JP2008287163A - 電気泳動分散液 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電圧下でも電気泳動微粒子の分離が容易で、反射率、コントラスト比が高く表示特性に優れ、かつメモリー性を有する電気泳動分散液及びこれを利用した画像表示装置を得る。
【解決手段】複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、微粒子は表面官能基に対して反応性基を有する重合体を化学的に結合させるか、あるいは架橋させたものであり、重合体は微粒子の1〜100重量%の量で存在しているものとし、少なくともカーボンブラック微粒子、白色微粒子、及び非極性溶媒を含有しており、カーボンブラックは硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下とする。
【選択図】図1
【解決手段】複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、微粒子は表面官能基に対して反応性基を有する重合体を化学的に結合させるか、あるいは架橋させたものであり、重合体は微粒子の1〜100重量%の量で存在しているものとし、少なくともカーボンブラック微粒子、白色微粒子、及び非極性溶媒を含有しており、カーボンブラックは硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電界の作用によって帯電した白色粒子乃至/及び着色粒子を分散媒中において移動させることにより、可逆的に視認状態を変化させることができる電気泳動粒子分散液。
従来、文字、静止画、動画等の各種画像を表示する画像表示装置として、カソードレイ チューブ(CRT)、液晶ディスプレイ等が知られている。
これらの表示装置は、デジタルデータを瞬時に表示し、書き換えられるものであるが、卓上等に設置して使用するので持ち歩きには不向きであること、長時間見て作業すると眼が疲労すること、電源をオフにした状態では表示できないこと等の問題があった。
これらの表示装置は、デジタルデータを瞬時に表示し、書き換えられるものであるが、卓上等に設置して使用するので持ち歩きには不向きであること、長時間見て作業すると眼が疲労すること、電源をオフにした状態では表示できないこと等の問題があった。
一方、デジタルデータによる情報は、書類等の紙媒体として配布し、あるいは保存したりするときは、印刷しなければならない。このようにデジタル情報を記録した紙媒体はハードコピーとして広く使用されている。
ハードコピーは、ディスプレイよりも文字が読みやすいこと、使用者の目の疲労が少ないこと、利用場所の選択肢が広いこと、更には軽量で自由に持ち運びが可能であること、等の利点を有している。
しかし、ハードコピーは、使用された後は廃棄されたり、あるいはリサイクルされたりするが、再利用には労力と費用を要するので、省資源の観点からは必ずしも優れているものではない。
ハードコピーは、ディスプレイよりも文字が読みやすいこと、使用者の目の疲労が少ないこと、利用場所の選択肢が広いこと、更には軽量で自由に持ち運びが可能であること、等の利点を有している。
しかし、ハードコピーは、使用された後は廃棄されたり、あるいはリサイクルされたりするが、再利用には労力と費用を要するので、省資源の観点からは必ずしも優れているものではない。
上述したことから、ディスプレイとハードコピーの双方の利点を併せ持つ書き換え可能なペーパーライクな表示媒体への要望が高まってきており、例えば高分子分散型液晶素子、双安定性コレステリック液晶素子、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子等の表示媒体が提案された。これらの表示媒体は、反射型で明るい表示が可能であり、かつメモリー性を有しているという利点がある。
特に、電気泳動素子を用いた表示媒体(以下、「電気泳動表示媒体」という。)は、表示品質、表示動作時の消費電力等の点で優れており、従来においても各種技術提案がなされている(例えば、下記特許文献1、2参照。)。
特に、電気泳動素子を用いた表示媒体(以下、「電気泳動表示媒体」という。)は、表示品質、表示動作時の消費電力等の点で優れており、従来においても各種技術提案がなされている(例えば、下記特許文献1、2参照。)。
電気泳動表示媒体としては、例えば、着色した分散媒が一組の透明電極の間に封入されており、着色した分散媒中には、その分散媒の色とは異なる色の複数の電子動粒子が分散された構成のものが知られている。
前記分散媒中において、前記電子動粒子は表面に電荷を帯びているので、一組の透明電極の一方に、電子動粒子の電荷と逆向きの電圧を与えると、電気泳動粒子が透明電極の一方に堆積して泳動粒子の色が観測され、また、泳動粒子の電荷と同じ向きの電圧を与えると、電気泳動粒子は反対側に移動するため分散媒の色が観測されるようになる。電気泳動表示媒体は、前述したような原理により情報表示が行われる。
前記分散媒中において、前記電子動粒子は表面に電荷を帯びているので、一組の透明電極の一方に、電子動粒子の電荷と逆向きの電圧を与えると、電気泳動粒子が透明電極の一方に堆積して泳動粒子の色が観測され、また、泳動粒子の電荷と同じ向きの電圧を与えると、電気泳動粒子は反対側に移動するため分散媒の色が観測されるようになる。電気泳動表示媒体は、前述したような原理により情報表示が行われる。
電気泳動表示媒体の分散媒中における電気泳動粒子の安定性は、一般的に、静電効果、又は立体効果(吸着層効果とも呼ばれる)の働きにより得られるものである。
前記静電効果に関しては、DLVO理論が確立されており、この理論では、電気二重層の広がり及び界面電位(いわゆるζ電位)が重要な因子とされ、これらを形成するには、イオンの存在が必要とされている。
一方、立体効果については、DLVO理論に相当するものは未だ確立されていないが、非水溶媒系(主に石油系溶媒)では例えば次のような研究が知られている。
すなわち、「F.A.Waite,J.Oil Col.Chem.Assoc.,54,342(1971)」に、安定な非水溶媒系分散液の製造方法についての技術開示がなされており、溶媒に分散させる粒子(溶媒に不溶)に対し相溶性のある成分と、前記溶媒に溶解する成分とを含むブロック又はグラフト共重合体を製造する方法が示されている。
この技術を利用したものとして、炭化水素溶媒中で減成ゴムの存在下、メチルメタクリレート(MMA)をラジカル重合させて安定なポリメチルメタクリレート(PMMA)分散液を得る方法が提案されている(下記特許文献3参照。)。この技術によると、減成ゴムがPMMA粒子に吸着されず、PMMA粒子が分散安定化しており、減成ゴムにMMAがグラフト重合するものであると考えられる。また、このグラフト重合体では、その不溶解部が粒子表面に塊合し、また、その溶解部が立体効果をもつこととなるので、粒子の分散安定性が維持されるものと考えられる。
前記静電効果に関しては、DLVO理論が確立されており、この理論では、電気二重層の広がり及び界面電位(いわゆるζ電位)が重要な因子とされ、これらを形成するには、イオンの存在が必要とされている。
一方、立体効果については、DLVO理論に相当するものは未だ確立されていないが、非水溶媒系(主に石油系溶媒)では例えば次のような研究が知られている。
すなわち、「F.A.Waite,J.Oil Col.Chem.Assoc.,54,342(1971)」に、安定な非水溶媒系分散液の製造方法についての技術開示がなされており、溶媒に分散させる粒子(溶媒に不溶)に対し相溶性のある成分と、前記溶媒に溶解する成分とを含むブロック又はグラフト共重合体を製造する方法が示されている。
この技術を利用したものとして、炭化水素溶媒中で減成ゴムの存在下、メチルメタクリレート(MMA)をラジカル重合させて安定なポリメチルメタクリレート(PMMA)分散液を得る方法が提案されている(下記特許文献3参照。)。この技術によると、減成ゴムがPMMA粒子に吸着されず、PMMA粒子が分散安定化しており、減成ゴムにMMAがグラフト重合するものであると考えられる。また、このグラフト重合体では、その不溶解部が粒子表面に塊合し、また、その溶解部が立体効果をもつこととなるので、粒子の分散安定性が維持されるものと考えられる。
しかしながら、非水溶媒系における粒子分散体の安定性が不十分であったため、これを電着塗料、電子写真液体現像剤、ディスプレイ用の表示媒体として利用すると、実用上充分な耐久性が得られないという問題があった。
かかる問題点に鑑みて、石油系溶媒、すなわち無極性非プロトン溶媒のような非極性溶媒に、イオンで帯電させた電気泳動粒子を安定分散させた構成の電気泳動粒子分散液に関する技術提案がなされた(例えば、下記特許文献4乃至6参照。)。
かかる問題点に鑑みて、石油系溶媒、すなわち無極性非プロトン溶媒のような非極性溶媒に、イオンで帯電させた電気泳動粒子を安定分散させた構成の電気泳動粒子分散液に関する技術提案がなされた(例えば、下記特許文献4乃至6参照。)。
かかる電気泳動媒体の顔料粒子に関する技術提案がなされている(例えば、イーインク コーポレイションによる特許:下記特許文献7参照。)。これは、「電気泳動媒体において、1〜15重量%の重合体を顔料粒子に化学的に結合させるかその周りに架橋させた顔料粒子を使用すること、該重合体は、分枝鎖構造を有し、該主鎖から伸長している側鎖を有する。荷電基または荷電可能基は、該重合体に組み込むことができるか、または該重合体から離れて粒子に結合できる。該重合体被覆粒子は、まず、該粒子に重合可能基または重合開始基を結合し、次いで、該粒子を1個またはそれ以上の重合可能単量体またはオリゴマーと反応させることによる。」という発明である。
この特許文献7においては、「電気泳動粒子に変性材料を付着することに関して、相当な研究が行われているように思われるものの、従来技術では、変性材料の量を変えることがその粒子の挙動に対して与える効果について、殆ど論述されていない(電気泳動粒子を変性材料で完全に被覆することが理想的であることを明らかに想定している)。現在、少なくとも、多くの重合体変性材料には、このことは、実際、当てはまらず、推積すべき最適な量の重合体があることが発見されている;変性粒子中の重合体の割合が多すぎると、その粒子の電気泳動移動度の望ましくない低下を引き起こす。」と記載されている。
そして、該重合体を作製する方法として、「ランダムグラフト重合」または「RGP」、「イオンランダムグラフト重合」、「原子移動ラジカル重合」または「ATRP」、「RGP-ATRP」等の重合方法を挙げている。
これらはいずれも、微粒子表面に重合可能な官能基を予め化学的に結合、あるいは架橋させておき、その後ポリマーを伸長させる方法である。
この特許文献7においては、「電気泳動粒子に変性材料を付着することに関して、相当な研究が行われているように思われるものの、従来技術では、変性材料の量を変えることがその粒子の挙動に対して与える効果について、殆ど論述されていない(電気泳動粒子を変性材料で完全に被覆することが理想的であることを明らかに想定している)。現在、少なくとも、多くの重合体変性材料には、このことは、実際、当てはまらず、推積すべき最適な量の重合体があることが発見されている;変性粒子中の重合体の割合が多すぎると、その粒子の電気泳動移動度の望ましくない低下を引き起こす。」と記載されている。
そして、該重合体を作製する方法として、「ランダムグラフト重合」または「RGP」、「イオンランダムグラフト重合」、「原子移動ラジカル重合」または「ATRP」、「RGP-ATRP」等の重合方法を挙げている。
これらはいずれも、微粒子表面に重合可能な官能基を予め化学的に結合、あるいは架橋させておき、その後ポリマーを伸長させる方法である。
また、イーインク コーポレイションにより提案された下記特許文献8には、「流体中に、20000を越える数平均分子量を有する重合体を溶解または分散し、この重合体は、粒子に事実上非吸収性である。重合体は、表示装置の安定性(すなわち、該表示装置をリフレッシュすることなく、書き込んだ画像が持続する期間)を向上させるが、懸濁流体の粘度を著しく高めず、それゆえ、表示装置の切替時間を適切な限度内に保つ。また媒体は、カプセル化され得るか、重合体を分散した電気泳動媒体の形態であり得る。」との技術提案がなされている。
また、変性材料による被覆量が低い重合体被覆粒子についても各種電気泳動に関して技術利用されており、カプセル化電気泳動媒体についての技術提案もなされている。
このようなカプセル化電気泳動媒体は、多数の小カプセルを含んでいるものであり、その各々は、それ自体、内相(これは、液状懸濁媒体に懸濁された電気泳動移動粒子を含有する)およびカプセル壁(これは、内相を取り囲んでいる)を具備している。
具体的な例としては、これらのカプセルが、それ自体、高分子結合剤内に保持されていて、2個の電極間に配置された干渉相を形成した構成のものがある。この種のカプセル化電気泳動媒体に関しては、下記文献に提案がなされている。
米国特許第5,930,026号;第5,961,804号;第6,017,584号;第6,067,185号;第6,118,426号;第6,120,588号;第6,120,839号;第6,124,851号;第6,130,773号;第6,130,774号;第6,172,798号;第6,177,921号;第6,232,950号;第6,241,921号;第6,249,271号;第6,252,564号;第6,262,706号;第6,262,833号;第6,300,932号;第6,312,304号;第6,312,971号;第6,323,989号;第6,327,072号;第6,376,828号;および第6,377,387号;米国特許出願公開第2001−0045934号;第2002−0018042号;第2002−0019081号;および第2002−0021270号;ならびに国際出願公開第WO97/04398号;第WO98/03896号;第WO98/19208号;第WO98/41898号;第WO98/41899号;第WO99/10767号;第WO99/10768号;第WO99/10769号;第WO99/47970号;第WO99/53371号;第WO99/53373号;第WO99/56171号;第WO99/59101号;第WO99/67678号;第WO00/03349号;第WO00/03291号;第WO00/05704号;第WO00/20921号;第WO00/20922号;第WO00/20923号;第WO00/26761号;第WO00/36465号;第WO00/36560号;第WO00/36666号;第WO00/38000号;第WO00/38001号;第WO00/59625号;第WO00/60410号;第WO00/67110号;第WO00/67327号;第WO01/02899号;第WO01/07691号;第WO01/08241号;第WO01/08242号;第WO01/17029号;第WO01/17040号;第WO01/17041号;第WO01/80287号および第WO02/07216号。
なお、これらの全ての文献に記載された技術において、上記重合体被覆粒子が用いられている。
