JP2007035803A - マスクパターン作成方法、露光データ作成方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易に露光データを作成することができ、かつショット数を低減して、露光のスループットを向上させることができるマスクパターン作成方法、露光データ作成方法および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定する(ステップST1)。格子点にホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求める(ステップST3)。複数の前記セルの中から、セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減する(ステップST4)。マスク中での各セルの配置を決定して、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルを作成する。
【選択図】図4
【解決手段】1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定する(ステップST1)。格子点にホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求める(ステップST3)。複数の前記セルの中から、セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減する(ステップST4)。マスク中での各セルの配置を決定して、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルを作成する。
【選択図】図4
Description
本発明は、マスクパターン作成方法、露光データ作成方法および半導体装置の製造方法に関し、特に、ホールパターンをもつマスクパターン作成方法、ホールパターンの露光のための露光データ作製方法および半導体装置の製造方法に関する。
キャラクタプロジェクション(CP)型の電子ビーム露光装置は、部分一括型電子ビーム露光装置とも称される。CP型の電子ビーム露光装置では、それまでの可変成形電子ビーム露光装置と比べて、大幅なショット数の低減が図れる。このため、電子ビーム露光装置のスループットを向上させることができる。
同じパターンの繰り返しで露光できるメモリ系LSIは、少ないCPパターン数で露光できる。このため、CP型の電子ビーム露光装置は、DRAMの開発などに用いられていたが、光露光装置(光ステッパ)に比べてスループットが大幅に落ちるため、量産への導入までには至っていない。
一方で、SOC(System On Chip)で代表されるように、メモリからシステムLSIへと変わり始め、主としてスタンダードセルで構成されたLSIパターンからCPパターン候補を抽出し、これをもとにCPマスク作製して露光を行う技術開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。現在では、LSI毎にCPマスクを作るのではなく、使い回しができるように要素図形レベルでCPマスクを作成しておき、露光すべきLSIパターンからCPマスクの図形情報を抽出して露光データを作っている。この方法の問題点は、図形情報抽出という複雑なステップを要する割にはCPへの置き換え効率が低く、スループット向上が図れない点である。
一方、微細化に伴う光リソグラフィ用マスクの価格の高騰が顕在化してきている。多品種少量用途が中心となるシステムLSIを従来のスタンダードセル方式で生産していたのでは採算が取れない状況になってきている。このため、ストラクチャードASIC技術が注目されつつある。ストラクチャードASICでは、下層の配線層を含む汎用部分を予め作り、残りの上層の配線層とホール層の数層でカスタマイズを行うことで多品種少量用途のシステムLSI生産が行われる。数層分のみの光マスクを新たに用意すれば足りるため、光マスクコストの大幅な上昇が避けられるとともに、予め作られた汎用部分から製造が始まられるため短TAT化が実現できる。ストラクチャードASIC技術として、ホール1層のみでカスタマイズを行う技術も提案されている。
ホール1層のみのカスタマイズ層に電子ビーム露光を適用して多品種少量用途のシステムLSIが生産できれば、光マスクも不要となり、光マスク製造・検査にかかる費用と時間が削減できるため、低コストで短TATな生産環境が実現できる。しかしながら、スタンダードセルを基準にしたCPパターン抽出・照合による方法では、露光データを得るまでの手続きが複雑な上にショット数が低減できず生産レベルに見合う露光スループットが達成できない。ホールパターンのCP生成および露光に着目した技術が開示されている(特許文献2,3参照)。
特許文献2に記載の技術では、対象とするLSIパターンの使用頻度に基づいてCPパターンを決めることとしている。LSIパターンからのCPパターン抽出は、スタンダードセルを基準にしたアプローチと同じであるため、上に述べた問題を解決することができない。
特許文献3に記載の技術では、格子上の全ての点にホールを形成したCPパターンを用意しておいて、第1成形アパーチャでその一部を選択して露光しており、格子上で1次元または2次元に連続したホールにしか適用できず、ショット数の低減は前者以上に難しい。
特開2005−064404号公報
特開2004−259744号公報
