JP2007030228A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電力消費を抑えつつ記録ヘッドの温度分布を均一に保つことにより、所望のノズルから正確にインクを吐出させて濃度ムラのない画像を形成する。
【解決手段】 インクジェットプリンタ1では、各記録ヘッドHK〜HYの複数のノズル25が複数のノズルブロックNBK1〜NBY2…に区分けされ、各ノズルブロックNBK1〜NBY2…ごとに温度センサTK1〜TY2…が配置されると共に、各ノズルブロック周辺の温度と、非記録用パルス信号のパルス幅との対応関係を規定する変更テーブルが、各ノズルブロックごとにメモリ35に記憶されている。記録時には、各温度センサTK1〜TY2…により検知された温度に基づいて、各変更テーブルから各ノズルブロック周辺の温度に対応するパルス幅が読み出され、読み出されたパルス幅を用いて非記録用パルス信号が生成される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
一般に、インクジェット記録装置は、複数のノズルおよび各ノズルに対応する熱エネルギ発生素子を有する記録ヘッドを利用して、記録媒体に画像(文字を含む)を記録する。この場合、記録ヘッドの各熱エネルギ発生素子は、記録されるべき画像を示す画像データに応じて熱エネルギを発生してインクを発泡させ、それに対応するノズルからインクを吐出させる。
この種のインクジェット記録装置では、画像データによっては、すべてのノズルを用いて記録が行なわれるわけではない。例えば記録ヘッドの片側半分だけのノズルが記録動作に用いられることがある。また、複数のノズルを所定数のブロックに区分けして、ブロックごとに記録動作を行なうこともある。
ここで、記録ヘッドの複数のノズルが均一に使用されず、ノズル間においてインク吐出頻度の差が存在する場合、複数の熱エネルギ発生素子のそれぞれから均等に熱が発せられないことになるので、記録ヘッド内に偏った温度分布が生じてしまう。そして、記録ヘッド内に偏った温度分布が生じている状態で記録動作が行なわれると、記録媒体に形成された画像に部分的な濃度ムラが発生してしまう。また、画像の濃度ムラをもたらす記録ヘッド内の温度分布の偏りは、ノズル数が多いほど発生し易い。更に、このような現象は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のインクによってカラー画像を形成する際に、カラーバランスの崩れをもたらすと共に、色味の変化や色再現性を低下させることから、特に問題となる。
上述の課題を解決するための手法としては、従来から、実際にインクを吐出させるノズル(以下「実記録ノズル」という)に対応する熱エネルギー発生素子に、インク吐出を許容するパルス信号(以下「実記録用パルス信号」という)を与えて熱エネルギを発生させるだけではなく、記録ヘッドの温度に基づいて、実際にインクを吐出させないノズル(以下「非記録ノズル」という)に対応する熱エネルギ発生素子に、インク吐出を許容しない程度のパルス信号(以下「非記録用パルス信号」という)を与えて熱エネルギを発生させる手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。かかる手法を採用することにより、複数の熱エネルギ発生素子間における発熱の偏りが抑制され、記録ヘッド内で偏った温度分布が生じてしまうこと、ひいては、記録媒体に濃度ムラをもった画像が形成されることが抑制される。
特開2002−113845号公報
しかしながら、従来のインクジェット記録装置では、非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子に、予め定められた一定のパルス幅をもった非記録用パルス信号を与えることにより、インク吐出を許容しない程度の熱エネルギを発生させている。このように、非記録ノズルに対応するすべての熱エネルギ発生素子に一定のパルス幅をもった信号を与えることは、記録ヘッドの内部全体が既に高温になっている場合、余分な電力消費に繋がるものであり、却って記録ヘッドの更なる温度上昇をもたらす要因となる。また、記録ヘッドの内部全体が高温になっている場合、非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子に予め定められた一定のパルス幅をもった非記録用パルス信号を与えると、本来はインクが吐出されないはずの非記録ノズルからインクが吐出されてしまうこともある。
