JP2007033630A - 画像表示媒体及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正又は負の荷電微粒子と自己分散性微粒子との組み合わせにより、可逆表示が可能で、メモリー性を有し、特に、コントラストと解像度が高くと応答速度の速い画像表示媒体及び画像表示装置の提供。 また、材料選択性が高く、長期安定性の良い、実使用上安全性の確保ができる画像表示媒体及び画像表示装置の提供。
【解決手段】所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方又は両方が光透過性である2つの導電層間に、少なくとも白色微粒子及び着色微粒子、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液を含有し、該白色微粒子が酸塩基解離により生成した正電荷或いは負電荷を有し、該着色微粒子が自己分散性微粒子であることを特徴とする画像表示媒体及び画像表示装置。
【選択図】 図1
【解決手段】所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方又は両方が光透過性である2つの導電層間に、少なくとも白色微粒子及び着色微粒子、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液を含有し、該白色微粒子が酸塩基解離により生成した正電荷或いは負電荷を有し、該着色微粒子が自己分散性微粒子であることを特徴とする画像表示媒体及び画像表示装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電界の作用によって帯電した白色微粒子及び着色微粒子が移動することにより可逆的に視認状態を変化させうる画像表示媒体、さらにそれを使用した画像表示装置に関する。
従来、文字や静止画、動画等のいわゆる画像の表示用端末としてCRTや液晶ディスプレイが用いられている。
これらはデジタルデータを瞬時に表示し、書き換えることができるが、装置を常に持ち歩くことは困難であり、長時間の作業で眼が疲労したり、電源をオフにした際、表示できない等多くの欠点もある。
一方、文字や静止画を書類として配布、保存するときは、プリンターにて紙媒体に記録されるいわゆるハードコピーとして、広く使用されている。
ハードコピーはディスプレイより文章が読みやすく、疲れにくく、また、自由な姿勢で読むことができる。さらに、軽量で自由に持ち運びが可能である特徴を有する。
しかしハードコピーは、使用された後は廃棄されリサイクルされるが、そのためには多くの労力と費用を要するため、省資源という観点からは問題が残る。
これらはデジタルデータを瞬時に表示し、書き換えることができるが、装置を常に持ち歩くことは困難であり、長時間の作業で眼が疲労したり、電源をオフにした際、表示できない等多くの欠点もある。
一方、文字や静止画を書類として配布、保存するときは、プリンターにて紙媒体に記録されるいわゆるハードコピーとして、広く使用されている。
ハードコピーはディスプレイより文章が読みやすく、疲れにくく、また、自由な姿勢で読むことができる。さらに、軽量で自由に持ち運びが可能である特徴を有する。
しかしハードコピーは、使用された後は廃棄されリサイクルされるが、そのためには多くの労力と費用を要するため、省資源という観点からは問題が残る。
そのため、前述のディスプレイとハードコピーの両方の長所を持った書き換え可能なペーパーライクな表示媒体へのニーズは高く、これまでに高分子分散型液晶、双安定性コレステリック液晶、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子を用いたもの等が提案され、反射型で明るい表示ができ、且つ、メモリー性のある表示媒体として注目されている。
中でも電気泳動素子を用いたものは表示品質、表示動作時の消費電力の点で優れており、特許文献1には、少なくとも一方が透明な一組の対向電極板間に電気泳動粒子を含む分散系を封入し、電極板間に印加した表示駆動用電圧の作用により電気泳動粒子を透明な電極板側に吸着、離反させ、表示動作を行なわせる電気泳動表示装置が記載されており、特許文献2には、少なくとも一方が透明質に構成された一組の対向配置した電極板間に多孔性スペーサーを介装して電気泳動粒子を分散させた分散系を不連続相に分割して封入する電気泳動表示装置が記載されている。その典型的な形態を図3に示す。
中でも電気泳動素子を用いたものは表示品質、表示動作時の消費電力の点で優れており、特許文献1には、少なくとも一方が透明な一組の対向電極板間に電気泳動粒子を含む分散系を封入し、電極板間に印加した表示駆動用電圧の作用により電気泳動粒子を透明な電極板側に吸着、離反させ、表示動作を行なわせる電気泳動表示装置が記載されており、特許文献2には、少なくとも一方が透明質に構成された一組の対向配置した電極板間に多孔性スペーサーを介装して電気泳動粒子を分散させた分散系を不連続相に分割して封入する電気泳動表示装置が記載されている。その典型的な形態を図3に示す。
図3中、6はガラス等の透明基板、7はその一方面に所要のパターンで形成された透明電極であって、対向配置されたこれら一組の透明電極7の間には着色した分散媒中に分散媒の色とは異なる色を有する複数の泳動粒子を分散させた分散液8を封入してある。
泳動粒子は分散媒中で表面に電荷を帯びており、透明電極7の一方に泳動粒子の電荷と逆向きの電圧を与えた場合には泳動粒子がそちらに堆積して泳動粒子の色が観測され、泳動粒子の電荷と同じ向きの電圧を与えた場合には泳動粒子は反対側に移動するため分散媒の色が観測される。これにより表示を行なうことができる。
ここで、分散液8を単に両電極7、7間に封入する構造では、泳動粒子の凝集や付着現象によって表示ムラが発生することがあるので、両電極7、7間にメッシュ状あるいは多孔質状の有孔スペーサ9を配置することにより、分散液8を不連続に分割し、表示動作の安定化を図る工夫がなされている。しかし、このような構造の場合、分散液の一様な封入処理が困難である、あるいは封入時に分散液の特性が変化して再現性を得るのが困難であるといった問題点があった。
泳動粒子は分散媒中で表面に電荷を帯びており、透明電極7の一方に泳動粒子の電荷と逆向きの電圧を与えた場合には泳動粒子がそちらに堆積して泳動粒子の色が観測され、泳動粒子の電荷と同じ向きの電圧を与えた場合には泳動粒子は反対側に移動するため分散媒の色が観測される。これにより表示を行なうことができる。
ここで、分散液8を単に両電極7、7間に封入する構造では、泳動粒子の凝集や付着現象によって表示ムラが発生することがあるので、両電極7、7間にメッシュ状あるいは多孔質状の有孔スペーサ9を配置することにより、分散液8を不連続に分割し、表示動作の安定化を図る工夫がなされている。しかし、このような構造の場合、分散液の一様な封入処理が困難である、あるいは封入時に分散液の特性が変化して再現性を得るのが困難であるといった問題点があった。
分散粒子の安定性は、一般に静電効果或いは立体効果(吸着層効果とも呼ばれる)が働くことにより得られることが知られている。静電効果についてはDLVO理論が確立されており、この理論では電気二重層の広がり及び界面電位(いわゆるζ電位)が重要な因子となつている。したがって、これらを形成するイオンの存在が必要となり、また、このようにイオンの存在が明確な水溶媒系ではいくつかの研究がなされている。
一方、立体効果についてはDLVO理論に相当するものは未だ確立されていないが、非水溶媒系(主に石油系溶媒)では、例えば次のような研究が知られている。
即ち、非特許文献1に記載の研究は、安定な非水溶媒系分散液の基本的な製造法に関するもので、この方法は前記溶媒中で溶媒に分散させる粒子(溶媒に不溶)に対し相溶性のある成分と、前記溶媒に溶解する成分とを含むブロック又はグラフト共重合体を製造し用いるというものである。
即ち、非特許文献1に記載の研究は、安定な非水溶媒系分散液の基本的な製造法に関するもので、この方法は前記溶媒中で溶媒に分散させる粒子(溶媒に不溶)に対し相溶性のある成分と、前記溶媒に溶解する成分とを含むブロック又はグラフト共重合体を製造し用いるというものである。
この方法を利用したものとして、特許文献3には炭化水素溶媒中で減成ゴムの存在下、メチルメタクリレート(MMA)をラジカル重合させて安定なポリメチルメタクリレート(PMMA)分散液を得る方法が記載されている。この方法で減成ゴムがPMMA粒子に吸着されることは考えられず、PMMA粒子が分散安定化している事実から、減成ゴムにMMAがグラフト重合していると考えられる。また、このグラフト重合体は不溶解部が粒子表面に会合し、溶解部が立体効果を持ち、その結果、粒子の分散安定性を維持するものと考えられている。
電気泳動表示における粒子の分散安定を目指したものとしては、立体効果を利用するものとして、特許文献4に示される顔料分子と高分子分散剤を共有結合で結合するものが挙げられる。しかしこの場合、高分子鎖による立体効果に基づく分散安定性は期待できるものの、静電反発による効果は期待できないため、分散安定性は不十分である。
また、特許文献5には、酸性部位を持つ顔料とアミノ基を持つ高分子分散剤を組み合わせることにより、立体効果と静電反発の両者により分散安定を高める方法が記載されている。しかし、この場合、顔料自身が分子内に酸を持たねばならず、その選択が限定される。また、非極性溶媒中での酸塩基解離は水などの極性溶媒と異なり非常に小さいので、通常は静電的効果は小さい。
電気泳動表示における粒子の分散安定を目指したものとしては、立体効果を利用するものとして、特許文献4に示される顔料分子と高分子分散剤を共有結合で結合するものが挙げられる。しかしこの場合、高分子鎖による立体効果に基づく分散安定性は期待できるものの、静電反発による効果は期待できないため、分散安定性は不十分である。
また、特許文献5には、酸性部位を持つ顔料とアミノ基を持つ高分子分散剤を組み合わせることにより、立体効果と静電反発の両者により分散安定を高める方法が記載されている。しかし、この場合、顔料自身が分子内に酸を持たねばならず、その選択が限定される。また、非極性溶媒中での酸塩基解離は水などの極性溶媒と異なり非常に小さいので、通常は静電的効果は小さい。
以上の様に、これまでの電気泳動表示媒体は、正負の荷電微粒子が共に配合されていて各電荷の違う微粒子が正負の電極に応じて互いの別々の方向に移動していた。この場合、電荷の異なる微粒子が同じ分散液中に配合されていると、正負の荷電粒子がお互いに引き合い分散液中の微粒子の安定性が損なわれ凝集したり、正電荷の微粒子の電極への移動を負電荷の微粒子が妨げたり、また逆に負電荷の微粒子の電極への移動を正電荷の微粒子が妨げたりなど種々の問題が生じていた。
本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、正又は負の荷電微粒子と自己分散性微粒子との組み合わせにより、可逆表示が可能で、メモリー性を有し、特に、コントラストと解像度が高くと応答速度の速い画像表示媒体を提供することである。
また、材料選択性が高く、長期安定性の良い、実使用上安全性の確保ができる画像表示媒体を提供することである。
また、材料選択性が高く、長期安定性の良い、実使用上安全性の確保ができる画像表示媒体を提供することである。
本発明の第1は、所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方又は両方が光透過性である2つの導電層間に、少なくとも白色微粒子及び着色微粒子、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液を含有し、該白色微粒子が酸塩基解離により生成した正電荷或いは負電荷を有し、該着色微粒子が自己分散性微粒子であることを特徴とする画像表示媒体に関する。
本発明の第2は、所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方又は両方が光透過性である2つの導電層間に、少なくとも白色微粒子及び着色微粒子、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液を含有し、該着色微粒子が酸塩基解離により生成した正電荷或いは負電荷を有し、該白色微粒子が自己分散性微粒子であることを特徴とする画像表示媒体に関する。
本発明の第3は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも表面に酸性基を有し、且つ、前記非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも塩基性基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第4は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも表面に塩基性基を有し、且つ、前記非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも酸性基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第5は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子と前記非極性溶媒に可溶な樹脂との配合比(重量)が1対1から50対1の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第6は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも顔料と樹脂とから成り、該顔料と該樹脂の重量比が、樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第7は、前記白色微粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第8は、前記着色微粒子がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第9は、前記自己分散性微粒子が、表面官能基修飾された微粒子であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第10は、前記自己分散性微粒子が、コアシェルポリマー微粒子、グラフトポリマー微粒子、カプセルポリマー微粒子の何れかであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第11は、前記自己分散性微粒子が、アクリルコポリマーグラフトカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第12は、前記自己分散性微粒子が、シリコーンポリマーグラフトカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第13は、前記白色微粒子及び着色微粒子の平均粒子径が、0.01μm〜1μmであることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第14は、前記非極性溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイルの何れかであることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第15は、非イオン性の極性基を有する化合物がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第16は、請求項1〜15の何れかに記載の画像表示媒体を有する画像表示装置に関する。
本発明の第17は、請求項1〜15の何れかに記載の画像表示媒体が封入されたマイクロカプセルで構成されることを特徴とする請求項16に記載の画像表示装置に関する。
本発明の第2は、所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方又は両方が光透過性である2つの導電層間に、少なくとも白色微粒子及び着色微粒子、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液を含有し、該着色微粒子が酸塩基解離により生成した正電荷或いは負電荷を有し、該白色微粒子が自己分散性微粒子であることを特徴とする画像表示媒体に関する。
本発明の第3は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも表面に酸性基を有し、且つ、前記非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも塩基性基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第4は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも表面に塩基性基を有し、且つ、前記非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも酸性基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第5は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子と前記非極性溶媒に可溶な樹脂との配合比(重量)が1対1から50対1の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第6は、電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも顔料と樹脂とから成り、該顔料と該樹脂の重量比が、樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第7は、前記白色微粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第8は、前記着色微粒子がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第9は、前記自己分散性微粒子が、表面官能基修飾された微粒子であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第10は、前記自己分散性微粒子が、コアシェルポリマー微粒子、グラフトポリマー微粒子、カプセルポリマー微粒子の何れかであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第11は、前記自己分散性微粒子が、アクリルコポリマーグラフトカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第12は、前記自己分散性微粒子が、シリコーンポリマーグラフトカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第13は、前記白色微粒子及び着色微粒子の平均粒子径が、0.01μm〜1μmであることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第14は、前記非極性溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイルの何れかであることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第15は、非イオン性の極性基を有する化合物がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の画像表示媒体に関する。
