定するために用いることもできる。
また、重みwt,0〜wt,S(t)は、得られた相関値ρ’t,αやρt,α、nσH 2、n(σ’H 2+Δt 2)、遅延スプレッドなど周波数相関と関連のあるその他のパラメータによりあらかじめ用意したテーブルにしたがって最適なものを選択し、t番目の周波数帯の送信重みを決定することができる。
(第3実施形態)
次に、図3を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図3に示す第3実施形態に係る送信重み決定ブロック003は、フィードバック情報記憶部3000と、判定・重み決定部2001〜200Fと、送信重み演算部1900を備えている。フィードバック情報記憶部3000は、通信相手側で推定した伝達関数行列を記憶しているため、図1に示される第1実施形態に係る空間多重送信装置1の構成において、送信重み決定ブロック001が送信重み決定ブロック003に置き換えられ、さらに、受信部1531〜153Nと、フーリエ変換部1601〜160Nと、伝達関数行列推定部1701〜170Fの構成が除かれたものが第3実施形態の構成となる。なお、図3では、伝達関数行列演算分配部2001〜200Fのうちの2005〜2009の部分を示している。
次に、図3を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図3に示す第3実施形態に係る送信重み決定ブロック003は、フィードバック情報記憶部3000と、判定・重み決定部2001〜200Fと、送信重み演算部1900を備えている。フィードバック情報記憶部3000は、通信相手側で推定した伝達関数行列を記憶しているため、図1に示される第1実施形態に係る空間多重送信装置1の構成において、送信重み決定ブロック001が送信重み決定ブロック003に置き換えられ、さらに、受信部1531〜153Nと、フーリエ変換部1601〜160Nと、伝達関数行列推定部1701〜170Fの構成が除かれたものが第3実施形態の構成となる。なお、図3では、伝達関数行列演算分配部2001〜200Fのうちの2005〜2009の部分を示している。
図3において、フィードバック情報記憶部3000は、通信相手から送信されてきた伝達関数行列のフィードバック情報およびその重み配分法の情報を記憶し、t番目の周波数帯に対応する判定・重み決定部2001〜200Fの対応するポートにt番目の周波数帯の前後同じ周波数距離の周波数帯の伝達関数行列、もしくは伝達関数行列の共役複素転置行列の伝達関数行列の積と重みや配分法に関わる情報を出力する。判定・重み決定部2001〜200Fは、入力されるt番目の周波数帯において、入力されたt番目の周波数帯の情報と、t番目の周波数帯から前後にα個ずれた周波数帯との情報との比較を行うか、入力される重みや配分法に関わる情報を用いるか、もしくはその両方を行い、その結果から送信重み演算部1900のt番目のポートに、次式(25)で示される平均化伝達関数行列を出力する。
送信重み演算部1900は、入力される平均化伝達関数行列について、その共役複素転置行列と当該平均化伝達関数行列の積における固有ベクトルを演算し、演算によって得られる固有ベクトルをt番目の周波数帯の送信重みとして適用する。
このとき、通信相手局は伝達関数行列の選択方法および重みを第2実施形態で説明した判定・重み決定部2001〜200Fによる方法で決定することができる。
なお、上記の第2及び第3の実施形態において、判定・重み決定部2001〜200Fは、第1実施形態と同様に、入力される伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積を演算し、上記の方法で決定された重みをこの積に適応させ、送信重み演算部1900のt番目の周波数帯に対応するポートに対して、次式(26)で示される平均化相関行列を出力するようにすることもできる。
このとき、送信重み演算部1900はt番目のポートに入力された行列の固有ベクトルをt番目の周波数帯の送信重みとして適用する。このように送信重みを決定することで、伝播環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減することができる。
(計算機シミュレーション)
本発明の上記実施形態による効果を計算機シミュレーションにより示す。