このようなカプセル化電気泳動媒体は、多数の小カプセルを含んでいるものであり、その各々は、それ自体、内相(これは、液状懸濁媒体に懸濁された電気泳動移動粒子を含有する)およびカプセル壁(これは、内相を取り囲んでいる)を具備している。
具体的な例としては、これらのカプセルが、それ自体、高分子結合剤内に保持されていて、2個の電極間に配置された干渉相を形成した構成のものがある。この種のカプセル化電気泳動媒体に関しては、下記文献に提案がなされている。
米国特許第5,930,026号;第5,961,804号;第6,017,584号;第6,067,185号;第6,118,426号;第6,120,588号;第6,120,839号;第6,124,851号;第6,130,773号;第6,130,774号;第6,172,798号;第6,177,921号;第6,232,950号;第6,241,921号;第6,249,271号;第6,252,564号;第6,262,706号;第6,262,833号;第6,300,932号;第6,312,304号;第6,312,971号;第6,323,989号;第6,327,072号;第6,376,828号;および第6,377,387号;米国特許出願公開第2001−0045934号;第2002−0018042号;第2002−0019081号;および第2002−0021270号;ならびに国際出願公開第WO97/04398号;第WO98/03896号;第WO98/19208号;第WO98/41898号;第WO98/41899号;第WO99/10767号;第WO99/10768号;第WO99/10769号;第WO99/47970号;第WO99/53371号;第WO99/53373号;第WO99/56171号;第WO99/59101号;第WO99/67678号;第WO00/03349号;第WO00/03291号;第WO00/05704号;第WO00/20921号;第WO00/20922号;第WO00/20923号;第WO00/26761号;第WO00/36465号;第WO00/36560号;第WO00/36666号;第WO00/38000号;第WO00/38001号;第WO00/59625号;第WO00/60410号;第WO00/67110号;第WO00/67327号;第WO01/02899号;第WO01/07691号;第WO01/08241号;第WO01/08242号;第WO01/17029号;第WO01/17040号;第WO01/17041号;第WO01/80287号および第WO02/07216号。
なお、これらの全ての文献に記載された技術において、上記重合体被覆粒子が用いられている。
本発明者らは、下記特許文献7に開示されている技術のトレースを行った。
上述した重合体被覆粒子に関する技術検証を行った。
先ず、微粒子表面に重合可能基または重合開始基を結合させ、次いで、この微粒子を1個またはそれ以上の重合可能単量体またはオリゴマーと反応させたところ、数%〜10数%程度しか重合体を組み込むことができないことが確かめられた。
これは、微粒子表面から重合させる場合、ある値までポリマーが重合するとポリマー同士の相互作用等が生じて、それ以上は重合が起こらずに停止してしまうためであると推定される。
かかる重合体被覆粒子で電気泳動媒体を作製したところ、反射率や泳動速度等の電気泳動特性が不十分なものとなり、また長期の安定性についても満足な特性が得られなかった。
上述した重合体被覆粒子に関する技術検証を行った。
先ず、微粒子表面に重合可能基または重合開始基を結合させ、次いで、この微粒子を1個またはそれ以上の重合可能単量体またはオリゴマーと反応させたところ、数%〜10数%程度しか重合体を組み込むことができないことが確かめられた。
これは、微粒子表面から重合させる場合、ある値までポリマーが重合するとポリマー同士の相互作用等が生じて、それ以上は重合が起こらずに停止してしまうためであると推定される。
かかる重合体被覆粒子で電気泳動媒体を作製したところ、反射率や泳動速度等の電気泳動特性が不十分なものとなり、また長期の安定性についても満足な特性が得られなかった。
また、上述した従来提案されている文献においては、「1〜15重量%の重合体を顔料粒子に化学的に結合させるかその周りに架橋させた顔料粒子を使用すること」とされていたが、実際に電気泳動分散体についての検証を行ったところ、電気泳動粒子を変性材料で完全に被覆することが理想的であるという結論に至った。
また更に、上述した従来提案されている文献においては、「変性粒子中の重合体の割合が多すぎると、その粒子の電気泳動移動度の望ましくない低下を引き起こす」との記載がなされているが、実際に検証してみたところ、文献に開示されている重合体の割合である1〜15重量%よりも、多い範囲においてより最適な量があるのではないかとの結論に達した。すなわち上記重合体の割合により重合体被覆粒子を得、これを用いて電気泳動媒体を作製したところ、反射率や泳動速度等の電気泳動特性が不十分であり、また長期の安定性に欠けることも確かめられた。
また更に、上述した従来提案されている文献においては、「変性粒子中の重合体の割合が多すぎると、その粒子の電気泳動移動度の望ましくない低下を引き起こす」との記載がなされているが、実際に検証してみたところ、文献に開示されている重合体の割合である1〜15重量%よりも、多い範囲においてより最適な量があるのではないかとの結論に達した。すなわち上記重合体の割合により重合体被覆粒子を得、これを用いて電気泳動媒体を作製したところ、反射率や泳動速度等の電気泳動特性が不十分であり、また長期の安定性に欠けることも確かめられた。
上述した検証結果をさらに検討したところ、電気泳動分散液を構成する種々の材料の不純物量が、電気泳動特性や、表示特性に、影響を与えていることが確かめられた。
その中でも特に、カーボンブラックには、重油や天然ガス等の原材料に由来する不純物や、燃焼中に混入される不純物や、その他の不純物も含まれていることがわかった。
その中でも特に、カーボンブラックには、重油や天然ガス等の原材料に由来する不純物や、燃焼中に混入される不純物や、その他の不純物も含まれていることがわかった。
そこで本発明においては、電気泳動分散液を構成する種々の材料の不純物量について鋭意研究を行い、これを具体的に特定し、電気泳動特性と表示特性との向上を図り、最終的に、低電圧でも電気泳動微粒子の分離が容易にされ、白の反射率が高く、白黒のコントラスト比が高く、電源を切っても表示がそのまま維持されるメモリー性を有する電気泳動分散液を提供し、更には、長期安定性に優れ、使用上安全性の高い画像表示装置を提供することとを目的とした。
請求項1の発明においては、複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、前記微粒子は、当該微粒子表面の官能基に対する反応性基を有する重合体を化学的に結合させるか、あるいは表面に架橋させたものであり、前記重合体は、前記微粒子の1〜100重量%の量で存在しており、少なくとも、カーボンブラック微粒子、白色微粒子、及び非極性溶媒を含有しており、前記カーボンブラックは、硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であることを特徴とする電気泳動分散液を提供する。
請求項2の発明においては、前記カーボンブラックは、一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量100cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%であり、表面はpH6以下で酸性基を有しているカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動分散液を提供する。
請求項3の発明においては、前記カーボンブラックは、一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量70cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%であり、かつ表面はpH7以上で塩基性基を有しているカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動分散液を提供する。
請求項4の発明においては、前記白色微粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動分散液を提供する。
本発明によれば、複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、微粒子は、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を該微粒子に化学的に結合させるか、微粒子表面に架橋させており、重合体は、該微粒子の1〜100重量%の量で存在している電気泳動分散液において、少なくともカーボンブラック微粒子、白色微粒子、及び非極性溶媒から成る分散液を含有し、カーボンブラックに含まれる不純物の含有量が規格値以下に特定したことにより、電気的特性や表示特性に優れた電気泳動分散液が提供でき、さらにはかかる電気泳動分散液に関して材料選択性の幅が広くなり、長期安定性に優れ、使用上安全性の高い画像表示装置が得られた。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
本発明の電気泳動分散液を適用する画像表示装置について図を参照して説明する。
図1は、本発明の画像表示媒体の一例を模式的に示す断面図である。
図中、導電層1、2は、一方または両方が光透過性である。導電層1、2間には、少なくとも自己分散性白色微粒子4、自己分散性着色微粒子3および非極性溶媒を含む分散液5を有している。分散液5は電気泳動効果とメモリー効果を併せ持っている。また分散液5は、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物をさらに含有するのが好ましい。
ここで、導電層2が光透過性の場合、導電層2の上方よりこの媒体を見ると、自己分散性白色微粒子4、自己分散性着色微粒子3の色が見える。このとき該非極性溶媒に可溶な樹脂は、白色または着色の荷電微粒子3に吸着し、その立体効果により自己分散性白色微粒子4または自己分散性着色微粒子3の分散安定性が増し長期安定性が実現できる。
図1は、本発明の画像表示媒体の一例を模式的に示す断面図である。
図中、導電層1、2は、一方または両方が光透過性である。導電層1、2間には、少なくとも自己分散性白色微粒子4、自己分散性着色微粒子3および非極性溶媒を含む分散液5を有している。分散液5は電気泳動効果とメモリー効果を併せ持っている。また分散液5は、該非極性溶媒に可溶な樹脂、樹脂分散剤、非イオン性の極性基を有する化合物をさらに含有するのが好ましい。
ここで、導電層2が光透過性の場合、導電層2の上方よりこの媒体を見ると、自己分散性白色微粒子4、自己分散性着色微粒子3の色が見える。このとき該非極性溶媒に可溶な樹脂は、白色または着色の荷電微粒子3に吸着し、その立体効果により自己分散性白色微粒子4または自己分散性着色微粒子3の分散安定性が増し長期安定性が実現できる。
図2は、図1の画像表示媒体を実際に駆動して画像表示する際の表示動作の機構を原理的に示す模式図である。
図2(a)で、表示媒体の右半分と左半分が仕切られた導電層1、2に、外部から適当な手段で電荷を付与すると、電荷を持つ自己分散性着色微粒子3は、図2(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動する。
図2(c)は、自己分散性着色微粒子3の一部が導電層2に到達した状態を示す。
図2(d)は、導電層2と自己分散性着色微粒子3が、静電気力によって付着し移動が完結した状態を示している。
図2(d)の状態を媒体の上方(導電層2の外側)から眺めると左半分は自己分散性白色微粒子4の色が、右半分は自己分散性着色微粒子3の色がのぞめる。
以上が、本発明の画像表示媒体を用いた画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり、繰り返し使用ができる。
図2(a)で、表示媒体の右半分と左半分が仕切られた導電層1、2に、外部から適当な手段で電荷を付与すると、電荷を持つ自己分散性着色微粒子3は、図2(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動する。
図2(c)は、自己分散性着色微粒子3の一部が導電層2に到達した状態を示す。
図2(d)は、導電層2と自己分散性着色微粒子3が、静電気力によって付着し移動が完結した状態を示している。
図2(d)の状態を媒体の上方(導電層2の外側)から眺めると左半分は自己分散性白色微粒子4の色が、右半分は自己分散性着色微粒子3の色がのぞめる。
以上が、本発明の画像表示媒体を用いた画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり、繰り返し使用ができる。
図3は、画像表示媒体を構成するマイクロカプセルの概略断面図を示す。
また、図4は、マイクロカプセルを有する画像表示媒体の一例の概略断面図を示す。
図5は、画像表示媒体の他の一例の概略構成図を示す。図5中、符号6はフィルム等の透明基板、符号7はその一方面に所要のパターンで形成された透明電極であり、対向配置されたこれら一組の透明電極7の間に、着色した分散媒中に分散媒の色とは異なる色を有する複数の泳動粒子を分散させた分散液8を封入した構成となっている。
泳動粒子は分散媒中で表面に電荷を帯びており、透明電極7の一方に泳動粒子の電荷と逆向きの電圧を与えた場合には泳動粒子がそちらに堆積して泳動粒子の色が観測され、泳動粒子の電荷と同じ向きの電圧を与えた場合には泳動粒子は反対側に移動するため分散媒の色が観測される。これにより表示を行うことができる。
ここで、分散液8を単に両電極間に封入する構造では、泳動粒子の凝集や付着現象によって表示ムラが発生することがあるので、両電極間にメッシュ状あるいは多孔質状の有孔スペーサ9を配置することにより、分散液8を不連続に分割し、表示動作の安定化を図る工夫がなされている。
しかし、このような構造の場合、分散液の一様な封入処理が困難である、あるいは封入時に分散液の特性が変化して再現性を得るのが困難であるといった問題点があった。
なお、上述した画像表示媒体は、図6、図7に示すような、種々の形態として応用することができる。
また、図4は、マイクロカプセルを有する画像表示媒体の一例の概略断面図を示す。
図5は、画像表示媒体の他の一例の概略構成図を示す。図5中、符号6はフィルム等の透明基板、符号7はその一方面に所要のパターンで形成された透明電極であり、対向配置されたこれら一組の透明電極7の間に、着色した分散媒中に分散媒の色とは異なる色を有する複数の泳動粒子を分散させた分散液8を封入した構成となっている。
泳動粒子は分散媒中で表面に電荷を帯びており、透明電極7の一方に泳動粒子の電荷と逆向きの電圧を与えた場合には泳動粒子がそちらに堆積して泳動粒子の色が観測され、泳動粒子の電荷と同じ向きの電圧を与えた場合には泳動粒子は反対側に移動するため分散媒の色が観測される。これにより表示を行うことができる。