本発明の第16は、請求項1〜15の何れかに記載の画像表示媒体を有する画像表示装置に関する。
本発明の第17は、請求項1〜15の何れかに記載の画像表示媒体が封入されたマイクロカプセルで構成されることを特徴とする請求項16に記載の画像表示装置に関する。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
本発明の画像表示媒体による画像表示の動作原理は、以下の通りである。
図1は、本発明の表示媒体の一例を示す断面図である。
図中、1及び2は二つの導電層を示すが、一方又は両方が光透過性であり、内部に電気泳動微粒子である正に荷電した着色微粒子3、自己分散性白色微粒子4、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤及び非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液5を有している。
ここで、導電層2が透光性の場合、導電層2の上方よりこの媒体を見ると、荷電した着色微粒子3及び自己分散性白色微粒子4の色が見える。このとき該非極性溶媒に可溶な樹脂は、荷電した着色微粒子3又は自己分散性白色微粒子4に吸着し、その立体効果により白色及び着色の微粒子の分散安定性が増し長期安定性の実現を可能とする。
本発明の画像表示媒体による画像表示の動作原理は、以下の通りである。
図1は、本発明の表示媒体の一例を示す断面図である。
図中、1及び2は二つの導電層を示すが、一方又は両方が光透過性であり、内部に電気泳動微粒子である正に荷電した着色微粒子3、自己分散性白色微粒子4、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤及び非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液5を有している。
ここで、導電層2が透光性の場合、導電層2の上方よりこの媒体を見ると、荷電した着色微粒子3及び自己分散性白色微粒子4の色が見える。このとき該非極性溶媒に可溶な樹脂は、荷電した着色微粒子3又は自己分散性白色微粒子4に吸着し、その立体効果により白色及び着色の微粒子の分散安定性が増し長期安定性の実現を可能とする。
図2は、図1の媒体を実際に駆動して画像表示する際の作動機構の一例を示す断面図である。
図2(a)で、表示媒体の右半分と左半分が仕切られた導電層1、2に、外部から適当な手段で電荷を付与すると、正に荷電した着色微粒子3は、図2(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動する。
図2(c)は、正に荷電した着色微粒子3が導電層2に到達した状態を示す。ここで、導電層2と正に荷電した着色微粒子3は、静電気力によって付着し移動が完結する。
図2(c)の状態を媒体の上方(導電層2の外側)から眺めると左半分は自己分散性白色微粒子4の色が、右半分は正に荷電した着色微粒子3の色が望める。
また、図2(c)のように、一部の荷電した着色微粒子3が内部に留まってしまう場合がある。
これは荷電した着色微粒子3と自己分散性白色微粒子4の流動性が不十分であるため荷電した着色微粒子3の移動に対する機械的な抵抗が大きい部分があるためと考えられる。
この現象を防止するために、粒子の流動性を向上させることが考えられるが、粒子の流動性を向上させ過ぎると、外部からの衝撃や振動により荷電した着色微粒子3及び自己分散性白色微粒子4が移動してしまい、表示画像が損なわれる可能性がある。
理想的には、画像の書き換え動作中には粒子の流動性が良く、書き換え動作終了時には流動性が悪くなることが望まれるが、粒子自体にそのような特性を求めることは困難である。
本発明では、界面活性剤とポリマー系分散剤の配合により微粒子の流動性を向上させ、書き換え動作時に着色荷電微粒子3の表面方向への移動をし易くする。自己分散性白色微粒子に関しても同様のことが言える。その結果、図2(d)のように分散液5内部に留まる着色荷電微粒子3が少なくなり、表示コントラストが向上する。
以上が、本発明の画像表示媒体による画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり、繰り返し使用ができる。
荷電微粒子が正に帯電している場合は負の外部電界により移動し、荷電微粒子が負に帯電している場合は正の外部電界により移動する。
図4と図5は、本発明の一実施の形態を示す画像表示装置の説明図である。
図4は、本発明における表示媒体そのものであるデジタルペーパーの模式図である。
図5は、本発明においてポケットPCのような表示媒体が実装された装置図である。
図6は、本発明の一実施の形態を示すマイクロカプセルの断面説明図である。
本発明のマイクロカプセル(30)は、ゼラチンのようなマイクロカプセル膜(25)からなるカプセル中に、荷電した白色又は着色微粒子(23)と、荷電した微粒子と異なる色を有する自己分散性微粒子を含む分散媒(24)が封入されている。
図7は、本発明の一実施の形態を示すマイクロカプセルを用いた画像表示媒体の部分断面説明図である。
画像表示媒体(40)は、少なくとも一方又は双方が光透過性である二つの導電層(31)、(32)間に、マイクロカプセル膜(35)からなるカプセル中に、荷電した白色又は着色微粒子(33)と、荷電した微粒子と異なる色を有する自己分散性微粒子を含む分散媒(34)が封入されているマイクロカプセル(36)からなる層を設けることができる。
図2(a)で、表示媒体の右半分と左半分が仕切られた導電層1、2に、外部から適当な手段で電荷を付与すると、正に荷電した着色微粒子3は、図2(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動する。
図2(c)は、正に荷電した着色微粒子3が導電層2に到達した状態を示す。ここで、導電層2と正に荷電した着色微粒子3は、静電気力によって付着し移動が完結する。
図2(c)の状態を媒体の上方(導電層2の外側)から眺めると左半分は自己分散性白色微粒子4の色が、右半分は正に荷電した着色微粒子3の色が望める。
また、図2(c)のように、一部の荷電した着色微粒子3が内部に留まってしまう場合がある。
これは荷電した着色微粒子3と自己分散性白色微粒子4の流動性が不十分であるため荷電した着色微粒子3の移動に対する機械的な抵抗が大きい部分があるためと考えられる。
この現象を防止するために、粒子の流動性を向上させることが考えられるが、粒子の流動性を向上させ過ぎると、外部からの衝撃や振動により荷電した着色微粒子3及び自己分散性白色微粒子4が移動してしまい、表示画像が損なわれる可能性がある。
理想的には、画像の書き換え動作中には粒子の流動性が良く、書き換え動作終了時には流動性が悪くなることが望まれるが、粒子自体にそのような特性を求めることは困難である。
本発明では、界面活性剤とポリマー系分散剤の配合により微粒子の流動性を向上させ、書き換え動作時に着色荷電微粒子3の表面方向への移動をし易くする。自己分散性白色微粒子に関しても同様のことが言える。その結果、図2(d)のように分散液5内部に留まる着色荷電微粒子3が少なくなり、表示コントラストが向上する。
以上が、本発明の画像表示媒体による画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり、繰り返し使用ができる。
荷電微粒子が正に帯電している場合は負の外部電界により移動し、荷電微粒子が負に帯電している場合は正の外部電界により移動する。
図4と図5は、本発明の一実施の形態を示す画像表示装置の説明図である。
図4は、本発明における表示媒体そのものであるデジタルペーパーの模式図である。
図5は、本発明においてポケットPCのような表示媒体が実装された装置図である。
図6は、本発明の一実施の形態を示すマイクロカプセルの断面説明図である。
本発明のマイクロカプセル(30)は、ゼラチンのようなマイクロカプセル膜(25)からなるカプセル中に、荷電した白色又は着色微粒子(23)と、荷電した微粒子と異なる色を有する自己分散性微粒子を含む分散媒(24)が封入されている。
図7は、本発明の一実施の形態を示すマイクロカプセルを用いた画像表示媒体の部分断面説明図である。
画像表示媒体(40)は、少なくとも一方又は双方が光透過性である二つの導電層(31)、(32)間に、マイクロカプセル膜(35)からなるカプセル中に、荷電した白色又は着色微粒子(33)と、荷電した微粒子と異なる色を有する自己分散性微粒子を含む分散媒(34)が封入されているマイクロカプセル(36)からなる層を設けることができる。
本発明の画像表示媒体においては、白色及び着色の微粒子表面と微粒子に吸着した樹脂との間の酸塩基解離と非イオン性の極性成分による溶媒和効果により電荷が発生し、また、吸着した樹脂による立体効果によって分散安定性の相乗効果が得られ、長期安定性と早い応答速度が両立した画像表示媒体が提供できる。
本発明の画像表示媒体においては、白色及び着色の微粒子が少なくとも顔料と樹脂とから成り、更に、該顔料と該樹脂の重量比が、樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部であることにより、画像濃度が高く応答速度の速い画像表示を可能にする。
又、本発明の画像表示媒体においては、白色微粒子が酸化チタンであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。又、着色微粒子がカーボンブラックであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
更に、自己分散性微粒子が表面官能基修飾された微粒子であることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
自己分散性微粒子がコアシェルポリマー微粒子、グラフトポリマー微粒子、カプセルポリマー微粒子の何れかであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供でき、自己分散性着色微粒子がアクリルコポリマーグラフトカーボンブラックであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
自己分散性着色微粒子がシリコーンポリマーグラフトカーボンブラックであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
本発明の画像表示媒体においては、白色及び着色の微粒子の粒径が、0.01μm〜1μmであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
非極性溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイルの何れかであることにより、材料選択性が高い画像表示媒体を提供することができる。
非イオン性の極性基を有する化合物がノニオン系界面活性剤であることにより、荷電した微粒子と自己分散性微粒子の長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
画像表示装置においては、上記画像表示媒体を構成要素に持つことにより、省電力で視認性の高い表示装置を提供することができる。
本発明の画像表示媒体においては、白色及び着色の微粒子が少なくとも顔料と樹脂とから成り、更に、該顔料と該樹脂の重量比が、樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部であることにより、画像濃度が高く応答速度の速い画像表示を可能にする。
又、本発明の画像表示媒体においては、白色微粒子が酸化チタンであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。又、着色微粒子がカーボンブラックであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
更に、自己分散性微粒子が表面官能基修飾された微粒子であることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
自己分散性微粒子がコアシェルポリマー微粒子、グラフトポリマー微粒子、カプセルポリマー微粒子の何れかであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供でき、自己分散性着色微粒子がアクリルコポリマーグラフトカーボンブラックであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
自己分散性着色微粒子がシリコーンポリマーグラフトカーボンブラックであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
本発明の画像表示媒体においては、白色及び着色の微粒子の粒径が、0.01μm〜1μmであることにより、長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
非極性溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイルの何れかであることにより、材料選択性が高い画像表示媒体を提供することができる。
非イオン性の極性基を有する化合物がノニオン系界面活性剤であることにより、荷電した微粒子と自己分散性微粒子の長期安定性が良くコントラストの高い画像表示媒体を提供できる。
画像表示装置においては、上記画像表示媒体を構成要素に持つことにより、省電力で視認性の高い表示装置を提供することができる。
自己分散性微粒子は、微粒子をポリマーでグラフト化やカプセル化やコアシェル化して、分散剤なしに溶解した染料と同様に溶剤中に分散した状態の微粒子をいう。
この自己分散性微粒子と電荷を有する微粒子とを非極性溶媒中にて電気泳動により移動させる場合、従来の分散液と比べて反射率やコントラストなどの表示特性が各段に向上することを見出した。
酸塩基解離により帯電するメカニズムに関しては前述のように、従来の非水溶媒、特に無極性非プロトン溶媒系分散液においては、イオン又は電荷の存在は不明確であった。
これは、この種の溶媒中ではイオンと溶媒分子間で相互作用(溶媒和)が起こり難いためと考えられる。
そこで本発明者は(a)少なくとも酸性基を有する有機物質、(b)少なくとも塩基性基を有する有機物質、及び(c)前記溶媒と相溶性があり、且つ非イオン性の極性成分を有する有機物質の3成分を含む〔(a)、(b)の何れかの成分は(c)成分との共重合体として存在してもよい〕無極性非プロトン溶媒系分散液について鋭意検討した結果、前記溶媒中では(a)及び(b)成分は、酸−塩基イオン解離を起こしていることを見い出した。
また、イオン−双極子相互作用、即ち溶媒和が存在することも示唆された。
すなわち、本発明者は前記溶媒中に(a)、(b)、(c)の3成分が存在すると、(c)成分中の極性基の溶媒和を介した酸−塩基間のイオン解離により、無極性非プロトン溶媒中においても安定にイオンが存在し得ることを見い出した。
この事実は(a)、(b)両成分が溶媒に可溶な成分であつても不溶な成分であっても同様に観察された。また、本発明者は、前述のように(a)、(b)、(c)の3成分を含む系において、更に顔料、金属酸化物等の固定粒子を共存させると、これに(a)又は(b)成分の酸基又は塩基性基が化学結合、吸着等により固定されて(c)成分の溶媒和を介してイオン解離が固体粒子表面と溶媒との界面で起こり、その結果、固体粒子は一様に正又は負の極性に帯電すると共に、この静電効果と更に立体効果との相剰作用により、固体粒子は従来よりも安定に分散されることを見い出した。
更に、本発明者は前記イオン量及び帯電量は(a)、(b)、(c)各成分の種類や量で制御できることを見い出した。本発明者は、これらの正負の何れかに荷電した微粒子と自己分散性微粒子とを同じ分散液中に配合し荷電した微粒子のみを外部電界により移動させた場合、荷電微粒子と自己分散性微粒子の長期安定性が非常に良く、同時にコントラストの非常に高い表示特性が得られることを見出したものである。
この自己分散性微粒子と電荷を有する微粒子とを非極性溶媒中にて電気泳動により移動させる場合、従来の分散液と比べて反射率やコントラストなどの表示特性が各段に向上することを見出した。
酸塩基解離により帯電するメカニズムに関しては前述のように、従来の非水溶媒、特に無極性非プロトン溶媒系分散液においては、イオン又は電荷の存在は不明確であった。
これは、この種の溶媒中ではイオンと溶媒分子間で相互作用(溶媒和)が起こり難いためと考えられる。
そこで本発明者は(a)少なくとも酸性基を有する有機物質、(b)少なくとも塩基性基を有する有機物質、及び(c)前記溶媒と相溶性があり、且つ非イオン性の極性成分を有する有機物質の3成分を含む〔(a)、(b)の何れかの成分は(c)成分との共重合体として存在してもよい〕無極性非プロトン溶媒系分散液について鋭意検討した結果、前記溶媒中では(a)及び(b)成分は、酸−塩基イオン解離を起こしていることを見い出した。