特開2002−252158号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、多くのホールパターンの露光に適用可能なマスク作製方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、設計パターンから露光データを簡易に作成することができる露光データ作成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡易に露光データを作成することができ、かつショット数を低減して、露光のスループットを向上させることができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、設計パターンから露光データを簡易に作成することができる露光データ作成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡易に露光データを作成することができ、かつショット数を低減して、露光のスループットを向上させることができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のマスクパターン作成方法は、1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定するステップと、前記格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップと、複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減するステップと、マスク中での各セルの配置を決定するステップとを有する。
上記の目的を達成するため、本発明の露光データ作成方法は、1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定するステップと、前記格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップと、複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減するステップと、マスク中での各セルの配置を決定して、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルを作成するステップと、設計パターンに含まれるホールパターンを前記セルに対応する単位領域に分割するステップと、各単位領域に含まれるホール配置と一致するホール配置をもつセルを前記記憶テーブルから抽出して、露光データを作成するステップとを有する。
上記の目的を達成するため、本発明の半導体装置の製造方法は、1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定するステップと、前記格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップと、複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減するステップと、マスク中での各セルの配置を決定して、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルを作成するステップと、設計パターンに含まれるホールパターンを前記セルに対応する領域に分割するステップと、各分割領域に含まれるホール配置と一致するホール配置をもつセルを前記記憶テーブルから抽出して、露光データを作成するステップと前記露光データに基づいて、前記マスクの各セルを選択して荷電粒子ビームを成形し、成形したビームを試料上に照射して露光を行うステップとを有する。
まず、マスクパターン作成処理について説明する。
1つのセルに含まれる格子点の数、1つのセルの格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔が設定される。
次に、格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルが求められる。このステップにおいて求められるセル数は非常に多いため、次のステップを行う。
すなわち、複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減する。これにより、マスクに配置可能なセル数となる。
次に、マスク中での各セルの配置を決定する。そして、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルが作成される。
以上により、マスクパターンが作成される。マスクパターンが作成されると、当該マスクパターンをもつマスクが作成される。
次に、露光データ作成処理について説明する。
設計パターンに含まれるホールパターンが、セルに対応する単位領域に分割される。
次に、各分割領域に含まれるホール配置と一致するホール配置をもつセルが記憶テーブルから抽出されて、露光データが作成される。
以上のように作成された露光データに基づいて、マスクの各セルが選択されて荷電粒子ビームが成形され、成形されたビームは試料上の所望の位置に照射される。
1つのセルに含まれる格子点の数、1つのセルの格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔が設定される。
次に、格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルが求められる。このステップにおいて求められるセル数は非常に多いため、次のステップを行う。