ここで、分散液8を単に両電極間に封入する構造では、泳動粒子の凝集や付着現象によって表示ムラが発生することがあるので、両電極間にメッシュ状あるいは多孔質状の有孔スペーサ9を配置することにより、分散液8を不連続に分割し、表示動作の安定化を図る工夫がなされている。
しかし、このような構造の場合、分散液の一様な封入処理が困難である、あるいは封入時に分散液の特性が変化して再現性を得るのが困難であるといった問題点があった。
なお、上述した画像表示媒体は、図6、図7に示すような、種々の形態として応用することができる。
本発明においては、上述した問題に鑑みて、複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液に関しての検討を行い、下記のように特定することとした。
すなわち、本発明の電気泳動分散液は、前記微粒子は、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を該微粒子に化学的に結合させるか、微粒子表面に架橋させており、該重合体は、該微粒子の1〜100重量%の量で存在している電気泳動分散液において、少なくともカーボンブラック微粒子乃至白色微粒子、非極性溶媒から成る分散液を含有し、該カーボンブラックに含まれる硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下の含有量であるものとする。
すなわち、本発明の電気泳動分散液は、前記微粒子は、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を該微粒子に化学的に結合させるか、微粒子表面に架橋させており、該重合体は、該微粒子の1〜100重量%の量で存在している電気泳動分散液において、少なくともカーボンブラック微粒子乃至白色微粒子、非極性溶媒から成る分散液を含有し、該カーボンブラックに含まれる硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下の含有量であるものとする。
また、前記カーボンブラックは、一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量100cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%、pH6以下の表面に酸性基を有するカーボンブラックとすることが好適であることが確かめられた。
また、前記カーボンブラックは、一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量70cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%、pH7以上の表面に塩基性基を有するカーボンブラックとすることが好ましいことが確かめられた。
また、前記白色微粒子としては、酸化チタンが適用できることが確かめられた。
次に、本発明の電気泳動分散液について詳細に説明する。
構成要素として、下記の順により説明する。
1 カーボンブラックについて。
2 カーボンブラックの表面処理方法について。
3 カーボンブラック中の不純物について。
4 微粒子表面に荷電基を有しかつ重合度の高いグラフトポリマー微粒子について。
構成要素として、下記の順により説明する。
1 カーボンブラックについて。
2 カーボンブラックの表面処理方法について。
3 カーボンブラック中の不純物について。
4 微粒子表面に荷電基を有しかつ重合度の高いグラフトポリマー微粒子について。
〔1 カーボンブラックについて〕
カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体と定義され、化学組成が炭素98%以上の、限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
種類は、製法で分類する方法が一般的で、原料炭化水素の熱分解か、不完全燃焼か何れかに大別され(下記表1参照)、更に原料の種類により細分化される。
コンタクト法は、炎を鉄や石などに接触させる製造法であり、チャンネル法やその改良法であるガスブラック法(ローラ法)等が含まれる。チャンネルブラックは、コンタクト法の代表的な製品で、チャンネル鋼の底面に炎を接触させて採取するものである。
カーボンブラックは、各種の炭化水素又は炭素を含む化合物を不完全燃焼して得られる微細な球状粒子の集合体と定義され、化学組成が炭素98%以上の、限りなく純粋に近い炭素材料の総称である。
種類は、製法で分類する方法が一般的で、原料炭化水素の熱分解か、不完全燃焼か何れかに大別され(下記表1参照)、更に原料の種類により細分化される。
コンタクト法は、炎を鉄や石などに接触させる製造法であり、チャンネル法やその改良法であるガスブラック法(ローラ法)等が含まれる。チャンネルブラックは、コンタクト法の代表的な製品で、チャンネル鋼の底面に炎を接触させて採取するものである。
ファーネス法は、燃料の空気による燃焼熱によって、原料炭化水素を連続的に熱分解させてカーボンブラックを生成させる方法で、ガスファーネス法とオイルファーネス法に分類される。サーマル法は、原料の炭素源として天然ガスを利用し燃焼と熱分解を周期的に繰り返す特殊な製造法で、その特徴は大粒子径を有するカーボンブラックが得られることにある。
アセチレンブラックもアセチレンを原料とする一種のサーマル法であるが、アセチレンの熱分解は他の原料が吸熱反応であるのに対し発熱反応であるため、サーマル法における燃焼サイクルを省略することが可能となり、連続運転が出来る。
アセチレンブラックは、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達しているという特徴を有し、かつ、ストラクチャーが高いことにあるため導電性にすぐれ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
本発明においては、チャンネルブラックまたはファーネスブラックを適用することが好ましい。ファーネスブラックについては、酸化処理を施したものを用いると、溶媒への分散性が向上されるため、適宜酸化処理を行ったものが好ましい。さらに、酸化処理を施したファーネスブラックは、処理によってその表面に酸素を含有した官能基(カルボキシル基、ケトン基、ラクトン基、水酸基等)が付与されるため、極性溶媒との親和性がよく、かつ電気的負荷等によりカーボンブラック表面が酸化劣化を受け難くなる。そのようなカーボンブラックを電気泳動媒体に使用すると、導電経路の形成が起き難くなって、表示特性の低下を防ぐことができる。
アセチレンブラックは、通常のカーボンブラックに比較して結晶性が発達しているという特徴を有し、かつ、ストラクチャーが高いことにあるため導電性にすぐれ、乾電池用並びに各種ゴム、プラスチックの導電性付与剤として使用されている。
本発明においては、チャンネルブラックまたはファーネスブラックを適用することが好ましい。ファーネスブラックについては、酸化処理を施したものを用いると、溶媒への分散性が向上されるため、適宜酸化処理を行ったものが好ましい。さらに、酸化処理を施したファーネスブラックは、処理によってその表面に酸素を含有した官能基(カルボキシル基、ケトン基、ラクトン基、水酸基等)が付与されるため、極性溶媒との親和性がよく、かつ電気的負荷等によりカーボンブラック表面が酸化劣化を受け難くなる。そのようなカーボンブラックを電気泳動媒体に使用すると、導電経路の形成が起き難くなって、表示特性の低下を防ぐことができる。
次に、カーボンブラックの基本的特性について説明する。
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ補強性や黒色度、導電性等の機能を付与する際重要な因子は、粒子径とストラクチャー、それに粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大基本特性と呼んでおり、これらの組み合わせで種々のカーボンブラックが製造されている。
カーボンブラックの3大基本特性
(I)粒子径:粒子径と表面積
(II)ストラクチャー:DBP給油量(ml/100g)とストラクチャー指数
(III)表面の化学的特性:揮発分(%)とpH
カーボンブラックをゴムや樹脂、塗料やインキのビヒクルに配合、分散させ補強性や黒色度、導電性等の機能を付与する際重要な因子は、粒子径とストラクチャー、それに粒子表面の物理化学的性質であり、これを通常カーボンブラックの三大基本特性と呼んでおり、これらの組み合わせで種々のカーボンブラックが製造されている。
カーボンブラックの3大基本特性
(I)粒子径:粒子径と表面積
(II)ストラクチャー:DBP給油量(ml/100g)とストラクチャー指数
(III)表面の化学的特性:揮発分(%)とpH
カーボンブラックを分散体微粒子に使用した電気泳動媒体において、安定した表示特性を得るには、下記(a)、(b)の特性を有していることが好ましいことを確認した。
(a)複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、該微粒子は、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を該微粒子に化学的に結合させるか、微粒子表面に架橋させており、該重合体は、該微粒子の1〜100重量%の量で存在していること、
(b)カーボンブラックに含まれる硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であるカーボンブラックを用いる。
これにより、コントラストの表示特性が高く、しかも表示媒体を形成するための電気泳動分散液が、良好な分散安定性を有することを確認した。
なお、不純物の少ないカーボンブラックでは、酸性カーボンブラックでも塩基性カーボンブラックでもどちらでも使用することができる。
(a)複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、該微粒子は、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を該微粒子に化学的に結合させるか、微粒子表面に架橋させており、該重合体は、該微粒子の1〜100重量%の量で存在していること、
(b)カーボンブラックに含まれる硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であるカーボンブラックを用いる。
これにより、コントラストの表示特性が高く、しかも表示媒体を形成するための電気泳動分散液が、良好な分散安定性を有することを確認した。
なお、不純物の少ないカーボンブラックでは、酸性カーボンブラックでも塩基性カーボンブラックでもどちらでも使用することができる。
酸性カーボンブラックとは、その表面に酸性基を有するカーボンブラックを意味する。その中でもとりわけpHが6以下のカーボンブラックで揮発分が0.1〜5.0%のカーボンブラックを用いることが分散安定性の点から考えて好ましい。
酸性カーボンブラックの特徴としては、 一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量100cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%、pH6以下の表面に酸性基を有するカーボンブラックが最も好ましい。
酸性カーボンブラックの特徴としては、 一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量100cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%、pH6以下の表面に酸性基を有するカーボンブラックが最も好ましい。
塩基性カーボブラックに関しても、同様な形状を有するカーボンブラックが好ましく、特徴は、一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量70cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%、pH7以上の表面に塩基性基を有するカーボンブラックが分散安定性の点から最も好ましい。
なお、上述したカーボンブラックのpHとは、以下の測定法によって得られる値を意味する。
カーボンブラック試料1〜10gをビーカーに量り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸する(試料をぬれやすくするため、エタノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去して、泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極pH計の電極を入れ、JISZ8802(pH測定法)によってpHを測定する。
この場合、電極の挿入位置により測定値が変化することがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変えて電極面の泥状面が十分に接触するように注意して量り、pH値が一定になったときの値を読む。
また、上述したカーボンブラックの揮発分とは、以下の測定方法によって得られる値を意味する。
カーボンブラックの乾燥試料を白金るつぼ又はそれと同形、同容量の落としふた付き磁器るつぼにふた下2mmを超えない程度まで打振して詰め、その質量を量る。これにふたをして電気炉に入れ、950±25℃で正確に7分間加熱した後取出し、デジケーター中で室温になるまで放冷して加熱後の質量を量り、次の式によって揮発分を算出する。
カーボンブラック試料1〜10gをビーカーに量り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で覆い、15分間煮沸する(試料をぬれやすくするため、エタノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去して、泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極pH計の電極を入れ、JISZ8802(pH測定法)によってpHを測定する。
この場合、電極の挿入位置により測定値が変化することがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変えて電極面の泥状面が十分に接触するように注意して量り、pH値が一定になったときの値を読む。
また、上述したカーボンブラックの揮発分とは、以下の測定方法によって得られる値を意味する。
カーボンブラックの乾燥試料を白金るつぼ又はそれと同形、同容量の落としふた付き磁器るつぼにふた下2mmを超えない程度まで打振して詰め、その質量を量る。これにふたをして電気炉に入れ、950±25℃で正確に7分間加熱した後取出し、デジケーター中で室温になるまで放冷して加熱後の質量を量り、次の式によって揮発分を算出する。
