JP2007027479A - 露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液浸法を用いた露光装置において、気泡の位置とサイズを定量化する。
【解決手段】 光源からの光束でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板上に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学系の最も前記基板近くに配置された光学素子と前記基板との間隙に充填された液浸液を介して、前記パターンを前記基板に投影する露光装置であって、前記投影光学系を介して前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を検出する気泡観察系がある構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば半導体デバイスあるいは液晶表示デバイス等のデバイスを製造する際に、感光剤が塗布された基板上に原版のパターンを転写する露光装置及び露光方法に係り、特に、液浸法を用いた露光装置及び露光方法に関する。
LSIあるいは超LSIなどの極微細パターンで構成される半導体デバイスの製造工程において、マスクに形成されたパターンを感光剤が塗布された基板上に縮小投影して転写する縮小型投影露光装置が使用されている。半導体デバイスにおける集積密度の向上に伴いパターンの更なる微細化が要求され、レジストプロセスの発展と同時に露光装置の微細化への対応がなされてきた。
露光装置の解像力を向上させる手段としては、露光波長を短くする方法と、投影光学系の開口数(NA)を大きくする方法とが一般的である。
露光波長については、365nmのi線から248nm付近の発振波長を有するKrFエキシマレーザ光に移行しつつあり、更には193nm付近の発振波長を有するArFエキシマレーザの開発が進んでいる。更に、157nm付近の発振波長を有するフッ素(F)エキシマレーザの開発も行なわれている。
一方、これらとは全く別な解像力向上技術として液浸法を用いた投影露光方法が注目されつつある。従来は、投影光学系の最終面と露光対象基板(例えばウエハ)面との間の空間は気体で満たされていたが、液浸法では、この空間を液体で満たして投影露光を実施する。この液浸法とは、投影光学系の最終光学素子とウエハ表面との対面する光路空間を空気の代わりに空気より高屈折率な(ここで屈折率nとする)液体で満たした状態で露光することにより、露光波長を実質的に1/nにするものである。投影光学系の解像力(解像限界)Rはレイリーの式として
R=k1×(λ/n)/NA
で表される。ここでλは露光波長、NAは投影光学系の開口数、k1はプロセスに関する係数である。この式において、解像力Rは大気中で同一の露光波長を用いて露光した場合に比べ1/n倍にすることができる。また、焦点深度DOFは、DOF=k1×nλ/NA2からn倍大きくなる。さらに液浸型投影露光装置は、光源、レチクルを大きく変更する必要がなく、感光剤も既存品を基にした改良品で対応できる期待があり、現実的な解像力向上手段として注目されている。
この投影光学系の最終面とウエハ面との間の空間を液体で満たす方法として、大別して二つの方法が提案されている。第1の方法は、投影光学系の最終面とウエハ全体を液槽の中に配置する方法であり、この方法を用いた露光装置が特許文献1に開示されている。第2の方法は、投影光学系とウエハ面とで挟まれた空間だけに液体を流すローカルフィル法であり、この方法を用いた露光装置が特許文献2に開示されている。
特許文献1に開示された方法ではウエハを高速で動かすと液体が周囲に飛散するので、それを回収する装備が必要であり、また、液面が波立つことにより発生しうる微少な気泡が結像性能に悪影響を与えるという欠点がある。また、この方法では装置が複雑かつ大型化すると考えられる。