すなわち、複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減する。これにより、マスクに配置可能なセル数となる。
次に、マスク中での各セルの配置を決定する。そして、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルが作成される。
以上により、マスクパターンが作成される。マスクパターンが作成されると、当該マスクパターンをもつマスクが作成される。
次に、露光データ作成処理について説明する。
設計パターンに含まれるホールパターンが、セルに対応する単位領域に分割される。
次に、各分割領域に含まれるホール配置と一致するホール配置をもつセルが記憶テーブルから抽出されて、露光データが作成される。
以上のように作成された露光データに基づいて、マスクの各セルが選択されて荷電粒子ビームが成形され、成形されたビームは試料上の所望の位置に照射される。
本発明のマスクパターン作成方法によれば、多くのホールパターンの露光に適用可能なマスクを作製することができる。
本発明の露光データ作成方法によれば、設計パターンから露光データを簡易に作成することができる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、簡易に露光データを作成することができ、かつショット数を低減して、露光のスループットを向上させることができ、これにより半導体装置のコストを作製することができる。
本発明の露光データ作成方法によれば、設計パターンから露光データを簡易に作成することができる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、簡易に露光データを作成することができ、かつショット数を低減して、露光のスループットを向上させることができ、これにより半導体装置のコストを作製することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る部分一括型の電子ビーム露光装置の構成を示す図である。露光対象となる試料110は、ウェハまたはマスクである。本実施形態では、電子ビーム露光装置を用いて試料110にホールパターンを露光する例について説明する。
電子ビーム露光装置100は、電子銃101と、第1成形アパーチャ102と、電子レンズ103と、第1偏向器104と、電子レンズ105と、第2成形アパーチャ10と、電子レンズ106と、第2偏向器107と、電子レンズ108と、制御部109とを有する。
電子銃101から発せられた電子ビームは、第1成形アパーチャ102により、試料面換算で1〜5μm□程度のビームに成形される。成形された電子ビームは、第1偏向器104によって偏向され、第2成形アパーチャ10上の選択すべきセル(CP領域ともいう)に照射させられる。
第2成形アパーチャ10の各セルには、ホールパターンが開口されており、この開口部を通過した電子ビームは、第2偏向器107によって試料110上の所望位置に照射される。
第1成形アパーチャ102および第2成形アパーチャ10に形成されるパターンは、試料面で形成される像に対して数十倍の大きさで作成されている。このため、電子レンズ103,105,106,108により電子ビームを縮小することで、第2成形アパーチャ10のパターンの縮小像である成形像が試料面上で得られる。
制御部109は、電子銃101、第1偏向器104、第2偏向器107および電子レンズ103,105,106,107,108に接続されており、露光データD3に基づいて、これらの動作を制御する。露光データD3には、後述するように、第2成形アパーチャ10内の選択すべきセル番号に関する情報や、当該セルのホールパターンの移動量に関する情報が含まれる。従って、制御部109は第1偏向器104を制御して、第2成形アパーチャ10内の選択すべきセルに電子ビームを照射する。また、制御部109は第2偏向器107を制御して、セルを通過することにより所望のホールパターンに成形された電子ビームを所定量だけ移動させて、試料110に照射する。
図2は、第2成形アパーチャ10の例を示す図である。
第2成形アパーチャ10は、0〜99番までの100個の薄膜領域11と、この薄膜領域11を区画する梁部12と、可変成形用の4つの開口領域13とを有する。100個の各薄膜領域11には、ホールパターンの開口が形成される。薄膜領域11および開口領域13は、試料面換算で5μm□である。
1つの薄膜領域11が1つのセルに対応する場合には、第2成形アパーチャ10には100個のセルを配置可能となる。1つの薄膜領域11に9個のセルを配置する場合には、第2成形アパーチャ10には900個のセルを配置可能となる。
近年、半導体デバイスの設計において、チップ上に一定間隔で配列した格子点を設定し、この格子点上にホールを選択的に配置することが行われている。本実施形態では、第2成形アパーチャ10には、各格子点にホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを用意する。これにより、第2成形アパーチャ10のセルの選択により、1枚の第2成形アパーチャ10で全てのホール配置に適用可能となる。
次に、第2成形アパーチャ10のマスクパターン作成方法について説明する。図3は、マスクパターンを作成するためのデータ処理装置を説明するための図である。
データ処理装置200は、データ処理部201と、入力部202とを有する。入力部202には、ホールパターンをもつセルを作成するのに必要な様々な条件が入力される。また、入力部202には半導体装置の設計データD2が入力される。
