JP2007031574A - ディップ成形用共重合体ラテックス、ディップ成形用組成物およびディップ成形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜厚が均一で、ピンホールが少なく、引張り強度、伸びに優れるディップ成形用が得られるディップ成形用共重合体ラテックスの提供。
【解決手段】 1,3−ブタジエン50〜80重量%、アクリロニトリル15〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体0〜10重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜35重量%からなる単量体(単量体合計100重量部)を乳化重合することで得られ、表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が50〜65mNm−1の範囲にあるディップ成形用共重合体ラテックス。
【選択図】なし
【解決手段】 1,3−ブタジエン50〜80重量%、アクリロニトリル15〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体0〜10重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜35重量%からなる単量体(単量体合計100重量部)を乳化重合することで得られ、表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が50〜65mNm−1の範囲にあるディップ成形用共重合体ラテックス。
【選択図】なし
Description
本発明は、ディップ成形用共重合体ラテックスに関するものである。更に詳しくは、厚みむらが小さく、ピンホールの少ないディップ成形物を得ることが出来るディップ成形用共重合体ラテックスに関するものである。
近年、ゴム手袋は、安全衛生に対する関心の高まりから医療、食品加工分野および電子部品製造分野など各方面において広く使用されている。これらゴム手袋の製造方法の1つとしてディップ成形法が挙げられる。ディップ成形法としては、木材、ガラス、陶磁、金属叉はプラスチックなどから作られた型を予め凝固剤液に浸漬した後、天然ゴムラテックス組成物や合成ゴムラテックス組成物に浸漬するアノード凝着浸漬法や、型をラテックス組成物に浸漬した後、凝固液に浸漬するティーグ凝着浸漬法などが知られており、これらのディップ成形法により得られる成形物がディップ成形物である。これらディップ成形物における、風合い、引張り強度、伸び、耐油性に対する影響度はラテックス組成物および凝固液組成の因子が大きい。従来、ディップ成形法に用いるラテックスは代表的なものとして天然ゴムラテックス、あるいは有機溶剤や油脂類に対する耐性を有するアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBRゴム)の合成ゴムラテックスである。最近、前者の天然ゴムラテックスは、含有する微量蛋白質が原因で使用者によってはアレルギー反応を引き起こす場合があり、後者の蛋白質を含まない合成ゴムラテックス(NBRゴム)が注目され、その使用量も多くなってきている。
更に、NBRゴム手袋に対しては、膜厚が均一で、ピンホールが少ないことが求められる。過去、NBRラテックスそのものの改良やNBRラテックスを含むコンパウンド処方の改良によって、膜厚が均一で、ピンホールが少ないNBR手袋を製造しようと試みられている。
例えば、特開平6−182788号公報(特許文献1)では、NBRラテックスのメチルエチルケトン不溶分とポリスチレン換算重量平均分子量を調整することで膜厚が均一で風合いが柔らかいディップ成形物を得る事が開示されている。
また、再公表特許国際公開WO2002/036665号公報(特許文献2)では、水溶性多価金属塩によって架橋することにより、ピンホールが少なく、風合いが良好で、かつ十分な強度を有するディップ成形物を得ることが開示されている。
更に、特開平7−60766号公報(特許文献3)では、凝固液として、カルシウム塩濃度が65〜90%で且つチクソトロピー値が0.6〜2.0であるカルシウム塩・メタノール溶液を用いることにより、比較的厚い膜厚を有し、且つ膜厚の均一性が良いゴム成形品を製造する方法が開示されている。
しかしながら、ディップ成形物に要求される性能は更に高くなっており、従来の技術だけでは、その要求に応えられなくなっていた。
特開平6−182788号公報
再公表特許国際公開WO2002/036665号公報
特開平7−60766号公報
更に、NBRゴム手袋に対しては、膜厚が均一で、ピンホールが少ないことが求められる。過去、NBRラテックスそのものの改良やNBRラテックスを含むコンパウンド処方の改良によって、膜厚が均一で、ピンホールが少ないNBR手袋を製造しようと試みられている。
例えば、特開平6−182788号公報(特許文献1)では、NBRラテックスのメチルエチルケトン不溶分とポリスチレン換算重量平均分子量を調整することで膜厚が均一で風合いが柔らかいディップ成形物を得る事が開示されている。
また、再公表特許国際公開WO2002/036665号公報(特許文献2)では、水溶性多価金属塩によって架橋することにより、ピンホールが少なく、風合いが良好で、かつ十分な強度を有するディップ成形物を得ることが開示されている。
更に、特開平7−60766号公報(特許文献3)では、凝固液として、カルシウム塩濃度が65〜90%で且つチクソトロピー値が0.6〜2.0であるカルシウム塩・メタノール溶液を用いることにより、比較的厚い膜厚を有し、且つ膜厚の均一性が良いゴム成形品を製造する方法が開示されている。
しかしながら、ディップ成形物に要求される性能は更に高くなっており、従来の技術だけでは、その要求に応えられなくなっていた。
本発明の目的は、厚みむらが小さく、ピンホールの少ないディップ成形物を得ることが出来るディップ成形用共重合体ラテックスを提供することにある。