一方、特許文献2に開示された方法では、ウエハと投影光学系の間隙が狭い場合に、この間隙にノズルを向けて液体を供給しても、ノズルから放出された液体がうまくこの間隙に流れ込まないで気体が残り、このために十分な液浸ができないという不具合があった。また、うまく流れ込まない液体は、投影レンズ外周に衝突して外に逃げてしまい、この周囲に逃げた液体を回収するための装備が必要となり、露光装置が大がかりになってしまうという欠点があった。また、仮に狭い間隙に液体を流し込むことができるとしても、この間隙の内部における流動抵抗が外に比べて大きいためにノズルから放出される液体の流速が、間隙を流れる流速に比べて非常に早い。したがって、ノズル先端部や、液が投影レンズ外周に衝突する箇所で、液体の流速が極端に変化し、流れが大きく乱れ、気泡が発生しうる。この気泡が投影レンズとウエハとの間に入り込んで、光の透過を妨げ、露光装置としての結像性能に悪影響を与えうる。また、ここで説明した液浸層の気泡を検出する方法が特許文献3に開示されている。
この特許文献の内容は、ウエハの一方に複数の投光点が直列に配置された投光部と、他方に投光点と対をなす受光点が直列に配置された受光部があり、さらに受光部の両端に2つの受光部があり、液浸層内に気泡が存在しなければ、前述の直列投光点と直列受光点の対間の受光光量は一定であるが、気泡が存在すると投光点と受光点の複数対のある箇所の光量が散乱により減少し、受光部の両端にある2つの受光部がその散乱を受光して出力が変化することにより気泡の存在を検出するようにしている。
特開平06-124873公報 再公表特許WO99/19504号公報 特開2004-207696公報
この特許文献3に示される構成での課題は、第1に気泡が結像性能に悪影響を与えないためにはサブミクロンオーダーの気泡を検出する必要があるが、このサイズの検出のためには複数の投光点を有するとして定義される投光部の投光点間隔をサブミクロン間隔にする必要がり、このような間隔で投光部と受光部の対関係を構成するのは困難である。また、投光部からの投射はウエハ表面に対して傾斜方向から投射しているので、液浸層空間で投射光が通過する空間に存在する気泡のみの検出となり、液浸層の露光領域全面において、液浸層の深さ方法に存在する気泡を検出するには適していない。さらには、気泡検出に光学式を採用する場合、液浸用感光剤に不感光な波長を選択する必要がある。本発明は、上記の種々の課題に鑑みてなされたものであり、液浸層内の気泡検出において、気泡が存在する位置とサイズを高精度に定量化するものであり、液浸法を適用した露光装置及び露光方法の実用性を高めること目的とする。
光源からの光束でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板上に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学系の最も前記基板近くに配置された光学素子と前記基板との間隙に充填された液浸液を介して、前記パターンを前記基板に投影する露光装置において、
前記投影光学系を介して前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を検出する気泡観察系があり、前記気泡観察系の動作は露光動作と並行して行われ、前記気泡の位置とサイズを定量化する。前記気泡観察系は、前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を照明する照明手段の波長を露光装置で使用される感光剤に実質的に吸収されない波長とし、さらには、前記気泡観察系の受光素子は2次元に配列されたCCDで構成されている。そして、前記気泡観察系で気泡が検出された場合、前記基板上の露光エリア位置を記録するようにする。
また、前記気泡観察系の動作は露光動作前に行われ、前記気泡の位置とサイズを定量化する。前記気泡観察系は、前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を照明する照明手段の波長を露光装置で使用される感光剤に実質的に吸収されない波長とし、さらには、前記気泡観察系の受光素子は2次元に配列されたCCDで構成されている。そして、前記気泡観察系で気泡が検出された場合、前記間隙に液浸液を供水、排水する液浸液給排水機構の設定条件と液体流動状態に関する設定条件を相対的に修正するようにする。
そしてまた、前記気泡観察系は、前記気泡観察系で前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を照明する照明手段の波長を露光装置で使用される感光剤に吸収される波長とし、さらに前記気泡観察系の動作は露光動作前に行われ、前記気泡の位置とサイズを定量化する。