また、イオン−双極子相互作用、即ち溶媒和が存在することも示唆された。
すなわち、本発明者は前記溶媒中に(a)、(b)、(c)の3成分が存在すると、(c)成分中の極性基の溶媒和を介した酸−塩基間のイオン解離により、無極性非プロトン溶媒中においても安定にイオンが存在し得ることを見い出した。
この事実は(a)、(b)両成分が溶媒に可溶な成分であつても不溶な成分であっても同様に観察された。また、本発明者は、前述のように(a)、(b)、(c)の3成分を含む系において、更に顔料、金属酸化物等の固定粒子を共存させると、これに(a)又は(b)成分の酸基又は塩基性基が化学結合、吸着等により固定されて(c)成分の溶媒和を介してイオン解離が固体粒子表面と溶媒との界面で起こり、その結果、固体粒子は一様に正又は負の極性に帯電すると共に、この静電効果と更に立体効果との相剰作用により、固体粒子は従来よりも安定に分散されることを見い出した。
更に、本発明者は前記イオン量及び帯電量は(a)、(b)、(c)各成分の種類や量で制御できることを見い出した。本発明者は、これらの正負の何れかに荷電した微粒子と自己分散性微粒子とを同じ分散液中に配合し荷電した微粒子のみを外部電界により移動させた場合、荷電微粒子と自己分散性微粒子の長期安定性が非常に良く、同時にコントラストの非常に高い表示特性が得られることを見出したものである。
自己分散性微粒子と荷電微粒子との組み合わせで表示特性が向上する理由に関しては以下の通りである。
これまでの電気泳動表示媒体は、正負の荷電した微粒子が共に配合されていて各電荷の違う微粒子が正負の電極に応じて互いの別々の方向に移動していた。
この場合、電荷の異なる微粒子が同じ分散液中に配合されていると、正負の荷電粒子がお互いに引き合い分散液中の微粒子の安定性が損なわれ凝集したり、正電荷の微粒子の電極への移動を負電荷の微粒子が妨げたり、また逆に負電荷の微粒子の電極への移動を正電荷の微粒子が妨げたりなど種々の問題が生じていた。
これに対して、正又は負の荷電微粒子と自己分散性微粒子とを組み合わせることにより、自己分散性微粒子は単に分散液中に分散(又は染料に近い溶解状態)しているだけであるので、共に配合されている荷電微粒子に何の作用を及ぼさず、移動を妨げたり、凝集したり等の悪影響をまったく及ぼさないからである。
自己分散性微粒子と荷電微粒子との組み合わせでは、可逆表示が可能で、メモリー性を有し、特に、コントラストと解像度が高く、応答速度の速い画像表示媒体を提供することが可能である。また、材料選択性が高く、長期安定性の良い、実使用上安全性の確保ができる画像表示媒体を提供することも可能である。
これまでの電気泳動表示媒体は、正負の荷電した微粒子が共に配合されていて各電荷の違う微粒子が正負の電極に応じて互いの別々の方向に移動していた。
この場合、電荷の異なる微粒子が同じ分散液中に配合されていると、正負の荷電粒子がお互いに引き合い分散液中の微粒子の安定性が損なわれ凝集したり、正電荷の微粒子の電極への移動を負電荷の微粒子が妨げたり、また逆に負電荷の微粒子の電極への移動を正電荷の微粒子が妨げたりなど種々の問題が生じていた。
これに対して、正又は負の荷電微粒子と自己分散性微粒子とを組み合わせることにより、自己分散性微粒子は単に分散液中に分散(又は染料に近い溶解状態)しているだけであるので、共に配合されている荷電微粒子に何の作用を及ぼさず、移動を妨げたり、凝集したり等の悪影響をまったく及ぼさないからである。
自己分散性微粒子と荷電微粒子との組み合わせでは、可逆表示が可能で、メモリー性を有し、特に、コントラストと解像度が高く、応答速度の速い画像表示媒体を提供することが可能である。また、材料選択性が高く、長期安定性の良い、実使用上安全性の確保ができる画像表示媒体を提供することも可能である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の実施の形態においては、図1中1及び2は導電層で、少なくとも一方は光透過性である。
導電層としてはAl、Ag、Ni、Cu等の金属やインジウムすず酸化物(ITO)、SnO2、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒あるいは合成樹脂微粒子修飾に混合して塗布したものが用いられる。
導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。導電層は自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合もあるし、図示しない自己保持機能を有する基体上に導電層が設けられている場合もあり、いずれの場合も好適に使用できる。
また、導電層1及び2は、異方導電性を示す層であってもよいし、厚さ方向に導電性部分が貫通したパターン状ないしマルチドット状のセグメントを有する層であってもよい。
いずれにおいても導電層1及び2の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層1、2の間に電界を生じさせることが可能となるので、荷電した白色及び着色の微粒子3は確実に移動できる。表示を行なうには導電層1、2間の電圧印加手段を用意すればよいので、簡便である。
本発明の実施の形態においては、図1中1及び2は導電層で、少なくとも一方は光透過性である。
導電層としてはAl、Ag、Ni、Cu等の金属やインジウムすず酸化物(ITO)、SnO2、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒あるいは合成樹脂微粒子修飾に混合して塗布したものが用いられる。
導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。導電層は自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合もあるし、図示しない自己保持機能を有する基体上に導電層が設けられている場合もあり、いずれの場合も好適に使用できる。
また、導電層1及び2は、異方導電性を示す層であってもよいし、厚さ方向に導電性部分が貫通したパターン状ないしマルチドット状のセグメントを有する層であってもよい。
いずれにおいても導電層1及び2の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層1、2の間に電界を生じさせることが可能となるので、荷電した白色及び着色の微粒子3は確実に移動できる。表示を行なうには導電層1、2間の電圧印加手段を用意すればよいので、簡便である。
荷電した白色又は着色の微粒子は、白色又は着色の微粒子が少なくとも表面に酸性基を有し、且つ非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも塩基性基を有する、あるいは、白色又は着色の微粒子が少なくとも表面に塩基性基を有し、且つ非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも酸性基を有する、のいずれかである。
このとき白色又は着色の微粒子表面の酸性基又は塩基性基、および非極性溶媒に可溶な樹脂の塩基性基または酸性基との間で酸塩基解離が起こる。
また、非イオン性の極性基を有する化合物が分散液中に存在することにより、溶媒和を介してイオン生成が白色又は着色の微粒子表面と溶媒との界面で起こり、その結果、白色又は着色の微粒子は一様に正又は負の極性に帯電すると共にこの静電効果と更に立体効果との相剰作用により、固体粒子は従来よりも安定に分散される。
このとき白色又は着色の微粒子表面の酸性基又は塩基性基、および非極性溶媒に可溶な樹脂の塩基性基または酸性基との間で酸塩基解離が起こる。
また、非イオン性の極性基を有する化合物が分散液中に存在することにより、溶媒和を介してイオン生成が白色又は着色の微粒子表面と溶媒との界面で起こり、その結果、白色又は着色の微粒子は一様に正又は負の極性に帯電すると共にこの静電効果と更に立体効果との相剰作用により、固体粒子は従来よりも安定に分散される。
白色及び着色の微粒子が酸塩基解離により正又は負の極性に帯電するためには、
(I)コアシェル構造の帯電微粒子を合成する方法と
(II)ノニオン系界面活性剤を用いる場合の方法がある。
(I)の方法は、分散重合により微粒子の表面に樹脂微粒子を吸着させコアシェル構造の荷電微粒子を合成する。
(II)の方法は、ノニオン系界面活性剤を添加することにより達成される。
(I)コアシェル構造の帯電微粒子を合成する方法と
(II)ノニオン系界面活性剤を用いる場合の方法がある。
(I)の方法は、分散重合により微粒子の表面に樹脂微粒子を吸着させコアシェル構造の荷電微粒子を合成する。
(II)の方法は、ノニオン系界面活性剤を添加することにより達成される。
本発明に使用される白色及び着色の粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、などの金属酸化物、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等の黒色の着色剤、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等のシアンの着色剤、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等のマゼンタの着色剤、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等のイエローの着色剤など、従来公知の染顔料単独あるいは混合したものを以下に示す酸性基を有するモノマー、あるいは塩基性基を有するモノマーを成分として有する非極性溶媒に不溶な微粒子修飾樹脂で分散したものが挙げられる。
非極性溶媒に不溶な酸性基を有する微粒子修飾樹脂(酸性基を有するモノマーを構成成分とする重合体又は共重合体)の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリット酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート、ヒドロキシスチレン等の酸性基を有するモノマーの少くとも1種と、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ビニルラウレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン等の(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少くとも1種とから得られる共重合体が挙げられる。
これら組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を好適に定めることにより、非極性溶媒に不溶な微粒子修飾樹脂を作れば良い。
これら組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を好適に定めることにより、非極性溶媒に不溶な微粒子修飾樹脂を作れば良い。
非極性溶媒に不溶な塩基性基を有する微粒子修飾樹脂(塩基性基を有するモノマーを構成成分とする重合体又は共重合体)の例としては、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート、N−フェニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフェニルアミノエチルスチレン、N−フェニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン等の塩基性基を有するモノマーの少くとも1種と、上記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少くとも1種とから得られる共重合体が挙げられる。これら組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を好適に定めることにより、非極性溶媒に不溶な微粒子修飾樹脂を作れば良い。
また、固体粒子としてカーボンブラックや金属酸化物のようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合は、これらの物質に前記酸性基あるいは塩基性基を有するモノマーを反応させることにより、酸性基又は塩基性基を化学結合させてもよい。
顔料の使用量は、微粒子修飾樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
非極性溶媒としては、公知の炭化水素系溶媒やシリコーンオイルを使用することができる。また、非極性溶媒に可溶で白色又は着色の自己分散性微粒子を分散液に添加することが好ましい。
非極性溶媒に可溶な樹脂としては、非極性溶媒よりも荷電した白色又は着色の微粒子表面との引力相互作用が強いものが好ましい。
荷電した白色又は着色の微粒子に樹脂が吸着することにより、その立体効果によって荷電した白色及び着色の微粒子の分散安定性が増大する。
顔料の使用量は、微粒子修飾樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
非極性溶媒としては、公知の炭化水素系溶媒やシリコーンオイルを使用することができる。また、非極性溶媒に可溶で白色又は着色の自己分散性微粒子を分散液に添加することが好ましい。
非極性溶媒に可溶な樹脂としては、非極性溶媒よりも荷電した白色又は着色の微粒子表面との引力相互作用が強いものが好ましい。
荷電した白色又は着色の微粒子に樹脂が吸着することにより、その立体効果によって荷電した白色及び着色の微粒子の分散安定性が増大する。
本発明で使用される上記炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な樹脂の具体例は次の通りである。
炭化水素溶媒に可溶な酸性基を有する樹脂(酸性基を有するモノマーを構成成分とする重合体又は共重合体)の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリット酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート、ヒドロキシスチレン等の酸性基を有するモノマーの少くとも1種と、上記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少くとも1種とから得られる共重合体が挙げられる。これら組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を好適に定めることにより、炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な樹脂を作れば良い。
炭化水素溶媒に可溶な酸性基を有する樹脂(酸性基を有するモノマーを構成成分とする重合体又は共重合体)の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリット酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート、ヒドロキシスチレン等の酸性基を有するモノマーの少くとも1種と、上記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少くとも1種とから得られる共重合体が挙げられる。これら組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を好適に定めることにより、炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な樹脂を作れば良い。
炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な塩基性基を有する樹脂(塩基性基を有するモノマーを構成成分とする重合体又は共重合体)の例としては、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート、N−フェニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフェニルアミノエチルスチレン、N−フェニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン等の塩基性基を有するモノマーの少くとも1種と、上記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少くとも1種とから得られる共重合体が挙げられる。これら組み合わせるモノマーの種類、重合時の配合比を好適に定めることにより、炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な樹脂を作れば良い。
非イオン性の極性基を有する化合物としては、炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶で誘電率が炭化水素系溶媒やシリコーンオイルよりも大きく、且つ自身はイオン解離しないものが好ましい。
本発明で使用される非イオン性の極性基を有する化合物としては、エーテル類、エステル類、アルコール類、ケトン類、アミド類などが挙げられる。
これらの化合物と炭化水素溶媒の混合比は、炭化水素溶媒100重量部に対し0.1〜10重量部程度である。
本発明の分散液を作るには、前記各成分を炭化水素溶媒中に混合分散すればよい。この場合、分散手段としてボールミル、サンドミル、アトライター等を用いてもよい。なお、混合順序は特に限定されるものではない。
本発明で使用される非イオン性の極性基を有する化合物としては、エーテル類、エステル類、アルコール類、ケトン類、アミド類などが挙げられる。
これらの化合物と炭化水素溶媒の混合比は、炭化水素溶媒100重量部に対し0.1〜10重量部程度である。
本発明の分散液を作るには、前記各成分を炭化水素溶媒中に混合分散すればよい。この場合、分散手段としてボールミル、サンドミル、アトライター等を用いてもよい。なお、混合順序は特に限定されるものではない。
本発明の実施形態においては、炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な樹脂が非イオン性の極性基を有する。