送信アンテナ素子数を4、受信アンテナ素子数を4とし、上りと下りで5.2MHzの周波数を用い直交波周波数分割多重及び空間分割多重による通信を想定する。サブキャリア数を54とし、前後の周波数帯は最大2まで考慮するものとした。従来の固有モード伝送と比較するため、伝送品質の評価に用いるのは3番目から52番目までの50の周波数帯とした。伝搬路モデルとしては到来波を100波とし、図4に示すように散乱物の集まりである5つのクラスタが送信機及び受信機のまわりに存在することとし、それぞれ角度広がりを25°とした。伝搬環境はレイリーフェージングとし、遅延スプレッドを60nsecとし、遅延波の電力分布を指数で与えた。平均受信電力を5dB〜35dBとし、送信側における伝達関数行列の推定誤差はこの平均受信電力の逆数で与えられることとし、クラスタの中心方向及び各到来波の到来方向と位相をランダムに与えてそれぞれ1000回試行し、伝送容量の期待値を算出した。
本発明の上記実施形態による効果を計算機シミュレーションにより示す。
送信アンテナ素子数を4、受信アンテナ素子数を4とし、上りと下りで5.2MHzの周波数を用い直交波周波数分割多重及び空間分割多重による通信を想定する。サブキャリア数を54とし、前後の周波数帯は最大2まで考慮するものとした。従来の固有モード伝送と比較するため、伝送品質の評価に用いるのは3番目から52番目までの50の周波数帯とした。伝搬路モデルとしては到来波を100波とし、図4に示すように散乱物の集まりである5つのクラスタが送信機及び受信機のまわりに存在することとし、それぞれ角度広がりを25°とした。伝搬環境はレイリーフェージングとし、遅延スプレッドを60nsecとし、遅延波の電力分布を指数で与えた。平均受信電力を5dB〜35dBとし、送信側における伝達関数行列の推定誤差はこの平均受信電力の逆数で与えられることとし、クラスタの中心方向及び各到来波の到来方向と位相をランダムに与えてそれぞれ1000回試行し、伝送容量の期待値を算出した。
従来の固有ベクトル制御による通信では、i番目の周波数帯において推定された誤りを含む伝達関数行列Hiから計算した送信ウェイトをV’i、電力配分を表す対角行列をP’i、送信信号をxiとすると、受信信号yiは、次式(27)により表される。
式(27)において、伝達関数行列Hi、Vi、Piをそれぞれ受信部で完全既知であるとすると、復号方法をZFとした場合、送信信号は次式(28)のように推定できる。
よって、Gi=(gi,1,gi,2,…,gi,4)Tとおくと、伝送容量は、次式(29)によって与えられる。
これに対し、送信側において伝達関数行列が完全に既知であり、固有値に基づく注水定理により電力配分を行い、相関行列Hi HHiの固有ベクトルを送信重みとした場合の伝送容量は、次式(30)によって与えられる。
式(30)において、λi,jはi番目の周波数帯におけるj番目のストリームの固有値であり、Pi,jはi番目の周波数帯におけるj番目のストリームに適応した電力配分の値である。Ciは理論的な伝送容量の最大値を表し、C’iは送信ウェイトV’i、電力配分を表す対角行列をP’iがそれぞれ理想的なものではなく、行列Giが非対角成分を含むためにこれより劣化することとなる。
これに対し、提案方法では、前後2個までの周波数帯に対し、相関値ρ’t,1、ρ’t,2を計算し、1−ρ’t,aが推定誤りσH 2より小さい場合には、重みを与え、図5に示すように制御を行った。式(9)により計算したH’iの相関行列H’i HH’iの固有ベクトルおよび固有値として用いることとし、得られた送信ウェイトと電力配分行列から式(29)により伝送容量を求めた。
図6にSNRに対する提案方法と従来方法の伝送容量と理論的な伝送容量との比を示す。
この比が1に近いほど理論的な最大値に近づくことを示す。図6より、提案方法は従来の
固有モード伝送より、SNRが5dB、伝達関数行列に対する推定誤差が−5dBの場合においては、15%高い伝送容量を得ることができることがわかる。
この比が1に近いほど理論的な最大値に近づくことを示す。図6より、提案方法は従来の
固有モード伝送より、SNRが5dB、伝達関数行列に対する推定誤差が−5dBの場合においては、15%高い伝送容量を得ることができることがわかる。
また前後のサブキャリアを平均化する効果について図7に示す。遅延スプレッドを30nsecから90nsecまで変化させた際のあるt番目の誤差を含まない伝達関数行列^Htとその前後α個ずれた伝達関数行列の平均^Ht (α)との相関値ら、α個ずれたの伝達関数行列^Ht+αとの相関値をηαとして、伝送容量の条件と同様にクラスタの中心方向及び各到来波の到来方向と位相をランダムに与えてそれぞれ1000回試行し期待値を計算した。図7には、1−ρ1、1−ρ2、1−η1、1−ηαの結果をdB表記にしたものを示す。この値が低いほど相関が高いことを表すが、前後の伝達関数行列の平均をとると、近くの伝達関数行列と比べて著しく相関が高くなることが示された。
本発明によれば、直交波周波数分割多重を行う場合において、広い周波数帯の伝搬環境か