本発明者らは、上記事情に鑑み、種々検討を行った結果、特定の動的表面張力が特定数値範囲にあるNBRラテックスを用いることにより、膜厚が均一で、ピンホールが少ないディップ成形物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1,3−ブタジエン50〜80重量%、アクリロニトリル15〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体0〜10重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜35重量%からなる単量体(単量体合計100重量部)を乳化重合することで得られ、表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が50〜65mNm−1の範囲にあることを特徴とするディップ成形用共重合体ラテックスを提供するものである。
すなわち本発明は、1,3−ブタジエン50〜80重量%、アクリロニトリル15〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体0〜10重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜35重量%からなる単量体(単量体合計100重量部)を乳化重合することで得られ、表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が50〜65mNm−1の範囲にあることを特徴とするディップ成形用共重合体ラテックスを提供するものである。
本発明のディップ成形用共重合体ラテックスを使用することにより、膜厚が均一で、ピンホールが少ないディップ成形物を得ることができ、工業、医療、食品加工分野等において広く使用されるゴム手袋等を得ることができるものであり、極めて有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における共重合体ラテックスの単量体組成は、1,3−ブタジエン50〜80重量%、アクリロニトリル15〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体0〜10重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜35重量%により構成される。
本発明における共重合体ラテックスの単量体組成は、1,3−ブタジエン50〜80重量%、アクリロニトリル15〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体0〜10重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜35重量%により構成される。
1,3−ブタジエンは全単量体中、50〜80重量%の範囲で使用されることが必要である。1,3−ブタジエンが50重量%未満では乾燥後のラテックスポリマーがNBRゴムとしての性質を呈さず、好ましくない。1,3−ブタジエンが80重量%を越えると耐油性が低下する。好ましくは55〜74.5重量%である。
アクリロニトリルは全単量体中、15〜50重量%の範囲で使用されることが必要である。アクリロニトリルが15重量%未満では耐油性が低下し、50重量%を越えると乾燥後ラテックスポリマーがNBRゴムとしての性質を呈さず、好ましくない。好ましくは25〜44.5重量%である。
本発明にて使用されるエチレン性不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にメタクリル酸が好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体は全単量体中、0〜10重量%の範囲で使用されることが必要である。エチレン性不飽和カルボン酸系単量体が10重量%を越えると共重合体ラテックスの粘度が高くなりすぎ、全ての用途で取り扱い上の問題を発生する可能性が高い。好ましくは0.5〜10重量%である。
エチレン性不飽和カルボン酸系単量体は全単量体中、0〜10重量%の範囲で使用されることが必要である。エチレン性不飽和カルボン酸系単量体が10重量%を越えると共重合体ラテックスの粘度が高くなりすぎ、全ての用途で取り扱い上の問題を発生する可能性が高い。好ましくは0.5〜10重量%である。
これらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などの1,3−ブタジエン以外の脂肪族共役ジエン化合物、例えば、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどのアクリロニトリル以外のシアン化ビニル化合物、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミド化合物、例えば、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、例えば、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、などのエチレン系不飽和アミン化合物などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
本発明における共重合体ラテックスの粒子径について特に制限はないが、好ましい共重合体ラテックスの粒子径は200nm以下である。さらに好ましくは180nm以下であり、最も好ましい共重合体ラテックスの粒子径は50〜150nmである。
本発明の共重合体ラテックスを乳化重合するに際しては、常用の乳化剤、重合開始剤、還元剤、連鎖移動剤、酸化還元触媒、電解質、重合促進剤、キレート剤等を使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスの製造に使用できる乳化剤としては高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。特に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましい。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムの水溶性重合開始剤の使用が好ましい。
