JP2007031409A - O−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法 - Google Patents

O−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法 Download PDF

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友昭 中村
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広文 福永
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Abstract

【課題】 種々のO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を高収率で製造できる製造方法を提供する
【解決手段】 下記一般式[I]で表される化合物を下記一般式[II]で表される化合物に変換した後に置換基Rを除去し、下記一般式[III]で表されるO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を得るO−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法。
【化1】
Figure 2007031409

[式中、Qは、チオヒドロキサム酸基を構成する窒素原子及び炭素原子に結合して環を形成するのに必要な原子群であり、R1は除去可能な置換基であり、R2は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、フォトレジストや光画像形成に有用な光反応性の化合物群、特にO−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法に関する。
O−アルキル環状チオヒドロキサム酸は、紫外光や他のラジカルの作用により高い効率でアルコキシラジカルを発生させることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
この性質は、合成的にはアルコキシラジカルの安定なプレカーサーという点で有用であると考えられ、またフォトレジストや光画像形成のような光化学反応を利用するプロセスにおいては、高感度化を実現することにより工程の時間短縮や省エネルギーなどの面で有用なものとなると考えられる。
一方、O−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法としては、チオヒドロキサム酸の塩、とりわけ4級アンモニウム塩の直接アルキル化の報告例がほとんどである(例えば、非特許文献2参照。)。しかし、この方法では、チオヒドロキサム酸の硫黄原子のアルキル化が副反応となり、目的とするO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を高収率で製造することが難しかった。
また、2,2’−ジチオピリジン−1,1’−ジオキシドとアルコールとの、ホスフィンを介在させた縮合反応が報告されているが(例えば、非特許文献3参照。)、出発物質の2つのピリジン環の一方のみしか反応できないという欠点があった。
このように、種々の置換基を持つO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を高収率で製造する汎用的な製造方法は知られていない。
ベックウィズ,エー.エル.ジェー.(Beckwith,A. L. J.)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J. Am. Chem. Soc.)110,4415-4416(1988) ヘイ,ビー.ピー.(Hay, B. P.)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)54,4330-4334(1989) ハーチュング,ジェー.(Hartung, J.)、シンレット(Synlett)1996,1206-1208
本発明は、種々のO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を高収率で製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の手段によって達成された。
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式[I]で表される化合物を下記一般式[II]で表される化合物に変換した後に置換基Rを除去し、下記一般式[III]で表されるO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を得ることを特徴とするO−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法、及び
Figure 2007031409
[式中、Qは、チオヒドロキサム酸基を構成する窒素原子及び炭素原子に結合して環を形成するのに必要な原子群であり、R1は除去可能な置換基であり、R2は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。]
(2)置換基R1が塩基により除去可能であることを特徴とする(1)に記載の製造方法
を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、硫黄原子がアルキル化されるような副反応が生じることなく、高収率でO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、前記一般式[I]〜[III]で表される化合物について説明する。
前記一般式[I]〜[III]中、Qは環を形成するのに必要な原子群である。Qを含む環はヘテロ原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子またはリン原子のうち少なくとも1つを含むヘテロ環であってもよく、炭素原子数1〜30の4〜8員環が好ましく、5〜6員環がより好ましい。