ら送信重みを決定することで、伝搬環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減することが
できる。
ら送信重みを決定することで、伝搬環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減することが
できる。
1 空間多重送信装置
1000 S/P変換部
1111〜11LF 変調部
1211〜12LF マルチビーム形成部
1311〜13NF 信号合成部
1401〜140N 逆フーリエ変換部
1501〜150N 送信部
1511〜151N 切り替え部
1521〜152N アンテナ素子
1531〜153N 受信部
1601〜160N フーリエ変換部
1701〜170F 伝達関数行列推定部
1801〜180F 伝達関数行列演算分配部
1900 送信重み演算部
001 送信重み決定ブロック
1000 S/P変換部
1111〜11LF 変調部
1211〜12LF マルチビーム形成部
1311〜13NF 信号合成部
1401〜140N 逆フーリエ変換部
1501〜150N 送信部
1511〜151N 切り替え部
1521〜152N アンテナ素子
1531〜153N 受信部
1601〜160N フーリエ変換部
1701〜170F 伝達関数行列推定部
1801〜180F 伝達関数行列演算分配部
1900 送信重み演算部
001 送信重み決定ブロック
Claims (17)
- 複数の送受信手段を備え、伝搬環境に適した送信重みを決定し、送信する各信号系列に重み付けを行い空間多重及び直交波周波数分割多重により送信を行う空間多重送信方法であって、
直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定し、
推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯及びその前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列を選択し、
選択した伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列に基づいて平均化相関行列を算出し、
算出した前記平均化相関行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することを特徴とする空間多重送信方法。 - 複数の送受信手段を備え、伝搬環境に適した送信重みを決定し、送信する各信号系列に重み付けを行い空間多重及び直交波周波数分割多重により送信を行う空間多重送信方法であって、
直交波周波数分割多重の各周波数帯で伝達関数行列を推定し、
推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯及びその前後の周波数帯において周波数差の等しい伝達関数行列を選択し、
選択した伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列を算出し、算出した送信側相関行列に当該周波数帯からの周波数差に対応する重みを乗算した上で和を求め、得られた平均化相関行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することを特徴とする空間多重送信方法。 - 前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、
算出した前記第1の行列と当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、あるいはずれを表す誤差量を算出し、
算出される相関値あるいは誤差量が、予め推定した伝達関数行列の誤差量に対して、十分高い相関を有する、もしくは低い誤差と判定される場合、対応する周波数差の周波数帯の伝達関数行列を用いること
を特徴とする請求項1または2に記載の空間多重送信方法。 - 前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、
算出した前記第1の行列と当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す誤差量を算出し、
算出した相関値もしくは誤差量に対し、予め推定した伝達関数行列の推定誤差量に基づき、該当する周波数差の周波数帯から得られる伝達関数行列を用いることによる雑音低減効果を判定し、雑音低減効果が異なる周波数帯の情報を用いることによる推定精度の劣化より大きいと判定される場合、対応する周波数差の周波数帯から得られる伝達関数行列を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の空間多重送信方法。 - 前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の周波数帯における伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、