本発明において好ましく用いられる還元剤の具体例としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩、また、L−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類、更にはデキストロース、サッカロースなどの還元糖類、更にはジメチルアニリン、エチレンジアミン四酢酸塩、トリエタノールアミンなどのアミン類が挙げられる。
本発明の共重合体ラテックスの製造に使用できる連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に、n−オクチルメルカプタンやt−ドデシルメルカプタンが好ましい。これらの連鎖移動剤の量は特に限定されないが、通常、単量体100重量部に対して0〜5重量部にて使用される。
また、本発明においては連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーも使用することが可能である。α−メチルスチレンダイマーには、異性体として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンおよび1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダンがあるが、本発明に使用されるα−メチルスチレンダイマーとしては、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの含有量が60重量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。なお、α−メチルスチレンダイマーは沸点が高く、共重合体ラテックスの製造後もラテックス粒子中に残留するため、本発明の目的とは別の環境問題から、その使用量は単量体100重量部に対して2重量部未満とすることが好ましい。
また、重合に際してペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素を使用しても良い。特に、沸点が適度に低く、重合終了後に水蒸気蒸留などによって回収、再利用しやすいシクロヘキセンが、本発明の目的とは異なるものの、環境問題の観点から好適である。
さらに、共重合体ラテックスには、必要に応じて、老化防止剤、防腐剤、分散剤、増粘剤などを適宜添加することができる。
本発明における重合方法は、一段重合、二段重合、多段階重合、シード重合、パワーフィード重合法等何れを採用してもよい。また、本発明の重合方法における各種成分の添加方法についても特に制限されるものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れも採用することができる。
本発明のディップ成形用共重合体ラテックスは、表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が50〜65mNm−1の範囲にあることが必要である。表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が65mNm−1を超えると、ディップ成形物の膜厚の均一性が低下し、ディップ成形物のピンホールが増加するため好ましくない。また、表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が50mNm−1より低いとディップ成形物のピンホールが増加するため好ましくない。この動的表面張力は、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体の量や種類、重合開始剤の量や種類、ラテックスの粒子径、乳化重合に使用する乳化剤の種類や量によって調整することが出来る。
本発明における共重合体ラテックスは、ディップ成形用共重合体ラテックスとして使用される。ディップ成形物を得るためには、例えば直接浸漬法、アノード凝着浸漬法、ティーグ浸漬法など従来公知のディップ成形法がいずれも適応される。
以下、アノード凝着浸漬法について簡単に説明する。まず、型を凝固液に浸漬し、引き上げて乾燥することにより型表面に凝固剤が付着した状態にする。凝固液は、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウムなどのカルシウム塩を水、またはアルコール、ケトンなどの親水性有機溶媒に溶解させたものである。凝固液中のカルシウム濃度は、通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。凝固液には必要に応じてノニオン、アニオン界面活性剤などの界面活性剤、炭酸カルシウム、タルク、シリカゲルなどの充填剤を配合してもよい。ついで凝固剤が付着した型を、ディップ成形用共重合体ラテックスを含有するディップ成形用組成物中に浸漬し、引き上げる。この時、凝固剤と共重合ラテックスが反応して型上にゴム状皮膜が形成される。得られた皮膜を水洗、乾燥した後、型から剥離すればディップ成形物となる。
以下、アノード凝着浸漬法について簡単に説明する。まず、型を凝固液に浸漬し、引き上げて乾燥することにより型表面に凝固剤が付着した状態にする。凝固液は、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウムなどのカルシウム塩を水、またはアルコール、ケトンなどの親水性有機溶媒に溶解させたものである。凝固液中のカルシウム濃度は、通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。凝固液には必要に応じてノニオン、アニオン界面活性剤などの界面活性剤、炭酸カルシウム、タルク、シリカゲルなどの充填剤を配合してもよい。ついで凝固剤が付着した型を、ディップ成形用共重合体ラテックスを含有するディップ成形用組成物中に浸漬し、引き上げる。この時、凝固剤と共重合ラテックスが反応して型上にゴム状皮膜が形成される。得られた皮膜を水洗、乾燥した後、型から剥離すればディップ成形物となる。
本発明のディップ成形用組成物は、上記のディップ成形用共重合体ラテックスに、必要に応じて、天然ゴムラテックス、イソプレンゴムラテックスなどのゴムラテックス、コロイド硫黄、チウラムジスルフィドなどの加硫剤、ジアルキルジチオカルバミン酸塩、キサントゲン酸塩などの加硫促進剤、亜鉛華、リサージ(PbO)、鉛丹(Pb3O4)、酸化マグネシウムなどの加硫促進助剤、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、炭酸マグネシウムなどの充填剤、スチレン化フェノール、イミダゾール類、パラフェニレンジアミンなどの老化防止剤、ファーストイエロー、フタロシアンブルー、群青などの着色剤などを適宜配合することにより調製される。