本発明で使用される上記炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な樹脂の具体例は次の通りである。
酸性基を有し、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂(酸性基を有するモノマーおよび非イオン性の極性基を有するモノマーを構成成分とする共重合体)の例としては、前記酸性基を有するモノマーの具体例のうちの少なくとも1種と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−プロピルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソブチル−2−シアノアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、メタクリルアセトン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、p−ニトロスチレン、ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド等の極性モノマーとの共重合体が挙げられる。
また、さらに前記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少なくとも1種以上を成分として有する共重合体であっても良い。
塩基性基を有し、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂(塩基性基を有するモノマーおよび非イオン性の極性基を有するモノマーを構成成分とする共重合体)の例としては、少なくとも前記塩基性基を有するモノマーの具体例のうち少なくとも1種と、前記極性モノマーとの共重合体が挙げられる。
また、さらに前記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少くとも1種以上を成分として有する共重合体であっても良い。
本発明で使用される上記炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに可溶な樹脂の具体例は次の通りである。
酸性基を有し、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂(酸性基を有するモノマーおよび非イオン性の極性基を有するモノマーを構成成分とする共重合体)の例としては、前記酸性基を有するモノマーの具体例のうちの少なくとも1種と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−プロピルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソブチル−2−シアノアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、メタクリルアセトン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、p−ニトロスチレン、ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド等の極性モノマーとの共重合体が挙げられる。
また、さらに前記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少なくとも1種以上を成分として有する共重合体であっても良い。
塩基性基を有し、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂(塩基性基を有するモノマーおよび非イオン性の極性基を有するモノマーを構成成分とする共重合体)の例としては、少なくとも前記塩基性基を有するモノマーの具体例のうち少なくとも1種と、前記極性モノマーとの共重合体が挙げられる。
また、さらに前記(メタ)アクリル酸のアルキルまたはアリールエステルの少くとも1種以上を成分として有する共重合体であっても良い。
本発明の実施形態においては、白色又は着色の微粒子が表面に非イオン性の極性基を有する。
本発明で使用される上記白色及び着色の微粒子の具体例としては、前記酸性基を有するモノマーおよび前記極性モノマーを成分として有する炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに不溶な樹脂、あるいは前記塩基性基を有するモノマーと前記極性モノマーを成分として有する炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。
また、固体粒子として、カーボンブラックや金属酸化物のようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合は、これらの物質に前記酸性基あるいは塩基性基を有するモノマーと極性モノマーを反応させることにより、酸性基又は塩基性基と極性基を化学結合させてもよい。
本発明で使用される上記白色及び着色の微粒子の具体例としては、前記酸性基を有するモノマーおよび前記極性モノマーを成分として有する炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに不溶な樹脂、あるいは前記塩基性基を有するモノマーと前記極性モノマーを成分として有する炭化水素系溶媒やシリコーンオイルに不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。
また、固体粒子として、カーボンブラックや金属酸化物のようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合は、これらの物質に前記酸性基あるいは塩基性基を有するモノマーと極性モノマーを反応させることにより、酸性基又は塩基性基と極性基を化学結合させてもよい。
本発明の実施形態においては、白色ないし着色の微粒子は少なくとも顔料と樹脂とから成り、該顔料と該樹脂の重量比が樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部であることが好ましい。
着色成分である顔料の占める割合が多いと、画像として表示した際の画像濃度が高くなり、コントラストの良い画像表示媒体が得られる。
反面、白色及び着色の粒子表面の酸塩基解離によるイオン生成を司る樹脂成分が少なくなると、生成電荷量が少なくなり、応答速度を速くすることが困難となる。
逆に、着色成分である顔料の占める割合が少ないと応答速度は速くなるが、コントラストの良い画像表示が困難となる。
本発明の実施形態においては、白色微粒子は酸化チタンが好ましい。酸化チタンは各種材料の中でも白色度が一番高いためである。
着色成分である顔料の占める割合が多いと、画像として表示した際の画像濃度が高くなり、コントラストの良い画像表示媒体が得られる。
反面、白色及び着色の粒子表面の酸塩基解離によるイオン生成を司る樹脂成分が少なくなると、生成電荷量が少なくなり、応答速度を速くすることが困難となる。
逆に、着色成分である顔料の占める割合が少ないと応答速度は速くなるが、コントラストの良い画像表示が困難となる。
本発明の実施形態においては、白色微粒子は酸化チタンが好ましい。酸化チタンは各種材料の中でも白色度が一番高いためである。
本発明の1実施形態について下記に説明をする。
カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体と定義され、化学組成が炭素98%以上の、限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
種類は、製法で分類する方法が一般的で、原料炭化水素の熱分解か、不完全燃焼か何れかに大別され(表1)、更に原料の種類により細分化される。コンタクト法は、炎を鉄や石などに接触させる製造法であり、チャンネル法やその改良法であるガスブラック法(ローラ法)等が含まれる。チャンネルブラックは、コンタクト法の代表的な製品で、チャンネル鋼の底面に炎を接触させて採取するものである。
ファーネス法は、燃料の空気による燃焼熱によって、原料炭化水素を連続的に熱分解させてカーボンブラックを生成させる方法で、ガスファーネス法とオイルファーネス法に分類される。
サーマル法は、原料の炭素源として天然ガスを利用し燃焼と熱分解を周期的に繰り返す特殊な製造法で、その特徴は大粒子径を有するカーボンブラックが得られることにある。
アセチレンブラックもアセチレンを原料とする一種のサーマル法であるが、アセチレンの熱分解は他の原料が吸熱反応であるのに対し発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転が出来る。アセチレンブラックの特徴は、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達し、かつ、ストラクチャーが高いことにあるため導電性にすぐれ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
以下、カーボンブラックの製造方法と主な原料について表1に示す。
カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体と定義され、化学組成が炭素98%以上の、限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
種類は、製法で分類する方法が一般的で、原料炭化水素の熱分解か、不完全燃焼か何れかに大別され(表1)、更に原料の種類により細分化される。コンタクト法は、炎を鉄や石などに接触させる製造法であり、チャンネル法やその改良法であるガスブラック法(ローラ法)等が含まれる。チャンネルブラックは、コンタクト法の代表的な製品で、チャンネル鋼の底面に炎を接触させて採取するものである。
ファーネス法は、燃料の空気による燃焼熱によって、原料炭化水素を連続的に熱分解させてカーボンブラックを生成させる方法で、ガスファーネス法とオイルファーネス法に分類される。
サーマル法は、原料の炭素源として天然ガスを利用し燃焼と熱分解を周期的に繰り返す特殊な製造法で、その特徴は大粒子径を有するカーボンブラックが得られることにある。
アセチレンブラックもアセチレンを原料とする一種のサーマル法であるが、アセチレンの熱分解は他の原料が吸熱反応であるのに対し発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転が出来る。アセチレンブラックの特徴は、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達し、かつ、ストラクチャーが高いことにあるため導電性にすぐれ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
以下、カーボンブラックの製造方法と主な原料について表1に示す。
(1)カーボンの基本的特性
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ補強性や黒色度、導電性などの機能を付与する際重要な因子は、粒子径とストラクチャー、それに粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大特性と呼んでおり、これらの組み合わせで種々のカーボンブラックが製造されている。
カーボンブラックの3大基本特性は、
(I)粒子径:粒子径と表面積
(II)ストラクチャー:DBP吸油量(ml/100g)とストラクチャー指数
(III)表面の化学的特性:揮発分(%)とpHである。
本発明において、酸性カーボンブラックとは、その表面に酸性基を有するカーボンブラックを意味し、その中でもとりわけpHが5以下のカーボンブラックで揮発分が3.5〜8.0重量%のカーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックのpHが5以下であると分散性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックではpHを左右する表面酸性基が多く存在するため、カーボンブラック粒子自体の溶媒への親和性が上がり、このために微分散が可能になり、その結果、分散性が上がると思われる。
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ補強性や黒色度、導電性などの機能を付与する際重要な因子は、粒子径とストラクチャー、それに粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大特性と呼んでおり、これらの組み合わせで種々のカーボンブラックが製造されている。
カーボンブラックの3大基本特性は、
(I)粒子径:粒子径と表面積
(II)ストラクチャー:DBP吸油量(ml/100g)とストラクチャー指数
(III)表面の化学的特性:揮発分(%)とpHである。
本発明において、酸性カーボンブラックとは、その表面に酸性基を有するカーボンブラックを意味し、その中でもとりわけpHが5以下のカーボンブラックで揮発分が3.5〜8.0重量%のカーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックのpHが5以下であると分散性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックではpHを左右する表面酸性基が多く存在するため、カーボンブラック粒子自体の溶媒への親和性が上がり、このために微分散が可能になり、その結果、分散性が上がると思われる。
ここで、本発明で言うカーボンブラックのpHとは、以下の測定法によって得られる値を意味する。
即ち、カーボンブラック試料1〜10gをビーカーに量り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸する(試料をぬれやすくするため、エタノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去して、泥状物を残す。
この泥状物中にガラス電極pH計の電極を入れ、JISZ8802(pH測定法)によってpHを測定する。この場合、電極の挿入位置により測定値が変化することがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変えて電極面の泥状面が十分に接触するように注意して量り、pH値が一定になったときの値を読む。
また、とりわけ揮発分が3.5〜8.0重量%の範囲、より好ましくは4.5〜6.0重量%の範囲のカーボンブラックを用いて本発明の分散液を調整し、画像表示媒体を作成するとコントラストの高い画像表示体が得られる。
カーボンブラックの揮発分が3.5重量%以上であると分散性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックでは表面酸性基が多く存在するため、カーボンブラック粒子自体の溶媒への親和性が上がり、そのために微分散が可能になり、その結果、分散性が上がると思われる。
更に、揮発分が8.0重量%を超えるカーボンブラックで分散液を作成しても、分散性はこれ以上高くはならないので、揮発分が3.5〜8.5重量%の範囲にあるカーボンブラックを用いることが特に望ましい。これは、揮発成分が余り多いとカーボンブラックの分散性の阻害の原因となるためであると考えられる。
即ち、カーボンブラック試料1〜10gをビーカーに量り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸する(試料をぬれやすくするため、エタノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去して、泥状物を残す。
この泥状物中にガラス電極pH計の電極を入れ、JISZ8802(pH測定法)によってpHを測定する。この場合、電極の挿入位置により測定値が変化することがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変えて電極面の泥状面が十分に接触するように注意して量り、pH値が一定になったときの値を読む。
また、とりわけ揮発分が3.5〜8.0重量%の範囲、より好ましくは4.5〜6.0重量%の範囲のカーボンブラックを用いて本発明の分散液を調整し、画像表示媒体を作成するとコントラストの高い画像表示体が得られる。
カーボンブラックの揮発分が3.5重量%以上であると分散性が高くなる理由は定かでないが、推測するところでは、このようなカーボンブラックでは表面酸性基が多く存在するため、カーボンブラック粒子自体の溶媒への親和性が上がり、そのために微分散が可能になり、その結果、分散性が上がると思われる。
更に、揮発分が8.0重量%を超えるカーボンブラックで分散液を作成しても、分散性はこれ以上高くはならないので、揮発分が3.5〜8.5重量%の範囲にあるカーボンブラックを用いることが特に望ましい。これは、揮発成分が余り多いとカーボンブラックの分散性の阻害の原因となるためであると考えられる。
ここで、本発明で言うカーボンブラックの揮発分とは以下の測定方法によって得られる値を意味する。
即ちカーボンブラックの乾燥試料を白金るつぼ又はそれと同形、同容量の落としふた付き磁器るつぼにふた下2mmを超えない程度まで打振して詰め、その質量を量る。
これにふたをして電気炉に入れ、950±25℃で正確に7分間加熱した後取出し、デジケーター中で室温になるまで放冷して加熱後の質量を量り、次の式によって揮発分を算出する。
V=(WD−WR)/WD×100
[式中、Vは揮発分(%)、WDは乾燥試料の質量(g)、WRは加熱後の試料の質量(g)を示す。]
このような酸性カーボンブラックは例えばMA7,MA8,#2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL400R、MOGUL L(以上、キヤボツト製)、Color Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、PrintexU(以上、デグサ社製)等の市販品が使用でき、さらには本目的のために新たに製造されたものでも使用可能である。
