JP2007030197A - 被記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像濃度が高く、インク吸収性に優れた高品質な画像記録が可能で、かつ画像の長期保存における大気中の酸性ガスや光による画像の変退色、および高温高湿下での画像の滲みが効果的に防止された被記録媒体を提供すること。
【解決手段】支持体の少なくとも一方の面に空隙を有するインク受容層を設けてなる被記録媒体において、該インク受容層が含硫黄有機化合物を反応させて得られる高分子化合物を含有し、かつ該インク受容層のBET法による比表面積Aが75m2/g以上および細孔容積Vが0.55cm3/g以上であることを特徴とする被記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明はインクによる記録に好適な被記録媒体に関し、特にインクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに適用した際に、インク吸収性に優れ、高品質な画像記録が可能で、かつ長期保存における画像の変退色および高温高湿下での画像の滲みが抑制された被記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により紙などの被記録媒体に付着させると同時に、インクの溶媒成分が被記録媒体にしみ込むかまたは蒸発することで、色材成分が被記録媒体上に沈着し、画像や文字など(以下、単に「画像」という)の記録を行う記録方式である。また、インクジェット記録方式は、高速印字性、低騒音性および記録パターンの融通性に優れ、さらに多色化を容易に行うことができ、現像および画像定着が不要であるといった特徴がある。
特に、多色インクジェット方式で形成された画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による画像と比較しても遜色のない記録を得ることが可能で、作成部数が少ない場合には通常の印刷技術や写真技術より印刷コストが安価に済むという利点もあることから、近年、各種情報機器の画像記録装置として急速に普及している。例えば、デザイン業界におけるイメージデザインのアウトプット、写真画質が要求される印刷分野におけるカラー版下の作製、頻繁に取り替えられる看板や商品の見本など、フルカラー画像記録が必要な分野へと幅広く応用されつつある。また、最近では、パーソナルコンピューターやデジタルスチルカメラが広く普及したことから、一般家庭においてもインクジェットプリンターを用いて写真画像を出力する機会が多くなっている。
しかしながら、インクジェットプリンターで記録された画像は製版方式による多色印刷やカラー写真の画像と比較して、大気中の酸性ガスおよび光による退色や変色が著しく、長期保存には適していないのが現状である。従って画像の退色や変色を防止することへの要求は強く、これまでにその性能を改善するための提案が数多く為されてきた。
例えば、耐ガス性の向上を目的として、特許文献1ではチオエーテル系化合物、特許文献2ではヒドラジド系化合物、特許文献3および特許文献4には、チオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘導体、チオカルボヒドラジド誘導体などを含有させた被記録媒体が開示されている。また、特許文献5では、チオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘導体およびチオカルボヒドラジド誘導体からの1種類と、ヨウ素、ヨウ化物、ジチオカルバミン酸、チオシアン酸塩およびチオシアン酸エステルからの1種類とをそれぞれ含有させた被記録媒体が開示されている。
耐光性を向上させる方法としては、特許文献6、特許文献7および特許文献8では、フェノール系酸化防止剤、ベンゾフェノン系あるいはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を含有させた被記録媒体が開示されている。
また、特許文献9にはヒンダードアミン系化合物を含有したものが、特許文献10ではヒドラジド系化合物を含有した被記録媒体がそれぞれ提案されている。
さらに特許文献11および特許文献12では、インク受容層にアスコルビン酸、エリソルビン酸、またはエリソルビン酸ナトリウムを、特許文献13、特許文献14、特許文献15ではフラボノイドをインク受容層に含有させることで耐ガス性や耐光性を向上させた被記録媒体が開示されている。
しかしながら、これら低分子化合物を用いた従来の手法では、耐ガス性や耐光性に有効な化合物でも、非水溶性のものは水系の塗工液に添加できなかったり、水溶性のものであっても耐水性や高温高湿下での画像滲みを悪化させるという弊害があり、被記録媒体の性能を向上させるだけの量を添加することは困難であった。
一方、これら低分子化合物における諸問題を解決する手段として、スルフィド基等のユニットが組み込まれた、変色または褪色防止効果を有する高分子化合物を含有させた被記録媒体が提案されている。例えば、特許文献16では、ジアリルアミン系化合物と、スルフィド基またはチオカルボニル基を有するエチレン性不飽和化合物とのコポリマーを含有した被記録媒体が、特許文献17では、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオカルボニル基及びチオシアネート基のいずれかを有するカチオン性ポリウレタンを含有した被記録媒体が開示されている。しかしながら、これらの高分子化合物は、前記低分子化合物に比べて添加量に対する変色/褪色防止効果が低く、特に空隙型のインク受容層を有する被記録媒体に適用した場合、その改良効果を十分に発現できる量を添加すると、インク吸収性や画像濃度が低下するという問題を生じていた。
特開平01−115677号公報 特開昭61−154989号公報 特公平04−034953号公報 特開平07−314883号公報 特開平08−025796号公報 特開昭57−074192号公報 特開昭57−087989号公報 特開昭60−072785号公報 特開昭61−146591号公報 特開昭61−154989号公報 特開平07−195824号公報 特開平08−150773号公報 特開2001−071627号公報 特開2001−139850号公報 特開2001−301315号公報 特開2003−089266号公報 特開2004−345309号公報
本発明は、上記の実態に鑑みて為されたものであり、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターで記録する際に、画像濃度が高く、インク吸収性に優れた高品質な画像記録が可能で、かつ画像の長期保存における大気中の酸性ガスや光による画像の変退色、および高温高湿下での画像の滲みが効果的に防止された被記録媒体を提供することを目的としている。
本発明者らは、画像濃度が高く、インク吸収性に優れた高品質な画像記録が可能であり、大気中の酸性ガスと光による画像の変退色および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止した被記録媒体を得るために種々検討を重ねた結果、インク受容層中に含硫黄有機化合物を反応させて得られる高分子化合物を添加し、該インク受容層の比表面積および細孔容積を特定の範囲にすることで前述した課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、支持体の少なくとも一方の面に空隙を有するインク受容層を設けてなる被記録媒体において、該インク受容層が含硫黄有機化合物を反応させて得られる高分子化合物を含有し、かつ該インク受容層のBET法による比表面積A(m2/g)および細孔容積V(cm3/g)が、下記式(1)および下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする被記録媒体を提供する。
A≧75 (式1)
V≧0.55 (式2)
上記本発明においては、前記高分子化合物が、少なくとも下記化合物Aと化合物Bとを反応させて得られる化合物であること;前記インク受容層が、無機微粒子を含有すること;前記無機微粒子が、シリカ、アルミナおよび/またはアルミナ水和物であること;および前記無機微粒子が、比表面積と細孔容積の少なくとも一方が異なる複数の無機微粒子を混合したものであることが好ましい。
A:2つ以上の活性水素基を有する含硫黄有機化合物
B:2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
