JP2006335015A - インクジェット記録用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録画像の耐光性および耐水性に優れ、しかも記録濃度や記録画質などの他の特性にも優れたインクジェット記録用シートを提供する。
【解決手段】 支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマーおよびバインダーを含有するインク受容層を有し、水性インクを用いて記録画像を形成するインクジェット記録用シートにおいて、該記録用シート中に特定構造の紫外線吸収基を有するポリエステルからウレタン化反応により誘導される紫外線吸収性ポリマー(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマーおよびバインダーを含有するインク受容層を有するインクジェット記録用シートに関する。
液体インクを微細なノズルから記録体に噴出して画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易であること、高速記録が可能であること、また、他の印刷装置より安価であること等の理由から端末用プリンタ、ファクシミリ、プロッタあるいは帳票印刷などで広く利用されている。
近年では、プリンタの急速な普及や高精細・高速化、さらにはデジタルカメラの登場により、記録体側にも高度な特性が要望されるようになっている。すなわち、インク吸収性、記録濃度、耐水性および保存性に優れた銀塩方式の写真に匹敵する画質と保存性を兼ね備えた記録体の実現が強く求められている。
記録体のインク吸収性、記録濃度、画質等を向上させるため、例えば、インク受容層として、非晶質シリカ等の無機微粒子をバインダーとともに支持体上に設ける方法が提案されている。
また、記録体の光沢、画質を向上させるため、インク受容層に合成シリカ微粒子を用いる方法が提案されている。
一般に、記録濃度や画像の耐水性を改善するため、インク受容層にカチオンポリマーあるいは塩基性ラテックスを含有させる方法が提案されている。 カチオンポリマーとしては、例えば、モノアリルアミン塩等の1級アミンから誘導される構成単位を有する1級アミン型ポリマー、ジアリルアミン塩等の2級アミンから誘導される構成単位を有する2級アミン型ポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム化合物から誘導される構成単位を有する4級アンモニウム型ポリマー、モノアリルアミン塩とジアリルアミン塩とから誘導される構成単位を有する1級アミン型/2級アミン型コポリマー等が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
中でも、光沢やインク吸収性、耐光性、耐水性に優れたインクジェット用紙として、例えば、特許文献4には、耐水性支持体上に、気相法シリカと、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等のジアリルアミン誘導体を構成単位として有する4級アンモニウム型のカチオンポリマーとを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用シートが記載されている。
さらに、画像の保存性を改善するため、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、塩化第二クロム等の金属酸化物、金属塩化物またはタンニン酸のうちの少なくとも一つを添加する方法、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤を添加する方法、ヒンダードアミン類を添加する方法、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系やフェニルサリチル酸系等の紫外線吸収剤を添加する方法、チオ尿素系化合物を添加する方法、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール等の特定のメルカプト化合物を添加する方法、ジチオカルバミン酸塩、チウラム塩、チオシアン酸エステルまたはチオシアン酸塩を添加する方法、塩基性ポリ水酸化アルミニウムを添加する方法、酸塩化ジルコニウム系活性無機ポリマーを添加する方法等の、各種添加剤を添加する方法が提案されている。
特開昭60−83882号公報 特開昭61−61887号公報 特開昭62−238783号公報 特開2000−211235号公報
しかしながら、例えば、特許文献1〜3記載のインクジェット記録用シートを用いて形成されるフルカラーインクジェット記録画像は、印字濃度が高く、発色性に優れているものの、あるいは、インクジェット記録用シートの光沢、インク吸収性、画像の画質、長期保存性−とりわけ、耐光性に関しては不充分であった。
また、特許文献4記載のインクジェット用記録シートを用いて形成されるフルカラーインクジェット記録画像は、特許文献1と同様、耐熱湿性や耐光性、耐オゾン性等の保存性に問題があり、また、インク吸収性も不充分であった。
さらに、これらの技術を用いたインクジェット用記録シートは、いずれも、インク受容層表面にひび割れが生じ易く、そのため、シートの光沢性が低下したり、形成される画像の画質が悪くなる等の問題を生じていた。
本発明は、耐光性が良好で、光沢性、インク吸収性、画像の画質、長期保存性に優れたインクジェット記録用シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、インク受容層に含有させる無機微粒子として、平均一次粒子径が30nm以下の無機微粒子を用いることにより、光沢性、インク吸収性、画質等がさらに向上することを見出した。
しかし、このような無機微粒子とカチオンポリマーとを組み合わせて用いた場合、無機微粒子の凝集や塗料の増粘等が生じてしまう。そのため、印字濃度の低下や、従来より見られたインク受容層のひび割れがさらに顕著に生じてしまい、結果として、光沢性や画質の低下を引き起こすという問題があった。
また、画像の長期保存性、特に耐熱湿性や耐光性に関しては、充分な改善効果を得ることができなかった。
そこで、本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、平均一次粒子径が30nm以下の無機微粒子、カチオンポリマーと、特定の紫外線吸収基を有する紫外線吸収ポリマーとを組み合わせて使用することにより、これらの問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記態様を含む。
[1] 支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマーおよびバインダーを含有するインク受容層を有し、水性インクを用いて記録画像を形成するインクジェット記録用シートにおいて、該記録用シート中に一般式(1)で表される紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)から、ウレタン化反応により誘導される紫外線吸収性ポリマー(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
Figure 2006335015
〔式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子、C1 〜C10 のアルキル基を示す。また、l、mは1〜20の整数を示し、nは4〜8の整数を示す。〕
[2] 上記カチオンポリマーが下記一般式(2)および/または一般式(3)で表される少なくとも1種の構成単位(b1)を有するポリマー(B)である請求項1記載のインクジェット記録シート。
Figure 2006335015
〔式中、Xは酸残基を表す。〕
[3] 上記カチオンポリマーが下記一般式(4)および/または一般式(5)で表される少なくとも1種の構成単位(b2)を有するポリマー(B)である請求項1記載のインクジェット記録シート。
Figure 2006335015
〔式中、Yは酸残基をす。〕
[4] 前記インク受容層がさらに下記一般式(6)で表される少なくとも1種の構成単位(c1)と、下記一般式(7)および/または(8)で表される少なくとも1種の構成単位(c2)とを含むポリマー(C)であるヒンダードアミン系光安定剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
Figure 2006335015
〔式中、R4、R5、R6、R7、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を、R8〜R10は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を、Wは酸残基を、nは1〜6の整数を表す。また、R13、R15はそれぞれ独立に酸素原子またはN−R17を表す。ここでR17は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。また、R14、R16はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
[5] 前記構成単位(c2)が下記一般式(9)で表される請求項4記載のインクジェット記録用シート。
Figure 2006335015
〔式中、R18、R19はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。また、R20〜R22は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、Wは酸残基を表す。〕