即ちカーボンブラックの乾燥試料を白金るつぼ又はそれと同形、同容量の落としふた付き磁器るつぼにふた下2mmを超えない程度まで打振して詰め、その質量を量る。
これにふたをして電気炉に入れ、950±25℃で正確に7分間加熱した後取出し、デジケーター中で室温になるまで放冷して加熱後の質量を量り、次の式によって揮発分を算出する。
V=(WD−WR)/WD×100
[式中、Vは揮発分(%)、WDは乾燥試料の質量(g)、WRは加熱後の試料の質量(g)を示す。]
このような酸性カーボンブラックは例えばMA7,MA8,#2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL400R、MOGUL L(以上、キヤボツト製)、Color Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、PrintexU(以上、デグサ社製)等の市販品が使用でき、さらには本目的のために新たに製造されたものでも使用可能である。
酸性カーボンブラックの製造方法は、一般にチヤンネルブラック法、フアーネスブラック法によるカーボンブラックを用いて行われる。
チヤンネルブラック法は天然ガス、タウンガスや炭化水素を原料として部分燃焼させて冷たい面に衝突させる。フアーネスブラック法は天然ガスや石油留分を原料として高温雰囲気に保たれ密閉式反応炉中に原料を噴霧し、熱分解する。
さらに、これらのカーボンブラックを硝酸等で酸化処理を行い所望の酸性度を得る。
また、カーボンブラックの表面処理を行うことで、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。
チヤンネルブラック法は天然ガス、タウンガスや炭化水素を原料として部分燃焼させて冷たい面に衝突させる。フアーネスブラック法は天然ガスや石油留分を原料として高温雰囲気に保たれ密閉式反応炉中に原料を噴霧し、熱分解する。
さらに、これらのカーボンブラックを硝酸等で酸化処理を行い所望の酸性度を得る。
また、カーボンブラックの表面処理を行うことで、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。
表面処理の方法には次のものが挙げられる。
カーボンブラックの粒子表面は縮合芳香族環があり下記に示す各種表面処理が可能である。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
(2)界面活性剤分散
カーボンブラックは通常のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等により成膜液中に分散することが出来る。
(3)高分子(樹脂)分散安定剤による分散安定
カーボンブラックは、高分子分散安定剤の鎖状部分の立体障害反発による成膜液中での分散安定化が可能である。
(4)カプセル化処理
カーボンブラックが樹脂により被覆され溶剤中に分散されているもの、または、樹脂にカーボンブラックが含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体にカーボンブラックが存在するものが使用できる。
その特徴は、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。
特に、分散安定性では、グラフト鎖の良溶媒中への分散性(分散媒中への易分散性と分散後の安定性)が著しく向上し、また、電気特性では、カーボンブラック粒子がポリマーマトリックス中へ容易に、しかも均一に分散するので、広い面積にわたって一定の抵抗値が得られるという特徴がある。
カーボンブラックの粒子表面は縮合芳香族環があり下記に示す各種表面処理が可能である。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
(2)界面活性剤分散
カーボンブラックは通常のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等により成膜液中に分散することが出来る。
(3)高分子(樹脂)分散安定剤による分散安定
カーボンブラックは、高分子分散安定剤の鎖状部分の立体障害反発による成膜液中での分散安定化が可能である。
(4)カプセル化処理
カーボンブラックが樹脂により被覆され溶剤中に分散されているもの、または、樹脂にカーボンブラックが含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体にカーボンブラックが存在するものが使用できる。
その特徴は、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。
特に、分散安定性では、グラフト鎖の良溶媒中への分散性(分散媒中への易分散性と分散後の安定性)が著しく向上し、また、電気特性では、カーボンブラック粒子がポリマーマトリックス中へ容易に、しかも均一に分散するので、広い面積にわたって一定の抵抗値が得られるという特徴がある。
(5)グラフト化処理
カーボンブラックのグラフト化処理はグラフト機構に基づいて次のように分類できる。
(a)カーボンブラック表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、重合開始剤を用いてビニルモノマーの重合を行い、系内で生成する生長ポリマー鎖を粒子表面で補足する方法である。
(b)カーボンブラック表面からのグラフト重合
カーボンブラック表面へ導入した重合開始基からグラフト鎖を生長させる方法である。
(c)カーボンブラック表面とポリマーとのグラフト反応
カーボンブラック表面の官能基と反応性ポリマーとの反応による方法である。
このうち、(a)の方法は最も簡単に行なうことができるが、非グラフトポリマーの生成が優勢に起こるため、グラフト率の大きなものを得ることができない。
これに対して、(b)の系では、カーボンブラック表面からポリマー(グラフト鎖)が外へ向かって生長するので、グラフト率の大きなものが得られるという特徴がある。更に、(c)の方法によると、グラフト鎖の分子量や数を制御できるという大きな特徴があり、グラフト率も比較的大きなものが得られる。
(6)気相酸化法
オゾン処理やプラズマ処理によるカーボンブラック表面の酸化処理方法であり、カーボンブラックにプラズマ照射することでプラズマの高エネルギーによってカーボンブラック表面に水酸基やカルボキシル基を付けることが出来る。
カーボンブラックのグラフト化処理はグラフト機構に基づいて次のように分類できる。
(a)カーボンブラック表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、重合開始剤を用いてビニルモノマーの重合を行い、系内で生成する生長ポリマー鎖を粒子表面で補足する方法である。
(b)カーボンブラック表面からのグラフト重合
カーボンブラック表面へ導入した重合開始基からグラフト鎖を生長させる方法である。
(c)カーボンブラック表面とポリマーとのグラフト反応
カーボンブラック表面の官能基と反応性ポリマーとの反応による方法である。
このうち、(a)の方法は最も簡単に行なうことができるが、非グラフトポリマーの生成が優勢に起こるため、グラフト率の大きなものを得ることができない。
これに対して、(b)の系では、カーボンブラック表面からポリマー(グラフト鎖)が外へ向かって生長するので、グラフト率の大きなものが得られるという特徴がある。更に、(c)の方法によると、グラフト鎖の分子量や数を制御できるという大きな特徴があり、グラフト率も比較的大きなものが得られる。
(6)気相酸化法
オゾン処理やプラズマ処理によるカーボンブラック表面の酸化処理方法であり、カーボンブラックにプラズマ照射することでプラズマの高エネルギーによってカーボンブラック表面に水酸基やカルボキシル基を付けることが出来る。
より具体的に説明すると
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
更に、カーボンブラック表面の縮合芳香族環は、以下に示す通り次の様々な試薬と反応し、粒子表面への多彩な官能基の導入が可能となっている。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
更に、カーボンブラック表面の縮合芳香族環は、以下に示す通り次の様々な試薬と反応し、粒子表面への多彩な官能基の導入が可能となっている。
(2)界面活性剤分散
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤の種類としては次のような構造のものが使用できる。
好ましい界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
より具体的には、アニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩である一般式(2)、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸である化学式(3)を用いることでカーボンブラックの分散安定性が得られる。
R−O−(CH2CH2O)mCH2COOM・・・・・(2)
(式中、Rは炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム又はアルカノールアミン、mは3〜12の整数を示す。)
(式中、R5、R6は炭素数5〜7の分岐したアルキル基、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム又はアルカノールアミンを示す。)
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤の種類としては次のような構造のものが使用できる。
好ましい界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
より具体的には、アニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩である一般式(2)、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸である化学式(3)を用いることでカーボンブラックの分散安定性が得られる。
R−O−(CH2CH2O)mCH2COOM・・・・・(2)
(式中、Rは炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム又はアルカノールアミン、mは3〜12の整数を示す。)
さらに、本発明の界面活性剤の対イオンとしてリチウムイオン及び第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより界面活性剤が優れた溶解安定性を示す。
好ましい非イオン系の界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(4)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(5)の活性剤が挙げられる。
(式中、Rは炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、kは5〜12の整数を示す。)
(式中、p、qは0〜40の整数を示す。)
好ましい非イオン系の界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(4)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(5)の活性剤が挙げられる。
(3)高分子(樹脂)分散安定剤による分散安定
高分子分散樹脂は一般に、平均分子量が高くなると、同一量を水溶性有機溶剤に溶解させたときの粘度が高くなる。
また、分散樹脂はカーボンブラックを分散させたときにカーボンブラックの周囲に吸着しカーボンブラックを立体障害により安定に分散させる役割を有しているため、分散樹脂の分子量が大きくなるということは吸着層が厚くなり分散体の粒子径が大きくなることを意味している。
特に、酸性を示すカーボンブラックは表面に多くの酸性基を有しているために本発明に用いられる分散樹脂に付加されているカルボキシル基とは反発する関係にあり、その粒子径はさらに広がる傾向にある。
つまり、本発明の分散液の如く、酸性カーボンブラックを使用する場合には、分散樹脂の平均分子量を小さいものにして分散液の粘性、分散体の粒子径を小さくしなけば良好な分散安定性が得られず、しかも前述のように分散樹脂はカーボンブラックの周囲に吸着し立体障害の働きをしなくてはならないために平均分子量が小さ過ぎては長期保存における分散安定性が悪くなってしまう。
高分子分散樹脂は一般に、平均分子量が高くなると、同一量を水溶性有機溶剤に溶解させたときの粘度が高くなる。
また、分散樹脂はカーボンブラックを分散させたときにカーボンブラックの周囲に吸着しカーボンブラックを立体障害により安定に分散させる役割を有しているため、分散樹脂の分子量が大きくなるということは吸着層が厚くなり分散体の粒子径が大きくなることを意味している。
特に、酸性を示すカーボンブラックは表面に多くの酸性基を有しているために本発明に用いられる分散樹脂に付加されているカルボキシル基とは反発する関係にあり、その粒子径はさらに広がる傾向にある。
つまり、本発明の分散液の如く、酸性カーボンブラックを使用する場合には、分散樹脂の平均分子量を小さいものにして分散液の粘性、分散体の粒子径を小さくしなけば良好な分散安定性が得られず、しかも前述のように分散樹脂はカーボンブラックの周囲に吸着し立体障害の働きをしなくてはならないために平均分子量が小さ過ぎては長期保存における分散安定性が悪くなってしまう。
本発明の分散液にカーボンブラックの分散剤として含有される水溶性樹脂は、アミンを溶解させた水溶液に可溶で重量平均分子量が3000〜30000であるものならどんなものでも使用可能で、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、あるいはこれらの塩等が挙げられる。
本発明においては、自己分散性微粒子と荷電微粒子の分散安定性を共に高めるために樹脂分散剤をさらに添加することができる。
分散剤としては、本発明の目的にかなうものであれば特に限定されないが、例えば高分子分散剤が挙げられる。
高分子分散剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散剤を添加することができる。
また、この他に本発明の目的の範囲内で、樹脂(高分子)分散剤、界面活性剤、各種分散安定化剤を用いることもできる。
分散剤としては、本発明の目的にかなうものであれば特に限定されないが、例えば高分子分散剤が挙げられる。
高分子分散剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散剤を添加することができる。
また、この他に本発明の目的の範囲内で、樹脂(高分子)分散剤、界面活性剤、各種分散安定化剤を用いることもできる。
(4)グラフト化処理
表面への官能基導入
カーボンブラック表面に存在するフェノール性水酸基やカルボキシル基は、そのままグラフト反応の足場として利用できるが、これをベースとして、より反応性の高い官能基に変換すると、様々なポリマーのグラフト反応へ活用できる。
(a)表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、ビニルモノマーのラジカル重合を行なうと、生成するポリマーの一部が粒子表面へグラフトする。
(b)表面からのグラフト重合
a.ラジカル重合
i ペルオキシド及びペルオキシエステル基
ii アゾ基
b.カチオングラフト重合
i アシリウムパークロレート基
ii クロルメチル基
iii ベンジリウムパークロレート
c.アニオングラフト重合
i カリウムカルボン酸塩基
ii カーボンブラック/BuLi複合体(OLi基)
iii アミノ基
(c)表面におけるポリマーとのグラフト反応
a.反応性カーボンブラックとポリマーとの反応
b.カーボンブラックと反応性ポリマーとの反応
i リビングポリマーとの反応
ii 末端イソシアナート基ポリマーとの反応
好ましくは、高分子(樹脂)分散タイプ、グラフトタイプ、カプセル化タイプが良い。
カーボンブラックとしてはチャンネルブラックまたはファーネスブラックが好ましい。
ファーネスブラックについては、酸化処理を施したものを用いると、溶媒への分散性が向上されるため、適宜酸化処理を行ったものが好ましい。
表面への官能基導入
カーボンブラック表面に存在するフェノール性水酸基やカルボキシル基は、そのままグラフト反応の足場として利用できるが、これをベースとして、より反応性の高い官能基に変換すると、様々なポリマーのグラフト反応へ活用できる。
(a)表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、ビニルモノマーのラジカル重合を行なうと、生成するポリマーの一部が粒子表面へグラフトする。
(b)表面からのグラフト重合
a.ラジカル重合
i ペルオキシド及びペルオキシエステル基
ii アゾ基
b.カチオングラフト重合
i アシリウムパークロレート基
ii クロルメチル基
iii ベンジリウムパークロレート
c.アニオングラフト重合
i カリウムカルボン酸塩基
ii カーボンブラック/BuLi複合体(OLi基)
iii アミノ基
(c)表面におけるポリマーとのグラフト反応
a.反応性カーボンブラックとポリマーとの反応
b.カーボンブラックと反応性ポリマーとの反応
i リビングポリマーとの反応
ii 末端イソシアナート基ポリマーとの反応
好ましくは、高分子(樹脂)分散タイプ、グラフトタイプ、カプセル化タイプが良い。
カーボンブラックとしてはチャンネルブラックまたはファーネスブラックが好ましい。
ファーネスブラックについては、酸化処理を施したものを用いると、溶媒への分散性が向上されるため、適宜酸化処理を行ったものが好ましい。
本発明に用いるカーボンブラックとしては、例えばファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック等が挙げられ、単独又は複数種類のカーボンブラックを併用してもよい。
本発明においては、揮発分が3.5〜8.0重量%以上のカーボンブラックを少なくとも1種類含有することが好ましい。