そこで、本発明は、電力消費を抑えつつ、記録ヘッドの温度分布を均一に保つことにより、所望のノズルから正確にインクを吐出させて、濃度ムラのない画像を形成可能とするインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法の提供を目的とする。
本発明のインクジェット記録装置は、複数のノズルおよび各ノズルに対応する複数の熱エネルギ発生素子をそれぞれ有する複数の記録ヘッドを適用可能であり、画像データに応じて熱エネルギ発生素子に熱エネルギを発生させ、当該熱エネルギ発生素子に対応するノズルから吐出されるインクによって記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、画像データに応じて、実際にインクを吐出させる実記録ノズルに対応する熱エネルギー発生素子にインク吐出を許容する熱エネルギを発生させるための実記録用パルス信号を生成すると共に、画像データに応じて、実際にインクを吐出させない非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子にインク吐出を許容しない程度の熱エネルギを発生させるための非記録用パルス信号を生成するヘッド駆動手段と、複数のノズルを区分けすることにより、各記録ヘッドごとに複数定められているノズルブロックと、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに配置されており、各ノズルブロック周辺の温度を検知する温度検知手段と、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに作成されており、各ノズルブロック周辺の温度と、非記録用パルス信号のパルス幅との対応関係を規定する変更テーブルと、各温度検知手段により検知された温度に基づいて、各変更テーブルから各ノズルブロック周辺の温度に対応するパルス幅を読み出し、読み出したパルス幅を示す信号をヘッド駆動手段に与える制御手段とを備えることを特徴とする。
このインクジェット記録装置では、複数の記録ヘッドのそれぞれについて、複数のノズルが複数のノズルブロックに区分けされている。そして、このインクジェット記録装置では、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに、温度検出手段が備えられると共に、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに、各ノズルブロック周辺の温度と非記録用パルス信号のパルス幅との対応関係を規定する変更テーブルが備えられている。従って、このインクジェット記録装置では、各記録ヘッドの各ノズルブロックの周辺温度に応じて、きめ細かく非記録用パルス信号のパルス幅を設定することが可能となる。
これにより、本発明のインクジェット記録装置によれば、非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子を発熱させるための電力消費を必要最小限にしつつ、記録ヘッド内の温度分布を均一に保って、記録媒体に濃度ムラのない画像を形成することができる。そして、記録ヘッドの内部全体が高温になっている場合に、本来はインクが吐出されないはずの非記録ノズルからインクが吐出されてしまうことを確実に防止することができる。この結果、所望の記録ノズルから正確にインクを吐出させることが可能となる。
また、記録媒体に対する実際の記録動作中に、非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子に熱エネルギを発生させるための非記録用パルス信号のパルス幅を変化させることができると好ましい。
更に、制御手段は、所定条件のもとで、ヘッド駆動手段による非記録用パルス信号の作成または送信を休止させると好ましい。
本発明によるインクジェット記録方法は、複数のノズルおよび各ノズルに対応する複数の熱エネルギ発生素子をそれぞれ有する複数の記録ヘッドを使用し、画像データに応じて、実際にインクを吐出させる実記録ノズルに対応する熱エネルギー発生素子に、インク吐出を許容する熱エネルギを発生させるための実記録用パルス信号を印加すると共に、画像データに応じて、実際にインクを吐出させない非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子に、インク吐出を許容しない程度の熱エネルギを発生させるための非記録用パルス信号を印加しながら、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