〔実施例〕
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。
共重合体ラテックスの粒子径測定
数平均粒子径を動的光散乱法により測定した。測定に際しては、大塚電子製LPA−3000/3100を使用した。
数平均粒子径を動的光散乱法により測定した。測定に際しては、大塚電子製LPA−3000/3100を使用した。
共重合体ラテックスの動的表面張力測定
クルス社製BP−2(最大泡圧法)で、温度25℃で、キャピラリー径1.031mmのキャピラリーを用いて、表面寿命時間10msで測定した。
クルス社製BP−2(最大泡圧法)で、温度25℃で、キャピラリー径1.031mmのキャピラリーを用いて、表面寿命時間10msで測定した。
ディップ成形物の各物性については、下記のとおり評価を行い、結果を表1および表2に示した。
ディップ成形物の膜厚の均一性の評価
ディップ成形物の手のひら部に、ディップ成形時の浸漬方向に垂直に線を引き、1cm間隔で、8箇所の厚みを測定する。ディップ成形物10枚について測定を行い、80点の厚みデータを採り、平均値を求めた。更に標準偏差を平均値で除して膜厚の均一性の指標とした。この値が小さいほうが、均一性が高く良好であることを示す。
ディップ成形物の膜厚の均一性の評価
ディップ成形物の手のひら部に、ディップ成形時の浸漬方向に垂直に線を引き、1cm間隔で、8箇所の厚みを測定する。ディップ成形物10枚について測定を行い、80点の厚みデータを採り、平均値を求めた。更に標準偏差を平均値で除して膜厚の均一性の指標とした。この値が小さいほうが、均一性が高く良好であることを示す。
ディップ成形物のピンホールの評価
ディップ成形物を100枚作成した後、全てのディップ成形物の内部に水を満たし、10分経過後に、内部の水がディップ成形物の外表面から漏れ出している箇所を1個のピンホールとして、全てのピンホールの数を測定した。この数値が小さいほどピンホールが少なく、良好であることを示す。
ディップ成形物を100枚作成した後、全てのディップ成形物の内部に水を満たし、10分経過後に、内部の水がディップ成形物の外表面から漏れ出している箇所を1個のピンホールとして、全てのピンホールの数を測定した。この数値が小さいほどピンホールが少なく、良好であることを示す。
ディップ成形物の引張り強度、伸びの評価
ASTM−412に準じて、ディップ成形物をダンベル(Die−c)で打ち抜いて試験片を作成した。引張り速度300mm/minにて引張り、破断直前の引張り強度、伸びを測定した。
ASTM−412に準じて、ディップ成形物をダンベル(Die−c)で打ち抜いて試験片を作成した。引張り速度300mm/minにて引張り、破断直前の引張り強度、伸びを測定した。
実施例1
共重合体ラテックス1の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.3部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が97%になった段階で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス1を得た。
共重合体ラテックス1の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.3部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が97%になった段階で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス1を得た。
実施例2
共重合体ラテックス2の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて35℃で重合を行った。重合転化率60%に達した時点で、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)0.8部を添加した。更に重合転化率96%になった段階で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス2を得た。
共重合体ラテックス2の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて35℃で重合を行った。重合転化率60%に達した時点で、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)0.8部を添加した。更に重合転化率96%になった段階で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス2を得た。
実施例3
共重合体ラテックス3の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)0.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、クメンハイドロパーオキサイド0.1部、L−アスコルビン酸0.1部を加えて35℃で重合を行った。重合転化率が95%になった時点で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.5に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス3を得た。
共重合体ラテックス3の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)0.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、クメンハイドロパーオキサイド0.1部、L−アスコルビン酸0.1部を加えて35℃で重合を行った。重合転化率が95%になった時点で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.5に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス3を得た。