このような環の例としては、1−ヒドロキシ−1H−ピリジン−2−チオン、1−ヒドロキシ−1H−ピリミジン−2−チオン、1−ヒドロキシ−1H−ピラジン−2−チオン、1−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−チオン、2−ヒドロキシ−2H−イソキノリン−1−チオン、1−ヒドロキシ−1H−キナゾリン−2−チオン、1−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−2−チオン、3−ヒドロキシ−3H−オキサゾール−2−チオン、3−ヒドロキシ−3H−チアゾール−2−チオン、1−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−5−チオン、2−ヒドロキシ−2H−イソオキサゾール−3−チオン、2−ヒドロキシ−2H−イソチアゾール−3−チオン、1−ヒドロキシイミダゾリジン−2−チオン、3−ヒドロキシオキサゾリジン−2−チオン、3−ヒドロキシチアゾリジン−2−チオンがあげられる。
また、Qを含む環は置換基を有していてもよく、さらに環が縮合していてもよい。
一般式[I]、[II]中、R1はチオールの保護基として用いられる基であればいかなる基であってもよいが、好ましくは下記一般式[IV]で表される基である。
Figure 2007031409
一般式[IV]中、R3、R4はそれぞれ独立に、水素原子、さらに置換されていてもよいアルキル基、さらに置換されていてもよいシクロアルキル基、さらに置換されていてもよいアルケニル基、さらに置換されていてもよいアルキニル基、さらに置換されていてもよいアリール基、又はさらに置換されていてもよいヘテロ環基を表し;X、Yはそれぞれ、下記一般式[V]〜[XI]
Figure 2007031409
[一般式[V]〜[XI]中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11はそれぞれ、水素原子さらに置換されていてもよいアルキル基、さらに置換されていてもよいシクロアルキル基、さらに置換されていてもよいアルケニル基、さらに置換されていてもよいアルキニル基、さらに置換されていてもよいアリール基、さらに置換されていてもよいヘテロ環基を表す。]で表される基のいずれかまたは水素原子、ハロゲン原子、さらに置換されていてもよいアルキル基、さらに置換されていてもよいシクロアルキル基、さらに置換されていてもよいアルケニル基、さらに置換されていてもよいアルキニル基、さらに置換されていてもよいアリール基、さらに置換されていてもよいヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、さらに置換されていてもよいアルキルアミノ基、さらに置換されていてもよいアリールアミノ基、さらに置換されていてもよいヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、カルボキシル基、スルホ基、アシル基、さらに置換されていてもよいアルコキシ基、さらに置換されていてもよいアルケニルオキシ基、さらに置換されていてもよいアルキニルオキシ基、さらに置換されていてもよいアリールオキシ基、さらに置換されていてもよいヘテロ環オキシ基、さらに置換されていてもよいアシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルフェニル基を表す。ただし、X、Yのうち少なくとも一方は一般式[V]〜[XI]で表される基のいずれかから選択される。
このようなR1の例としては、2−シアノエチル基、2−(t−ブチルスルホニル)エチル基、2−(フェニルスルホニル)エチル基、2−(p−トリルスルホニル)エチル基、2−(p−メトキシフェニルスルホニル)エチル基、2−(ナフチルスルホニル)エチル基、2−(メトキシカルボニル)エチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、2−アセチルエチル基、2−ベンゾイルエチル基、2−ニトロエチル基、2−(ジメチルカルバモイル)エチル基、2−(ジメチルスルファモイル)エチル基があげられる。
一般式[II]、[III]中、R2は、さらに置換されていてもよいアルキル基を表し、さらに置換されていてもよい炭素原子数1〜50のアルキル基が好ましく、さらに置換されていてもよい炭素原子数1〜30のアルキル基がより好ましい。
上述の基がさらに置換されているものであるときの置換基は、水素以外の元素の原子数が1〜50であるものが好ましく、水素以外の元素の原子数が1〜30であるものがより好ましい。このような置換基の例としては、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルもしくはアリールスルフェニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基又はヘテロ環基が挙げられる。
本明細書及び特許請求の範囲における各基について説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があり、アルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜30のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)が挙げられ、シクロアルキル基としては好ましくは炭素原子数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)が挙げられ、アルケニル基としては、好ましくは炭素原子数2〜30の置換または無置換のアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)が挙げられ、アルキニル基としては好ましくは、炭素原子数2〜30の置換または無置換のアルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基)が挙げられ、アリール基としては好ましくは炭素原子数6〜30の置換または無置換のアリール基(例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が挙げられ、ヘテロ環基としては、好ましくは5または6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、より好ましくは、炭素原子数3〜30の5または6員の芳香族のヘテロ環基(例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)が挙げられ、アルコキシ基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)が挙げられ、アルケニルオキシ基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルケニルオキシ基(例