データ処理部201は、入力部から入力された条件に従って、マスクデータD1を作成する。また、設計データD2に基づいて露光データD3を作成する。
本実施形態に係るマスクパターン作成方法および露光データ作成方法について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、セルに含まれる格子点の数(m×n)と、この格子点上に配置されるホールの最大個数xと、格子間隔を決定する(ステップST1)。ステップST1において決定された情報は、入力部202から入力される。
図5は、セルの一例を示す図である。セルの格子間隔dは、通常、半導体装置の配線ピッチと同じである。図5では、セル1は格子間隔dのm×n倍の寸法を有する。すなわち、一つのセル1内にm×n個の格子点2が与えられる。
このセル1に含まれる格子点の数(m×n)は重要な値となる。このセル1の寸法および格子点数は、後述する露光データを得るためのステップST12において、設計パターンを分割する単位領域に対応するからである。
また、本実施形態では、m×nの格子点に最大x個までホールを配置するとした場合に、ホールの数および配置の異なる全てのセルを用意する。このため、格子点数が多いとそれだけ用意するセルの数が膨大となり、第2成形アパーチャ10に入りきらない。反対に格子点数が小さいと、ショット数削減率が小さくなり、スループットの向上に繋がらないという問題がある。
まず、1つのセルに含まれる格子点の最適な数(m×n)について考える。この最適な数を考える際には、逆に、チップの設計パターンをm×nの格子点をもつ単位領域で分割することを考慮するとよい。
チップに格子点を設定し、この格子点上にホールが配置されるとする。格子間隔は、配線ピッチで決まる。チップに配置されるホールの密度δとしたとき、チップ内の面積sにk個のホールが存在する確率P(k)は、下記式(1)で示される。式(1)は、ポアソン分布式をもとに作成されたものである。格子点以外にホールは存在しないと仮定すれば、面積sは、面積s中に存在する格子点の数で置き換えることができる。
ここで、チップサイズを10mm□、配線ピッチ(格子間隔)を0.34μm、ホール数を100M(×106)個とする。この場合、チップを2×2〜8×8の格子点をもつ単位領域で分割した際に、各単位領域に含まれるホール個数の存在確率を計算した結果を図6に示す。横軸は、ホール個数であり、縦軸は存在確率を示す。
図6において、グラフg2は2×2の格子点をもつ単位領域に分割した場合、グラフg3は3×3の格子点をもつ単位領域に分割した場合、グラフg4は4×4の格子点をもつ単位領域に分割した場合、グラフg5は5×5の格子点をもつ単位領域に分割した場合、グラフg6は6×6の格子点をもつ単位領域に分割した場合、グラフg8は8×8の格子点をもつ単位領域に分割した場合を示す。
2×2や3×3の格子点をもつ単位領域に分割した場合には、単位領域内にホールが1個のみ存在する確率が大きいが、4×4、5×5、6×6と単位領域の面積が大きくなるに従って、ホールが1個のみの存在確率が低下し、8×8の格子点をもつ分割領域の場合にはホールが1個のみの存在確率はほぼ0になる。逆に、単位領域の面積が大きくなるに従って、単位領域内に多数個のホールが存在する確率が大きくなる。
チップのパターンを単位領域に分割した場合に、単位領域内に複数個のホールが存在する確率が高ければ、それだけ第2成形アパーチャ10のセルを選択露光することによるショット数削減率が大きくなる。このため、単位領域の格子点の数m×nは、4×4以上が好ましい。すなわち、1つのセル1に含まれる格子点の数は4×4以上が好ましい。
図7は、1つのセルに含まれる格子数m×nと、チップ上のホールを露光するのに必要なショット数低減率との関係を示す。
1つのセルに配置するホールの最大数xを2とした場合のショット数削減率を示すグラグがCV1であり、1つのセルに配置するホールの最大数xを3とした場合のショット数削減率を示すグラフがCV2である。
図7に示すように、格子数が5×5、あるいは6×6のセルまでは顕著なショット数削減率が認められる。反対に、格子数が7×7以上に増えてもそれほど顕著なショット数削減率はなく、反対に用意すべきセル数が増えるという問題がある。
以上から、1つのセルに含まれる格子点の数は、4×4〜6×6が好ましい。また、1つのセルの格子点に配置すべき最大数xは3〜4が好ましい。本実施形態では、上記の知見を踏まえて、図5において1つのセル1に5×5の格子点の数を設定した。また、1つのセル1に配置すべきホールの最大数を例えば3とする。
次に、図8に示すように、セル1の各格子点2に番号(アドレス番号)を付与する(ステップST2)。図8に示すように、5×5の格子点をもつセル1の場合には、各格子点2に1〜25の番号を付与する。
次に、セル1の格子点2に最大3個までのホールを配置する場合において、ホール個数および配置の異なる全てのセルを算出する(ステップST3)。
次に、算出された複数のセルの中から、縦、横、斜めへ格子間隔の整数倍だけセルを移動させることにより、互いのホール配置が同じとなるセルは1つを残して全て削除して、セル数を削減する(ステップST4)。
ステップST3では、図9(a)〜(d)に示すホール配置は、全て異なるものとして算出される。ステップST4では、図9(a)に示すホール配置をもつセルだけを残して、図9(b)〜(d)に示すセルを消去する。これにより、用意すべきセル数が削減される。