実施例4
共重合体ラテックス4の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)1.2部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて、35℃で重合を行った。重合転化率50%の時点で、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1部を添加した。その後、重合転化率が96%で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、アンモニアを加えてpHを9に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス4を得た。
共重合体ラテックス4の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)1.2部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて、35℃で重合を行った。重合転化率50%の時点で、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1部を添加した。その後、重合転化率が96%で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、アンモニアを加えてpHを9に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス4を得た。
実施例5
共重合体ラテックス5の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が50%になった時点で、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製ニューコール707SF)1部を添加した。その後、重合転化率が96%で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス5を得た。
共重合体ラテックス5の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が50%になった時点で、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製ニューコール707SF)1部を添加した。その後、重合転化率が96%で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス5を得た。
実施例6
共重合体ラテックス6の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王(株)製デモールNL)0.5部、表1に示す単量体、t−ドデシルメルカプタン、シクロヘキセン4部、過硫酸カリウム0.2部を加えて50℃で重合を行った。重合転化率60%になった時点で過硫酸アンモニウム0.1部を添加した。その後、重合転化率が97%で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス6を得た。
共重合体ラテックス6の作製(本発明例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王(株)製デモールNL)0.5部、表1に示す単量体、t−ドデシルメルカプタン、シクロヘキセン4部、過硫酸カリウム0.2部を加えて50℃で重合を行った。重合転化率60%になった時点で過硫酸アンモニウム0.1部を添加した。その後、重合転化率が97%で、表1に示す重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮して、固形分濃度45%の共重合体ラテックス6を得た。
比較例1
共重合体ラテックス7の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.1部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.4部を加えて30℃で重合を行った。重合転化率が97%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス7を得た。
共重合体ラテックス7の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.1部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.4部を加えて30℃で重合を行った。重合転化率が97%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス7を得た。
比較例2
共重合体ラテックス8の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が97%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.5に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス8を得た。
共重合体ラテックス8の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.05部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.2部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が97%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.5に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス8を得た。
比較例3