本発明により、耐光性が大幅に改善され、光沢性、インク吸収性、インク乾燥性、画像の画質、長期保存性に優れたインクジェット記録用シートが提供される。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のインクジェット用記録シートは、支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマー、紫外線吸収ポリマーおよびバインダーを含有するインク受容層を有するものである。
≪支持体≫
支持体としては、従来のインクジェット用記録用紙として公知のものを適宜使用できる。
支持体として、より具体的には、例えば紙(酸性紙、中性紙等)、バライタ紙、合成紙、プラスチックフィルム、紙の片面または両面がプラスチックで被覆された支持体(RC紙)、紙の片面または両面に不織布あるいはプラスチックフィルムを接着剤を介して貼り合わせたもの等が挙げられる。
プラスチックフィルムとしては、ポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン等のフィルム、あるいは合成紙が挙げられる。
より高い濃度で鮮明な画像を得るためには、これらの中でも、支持体中にインク液が浸透しない耐水性支持体を用いることが好ましい。
耐水性支持体としては、特に、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるため、紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体が好ましく用いられる。
また、後述するように、インク受容層にキャスト処理が施される場合、あるいはインク受容層上にキャスト処理された光沢層を設ける場合、紙(酸性紙、中性紙等)、コート紙、バライタ紙等の吸収性支持体も好ましく利用できる。吸収性支持体であると、キャスト処理の際にインク受容層用塗液中の水分が支持体中を抜けるので、キャスト処理しやすくなる。また、インク吸収性やインク乾燥性が良好で、高速印字性に優れている。
支持体の厚さとしては、特に制限はないが、例えば100〜400μmが好ましい。
≪インク受容層≫
<無機微粒子>
本発明において、インク受容層は、平均一次粒子径が30nm以下の無機微粒子を含有する。平均一次粒子径が30nm以下の無機微粒子を含有することにより、透明性が高く、印字濃度や光沢、インク吸収性等にも優れたインク受容層が得られる。無機微粒子の平均一次粒子径は、より好ましくは3〜15nmである。
なお、本発明でいう一次粒子径は、電子顕微鏡(SEM及びTEM)で観察した粒径(マーチン径)である。
インク受容層中に含有せしめる無機微粒子の材料としては、例えばゼオライト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、アルミノシリケート、ベーマイト、擬ベーマイト等が挙げられるが、インク吸収性の点で特にシリカ、アルミナ、アルミナ水和物およびアルミノシリケートが好ましく、とりわけシリカが好ましい。
また、無機微粒子は、BET法による比表面積が100m/g以上のものが好ましい。BET法による比表面積に上限はないが、1000m/g以下程度が好ましい。より好ましくは200〜400m/gである。
本発明で言うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち、比表面積を求める方法である。
無機微粒子は、一次粒子が凝集している凝集粒子(二次粒子)である場合、平均二次粒子径は、特に限定しないが0.05〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μmである。
インク受容層中の無機微粒子の使用量としては、インク受容層の固形分に対して20〜90質量%程度であるのが好ましく、より好ましくは30〜80質量%程度である。
なお、この範囲にすると、インク受容層の塗膜強度が低下するおそれがなく、インク吸収性やインク乾燥性に優れ、さらに高画質が得られる。
本発明においては、上述したように、無機微粒子としてシリカが好ましく用いられる。
シリカは、石英などの天然のシリカを粉砕して得られる天然シリカと、合成により製造される合成シリカに大別され、合成シリカは気相法シリカと湿式法シリカとに大別される。
本発明においては、高いインク吸収性、透明性、および光沢が得られる点から、気相法シリカ、および、湿式法シリカのうち、後述する湿式法微細シリカが好ましく用いられる。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作られる。四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシラン、トリクロロシラン等のシラン類を単独あるいは四塩化ケイ素と混合して使用することもある。
気相法シリカは、非常に嵩密度が低い粉体として市販されている。
気相法シリカの水分散物を乾燥すると、多孔質のシリカゲルとなり、そのゲルのBET法による細孔容積は、一般に、1.2〜1.6ml/gである。この細孔容積は、インクを吸収させるには都合が良い。しかし、乾燥時にひび割れが生じやすく、ひび割れの無いインク受容層を製造することが容易ではない。
湿式法シリカとしては、沈降法によるシリカとゲル法によるシリカが知られている。
沈降法シリカは、例えば、特開昭55―116613号公報に開示されているように、ケイ酸アルカリ水溶液に鉱酸を段階的に加え、沈降したシリカをろ過して製造されるものである。
ゲル法シリカはケイ酸アルカリ溶液に鉱酸を混合し、ゲル化させたのち、洗浄及び粉砕して得られるものである。
沈降法シリカとゲル法シリカは、シリカの一次粒子が結合して二次粒子を形成しており、一次粒子間と二次粒子間に多くの空隙を有しており、そのためにインク吸収量が大きい上、光を散乱する性質が小さいので高い印字濃度が得られる。
また、やや特殊な製造方法による湿式法シリカとして、例えば米国特許第2574902号明細書、特開2001−354408号公報、特開2002−145609号公報に記載されているような、活性ケイ酸を縮合させて製造される微細シリカ(以下、湿式法微細シリカという)がある。
ここで、活性ケイ酸とは、例えばアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を水素型陽イオン交換樹脂でイオン交換処理して得られるpH4以下のケイ酸水溶液をさす。
米国特許第2574902号明細書記載の湿式法微細シリカは、ケイ酸ナトリウムの希釈水溶液をカチオン交換樹脂で処理してナトリウムイオンを除去することにより活性ケイ酸水溶液を調製し、この活性ケイ酸水溶液の一部にアルカリを添加して安定化させて重合することにより、シリカのシード粒子が分散した液(シード液)を作り、アルカリ条件を保持しながら活性ケイ酸水溶液の残部(フィード液)をこれに徐々に添加してケイ酸を重合させ、コロイダルシリカの粒子を成長させることにより製造される。
この微細シリカは、直径が3nm〜数百nmであり、二次凝集をしておらず、しかも粒度分布がきわめて狭いという特長を有している。通常、コロイダルシリカと呼ばれ、7nm〜100nmの製品が水分散液として市販されており、インク受容層に用いると、極めて高光沢で透明性が高い受容層が得られる。
一方、特開2001−354408号公報記載の湿式法微細シリカとは、「BET法による比表面積が300m/g〜1000m/gで、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液をシード液とし、該シード液にアルカリを添加したのち、該シード液に対し活性ケイ酸水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも一種類からなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させることを特徴とする、BET法による比表面積が100m/g〜400m/g、平均二次粒子径が20nm〜300nm、かつ細孔容積が0.5ml/g〜2.0ml/gのシリカ微粒子がコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液の製造方法。」、または「BET法による比表面積が300m/g〜1000m/gで、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液をシード液とし、該シード液に対し活性ケイ酸水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも一種類からなるフィード液とアルカリの混合物を少量ずつ添加するか、もしくは該フィード液とアルカリを少量ずつ同時に添加してシリカ微粒子を成長させることを特徴とする、BET法による比表面積が100m/g〜400m/g、平均二次粒子径が20nm〜300nm、かつ細孔容積が0.5ml/g〜2.0ml/gのシリカ微粒子がコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液の製造方法。」によって得られるシリカ微粒子である。
また、特開2002−145609号公報記載の湿式法微細シリカとは、「活性ケイ酸及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも1種を含有する水溶液を加熱することによってシリカ微粒子からなる凝集物を含む懸濁液を形成し、次に該懸濁液にアルカリの存在下に活性ケイ酸を含有する水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも1種を少量ずつ添加して懸濁液中のシリカ微粒子を成長させた後、該懸濁液を湿式粉砕することを特徴とするシリカ微粒子分散液の製造方法。」によって得られるシリカ微粒子である。