図1に示すように第2成形アパーチャ10で成形された電子ビームの照射位置を調整する第2偏向器107を利用すれば、図9(b)〜図9(d)のホールパターンは、図9(a)のホールパターンを格子間隔の整数倍だけ移動することで露光できる。このため、図9(a)に示すホールパターンをもつセルのみを用意すれば、他の組み合わせに対応可能となる。
図10は、セルのm×nの格子点に、最大3個までホールを配置する場合において、必要となるセル数を示す図である。図中グラフAは、ステップST3で算出される組み合わせの数に等しい場合のセル数を示し、図中グラフBはステップST4で移動によりホール配置が合同となるセルを消去した後のセル数を示す。
Aに示すように、ホール配置の全ての組み合わせに対応するセルを作成しようとすると、格子数m×nが増加するに従って必要となるセル数が急激に増大するため、格子数m×nを大きくすることができない。ステップST4の処理を行うことにより、用意すべきセル数を低くすることができる。
図11は、ステップST4の処理を経た後に残った、用意すべき全てのセルを示す図である。図11では、5×5の格子点をもつセル1に、最大3個までのホールを配置する場合に必要なセルである。図11に示すように、620個のセルが必要となる。
図11では、セル内の全ての領域にホールが分布したセル1aと、セル内の左側にホールが分布したセル1bと、セル内の上側にホールが分布したセル1cと、セル内の左下側にホールが分布したセル1dとで分けて図解している。
ところで、図2に示したように通常の第2成形アパーチャ10には100程度の薄膜領域11しかない。1つの薄膜領域11は、5μm□である。したがって、このままでは1つの第2成形アパーチャ10に620個のセルを搭載することができない。
図12は、100個の薄膜領域11に620個のセルを搭載する方法を示したものである。セル1の格子間隔dを0.34μmとすると、1つのセル1の寸法は1.7μm□である。
図12に示すように、9つのセル1を並べて配置した場合には、9つのセル1は薄膜領域11の内側に全て配置されないが、本実施形態では、梁部12の存在によりパターンを配置できないことによる影響がないように工夫している。
すなわち、図12に示すように、1つの薄膜領域11とその周囲の梁部12に、4つのセル1aと、2つのセル1bと、2つのセル1cと、1つのセル1dを配置する。4つのセル1aは、全領域が薄膜領域11内に配置される。2つのセル1bは、ホールパターンの存在する左側部分は薄膜領域11内に配置される。2つのセル1cは、ホールパターンが存在する下側部分は薄膜領域11内に配置される。1つのセル1dは、ホールパターンが存在する左下側部分は薄膜領域11に配置される。これにより、全てのセル1のホールパターン形成を阻害することなく、1つの薄膜領域11に9個のセル1を配置することができる。
図11に示したセル1のうち、セル1aは294個、セル1bは133個、セル1cは133個、セル1dは60個ある。294/4、133/2、60のいずれも100以下であるため、全てのセル1を薄膜領域11に配置可能である。
この結果、900個のセルを1つの第2成形アパーチャ10内に搭載することができる。この場合には、第1成形アパーチャ102の開口寸法は、第2成形アパーチャ10の1つのセルのみを照射する電子ビームに成形するように設定される。
以上のようにして、各セル1の配置が決定される(ステップST5)。図13は、マスクに配置されたセル1および各セル1のホールパターンを示す図である。図13では、図2に示すマスクの各薄膜領域11にセル1を配置した例を示す。
図13に示すように、1つの薄膜領域11に9個のセル1が配置され、合計620個のセルが配置される。セル配置が決まると、マスクデータD1およびパターン照合・抽出用テーブル(記憶テーブル)Tが作成される。
マスクデータD1には、マスク中におけるセルの配置、およびセル中のホールパターンの情報が含まれる。パターン照合・抽出用テーブルTにも同様に、マスク中におけるセルの配置、セル中のホールパターンの情報が含まれる。また、各セルには番号が付されている。
図14および図15を参照して、セル1の他の配置例について説明する。図14は、薄膜領域11へのセル1の他の配置例を示す図である。
図14に示すように、薄膜領域11の寸法は5μm□とする。セル1には、4×4の格子点が含まれるとし、格子間隔dを0.24μmとする。セル1の寸法は0.96μm□となるため、1つの薄膜領域11に4×4のセル1を配置することが可能となる。このため、1つの第2成形アパーチャ10に合計1600個のセルを配置することが可能となる。
セル1の4×4の格子点2に配置すべきホールの最大数を4個とする。図15は、4×4の格子点2に2〜4個のホールを形成したセルの例を示す図である。
セル1−2は、4×4の格子点2に2個のホールを形成したセルである。セル1−3は、4×4の格子点2に3個のホールを形成したセルである。セル1−4は、4×4の格子点2に4個のホールを形成したセルである。セル1の4×4の格子点2に配置する、1〜4個のホール配置の全ての組み合わせは1184個となる。
以上のように、セル1中の格子点数、格子間隔を設定した場合であっても、全てのホール配置の組み合わせをもつセル1を第2成形アパーチャ10内に配置することができる。
上記したマスクデータが作成されると、当該マスクデータに基づいて、マスクブランクスが加工されて、ホールパターンをもつマスク(第2成形アパーチャ10)が作製される。マスクブランクスとは、ホールパターンが形成される前のマスク基板である。マスクブランクスの加工では、薄膜領域上にレジストを塗布し、マスクデータに基づいて当該レジストを電子線露光する。現像後のレジストパターンを用いて薄膜をエッチングすることにより、ホールパターンが形成される。