上記本発明の構成とすることで、画像濃度が高く、インク吸収性に優れた高品質な画像記録が可能で、さらに大気中の酸性ガスや光による画像の変退色および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止した被記録媒体を提供することができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明において使用する支持体としては、例えば、適度のサイジングが施された紙、無サイズ紙、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、紙の片面あるいは両面がポリオレフィンなどの樹脂で被覆された樹脂被覆紙(以下「レジンコート紙」と記す)などの紙類からなるもの;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレートおよびポリカーボネートなどの透明な熱可塑性樹脂フィルム;無機物の充填または微細な発泡により不透明化されたフィルムからなるシート状物質(合成紙など);さらにはガラスまたは金属などからなるシートなどが挙げられる。
上記支持体の中で上質紙などの紙を用いる場合、良好な発色性と解像度を得るために、ステキヒトサイズ度が15秒以上、さらには25秒以上のものを用いることが好ましい。
また、支持体上に形成されるインク受容層の光沢性を高め、銀塩写真と同等の画質を付与する場合には、非吸水性で平滑性の高いフィルムおよびレジンコート紙を用いるのが好ましく、少なくともインク受容層を形成する面が、JIS−B0601による10点平均粗さが0.5μm以下であり、かつJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が25〜75%である支持体がより好ましく使用できる。さらに、半光沢グレードの被記録媒体を得る場合には、インク受容層を形成する面がマット加工もしくはエンボス加工された、フィルムおよびレジンコート紙を用いるのが好ましい。
支持体の厚さには特に制限はないが、25μm〜500μmの範囲が好ましく、より好ましくは50μm〜300μmの範囲である。支持体の厚さが25μmより薄い場合は剛性が低く、手にした時の感触や質感あるいは不透明性が不十分となるなどの不都合が生じる。逆に、500μmより厚い場合には、得られた被記録媒体が剛直となり、プリンターの給紙走行に支障を来すことがある。また、支持体の重さについても特に制限はなく、おおよそ25g/m2〜500g/m2の範囲であることが好ましい。なお、これら支持体とインク受容層との接着強度を向上させるため、支持体表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施すことも可能である。
本発明においては、上記支持体上に、含硫黄有機化合物を反応させて得られる高分子化合物を含有するインク受容層を形成することで、本発明の被記録媒体が得られる。
上記高分子化合物は、2つ以上の活性水素基を有する含硫黄有機化合物(A)とイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(B)とを原料成分とした反応生成物(以下「高分子化合物I」という)、さらに前記化合物Aおよび化合物Bに加えて、2つ以上の活性水素基を有するアミン化合物(C)を反応させ、得られた高分子化合物のアミノ基の少なくとも一部を、酸または4級化剤によりカチオン化したもの(以下「高分子化合物II」という)である。
上記高分子化合物IおよびIIの原料成分である化合物Aとしては、特に限定はしないが、分子内にスルフィド基を少なくとも1つ以上有する化合物が好ましく、具体的には下記一般式(1)〜(6)により表される化合物を挙げることができる。また、以下の含硫黄有機化合物Aは単独、もしくは2種以上を同時に使用して本発明で用いる高分子化合物IおよびIIを合成することが可能である。
Figure 2007030197
(式中nは1または2を表す。また、R1はメチレン基、エチレン基、またはプロピレン基を表す。)
Figure 2007030197
(式中nは1または2を表す。また、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、水酸基またはアルキル基を表し、R2およびR3は同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2007030197
(式中nは0または1を表す。)
Figure 2007030197
(式中nは1または2を表す。また、R4は硫黄原子または酸素原子を表し、R5は硫黄原子または−SO2−を表し、R4およびR5は同一ではなく、それぞれ異なる基で構成される。)
Figure 2007030197
(式中R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、R6およびR7は同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2007030197
(式中R8は水酸基またはアルキル基を表す。)
本発明で用いられる高分子化合物IおよびIIの原料成分である化合物Bとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジクロロ−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらポリイソシアネート化合物を単独、もしくは2種以上同時に使用して、本発明で用いる高分子化合物IおよびIIを合成することが可能である。
本発明で用いる高分子化合物Iは、上記化合物Aと化合物Bとの反応生成物である。化合物Aと化合物Bとは、活性水素基を例えばOHとした場合、両者をOH/NCOの当量比をほぼ1前後で反応させることが好ましい。OH/NCOの当量比が1から大きく外れると得られる高分子化合物Iの分子量が大きくならないので好ましくない。好ましいOH/NCOは0.95〜1.05の範囲である。さらに上記化合物Aと化合物Bとの反応に際しては、化合物Aおよび後述する化合物C以外の2つ以上の活性水素基を有する化合物(以下「化合物D」という)を併用してもよい。これらの化合物Dについては後述するが、この場合にも全反応物のOH/NCOの当量比は1前後で合成を行うことが好ましい。
また、得られる高分子化合物Iにおいては、化合物Aから誘導されるユニットの高分子化合物I中に占める割合は、10〜70質量%であることが好ましい。より好ましくは30〜70質量%である。化合物Aユニットの含有量が上記範囲未満であると、充分な画像の変色または褪色防止効果を有する高分子化合物Iが得られない。一方、化合物Aユニットの含有量が上記範囲を超える割合であると、得られる高分子化合物Iが高価になり、また、高分子化合物Iを用いてインク受容層を構成する際の塗工液に対する溶解性や分散性が劣る場合が生じる。このようにして得られた高分子化合物Iの重量平均分子量は後述の理由と同様の理由で1,000〜150,000の範囲が好ましい。
本発明で用いる高分子化合物IIにおいては、前記化合物Aと前記化合物Bとの反応に際して、さらに2つ以上の活性水素基を有するアミン化合物Cを反応させ、得られる高分子化合物II中に化合物Cユニットを組み込み、該ユニット中のアミノ基の少なくとも一部をカチオン化することが好ましい。化合物Cとしては、下記一般式(7)で表わされるような3級アミンが好ましい。
Figure 2007030197
(式中、R1、R2、R3はいずれか一つが炭素数1〜6のアルキル基、アルカノール基、またはアミノアルキル基であり、それ以外は同一もしくは異なっていてもよく、アルカノール基、アミノアルキル基、またはアルカンチオール基を表す。)
上記一般式(7)で表される化合物の具体例としては、例えば、ジオール化合物としてN−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−イソブチル−N,N−ジエタノールアミン、N−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、N−t−ブチル−N,N−ジイソプロパノールアミンなどが挙げられ、トリオール化合物としてはトリエタノールアミンなどが挙げられる。また、ジアミン化合物としてはメチルイミノビスプロピルアミン、ブチルイミノビスプロピルアミンなどが挙げられ、トリアミン化合物としてはトリ(2−アミノエチル)アミンなどが挙げられる。これらアミン化合物は単独、または2種以上同時に使用して本発明で用いる高分子化合物IIを合成することが可能である。
本発明で用いる高分子化合物IIは、上記の通り化合物Aと化合物Bと化合物Cとを反応させ、化合物Aユニットと化合物Bユニットと化合物Cユニット(該ユニット中の3級アミノ基はカチオン化されている)を分子中に含む高分子として得られる。該高分子化合物IIの機能を十分に発現させるためには、該高分子化合物II中の化合物Cの含有量がモル比で5.5〜18.5%の範囲であることが好ましい。化合物Cの含有量がモル比で5.5%より低いと、親水基の含有率が低下してしまい、高分子化合物IIの水分散体を調製することが困難となり、インク受容層を形成する際の水性塗工液中への配合が難しくなる場合がある。一方、化合物Cの含有量がモル比で18.5%より高いと、該高分子化合物IIを含有させた被記録媒体において、光沢度や印字濃度が低下するといった問題が生じる場合がある。