共重合体ラテックス9の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.1部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.3部を加えて30℃で重合を行った。重合転化率が98%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.0に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス9を得た。
共重合体ラテックス9の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.1部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.3部を加えて30℃で重合を行った。重合転化率が98%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.0に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス9を得た。
比較例4
共重合体ラテックス10の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.1部、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)1.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.3部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が97%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.5に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス10を得た。
共重合体ラテックス10の作製(比較例)
耐圧性の重合反応機に、窒素雰囲気下で、純水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.1部、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ペレックスSSL)1.5部、表1に示す各単量体、t−ドデシルメルカプタン、過硫酸カリウム0.3部を加えて40℃で重合を行った。重合転化率が97%で、表1に示すジエチルヒドロキシルアミンを添加し、水酸化カリウムを加えてpHを8.5に調整した。その後に、90℃にて水蒸気蒸留し、濃縮し、固形分45%の共重合体ラテックス10を得た。
ディップ成形用ラテックス組成物の調製
上記実施例1〜6および比較例1〜4で得られたディップ成形用共重合体ラテックス1〜10に下記の配合剤を加え、ディップ成形用組成物を得た。
<ディップ成形用組成物>
ディップ成形用ラテックス(固形分) 100.0部
酸化亜鉛 1.5部
コロイドイオウ 1.0部
ジ−nブチルジチオカルバミン酸亜鉛 0.5部
二酸化チタン 1.5部
水酸化カリウム 0.3部
(固形分濃度 33%)
上記実施例1〜6および比較例1〜4で得られたディップ成形用共重合体ラテックス1〜10に下記の配合剤を加え、ディップ成形用組成物を得た。
<ディップ成形用組成物>
ディップ成形用ラテックス(固形分) 100.0部
酸化亜鉛 1.5部
コロイドイオウ 1.0部
ジ−nブチルジチオカルバミン酸亜鉛 0.5部
二酸化チタン 1.5部
水酸化カリウム 0.3部
(固形分濃度 33%)
ディップ成形物の製造
別に凝固液として濃度15%の硝酸カルシウム水溶液を調製し、80℃で予備乾燥しておいた手袋用モールドを2秒間浸漬し、引き上げた後水平にして回転下に乾燥(80℃×2分)させた。引き続き、ディップ成形用組成物に手袋用モールドを2秒間浸漬し、引き上げた後、水平にして回転下で乾燥(80℃×2分)させた。次にその手袋用モールドを40℃の温水に3分間浸漬して、洗浄した後、120℃で20分間加熱処理して手袋用モールドの表面に固形皮膜物を得た。最後にこの固形皮膜物を手袋用モールドから剥がし、手袋形状のディップ成形物を得た。
別に凝固液として濃度15%の硝酸カルシウム水溶液を調製し、80℃で予備乾燥しておいた手袋用モールドを2秒間浸漬し、引き上げた後水平にして回転下に乾燥(80℃×2分)させた。引き続き、ディップ成形用組成物に手袋用モールドを2秒間浸漬し、引き上げた後、水平にして回転下で乾燥(80℃×2分)させた。次にその手袋用モールドを40℃の温水に3分間浸漬して、洗浄した後、120℃で20分間加熱処理して手袋用モールドの表面に固形皮膜物を得た。最後にこの固形皮膜物を手袋用モールドから剥がし、手袋形状のディップ成形物を得た。
各共重合体ラテックスの粒子径、動的表面張力の測定、ディップ成形物の膜厚の均一性、ピンホール、引張り強度、伸びの評価を行った。結果を表1および表2に示す。
上記の通り、本発明のディップ成形用共重合体ラテックスを使用することにより、膜厚が均一でピンホールが少なく、引張り強度、伸びに優れるディップ成形物を得ることができるものであり、医療、食品加工分野および電子部品製造分野など各方面において広く使用されるゴム手袋等を得ることができるものである。
Claims (3)
- 1,3−ブタジエン50〜80重量%、アクリロニトリル15〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体0〜10重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜35重量%からなる単量体(単量体合計100重量部)を乳化重合することで得られ、表面寿命時間10msの場合の動的表面張力が50〜65mNm−1の範囲にあることを特徴とするディップ成形用共重合体ラテックス。
- 請求項1に記載のディップ成形用共重合体ラテックスを含むディップ成形用組成物。
- 請求項2に記載のディップ成形用組成物をディップ成形してなるディップ成形物。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110208 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110920 |