次に、パターン配置処理において作成されたパターン照合・抽出用テーブルを用いて、LSIのホールの設計データから露光データを得るまでの処理について説明する。
まず、設計パターン(ホールパターン)をセル1と同じm×nの格子点をもつ単位領域に分割する(ステップST11)。
図16は、設計パターンの要部の一例を示す図である。設計パターンでは、格子間隔dの格子点2のいずれかにホール(図中、丸印で示す)が配置されている。上記したセル1の格子間隔dは、設計パターンの格子間隔dと同じである。この設計パターンを、m×nの格子点をもつ単位領域に分割する。m×nは、上記したセル1の格子点の数と同じである。本例では、設計パターンを5×5の単位領域20に分割する。単位領域20内の格子点2の位置は、セル1の場合と同様に、図8に示すように番号付けされている。
次に、単位領域20毎にホールパターンを照合および抽出して、各単位領域20のホールパターンを露光するのに必要なセル番号およびセル移動量を求める(ステップST12)。このとき、予め作成したパターン照合・抽出用テーブルを用いる。
この処理では、各単位領域20について、ホール個数と、各ホール位置を特定する。ホール位置の特定の際には、格子点の番号を用いる。ホール個数と、ホール位置を特定した後に、単位領域20に対応するセル1の番号を特定する。また、単位領域20のホールパターンを露光するのに必要なセル1の移動量を特定する。例えば、単位領域20毎に、露光で使用するセル番号と移動量が例えばハッシュテーブルのような形で保持される。
図17は、図16に示す設計パターンから露光データを作成する際のパターン照合・抽出の例を示している。図17では、各単位領域について露光に使用するセル番号とその移動量についてのテーブルを示す。
X1−Y1の位置の単位領域では、ホール数1とホール位置25の情報に基づいて、セル番号1、X移動量4、Y移動量4の露光データが得られる。
X2−Y1の位置の単位領域は、4個のホールが6、13、20、25の位置にあるため、これを2個と2個に分割する。そして、ホール数2、ホール位置6、13の情報に基づいて、セル番号8、Y移動量1の露光データが得られる。また、ホール数2、ホール位置20、25の情報に基づいて、セル番号6、X移動量4、Y移動量3の露光データが得られる。なお、この場合、3個のホールと1個のホールに分割しても、1個と3個のホールに分割しても、必要な露光のショット数は同じである。
以下、同様の手順で単位領域(分割領域)がなくなるまで、上記の処理を行う(ステップST13)。これにより、複雑な図形演算を行うことなく、露光データが得られる。なお、本例では5×5の格子点をもつ単位領域の場合について述べたが、m×nの場合に対しても同様に適用可能である。
露光データD3が作成されると、当該露光データD3に基づいて、部分一括型の電子ビーム露光装置(図1参照)によりウエハ等の試料110の電子線露光が行われる。部分一括型の電子ビーム露光装置では、露光データD3に基づいて、第2成形アパーチャ10の各セルを選択して電子ビームを成形し、成形した電子ビームを第2偏向器107により所定量だけ移動させて、試料上に照射する。格子間隔が同じであれば、第2成形アパーチャ10の各セルの選択方法を変えることにより、あらゆる配置のホールパターンを露光することができる。
本実施形態に係るパターン配置方法によれば、ホールが配置されるLSIの配線ピッチ(格子間隔)とホールの存在密度がわかれば、セルを搭載する第2成形アパーチャ10の制約条件に応じて、1個以上のホール開口数と格子間隔のm×n倍のセルを有する第2成形アパーチャのパターン配置を決定することができる。作製された第2成形アパーチャ10は、同種の、すなわち格子間隔の等しいLSIホール層に繰り返し適用できるので、例えばホールでカスタマイズを行うストラクチャードASICのマスクレス生産が可能となる。
この結果、本実施形態に係る露光データ作成方法、半導体装置の製造方法によれば、多品種少量のシステムLSIが安価に提供できる。
上記したマスク(第2成形アパーチャ10)は、n×mの格子点で1個以上特定のホール数を有するホール配置の組み合わせの全てに対応しているため、ショット数を確実に低減できる。
個々のセル1のパターンは、少数のホールパターンから成り立っているため、電流密度を大きくしても、電子ビームで問題となる大電流による空間電荷効果依存ビームぼけが回避でき、結果として露光時間が短縮できる。
LSIパターン(設計パターン)からのパターン抽出処理は、設計パターンをn×mの格子点を含む単位領域を基準とした分割し、分割した単位領域を同時に処理することで、従来のパターン抽出法に比較して、極めて容易に行うことができる。このため、LSIパターンから露光データの作成が短時間で行えるので、特にホールでカスタマイズを行う多品種少量生産のASICには有効である。
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。本実施形態では、荷電粒子ビームの例として電子ビームを用いる例について説明したが、イオンビームを用いても良い。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