、各記録ヘッドの複数のノズルを複数のノズルブロックに区分けし、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに、各ノズルブロック周辺の温度を検知する温度検知手段を配置し、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに、各ノズルブロック周辺の温度と、非記録用パルス信号のパルス幅との対応関係を規定する変更テーブルを用意し、各温度検知手段により検知された温度に基づいて、各変更テーブルから各ノズルブロック周辺の温度に対応するパルス幅を読み出し、読み出したパルス幅を用いて非記録用パルス信号を生成することを特徴とする。
以上説明されたように、本発明によれば、電力消費を抑えつつ、記録ヘッドの温度分布を均一に保つことにより、所望のノズルから正確にインクを吐出させて、濃度ムラのない画像を形成可能となる。
以下、図面と共に本発明によるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明によるインクジェット記録装置を示す斜視図であり、図2は、図1に示されるインクジェット記録装置の概略構成図である。これらの図面は、本発明によるインクジェット記録装置の一例として、いわゆるフルライン方式のラベルプリンタとして構成されたインクジェットプリンタ1を示している。図1に示されるように、インクジェットプリンタ1は、上カバー2および前カバー3を含む筐体4と、フィーダートレイ5を有するフィーダ6と、スタッカ7とを含む。筐体4には、更に、電源スイッチ8や、プリンタ1の操作環境の設定、モード設定等を行なうための入力手段として用いられる操作パネル9等が備えられている。
また、インクジェットプリンタ1は、図2に示されるように、それぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、淡シアン(LC)、マゼンタ(M)、淡マゼンタ(LM)およびイエロー(Y)のインクを吐出可能な記録ヘッドHK,HC,HLC,HM,HLMおよびHYを有している。これら各記録ヘッドHK〜HYは、何れも、対象となる記録媒体のうち、最も幅の大きな記録媒体の幅とほぼ同じ範囲にわたって複数のノズルが直線状に配設された、いわゆるラインヘッドとして構成されている。
更に、筐体4の内部には、記録媒体搬送系10が配置されている。記録媒体搬送系10は、フィーダートレイ5からの記録媒体Pを搬送ベルトBに吸着(静電吸着)させながら、各記録ヘッドHK〜HYの下方に記録媒体Pを一定の速度で搬送する。記録ヘッドHK〜HYは、図3に示されるように、記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に互いに並行に配列されている。記録媒体Pが所定の記録位置に達すると、各記録ヘッドHK〜HYによってインクが吐出され、記録媒体Pに画像が形成される。その後、画像形成がなされた記録媒体Pは、スタッカ7に排出される。なお、フィーダ6には、積載された記録媒体Pの幅を検知するための記録媒体幅センサ6aが設けられており、この記録媒体幅センサ6aによって記録が行なわれるべきものと異なる幅の記録媒体がフィーダートレイ5に積載されていることが検出されると、操作パネル9には、ユーザに正しい記録媒体をセットするように促す表示がなされる。
また、記録媒体搬送系10の下方には、各記録ヘッドHK〜HYごとに、メインタンク11およびサブタンク12が配設されている。各メインタンク11は、対応する記録ヘッドHK〜HYに応じた色のインクを貯留するものである。そして、各サブタンク12は、対応するメインタンク11からのインクを一時的に貯留するものであり、各記録ヘッドHK〜HYには、対応する各サブタンク12からインクが供給される。
図4に示されるように、各記録ヘッドHK〜HYは、シリコン基板20と、シリコン基板20上に並設された多数の隔壁21と、各隔壁21に埋設された発熱体(熱エネルギ発生素子)22と、各隔壁21を覆う天板23等を有している。各隔壁21同士の間には、インク流路24が画成され、各インク流路24の先端がノズル25として利用される。また、各隔壁21の後方には、各インク流路24と連通する共通液室26が画成されている。各発熱体22は、各隔壁21内に半導体プロセスと同様の手法により形成されるものであり、電気エネルギが印加されると熱を発生し、その熱によってインク流路24内のインクを発泡させる。そして、発生した気泡の圧力によって各ノズル25からインクが吐出されると、記録媒体Pには、所望のカラー画像あるいはモノクロ画像が形成されることになる。