本発明で用いる高分子化合物IIは、化合物Cのモル比が上記の範囲でれば、化合物Cユニットは、該高分子化合物II中において3〜80質量%を占めることが可能である。この範囲を超えると、前述したような高分子化合物II自体の水分散性の低下、および高分子化合物IIを含有させた被記録媒体における光沢度や印字濃度の低下を引き起こす場合がある。
本発明で用いる高分子化合物IIにおいて、化合物Cの含有量が前述した範囲であれば、該高分子化合物II中に組み込まれた化合物Aユニットの質量は、該高分子化合物II中において10〜65質量%を占めることが好ましい。より好ましくは30〜65質量%を占める割合である。化合物Aユニットの占める割合が10質量%未満では、画像の変色/褪色防止効果が不十分となる場合がある。一方、化合物Aユニットの占める割合が65質量%を超えると、相対的に親水性基の含有率が低下してしまい、高分子化合物IIの水分散物を調製する際に不都合となる場合がある。
また、化合物Bは、化合物Aと化合物Cとを連結させる機能を有し、その使用量は特に限定されないが、化合物Cの含有量が前述した範囲であれば、化合物Bユニットの質量は、得られる高分子化合物II中において10〜80質量%を占めることが好ましい。より好ましくは30〜60質量%を占める割合である。化合物Bユニットの占める割合がこの範囲内であれば、化合物Aと化合物Cの各ユニットの機能を充分発揮するに足る量を結合することができる。
また、上記化合物A〜Cを用いる高分子化合物IIの製造方法は、上記化合物A〜Cを一度に反応させてランダム重合体とする、所謂ワンショット方法でもよいし、化合物A(または化合物C)と化合物Bとをイソシアネート基リッチの割合で反応させて、末端イソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、該プレポリマーと化合物C(または化合物A)とを反応させる、所謂プレポリマー法を用いてもよい。また、いずれの方法においても低分子量ポリオールや低分子量ジアミンなどの鎖伸長剤を併用してもよい。また、得られる高分子化合物IIの分子量は、化合物A〜Cの使用量の変更や、モノアルコールやモノアミンなどの反応停止剤を適当なタイミングで反応系に添加することによって調整することができる。
このようにして得られた高分子化合物IまたはIIの重量平均分子量は、反応条件にもよるが、1,000〜150,000の範囲が好ましく、2,000〜50,000の範囲がさらに好ましい。高分子化合物の重量平均分子量が1,000未満では光沢度や印字濃度が低下する場合があり、150,000を越えると反応時間が長くなり製造コストが増加するので好ましくない。
また、本発明で用いる高分子化合物IまたはIIの製造に際しては、前記化合物Aおよび化合物C以外の2つ以上の活性水素基を有する化合物Dを必要に応じて共重合させてもよい。このような化合物Dとしては、以下のようなポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、またはポリカーボネートポリオールを単独、もしくは2種以上同時に使用して、本発明に用いられる高分子化合物IまたはIIを合成することも可能である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量が300〜1,000であるポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、アルキレンオキシド付加体などのグリコール成分と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘンデカンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p′−ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物ないしエステル形成性誘導体などの酸成分とから、脱水縮合反応によって得られたポリエステル類をはじめとして、さらにはε−カプロラクトンなどの環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、またはそれらの共重合ポリエステル類などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、アコニット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオールなどの活性水素を少なくとも2個有する化合物を、開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を用いて、常法により付加重合したものが挙げられる。また、他のポリエーテルポリオールとして、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの1級アミノ基を少なくとも2個有する化合物を開始剤として用いて、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したものを用いることもできる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどのグリコールとジフェニルカーボネートおよびホスゲンとの反応によって得られる化合物などが挙げられる。
本発明で用いられる前記高分子化合物IおよびIIの合成に際しては、イソシアネート重付加反応において、錫系触媒および/またはアミン系触媒を用いることが望ましい。かかる錫系触媒としては、ジブチルスズジラウレート、スタナスオクトエートなどが挙げられ、アミン系触媒としてはトリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルモルホリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記のイソシアネート重付加反応は、組成によって無溶剤下で行うことも可能であるが、反応系の反応抑制やベース粘度コントロールなどの目的でイソシアネート重付加反応系に直接関与しない親水性有機溶剤を反応溶媒として用いることが一般的である。このような親水性有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンの如きケトン類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルの如き有機酸エステル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンの如きアミン類などが挙げられる。また、使用した親水性有機溶剤は最終的に取り除かれるのが好ましい。
本発明で用いる高分子化合物IIは、含有する化合物Cユニットの3級アミノ基の少なくとも一部を、該高分子化合物IIの合成前または合成後に、酸または4級化剤でカチオン化することで、水中に分散または溶解することができる。
なお、前記高分子化合物IIを後述する好ましい粒子径で水中に分散あるいは溶解させるには、酸を用いてカチオン化する方が好ましく、酸としてリン酸または一価の酸を用いることがより好ましい。リン酸としては、例えば、リン酸、亜リン酸が挙げられる。また一価の酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸などの有機酸、および塩酸、硝酸などの無機酸が挙げられる。これらの酸が好ましい理由については、リン酸以外の多価酸を用いてカチオン化した高分子化合物IIでは、これを水中に分散または溶解させた場合に増粘を起すことがあるためである。また、グリコール酸や乳酸などのヒドロキシ酸でカチオン化した高分子化合物IIは、被記録媒体に適用した場合に、他の酸でカチオン化した高分子化合物IIと比べて白紙部の黄変を抑制する効果があることから、特に好ましく用いることができる。
以上の如き方法で得られる本発明で用いる高分子化合物IIの中で特に好ましいものは、下記一般式(8)〜(13)で表される化合物である。
Figure 2007030197
(式中nは1または2を、R1はメチレン基、エチレン基、またはプロピレン基を、R9はアルキレンもしくは複脂環を1つ以上含む脂肪族炭化水素基を、R10は炭素数1〜4のアルキル基を、R11およびR12はそれぞれ独立で水素原子もしくはメチル基を、X-は酸陰イオンを表す。mは重量平均分子量が1,000〜150,000になる数である。)
Figure 2007030197
(式中nは1または2を、R2およびR3はそれぞれ独立で水素原子、水酸基またはアルキル基を、R2およびR3は同一であっても異なっていてもよい。なお、R912およびX-およびmは一般式(8)と同義である。)
Figure 2007030197
(式中nは0または1を表す。R912およびX-およびmは一般式(8)と同義である。)