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基)が挙げられ、アルキニルオキシ基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルキニルオキシ基(例えば、エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基、トリメチルシリルエチニルオキシ基)が挙げられ、アリールオキシ基としては好ましくは、炭素原子数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)が挙げられ、ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素原子数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)が挙げられ、アシルオキシ基としては、好ましくはホルミルオキシ基、炭素原子数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)が挙げられ、アルキルアミノ基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基)が挙げられ、アリールアミノ基としては、好ましくは、炭素原子数6〜30の置換または無置換のアリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ基、フェニルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、p−トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、m−クロロフェニルアミノ基)が挙げられ、ヘテロ環アミノ基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のヘテロ環アミノ基(例えば、2−フリルアミノ基、2−チエニルアミノ基)が挙げられ、アシルアミノ基としては好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素原子数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)が挙げられ、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素原子数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)が挙げられ、アルキルもしくはアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トリルスルホニル基)が挙げられ、アシル基としては好ましくはホルミル基、炭素原子数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素原子数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基(例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては好ましくは、炭素原子数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)が挙げられ、ヘテロ環オキシカルボニル基としては好ましくは、炭素原子数1〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシカルボニル基(例えば、2−フリルオキシカルボニル基、2−チエニルオキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基)が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては好ましくは、炭素原子数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)が挙げられる。
以下、本発明のO−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法の詳細について説明する。
まず、一般式[I]で表される化合物の製造について説明する。
Figure 2007031409
一般式[I]で表される化合物は、一般式[XII]で表される環状チオヒドロキサム酸を一般式[XIII]で表される化合物によってアルキル化する方法(上記(a))、一般式[XII]で表される環状チオヒドロキサム酸を一般式[XIV]で表されるアルケンに共役付加させる方法(上記(b))、一般式[XV]で表される化合物と一般式[XVI]で表されるチオールとを反応させる方法(上記(c))などによって製造することができる(例えば、バートン,ディー.エイチ.アール.(Barton, D. H. R.)ら、ジャーナル・オブ・ケミカルソサエティ・パーキン・トランザクション(J. Chem. Soc. Parkin Trans.)1.1986,39-54、フォード−ムーア,エー.エイチ.(Ford-Moore, A. H.)ら、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ(J. Chem. Soc.)1949,1754-1757、レオナルド,エフ.(Leonard, F.)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)21,1077-1079(1956)等参照。)。一般式[XII]〜[XVI]中のR1、R2、R3、R4、X、Y、Qはそれぞれ一般式[I]〜[IV]中のR1、R2、R3、R4、X、Y、Qと同義であり、一般式[XIII]、[XV]中のLは、ハロゲン原子、さらに置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、またはさらに置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基を表す。
次に、前記工程1で示される、一般式[I]で表される化合物のO−アルキル化について説明する。
一般式[I]で表される化合物のO−アルキル化は、対応するアルキル化剤と混合することによって行う。前記アルキル化剤のアルキル基は好ましくは炭素原子数1〜30である。反応は無溶媒または種々の有機溶媒中で行う。溶媒としては、非プロトン性の極性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドN−メチルピロリジノン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン)が好ましい。アルキル化剤としてはハロゲン化アルキル、スルホン酸アルキルが挙げられるが、ヨウ化アルキル、臭化アルキル、メタンスルホン酸アルキル、トシル酸アルキル、トリフルオロメタンスルホン酸アルキルが好ましい。