このようなカーボンブラックとしては、デグサ社製のカラーブラックFW200、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW1、カラーブラックFW18、スペシャルブラック6、カラーブラックS170、カラーブラックS160、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4A、プリンテックス150T、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック550、スペシャルブラック350、スペシャルブラック250、スペシャルブラック100、三菱化学社製のMA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA230、MA220、キャボット社製のMONARCH700、MONARCH800、MONARCH880、MONARCH900、MONARCH1000、MONARCH1300、MONARCH1400、MOGUL−L、REGAL400R、VULCAN XC−72R等が挙げられる。
本発明においては、揮発分が3.5〜8.0重量%以上のカーボンブラックを少なくとも1種類含有することが好ましい。
このようなカーボンブラックとしては、デグサ社製のカラーブラックFW200、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW1、カラーブラックFW18、スペシャルブラック6、カラーブラックS170、カラーブラックS160、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4A、プリンテックス150T、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック550、スペシャルブラック350、スペシャルブラック250、スペシャルブラック100、三菱化学社製のMA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA230、MA220、キャボット社製のMONARCH700、MONARCH800、MONARCH880、MONARCH900、MONARCH1000、MONARCH1300、MONARCH1400、MOGUL−L、REGAL400R、VULCAN XC−72R等が挙げられる。
本発明に用いるカーボンブラックは、平均粒子径が0.01μm〜1μmであり、好ましくは0.05μm〜0.1μmである。
平均粒子径が0.01μm未満のものは、実質的に入手することが困難であり、平均粒子径が1μmを越える場合、該カーボンブラックを含有した分散液が、白色度、黒色度、コントラスト、応答速度等の観点から実用上満足できるものが得られ難いからである。
前記平均粒子径は、電子顕微鏡などで測定された一次粒子径に基づく平均粒子径を示す。また、前記カーボンブラックは、粒子表面をスチレンやメタクリル酸メチル等のポリマーでグラフト化したり、カプセル化したり、コアシェル化したり等、カーボンブラック粒子表面に酸化処理を施してもよい。
平均粒子径が0.01μm未満のものは、実質的に入手することが困難であり、平均粒子径が1μmを越える場合、該カーボンブラックを含有した分散液が、白色度、黒色度、コントラスト、応答速度等の観点から実用上満足できるものが得られ難いからである。
前記平均粒子径は、電子顕微鏡などで測定された一次粒子径に基づく平均粒子径を示す。また、前記カーボンブラックは、粒子表面をスチレンやメタクリル酸メチル等のポリマーでグラフト化したり、カプセル化したり、コアシェル化したり等、カーボンブラック粒子表面に酸化処理を施してもよい。
本発明の1実施形態について説明する。
カーボンブラックグラフトポリマーとは、カーボンブラック部分に重合体部分がグラフト化された微粒子をいう。カーボンブラックグラフトポリマーは、カーボンブラックの一次粒子あるいは数個の凝集体に重合体がグラフト化されたものである。「グラフト化」に用いることができる付加反応には、求電子付加反応、ラジカル付加反応、求核付加反応、付加環化反応がある。
カーボンブラックは、通常数nm〜数百nmの粒子径を持つ。しかし、カーボンブラックは粒子同士の凝集力が大きいため、通常数ミクロン以上の粒子径を持つ凝集体として取り扱われる。
また、カーボンブラック同士の凝集力は、カーボンブラックと他の物質、例えば樹脂系材料との親和性に比べ著しく大きく、カーボンブラックをサブミクロンで樹脂系材料等に分散させることは非常に困難であり、安定した抵抗値を得ることができない。
一方、カーボンブラックグラフトポリマーは、カーボンブラックの粒子間に重合体部分が有効に入り込み、カーボンブラック同士の凝集力を弱めることができる。
さらに、重合体部分が樹脂系材料等と親和性のあるとき、カーボンブラックグラフトポリマーはサブミクロンで樹脂系材料等中に分散できる。
しかしながら、重合体部分が樹脂系材料等と高い親和性を有していたとしても、カーボンブラック部分に重合体部分が有効にグラフト化されていないと、その特性は安定したものとはならずまたバラツキを生じやすくなり、良好な分散体とはならず、また一定レベルの親和性を得ようとするとカーボンブラックグラフトポリマーにおけるカーボンブラック部分の含有量が低くなってしまうという結果ともなり、カーボンブラックの有する黒色度が著しく損なわれてしまうこととなる。
カーボンブラックグラフトポリマーとは、カーボンブラック部分に重合体部分がグラフト化された微粒子をいう。カーボンブラックグラフトポリマーは、カーボンブラックの一次粒子あるいは数個の凝集体に重合体がグラフト化されたものである。「グラフト化」に用いることができる付加反応には、求電子付加反応、ラジカル付加反応、求核付加反応、付加環化反応がある。
カーボンブラックは、通常数nm〜数百nmの粒子径を持つ。しかし、カーボンブラックは粒子同士の凝集力が大きいため、通常数ミクロン以上の粒子径を持つ凝集体として取り扱われる。
また、カーボンブラック同士の凝集力は、カーボンブラックと他の物質、例えば樹脂系材料との親和性に比べ著しく大きく、カーボンブラックをサブミクロンで樹脂系材料等に分散させることは非常に困難であり、安定した抵抗値を得ることができない。
一方、カーボンブラックグラフトポリマーは、カーボンブラックの粒子間に重合体部分が有効に入り込み、カーボンブラック同士の凝集力を弱めることができる。
さらに、重合体部分が樹脂系材料等と親和性のあるとき、カーボンブラックグラフトポリマーはサブミクロンで樹脂系材料等中に分散できる。
しかしながら、重合体部分が樹脂系材料等と高い親和性を有していたとしても、カーボンブラック部分に重合体部分が有効にグラフト化されていないと、その特性は安定したものとはならずまたバラツキを生じやすくなり、良好な分散体とはならず、また一定レベルの親和性を得ようとするとカーボンブラックグラフトポリマーにおけるカーボンブラック部分の含有量が低くなってしまうという結果ともなり、カーボンブラックの有する黒色度が著しく損なわれてしまうこととなる。
本発明に係るカーボンブラックグラフトポリマーを得るには、カーボンブラックに対して反応性を有する重合体をカーボンブラックに反応させて得られる。
カーボンブラックに対して反応性を有する重合体は、例えばカーボンブラックの表面官能基と反応性を有する反応性基を有するものであれば良く、さらにこの反応性基としては、カーボンブラック表面に存在する官能基と反応して当該重合体のカーボンブラックへのグラフト化に寄与できるものであれば特に限定されるものではなく各種の反応性基を利用できる。
ここで、グラフト化をより確実かつ安定なものとするためには、重合体部分が共有結合を介してカーボンブラックに結合することが望まれ、特にエステル結合、チオエステル結合、アミド結合、アミノ結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合およびスルホニル結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合、さらには、エステル結合、チオエステル結合およびアミド結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合であることが望まれる。このような点も考慮すると、反応性基は、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種または2種以上のものであることが望ましい。
カーボンブラックに対する反応性基は必ずしもこれらのみに限定されるものではないが、これらの反応性基以外の基を有する重合体を用いる場合、使用できるカーボンブラックの種類に制限が生ずることがある。
カーボンブラックに対して反応性を有する重合体は、例えばカーボンブラックの表面官能基と反応性を有する反応性基を有するものであれば良く、さらにこの反応性基としては、カーボンブラック表面に存在する官能基と反応して当該重合体のカーボンブラックへのグラフト化に寄与できるものであれば特に限定されるものではなく各種の反応性基を利用できる。
ここで、グラフト化をより確実かつ安定なものとするためには、重合体部分が共有結合を介してカーボンブラックに結合することが望まれ、特にエステル結合、チオエステル結合、アミド結合、アミノ結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合およびスルホニル結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合、さらには、エステル結合、チオエステル結合およびアミド結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合であることが望まれる。このような点も考慮すると、反応性基は、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種または2種以上のものであることが望ましい。
カーボンブラックに対する反応性基は必ずしもこれらのみに限定されるものではないが、これらの反応性基以外の基を有する重合体を用いる場合、使用できるカーボンブラックの種類に制限が生ずることがある。
重合体が前記反応性基を有するものであることが好ましい理由は、使用できるカーボンブラックの種類や状態にかかわらず、温和な条件においてもカーボンブラックと重合体とが非常に高いグラフト化効率で付加反応することにある。
特に、カーボンブラックが上記したようにカルボキシル基を表面官能基として有する場合、カルボキシル基が、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基またはオキサゾリン基と熱反応により高収率で不可逆的付加反応を行ない、この付加反応により、カーボンブラック部分と重合体部分に上記した共有結合が形成されるゆえ望ましい。
特に、カーボンブラックが上記したようにカルボキシル基を表面官能基として有する場合、カルボキシル基が、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基またはオキサゾリン基と熱反応により高収率で不可逆的付加反応を行ない、この付加反応により、カーボンブラック部分と重合体部分に上記した共有結合が形成されるゆえ望ましい。
本発明の他の実施形態においては、白色及び着色の粒子の粒径は0.01μm〜1μmである。粒径が小さいほど高解像度の画像表示媒体が得られるが、一方で粒子の凝集力が大きくなり分散安定性を得ることが困難となる。逆に、粒径が大きいと分散安定性は良くなるが、高解像度を実現することが困難となる。
本発明の実施の形態においては、分散媒として使用される非極性溶剤は炭化水素とシリコーンオイルである。
炭化水素は揮発性等の点で実使用上安全性を確保できるものが多い。
本発明で使用される脂肪族炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、リグロイン、ソルベントナフサ(市販品としてはエクソン社製アイソバーH、G、L、K、シエル石油社製シエルゾール等がある)等が挙げられる。
芳香族炭化水素溶媒は樹脂の可溶化能が一般的に高く、炭化水素溶媒に可溶な樹脂の選択性が増す。
本発明で使用される芳香族炭化水素としてはベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン等が挙げられる。シリコーンオイルは変成を含む各種ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
本発明の実施形態においては、ノニオン系界面活性剤が好ましく先に挙げた構造に界面活性剤を用いることが出来る。これらの中でもソルビタントリオレートが好ましい。
本発明の実施の形態においては、分散媒として使用される非極性溶剤は炭化水素とシリコーンオイルである。
炭化水素は揮発性等の点で実使用上安全性を確保できるものが多い。
本発明で使用される脂肪族炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、リグロイン、ソルベントナフサ(市販品としてはエクソン社製アイソバーH、G、L、K、シエル石油社製シエルゾール等がある)等が挙げられる。
芳香族炭化水素溶媒は樹脂の可溶化能が一般的に高く、炭化水素溶媒に可溶な樹脂の選択性が増す。
本発明で使用される芳香族炭化水素としてはベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン等が挙げられる。シリコーンオイルは変成を含む各種ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
本発明の実施形態においては、ノニオン系界面活性剤が好ましく先に挙げた構造に界面活性剤を用いることが出来る。これらの中でもソルビタントリオレートが好ましい。
本発明の実施の形態においては、表示媒体を構成する2枚の導電層電極間の間隙、即ち前記所望の間隙は5〜300μm、より好ましくは10〜200μm、最も好ましくは50〜100μmである。
5μmより狭い場合には、画像コントラストが充分ではなくなることがあり、300μmより広い場合には、印加電圧を過大にしなければならないことが多い。
本発明の実施の形態においては、現実的に画像表示媒体を封入する表示セルとしては、フォトリソ等で微細セルを作製することは非常に工程が多く、設備や環境対策でも負荷が多いため、マイクロカプセルに封入することが好ましいと考えられる。
本発明の実施の形態においては、マイクロカプセルの平均粒子径は10〜150μmが好ましい。
中でも100μmはコントラストが高く好ましく、50μmが応答速度が早く好ましい。現実的にはこの50〜100μmの平均粒子径が一番好ましい。
本発明の実施の形態においては、マイクロカプセルの材質は透明性と柔らかさの特性でゼラチンが一番好ましい。
ゼラチン以外ではアラビアゴム、ウレタン、メラミン、アクリル、ポリエステル、その他各種合成高分子や天然高分子を用いることが出来る。
本発明の実施の形態においては、マイクロカプセルがシート上にコーティング等の塗布方法で形成されていることでフレキシブルな表示装置が可能となる。
5μmより狭い場合には、画像コントラストが充分ではなくなることがあり、300μmより広い場合には、印加電圧を過大にしなければならないことが多い。
本発明の実施の形態においては、現実的に画像表示媒体を封入する表示セルとしては、フォトリソ等で微細セルを作製することは非常に工程が多く、設備や環境対策でも負荷が多いため、マイクロカプセルに封入することが好ましいと考えられる。
本発明の実施の形態においては、マイクロカプセルの平均粒子径は10〜150μmが好ましい。
中でも100μmはコントラストが高く好ましく、50μmが応答速度が早く好ましい。現実的にはこの50〜100μmの平均粒子径が一番好ましい。
本発明の実施の形態においては、マイクロカプセルの材質は透明性と柔らかさの特性でゼラチンが一番好ましい。
ゼラチン以外ではアラビアゴム、ウレタン、メラミン、アクリル、ポリエステル、その他各種合成高分子や天然高分子を用いることが出来る。
本発明の実施の形態においては、マイクロカプセルがシート上にコーティング等の塗布方法で形成されていることでフレキシブルな表示装置が可能となる。
本発明により、上記従来技術に鑑みて、正又は負の荷電微粒子と自己分散性微粒子との組み合わせにより、可逆表示が可能で、メモリー性を有し、特に、コントラストと解像度が高いと応答速度の速い画像表示媒体を提供することができた。
また、材料選択性が高く、長期安定性の良い、実使用上安全性の確保ができる画像表示媒体を提供することができた。
また、材料選択性が高く、長期安定性の良い、実使用上安全性の確保ができる画像表示媒体を提供することができた。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例で用いる部は、全て重量部である。
なお、実施例で用いる部は、全て重量部である。
1.荷電微粒子の合成方法
合成例1
(塩基性基を有するコアシェル酸化チタン微粒子の作製方法)
(1)分散剤の合成
シリコーンマクロマーFM0711(チッソ製)36g、ジメチルアミノエチルメタクリレートDMAEMA(東京化成製)4g、開始剤AIBN(東京化成製)0.2g、シリコーンオイルKF96L−1cs(信越化学製)360gをセパラブル容器に入れ、窒素雰囲気下、200rpmで攪拌した。その後、温度を30分間で60℃まで上げ、7時間60℃で重合反応を行った。その後、温度を30分間で80℃まで上げ、1時間80℃に保った。この後、温度を室温まで戻した。合成した分散剤溶液のシリコーンオイルをエバポレーター除去した。真空乾燥機で24時間乾燥して分散剤とした。
(2)コアシェル酸化チタン微粒子の合成
(a)上記で合成した分散剤4gとシリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製)200gをビーカーに入れ、マグネチックスターラーで1時間攪拌した後、酸化チタンCR−90(石原産業製)4gを加え1時間攪拌した。この後、超音波分散器で2時間分散し酸化チタン分散液とした。
(b)シリコーンマクロマーFM0725(チッソ製)3g、メチルメタクリレートMMA(東京化成製)6.9g、ジメチルアミノエチルメタクリレートDMAEMA(東京化成製)0.1g、開始剤AIBN(東京化成製)0.05gをビーカーに入れ攪拌した。