ここで、各記録ヘッドHK〜HYは、それぞれ複数のノズル25を有するが、各記録ヘッドHK〜HYでは、複数のノズル25を区分けすることにより、複数のノズルブロックが定められている。そして、各記録ヘッドHK〜HY内には、各ノズルブロックごとに、各ノズルブロック周辺の温度を検出する温度センサが配置されている。本実施形態では、温度センサとして、ダイオードセンサが用いられており、各温度センサは、対応するノズルブロック周辺の温度変化に応じた電圧信号を出力する。
なお、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、各記録ヘッドHK〜HYに、それぞれの温度を所定温度以上に保つためのサブヒータ(保温用ヒータ)が装備されている。これにより、各記録ヘッドHK〜HYの温度がインクの吐出を行なうのに最適な温度よりも低い場合(例えば、30℃未満)に、サブヒータに給電すれば、記録前の各記録ヘッドHK〜HYをインク吐出に最適な温度まで昇温させることが可能となる。また、インクジェットプリンタ1には、各記録ヘッドHK〜HYが高温となった場合に作動させる冷却ファン等を備えてもよい。
図5は、上述のインクジェットプリンタ1のブロック構成図である。同図に示されるように、インクジェットプリンタ1は、記録動作を始めとする各種動作を制御するメインコントローラ30を有する。メインコントローラ30は、各種制御プログラム等を記憶するメモリ(ROM)、制御データ・画像等を一時記憶するメモリ(RAM)、および、メモリ(ROM)に記憶されているプログラムに基づいて種々の処理・制御を実行するCPU等を含んでいる。また、メインコントローラ30(CPU)は、ホストコンピュータ100と接続され、両者の間で情報の交換が行われる。
メインコントローラ30には、ドライバコントローラ31を介して、上述の各記録ヘッドHK〜HYを駆動制御するヘッド駆動回路32が接続されている。ヘッド駆動回路32は、画像データに応じて、各記録ヘッドHK〜HYの複数のノズル25のうち、実際にインクを吐出させる実記録ノズルに対応する発熱体22に与えられる実記録用パルス信号を生成すると共に、画像データに応じて、実際にインクを吐出させない非記録ノズルに対応する発熱体22に与えられる非記録用パルス信号を生成する。
ヘッド駆動回路32により生成される実記録用パルス信号は、対応するノズル25からのインク吐出を許容する熱エネルギを発熱体22に発生させ得る所定のパルス幅を有する。一方、ヘッド駆動回路32により生成される非記録用パルス信号は、対応するノズル25からのインク吐出を許容しない程度の熱エネルギを発熱体22に発生させ得るパルス幅を有する。この非記録用パルス信号のパルス幅は、後述される変更テーブルを利用して、記録媒体Pに対する実際の記録動作中に変化させられる。
また、メインコントローラ30には、各記録ヘッドHK〜HYの各ノズルブロックに対して設けられている温度センサが増幅回路33を介して接続されている。更に、メインコントローラ30には、搬送系10に含まれるフィードモータ10Mがモータドライバ10Dを介して接続されると共に、各記録ヘッドHK〜HYに回復処理を施すための回復ユニットに含まれる回復モータ14Mがモータドライバ14Dを介して接続されている。
上述のドライバコントローラ31には、図5に示されるように、イメージメモリ34が接続されている。イメージメモリ34の記憶領域は、上述のブラック(K)、シアン(C)、淡シアン(LC)、マゼンタ(M)、淡マゼンタ(LM)、および、イエロー(Y)の各色ごとに区分されており、画像記録を行うためにホストコンピュータ100からメインコントローラ30のCPUに送られる画像データは、各色ごとに、イメージメモリ34に格納される。
加えて、メインコントローラ30(CPU)には、各種動作に必要とされる情報を記憶するメモリ35が接続されている。メモリ35には、図6に示されるような変更テーブルが各記録ヘッドHK〜HYの各ノズルブロックごとに格納されている。図6は、変更テーブルの一例を示すものであり、各変更テーブルは、同図からわかるように、それに対応する温度センサの出力(電圧値)と、当該温度センサの出力に対応するノズルブロック周辺温度と、そのノズルブロック周辺温度のもとで最適な非記録用パルス信号のパルス幅との関係を定めるものである。