1…セル、2…格子点、10…第2成形アパーチャ、11…薄膜領域、12…梁部、13…開口領域、100…電子ビーム露光装置、101…電子銃、102…第1成形アパーチャ、103…電子レンズ、104…第1偏向器、105…電子レンズ、106…電子レンズ、107…第2偏向器、108…電子レンズ、109…制御部、200…データ処理装置、201…データ処理部、202…入力部
Claims (9)
- 1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定するステップと、
前記格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップと、
複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減するステップと、
マスク中での各セルの配置を決定するステップと
を有するマスクパターン作成方法。 - 前記異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップにおいて、前記各格子点に番号を付与し、前記番号に基づいて前記全てのセルを求める
請求項1記載のマスクパターン作成方法。 - 前記マスクは、ホールパターンが形成される薄膜領域と、前記薄膜領域を区画する梁部とを有し、
前記各セルの配置を決定するステップにおいて、1つの前記薄膜領域に複数のセルを配置する
請求項1記載のマスクパターン作成方法。 - 1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定するステップと、
前記格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップと、
複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減するステップと、
マスク中での各セルの配置を決定して、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルを作成するステップと、
設計パターンに含まれるホールパターンを前記セルに対応する単位領域に分割するステップと、
各単位領域に含まれるホール配置と一致するホール配置をもつセルを前記記憶テーブルから抽出して、露光データを作成するステップと
を有する露光データ作成方法。 - 前記異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップにおいて、前記各格子点に番号を付与し、前記番号に基づいて前記全てのセルを求める
請求項4記載の露光データ作成方法。 - 1つのセルに含まれる格子点の数、1つの前記セルの前記格子点に配置されるホールの最大数、および格子間隔を設定するステップと、
前記格子点に前記ホールを配置した場合における異なるホール数および配置をもつ全てのセルを求めるステップと、
複数の前記セルの中から、前記セルの移動によりホール配置が同じとなるセルを削除して、セル数を削減するステップと、
マスク中での各セルの配置を決定して、マスク中での各セルの配置情報と、各セル中のホール配置の情報を含むマスクデータおよび記憶テーブルを作成するステップと、
設計パターンに含まれるホールパターンを前記セルに対応する領域に分割するステップと、
各分割領域に含まれるホール配置と一致するホール配置をもつセルを前記記憶テーブルから抽出して、露光データを作成するステップと
前記露光データに基づいて、前記マスクの各セルを選択して荷電粒子ビームを成形し、成形したビームを試料上に照射して露光を行うステップと
を有する半導体装置の製造方法。 - 前記露光を行うステップにおいて、第1成形アパーチャを通過した荷電粒子ビームを前記マスクのいずれかのセルに照射する
請求項6記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1成形アパーチャとして、前記マスクの各セルに寸法に合わせた開口をもつ前記第1成形アパーチャを用いる
請求項7記載の半導体装置の製造方法。 - 前記マスクは、ホールパターンが形成される薄膜領域と、前記薄膜領域を区画する梁部とを有し、
前記各セルの配置を決定するステップにおいて、1つの前記薄膜領域に複数のセルを配置する
請求項6記載の半導体装置の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2005215080A JP2007035803A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | マスクパターン作成方法、露光データ作成方法および半導体装置の製造方法 |
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Citations (2)
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JPH1140482A (ja) * | 1997-07-22 | 1999-02-12 | Nec Corp | 荷電粒子ビーム直描データ作成方法および描画方法 |
JP2004281508A (ja) * | 2003-03-13 | 2004-10-07 | Toshiba Corp | 荷電ビーム描画データ作成方法と荷電ビーム描画方法及び荷電ビーム描画データ作成用プログラム |
-
2005
- 2005-07-25 JP JP2005215080A patent/JP2007035803A/ja active Pending
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