V=(WD−WR)/WD × 100
但し、V:揮発分(%)、 WD:乾燥試料の質量(g)、WR:加熱後の試料の質量(g)である。
但し、V:揮発分(%)、 WD:乾燥試料の質量(g)、WR:加熱後の試料の質量(g)である。
本発明においては、カーボンブラックは単独種を用いてもよいし、複数種類のカーボンブラックを併用してもよい。
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製のカラーブラックFW200、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW1、カラーブラックFW18、スペシャルブラック6、カラーブラックS170、カラーブラックS160、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4A、プリンテックス150T、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック550、スペシャルブラック350、スペシャルブラック250、スペシャルブラック100、三菱化学社製のMA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA230、MA220、#2200B、キャボット社製のMONARCH700、MONARCH800、MONARCH880、MONARCH900、MONARCH1000、MONARCH1300、MONARCH1400、MOGUL−L、REGAL400R、VULCAN
XC−72R、コロンビア社製のRAVEN1255、キヤボツト製のREGAL400R、MOGUL L、デグサ社製のColor
Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex U等の市販品が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製のカラーブラックFW200、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW1、カラーブラックFW18、スペシャルブラック6、カラーブラックS170、カラーブラックS160、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4A、プリンテックス150T、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック550、スペシャルブラック350、スペシャルブラック250、スペシャルブラック100、三菱化学社製のMA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA230、MA220、#2200B、キャボット社製のMONARCH700、MONARCH800、MONARCH880、MONARCH900、MONARCH1000、MONARCH1300、MONARCH1400、MOGUL−L、REGAL400R、VULCAN
XC−72R、コロンビア社製のRAVEN1255、キヤボツト製のREGAL400R、MOGUL L、デグサ社製のColor
Black FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex U等の市販品が挙げられる。
〔2 カーボンブラックの表面処理方法〕
カーボンブラックは表面処理を行うことで、一般的に、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性等の特性が改良される。
表面処理の方法には次のものが挙げられる。
カーボンブラックは表面処理を行うことで、一般的に、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性等の特性が改良される。
表面処理の方法には次のものが挙げられる。
カーボンブラックの粒子表面は縮合芳香族環があり下記に示す各種表面処理が可能である。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
(2)界面活性剤分散
カーボンブラックは通常のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等により成膜液中に分散することが出来る。
(3)高分子(樹脂)分散安定剤による分散安定
カーボンブラックは、高分子分散安定剤の鎖状部分の立体障害反発による成膜液中での分散安定化が可能である。
(4)カプセル化処理
カーボンブラックが樹脂により被覆され溶剤中に分散されている。または、樹脂にカーボンブラックが含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体にカーボンブラックが存在するものが使用できる。その特徴は、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。特に、分散安定性では、グラフト鎖の良溶媒中への分散性(分散媒中への易分散性と分散後の安定性)が著しく向上し、また、電気特性では、カーボンブラック粒子がポリマーマトリックス中へ容易に、しかも均一に分散するので、広い面積にわたって一定の抵抗値が得られるという特徴がある。
(5)グラフト化処理
カーボンブラックのグラフト化処理は、グラフト機構に基づいて次のように分類できる。
図8(a)〜(f)に、グラフトポリマー微粒子の形態例を示す。
(i)カーボンブラック表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、重合開始剤を用いてビニルモノマーの重合を行い、系内で生成する生長ポリマー鎖を粒子表面で補足する方法。
(ii)カーボンブラック表面からのグラフト重合
カーボンブラック表面へ導入した重合開始基からグラフト鎖を生長させる方法。
(iii)カーボンブラック表面とポリマーとのグラフト反応
カーボンブラック表面の官能基と反応性ポリマーとの反応による方法。
上記の中で、(i)の方法は最も簡単な手法であるが、非グラフトポリマーの生成が優勢に起こるため、グラフト率の大きなものを得ることができない。これに対して、(ii)の系では、カーボンブラック表面からポリマー(グラフト鎖)が外へ向かって生長するので、グラフト率の大きなものが得られるという特徴がある。更に、(iii)の方法によると、グラフト鎖の分子量や数を制御できるという大きな特徴があり、グラフト率も比較的大きなものが得られる。
(6)気相酸化法
オゾン処理やプラズマ処理によるカーボンブラック表面の酸化処理方法であり、カーボンブラックにプラズマ照射することでプラズマの高エネルギーによってカーボンブラック表面に水酸基やカルボキシル基を付けることが出来る。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックを酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。
(2)界面活性剤分散
カーボンブラックは通常のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等により成膜液中に分散することが出来る。
(3)高分子(樹脂)分散安定剤による分散安定
カーボンブラックは、高分子分散安定剤の鎖状部分の立体障害反発による成膜液中での分散安定化が可能である。
(4)カプセル化処理
カーボンブラックが樹脂により被覆され溶剤中に分散されている。または、樹脂にカーボンブラックが含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体にカーボンブラックが存在するものが使用できる。その特徴は、分散安定性、表面濡れ性、レオロジー特性、電気特性などの特性を改良することが出来る。特に、分散安定性では、グラフト鎖の良溶媒中への分散性(分散媒中への易分散性と分散後の安定性)が著しく向上し、また、電気特性では、カーボンブラック粒子がポリマーマトリックス中へ容易に、しかも均一に分散するので、広い面積にわたって一定の抵抗値が得られるという特徴がある。
(5)グラフト化処理
カーボンブラックのグラフト化処理は、グラフト機構に基づいて次のように分類できる。
図8(a)〜(f)に、グラフトポリマー微粒子の形態例を示す。
(i)カーボンブラック表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、重合開始剤を用いてビニルモノマーの重合を行い、系内で生成する生長ポリマー鎖を粒子表面で補足する方法。
(ii)カーボンブラック表面からのグラフト重合
カーボンブラック表面へ導入した重合開始基からグラフト鎖を生長させる方法。
(iii)カーボンブラック表面とポリマーとのグラフト反応
カーボンブラック表面の官能基と反応性ポリマーとの反応による方法。
上記の中で、(i)の方法は最も簡単な手法であるが、非グラフトポリマーの生成が優勢に起こるため、グラフト率の大きなものを得ることができない。これに対して、(ii)の系では、カーボンブラック表面からポリマー(グラフト鎖)が外へ向かって生長するので、グラフト率の大きなものが得られるという特徴がある。更に、(iii)の方法によると、グラフト鎖の分子量や数を制御できるという大きな特徴があり、グラフト率も比較的大きなものが得られる。
(6)気相酸化法
オゾン処理やプラズマ処理によるカーボンブラック表面の酸化処理方法であり、カーボンブラックにプラズマ照射することでプラズマの高エネルギーによってカーボンブラック表面に水酸基やカルボキシル基を付けることが出来る。
上述した処理に関して、特に好ましい(1)、(2)、(3)、(5)について、下記に具体的に説明する。
(1)表面酸化処理
カーボンブラックをカルボン酸塩のような酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。更に、カーボンブラック表面の縮合芳香族環は、次の化学式に示すように様々な試薬と反応し、粒子表面への多彩な官能基の導入が可能となっている。
なお下記式中、Φは、縮合芳香族環であり、Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。
カーボンブラックをカルボン酸塩のような酸化剤で処理すると、粒子表面の縮合芳香族環へカルボキシル基やフェノール性水酸基が導入される。更に、カーボンブラック表面の縮合芳香族環は、次の化学式に示すように様々な試薬と反応し、粒子表面への多彩な官能基の導入が可能となっている。
なお下記式中、Φは、縮合芳香族環であり、Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。
(2)界面活性剤分散
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤の種類としては次のような構造のものが使用できる。
好ましい界面活性剤としては、界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
具体的には、アニオン系界面活性剤としては、(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、及び/または、(b)下記一般式(2)で表される、炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸を用いることでカーボンブラックの分散安定性が得られる。
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤の種類としては次のような構造のものが使用できる。
好ましい界面活性剤としては、界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
具体的には、アニオン系界面活性剤としては、(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、及び/または、(b)下記一般式(2)で表される、炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸を用いることでカーボンブラックの分散安定性が得られる。
上記式中、R1:炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、m:3〜12、M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、またはアルカノールアミンである。
上記式中、R2、R3:炭素数5〜7の分岐したアルキル基 、M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、またはアルカノールアミンである。
更に、界面活性剤の対イオンとしてリチウムイオン及び第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより界面活性剤が優れた溶解安定性を示す。
好ましい非イオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(3)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(4)でそれぞれ表される活性剤が挙げられる。
好ましい非イオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(3)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(4)でそれぞれ表される活性剤が挙げられる。
上記式中、R4は分岐しても良い6〜14の炭素鎖、kは5〜12である。
上記式中、p、qは0〜40である。
(3)高分子(樹脂)分散安定剤による分散安定
本発明においては、前記カーボンブラックと前記成膜液の分散媒液体との親和性を高めるために分散安定剤をさらに添加することができる。
分散安定剤としては、本発明の目的にかなうものであれば特に限定されないが、例えば高分子分散安定剤が挙げられる。
高分子分散安定剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散安定剤を添加することができる。また、この他に本発明の目的の範囲内で、高分子材料、界面活性剤、無機塩等の分散安定化剤を用いることもできる。
高分子分散剤は一般に、平均分子量が高くなると、同一量を水溶性有機溶剤に溶解させたときの粘度が高くなる。また、分散樹脂はカーボンブラックを分散させたときにカーボンブラックの周囲に吸着しカーボンブラックを立体障害により安定に分散させる役割を有しているため、分散樹脂の分子量が大きくなるということは吸着層が厚くなり分散体の粒子径が大きくなることを意味している。
特に、酸性を示すカーボンブラックは表面に多くの酸性基を有しているために本発明に用いられる分散樹脂に付加されているカルボキシル基とは反発する関係にあり、その粒子径はさらに広がる傾向にある。