一般式[I]で表される化合物のO−アルキル化の好ましい反応条件として、アルキル化剤に加えて活性化剤を併用する方法がある。アルキル化剤としてはハロゲン化アルキル、活性化剤としては種々の銀塩を用いることができるが、アルキル化剤としてヨウ化アルキル又は臭化アルキル、活性化剤としてトシル酸銀又はテトラフルオロホウ酸銀の組み合わせが好ましい。
前記アルキル化剤の使用量としては、一般式[I]で表される化合物1モルに対し1〜10当量、好ましくは1〜3当量の範囲を例示することができる。
反応温度は、通常0〜200℃の温度範囲、好ましくは20〜100℃であり、反応時間は通常1分〜20時間、好ましくは1〜10時間の範囲である。
次に、前記工程2で示される、一般式[II]で表される化合物からの基R1の脱離反応について説明する。
一般式[II]で表される化合物からの基R1の脱離反応は、脱離させる基R1についてそれぞれ適宜選択した脱離の条件で行うことができる。例えばR1が一般式[IV]で表される基である場合には塩基を作用させてR1を脱離させる。塩基の例としては有機塩基(トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU))、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)が挙げられる。反応溶媒は、プロトン性溶媒(メタノール、エタノール)、非プロトン性極性溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン)が好ましい。
前記塩基の使用量としては、一般式[II]で表される化合物1モルに対し1〜100当量、好ましくは1〜10当量の範囲を例示することができる。
反応温度は、通常0〜200℃の温度範囲、好ましくは20〜100℃であり、反応時間は通常1分〜20時間、好ましくは1〜10時間の範囲である。
本発明の方法により得られるO−アルキル環状チオヒドロキサム酸化合物は、前記一般式[III]で表されるすべての化合物であるが、下記表1〜4に本発明の方法により得られる化合物及びその置換基の具体例を列挙する。
Figure 2007031409
Figure 2007031409
Figure 2007031409
Figure 2007031409
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

[実施例1]
1−((4−メトキシカルボニルフェニル)メチル)ピリジン−2−チオンを下記スキームに従って製造した。
Figure 2007031409
1−ヒドロキシ−1H−ピリジン−2−チオン5.00 g(39.3 mmol)とフェニルビニルスルホン6.64 g(39.5 mmol)をテトラヒドロフラン8 mLに溶解し、トリエチルアミン0.55 mL(3.9 mmol)を滴下した。60℃で12時間撹拌した後、酢酸エチルを10 mL加えて撹拌しながら冷却すると、結晶が析出した。これをろ別し、酢酸エチルで洗浄後乾燥すると、2−(2−(フェニルスルホニル)エチルチオ)ピリジン 1−オキシドの白色固体が10.80 g(36.6 mmol)得られた。収率93%。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 3.22-3.30 (m, 2H), 3.39-3.46 (m, 2H), 7.08-7.18 (m, 2H), 7.29 (t, 1H, J = 8.1 Hz), 7.63 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 7.74 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 7.97 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 8.25 (d, 1H, J = 6.6 Hz)。
2−(2−(フェニルスルホニル)エチルチオ)ピリジン1−オキシド8.86
g (30.0 mmol)とトシル酸銀10.05 g(36.0 mmol)をアセトニトリル180 mLに溶解し、4−(ブロモメチル)安息香酸メチル8.28 g(36.1 mmol)を徐々に加えた。25℃で6時間撹拌した後、50℃に加熱して冷アセトニトリルに難溶の目的物を溶解させた。これをセライトろ過し、ろ液を100 mLまで濃縮した。濃縮した残留物に酢酸エチルを200 mL加えて撹拌しながら冷却すると結晶が析出した。これをろ別し、酢酸エチルで洗浄後乾燥すると、トシル酸 1−(4−メトキシカルボニルフェニル)メチル−2−(2−(フェニルスルホニル)エチルチオ)ピリジニウムの淡黄色結晶が17.51g(28.4 mmol)得られた。収率95%。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 2.31 (s, 3H), 3.65-3.80 (m, 4H), 3.93 (s, 3H), 5.72 (s, 2H), 7.09 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.50-7.68 (m, 7H), 7.73 (t, 1H, J = 6.9 Hz), 7.95 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 8.02 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 8.15 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 8.30 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 9.25 (d, 1H, J = 6.6 Hz)。