特開2001−354408号公報、特開2002−145609号公報に開示されている湿式法微細シリカは、沈降法シリカやゲル法シリカの長所とコロイダルシリカの長所を併せ持ったシリカである。
このシリカは、シリカの一次粒子(例えば上述したコロイダルシリカ)が結合した二次粒子であり、しかも二次粒子径を光の波長以下に調節することが容易であるので、インク吸収量と光沢度に優れるインク受容層を容易に製造できることから本発明に最も好ましく用いられる。以下、これらの湿式法微細シリカを二次微細シリカという。
これらの中でも、特に、特開2001−354408号公報で開示されている縮合方法による二次微細シリカは、機械的手段によらずに直接、上記の平均二次粒子径(20nm〜300nm)や細孔容積(0.5ml/g〜2.0ml/g)を有する二次微細シリカを製造でき、かつ粒度分布が狭いので、得られるインク受容層の透明度や光沢が良好であり、本発明に好ましく用いることができる。
特開2001−354408号公報で開示されている縮合方法において、活性ケイ酸としては、例えばアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を水素型陽イオン交換樹脂でイオン交換処理して得られるpH4以下のケイ酸水溶液(活性ケイ酸水溶液)が好ましく用いられる。 活性ケイ酸水溶液は、SiO濃度として1〜6質量%が好ましく、より好ましくは2〜5質量%であり、かつpH2〜4であることが望ましい。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、市販工業製品として入手できるものでよく、より好ましくはSiO/MO(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)モル比として2〜4程度のナトリウム水ガラスを用いるのが好ましい。
活性ケイ酸の縮合方法としては、熱水に上記活性ケイ酸水溶液を滴下するか、活性ケイ酸水溶液を加熱してシード粒子を生成させ、分散液が沈殿を生じる前、若しくはゲル化する前にアルカリを添加してシード粒子を安定化し、次いで該安定状態を保ちながら活性ケイ酸水溶液をシード粒子に含まれるSiO1モルに対してSiOに換算して好ましくは0.001〜0.2モル/分の速度で添加してシード粒子の一次粒子を成長させることが好ましい。
また、湿式法微細シリカは、BET法による比表面積が100〜400m/gであり、かつ細孔容積が0.5〜2.0ml/gであることが好ましい。この範囲にある微細シリカは、インク受容層のひび割れ、インク吸収性、及び光沢のバランスが非常に優れている。
また、インク受容層には、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られたシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子を平均粒子径0.7μm以下に粉砕したシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子が好ましく用いられる。
このシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を用いることによって、インク受容層を、透明性、インク吸収性、インクの発色性、耐候性等が良好な多孔質層とすることができる。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子は、実質的に1次粒子が凝集してできた2次粒子からなるシリカコロイド粒子溶液である。
1次粒子が単分散したようなシリカゾル(例えば、一般市販のコロイダルシリカ)の場合、基材に塗布して得られる多孔質層が比較的緻密なものになり、透明性を失いやすく、充分なインク吸収性をもたすためには高塗布量が避けられない。しかし、高塗布量になると、塗膜にひび割れが入りやすく、また塗布工程も煩雑になりやすい。勿論、シリカコロイド粒子溶液中に部分的に1次粒子が含まれても構わない。
本発明において、インク受容層中に、バインダー(特にポリビニルアルコールが好ましい)とともにシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子を配合すると、印字部の透明感が得られ、写真並の光沢を得ることが可能である。また、インク受容層全体が透明であるため、OHP用シート等としても使用が可能である。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子は、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られたシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子を平均粒子径0.7μm以下に粉砕して得られるものである。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子は、平均粒子径が0.7μm以下、最大粒子径が1000nm程度以下の微粒子が均一に分散した状態をいう。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子は、例えば一般市販の合成無定型シリカ(数ミクロン)等の非晶質シリカとカチオン性化合物との混合物に対し、機械的手段で強い力を与えることにより得られる。つまり、breaking down法(塊状原料を細分化する方法)によって得られる。シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子はスラリーであってもよい。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体撹拌ミル、ジェットミル、擂解機、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。
本発明でいう平均粒子径はすべて電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒径である(1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定し平均したもの。「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年等に記載されている。)。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子(実質的に2次粒子)の平均粒子径は0.7μm以下であり、好ましくは10〜300nm、より好ましくは20〜200nmに調整される。平均粒子径が0.7μmを越えるシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を使用すると、透明感が著しく失われ、印字濃度が著しく低下し、印字後の高光沢を有するインクジェット記録用シートが得られないおそれがある。一方、平均粒子径が極めて小さいシリカコロイド粒子を使用すると、充分なインク吸収速度が得られないおそれがある。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を構成する非晶質シリカは、平均1次粒子径が3nm〜40nmであることが好ましい。3nm未満になると1次粒子間の空隙が極端に小さくなり、インク中の溶剤やインクを吸収する能力が著しく低下する。一方、40nmを越えると、凝集した2次粒子が大きくなり、インク受容層の透明性が低下するおそれがある。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子に用いられるカチオン性化合物としては、一般にインクジェット用紙で用いられる各種公知のカチオン性化合物が使用可能であり、例えば、モノアリルアミン塩、ビニルアミン塩、N−ビニルアクリルアミジン塩、ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン重縮合物等の1級アミン塩を構成単位として有する1級アミン型カチオンポリマー、ジアリルアミン塩、エチレンイミン塩等の2級アミン塩を構成単位として有する2級アミン型カチオンポリマー、ジアリルメチルアミン塩等の3級アミン塩を構成単位として有する3級アミン型カチオンポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物等の4級アンモニウム塩を構成単位として有する4級アンモニウム型カチオンポリマー、塩基性ポリ塩化アルミニウム、塩基性ポリ脂肪酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、塩化ジルコニル、塩基性塩化ジルコニル、脂肪酸ジルコニル等のジルコニル化合物等が挙げられる。
なお、カチオン性化合物の添加量としては、非晶質シリカ100質量部に対して、1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部の範囲で調節される。
本発明において、無機微粒子としてシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を用いる場合、バインダーとしては、分散適性、塗料安定性からPVAが最も有効である。
特に分散性、インク吸収性を得るためには重合度2000以上のポリビニルアルコール(PVA)が好ましく使用される。PVAの重合度は、より好ましくは2000〜5000である。また、耐水性を得るためには、ケン化度95%以上のPVAが有効である。
シリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子とバインダーとの固形分質量比は、特に限定しないが、10/1〜10/10、好ましくは10/2〜10/6の範囲に調節される。バインダーの添加量が多いと、粒子間の細孔が小さくなり、充分なインク吸収速度が得られない場合があり、一方、バインダーが少ないと塗被層にひび割れが入り、使用し得ない状態になる場合もある。
<カチオンポリマー>
本発明で用いられるカチオンポリマーは、下記一般式(2)および/または一般式(3)で表される少なくとも1種の構成単位(b1)を有するポリマー(B)
Figure 2006335015
〔式中、Xは酸残基を表す。〕
または下記一般式(4)および/または一般式(5)で表される少なくとも1種の構成単位(b2)を有するポリマー(B)
Figure 2006335015
〔式中、Yは酸残基を示す。〕
である。
本発明においては、インク受容層が、上述した平均一次粒子径30nm以下の無機微粒子とともにこのポリマー(B)を含有することにより、塗料安定性に優れたインク受容層用塗液が得られる。
また、この塗液を塗工することにより得られるインク受容層は、ひび割れがほとんどなく、インク受容層の光沢性やインク吸収性、インク乾燥性に優れ、インクジェットプリンターにより印字された画像の画質およびその長期保存性にも優れている。
一般式(3)中、HXで表される酸は、無機酸、有機酸のいずれでもよく、無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸等が挙げられ、有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を併用することができる。これらの酸のうちでも、塩酸、硫酸は特に画像保存性に効果的であり好ましい。
ポリマー(B)中、構成単位(b1)中のアミン型(一般式(2))と酸型(一般式(3))のモル比は0.1:1〜50:1が好ましく、より好ましくは0.5:1〜20:1である。モル比をこの範囲内とすることにより、塗料安定性が良好で、とりわけ高画質で長期保存性に優れた画像が得られる。
前記ポリマー(B)が、上記構成単位(b1)と、上記構成単位(b4)との共重合体であっても良い。
構成単位(b4)の具体例としては、ジアリルアミン、ジ(2−メチルアリル)アミン、ジ(2−エチルアリル)アミン等の、2個のビニルアルキル基を有する2級アミンまたはその酸塩をモノマーとする構成単位が挙げられる。とりわけ、構成単位(b4)がジアリルアミンまたはその酸塩をモノマーとする構成単位であるカチオンポリマーは、高画質が得られ、耐光性、耐オゾン性等の保存性にも優れているため好ましい。
ポリマー(B)中、構成単位(b1)と構成単位(b4)のモル比は0.1:1〜10:1が好ましく、より好ましくは0.5:1〜5:1である。モル比をこの範囲内とすることにより、塗料安定性が良好で、とりわけ高画質で画像の長期保存性に優れたものとなる。
前記ポリマー(B)が、構成単位(b2)と、下記構成単位(b3)との共重合体であっても良い。
このポリマー(B)はその主鎖中に、一般式(4)により表されるカチオン性5員環アミジン構造を有する重合単位を有するものである。このようなカチオン性樹脂を製造するには、アクリロニトリル単量体及びN−ビニルホルムアミド単量体を、モル比1:3〜3:1の範囲内において共重合させ、得られた共重合体を、水中に懸濁し、この共重合体水性懸濁液を、例えば塩酸などの酸の存在下に加熱して、共に隣接するアクリロニトリル単位のシアノ基(−CN)と、ビニルホルムアミド単位のアミド基(−CONH)を結合させて5員環アミジン 構造を形成することにより製造することができる。得られたカチオン性樹脂は、一般式(5)により表されるように未反応のアクリロニトリル単位及びN−ビニルホルムアミド単位、並びに副生物として、ビニルアミン塩酸塩単量体単位などを含有している。
本発明で用いられるポリマー(B)の分子量は、1,000〜50万であることが好ましく、より好ましくは1万〜20万である。この範囲内であると、塗料安定性が良好で、高画質が得られ、耐光性、耐熱湿性等の保存性、インク吸収性にも優れており、ひび割れも改善される。
上記カチオンポリマーのインク受容層中の含有量としては、0.01〜10g/mが好ましく、より好ましくは0.05〜5g/mである。この範囲で用いると、画質および画像の保存性、インク吸収性に優れる。
本発明で用いられるポリマー(B)をインク受容層中に含ませる方法としては特に制限はないが、インク受容層用塗液に添加し塗工する方法、インク受容層を塗工する前に水溶液を塗工する方法、あるいはインク受容層を塗工後、水溶液を塗工する方法等がある。
ポリマー(B)をインク受容層用塗液に添加する場合、シリカと共に前述の如くシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を形成した後、使用することも可能である。
また、インク受容層が複数の層から形成される場合、少なくとも1層のインク受容層(内側インク受容層)を形成した後、該内側インク受容層上に、ポリマー(A)を含有する水溶液を塗工し、その上にインク受容層用塗液を塗工して、少なくとも1層の他のインク受容層(外側インク受容層)を形成することが好ましい。
この方法は、画像の耐熱湿性向上により効果的であり、かつ、ひび割れ抑制効果も高い。
ポリマー(B)を含有する水溶液中に、架橋剤を併用することは、ひび割れ抑制の観点からより好ましい。
架橋剤の具体例としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸塩等のホウ素化合物、グリオキザール、メラミン・ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、メチロールウレア、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、ジヒドラジド化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられる。これらのうちでもホウ素化合物が好ましく、特にホウ砂が好ましい。
ホウ砂とポリマー(B)の混合液を塗工することにより、とりわけ画像の耐熱湿性が高く、ひび割れ抑制効果が高い。
さらに、混合液のpHを、水酸化ナトリウム等のアルカリにて、7.0〜10.0、好ましくは、7.5〜9.0に調整して使用すると、よりひび割れに効果的であるため、好ましい。
この際、架橋剤の塗工量としては、0.01〜1.0g/mが好ましく、0.05〜0.5g/mがより好ましい。0.01g/m未満だと、ひび割れ防止効果が低くなり、1.0g/mを越えると、インク受容層の乾燥時の強い収縮によって折れ割れを生じたり、インク吸収性が低下するおそれがある。
また、架橋剤とポリマー(B)との質量比としては、1:1〜1:20が好ましく、1:1〜1:10がより好ましい。質量比をこの範囲内とすることにより、ひび割れ、耐経時ニジミおよびインク吸収性に優れたインクジェット記録用シートが得られる。
本発明においては、本発明を阻害しない範囲内で、ポリマー(B)以外の、その他各種公知のカチオンポリマーを添加することも可能である。
<紫外線吸収性ポリマー>
本発明で用いられる紫外線吸収性ポリマーは、一般式(1)で表される紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)、有機ポリイソシアネート(a2)および親水性化合物(a3)から、ウレタン化反応により誘導されるポリマー(A)である。
Figure 2006335015
〔式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子、C1 〜C10 のアルキル基を示す。また、l、mは1〜20の整数を示し、nは4〜8の整数を示す。〕
前記一般式(1)で表されるポリエステル(a1)はアルコールとしてビス[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタノール]メタンとラクトン類としてε−カプロラクトン、トリメチル−ε−カプロラクトン、モノメチル−ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等を開環付加重合させて得られる。
紫外線吸収基を有するポリエステルの(a1)合成には触媒としてテトラエチルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等の有機チタン系化合物、オクチル酸第一スズ、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、モノ−n−ブチル錫脂肪酸塩等の有機錫化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一錫等のハロゲン化第一錫等の中から適宜原料に対して0.1〜10000ppm使用される。
有機ポリイソシアネート(a2)としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートがある。これらの有機ポリイソシアネートは、単独であるいは2種以上の併用系で用いられる。さらに、これらのアダクト変性体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイミン変性体、イソシアヌレート変性体等の変性体も使用できる。これらのポリイソシアネートは、耐光性を考慮するとヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。有機ポリイソシアネート(a2)は、紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)100質量部に対して3〜200質量部添加することが好ましく、5〜100質量部添加することがより好ましい。