算出した前記第1の行列と、当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す誤差量をそれぞれに等しい周波数差をもつ周波数帯で算出し、
算出により得られる相関値もしくは誤差量及び予め推定した伝達関数行列の推定誤差量から各周波数帯に周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった際の、当該周波数帯の真の伝達関数行列からのずれの分布を推定し、
ずれに対応する伝送品質の劣化量との畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行うことを特徴とする請求項1または2に記載の空間多重送信方法。 - 前記推定した複数の周波数帯の伝達関数行列から各信号系列の送信重みを決定する際に、当該周波数帯からの周波数差が等しい前後の伝達関数行列を平均し、もしくは前記送信側相関行列を平均して第1の行列を算出し、
算出した前記第1の行列と、当該周波数帯の伝達関数行列もしくは送信側相関行列との相関値、もしくはずれを表す相関値もしくは誤差量を算出し、
算出により得られる相関値もしくは誤差に対し予め推定した伝達関数行列の推定誤差量を用いて補正を行い、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとって得られる行列の当該周波数帯の真の伝達関数行列から得られる行列とのずれをカイ2乗分布により推定し、ずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みから得られる伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行うことを特徴とする請求項1または2に記載の空間多重送信方法。 - 前記伝達関数行列を通信相手局からのフィードバック情報に基づいて推定する場合に、フィードバック情報を送信する通信相手局において前後周波数帯の選択法もしくは重み量があらかじめ選択され、選択される情報をフィードバック情報に含めることで、フィードバック情報を削減しつつ、量子化誤差による推定誤差を低減することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の空間多重送信方法。
- 当該周波数帯の前後に同じ周波数距離の周波数帯の前記送信側相関行列を用いるかわりに、伝達関数行列を用い、平均もしくは、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった後で得られた行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列を乗算し、算出した行列の固有ベクトルを当該周波数帯の信号系列の送信重みとして算出することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の空間多重送信方法。
- N個のアンテナ素子を用い、直交波周波数分割多重を用いたF個の周波数多重と、L個の空間多重による送信を行う空間多重送信装置であって、
前記各アンテナ素子に接続され、受信信号と送信信号を切り替える切り替え部と、
前記切り替え部に接続され、前記切り替え部から出力される受信信号を入力信号として受信する受信部と、
前記受信部に接続され、前記受信部が受信する前記入力信号にフーリエ変換を行い、それぞれF個の受信信号に変換するN個のフーリエ変換部と、
前記フーリエ変換部の対応する周波数帯の受信信号を入力信号とし、その周波数帯での伝達関数行列を推定する伝達関数行列推定部と、
送信重みを決定する送信重み決定ブロックであって、各ポートに入力される前記送信側相関行列に基づいて平均化相関行列を求め、得られた平均化相関行列の固有ベクトルを演算し、演算によって算出した前記固有ベクトルを各周波数帯における送信重みを演算して出力する送信重み演算部と、
前記伝達関数行列推定部に接続され、前記伝達関数行列推定部から入力されるF個の伝達関数行列の共役複素転置行列と前記伝達関数行列を乗算した送信側相関行列を算出し、t番目の周波数帯の送信重みを決定するための情報が入力される前記送信重み演算部のt番目のポートに、t番目の周波数帯に対応する前記送信側相関行列及びt番目の周波数帯およびt番目の周波数帯の前後同じ周波数距離の周波数帯の前記送信側相関行列とを出力する伝達関数行列演算分配部と、を具備する送信重み決定ブロックと、