上述のように構成されたインクジェットプリンタ1では、ホストコンピュータ100による画像データ(ビットマップ形式)の送信が開始されると、メインコントローラ30によって受け取られた画像データが、ドライバコントローラ31によってイメージメモリ34の各色ごとの記憶領域に格納される。記録媒体一枚分の画像データがイメージメモリ34に格納されると、フィーダートレイ5から、記録媒体Pがホストコンピュータ100から送信された画像データに対応する枚数だけ各記録ヘッドHK〜HY(記録位置)に向けて一定の速度で順次送り出される。なお、ホストコンピュータ100から画像データを受信してイメージメモリ34に格納する処理は、記録媒体Pの搬送処理および画像記録処理と互いに並行し行なわれるので、記録媒体Pに対して異なる画像を連続記録することができる。
ここで、インクジェットプリンタ1では、画像の記録を行なわない待機状態中においても、各記録ヘッドHK〜KYに配置されている温度センサTK1〜TY2…により、各記録ヘッドHK〜KYのノズルブロックの周辺温度が検出され、各温度センサTK1〜TY2…の検出値がメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30は、各温度センサの検出値に基づいて、何れかのノズルブロックの周辺温度がインクの吐出を行なうのに最適な温度よりも低い場合、対応するサブヒータに対する給電を指示し、各記録ヘッドHK〜HYの温度をインク吐出に最適な温度まで昇温させる。
そして、上述のように記録動作が開始された際、メインコントローラ30は、メモリ35からノズルブロックに対応した変更テーブルを読み出し、各変更テーブルから、各温度センサの検出値に対応する非記録用パルス信号のパルス幅、すなわち、現時点で各ノズルブロックに最適な非記録用パルス信号のパルス幅の値を読み出す。その後、メインコントローラ30は、各ノズルブロックについての非記録用パルス信号のパルス幅を設定するための非記録用パルス設定信号をヘッド駆動回路32に与える。
これと並行して、記録媒体Pが記録位置に達した段階で、メインコントローラ30に接続されたドライバコントローラ31は、イメージメモリ34に格納されている各色の画像データに基づいてヘッド駆動回路32に所定の信号を与える。ヘッド駆動回路32は、メインコントローラ30およびドライバコントローラ31とから信号を受け取ると、ドライバコントローラ31からの信号に基づいて、各記録ヘッドHK〜HYの実記録ノズルに対応する発熱体22にインク吐出を許容する熱エネルギを発生させるための実記録用パルス信号を生成する。
また、ヘッド駆動回路32は、ドライバコントローラ31からの信号に基づいて各記録ヘッドHK〜HYの各ノズル25のうち、非記録ノズルを識別し、メインコントローラ30からの非記録用パルス設定信号(非記録用パルス信号のパルス幅を設定するための信号)に基づいて、該当する非記録ノズルについて、それぞれの非記録ノズルが属するノズルブロックの周辺温度に応じたパルス幅をもった非記録用パルス信号を生成する。これにより、インクジェットプリンタ1では、各記録ヘッドHK〜HYの各ノズルブロックの周辺温度に応じて、きめ細かく非記録用パルス信号のパルス幅を設定することが可能となる。
従って、本実施形態のインクジェットプリンタ1によれば、非記録ノズルに対応する発熱体22を発熱させるための電力消費を必要最小限にしつつ、各記録ヘッドHK〜HY内の温度分布を均一に保って、記録媒体Pに濃度ムラのない画像を形成することができる。そして、記録ヘッドHK〜HYの内部全体が高温になっている場合に、本来はインクが吐出されないはずの非記録ノズルからインクが吐出されてしまうことを確実に防止することができる。この結果、所望の記録ノズルから正確にインクを吐出させることが可能となる。
なお、メインコントローラ30は、各記録ヘッドHK〜HYの温度(各温度センサTK1〜TY2…の検出値)が所定の値を上回ったと判断した場合、ヘッド駆動回路32による非記録用パルス信号の作成および送信処理を休止させる。同様に、メインコントローラ30は、操作パネル9を介してユーザにより省エネモードが選択された場合、ヘッド駆動回路32による非記録用パルス信号の作成および送信処理を休止させる。
本発明によるインクジェット記録装置を示す斜視図である。 図1のインクジェット記録装置の構成を説明するための概略構成図である。 図1のインクジェット記録装置に含まれる記録ヘッドを示す斜視図である。 図1のインクジェット記録装置に含まれる記録ヘッドの要部を示す斜視図である。 図1に示されるインクジェット記録装置の制御ブロック図である。 図1のインクジェット記録装置に含まれる変更テーブルの一例を示す図表である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