親水性化合物(a3)としては、カルボキシル基及び活性水素基を含有する化合物[ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ポリアミンと酸無水物との反応物、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸を開始剤としたラクトン付加物等]、アルキルアルカノールアミン化合物[N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミンを開始剤としたラクトン付加物等]、側鎖に第3級及び/または第4級窒素原子及び末端に2個以上の水酸基を有するマクロモノマー[ジメチルアミノエチルメタクリレートを3−メルカプト−1,2−プロパンジオールの存在下、メチルエチルケトン等の有機溶媒中でラジカル重合することにより得られるマクロモノマー等]が挙げられる。親水性化合物(a3)化合物は紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)100質量部に対して3〜200質量部、更には5〜100質量部加えることが好ましい。
親水性化合物(a3)を中和剤(a4)で中和して用いても差し支えない。中和剤の例としては、アンモニア、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-アミノ-2-エチル-1-プロパノール等の有機アミン類、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類等が挙げられるが、乾燥後の耐候性や耐水性を向上させるためには、加熱によって容易に解離する揮発性の高いものが好ましく、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。また、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機酸、塩化メチル、臭化メチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、塩化ベンジル、p−ニトロベンジルクロライド、臭化ベンジル、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、エピクロルヒドリン、ブロムブタン等の4級化剤が挙げられる。これらの中和剤は、単独であるいは2種以上の併用系で用いられる。中和剤(a4)は、紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)100質量部に対して3〜200質量部、更には5〜100質量部加えることが好ましい。
紫外線吸収性ポリマー(A)の合成にはその他のポリオール化合物(a5)として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリアルキルポリオール、ポリアルキレンポリオール等を単独あるいは2種以上の併用系で、紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)100質量部に対して0〜200質量部添加しても良い。
紫外線吸収性ポリマー(A)は有機溶媒中でウレタン化反応させることにより得られる。得られた樹脂溶液を水に分散することによりエマルションが得られる。さらに、エマルション化した後で有機溶剤を除去してもよい。エマルション化の方法は公知の方法を用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなど)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、脂環族炭化水素(例えば、シクロヘキサンなど)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、などを用いることができる。これら有機溶剤は、単独で又は2種以上の組み合わせで使用してもよい。
本発明においては、本発明を阻害しない範囲内で、紫外線吸収性ポリマー(A)には更に必要に応じて他の紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、加工安定剤、老化防止剤、相溶化剤等の公知の添加剤を添加する事ができる。
上記紫外線吸収性ポリマー(A)のインク受容層中の含有量としては、0.01〜10g/mが好ましく、より好ましくは0.05〜5g/mである。この範囲で用いることにより、画質および画像の保存性、インク吸収性に優れる。
本発明で用いられる紫外線吸収性ポリマー(A)をインク受容層中に含ませる方法としては特に制限はないが、インク受容層用塗液に添加し塗工する方法、インク受容層を塗工する前に水溶液を塗工する方法、あるいはインク受容層を塗工後、水溶液を塗工する方法等がある。
ポリマー(A)をインク受容層用塗液に添加する場合、シリカと共に前述の如くシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を形成した後、使用することも可能である。
<ヒンダードアミン系光安定剤>
本発明においては、インク受容層中に、さらに特定のヒンダードアミン系光安定剤を添加することによって、耐光堅牢性がより向上する。
ここでいう特定のヒンダードアミン系光安定剤は、少なくとも下記一般式(6):
Figure 2006335015
〔式中、R5、R6はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
で表される少なくとも1種の構成単位(c1)と、下記一般式(7)および/または一般式(8):
Figure 2006335015
Figure 2006335015
〔式中、R7、R8、R12、R13はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を、R9〜R11は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を、Wは酸残基を、nは1〜6の整数を表す。また、R14、R15はそれぞれ独立に酸素原子またはN−R18を表す。ここでR18は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。また、R16、R17はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
で表される少なくとも1種の構成単位(c2)とを含むポリマー(C)である。
一般式(6)中、R5、R6はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。
炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
一般式(7)、(8)中、R7、R8、R12、R13はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。
炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
一般式(7)中、R9〜R11は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基である。 炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
一般式(7)中のWは酸残基である。
Wで表される酸残基の具体例としては、無機酸、有機酸のいずれでもよく、無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸等が挙げられ、有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を併用することができる。これらの酸残基のうちでも、塩酸、硫酸は特に画像保存性に効果的であり好ましい。
一般式(8)中、R14、R15は独立に酸素原子またはN−R18である。ただしR18は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。また、R16、R17はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。
これらの組み合わせの具体例としては、CO−OH、CO−ONa、CO−NH、NH−H、NH−CH等が挙げられる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤のうち、前記構成単位(c2)が下記一般式(9)で表されるポリマー(C)は、製造が容易であり、かつ塗料安定性に優れるため好ましい。
Figure 2006335015
〔式中、R19、R20はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。また、R21〜R23は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、Wは酸残基を表す。〕
一般式(9)中のWはハロゲン原子、なかでも特にBr、Clが、水溶性、塗料安定性、画質、耐光堅牢性などが良好である点から好ましい。
前記ヒンダードアミン系光安定剤の特に好ましい例としては、下記を挙げることができる。
Figure 2006335015
〔式中、l、mはそれぞれ整数を表す。〕
ポリマー(C)中、構成単位(c1)と構成単位(c2)とのモル比は10:1〜1:2が好ましい。構成単位(c1)の含有量をこの範囲内とすることにより、光安定化剤としての効果が発揮される。一方、構成単位(c2)の含有量をこの範囲内とすることにより充分な親水性を有し、インクジェット記録の画質が向上する。