つまり、酸性カーボンブラックを使用する場合には、分散樹脂の平均分子量を小さいものにして分散液の粘性、分散体の粒子径を小さくしなけば良好な分散安定性が得られず、しかも前述のように分散樹脂はカーボンブラックの周囲に吸着し立体障害の働きをしなくてはならないために平均分子量が小さ過ぎては長期保存における分散安定性が悪くなってしまう。
本発明においては、前記カーボンブラックと前記成膜液の分散媒液体との親和性を高めるために分散安定剤をさらに添加することができる。
分散安定剤としては、本発明の目的にかなうものであれば特に限定されないが、例えば高分子分散安定剤が挙げられる。
高分子分散安定剤としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピぺリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられ、単独又は複数の高分子分散安定剤を添加することができる。また、この他に本発明の目的の範囲内で、高分子材料、界面活性剤、無機塩等の分散安定化剤を用いることもできる。
高分子分散剤は一般に、平均分子量が高くなると、同一量を水溶性有機溶剤に溶解させたときの粘度が高くなる。また、分散樹脂はカーボンブラックを分散させたときにカーボンブラックの周囲に吸着しカーボンブラックを立体障害により安定に分散させる役割を有しているため、分散樹脂の分子量が大きくなるということは吸着層が厚くなり分散体の粒子径が大きくなることを意味している。
特に、酸性を示すカーボンブラックは表面に多くの酸性基を有しているために本発明に用いられる分散樹脂に付加されているカルボキシル基とは反発する関係にあり、その粒子径はさらに広がる傾向にある。
つまり、酸性カーボンブラックを使用する場合には、分散樹脂の平均分子量を小さいものにして分散液の粘性、分散体の粒子径を小さくしなけば良好な分散安定性が得られず、しかも前述のように分散樹脂はカーボンブラックの周囲に吸着し立体障害の働きをしなくてはならないために平均分子量が小さ過ぎては長期保存における分散安定性が悪くなってしまう。
(4)グラフト化処理
表面への官能基導入
カーボンブラック表面に存在するフェノール性水酸基やカルボキシル基は、そのままグラフト反応の足場として利用できるが、これをベースとして、より反応性の高い官能基に変換すると、様々なポリマーのグラフト反応へ活用できる。
(a)表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、ビニルモノマーのラジカル重合を行うと、生成するポリマーの一部が粒子表面へグラフトする。
(b)表面からのグラフト重合
a.ラジカル重合
i ペルオキシド及びペルオキシエステル基
ii アゾ基
b.カチオングラフト重合
i アシリウムパークロレート基
ii クロルメチル基
iii ベンジリウムパークロレート
c.アニオングラフト重合
i カリウムカルボン酸塩基
ii カーボンブラック/BuLi複合体(OLi基)
iii アミノ基
(c)表面におけるポリマーとのグラフト反応
a.応性カーボンブラックとポリマーとの反応
b.カーボンブラックと反応性ポリマーとの反応
i リビングポリマーとの反応
ii 末端イソシアナート基ポリマーとの反応
表面への官能基導入
カーボンブラック表面に存在するフェノール性水酸基やカルボキシル基は、そのままグラフト反応の足場として利用できるが、これをベースとして、より反応性の高い官能基に変換すると、様々なポリマーのグラフト反応へ活用できる。
(a)表面へのグラフト重合
カーボンブラックの存在下で、ビニルモノマーのラジカル重合を行うと、生成するポリマーの一部が粒子表面へグラフトする。
(b)表面からのグラフト重合
a.ラジカル重合
i ペルオキシド及びペルオキシエステル基
ii アゾ基
b.カチオングラフト重合
i アシリウムパークロレート基
ii クロルメチル基
iii ベンジリウムパークロレート
c.アニオングラフト重合
i カリウムカルボン酸塩基
ii カーボンブラック/BuLi複合体(OLi基)
iii アミノ基
(c)表面におけるポリマーとのグラフト反応
a.応性カーボンブラックとポリマーとの反応
b.カーボンブラックと反応性ポリマーとの反応
i リビングポリマーとの反応
ii 末端イソシアナート基ポリマーとの反応
上述した処理のうち、表面酸化処理、界面活性剤分散が特に好ましい。
〔3 カーボンブラック中の不純物について〕
本発明においては、カーボンブラックを分散体に使用した電気泳動分散液において、安定した電気特性と表示特性を得るために下記のように特定した。
(1)複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、該微粒子は、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を該微粒子に化学的に結合させるか、微粒子表面に架橋させており、該重合体は、該微粒子の1〜100重量%の量で存在しているものとした。
(2)また、カーボンブラックに含まれる硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であるカーボンブラックを用いることによって、電気泳動分散液の分散安定性が高く、良好な電気特性・表示特性の画像表示が得られることを確かめた。
本発明においては、カーボンブラックを分散体に使用した電気泳動分散液において、安定した電気特性と表示特性を得るために下記のように特定した。
(1)複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、該微粒子は、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を該微粒子に化学的に結合させるか、微粒子表面に架橋させており、該重合体は、該微粒子の1〜100重量%の量で存在しているものとした。
(2)また、カーボンブラックに含まれる硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であるカーボンブラックを用いることによって、電気泳動分散液の分散安定性が高く、良好な電気特性・表示特性の画像表示が得られることを確かめた。
前記(1)の重合体に関して、微粒子の1〜100重量%の量で存在していることとしたことについては、後述する。
次に、カーボンブラックに含まれる不純物に関して説明する。
硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であるカーボンブラックを用いることが好ましい。
理由は以下の通りである。
カーボンブラックに不純物量が多く含まれていると、コントラスト、メモリー性、応答性、低電圧駆動性等の種々の表示特性や電気特性に影響を与えることが考えられるが、最悪の場合、不純物の反応や分散液のゲル化をもたらし微粒子と電気泳動分散液の安定生を阻害する。また、同じ組成の分散液においても種々の電気特性や表示特性がばらつく原因になる。従って、カーボンブラックに含まれる不純物量を規定することにより、微粒子と電気泳動分散液の経時的安定性を得られ、安定した電気特性・表示特性の画像表示装置を得ることが出来る。カーボンブラックに含まれる不純物量の測定はICP測定より行なわれるが、液のpH、導電度(電導度)を計ることでも不純物の目安を付けることができる。
ICP発光分光分析装置は、高周波誘導結合アルゴンプラズマ中に溶液化した試料を導入し、励起発光させた各元素の光の波長と発光強度より元素の種類と濃度を知ることができる。水溶液中の金属元素などの定量分析に適している。
硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であるカーボンブラックを用いることが好ましい。
理由は以下の通りである。
カーボンブラックに不純物量が多く含まれていると、コントラスト、メモリー性、応答性、低電圧駆動性等の種々の表示特性や電気特性に影響を与えることが考えられるが、最悪の場合、不純物の反応や分散液のゲル化をもたらし微粒子と電気泳動分散液の安定生を阻害する。また、同じ組成の分散液においても種々の電気特性や表示特性がばらつく原因になる。従って、カーボンブラックに含まれる不純物量を規定することにより、微粒子と電気泳動分散液の経時的安定性を得られ、安定した電気特性・表示特性の画像表示装置を得ることが出来る。カーボンブラックに含まれる不純物量の測定はICP測定より行なわれるが、液のpH、導電度(電導度)を計ることでも不純物の目安を付けることができる。
ICP発光分光分析装置は、高周波誘導結合アルゴンプラズマ中に溶液化した試料を導入し、励起発光させた各元素の光の波長と発光強度より元素の種類と濃度を知ることができる。水溶液中の金属元素などの定量分析に適している。
〔4 微粒子表面に荷電基を有しかつ重合度の高いグラフトポリマー微粒子の特性〕
電気泳動微粒子の特性において重要な課題は優れた表示特性を如何にしてバランス良く開発するかであり、具体的には、白黒の反射率、高いコントラスト、メモリー性、応答速度などが挙げられる。
これらの特性をバランスよく満たし更に長期の安定性に優れた材料設計は非常に困難である。
電気泳動微粒子の特性において重要な課題は優れた表示特性を如何にしてバランス良く開発するかであり、具体的には、白黒の反射率、高いコントラスト、メモリー性、応答速度などが挙げられる。
これらの特性をバランスよく満たし更に長期の安定性に優れた材料設計は非常に困難である。
本発明においては、これらの諸特性のうち、特に重要と考えられる白黒の反射率、すなわち高いコントラストとメモリー性の両特性の両立を図った。
まず、反射率と高いコントラストに関しては、微粒子の形状、粒度分布、表面性状などの諸性質を検討し、分散剤やポリマー被覆等で微粒子を如何にして分散媒中に良好に分散させるかを検討した結果、ポリマーをグラフト重合させた微粒子が一番良く分散中に分散することが分かった。
このポリマーグラフトの重合度に関して、先の従来の技術と解決すべき課題でも述べた様に、イーインク コーポレイションは、「変性粒子中の重合体の割合が多すぎると、その粒子の電気泳動移動度の望ましくない低下を引き起こす」と述べている。しかし、本発明者らは分散安定化に関して、1〜15重量%よりも重合体の多い範囲においてより最適な重合体量があるのではないかと推定した。分散安定性の尺度として、常温・高温・低温・サイクル試験等の温度変化に対する凝集安定性を粒度分布の変化として考えられる。各種のグラフトポリマー量を検討した結果、10〜60重量%、特に20〜40重量%においてより安定な領域を見出した。
また、この範囲において白黒の反射率と高いコントラストが得られることも分かり、分散安定性と反射率とに密接は関連性があることが分かった。重合度が高いグラフトポリマーを如何に微粒子に重合するかは重要な課題であることも分かった。
まず、反射率と高いコントラストに関しては、微粒子の形状、粒度分布、表面性状などの諸性質を検討し、分散剤やポリマー被覆等で微粒子を如何にして分散媒中に良好に分散させるかを検討した結果、ポリマーをグラフト重合させた微粒子が一番良く分散中に分散することが分かった。
このポリマーグラフトの重合度に関して、先の従来の技術と解決すべき課題でも述べた様に、イーインク コーポレイションは、「変性粒子中の重合体の割合が多すぎると、その粒子の電気泳動移動度の望ましくない低下を引き起こす」と述べている。しかし、本発明者らは分散安定化に関して、1〜15重量%よりも重合体の多い範囲においてより最適な重合体量があるのではないかと推定した。分散安定性の尺度として、常温・高温・低温・サイクル試験等の温度変化に対する凝集安定性を粒度分布の変化として考えられる。各種のグラフトポリマー量を検討した結果、10〜60重量%、特に20〜40重量%においてより安定な領域を見出した。
また、この範囲において白黒の反射率と高いコントラストが得られることも分かり、分散安定性と反射率とに密接は関連性があることが分かった。重合度が高いグラフトポリマーを如何に微粒子に重合するかは重要な課題であることも分かった。
次に、メモリー性に関しては、微粒子表面に荷電基を有した微粒子設計を施すことにより、ポリマーグラフト微粒子を電極端面で吸着・保持できるのではないかと考察した。
微粒子表面の荷電基は、正(+)の場合でも負(−)の場合でも、電極に与える正負の電圧に応じて電極に電気泳動し電極に吸着する。吸着した後、電圧を切っても微粒子同士が凝集に近い微粒子複合体を形成するため電極位置でその状態と形状が保持される。このとき、微粒子の粒径や形状が大きく影響すると考えられる。微粒子表面に荷電基を与える方法として次に示す3種類のモノマーのうち、荷電基と重合開始基を共に与えるモノマーを用いるのが良いことが分かった。従来の方法では、重合開始基を与えるが荷電基を提供しないモノマーを用いていたため、高い重合度は得られるが微粒子自体の電荷が弱くメモリー性を出すことが出来なかった。荷電基としてのアミノ基を有するモノマーを微粒子表面に化学的に結合することによりより積極的に帯電することができ、更にこのモノマーのビニル基を重合開始基としてグラフト重合することができる。
微粒子表面の荷電基は、正(+)の場合でも負(−)の場合でも、電極に与える正負の電圧に応じて電極に電気泳動し電極に吸着する。吸着した後、電圧を切っても微粒子同士が凝集に近い微粒子複合体を形成するため電極位置でその状態と形状が保持される。このとき、微粒子の粒径や形状が大きく影響すると考えられる。微粒子表面に荷電基を与える方法として次に示す3種類のモノマーのうち、荷電基と重合開始基を共に与えるモノマーを用いるのが良いことが分かった。従来の方法では、重合開始基を与えるが荷電基を提供しないモノマーを用いていたため、高い重合度は得られるが微粒子自体の電荷が弱くメモリー性を出すことが出来なかった。荷電基としてのアミノ基を有するモノマーを微粒子表面に化学的に結合することによりより積極的に帯電することができ、更にこのモノマーのビニル基を重合開始基としてグラフト重合することができる。
微粒子表面に荷電基があるときと、グラフトポリマーの一部に荷電基があるときとを比較すると、微粒子表面に荷電基がある場合の方が、よりメモリー性に優れていることがわかった。
その理由は、微粒子表面の荷電基が電極の電荷に応じて反応する方が電気泳動の挙動を考慮するとより安定的になるからである。
電極の電荷に対して微粒子自体が反応する場合には、スムーズに電気泳動するが、微粒子に付加されているグラフトポリマー中の荷電基が反応すると、微粒子はグラフトポリマーに引きずられ乱れた挙動をすると考えられる。
このようにメモリー性と分散安定性の特性は同じ微粒子上においても別々の個所で分かれて発現するほうが好ましく、同じ個所で発現しようとすると片方の特性が他方の特性に影響を与えてお互いに特性を低減させてしまうと考えられる。機能分離の考え方が微粒子の分子設計においても適用され、重要である。
その理由は、微粒子表面の荷電基が電極の電荷に応じて反応する方が電気泳動の挙動を考慮するとより安定的になるからである。
電極の電荷に対して微粒子自体が反応する場合には、スムーズに電気泳動するが、微粒子に付加されているグラフトポリマー中の荷電基が反応すると、微粒子はグラフトポリマーに引きずられ乱れた挙動をすると考えられる。