4 筐体
5 フィーダートレイ
6 フィーダ
7 スタッカ
10 記録媒体搬送系
11 メインタンク
12 サブタンク
20 シリコン基板
21 隔壁
22 発熱体
24 インク流路
25 ノズル
30 メインコントローラ
31 ドライバコントローラ
32 ヘッド駆動回路
33 増幅回路
34 イメージメモリ
35 メモリ
100 ホストコンピュータ
HK,HC,HLC,HM,HLM,HY 記録ヘッド
P 記録媒体

Claims (4)

  1. 複数のノズルおよび各ノズルに対応する複数の熱エネルギ発生素子をそれぞれ有する複数の記録ヘッドを適用可能であり、画像データに応じて前記熱エネルギ発生素子に熱エネルギを発生させ、当該熱エネルギ発生素子に対応するノズルから吐出されるインクによって記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    画像データに応じて、実際にインクを吐出させる実記録ノズルに対応する熱エネルギー発生素子にインク吐出を許容する熱エネルギを発生させるための実記録用パルス信号を生成すると共に、画像データに応じて、実際にインクを吐出させない非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子にインク吐出を許容しない程度の熱エネルギを発生させるための非記録用パルス信号を生成するヘッド駆動手段と、
    複数のノズルを区分けすることにより、各記録ヘッドごとに複数定められているノズルブロックと、
    各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに配置されており、各ノズルブロック周辺の温度を検知する温度検知手段と、
    各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに作成されており、各ノズルブロック周辺の温度と、前記非記録用パルス信号のパルス幅との対応関係を規定する変更テーブルと、
    各温度検知手段により検知された温度に基づいて、各変更テーブルから各ノズルブロック周辺の温度に対応するパルス幅を読み出し、読み出したパルス幅を示す信号を前記ヘッド駆動手段に与える制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録媒体に対する実際の記録動作中に、前記非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子に熱エネルギを発生させるための非記録用パルス信号のパルス幅を変化させ得ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、所定条件のもとで、前記ヘッド駆動手段による非記録用パルス信号の作成または送信を休止させることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 複数のノズルおよび各ノズルに対応する複数の熱エネルギ発生素子をそれぞれ有する複数の記録ヘッドを使用し、画像データに応じて、実際にインクを吐出させる実記録ノズルに対応する熱エネルギー発生素子に、インク吐出を許容する熱エネルギを発生させるための実記録用パルス信号を印加すると共に、画像データに応じて、実際にインクを吐出させない非記録ノズルに対応する熱エネルギ発生素子に、インク吐出を許容しない程度の熱エネルギを発生させるための非記録用パルス信号を印加しながら、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、
    各記録ヘッドの複数のノズルを複数のノズルブロックに区分けし、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに、各ノズルブロック周辺の温度を検知する温度検知手段を配置し、各記録ヘッドの各ノズルブロックごとに、各ノズルブロック周辺の温度と、前記非記録用パルス信号のパルス幅との対応関係を規定する変更テーブルを用意し、各温度検知手段により検知された温度に基づいて、各変更テーブルから各ノズルブロック周辺の温度に対応するパルス幅を読み出し、読み出したパルス幅を用いて前記非記録用パルス信号を生成することを特徴とするインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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