本発明で用いられるポリマー(C)の分子量としては、1,000〜50万であることが好ましく、より好ましくは5000〜10万である。この範囲内であることにより、塗料安定性が良好で、高画質が得られ、耐光性、耐熱湿性等の保存性、インク吸収性にも優れ、さらに、ひび割れも改善される。
上記ヒンダードアミン系光安定化剤(C)のインク受容層中の含有量としては、0.01〜10g/mが好ましく、より好ましくは0.05〜5g/mである。この範囲で用いることにより、画質および画像の保存性、インク吸収性に優れる。
本発明で用いられるポリマー(C)をインク受容層中に含ませる方法としては特に制限はないが、インク受容層用塗液に添加し塗工する方法、インク受容層を塗工する前に水溶液を塗工する方法、あるいはインク受容層を塗工後、水溶液を塗工する方法等がある。
ポリマー(C)をインク受容層用塗液に添加する場合、シリカと共に前述の如くシリカ−カチオン性化合物凝集体微粒子を形成した後、使用することも可能である。
ポリマー(C)を含有する水溶液中には、ひび割れを抑制する効果付与の点から、架橋剤を併用することがより好ましい。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲内で、ポリマー(C)以外の、その他各種公知の堅牢性向上剤を添加することが可能である。
<バインダー>
インク受容層に配合されるバインダーとしては、例えば酸化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等のタンパク質類、完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン−無水マレイン酸共重合体の塩、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ポリエステルポリウレタン系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等の水性接着剤、あるいは、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の有機溶剤可溶性樹脂が挙げられる。これらのバインダーは、単独あるいは複数を混合して用いられる。
これらのバインダーの中でも、ポリビニルアルコール類は、透明性が高く、耐水性が高く、非イオン性で各種の材料との混合が可能であり、室温付近で膨潤性が比較的低いため好ましい。また、インクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわない利点がある。
ポリビニルアルコール類の中でも、完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコールまたはケイ素変性ポリビニルアルコールが、特に好ましく用いられる。
完全(部分)ケン化ポリビニルアルコールとしては、ケン化度が80%以上、とりわけ95%以上の部分ケン化ポリビニルアルコールまたは完全ケン化ポリビニルアルコールが好ましく、また、その平均重合度としては200〜5,000が好ましく、500〜5,000がより好ましい。
ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化ポリビニルアルコールが好ましい理由は耐水性に優れるためである。
また、平均重合度として200〜5,000が好ましい理由は、この範囲の重合度のものを用いると、耐水性に優れ、かつ取り扱い易い粘度となるためである。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、1級、2級あるいは3級アミノ基や第4級アンモニウム塩基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールが好ましい。
バインダーは、無機微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部の範囲で使用される。
<その他の成分>
本発明では、上記バインダーとともに、上述したような架橋剤を用いることが好ましい。
これにより、ひび割れの発生をさらに低減でき、インク吸収性、光沢性、画質等がさらに向上する。
架橋剤は、インク受容層形成用の塗液中に配合してもよく、また、インク受容層塗工前に、あるいはインク受容層塗工後に、架橋剤溶液を塗布してもよい。
架橋剤の塗工量としては、0.01〜1.0g/mが好ましく、0.05〜0.5g/mがより好ましい。0.01g/m未満だと、ひび割れ防止効果が低くなり、1.0g/mを越えると、インク受容層の乾燥時の強い収縮によって折れ割れを生じたり、インク吸収性が低下するおそれがある。
本発明では、さらに耐熱湿性を改善するため、インク受容層中に塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性脂肪酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、あるいは、塩化ジルコニル、塩基性塩化ジルコニル、硝酸ジルコニル、脂肪酸ジルコニル等のジルコニウム化合物を含有させることもできる。
なお、塩基性脂肪酸アルミニウム、脂肪酸ジルコニル等における脂肪酸の具体例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシブタン酸、グリシン、β−アラニン、4−アミノブタン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等が挙げられるが、中でも酢酸が特に好ましい。
本発明では、さらに耐光性、耐ガス性等の保存性を改善する目的で使用される各種公知の化合物−例えばフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、イオウ化合物、水溶性金属塩等−を使用することも可能である。
さらに本発明では、塗料安定化剤として、リンのオキソ酸塩を用いることも可能である。その具体例としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、メタ亜リン酸、ピロリン酸、ピロ亜リン酸、ポリリン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。
これらのうちでも、次亜リン酸塩は、特に塗料安定性に効果が高いため好ましく用いられる。
次亜リン酸塩の具体例としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸バリウム、次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸亜鉛等が挙げられる。これらのうちでも次亜リン酸ナトリウムが最も塗料安定性に効果が高いため特に好ましく用いられる。
インク受容層中には、さらに、各種公知の顔料分散剤、増粘剤、流動性変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、防腐剤、防ばい剤等を適宜添加することもできる。
インク受容層は、上述した各種成分を含有するインク受容層用塗液を、支持体上の少なくとも片面に塗工、乾燥して形成される。
インク受容層用塗液の塗工量は、インク受容層を上述したような内側インク受容層と外側インク受容層とにしない場合は、乾燥質量で2〜50g/mが好ましく、3〜30g/mがより好ましい。塗工量がこの範囲にあると、記録画質及び塗膜強度に優れる。
インク受容層用塗液の塗工は、バーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の塗工方式で行うことができる。
また、インク受容層を、上述したように、少なくとも1層の内側インク受容層を形成した後、該内側インク受容層上に、ポリマー(A)を含有する水塗液を塗工し、その上にインク受容層塗液を塗工して、外側インク受容層を形成して設ける場合、内側インク受容層の塗工量は、乾燥質量で2〜50g/mが好ましく、5〜30g/mがより好ましい。また、外側インク受容層の塗工量は、乾燥質量で2〜50g/mが好ましく、5〜30g/mがより好ましい。
本発明において、インク受容層が、上述したような内側インク受容層と外側インク受容層という複数の層で構成されている場合、ポリマー(A)は、少なくとも1層のインク受容層に含まれていればよいが、該複数の層のうち、より上層のインク受容層である外側インク受容層に含まれるのがより好ましい。これにより、さらに印字濃度が高く、保存性も向上する。
また、インク受容層用塗液の塗工後、塗工層が湿潤状態にあるうちにキャスト処理を施し、インク受容層を直接キャスト処理することにより、さらに表面光沢度の高いインクジェット記録用シートとすることもできる。
キャスト処理の方法としては、ウェット法、ゲル化法およびリウェット法がある。
ウェット法は、塗工した塗工層が湿潤状態にあるうちに該塗工層を加熱された鏡面ドラム面に圧接して強光沢仕上げを行うものである。ゲル化法は、塗工層が湿潤状態にあるうちに、この塗工層をゲル化剤浴に接触させ、ゲル化状態にした塗工層を加熱ドラム面に圧接して強光沢仕上げを行うものである。
リウェット法は、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥してから再度湿潤液に接触させた後、加熱ドラム面に圧接して強光沢仕上げを行うものである。
インク受容層にキャスト処理を施す場合、インク受容層中に離型剤が配合されていることが好ましい。
離型剤としては、一般的に塗工紙分野で公知公用の各種離型剤が使用できる。
さらに、インク受容層形成後、高光沢を付与する等の目的のため、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダーなどで加圧下、ロールニップ間を通して表面の平滑性を与えることも可能である。