このようにメモリー性と分散安定性の特性は同じ微粒子上においても別々の個所で分かれて発現するほうが好ましく、同じ個所で発現しようとすると片方の特性が他方の特性に影響を与えてお互いに特性を低減させてしまうと考えられる。機能分離の考え方が微粒子の分子設計においても適用され、重要である。
上述したように、分散安定性とメモリー性の両方の機能を考慮した場合、荷電基は微粒子表面にあることが好ましく、グラフトポリマーは分散安定性を増すためにより重合度が高い方が良いと考えられる。
すなわち、二つの機能を別々に分けて同じ微粒子上でも異なる場所で寄与させる方が良いと考えられる。このように、分散安定性の機能とメモリー性の機能を分けて考えることが電気泳動微粒子の構造を設計する上で好ましい。
すなわち、二つの機能を別々に分けて同じ微粒子上でも異なる場所で寄与させる方が良いと考えられる。このように、分散安定性の機能とメモリー性の機能を分けて考えることが電気泳動微粒子の構造を設計する上で好ましい。
上記三種類のモノマーを下記に、具体例とともに示す。
(a)重合開始基を与えるが荷電基を提供しないモノマー
これはアミノ基を有せずビニル基を有する構造である。
3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート
(b)荷電基を与えるが重合開始基を提供しないモノマー
これはアミノ基を有しビニル基を有しない構造である。
3−(トリメトキシシリル)プロピルアミン
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミン
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンおよび1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]尿素
ヘキサメチルトリエチレンテトラミン
N−トリメトキシシリル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
(c)荷電基と重合開始基を共に与えるモノマー
これはアミノ基とベンジル基を共に有する構造である。
N-[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン
(a)重合開始基を与えるが荷電基を提供しないモノマー
これはアミノ基を有せずビニル基を有する構造である。
3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート
(b)荷電基を与えるが重合開始基を提供しないモノマー
これはアミノ基を有しビニル基を有しない構造である。
3−(トリメトキシシリル)プロピルアミン
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミン
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンおよび1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]尿素
ヘキサメチルトリエチレンテトラミン
N−トリメトキシシリル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
(c)荷電基と重合開始基を共に与えるモノマー
これはアミノ基とベンジル基を共に有する構造である。
N-[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N’−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン
上述したように、分散安定性・白黒反射率と、メモリー性の、双方の特性を両立できることが分かったが、先に述べた様に、重合度の高いグラフトポリマーを如何にして微粒子表面にグラフトさせるかが大きな課題となる。
かかる課題に関して、ポリシロキサン構造を少なくとも一部に有しかつ微粒子の表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を微粒子にグラフト化することを、末端等に反応性基を有するグラフトポリマーを微粒子表面の官能基と化学的に結合させる合成方法により実現した。
この方法に関しては次々項において詳細に説明する。
かかる課題に関して、ポリシロキサン構造を少なくとも一部に有しかつ微粒子の表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を微粒子にグラフト化することを、末端等に反応性基を有するグラフトポリマーを微粒子表面の官能基と化学的に結合させる合成方法により実現した。
この方法に関しては次々項において詳細に説明する。
〔5 電荷補助剤について〕
本発明の電気泳動分散液には、電荷補助剤が付加されていてもよい。
これは、電荷制御剤または電荷方向付け剤の効力を増加する機能を有している。
電荷補助剤としては、ポリヒドロキシ化合物またはアミノアルコール化合物が適用できる。
少なくとも2つの水酸基を含むポリヒドロキシ化合物としては、具体的に、エチレングリコール、2,4,7,9−テトラメチル−デシル(decyn)―4,7−ジオール、ポリ(プロピレングリコール)、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリスリトール、グリセロール−トリ−1,2−ヒドロキシステアリン酸塩、プロピレングリセロールモノヒドロキシステアリン酸塩、およびエチレングリコールモノヒドロキシステアリン酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
同じ分子に少なくとも1つのアルコール官能基および1つのアミン官能基を含むアミノアルコール化合物の例には、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、o−アミノフェノール、5−アミノ−1−ペンタノール、およびテトラ(2−ヒドロキシエチル)エチレン−ジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷補助剤は、微粒子質量の約1mg/g〜約100mg/g、より好ましくは、約50mg/g〜約200mg/gの量で懸濁流体中に含有させる。
本発明の電気泳動分散液には、電荷補助剤が付加されていてもよい。
これは、電荷制御剤または電荷方向付け剤の効力を増加する機能を有している。
電荷補助剤としては、ポリヒドロキシ化合物またはアミノアルコール化合物が適用できる。
少なくとも2つの水酸基を含むポリヒドロキシ化合物としては、具体的に、エチレングリコール、2,4,7,9−テトラメチル−デシル(decyn)―4,7−ジオール、ポリ(プロピレングリコール)、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリスリトール、グリセロール−トリ−1,2−ヒドロキシステアリン酸塩、プロピレングリセロールモノヒドロキシステアリン酸塩、およびエチレングリコールモノヒドロキシステアリン酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
同じ分子に少なくとも1つのアルコール官能基および1つのアミン官能基を含むアミノアルコール化合物の例には、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、o−アミノフェノール、5−アミノ−1−ペンタノール、およびテトラ(2−ヒドロキシエチル)エチレン−ジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷補助剤は、微粒子質量の約1mg/g〜約100mg/g、より好ましくは、約50mg/g〜約200mg/gの量で懸濁流体中に含有させる。
また、電荷制御剤のその他の材料としては、有機硫酸塩またはスルホン酸塩、金属セッケン、ブロックまたはコーポリマー、有機アミド、有機双性イオン、並びに有機リン酸塩およびホスホン酸塩を適用できる。
以下、これらについて例を挙げて説明する。
以下、これらについて例を挙げて説明する。
有機硫酸塩およびスルホン酸塩には、ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウムスルホコハク酸塩、カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、カルシウム石油スルホネート、中性または塩基性バリウムジノニルナフタレンスルホネート、中性または塩基性カルシウムジノニルナフタレンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、およびアンモニウムラウリル硫酸塩等が挙げられるがこれらに限定されない。
金属セッケンには、塩基性または中性バリウムペトロネート;カルシウムペトロネート;ナフテン酸のCo、Ca、Cu、Mn、Ni、ZnおよびFe塩;ステアリン酸のBa、Al、Zn、Cu、PbおよびFe塩;トリステアリン酸アルミ二ウム、オクチル酸アルミ二ウム、へプタン酸リチウム、ステアリン酸鉄、ジステアリン酸鉄、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸クロム、オクチル酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ナフテン酸鉄、およびナフテン酸亜鉛、等の二価および三価金属カルボン酸塩;へプタン酸MnおよびZn;並びにオクチル酸Ba、Al、Co、MnおよびZn等があるがこれらに限定されない。
ブロックまたはコーポリマーには、(A)メチル−p−トルエンスルホネートで四元化された2−(N,N)ジメチルアミノエチルメタクリレートのポリマーと、(B)ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレートとのABジブロックコポリマーと、ポリ(1,2−ヒドロキシステアリン酸)の油溶性尾部を有し、約1800の分子量を有し、ポリ(メチルメタクリレート−メタクリル酸)の油溶性アンカー基上に垂れ下がるコーグラフトコポリマーとがあるがこれらに限定されない。
有機アミドには、OLOA1200等のポリイソブチレンスクシンイミド、およびN−ビニルピロリドンポリマーがあるがこれらに限定されない。
有機双性イオンにはレシチンがあるがこれに限定されない。
有機リン酸塩およびホスホン酸塩には、飽和または不飽和酸置換基を有する、リン酸処理されたモノおよびジグリセリドのナトリウム塩があるがこれらに限定されない。
金属セッケンには、塩基性または中性バリウムペトロネート;カルシウムペトロネート;ナフテン酸のCo、Ca、Cu、Mn、Ni、ZnおよびFe塩;ステアリン酸のBa、Al、Zn、Cu、PbおよびFe塩;トリステアリン酸アルミ二ウム、オクチル酸アルミ二ウム、へプタン酸リチウム、ステアリン酸鉄、ジステアリン酸鉄、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸クロム、オクチル酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ナフテン酸鉄、およびナフテン酸亜鉛、等の二価および三価金属カルボン酸塩;へプタン酸MnおよびZn;並びにオクチル酸Ba、Al、Co、MnおよびZn等があるがこれらに限定されない。
ブロックまたはコーポリマーには、(A)メチル−p−トルエンスルホネートで四元化された2−(N,N)ジメチルアミノエチルメタクリレートのポリマーと、(B)ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレートとのABジブロックコポリマーと、ポリ(1,2−ヒドロキシステアリン酸)の油溶性尾部を有し、約1800の分子量を有し、ポリ(メチルメタクリレート−メタクリル酸)の油溶性アンカー基上に垂れ下がるコーグラフトコポリマーとがあるがこれらに限定されない。
有機アミドには、OLOA1200等のポリイソブチレンスクシンイミド、およびN−ビニルピロリドンポリマーがあるがこれらに限定されない。
有機双性イオンにはレシチンがあるがこれに限定されない。
有機リン酸塩およびホスホン酸塩には、飽和または不飽和酸置換基を有する、リン酸処理されたモノおよびジグリセリドのナトリウム塩があるがこれらに限定されない。
〔実施例・比較例〕
以下、具体的な実施例を比較例とともに挙げて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、以下において、「部」は、特に断らない限り重量によるものとする。
以下、具体的な実施例を比較例とともに挙げて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、以下において、「部」は、特に断らない限り重量によるものとする。
〔比較例1〜6〕
比較例1〜6におけるカーボンブラックのポリマーグラフト合成方法について説明する。
(1)カーボンブラック表面処理
4Lガラス製の反応容器に脱イオン水3.0Lを投入して250rpmで攪拌した。
下記表2に示す各カーボンブラックを115g投入した。
37%塩酸を3.0mL投入した。
4−ビニルアニリンを2.5g投入して65℃で30分以上攪拌した。
亜硝酸ナトリウム1.43gと脱イオン水10mLをあらかじめ溶解させておき、1時間程度で滴下した。
続いて、65℃で3時間攪拌処理を行い、室温にもどして一夜間攪拌した。
黒分散物を30000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションした。
黒色粉体に脱イオン水500mLを投入して攪拌し、再分散した。
更に、黒分散物を30000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションした。
その後、黒色粉体を一夜間放置乾燥後、40℃/4時間真空乾燥し、これにより、表面処理カーボンブラック(VAnCB)が得られた。
比較例1〜6におけるカーボンブラックのポリマーグラフト合成方法について説明する。
(1)カーボンブラック表面処理
4Lガラス製の反応容器に脱イオン水3.0Lを投入して250rpmで攪拌した。
下記表2に示す各カーボンブラックを115g投入した。
37%塩酸を3.0mL投入した。
4−ビニルアニリンを2.5g投入して65℃で30分以上攪拌した。
亜硝酸ナトリウム1.43gと脱イオン水10mLをあらかじめ溶解させておき、1時間程度で滴下した。
続いて、65℃で3時間攪拌処理を行い、室温にもどして一夜間攪拌した。
黒分散物を30000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションした。
黒色粉体に脱イオン水500mLを投入して攪拌し、再分散した。
更に、黒分散物を30000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションした。