送信する入力信号にシリアル−パラレル変換を行い、周波数分割多重数F×空間多重数Lに振り分けるシリアル−パラレル変換部と、
前記シリアルーパラレル変換部の出力信号を入力信号とし、送信信号系を出力するF×L個の変調部と、
前記変調部から出力される信号を入力信号とし、N個の信号系列に分割し、前記送信重み演算部により出力される送信重みに基づいて重み付けを行い、N×F個の信号合成部の対応するポートに出力を行うマルチビーム形成部と、
前記マルチビーム形成部のうち対応するL個のマルチビーム形成部からL個のポートに入力される信号を重ね合わせて出力をする信号合成部と、
前記信号合成部から出力されるF個の信号に逆フーリエ変換を行うN個の逆フーリエ変換部と、
前記逆フーリエ変換部から出力される信号を前記送信信号として前記切換え部に出力するN個の送信部と、
を備えたことを特徴とする空間多重送信装置。 - 前記送信重み演算部は、
前記伝達関数行列演算分配部に接続され、各ポートに入力される前記送信側相関行列の和もしくは平均を算出して平均化相関行列を得て、得られる平均化相関行列の固有ベクトルを演算し、演算によって算出した前記固有ベクトルを各周波数帯における送信重みを演算して出力することを特徴とする請求項9に記載の空間多重送信装置。 - 前記送信重み演算部は、
同じ周波数差の周波数帯における前記送信側相関行列および当該周波数帯の前記送信側相関行列に対し、当該周波数帯からの周波数差に対応する予め定めた重み値を乗算した上で和を求め、得られた平均化相関行列の固有ベクトルを演算することを特徴とする請求項9に記載の空間多重送信装置。 - 前記送信重み決定ブロックは、
前記伝達関数行列推定部において推定されるF個の伝達関数行列より、t番目の周波数帯において前後の周波数帯の情報をどれだけ用いるか判定する判定・重み決定部を備え、
前記伝達関数行列演算分配部は、t番目の周波数帯に対応する判定・重み決定部の対応するポートに、t番目の周波数帯およびt番目の周波数帯から前後に同じ周波数ずれた周波数帯の伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列、もしくはその両方を出力し、
前記判定・重み決定部は、
前記伝達関数行列演算分配部から入力されるt番目の周波数帯における伝達関数行列もしくは送信側相関行列と、t±α番目の伝達関数行列もしくは送信側相関行列を平均して得られる行列の比較を行い、伝達関数行列の推定誤差も考慮した上で得られるt番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値等の値を算出し、推定誤差に比べ、十分高い相関を有するもしくは低い誤差量であると判定される場合に、対応する周波数差の周波数帯の前記送信側相関行列に重みを乗算し、前記送信重み演算部のt番目のポートに出力し、
前記送信重み演算部は、
前記判定・重み決定部から各ポートに入力される行列の平均もしくは和をとることで得られる行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列の積から各周波数帯における送信重みを演算し、前記マルチビーム形成部の送信重みとして出力する
ことを特徴とする請求項9に記載の空間多重送信装置。 - t番目の周波数帯の送信重みを決定する前記判定・重み決定部は、
t番目の周波数帯に対して入力されるt±α番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列から得られる行列について、t番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値を演算し、伝達関数行列の推定誤差に基づき、α個ずれた周波数帯から得られる伝達関数行列を用いることによる雑音低減効果を判定し、雑音低減効果が異なる周波数帯の情報を用いることによる推定精度の劣化より大きい場合に、対応する周波数差の周波数帯から得られる前記送信側相関行列を、前記送信重み演算部に出力することを特徴とする請求項12に記載の空間多重送信装置。 - 前記判定・重み決定部は、