セパラブル容器に上記酸化チタン分散液と共に入れ、窒素雰囲気下、200rpmで攪拌した。その後、温度を30分間で60℃まで上げ、7時間60℃で重合反応を行った。その後、温度を30分間で80℃まで上げ、1時間80℃に保った。この後、温度を室温まで戻した。合成したコアシェル酸化チタン微粒子溶液を2000〜3000rpmの速度で遠心分離機を用い分離した。シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製)に溶解して遠心分離器で同様に分離した。この操作を3回繰り返した。真空乾燥機で24時間乾燥してコアシェル酸化チタン微粒子とした。
合成例1
(塩基性基を有するコアシェル酸化チタン微粒子の作製方法)
(1)分散剤の合成
シリコーンマクロマーFM0711(チッソ製)36g、ジメチルアミノエチルメタクリレートDMAEMA(東京化成製)4g、開始剤AIBN(東京化成製)0.2g、シリコーンオイルKF96L−1cs(信越化学製)360gをセパラブル容器に入れ、窒素雰囲気下、200rpmで攪拌した。その後、温度を30分間で60℃まで上げ、7時間60℃で重合反応を行った。その後、温度を30分間で80℃まで上げ、1時間80℃に保った。この後、温度を室温まで戻した。合成した分散剤溶液のシリコーンオイルをエバポレーター除去した。真空乾燥機で24時間乾燥して分散剤とした。
(2)コアシェル酸化チタン微粒子の合成
(a)上記で合成した分散剤4gとシリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製)200gをビーカーに入れ、マグネチックスターラーで1時間攪拌した後、酸化チタンCR−90(石原産業製)4gを加え1時間攪拌した。この後、超音波分散器で2時間分散し酸化チタン分散液とした。
(b)シリコーンマクロマーFM0725(チッソ製)3g、メチルメタクリレートMMA(東京化成製)6.9g、ジメチルアミノエチルメタクリレートDMAEMA(東京化成製)0.1g、開始剤AIBN(東京化成製)0.05gをビーカーに入れ攪拌した。
セパラブル容器に上記酸化チタン分散液と共に入れ、窒素雰囲気下、200rpmで攪拌した。その後、温度を30分間で60℃まで上げ、7時間60℃で重合反応を行った。その後、温度を30分間で80℃まで上げ、1時間80℃に保った。この後、温度を室温まで戻した。合成したコアシェル酸化チタン微粒子溶液を2000〜3000rpmの速度で遠心分離機を用い分離した。シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製)に溶解して遠心分離器で同様に分離した。この操作を3回繰り返した。真空乾燥機で24時間乾燥してコアシェル酸化チタン微粒子とした。
合成例2
(酸性基を有するシリコーンオイルに可溶な樹脂の作製方法)
シリコーンマクロマーFM0711(チッソ製)38g、メタクリル酸MAA(東京化成製)1g、ビニルピロリドン(東京化成製)1g、開始剤AIBN(東京化成製)0.2g、シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製)360gをセパラブル容器に入れ、窒素雰囲気下、200rpmで攪拌した。その後、温度を30分間で60℃まで上げ、7時間60℃で重合反応を行った。その後、温度を30分間で80℃まで上げ、1時間80℃に保った。この後、温度を室温まで戻した。合成した分散剤溶液のシリコーンオイルをエバポレーター除去した。真空乾燥機で24時間乾燥して酸ポリマーとした。
(酸性基を有するシリコーンオイルに可溶な樹脂の作製方法)
シリコーンマクロマーFM0711(チッソ製)38g、メタクリル酸MAA(東京化成製)1g、ビニルピロリドン(東京化成製)1g、開始剤AIBN(東京化成製)0.2g、シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製)360gをセパラブル容器に入れ、窒素雰囲気下、200rpmで攪拌した。その後、温度を30分間で60℃まで上げ、7時間60℃で重合反応を行った。その後、温度を30分間で80℃まで上げ、1時間80℃に保った。この後、温度を室温まで戻した。合成した分散剤溶液のシリコーンオイルをエバポレーター除去した。真空乾燥機で24時間乾燥して酸ポリマーとした。
合成例3
(酸性基を有するコアシェル酸化チタン微粒子の作製方法)
合成例1の(1)と(2)の(a)迄は同じで、(a)で作製した酸化チタン分散液の2倍の量を下記合成に使用した。
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にトルエン200部を採り、85℃に加熱した。この中にメタクリル酸メチル16部、メタクリル酸4部、酸化チタン分散液、アゾビスイソブチロニトリル0.1 部よりなる溶液を1時間にわたって滴下した。
この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。反応終了後、溶媒を除去し、微粒子修飾樹脂を得た。
(酸性基を有するコアシェル酸化チタン微粒子の作製方法)
合成例1の(1)と(2)の(a)迄は同じで、(a)で作製した酸化チタン分散液の2倍の量を下記合成に使用した。
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にトルエン200部を採り、85℃に加熱した。この中にメタクリル酸メチル16部、メタクリル酸4部、酸化チタン分散液、アゾビスイソブチロニトリル0.1 部よりなる溶液を1時間にわたって滴下した。
この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。反応終了後、溶媒を除去し、微粒子修飾樹脂を得た。
合成例4
(塩基性基を有する炭化水素溶媒に可溶な樹脂の作製)
反応容器に、アイソパーH200部を採り、85℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート19部、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート1部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部よりなる溶液を1.5時間にわたって滴下した。ついで90℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が得られた。
(塩基性基を有する炭化水素溶媒に可溶な樹脂の作製)
反応容器に、アイソパーH200部を採り、85℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート19部、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート1部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部よりなる溶液を1.5時間にわたって滴下した。ついで90℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が得られた。
合成例5
(塩基性基を有するコアシェル酸化チタン微粒子の作製方法)
合成例1の(1)と(2)の(a)迄は同じで、(a)で作製した酸化チタン分散液の4倍の量を下記合成に使用した。合成例1で用いた反応容器にアイソパーH500部を採り、80℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート10部、エチルメタクリレート80部、ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート10部及びアゾビスイソブチロニトリル0.2部、酸化チタン分散液よりなる溶液を1時間にわたって滴下した。
次いで、85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。反応終了後溶媒を除去し、微粒子修飾樹脂を得た。
(塩基性基を有するコアシェル酸化チタン微粒子の作製方法)
合成例1の(1)と(2)の(a)迄は同じで、(a)で作製した酸化チタン分散液の4倍の量を下記合成に使用した。合成例1で用いた反応容器にアイソパーH500部を採り、80℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート10部、エチルメタクリレート80部、ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート10部及びアゾビスイソブチロニトリル0.2部、酸化チタン分散液よりなる溶液を1時間にわたって滴下した。
次いで、85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。反応終了後溶媒を除去し、微粒子修飾樹脂を得た。
合成例6
(酸性基と非イオン性の極性基を有する炭化水素溶媒に可溶な樹脂の作製方法)
反応容器にアイソパーH500部を採り、80℃に加熱した。この中に2−エチルヘキシルメタクリレート50部、メタクリル酸5部、ヒドロキシエチルメタクリレート5部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部からなる溶液を1時間にわたって滴下した。次いで、85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が得られた。
(酸性基と非イオン性の極性基を有する炭化水素溶媒に可溶な樹脂の作製方法)
反応容器にアイソパーH500部を採り、80℃に加熱した。この中に2−エチルヘキシルメタクリレート50部、メタクリル酸5部、ヒドロキシエチルメタクリレート5部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部からなる溶液を1時間にわたって滴下した。次いで、85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が得られた。
合成例7
(酸性基と非イオン性の極性基を有する酸化チタン微粒子の作製方法)
合成例1の(1)と(2)の(a)迄は同じで、(a)で作製した酸化チタン分散液の60倍の量を下記合成に使用した。
合成例1で用いた反応容器にトルエン400部を採り、90℃に加熱した。この中にブチルアクリレート50部、メチルメタクリレート70部、シクロヘキシルメタクリレート40部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート85部、2,3−ジブロモプロピルアクリレート50部、酸化チタン分散液、スチレンスルホン酸5部、ベンゾイルパーオキサイド3部よりなる溶液を5時間にわたって滴下した。次いで、95℃で2時間撹拌して反応終了した。溶媒を除去し、微粒子修飾樹脂を得た。
(酸性基と非イオン性の極性基を有する酸化チタン微粒子の作製方法)
合成例1の(1)と(2)の(a)迄は同じで、(a)で作製した酸化チタン分散液の60倍の量を下記合成に使用した。
合成例1で用いた反応容器にトルエン400部を採り、90℃に加熱した。この中にブチルアクリレート50部、メチルメタクリレート70部、シクロヘキシルメタクリレート40部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート85部、2,3−ジブロモプロピルアクリレート50部、酸化チタン分散液、スチレンスルホン酸5部、ベンゾイルパーオキサイド3部よりなる溶液を5時間にわたって滴下した。次いで、95℃で2時間撹拌して反応終了した。溶媒を除去し、微粒子修飾樹脂を得た。
合成例8
(塩基性基を有する炭化水素溶媒に可溶な樹脂の作製)
反応容器にアイソパーH500部を採り90℃に加熱する。この中にステアリルメタクリレート80部、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート(分子量482)10部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部及びベンゾイルパーオキサイド5部よりなる溶液を1時間で滴下した後、同温度で3 時間撹拌する。こうして均一透明な樹脂溶液が得られた。
(塩基性基を有する炭化水素溶媒に可溶な樹脂の作製)
反応容器にアイソパーH500部を採り90℃に加熱する。この中にステアリルメタクリレート80部、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート(分子量482)10部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部及びベンゾイルパーオキサイド5部よりなる溶液を1時間で滴下した後、同温度で3 時間撹拌する。こうして均一透明な樹脂溶液が得られた。
合成例9
(塩基性基を有するコアシェル酸化カーボンブラック微粒子の作製方法)
合成例1で酸化チタンを使う代わりにカーボンブラック(Printex A,degussa)を使用し、その他は同じ条件で塩基性基を有するコアシェル酸化カーボンブラック微粒子を合成した。
<自己分散微粒子の合成方法>
(塩基性基を有するコアシェル酸化カーボンブラック微粒子の作製方法)
合成例1で酸化チタンを使う代わりにカーボンブラック(Printex A,degussa)を使用し、その他は同じ条件で塩基性基を有するコアシェル酸化カーボンブラック微粒子を合成した。
<自己分散微粒子の合成方法>
合成例10
(アクリルコポリマーグラフトカーボンブラックの合成方法)
(1)カーボンブラック表面処理
4Lガラス製の反応容器に脱イオン水3.0Lを投入して250rpmで攪拌する。
カーボンブラック(Printex A,degussa)115gを投入する。37%塩酸を3.0mL投入する。4−ビニルアニリンを2.5g投入して65℃で30分以上攪拌する。
ビニルアニリンは常温でゼリー状で粘着性があり、扱いが難しいので注意する。亜硝酸ナトリウム1.43gと脱イオン水10mLをあらかじめ溶解させておき、1時間程度で滴下する。65℃/3時間攪拌する。室温にもどして一夜間攪拌する。黒分散物を30,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。黒色粉体に脱イオン水500mLを投入して攪拌、再分散する。黒分散物を30,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。黒色粉黛を一夜間放置乾燥後、40℃/4時間真空乾燥する。表面処理カーボンブラック(VAnCB)が合成できる。
(2)グラフトカーボンブラックの合成
1Lガラス製反応容器に表面処理カーボンブラック(VAnCB)50gを投入する。トルエン100mLを投入する。2−エチルヘキシルメタクリレート100mLを投入する。AIBN0.65gを投入する。250rpmで攪拌、N2パージ20分、一時間程度で70℃まで加熱、7時間攪拌し、室温まで冷却する。THF500mLを投入して攪拌する。3Lメタノール中に再沈させ吸引濾過する。「黒色ポリマーにTHF1.5Lを投入して攪拌、再分散し、10℃に冷却する。黒分散物を30,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。この操作を計3回繰り返す。黒色粉体を70℃/4時間真空乾燥する。グラフトカーボンブラック(2EHMACB)が合成できる。(TG/DTAで12.3%の重量減少)
(アクリルコポリマーグラフトカーボンブラックの合成方法)
(1)カーボンブラック表面処理
4Lガラス製の反応容器に脱イオン水3.0Lを投入して250rpmで攪拌する。
カーボンブラック(Printex A,degussa)115gを投入する。37%塩酸を3.0mL投入する。4−ビニルアニリンを2.5g投入して65℃で30分以上攪拌する。
ビニルアニリンは常温でゼリー状で粘着性があり、扱いが難しいので注意する。亜硝酸ナトリウム1.43gと脱イオン水10mLをあらかじめ溶解させておき、1時間程度で滴下する。65℃/3時間攪拌する。室温にもどして一夜間攪拌する。黒分散物を30,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。黒色粉体に脱イオン水500mLを投入して攪拌、再分散する。黒分散物を30,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。黒色粉黛を一夜間放置乾燥後、40℃/4時間真空乾燥する。表面処理カーボンブラック(VAnCB)が合成できる。
(2)グラフトカーボンブラックの合成
1Lガラス製反応容器に表面処理カーボンブラック(VAnCB)50gを投入する。トルエン100mLを投入する。2−エチルヘキシルメタクリレート100mLを投入する。AIBN0.65gを投入する。250rpmで攪拌、N2パージ20分、一時間程度で70℃まで加熱、7時間攪拌し、室温まで冷却する。THF500mLを投入して攪拌する。3Lメタノール中に再沈させ吸引濾過する。「黒色ポリマーにTHF1.5Lを投入して攪拌、再分散し、10℃に冷却する。黒分散物を30,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。この操作を計3回繰り返す。黒色粉体を70℃/4時間真空乾燥する。グラフトカーボンブラック(2EHMACB)が合成できる。(TG/DTAで12.3%の重量減少)
合成例11
(アクリルコポリマーグラフト酸化チタンの合成方法)
(1)酸化チタン表面処理
4Lガラス製反応容器にエタノール930.7gを投入する。脱イオン水69.3gを投入して150rpmで攪拌する。氷酢酸をpH4.5に調整して滴下する。3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート160gを投入して150rpmで5分攪拌後、250rpmにする。酸化チタン(R−960、Dupont)1000gを投入して250rpm、10分攪拌後、200rpmにする。メタノール1826.6gを投入して200rpm、1分攪拌する。白分散物を3,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。白色粉体を一夜間放置乾燥後、70℃/4時間真空乾燥する。