以下の操作は、黄色灯下で行った。ピリジニウム塩17.51 g(28.4 mmol)をアセトニトリル400 mLに懸濁させ、25℃で撹拌しながらDBU4.75 g(31.2 mmol)を滴下すると、均一な溶液となった。これをセライトろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いて精製すると、1−((4−メトキシカルボニルフェニル)メチル)ピリジン−2−チオンの黄色固体が6.63 g (24.1 mmol)得られた。収率85%。融点120.1-121.8℃。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 3.94 (s, 3H), 5.54 (s, 2H), 6.46 (dt, 1H, J = 1.8, 6.9 Hz), 7.14 (ddd, 1H, J = 1.5, 6.9, 9.0 Hz), 7.46 (dd, 1H, J = 1.5, 6.9 Hz), 7.60 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.69 (dd, 1H, J = 1.5, 9.0 Hz), 8.06 (d, 2H, J = 8.4 Hz)。
[実施例2]
1−(3−フタルイミドプロピルオキシ)−5−スルホピリジン−2−チオンを下記スキームに従って製造した。
Figure 2007031409
2−メルカプト−5−スルホピリジン 1−オキシド4.28 g(20.7 mmol)とフェニルビニルスルホン4.17 g(24.8 mmol)の混合物にテトラヒドロフラン20 mLを加え、さらにトリエチルアミン6.0 mL(43 mmol)を加えた。60℃で10時間激しく撹拌した後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム/メタノール=3/1)で精製すると、2−(2−(フェニルスルホニル)エチルチオ)−5−スルホピリジン 1−オキシドの淡黄色固体が5.48 g(14.6 mmol)得られた。収率71%。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 3.14-3.22 (m, 2H), 3.69-3.77 (m, 2H), 7.11 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.38 (dd, 1H, J = 1.5, 8.4 Hz), 7.70 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 7.81 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 7.98 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 8.20 (d, 1H, J = 1.5 Hz)。
2−(2−(フェニルスルホニル)エチルチオ)−5−スルホピリジン 1−オキシド3.66 g(9.75 mmol)とN−(3−ヨードプロピル)フタルイミド6.14 g(19.5 mmol)の混合物にDMF16 mL、アセトニトリル8 mLを加えた。25℃で撹拌しながら、1時間ごとにテトラフルオロホウ酸銀を0.94 g(4.8 mmol)ずつ5回加えた。その後さらに25℃で3時間撹拌した。反応混合物をろ過し、沈殿(目的生成物とヨウ化銀の混合物)をアセトニトリルで洗浄後乾燥した。得られた沈殿に2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP)40 mLを加え、40℃で6時間撹拌した。残った不溶物をろ別し、40℃に温めたTFPで洗浄した。ろ液を濃縮すると、2−(2−(フェニルスルホニル)エチルチオ)−1−(3−フタルイミドプロピルオキシ)−5−スルホピリジニウムの白色結晶が2.75 g(4.89 mmol)得られた。収率50%。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 2.08-2.18 (m, 2H), 3.64 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 3.77 (t, 2H, J = 6.6 Hz), 3.85 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 4.59 (t, 2H, J = 6.6 Hz), 7.70 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 7.77-7.99(m, 8H), 8.38 (dd, 1H, J = 1.5, 8.7 Hz), 9.54 (d, 1H, J = 1.5 Hz)。
以下の操作は黄色灯下で行った。2−(2−(フェニルスルホニル)エチルチオ)−1−(3−フタルイミドプロピルオキシ)−5−スルホピリジニウム2.75 g (4.89 mmol)にDMF 10 mLを加え、撹拌しながらトリエチルアミン1.4 mL (10 mmol)を加えた。25℃で6時間撹拌した後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム/メタノール=3/1)で精製すると、1−(3−フタルイミドプロピルオキシ)−5−スルホピリジン−2−チオンの黄色固体が1.36 g(3.45 mmol)得られた。収率71%。融点182℃(分解)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 2.00-2.13 (m, 2H), 3.79 (t, 2H, J = 6.9 Hz), 4.38 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 7.43 (s, 2H), 7.80-7.91 (m, 4H), 8.36 (s, 1H)。

Claims (2)

  1. 下記一般式[I]で表される化合物を下記一般式[II]で表される化合物に変換した後に置換基Rを除去し、下記一般式[III]で表されるO−アルキル環状チオヒドロキサム酸を得ることを特徴とするO−アルキル環状チオヒドロキサム酸の製造方法。
    Figure 2007031409
    [式中、Qは、チオヒドロキサム酸基を構成する窒素原子及び炭素原子に結合して環を形成するのに必要な原子群であり、R1は除去可能な置換基であり、R2は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。]
  2. 置換基R1が塩基により除去可能であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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