t番目の周波数帯の送信重みを決定する判定および重み決定部において、t番目の周波数帯に対して入力されるt±α番目の周波数帯の伝達関数行列、もしくは前記送信側相関行列から得られる行列について、t番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値を演算し、伝達関数行列の推定誤差から、各周波数帯に周波数差に対応する重みを乗算し、和をとった際の、当該周波数帯の真の伝達関数行列からのずれの分布を推定し、予め前記判定・重み決定部が記憶しているずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みを行い、伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行い、前記送信重み演算部に出力を行うことを特徴とする請求項12に記載の空間多重送信装置。 - t番目の周波数帯の送信重みを決定する前記判定・重み決定部は、
t番目の周波数帯に対して入力されるt±α番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列から得られる行列について、t番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは前記送信側相関行列からのずれを表す誤差量もしくは相関値を演算し、伝達関数行列の推定誤差によって補正を行い、周波数差に対応する重みを乗算し、和をとって得られる行列の当該周波数帯の真の伝達関数行列から得られる行列とのずれをカイ2乗分布により推定し、予め前記判定および重み決定部が記憶しているずれに対応する伝送品質の劣化量と畳み込みを行い、伝送品質の期待値が最大となるように選択もしくは重み付けを行い、前記送信重み演算部に出力を行うことを特徴とする請求項12に記載の空間多重送信装置。 - N個のアンテナ素子を用い、直交波周波数分割多重を用いたF個の周波数多重と、L個の空間多重による送信を行う空間多重送信装置であって、
通信相手局において前後周波数帯の選択法もしくは重み量を予め決定され、前記通信相手局から送信されるフィードバック情報により得られる伝達関数行列および決定される前後周波数帯の選択法もしくは重みの乗算法を記憶するフィードバック情報記憶部と、
前記フィードバック情報記憶部に記憶されるF個の伝達関数行列に基づいて、t番目の周波数帯において前後の周波数帯の情報をどれだけ用いるか判定し、前記フィードバック情報記憶部からt番目の周波数帯における伝達関数行列もしくは伝達関数行列とt±α番目の伝達関数行列もしくは伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列を読み出して、比較を行い、伝達関数行列の推定誤差も考慮した上で得られるt番目の周波数帯の伝達関数行列もしくは伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積からのずれを表す誤差量もしくは相関値等の値を算出し、推定誤差に比べ、十分高い相関を有するもしくは低い誤差量であると判定される場合に、対応する周波数差から得られる伝達関数行列に重みを乗算し、前記送信重み演算部のt番目のポートに出力する判定・重み決定部と、
前記判定・重み決定部から各ポートに入力される行列の平均もしくは和をとることで得られる行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列の積から各周波数帯における送信重みを演算し、前記マルチビーム形成部の送信重みとして出力する送信重み演算部と、を備える送信重み決定ブロックと、
送信する入力信号にシリアル−パラレル変換を行い、周波数分割多重数F×空間多重数Lに振り分けるシリアル−パラレル変換部と、
前記シリアルーパラレル変換部の出力信号を入力信号とし、送信信号系を出力するF×L個の変調部と、
前記変調部から出力される信号を入力信号とし、N個の信号に分割し、前記送信重み演算部により出力される送信重みに基づいて重み付けを行い、N×F個の信号合成部の対応するポートに出力を行うマルチビーム形成部と、
前記マルチビーム形成部のうち対応するL個のマルチビーム形成部からL個のポートに入力される信号を重ね合わせて出力をする信号合成部と、
前記信号合成部から出力されるF個の信号に逆フーリエ変換を行うN個の逆フーリエ変換部と、
前記逆フーリエ変換部から出力される信号を前記送信信号として出力するN個の送信部と、
を備えたことを特徴とする空間多重送信装置。 - 前記伝達関数行列演算分配部は、
伝達関数行列の共役複素転置行列と伝達関数行列の積を演算し、分配するかわりに、伝達関数行列を分配し、
前記送信重み演算部は、
対応するポートに入力された伝達関数行列を平均もしくは、周波数差に対応する重みを乗算して和をとり、得られた行列について、当該行列の共役複素転置行列と前記行列の積から送信重みを決定することを特徴とする請求項9から16のいずれか1つに記載の空間多重送信装置。
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