Figure 2007030197
(式中nは1または2を、R4は硫黄原子または酸素原子を、R5は硫黄原子または−SO2−、R4およびR5は同一ではなく、それぞれ異なる基で構成される。なお、R912およびX-およびmは一般式(8)と同義である。)
Figure 2007030197
(式中R6およびR7はそれぞれ独立で水素原子またはアルキル基を表し、R6およびR7は同一であっても異なっていてもよい。なお、R912およびX-およびmは一般式(8)と同義である。)
Figure 2007030197
(式中R8は水酸基またはアルキル基を表す。なお、R912およびX-およびmは一般式(8)と同義である。)
なお、本発明で用いる高分子化合物IIを水性媒体に分散した場合、保存安定性の観点から該分散体の平均粒子径は5nm〜500nmの範囲であることが好ましい。また、本発明でいう平均粒子径は動的光散乱法によって測定され、「高分子の構造(2)散乱実験と形態観察 第1章 光散乱」(共立出版 高分子学会編)、あるいはJ.Chem.Phys.,70(B),15 Apl.,3965(1979)に記載のキュムラント法を用いた解析から求めることができる。本発明で定義される平均粒子径は、例えばレーザー粒径解析装置 PARIII(大塚電子株式会社製)等を用いて容易に測定することができる。
本発明の被記録媒体は、そのインク受容層が上記本発明で用いる高分子化合物Iおよび/または高分子化合物II(以下単に「高分子化合物」という場合がある)を含むことを特徴としている。インク受容層の形成は、適当な支持体の表面に、上記高分子化合物、適当なバインダー、適当な無機微粒子、カチオン性ポリマーなどの他の添加剤を水系溶媒中に分散溶解させた塗工液を塗布および乾燥させる方法、あるいは高分子化合物を含まない塗工液でインク受容層を形成し、その後に適当な方法、例えば、オーバーコートなどの方法で、前記高分子化合物をインク受容層中に含浸させる方法などによって行われる。
本発明で用いる高分子化合物の含有量は、インク受容層に対して固形分換算で0.05〜20質量%であることが好ましく、より好ましくはインク受容層に対して固形分換算で0.05〜15質量%の範囲、さらに好ましくはインク受容層に対して固形分換算で0.05〜10質量%の範囲である。含有量がこの範囲であれば大気中のガスと光による画像の退色や変色、および高温高湿下での画像滲みを効果的に防止することができる。インク受容層に対する含有量が0.05質量%未満では本発明の目的であるガスや光による画像の退色や変色を充分防止することができず、また、含有量が20質量%を超えると、インク吸収性の悪化や印字濃度の低下を引き起こす恐れがある。
本発明の被記録媒体は、インクを吸収するためにインク受容層中に微細な空隙を有することが好ましく、このような空隙を形成するために無機微粒子を添加してもよい。無機微粒子としては、インク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能な微粒子であることが好ましい。このような無機微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ケイソウ土、アルミナ、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、リトポン、ゼオライトなどが挙げられ、これらを単独あるいは複数種併用することができる。
上記無機微粒子の形態としては、高光沢かつ高透明性のインク受容層を得るために、平均粒径が50nm〜500nmの範囲が好ましく、より好ましくは100nm〜300nmの範囲である。無機微粒子の平均粒径が50nmより小さい場合、インク受容層のインク吸収性が著しく低下し、吐出量の多いプリンターで印字した際にインクの滲みやビーディングが発生する。一方、平均粒径が500nmより大きい場合は、インク受容層の透明性が低下するとともに、画像の印字濃度や光沢が低下する場合がある。なお、本発明でいう平均粒径は動的光散乱法によって測定され、「高分子の構造(2)散乱実験と形態観察 第1章 光散乱(共立出版 高分子学会編)」、あるいは「J.Chem.Phys.,70(B),15 Apl.,3965(1979)」に記載のキュムラント法を用いた解析から求めることができる。
また、上記無機微粒子の比表面積は、50〜500m2/gの範囲のものが好ましく、単独の粒子もしくは比表面積の異なる幾つかの粒子を併用して、後述するインク受容層の比表面積を形成できるものを使用する。なお、本発明でいう比表面積は、BET法により求めることができる。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体として窒素ガスが用いられ、吸着量を被吸着気体の圧または容積の変化から測定する方法が一般的である。多分子吸着の等温線を表す著名なものとして、Brunauer Emmett Tellerの式(BET式)があり、これに基づき吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
上記無機微粒子の細孔容積については、0.1〜2.0cm3/gの範囲のものが好ましく、単独の粒子もしくは細孔容積の異なる幾つかの粒子を併用して、後述するインク受容層の細孔容積を形成できるものを使用する。なお、本発明でいう細孔容積は、気相吸着法により測定することができる。
本発明においては、前述した無機微粒子の中で、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物などが好ましく使用でき、さらに、形成するインク受容層の透明性や平滑性に優れ、より微細な空隙を形成できること、また、粒子表面が正電荷を有し、インク中の染料の定着性が良いという点で、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物がより好ましく使用できる。
本発明で用いられるアルミナ水和物は、下記一般式(14)により定義される。
Figure 2007030197
式中、nは0、1、2または3の整数の内、いずれかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。mH2Oは多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、この種のアルミナ水和物をか焼した場合、mは0の値に達することがあり得る。
一般にベーマイト構造を示すアルミナ水和物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示す。ベーマイト構造としては、完全ベーマイトの他に擬ベーマイトと称する、過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造を取ることもできる。この擬ベーマイトのX線回折パターンは完全なベーマイトよりも幅広な回折ピークを示す。完全ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別できるものではないので、以下特に断らない限り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物という。
アルミナ水和物の製造方法としては、特に限定はされないが、例えば、バイヤー法、明バン熱分解法などのいずれの方法も採用することができる。特に好ましい方法は、長鎖のアルミニウムアルコキシドに対して酸を添加して加水分解する方法である。ここで、長鎖のアルミニウムアルコキシドとは、例えば、炭素数が5以上のアルコキシドであり、さらに炭素数12〜22のアルコキシドを用いると、後述のようなアルコール分の除去、およびアルミナ水和物の形状制御が容易になるため好ましい。上記アルミニウムアルコキシドの加水分解による方法は、アルミナヒドロゲルやカチオン性アルミナを製造する方法と比較して各種イオンなどの不純物が混入し難いという利点がある。さらに長鎖のアルミニウムアルコキシドは加水分解後の長鎖のアルコールが除去しやすいため、例えば、アルミニウムイソプロキシドなどの短鎖のアルコキシドを用いる場合と比較して、アルミナ水和物の脱アルコールを完全に行うことができるという利点もある。
上記方法によって得られたアルミナ水和物は、水熱合成の工程を経て、粒子を成長させる熟成工程の条件を調整することにより、アルミナ水和物の粒子形状を特定範囲に制御することができ、熟成時間を適当に設定すると、粒径が比較的均一なアルミナ水和物の一次粒子が成長する。ここで得られたゾルは、解膠剤として酸を添加することで、そのまま分散液として用いることもできるが、アルミナ水和物の水への分散性をより向上させるため、ゾルをスプレードライなどの方法により粉末化した後、酸を添加して分散液とすることが好ましい。