表面処理酸化チタン(Silanized Titania)が合成できる。
(2)グラフト酸化チタン微粒子の合成
4Lガラス製反応容器にラウリルメタクリレート960gを投入する。トルエン1386gを投入して200rpmで攪拌、温度50℃にする。300rpmにする。表面処理酸化チタン(Silanized Titania)を細かく砕いておき、750gを投入して攪拌する。N2パージ20分。AIBN5.64gとトルエン500gをあらかじめ溶解させておき、1時間程度で滴下する。一時間程度で70℃まで加熱する。70℃で一夜間攪拌する。白分散物(とろりとした液体)を10,000rpm/30分で遠心分離する。デカンテーションする。「白色粉体にトルエン1000gを投入して攪拌、再分散する。白分散物を3,000rpm/30分で遠心分離する。デカンテーションする。」この操作を計2回繰り返す。白色分体を一夜間放置乾燥後、70℃/4時間真空乾燥する。グラフト酸化チタン(LMATiO2)が合成できる。
(アクリルコポリマーグラフト酸化チタンの合成方法)
(1)酸化チタン表面処理
4Lガラス製反応容器にエタノール930.7gを投入する。脱イオン水69.3gを投入して150rpmで攪拌する。氷酢酸をpH4.5に調整して滴下する。3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート160gを投入して150rpmで5分攪拌後、250rpmにする。酸化チタン(R−960、Dupont)1000gを投入して250rpm、10分攪拌後、200rpmにする。メタノール1826.6gを投入して200rpm、1分攪拌する。白分散物を3,000rpm/20分で遠心分離する。デカンテーションする。白色粉体を一夜間放置乾燥後、70℃/4時間真空乾燥する。
表面処理酸化チタン(Silanized Titania)が合成できる。
(2)グラフト酸化チタン微粒子の合成
4Lガラス製反応容器にラウリルメタクリレート960gを投入する。トルエン1386gを投入して200rpmで攪拌、温度50℃にする。300rpmにする。表面処理酸化チタン(Silanized Titania)を細かく砕いておき、750gを投入して攪拌する。N2パージ20分。AIBN5.64gとトルエン500gをあらかじめ溶解させておき、1時間程度で滴下する。一時間程度で70℃まで加熱する。70℃で一夜間攪拌する。白分散物(とろりとした液体)を10,000rpm/30分で遠心分離する。デカンテーションする。「白色粉体にトルエン1000gを投入して攪拌、再分散する。白分散物を3,000rpm/30分で遠心分離する。デカンテーションする。」この操作を計2回繰り返す。白色分体を一夜間放置乾燥後、70℃/4時間真空乾燥する。グラフト酸化チタン(LMATiO2)が合成できる。
2.分散液の調製
実施例1から実施例5迄の分散液を、1〜10の各合成例で作製した微粒子とポリマーを用いて、表2に示す配合組成で作製した。下記、重量部は固形分量である。
実施例1から実施例5迄の分散液を、1〜10の各合成例で作製した微粒子とポリマーを用いて、表2に示す配合組成で作製した。下記、重量部は固形分量である。
<配合組成>
実施例1
酸化チタン(合成例1) 20重量部
酸ポリマー(合成例2) 1重量部
シリコーンポリマーグラフトカーボンブラック
MX3−GRX−001(日本触媒製) 2重量部
シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例1分散液として使用した。
実施例1
酸化チタン(合成例1) 20重量部
酸ポリマー(合成例2) 1重量部
シリコーンポリマーグラフトカーボンブラック
MX3−GRX−001(日本触媒製) 2重量部
シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例1分散液として使用した。
実施例2
酸化チタン(合成例3) 20重量部
塩基性ポリマー(合成例4) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例10) 2重量部
シリコーンオイルSH200−lcs(東レダウコーニング製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例2分散液として使用した。
酸化チタン(合成例3) 20重量部
塩基性ポリマー(合成例4) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例10) 2重量部
シリコーンオイルSH200−lcs(東レダウコーニング製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例2分散液として使用した。
実施例3
酸化チタン(合成例5) 20重量部
酸ポリマー(合成例6) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例10) 2重量部
シリコーンオイル
SH200−0.65cs(東レダウコーニング製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例3分散液として使用した。
酸化チタン(合成例5) 20重量部
酸ポリマー(合成例6) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例10) 2重量部
シリコーンオイル
SH200−0.65cs(東レダウコーニング製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例3分散液として使用した。
実施例4
酸化チタン(合成例7) 20重量部
塩基性ポリマー(合成例8) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例10) 2重量部
アイソパーH(シェル石油製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例4分散液として使用した。
酸化チタン(合成例7) 20重量部
塩基性ポリマー(合成例8) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例10) 2重量部
アイソパーH(シェル石油製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例4分散液として使用した。
実施例5
酸化チタン(合成例9) 20重量部
酸ポリマー(合成例2) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例11) 2重量部
シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例5分散液として使用した。
酸化チタン(合成例9) 20重量部
酸ポリマー(合成例2) 1重量部
自己分散カーボンブラック(合成例11) 2重量部
シリコーンオイルKF96L−lcs(信越化学製) 77重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、実施例5分散液として使用した。
比較例
酸化チタン(合成例7) 20重量部
塩基性ポリマー(合成例8) 1重量部
青染料MACROLEX BLUE RR GRAN(ゼネカ製) 1重量部
アイソパーH(シェル石油製) 78重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、比較例分散液として使用した。
ここで日本触媒製シリコーンポリマーグラフトカーボンブラック(シリコーン系GCB)とは下記に示す特性の自己分散カーボンブラックである。
サンプル名:MX3−GRX−001
CB/RP=10/3wt ratio
溶剤:シリコーンオイル(ダウコーニング製SH2001CS)
CB濃度:20.0%
RP濃度:6.0%
溶剤濃度:74.0%
酸化チタン(合成例7) 20重量部
塩基性ポリマー(合成例8) 1重量部
青染料MACROLEX BLUE RR GRAN(ゼネカ製) 1重量部
アイソパーH(シェル石油製) 78重量部
合計 100重量部
これらの各配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、比較例分散液として使用した。
ここで日本触媒製シリコーンポリマーグラフトカーボンブラック(シリコーン系GCB)とは下記に示す特性の自己分散カーボンブラックである。
サンプル名:MX3−GRX−001
CB/RP=10/3wt ratio
溶剤:シリコーンオイル(ダウコーニング製SH2001CS)
CB濃度:20.0%
RP濃度:6.0%
溶剤濃度:74.0%
3.表示セルの作製方法
次に、2枚のITO電極付ガラス基板間に1cm2の開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。
その空間に上記分散液を超音波分散した後、マイクロシリンジにより毛細管現象で封入した。
ITOベタ電極基板の仕様
メーカー:ジオマテック株式会社
材質:ソーダガラス
寸法:29.8±0.1/39.8±0.1・外周部は面取り
ITO表面抵抗50±10Ω/□
一方の面全面にITO成膜
SiO2下地処理(ディップ)
次に、2枚のITO電極付ガラス基板間に1cm2の開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。
その空間に上記分散液を超音波分散した後、マイクロシリンジにより毛細管現象で封入した。
ITOベタ電極基板の仕様
メーカー:ジオマテック株式会社
材質:ソーダガラス
寸法:29.8±0.1/39.8±0.1・外周部は面取り
ITO表面抵抗50±10Ω/□
一方の面全面にITO成膜
SiO2下地処理(ディップ)
4.表示動作
実施例1〜5と比較例の各上部ITO電極に−20Vを印加すると、分散粒子は速やかに下部電極に電着した。
次に、上部電極に+20Vを印加すると、分散粒子は上部電極に移動した。この極性の切り替えを100回程度行なったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても電着した状態を保持していた。
LCD EVALUATION SYSTEM LCD−5000(大塚電子製)を用いて、実施例1〜5と比較例の各表示セルの反射率、コントラスト、応答速度を測定した結果を表3に示す。
実施例1〜5と比較例の各上部ITO電極に−20Vを印加すると、分散粒子は速やかに下部電極に電着した。
次に、上部電極に+20Vを印加すると、分散粒子は上部電極に移動した。この極性の切り替えを100回程度行なったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても電着した状態を保持していた。
LCD EVALUATION SYSTEM LCD−5000(大塚電子製)を用いて、実施例1〜5と比較例の各表示セルの反射率、コントラスト、応答速度を測定した結果を表3に示す。
5.分散液の保存性と保存後の表示動作
各分散液を常温(25℃)、50℃、0℃、―20℃、−20℃〜50℃間を温度変化させるサイクル試験の5水準で4週間保存した。各保存試験後に表示動作が問題なく行えるかを確認した。
保存試験後の分散液の状態を表4に示す。
更に、この保存試験後の表示動作についての試験結果を表5に示す。
分散液の状態 ○:良好 △:一部凝集傾向あり ×:凝集
表示動作 ○:良好 △:一部不具合有り ×:動作不良
各分散液を常温(25℃)、50℃、0℃、―20℃、−20℃〜50℃間を温度変化させるサイクル試験の5水準で4週間保存した。各保存試験後に表示動作が問題なく行えるかを確認した。
保存試験後の分散液の状態を表4に示す。
更に、この保存試験後の表示動作についての試験結果を表5に示す。
1 導電層
2 導電層
3 正に荷電した着色微粒子
4 自己分散性白色微粒子
5 分散液
6 透明基板
7 透明電極
8 分散液
9 有孔スペーサ
23 荷電した白色又は着色微粒子
24 分散媒
25 マイクロカプセル膜
30 マイクロカプセル
31 導電層
32 導電層
33 荷電した白色又は着色微粒子
34 分散媒
35 マイクロカプセル膜
36 マイクロカプセル
40 画像表示媒体
2 導電層
3 正に荷電した着色微粒子
4 自己分散性白色微粒子
5 分散液
6 透明基板
7 透明電極
8 分散液
9 有孔スペーサ
23 荷電した白色又は着色微粒子
24 分散媒
25 マイクロカプセル膜
30 マイクロカプセル
31 導電層
32 導電層
33 荷電した白色又は着色微粒子
34 分散媒
35 マイクロカプセル膜
36 マイクロカプセル
40 画像表示媒体
Claims (17)
- 所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方又は両方が光透過性である2つの導電層間に、少なくとも白色微粒子及び着色微粒子、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液を含有し、該白色微粒子が酸塩基解離により生成した正電荷或いは負電荷を有し、該着色微粒子が自己分散性微粒子であることを特徴とする画像表示媒体。
- 所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方又は両方が光透過性である2つの導電層間に、少なくとも白色微粒子及び着色微粒子、非極性溶媒、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物から成る分散液を含有し、該着色微粒子が酸塩基解離により生成した正電荷或いは負電荷を有し、該白色微粒子が自己分散性微粒子であることを特徴とする画像表示媒体。
- 電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも表面に酸性基を有し、且つ、前記非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも塩基性基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示媒体。
- 電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも表面に塩基性基を有し、且つ、前記非極性溶媒に可溶な樹脂が少なくとも酸性基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示媒体。
- 電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子と前記非極性溶媒に可溶な樹脂との配合比(重量)が1対1から50対1の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像表示媒体。
- 電荷を有する前記白色微粒子及び着色微粒子が、少なくとも顔料と樹脂とから成り、該顔料と該樹脂の重量比が、樹脂100重量部に対して顔料0.1重量部〜300重量部であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記白色微粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記着色微粒子がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記自己分散性微粒子が、表面官能基修飾された微粒子であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記自己分散性微粒子が、コアシェルポリマー微粒子、グラフトポリマー微粒子、カプセルポリマー微粒子の何れかであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記自己分散性微粒子が、アクリルコポリマーグラフトカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記自己分散性微粒子が、シリコーンポリマーグラフトカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記白色微粒子及び着色微粒子の平均粒子径が、0.01μm〜1μmであることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の画像表示媒体。
- 前記非極性溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイルの何れかであることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の画像表示媒体。
- 非イオン性の極性基を有する化合物がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の画像表示媒体。
- 請求項1〜15の何れかに記載の画像表示媒体を有する画像表示装置。
- 請求項1〜15の何れかに記載の画像表示媒体が封入されたマイクロカプセルで構成されることを特徴とする請求項16に記載の画像表示装置。
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Cited By (3)
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JP2022547688A (ja) * | 2019-09-19 | 2022-11-15 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | 電気泳動粒子およびこれを含む光経路制御部材 |
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-
2005
- 2005-07-25 JP JP2005214364A patent/JP2007033630A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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