その後、黒色粉体を一夜間放置乾燥後、40℃/4時間真空乾燥し、これにより、表面処理カーボンブラック(VAnCB)が得られた。
(2)グラフトカーボンブラックの合成
1Lガラス製反応容器に、上記(1)により得られた表面処理カーボンブラック(VAnCB)を50g投入し、トルエン100mLを投入し、更に2−エチルヘキシルメタクリレート100mLを投入し、さらに、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.65gを投入した。これを250rpmで攪拌し、N2パージ20分行い、一時間程度で70℃まで加熱し、7時間攪拌し、その後室温まで冷却した。
THF500mLを投入して攪拌し、3Lメタノール中に再沈させ吸引濾過した。
続いて、黒色ポリマーにTHF1.5Lを投入して攪拌、再分散し、10℃に冷却した。この黒分散物を30000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションするという操作を、3回繰り返した。
このようにして得られた黒色粉体を70℃で4時間真空乾燥し、目的とするポリマーグラフトカーボンブラック−1が合成できた。
なお、示差熱熱重量同時測定装置を用いて、TG/DTAによる測定を行い、各グラフトポリマーの重量減少測定を行い、グラフトポリマーの重量比を算出した。
1Lガラス製反応容器に、上記(1)により得られた表面処理カーボンブラック(VAnCB)を50g投入し、トルエン100mLを投入し、更に2−エチルヘキシルメタクリレート100mLを投入し、さらに、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.65gを投入した。これを250rpmで攪拌し、N2パージ20分行い、一時間程度で70℃まで加熱し、7時間攪拌し、その後室温まで冷却した。
THF500mLを投入して攪拌し、3Lメタノール中に再沈させ吸引濾過した。
続いて、黒色ポリマーにTHF1.5Lを投入して攪拌、再分散し、10℃に冷却した。この黒分散物を30000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションするという操作を、3回繰り返した。
このようにして得られた黒色粉体を70℃で4時間真空乾燥し、目的とするポリマーグラフトカーボンブラック−1が合成できた。
なお、示差熱熱重量同時測定装置を用いて、TG/DTAによる測定を行い、各グラフトポリマーの重量減少測定を行い、グラフトポリマーの重量比を算出した。
〔実施例1〜6〕
実施例1〜6におけるカーボンブラックのポリマーグラフト合成方法について、説明する
(3)グラフトカーボンブラックの合成
上記(1)のカーボンブラック表面処理までは、上述した比較例と同様の工程に従う。その後、調整したカーボンブラック(19.4g)トルエン(150ml)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(150ml)、p−クロロメチルスチレン(2.2mL)およびAIBN(0.6g)を丸底フラスコに入れ、これを30分間にわたって窒素でパージし、次いで、16時間にわたって、70℃まで加熱した。
次に、その反応混合物を冷却させ、遠心分離した。上澄み液をデカントし固形物をTHFに再分散して室温で24時間放置し、再度、遠心分離した。この操作を2回繰り返した。
カーボンブラック生成物の収量は13.4gであり、熱重量分析により、各々の重合体含量が明らかとなった。
実施例1〜6におけるカーボンブラックのポリマーグラフト合成方法について、説明する
(3)グラフトカーボンブラックの合成
上記(1)のカーボンブラック表面処理までは、上述した比較例と同様の工程に従う。その後、調整したカーボンブラック(19.4g)トルエン(150ml)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(150ml)、p−クロロメチルスチレン(2.2mL)およびAIBN(0.6g)を丸底フラスコに入れ、これを30分間にわたって窒素でパージし、次いで、16時間にわたって、70℃まで加熱した。
次に、その反応混合物を冷却させ、遠心分離した。上澄み液をデカントし固形物をTHFに再分散して室温で24時間放置し、再度、遠心分離した。この操作を2回繰り返した。
カーボンブラック生成物の収量は13.4gであり、熱重量分析により、各々の重合体含量が明らかとなった。
更に、このカーボンブラック生成物(10g)を、フラスコ中において、メタクリル酸2−エチルヘキシル(220ml)、塩化第一銅(80mg)およびヘキサメチルトリエチレンテトラミン(156mg)と混合した。
このフラスコを、30分間に亘って窒素でパージし、次いで1.5時間にわたって、120℃まで加熱した。次いで、その反応混合物を冷却させ、遠心分離した。その上澄み液をデカントし、その固形物をTHFに再分散して、再度、遠心分離した。この操作を再度1回繰り返した。
熱重量分析により、各々の重合体含量が明らかとなった。
このフラスコを、30分間に亘って窒素でパージし、次いで1.5時間にわたって、120℃まで加熱した。次いで、その反応混合物を冷却させ、遠心分離した。その上澄み液をデカントし、その固形物をTHFに再分散して、再度、遠心分離した。この操作を再度1回繰り返した。
熱重量分析により、各々の重合体含量が明らかとなった。
下記〔表2〕に、上述のようにして作製した比較例1〜6、実施例1〜6のカーボンブラックの特性を示す。
<ICP発光分光分析測定>
上記各カーボンブラックのサンプルを希硝酸で溶解した後、20mlに定溶し、この定溶液を用いてICP発光分光分析法により各金属の組成を定量する。
なおICP発光分光分析装置は、セイコー電子工業製SPS1200VRを用いた。
上記各カーボンブラックのサンプルを希硝酸で溶解した後、20mlに定溶し、この定溶液を用いてICP発光分光分析法により各金属の組成を定量する。
なおICP発光分光分析装置は、セイコー電子工業製SPS1200VRを用いた。
下記〔表3〕に、実施例のカーボンブラック元素分析測定結果を示し、下記〔表4〕に比較例のカーボンブラック元素分析測定結果を示す。
実施例1〜6のカーボンブラック分散液に含まれる各元素濃度は、ICPの測定により表3に示すように規格値以下の、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であった。
これに対して、比較例1〜6のカーボンブラック分散液に含まれる各元素濃度は、ICPの測定により表4に示すように規格値以上のものがあった。すなわち硫酸イオン濃度が100ppm以上、塩素イオン濃度が10ppm以上、硝酸イオン濃度が10ppm以上であった。
これに対して、比較例1〜6のカーボンブラック分散液に含まれる各元素濃度は、ICPの測定により表4に示すように規格値以上のものがあった。すなわち硫酸イオン濃度が100ppm以上、塩素イオン濃度が10ppm以上、硝酸イオン濃度が10ppm以上であった。
<カーボンブラック評価用ポリマーグラフト酸化チタンの合成>
次に、上述のようにして作製した実施例1〜6、比較例1〜6の、各ポリマーグラフトカーボンブラックサンプルの特性を評価するために、相手方の標準ポリマーグラフト酸化チタンを合成する。
次に、上述のようにして作製した実施例1〜6、比較例1〜6の、各ポリマーグラフトカーボンブラックサンプルの特性を評価するために、相手方の標準ポリマーグラフト酸化チタンを合成する。
(a)酸化チタン表面処理
4Lガラス製反応容器にエタノール930.7gを投入した。
脱イオン水69.3gを投入して150rpmで攪拌した。
氷酢酸をpH4.5に調整して滴下した。3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート160gを投入して150rpmで5分攪拌した後、回転数を250rpmにした。酸化チタン(R−960,Dupont)1000gを投入して250rpmで10分攪拌した後、200rpmにした。メタノール1826.6gを投入して200rpm、1分攪拌した。白分散物を3,000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションした。
この白色粉体を一夜間放置し乾燥した後、70℃/4時間真空乾燥する。
上述した操作により、表面処理酸化チタン(Silanized Titania)が合成された。
4Lガラス製反応容器にエタノール930.7gを投入した。
脱イオン水69.3gを投入して150rpmで攪拌した。
氷酢酸をpH4.5に調整して滴下した。3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート160gを投入して150rpmで5分攪拌した後、回転数を250rpmにした。酸化チタン(R−960,Dupont)1000gを投入して250rpmで10分攪拌した後、200rpmにした。メタノール1826.6gを投入して200rpm、1分攪拌した。白分散物を3,000rpm/20分で遠心分離し、デカンテーションした。
この白色粉体を一夜間放置し乾燥した後、70℃/4時間真空乾燥する。
上述した操作により、表面処理酸化チタン(Silanized Titania)が合成された。
(b)グラフト酸化チタン微粒子の合成
4Lガラス製反応容器にラウリルメタクリレート960gを投入した。トルエン1386gを投入して200rpmで攪拌した。
予め上記(a)により得た表面処理酸化チタン(Silanized Titania)を細かく砕いておき、温度を50℃にし、回転数を300rpmにし、上記表面処理酸化チタンを容器に750g投入して攪拌した。
その後、N2パージを20分間行った。
予めAIBN5.64gとトルエン500gとを溶解しておき、上記容器に1時間程度で滴下を行った。
その後、一時間程度で70℃まで加熱し、70℃の条件下で一夜間攪拌を行った。
白分散物(とろりとした液体)を10000rpm/30分で遠心分離し、デカンテーションした。
続いて、「白色粉体にトルエン1000gを投入して攪拌、再分散した。白分散物を3000rpm/30分で遠心分離し、デカンテーションする。」という操作を2回繰り返して行った。
白色粉体を一夜間放置し乾燥した後、70℃/4時間の真空乾燥処理を施した。
上述した操作によりグラフト酸化チタン(LMATiO2)が合成された。
4Lガラス製反応容器にラウリルメタクリレート960gを投入した。トルエン1386gを投入して200rpmで攪拌した。
予め上記(a)により得た表面処理酸化チタン(Silanized Titania)を細かく砕いておき、温度を50℃にし、回転数を300rpmにし、上記表面処理酸化チタンを容器に750g投入して攪拌した。
その後、N2パージを20分間行った。
予めAIBN5.64gとトルエン500gとを溶解しておき、上記容器に1時間程度で滴下を行った。
その後、一時間程度で70℃まで加熱し、70℃の条件下で一夜間攪拌を行った。
白分散物(とろりとした液体)を10000rpm/30分で遠心分離し、デカンテーションした。
続いて、「白色粉体にトルエン1000gを投入して攪拌、再分散した。白分散物を3000rpm/30分で遠心分離し、デカンテーションする。」という操作を2回繰り返して行った。
白色粉体を一夜間放置し乾燥した後、70℃/4時間の真空乾燥処理を施した。
上述した操作によりグラフト酸化チタン(LMATiO2)が合成された。
下記〔表5〕に、実施例1〜6、及び比較例1〜6のポリマーグラフトカーボンブラックの重合体量を示す。
<電気泳動分散液の調製>
上記実施例1〜6、及び比較例1〜6の、各ポリマーグラフトカーボンブラックを用いて電気泳動分散液を作製した。
電気泳動分散液は、ポリマーグラフト微粒子、界面活性剤、高分子分散剤、非極性溶剤、及び必要に応じて電荷制御剤を用いて、下記に示す配合組成で作製した。
なお、重量部は固形分量である。
下記配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、各実施例・比較例の分散液として使用した。
(分散液配合組成)
ポリマーグラフトカーボンブラック:1.7重量部
ポリマーグラフト酸化チタン:40重量部
分散剤Solsperse 17000(アビシア製):0.47重量部
ノニオン系界面活性剤・ソルビタントリオレート(和光純薬製):0.53重量部
電荷制御剤・アニオン系界面活性剤:0.04重量部
アイソパーG(エクソンモービル製):57.26重量部
(但し、実施例6については、電荷制御剤として、トリエタノールアミンを1.0wt%配合する。)
上記実施例1〜6、及び比較例1〜6の、各ポリマーグラフトカーボンブラックを用いて電気泳動分散液を作製した。
電気泳動分散液は、ポリマーグラフト微粒子、界面活性剤、高分子分散剤、非極性溶剤、及び必要に応じて電荷制御剤を用いて、下記に示す配合組成で作製した。
なお、重量部は固形分量である。
下記配合組成物を混合した分散液を作製し、超音波で1時間分散した後、各実施例・比較例の分散液として使用した。
(分散液配合組成)
ポリマーグラフトカーボンブラック:1.7重量部
ポリマーグラフト酸化チタン:40重量部
分散剤Solsperse 17000(アビシア製):0.47重量部
ノニオン系界面活性剤・ソルビタントリオレート(和光純薬製):0.53重量部
電荷制御剤・アニオン系界面活性剤:0.04重量部
アイソパーG(エクソンモービル製):57.26重量部
(但し、実施例6については、電荷制御剤として、トリエタノールアミンを1.0wt%配合する。)
<表示セルの作製方法>
次に、2枚のITO電極付ガラス基板間に1cm2の開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。
その空間に上記分散液を超音波分散した後、マイクロシリンジにより毛細管現象で封入した。
(ITOベタ電極基板の仕様)
反射率測定用ガラスセル:一方の面全面にITO成膜
微粒子の移動挙動と配向状態の観察用ガラスセル:一方の面の中央に幅1mmのITOの無い線を作成
メーカー:ジオマテック株式会社
材質:白板ガラス
寸法:29.8±0.1/39.8±0.1/1.1±0.1・外周部は面取り
ITOスパッタリング
厚さ 目標値:200±4nm、実測値:18.9nm
表面抵抗:目標値と実測値:50±10Ω/□
SiO2下地処理(ディップ)
次に、2枚のITO電極付ガラス基板間に1cm2の開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。
その空間に上記分散液を超音波分散した後、マイクロシリンジにより毛細管現象で封入した。
(ITOベタ電極基板の仕様)
反射率測定用ガラスセル:一方の面全面にITO成膜
微粒子の移動挙動と配向状態の観察用ガラスセル:一方の面の中央に幅1mmのITOの無い線を作成
メーカー:ジオマテック株式会社
材質:白板ガラス
寸法:29.8±0.1/39.8±0.1/1.1±0.1・外周部は面取り
ITOスパッタリング
厚さ 目標値:200±4nm、実測値:18.9nm