本発明においてインク受容層中に上記無機微粒子を添加する場合、水性溶媒中に無機微粒子が分散された微粒子分散液を予め調製しておくことが好ましい。分散液の調製には一般に解膠剤が用いられるが、このような解膠剤としては従来公知のものが使用でき、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸などの有機酸、および塩酸、硝酸などの無機酸が挙げられ、それらの中から1種または2種以上を自由に選択して用いることができる。また、解膠剤として酸を使用する代わりに、各種界面活性剤あるいは高分子分散剤を用いて分散液を造ることもできる。さらに、有機酸とカチオン性ポリマーを併用し、水性溶媒中に無機微粒子を分散解膠することで微粒子分散液を調製してもよい。
酸の使用量は、無機微粒子の使用量、粒径および比表面積によって異なるが、水溶性溶媒中で微粒子を解膠するのに最低限必要な量であればよく、無機微粒子に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲が望ましい。使用量が0.1質量%未満の場合、経時的に分散液の粘度が上昇することがあるので好ましくない。逆に、使用量が10質量%を超えた場合では分散効果はそれ以上増大することはなく、高温高湿下での画像の滲みが悪化したり、インク受容層中に残留する酸濃度が増加してインク受容層自体のpHが低くなり、ビーディングが発生して画像品質が著しく低下する場合がある。
微粒子分散液中の無機微粒子の濃度としては、分散液全質量に対し5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%の範囲がより好ましい。無機微粒子の濃度が低いと、最終的に調製する塗工液の固形分濃度が下がり、塗工後の乾燥に多くの時間とエネルギーを要することから生産効率が低下する。また、無機微粒子の濃度が高すぎると分散液の粘度が高くなり、後工程でのハンドリングに負荷が掛かるため好ましくない。
本発明で用いる微粒子分散液における水性溶媒としては、水、または水に混合可能な有機溶剤との混合溶液であれば特に制限はない。水に混合可能な有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフランなどのエーテル類が挙げられる。
本発明で用いる微粒子分散液の調製方法としては特に限定はしないが、例えば、前記水性溶媒中に酸を溶解し、これに無機微粒子を添加して分散する方法;水性溶媒中に酸を適量添加し、これに無機微粒子を分散した後、酸をさらに添加して所望の粒径および粘度にコントロールしてもよい。
水性溶媒、あるいは酸を含む水性溶媒への無機微粒子の分散手段としては、連続式、あるいはバッチ式のいずれの方法も使用できる。また、分散機としては、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、湿式メディア型粉砕機(サンドミル、ボールミル)、連続式高速撹拌型分散機、超音波分散機など、従来より公知の様々な分散機を使用することができる。
本発明で用いる微粒子分散液の粘度については特に限定しないが、分散液自体の保存安定性が良好で、後工程のハンドリングに負荷を掛けない程度であればよく、好ましくは300mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下であることが望ましい。
本発明の被記録媒体を製造するにあたり、インク受容層を形成するために調製される塗工液には、前記無機微粒子とともに、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂などのバインダーが使用される。本発明で使用される水溶性樹脂および/または水分散性樹脂としては、例えば、澱粉、ゼラチン、カゼイン、およびそれらの変性物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはその変性物(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性など)、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸またはその共重合体、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体、ポリエステル系樹脂、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、およびこれらの各種重合体ラテックスにカチオン性基またはアニオン性基を付与した官能基変性重合体ラテックス類などが挙げられる。好ましいのは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールであり、平均重合度が300〜5,000のものである。また、ケン化度は70〜100%未満のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。また、これらの水溶性樹脂または水分散性樹脂は単独あるいは複数種混合して用いることができる。
上記バインダー(A)の使用量は、無機微粒子(B)に対する混合質量比でA/B=1/30〜1/1が好ましく、より好ましくはA/B=1/20〜1/1.5の範囲である。バインダーの量がこれらの範囲内であれば、形成されたインク受容層のひび割れや粉落ちが発生し難くなり、インク吸収性も良い。また、本発明で用いる無機微粒子とバインダーの混合方法については特に限定はしないが、好ましいのは、予め必要に応じた量の水性媒体に水溶性樹脂または水分散性樹脂を溶解し、これを微粒子分散液と混合する方法であり、バッチ式あるいは連続式のいずれの方法でも混合可能である。
水性媒体としては、水、または水に混合可能な有機溶剤との混合溶液であれば特に制限はなく、水に混合可能な有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフランなどのエーテル類が挙げられる。
また、本発明の被記録媒体においては、無機微粒子、および水溶性樹脂または水分散性樹脂によって形成される皮膜の造膜性、耐水性および皮膜強度を改善するために、インク受容層中に硬膜剤を添加してもよい。一般に、硬膜剤は使用するポリマーが持つ反応性基の種類によって様々なものが選択され、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂であれば、エポキシ系硬膜剤や、ホウ酸あるいは水溶性アルミニウム塩などの無機系硬膜剤などが挙げられるが、本発明で使用する硬膜剤としては、ホウ素原子を中心とした酸素酸またはその塩などのホウ素化合物、具体的には、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸およびそれらの塩が好ましく使用できる。
硬膜剤の使用量は、バインダーとして用いる水溶性樹脂および/または水分散性樹脂の量によって変化するが、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂に対して、概ね0.1〜30質量%の割合で添加するとよい。硬膜剤の含有量が、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂に対して0.1質量%未満の場合では、造膜性が低下し十分な耐水性が得られない。逆に、30質量%を超える場合では、例えば、後述するバッチ方式で塗工を行う場合に塗工液粘度の経時変化が大きくなり、塗工安定性が低下することがある。
硬膜剤をインク受容層に添加する方法については、無機微粒子とバインダーを含む塗工液に直接硬膜剤を添加してバッチ方式で塗工を行う方法;硬膜剤を予め微粒子分散液に添加しておき、塗工直前にバインダーと連続的に混合しながら塗工を行う方法;硬膜剤を別の水性媒体に溶解しておき、塗工直前に無機微粒子とバインダーを含む塗工液へインライン添加する方法;さらには、無機微粒子とバインダーを含む塗工液の塗工前後に、硬膜剤を含む溶液を塗工する方法などがあり、いずれの方法も利用できる。
また、高分子化合物のインク受容層への添加方法については特に限定はしないが、例えば、無機微粒子とバインダーを含む塗工液に直接高分子化合物を添加してバッチ方式で塗工を行う方法;高分子化合物を予め微粒子分散液またはバインダーを含有する液のいずれかに添加しておき、塗工直前にバインダーを含有する液または微粒子分散液と連続的に混合しながら塗工を行う方法;高分子化合物を別の水性媒体に分散しておき、塗工直前に無機微粒子とバインダーを含む塗工液へインライン添加する方法;さらには、無機微粒子とバインダーを含む塗工液の塗工前後に、高分子化合物を含有する液を塗工する方法などがあり、いずれの方法も利用できる。
従って本発明の被記録媒体の構成としては、支持体上に少なくとも前記高分子化合物を含有するインク受容層を設けたもの;前記高分子化合物を含む塗工液をインク受容層上にオーバーコートしたもの;あるいは前記高分子化合物を含む塗工液を支持体表面に微量塗工してインク受容層を形成させた構成などが選択できる。本発明では、これらの構成も「支持体の表面にインク受容層が形成された」ものとして包含する。