≪その他の構成≫
<光沢層>
本発明においては、上述したインク受容層上に、さらに、キャスト処理された光沢層を設けてもよい。これにより、さらに表面光沢度の高いインクジェット記録用シートとすることができる。
光沢層は、顔料および/または樹脂を含有して構成される。
光沢層はインクを速やかに通過または吸収できるように、光沢を阻害しない範囲で多孔性もしくは通液性にすることが好ましい。
光沢層に用いられる顔料としては、インク受容層に用いた無機微粒子と同様のものが挙げられるが、光沢、透明性、インク吸収性の点で、コロイダルシリカ、非晶質シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、ゼオライト、合成スメクタイト等が好ましい。
本発明に用いるアルミナは一般的に結晶性を有する酸化アルミニウムとも呼ばれる。一般的に、χ、κ、γ、δ、θ、η、ρ、擬γ、α結晶を有する酸化アルミニウムが挙げられる。
本発明では、光沢感、インク吸収性及び顔料インク適性からアルミナが好ましく、さらにγ、δ、θ結晶を有するアルミナが好ましく選択される。粒度分布がシャープで、成膜性が特に優れる気相法アルミナ(フュームドアルミナ)が最も好ましい。
気相法アルミナは、ガス状アルミニウムトリクロライドの高温加水分解によって形成されたアルミナであり、結果として高純度のアルミナ粒子を形成する。
これら粒子の一次粒子サイズはナノオーダーであり、非常に狭い粒子サイズ分布(粒度分布)を示す。
かかる気相法アルミナは、カチオン表面チャージを有する。
インクジェット塗工における気相法アルミナの使用は、例えば米国特許第5,171,626号公報に示されている。
また、本発明に用いるアルミナ水和物は、特に限定するものではないが、インク吸収性や成膜性の観点からベーマイト又は擬ベーマイトが好ましく選択される。
アルミナ水和物の製造方法は、例えばアルミニウムイソプロポキシドを水で加水分解する方法(B.E.Yoldas,Amer.Ceram.Soc.Bull.,54,289(1975)など)やアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法(特開平06−064918号公報)などが挙げられる。
これらの顔料は、光沢層中に10〜90質量%含まれることが望ましい。
顔料の平均粒子径(凝集粒子の場合は凝集粒子の径)は、0.001〜1μmが好ましく、0.005〜0.5μmのものがより好ましい。粒子径がこの範囲にあると優れたインク吸収性、光沢及び印字濃度が得られる。
光沢層に用いられる樹脂としては、水溶性バインダー(例えばポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種樹脂(接着剤)が単独あるいは併用して使用できる。
なお、樹脂を主体に光沢層を形成する場合、樹脂としては、特にエチレン性不飽和結合を有するモノマー(以下エチレン性モノマーという)を重合させてなる重合体あるいは共重合体(以下一括して重合体と称する)を主成分として構成されるのが好ましい。さらに、これら重合体の置換誘導体でも良い。
また、上記のエチレン性モノマーをコロイダルシリカの存在下で重合させ、Si−O−R(R:重合体成分)結合によって複合体になった形、あるいは上記重合体にSiOH基等のコロイダルシリカと反応するような官能基を導入しておき、コロイダルシリカと反応させて複合体になった形で使用することも可能である。
このような複合体を使用した場合、光沢、インク吸収性に優れたものとなりやすい。
光沢層には、さらに離型剤が配合されていることが好ましい。
離型剤としては、一般的に塗工紙分野で公知公用の各種離型剤が使用できる。
また、光沢層には、印字濃度を高めたり、耐水性を向上させるためにカチオン性化合物を配合したり、さらに耐光性、耐ガス性を改善するために各種助剤を添加することも可能である。
光沢層は、上述した各種成分を含有する光沢層用塗液を、インク受容層上に塗工して塗工層を形成し、該塗工層にキャスト処理を施し、乾燥させることにより形成される。
光沢層用塗液の塗工量は、乾燥質量で0.1〜30g/mが好ましく、0.2〜10g/mがより好ましい。塗工量がこの範囲にあると、光沢、インク乾燥性及び記録濃度が優れたものとなる。
光沢層用塗液の塗工、及びキャスト処理は、上記インク受容層で述べたものと同様の方法で行うことができる。
また、光沢層の乾燥温度も重要である。乾燥温度が高すぎると、成膜が進みすぎ表面の多孔性が低下する結果、インクの吸収速度が低下し、逆に乾燥温度が低すぎると、光沢に乏しくなる傾向があり、生産性も低下する。
乾燥温度は、50〜150℃が好ましく、70〜120℃がより好ましい。
また、本発明においては、支持体とインク受容層の間に中間層を設けたり、支持体の裏面(インク受容層が形成されていない面)に保護層を設けたり、さらには該裏面に粘着加工することも可能で、インクジェット記録用シート製造分野における各種公知の技術を付加し得る。
本発明のインクジェット記録用シートに記録画像を形成するための液体インクは、着色剤、液媒体、およびその他の任意の添加剤からなる記録液体であり、市販の任意のインクジェット記録用の液体インクが使用できる。
着色剤としては、直接染料、酸性染料、反応性染料等の各種水溶性染料、100nm前後に微粒子化され、樹脂、界面活性剤等で表面処理されたカーボンブラック、有機顔料等が挙げられる。
また、液媒体としては、水単独、あるいは水および水溶性有機溶剤の併用がある。
水溶性有機溶剤としては、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール、1,2−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル等が挙げられる。
中でも、顔料インク中に水溶性有機溶剤として、1,2−ヘキサンジオールおよびグリセリンを含有し、かつ、両者の合計が水溶性溶剤の80質量%以上である顔料インクと本発明のインクジェット記録用シートとの組合せが、顔料インク適性、特に耐擦過性の点で好適である。
添加剤としては、例えばpH調整剤、金属封鎖剤、防ばい剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、界面活性剤、および防錆剤等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。なお、例中の「部」および「%」は、特に断わらない限りそれぞれ質量部および質量%を示す。
(合成例1)
(紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)の合成)
特開2002−187344号公報に示されるように、原料として1,1−ビス−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタノール]メタン(商品名:MBEP、大塚化学(株)製)100部、ε−カプロラクトン132部を使用し、反応開始剤としてモノ−n−ブチルスズ脂肪酸塩(商品名:SCAT−24、三共有機合成(株)製)を50ppm加えた。反応温度150℃で6時間反応させ、液状の化合物(a1)を得た。
(紫外線吸収性ポリマー(A−1)の合成)
アセトン275部に溶解した1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(商品名:タケネート600、三井武田ケミカル(株)製)(H6XDI)250部に、窒素雰囲気下攪拌しながら上記化合物(a1)760部を滴下し、65℃で2時間反応後、ジメチロールブタン酸(日本化成(株)製)(DMBA)53部とジブチルスズジラウレート0.33部を添加して10時間反応を継続した。次に、N,N−ジメチルアミノエタノール32部を添加し、反応溶液を得た。冷却後、水中に反応物のアセトン溶液を滴下し、エマルション化した。その後、溶媒のアセトンを減圧で除去し、固形分濃度40質量%の紫外線吸収性ポリマー(A−1)を得た。
(合成例2)
(紫外線吸収性ポリマー(A−2)の合成)
合成例1において、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン250部の代わりに、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:タケネート700、三井武田ケミカル(株)製)(HDI)217部を用いた以外は、合成例1と同様にして固形分濃度40質量%の紫外線吸収性ポリマー(A−2)を得た。
(合成例3)
(紫外線吸収性ポリマー(A−3)の合成)
合成例1において、ジメチロールブタン酸53部およびN,N−ジメチルアミノエタノール32部の代わりに、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学(株)製)(TMP)48部を用いた以外は、合成例1と同様にして固形分濃度40質量%の紫外線吸収性ポリマー(A−3)を得た。
実施例1
(インク受容層用塗液Aの調製)
気相法シリカ(商品名:アエロジル300、一次粒子の平均粒径 7nm、BET法による比表面積 300m/g、日本アエロジル(株)製)100部、ポリアリルアミン80モル%塩酸塩(分子量約1.5万、日東紡績(株)製)の40質量%水溶液20部およびイオン交換水711部を加え、撹拌装置により分散した後、湿式超微粒化装置ナノマイザーを用いて処理した。次いで、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−145、(株)クラレ製、ケン化度99%、平均重合度4,500)の5質量%水溶液278部、上記紫外線吸収性ポリマー(A−1)9.3部および少量の消泡剤、分散剤および水を加え、固形分濃度9質量%のインク受容層用塗液Aを得た。