そして前記気泡観察系の受光素子は2次元に配列されたCCDで構成され、前記気泡観察系で気泡が検出された場合、前記間隙に液浸液を供水、排水する液浸液給排水機構の設定条件と液体流動状態に関する設定条件を相対的に修正するようにする。
本発明により、液浸露光において光学性能に影響を及ぼす液浸層内のサブミクロンオーダーの気泡を検出することが可能となり、露光動作と並行して気泡観察した際に気泡が検出された場合には、その時のウエハ内の露光エリアを記録しておき、後工程の欠陥検査を効率的に行うことができる。また、露光動作に先んじて液浸露光装置の気泡排除性能を直接試験することができ、液浸液給排水機構や液浸層内の液体流動状態に関する設定条件を適性に修正することにより液浸露光装置の気泡発生防止の性能を保証することができる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下、本発明の実施形態1を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る露光装置としての液浸法による露光装置(以下、液浸露光装置という。)の構成図である。図1において、ArFエキシマレーザやF2レーザなどの露光光源(不図示)から射出された光束が照明光学系1に提供される。照明光学系1は、露光光源から提供された光束を用いて、レチクル2の一部をスリット光(矩形断面、もしくは円弧状断面を有する光)により照明する。スリット光によってレチクル2を照明している間、レチクル2を保持しているレチクルステージ3とウエハ5を保持しているウエハステージ6は、一方が他方に同期しながらスキャン移動する。このような同期スキャンを通して、結果としてレチクル2上のパターン全体が投影光学系4を介してウエハ5上に連続的に結像し、ウエハ5の表面に塗布されたレジストを感光させる。レチクルステージ3やウエハステージ6の二次元的な位置は、参照ミラー7とレーザ干渉計8によってリアルタイムに計測される。この計測値に基づいて、ステージ制御装置9は、レチクル2(レチクルステージ3)やウエハ5(ウエハステージ6)の位置決めや同期制御を行う。ウエハステージ6には、ウエハ5の上下方向(鉛直方向)の位置や回転方向、傾き調整、変更或いは制御する駆動装置が内蔵されており、露光時は、この駆動装置により投影光学系4の焦点面にウエハ5上の露光領域が常に高精度に合致するようにウエハステージ6が制御される。ここで、ウエハ5上の面の位置(上下方向位置と傾き)は、不図示の光フォーカスセンサーによって計測され、ステージ制御装置9に提供される。液浸露光装置本体は、不図示の環境チャンバの中に設置されており、液浸露光装置本体を取り巻く環境が所定の温度に保たれる。レチクルステージ3、ウエハステージ7、干渉計8を取り巻く空間や、投影光学系4を取り巻く空間には、更に個別に温度制御された空調空気が吹き込まれて、環境温度が更に高精度に維持される。
次に液浸層12に液浸液を給排水する機構について説明する。液体を給水、排水するための給排水機構は、液浸液の給水ノズル10と液体液の排水ノズル11が、投影光学系4の先端部側にある光学素子Laの外周を取り囲むように、円周上に配置されている。液浸液の給水ノズル10は、液浸液の排水ノズル11の内側に配置されている。
液浸液の給水ノズル10や排水ノズル11のノズル口は、単なる開口として構成してもよいが、液浸液の給水量や排水量の場所ムラを少なくし、更に液ダレしにくくするという点では、微少な穴を複数有する多孔板や繊維状や粉状の金属材料は無機材料を焼結した多孔質体が好適である。これらに使用される材料には液浸液への溶出を考慮してステンレス、ニッケル、アルミナ、石英ガラスを用いることができる。この給排水機構を構成する部材は、光学素子Laを保持する役割も有しており、これにより投影光学系先4の端部の液浸層周囲の空間的に余裕がない状態に対して、好適な構成となっている。