インク受容層を形成するための塗工液中の固形分濃度は、支持体上にインク受容層を形成できる程度の粘度であれば特に制限はないが、塗工液全質量に対して5〜50質量%が好ましい。固形分濃度が5質量%未満の場合は、インク受容層の膜厚を厚くするのに塗工量を増やす必要があり、乾燥に多くの時間とエネルギーを必要とすることから非経済的である。また、50質量%を超えると塗工液の粘度が高くなり、塗工性が低下する場合がある。
また、前記塗工液には、本発明の効果を妨げない範囲内で各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、消泡剤、インク定着剤、ドット調整剤、着色剤、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、浸透剤、帯電防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤(退色防止剤)などを挙げることができる。
調製された塗工液を支持体上に塗工する方法としては、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、スピンコーター法、スプレーコーター法、グラビアコーター法、カーテンコーター法、ダイコーター法など、従来より公知の塗工方法を用いることができる。その後、熱風乾燥機、熱ドラム、遠赤外線乾燥機などの乾燥装置を用いて乾燥することで、インク受容層を形成することができる。なお、本発明の被記録媒体におけるインク受容層は、前記高分子化合物、無機微粒子、バインダーおよびその他の添加剤の各組成比を変更して多層形成してもよく、支持体の片面もしくは両面に形成することが可能である。また、画像の解像度および搬送性などを向上させる目的で、カレンダーやキャストなどの装置を用いて平滑化処理してもよい。
塗工液の支持体上への塗工量として好ましい範囲は、固形分換算で0.5〜60g/m2であり、より好ましい範囲は5〜55g/m2である。塗工量が0.5g/m2未満の場合は、形成されたインク受容層がインクの水分を十分に吸収できず、インクが流れたり、画像が滲んだりする場合があり、60g/m2を超えると、乾燥時にカールが発生したり、印字性能に期待されるほど顕著な効果が現れない場合がある。
また、形成されたインク受容層の比表面積(A)は、75m2/g以上であり、より好ましくは75〜300m2/gの範囲、さらに好ましい範囲は75〜200m2/gである。比表面積が75m2/g未満の場合は、画像濃度が低下して、印字物が白くモヤのかかったような画像になりやすい。また、比表面積が300m2/gを超えるとインク吸収性が低下する場合がある。さらに、形成されたインク受容層の細孔容積(V)は、比表面積が上記範囲において、0.55cm3/g以上であり、より好ましくは0.55〜2.00cm3/gの範囲、さらに好ましくは0.55〜1.00cm3/gの範囲であることが望ましい。細孔容積が0.55cm3/g未満の場合、インクを十分に吸収できず、インクが流れたり、画像が滲んだりする場合がある。また、細孔容積が2.0cm3/gを超えると画像の印字濃度や光沢が低下する場合がある。
このようにして得られた本発明の被記録媒体は、インク吸収性に優れた高品質な画像記録が可能で、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色、および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止することができる。画像の変色および退色を防止した理由については明確ではないが、少なくとも前記高分子化合物がインク受容層中でラジカルや過酸化物の発生を抑制していると推察される。また、高温高湿下での画像滲みが防止された理由については、化合物Aや化合物Cが有する水酸基が高分子化することにより大幅に減少し、元来有していた吸湿性が低減したことが原因であると推察される。
本発明の被記録媒体に画像を記録する際に使用するインクは、特に限定しないが、媒体として水と水溶性有機溶剤との混合物を使用し、これに色材として染料または顔料を溶解または分散した一般的なインクジェット記録用の水性インクが好ましく使用できる。
前記被記録媒体に上記インクを付与して画像形成を行う方法としては、インクジェット記録方法が特に好適であり、このインクジェット記録方法としてはインクをノズルより効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であれば如何なる方法でもよい。特に特開昭54−59936号公報などに記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例中、「部」および「%」は特に記載が無い限り質量基準である。
<高分子化合物Aの製造方法>
以下のようにして高分子化合物Aを製造した。
撹拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン109gを投入し、撹拌下3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを40.00gおよびメチルジエタノールアミン6.79g溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを62.07g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を0.2g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して85%蟻酸3.09gを加えてカチオン化した。さらに水446gを加えた後、減圧濃縮してアセトンを除去し、水で濃度調製することにより、固形分20%の高分子化合物水分散液(高分子化合物A)を製造した。
<高分子化合物Bの製造方法>
以下のようにして高分子化合物Bを製造した。
撹拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン81gを投入し、撹拌下3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを30.00gおよびtert−ブチルジエタノールアミン6.98g溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを44.28g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を0.4g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら5時間反応を行った。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して35%塩酸4.51gを加えてカチオン化した。さらに水331gを加えた後、高分子化合物Aの製造方法と同様にして、固形分20%の高分子化合物水分散液(高分子化合物B)を製造した。
<高分子化合物Cの製造方法>
以下のようにして高分子化合物Cを製造した。
撹拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン258gを投入し、撹拌下5−ヒドロキシ−3,7−ジチア−1,9−ノナンジオールを40.00gおよびメチルジエタノールアミン6.29g溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを54.17g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を0.1g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら2時間反応を行った。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して85%蟻酸2.86gを加えてカチオン化した。さらに水412gを加えた後、高分子化合物Aの製造方法と同様にして、固形分20%の高分子化合物水分散液(高分子化合物C)を製造した。
<高分子化合物Dの製造方法>
以下のようにして高分子化合物Dを製造した。
撹拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン140gを投入し、撹拌下3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを68.13g溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを79.66g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を0.4g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行った。室温まで冷却した後1,190gのアセトンを加えることで固形分10%の高分子化合物アセトン溶液(高分子化合物D)を製造した。