(インク受容層用塗液Bの調製)
湿式法合成非晶質シリカの20質量%分散液(商品名:サイロジェット703A、グレースデビソン製)500部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−145、(株)クラレ製)の5質量%水溶液400部および少量の消泡剤、分散剤および水を加え、固形分濃度15質量%のインク受容層用塗液Bを得た。
(インクジェット記録用シートの作成)
180g/mの原紙両面をポリエチレン樹脂で被覆した紙支持体(厚さ240μm、ポリエチレン樹脂には15質量%のアナターゼ型二酸化チタン含有)上にインク受容層用塗液Bを固形分で20g/mとなるようにワイヤーバーにて塗布乾燥しインク受容層Bを設け、次いで、0.5質量%ホウ砂水溶液を20g/m塗布した後、インク受容層用塗液Aを固形分で10g/mとなるようにワイヤーバーにて塗布乾燥してインク受容層を設け、インクジェット記録用シートを作成した。
実施例2
実施例1において、紫外線吸収性ポリマー(A−1)の代わりに、(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
実施例3
実施例1において、紫外線吸収性ポリマー(A−1)の代わりに、(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
実施例4
実施例1において、ポリアリルアミン塩酸塩(分子量約1.5万)の40質量%水溶液20部の代わりに、ポリアミジン系カチオンポリマー(商品名:SC−700M、ハイモ(株)製)の35質量%水溶液23部を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
実施例5
実施例1において、インク受容層用塗液Aにさらに下記の化合物を添加した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
Figure 2006335015
比較例1
実施例1において、紫外線吸収性ポリマー(A−1)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
比較例2
実施例1において、紫外線吸収性ポリマー(A−1)の代わりにアクリル系紫外線吸収性ポリマーエマルション(商品名:ULS-1635MH、一方社油脂工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
比較例3
実施例1において、紫外線吸収性ポリマー(A−1)の代わりにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(商品名:スミソーブ200、住友化学工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
(評価方法)
実施例1〜5、比較例1〜3で得たインクジェット記録用シートについて、エプソンインクジェットプリンターPM−950C(染料インク系)を用い、ISO−400画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:ポートレート、財団法人日本規格協会発行)およびコンポジットブラックの光学濃度が1.0となるようなベタ印字を行った。
得られたインクジェット記録用シートおよびその画像について、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
〔光沢〕
未印刷部のインクジェット記録シート塗工面の光沢感を目視観察により評価した。
(評価基準)
◎:光沢が非常に高く良好
○:光沢が高く良好
△:光沢がやや劣っている
×:光沢がほとんどない
〔ひび割れ〕
未印刷部のインクジェット記録シート塗工面のひび割れ状態を目視観察により評価した。
(評価基準)
◎:全くひび割れがみられない
○:若干ひび割れがみられるも、問題ないレベルである
△:ひび割れがみられ、実用上問題あり
×:ひび割れが多数あり
〔インク吸収性〕
得られたISO−400画像を目視観察し、インク吸収性を評価した。
(評価基準)
◎:インク溢れによる画像のつぶれが全くみられない
○:若干インク溢れによる画像のつぶれがみられるものの、実用上問題ないレベルである
△:インク溢れによる画像のつぶれがみられ、実用上問題がある
×:インク溢れが著しい
〔画質〕
得られたISO−400画像の画質を目視観察により評価した。
(評価基準)
◎:画質が非常に優れている
○:画質は良好で、実用上全く問題ないレベルである
△:画質が劣っており、実用上問題がある
×:画質が非常に劣っている
〔耐熱湿性〕
得られたISO−400画像およびコンポジットブラックのベタ印字画像を24時間放置後、40℃、相対湿度90%の恒温恒湿器に72時間保管し、目視により耐熱湿性のレベルを観察し評価した。
(評価基準)
◎:経時ニジミの発生および変褪色はほとんどみられず良好である
○:若干の経時ニジミおよび変褪色がみられたが、実用上全く問題ないレベルである
△:経時ニジミおよび変褪色がみられ、実用上問題のあるレベルである
×:経時ニジミが顕著に認められ、変褪色も著しい
〔耐光性〕
得られた画像およびコンポジットブラックのベタ印字画像を24時間放置後、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製 型式WEL−7X−LHP)を用い、63℃、相対湿度40%の雰囲気下で48時間保管した。
画像については、目視により耐光性のレベルを観察し評価した。
(評価基準)
◎:ほとんど変褪色がみられず非常に良好である
○:わずかに変褪色はみられるものの、色バランスは崩れておらず良好である
△:変褪色がみられ、実用上問題のあるレベルである
×:変褪色が著しい
一方、コンポジットブラックのベタ印字画像については、試験前後の光学濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し、残存率[(試験後の光学濃度/試験前の光学濃度)×100(%)]を求めた。
Figure 2006335015
表1の結果からわかるように、本発明のインクジェット記録用塗料は高温高湿下でも経時ニジミの発生や変褪色、長時間光に晒された場合の画像の変褪色が非常に少なく、長期保存性に優れていた。さらに、光沢が高く、高画質が得られ、ひび割れ及びインク吸収性の点でも優れていた。

Claims (5)

  1. 支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマーおよびバインダーを含有するインク受容層を有し、水性インクを用いて記録画像を形成するインクジェット記録用シートにおいて、該記録用シート中に一般式(1)で表される紫外線吸収基を有するポリエステル(a1)から、ウレタン化反応により誘導される紫外線吸収性ポリマー(A)を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
    Figure 2006335015
    〔式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子、C1 〜C10 のアルキル基を示す。また、l、mは1〜20の整数を示し、nは4〜8の整数を示す。〕
  2. 上記カチオンポリマーが下記一般式(2)および/または一般式(3)で表される少なくとも1種の構成単位(b1)を有するポリマー(B)である請求項1記載のインクジェット記録シート。
    Figure 2006335015
    〔式中、Xは酸残基を表す。〕
  3. 上記カチオンポリマーが下記一般式(4)および/または一般式(5)で表される少なくとも1種の構成単位(b2)を有するポリマー(B)である請求項1記載のインクジェット記録シート。
    Figure 2006335015
    〔式中、Yは酸残基をす。〕
  4. 前記インク受容層がさらに下記一般式(6)で表される少なくとも1種の構成単位(c1)と、下記一般式(7)および/または(8)で表される少なくとも1種の構成単位(c2)とを含むポリマー(C)であるヒンダードアミン系光安定剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
    Figure 2006335015
    〔式中、R4、R5、R6、R7、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を、R8〜R10は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を、Wは酸残基を、nは1〜6の整数を表す。また、R13、R15はそれぞれ独立に酸素原子またはN−R17を表す。ここでR17は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。また、R14、R16はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
  5. 前記構成単位(c2)が下記一般式(9)で表される請求項4記載のインクジェット記録用シート。
    Figure 2006335015
    〔式中、R18、R19はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。また、R20〜R22は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、Wは酸残基を表す。〕

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