表面抵抗:目標値と実測値:50±10Ω/□
SiO2下地処理(ディップ)
<表示特性>
(反射率測定)
上記実施例1〜6、及び比較例1〜6の電気泳動分散液を用いて作製した表示セルの各上部ITO電極に5Vを印加すると、分散粒子は速やかに下部電極に電着した。
次に、上部電極に−5Vを印加すると、分散粒子は上部電極に移動した。
この極性の切り替えを、周波数0.1Hzで100回程度行ったところ、上記分散粒子の電着と移動は、安定した状態で繰返し行われた。
また、電圧を取り去っても電着した状態を保持することが確かめられた。
具体的な表示装置(LCD EVALUATION SYSTEM LCD-5000(大塚電子製))を用いて、実施例1〜6、及び比較例1〜6の各表示セルの白反射率(%)、黒反射率(%)、コントラスト、及び応答速度についてそれぞれ測定、評価した。
表示特性を下記〔表6〕に示す。
(反射率測定)
上記実施例1〜6、及び比較例1〜6の電気泳動分散液を用いて作製した表示セルの各上部ITO電極に5Vを印加すると、分散粒子は速やかに下部電極に電着した。
次に、上部電極に−5Vを印加すると、分散粒子は上部電極に移動した。
この極性の切り替えを、周波数0.1Hzで100回程度行ったところ、上記分散粒子の電着と移動は、安定した状態で繰返し行われた。
また、電圧を取り去っても電着した状態を保持することが確かめられた。
具体的な表示装置(LCD EVALUATION SYSTEM LCD-5000(大塚電子製))を用いて、実施例1〜6、及び比較例1〜6の各表示セルの白反射率(%)、黒反射率(%)、コントラスト、及び応答速度についてそれぞれ測定、評価した。
表示特性を下記〔表6〕に示す。
上記表6に示すように、本発明実施例1〜6の表示セルを用いた場合においては、いずれも反射率特性に優れ、コントラストが良好で、かつ応答速度が実用上充分なレベルであることが確かめられた。
<微粒子の移動挙動の観察>
上述した実施例1〜6、及び比較例1〜6のサンプルの、左側の各上部と下部のITO電極に10Vを印加すると、分散粒子は速やかに左側から右側に移動して右側の電極に電着した。
次に、左側の上部・下部電極に−20Vを印加すると、分散粒子は右側から左側に移動した。
上記電圧印加操作を交互に行い、微粒子の移動を上部から顕微鏡で目視で、渦を巻くか直線で移動するかを観察した。
また、微粒子が移動後に電極に付着した状態を観察し、配向した状態に並んでいるかランダムに山積み状態になっているかを観察した。この極性の切り替えを100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても電着した状態を保持していたことが確かめられた。
下記〔表7〕に、実施例1〜6、及び比較例1〜6の、分散微粒子の移動・挙動の観察結果を示す。
上述した実施例1〜6、及び比較例1〜6のサンプルの、左側の各上部と下部のITO電極に10Vを印加すると、分散粒子は速やかに左側から右側に移動して右側の電極に電着した。
次に、左側の上部・下部電極に−20Vを印加すると、分散粒子は右側から左側に移動した。
上記電圧印加操作を交互に行い、微粒子の移動を上部から顕微鏡で目視で、渦を巻くか直線で移動するかを観察した。
また、微粒子が移動後に電極に付着した状態を観察し、配向した状態に並んでいるかランダムに山積み状態になっているかを観察した。この極性の切り替えを100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても電着した状態を保持していたことが確かめられた。
下記〔表7〕に、実施例1〜6、及び比較例1〜6の、分散微粒子の移動・挙動の観察結果を示す。
<メモリー性>
微粒子がセルの上面に移動したとき電圧を切り、セルの両面をリード線で接続してショートさせた状態にして、1hr・3hr・6hr・12hr・24hr、3日・7日・10日・20日・30日保持させて微粒子が沈降・拡散していく様子を観察した。
評価は下記の三段階で行った。評価結果を下記〔表8〕、〔表9〕に示す。
○:良好
△:全体に良好で一部不良
×:不良
微粒子がセルの上面に移動したとき電圧を切り、セルの両面をリード線で接続してショートさせた状態にして、1hr・3hr・6hr・12hr・24hr、3日・7日・10日・20日・30日保持させて微粒子が沈降・拡散していく様子を観察した。
評価は下記の三段階で行った。評価結果を下記〔表8〕、〔表9〕に示す。
○:良好
△:全体に良好で一部不良
×:不良
<電気泳動分散液の粘度測定と保存性>
分散液の粘度を粘度測定装置RE80L(東機産業株式会社製)にロータ(名称48’×R24)を取り付け、温度25℃にて回転速度、100、50、20、10、5、1(rpm)にて測定した。
このうち、50か20rpmの安定した値を測定値とした。この場合、粘度計で回転数の異なる2水準を比べ、数値が安定している方、ばらつきの少ない方を採用した。通常、分散液の粘度が低い場合には、回転数の低い20rpmを使うことが多い。
また、各分散液を常温(25℃)、50℃、0℃、−20℃、−20℃∽50℃(サイクル試験、−20℃で12時間置き、その後50℃で12間置いた)の5水準で、1週間、2週間、3週間、4週間保存した。
分散液の粘度を粘度測定装置RE80L(東機産業株式会社製)にロータ(名称48’×R24)を取り付け、温度25℃にて回転速度、100、50、20、10、5、1(rpm)にて測定した。
このうち、50か20rpmの安定した値を測定値とした。この場合、粘度計で回転数の異なる2水準を比べ、数値が安定している方、ばらつきの少ない方を採用した。通常、分散液の粘度が低い場合には、回転数の低い20rpmを使うことが多い。
また、各分散液を常温(25℃)、50℃、0℃、−20℃、−20℃∽50℃(サイクル試験、−20℃で12時間置き、その後50℃で12間置いた)の5水準で、1週間、2週間、3週間、4週間保存した。
初期値を下記〔表10〕に示す。
4週間後の分散液の状態を示す下記(〔表11〕)。
評価は、下記の三段階で行った。
良好:○ 一部凝集傾向あり:△ 凝集:×
評価は、下記の三段階で行った。
良好:○ 一部凝集傾向あり:△ 凝集:×
<分散液の保存後の表示動作>
各分散液を常温(25℃)、50℃、0℃、―20℃、−20℃∽50℃の5水準で一週間、二週間、三週間、4週間保存し、各保存試験後に表示動作が問題なく行うことができるかを評価した(〔表12〕)。
評価は、下記の三段階で行った。
表示動作 良好:○ 一部不具合有り:△ 動作不良:×
各分散液を常温(25℃)、50℃、0℃、―20℃、−20℃∽50℃の5水準で一週間、二週間、三週間、4週間保存し、各保存試験後に表示動作が問題なく行うことができるかを評価した(〔表12〕)。
評価は、下記の三段階で行った。
表示動作 良好:○ 一部不具合有り:△ 動作不良:×
なお、上述した各種測定、及び評価において用いた各種特性値は、以下に示すような測定方法により測定されたものとする。
(比表面積)
ASTMに規定されるBET法に準拠して測定された窒素吸着比表面積である。
(DBP吸油量)
150℃±1℃で1時間乾燥した試料20gをアブソープトメーター(Brabender社製、スプリング張力2.68kg/cm)の混合室に投入し、あらかじめリミットスイッチを最大トルクの約70%の位置に設定した混合室の回転機を回転する。同時に、自動ビューレットからDBPを一定の割合で添加し始める。終点近くになるとトルクが急速に増加してリミットスイッチが切れるので、それまでに添加したDBP量よりDBP吸油量を次式により求める。
DBP吸油量(ml/100g)={添加DBP量(ml)/試料量(20g)}×100
ASTMに規定されるBET法に準拠して測定された窒素吸着比表面積である。
(DBP吸油量)
150℃±1℃で1時間乾燥した試料20gをアブソープトメーター(Brabender社製、スプリング張力2.68kg/cm)の混合室に投入し、あらかじめリミットスイッチを最大トルクの約70%の位置に設定した混合室の回転機を回転する。同時に、自動ビューレットからDBPを一定の割合で添加し始める。終点近くになるとトルクが急速に増加してリミットスイッチが切れるので、それまでに添加したDBP量よりDBP吸油量を次式により求める。
DBP吸油量(ml/100g)={添加DBP量(ml)/試料量(20g)}×100
(カーボンブラック量/グラフト化ポリマー量比)
(a)遠心分離工程
使用機器:日立 CP60E
使用ローター:P50A2T
使用チューブ:40PAチューブ 35ml
グラフト化処理後のポリマーグラフトカーボンブラック原液を、メチルイソブチルケトンで10倍に希釈し、チューブに約27g入れて遠心処理(40000rpm、30分間)を施す。次に上澄液(グラフトしなかったポリマー)と沈殿物(グラフトカーボンブラック)とをデカンテーションにより素早く分離する。分離された沈降物は室温にて24時間で乾燥する。
(b)熱天秤工程
使用装置:島津 TGA−50H
昇温条件:窒素雰囲気中 室温→600℃(昇温速度20℃/分)600℃で10分間保持。600℃到達後3分後に空気に切り替え。
空気雰囲気中 600℃→1000℃(昇温速度20℃/分)
乾燥した試料を白金セルに約20mg入れて測定開始する。最初は窒素雰囲気中でポリマー成分を熱分解させ、その後空気雰囲気中でカーボンブラックを燃焼させる。窒素雰囲気中での重量減少分をポリマー由来、空気雰囲気中での重量減少分をカーボンブラック由来として、カーボンブラック量/グラフト化ポリマー重量比率を算出する。
(a)遠心分離工程
使用機器:日立 CP60E
使用ローター:P50A2T
使用チューブ:40PAチューブ 35ml
グラフト化処理後のポリマーグラフトカーボンブラック原液を、メチルイソブチルケトンで10倍に希釈し、チューブに約27g入れて遠心処理(40000rpm、30分間)を施す。次に上澄液(グラフトしなかったポリマー)と沈殿物(グラフトカーボンブラック)とをデカンテーションにより素早く分離する。分離された沈降物は室温にて24時間で乾燥する。
(b)熱天秤工程
使用装置:島津 TGA−50H
昇温条件:窒素雰囲気中 室温→600℃(昇温速度20℃/分)600℃で10分間保持。600℃到達後3分後に空気に切り替え。
空気雰囲気中 600℃→1000℃(昇温速度20℃/分)
乾燥した試料を白金セルに約20mg入れて測定開始する。最初は窒素雰囲気中でポリマー成分を熱分解させ、その後空気雰囲気中でカーボンブラックを燃焼させる。窒素雰囲気中での重量減少分をポリマー由来、空気雰囲気中での重量減少分をカーボンブラック由来として、カーボンブラック量/グラフト化ポリマー重量比率を算出する。
以上に亘って述べたように、本発明の電気泳動分散液は、微粒子が、表面官能基に対する反応性基を有してなる重合体を化学的に結合させるか、表面に架橋された構成を有し、重合体は、微粒子の1〜100重量%の量で存在しているものとし、更には、カーボンブラック微粒子乃至白色微粒子、非極性溶媒から成る分散液を含有し、カーボンブラックに含まれる不純物の含有量が規格値以下であると特定したことにより、電気的特性や表示特性に優れたものとすることができた。
更には、本発明の電気泳動分散液は、材料選択性が高く、長期安定性の良いので、安全性の確保が容易であり、実用面において優れた画像表示装置を提供することができた。
更には、本発明の電気泳動分散液は、材料選択性が高く、長期安定性の良いので、安全性の確保が容易であり、実用面において優れた画像表示装置を提供することができた。
1 導電層
2 導電層
3 自己分散性着色微粒子
4 自己分散性白色微粒子
5 非極性溶媒、非極性溶媒に可溶な樹脂、界面活性剤、分散剤
6 透明基板
7 透明電極
8 分散液
9 有孔スペーサ
10 マイクロカプセル
14 分散媒
15 マイクロカプセル膜
31,32 導電層
33 自己分散性白色微粒子及び自己分散性着色微粒子
34 分散媒
35 マイクロカプセル膜
36 マイクロカプセル
40 画像表示媒体
2 導電層
3 自己分散性着色微粒子
4 自己分散性白色微粒子
5 非極性溶媒、非極性溶媒に可溶な樹脂、界面活性剤、分散剤
6 透明基板
7 透明電極
8 分散液
9 有孔スペーサ
10 マイクロカプセル
14 分散媒
15 マイクロカプセル膜
31,32 導電層
33 自己分散性白色微粒子及び自己分散性着色微粒子
34 分散媒
35 マイクロカプセル膜
36 マイクロカプセル
40 画像表示媒体
Claims (4)
- 複数の微粒子を懸濁した電気泳動分散液であって、
前記微粒子は、当該微粒子表面の官能基に対する反応性基を有する重合体を化学的に結合させるか、あるいは表面に架橋させたものであり、
前記重合体は、前記微粒子の1〜100重量%の量で存在しており、
少なくとも、カーボンブラック微粒子、白色微粒子、及び非極性溶媒を含有しており、
前記カーボンブラックは、硫黄の含有量が0.5%以下、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素、塩素の各元素含有量の合計が1000ppm以下、鉄、銅、ヒ素、カドミウム、水銀、鉛、六価クロムの各元素含有量の合計が50ppm以下、硫酸イオン濃度が100ppm以下、塩素イオン濃度が10ppm以下、硝酸イオン濃度が10ppm以下であることを特徴とする電気泳動分散液。 - 前記カーボンブラックは、一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量100cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%であり、表面はpH6以下で酸性基を有しているカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動分散液。
- 前記カーボンブラックは、一次粒子径10〜100nm、比表面積70m2/g以下、ジブチルフタレートに対する給油量70cm2/10g以下、揮発分0.1〜5.0%であり、かつ表面はpH7以上で塩基性基を有しているカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動分散液。
- 前記白色微粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動分散液。
Priority Applications (1)
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JP2007134270A JP2008287163A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | 電気泳動分散液 |
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- 2007-05-21 JP JP2007134270A patent/JP2008287163A/ja active Pending
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