高分子化合物A〜Dの合成成分と量比を表1に示す。表2にはGPC(Gel Permeation Chromatography、コントローラー:SC8010、検出器:RI8012、東ソー(株)製)により測定した、重量平均分子量と分子量分布(Mw/Mn)を示す。また、赤外分光光度計(FT/IR−5300、日本分光株式会社製)により、ウレタン基の特徴を示す吸収(1,730〜1,690cm-1のC=O伸縮振動、1,540cm-1付近のN−H変角振動、3,450〜3,300cm-1付近のN−H伸縮振動)を検出したことから、全ての反応で重合が起こり、原料成分が高分子化したことを確認した。
Figure 2007030197
上記表1の高分子化合物A〜Cは20%水分散液であり、高分子化合物Dは10%アセトン溶液である。
Figure 2007030197
<アルミナ分散液Aの調整>
米国特許第4,242,271号明細書に記載された方法で、アルミニウムドデキシドを製造した。次に米国特許第4,202,870号明細書に記載された方法で、前記アルミニウムドデキシドを加水分解してアルミナスラリーを製造した。このアルミナスラリーに、アルミナ水和物固形分が7.7%になるまで水を加えた。この時、アルミナスラリーのpHは9.4であり、これに3.9%の硝酸溶液を加えてpHを調整した。次にオートクレーブを用いて、熟成前のpH:6.0、熟成温度:150℃、熟成時間:6時間にて熟成を行いコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを入口温度87℃でスプレードライしてアルミナ水和物を得た。さらに、イオン交換水100部に、得られたアルミナ水和物を27.3部、6%−酢酸水溶液を9.10部(アルミナ水和物に対して2%)添加し、スリーワンモータ(BL600、新東科学(株)社製)を用いて350rpmで10分間撹拌して、固形分濃度が20%のアルミナ分散液Aを調製した。
<アルミナ分散液Bの調整>
熟成温度:175℃、熟成時間:5時間とした以外は、アルミナ分散液Aの製造と同様にしてアルミナ分散液Bを製造した。
<アルミナ分散液Cの調整>
米国特許第4,242,271号明細書、米国特許4,202,870号明細書に記載された方法でアルミニウムオクタキシドを合成し、これを加水分解してアルミナスラリーを製造した。このアルミナスラリーにアルミナ水和物固形分が5%になるまで水を加えた。次に、80℃に昇温して10時間熟成反応を行った後、スプレードライしてアルミナ水和物を得た。さらに、このアルミナ水和物をイオン交換水に混合・分散し、硝酸によりpH5に調整した後、95℃に昇温し、アルミン酸ソーダを添加してpH10に調整し、12時間熟成反応を行ってコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを脱塩処理した後、酢酸を添加して解膠処理し、固形分濃度が20%のアルミナ分散液Cを調製した。
<評価1:アルミナ水和物の比表面積および細孔容積>
アルミナ分散液A〜Cを60℃で乾燥し、アルミナ水和物A〜Cとした。さらに得られたアルミナ水和物を120℃で24時間真空脱気した後、比表面積/細孔分布測定装置(TriSter3000、マイクロメリティックス((株)島津製作所)社製)を用いて測定した。吸着ガスとしては窒素を用いた。また、比表面積はBET法により求め、細孔容積は細孔半径が100nm以下の細孔の全細孔容積から求めた。得られた値を表3に示す。
<評価2:アルミナ水和物の結晶構造>
アルミナ分散液A〜Cを60℃で乾燥し、アルミナ水和物A〜Cとした。得られたアルミナ水和物をX線回折装置(X'Pert-PRO、PANalytical社製)により測定し、回折プロファイルの角度および強度から結晶構造を特定した。アルミナ水和物A〜Cの結晶構造は全てベーマイトであった。
Figure 2007030197
<実施例1>
先程調製したアルミナ分散液A70部とアルミナ分散液C30部を混合し、これにホウ酸を0.4部(ポリビニルアルコールに対して20%)、高分子化合物A(20%水分散液)を4部(アルミナ水和物に対して4%)添加し、さらにポリビニルアルコール(PVA245、(株)クラレ社製)の5%水溶液を40部(アルミナ水和物に対して10%)添加してスリーワンモータで均一になるまで撹拌し、塗工液を調製した。その後、支持体としてポリエチレン被覆紙(厚さ:224μm、坪量234g/m2;JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が64%)を用い、その上に先程調製した塗工液を乾燥塗工量が35g/m2となるようメイヤーバーで塗工し、送風定温乾燥器((株)東洋製作所社製、FC−610)で110℃、20分間乾燥して本発明の被記録媒体を作製した。得られた被記録媒体について下記評価3〜8を行った。結果を表4および表5に示す。
<評価3:インク受容層の比表面積および細孔容積>
支持体としてPETフィルム(ルミラー、日東紡績(株)製:厚さ:224μm)を用い、その上に先に調製した塗工液を乾燥塗工量が35g/m2となるようメイヤーバーで塗工し、送風定温乾燥器((株)東洋製作所社製、FC−610)で110℃、20分間乾燥してインク受容層を形成した。これを細かく切断し、80℃で24時間真空脱気した後、比表面積/細孔分布測定装置(TriSter3000、マイクロメリティックス((株)島津製作所)社製)を用いて測定した。吸着ガスとしては窒素を用いた。また、比表面積はBET法により求め、細孔容積は細孔半径が100nm以下の細孔の全細孔容積から求めた。得られた値を表4に示す。
得られた被記録媒体の諸物性について、下記の要領で評価を行った。
<評価4:印字濃度についての評価方法>
作製した上記の被記録媒体に、インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いてブラック(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インクおよびイエロー(Y)インクを単色で、かつインク打込量100%でベタ印字し、各色の光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、RD−918)を用いて測定した。得られた値を表5に示す。
<評価5:インク吸収性についての評価方法>
作製した上記の被記録媒体に、インクジェットプリンタ(BJ F870、キヤノン(株)社製)を用いて、インク打込量が90%〜270%の範囲で、グリーン(シアンインク/フォトシアンインク/イエローインクの混合比率が85/90/100)のベタ印字を行い、ビーディングが発生しない最大打込量を求めることでインク吸収性の評価を行った。インク打込量が200%以上のものを「○」、インク打込量が170%以上かつ200%未満のものを「△」、インク打込量が170%未満のものを「×」とした。結果を表5に示す。
<評価6:ガスによる退色・変色抑制効果についての評価方法>
インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いて、ブラック(Bk)インクおよびシアン(C)インクを単色で、かつインク打込量100%でベタ印字した被記録媒体を、オゾン暴露試験機(スガ試験機社製、特注品)に入れて、40℃・55%RHの条件下で濃度1ppmのオゾンに4時間暴露した後、BkおよびCの光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、RD−918)を用いて測定した。次いで、下記式(3)より残OD率を算出し、残OD率が80%以上のものを「○」、残OD率が60%以上かつ80%未満のものを「△」、残OD率が60%未満のものを「×」として評価を行った。結果を表5に示す。
残OD率=(試験後のOD/試験前のOD)×100% 式(3)
<評価7:光による退色・変色抑制効果についての評価方法>
インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いて、マゼンタ(M)インクを単色で、かつインク打込量100%でベタ印字した被記録媒体をアトラスフェードオメーター(条件:波長340nmにおける照射強度0.39W/m2、温度45℃、湿度70%)に投入し、100時間後にMの光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、RD−918)を用いて測定した。次いで、式(3)より残OD率を算出し、残OD率が90%以上のものを「○」、残OD率が80%以上かつ90%未満のものを「△」、残OD率が80%未満のものを「×」として評価を行った。結果を表5に示す。
<評価8:高湿下における画像滲みについての評価方法>
インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いて、ブラック(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インクおよびイエロー(Y)インクを単色で、かつインク打込量100%でベタ印字した上記の被記録媒体を、30℃、80%RHの環境下に1週間暴露し、画像が滲む度合いを目視にて評価した。各色とも滲みが起きていないものを「〇」、いずれかの色で僅かに滲みが起きてるものを「△」、いずれかの色で大きく滲みが起きているものを「×」とした。結果を表5に示す。
<実施例2>
実施例1において、高分子化合物Aの添加量を6部(アルミナ水和物に対して6%)とした以外は、実施例1と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<実施例3>
実施例1において、高分子化合物Aの添加量を8部(アルミナ水和物に対して8%)とした以外は、実施例1と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<実施例4>
実施例1において、高分子化合物Aの添加量を10部(アルミナ水和物に対して10%)とした以外は、実施例1と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<実施例5>
実施例2において、アルミナ分散液Aを50部、アルミナ分散液Cを50部とした以外は、実施例2と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<実施例6>
実施例2において、アルミナ分散液Cをアルミナ分散液Bに変更した以外は、実施例2と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<実施例7>
実施例2において、アルミナ分散液Cを100部とし、アルミナ分散液Aを用いなかったこと以外は、実施例2と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<実施例8および実施例9>
実施例1において、高分子化合物Aの代わりに高分子化合物B(実施例8)、高分子化合物C(実施例9)を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<実施例10>
実施例1において、高分子化合物Aを添加しなかった以外は実施例1と同様にして塗工液を調整し、PETフィルム(ルミラー、日東紡績(株)製:厚さ:224μm)上にインク受容層を形成した。その後、高分子化合物D(10%アセトン溶液)をインク受容層中のアルミナ水和物に対して固形分換算で10%添加されるように、インク受容層上にメイヤーバーでオーバーコートし、送風定温乾燥器((株)東洋製作所社製、FC−610)で110℃、10分間乾燥して高分子化合物Dを含有するインク受容層を形成した。(ただし、高分子化合物Dをオーバーコートしたインク受容層は、その乾燥重量が35g/m2となるよう調整した)。
上記の方法でインク受容層を形成したPETフィルムを用いて評価3のテストを行った。結果を表4に示す。また、上記PETフィルムをポリエチレン被覆紙(王子製紙(株)製;厚さ:224μm、坪量234g/m2;JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が64%)に変更し、上記と同様にして高分子化合物Dがオーバーコートされたインク受容層を有する被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表5に示す。
<比較例1>
実施例1において、アルミナ分散液Aを100部とし、アルミナ分散液Cおよび高分子化合物Aを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例2>
実施例1において、アルミナ分散液A、アルミナ分散液Cおよび高分子化合物Aを用いず、また、アルミナ分散液Aおよびアルミナ分散液Cの代わりにアルミナ分散液Bを100部としたこと以外は、実施例1と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例3>
実施例1において、アルミナ分散液Cを100部とし、アルミナ分散液Aおよび高分子化合物Aを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例1と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例4>
実施例2において、アルミナ分散液Aを100部とし、アルミナ分散液Cを用いなかったこと以外は、実施例2と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例5>
実施例3において、アルミナ分散液Aを100部とし、アルミナ分散液Cを用いなかったこと以外は、実施例3と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例3と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例6>
実施例2において、アルミナ分散液Aおよびアルミナ分散液Cを用いず、アルミナ分散液Bを100部としたこと以外は、実施例2と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例2と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例7>
実施例5において、高分子化合物Aの添加量を10部(アルミナ水和物に対して10%)とした以外は、実施例5と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例5と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例8>
実施例3において、アルミナ分散液Cをアルミナ分散液Bに変更した以外は、実施例3と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例3と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
<比較例9>
実施例4において、アルミナ分散液Cをアルミナ分散液Bに変更した以外は、実施例4と同様にして塗工液を調整し、評価3のテストを行った。また、実施例4と同様にして被記録媒体を作製し、評価4〜8のテストを行った。結果を表4および表5に示す。
Figure 2007030197
Figure 2007030197
上記の結果から明らかなように、インク受容層中に、含硫黄有機化合物を反応させて得られる高分子化合物を含有し、さらにインク受容層の比表面積を75m2/g以上、かつインク受容層の細孔容積を0.55cm3/g以上とした被記録媒体は、インク吸収性や画像濃度に優れ、耐ガス性、耐光性および高温高湿下での画像の滲みにおいて優れた特性を示している。
含硫黄有機化合物を反応させて得られる高分子化合物をインク受容層中に含有し、インク受容層の比表面積および細孔容積を特定の範囲に設定することで、大気中の酸性ガスと光による画像の変退色および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止し、さらにインク吸収性に優れた高品質な画像記録が可能な被記録媒体を製造することができた。

Claims (5)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に空隙を有するインク受容層を設けてなる被記録媒体において、該インク受容層が含硫黄有機化合物を反応させて得られる高分子化合物を含有し、かつ該インク受容層のBET法による比表面積A(m2/g)および細孔容積V(cm3/g)が、下記式(1)および下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする被記録媒体。
    A≧75 (式1)
    V≧0.55 (式2)
  2. 前記高分子化合物が、少なくとも下記化合物Aと化合物Bとを反応させて得られる化合物である請求項1に記載の被記録媒体。
    A:2つ以上の活性水素基を有する含硫黄有機化合物
    B:2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
  3. 前記インク受容層が、無機微粒子を含有する請求項1に記載の被記録媒体。
  4. 前記無機微粒子が、シリカ、アルミナおよび/またはアルミナ水和物である請求項1に記載の被記録媒体。
  5. 前記無機微粒子が、比表面積と細孔容積の少なくとも一方が異なる複数の無機微粒子を混合したものである請求項3または請求項4に記載の被記録媒体。
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