給水ノズル10は、給水管13を介して液体供給装置14と接続されており、同様に排水ノズル11、排水管15を介して液体回収装置16と接続されている。液体供給装置14は、例えば、液体を貯めるタンク、液体を送り出す圧送装置、液体の供給流量の制御を行う流量制御装置を含みうる。液体供給装置14には、更に、液体の供給温度を制御するための温度制御装置を含むことが好ましい。液体回収装置16は、例えば、回収した液体を一時的に貯めるタンク、液体を吸い取る吸引装置、液体の回収流量を制御するための流量制御装置を含みうる。液浸制御装置17は、更に、ウエハステージ6の現在位置、速度、加速度、目標位置、移動方向といった情報をステージ制御装置9から受けて、これらの情報に基づいて、液浸の開始や中止、流量等の制御指令を液体供給装置14や液体回収装置16に与える。このような液浸液の給排水機構により、露光エリアとその周囲に限定して範囲に液浸液を局所的に充填する、所謂ローカルフィル状態で液浸層12を形成している。
次に液浸露光中に液浸層12内で気泡が存在する位置とサイズを高精度に定量化する方法について説明する。図2において、18はローカルフィルにより形成された液浸層の範囲で、層間隔が1mm前後に設定されている。19は投影光学系4の先端部側にある光学素子Laの外径範囲で、直径が40mmに設定されている。20は露光エリアの範囲を表わし、スキャナー方式の露光の場合、26mm×8mmに設定されている。21は液浸層12を照明する照明手段で、ArF液浸露光の場合、感光剤に感光しないよう少なくともi線(365nm)より長波長側の波長を採用している。この照明手段21には複数の発光点21a、21b〜21fを有し、ウエハ5の水平方向において、液浸層12中の露光エリア20とその近傍周囲を照明するよう光束の指向性が整形されている。また、図3は液浸層12の垂直方向(断面)における照明手段21の照明光束状態を示していて、22は投影光学系4の先端部側にある光学素子Laの表面、23はウエハ9に塗布された感光剤の表面であり、複数の発光点21a、21b〜21fからの光束が、液浸層12の垂直方向において、23側寄りに光束の指向性が整形されている。この垂直方向の光束の指向性整形により、次に説明する気泡観察系に直接進入することを防ぎ、観察像のバックグラウンドを抑制し、液浸層内部にある気泡の散乱部分のコントラストを上げる効果を得ることができる。
図1において、図2で説明した光学素子Laの外径範囲19から露光エリア範囲20を除いた領域e1、e2、e3、e4を投影光学系4を中継して観察する気泡観察系24がある。この気泡観察系24の構造は、液浸層12に気泡が存在すると、液浸層12を照明する照明手段21によりその気泡で散乱が生じ、その散乱が投影光学系4内で光路R1で示す部分を通過し、レチクル2の近傍にある反射部材25により光路を水平に偏向し、露光波長、ここではArF波長をカットし、少なくともi線(365nm)より長波長側の波長を透過させるフィルター26と、受光レンズ27を経て受光素子28に入射する。受光レンズ27は、投影光学系4との組合せにおいて、少なくともi線(365nm)より長波長側の波長λについて収差補正されている。また、受光素子28は2次元CCDで、投影光学系4と受光レンズ27により、前述の領域e1を結像するようになっている。なお、他の領域e2、e3、e4についても、領域e1を観察する光学系の説明と同様な気泡観察系により観察される。図1では、この内、領域e1と領域e2について、光路R2に沿った気泡観察系29を示してある。
液浸層12内に気泡が発生する原因は、第1に液浸液給排水機構の液体供給装置14における液浸液の脱気が不十分である場合、第2に液浸層12の狭い間隙に液体を供給する際、この間隙の内部における流動抵抗が外に比べて大きいために給水ノズル10から放出される液体の流速が、間隙を流れる流速に比べて非常に早い。従って、給水ノズル10の先端部や、液体が光学素子Laを保持する鏡筒部材の外周に衝突する箇所で液体の流速が極端に変化し、流れが大きく乱れて気泡が発生することがあげられる。
また、気泡は、その発生原因からして、図2に示したローカルフィルにより形成された液浸層12範囲の外周部で主に発生し、それが液浸液の給水、排水過程で露光エリア20の内側に向って移動してくるので、露光エリア20周囲の領域e1、e2、e3、e4を監視する本実施形態の検出方法で露光エリア20に至る気泡を実質的に監視することができる。
先ず、液浸液給排水機構により、図2に示したローカルフィルで形成された液浸層12範囲に液体が供給される。次に上述のスキャナー方式による液浸露光が開始され、投影光学系4によりの露光エリア20にレチクル2のパターンを形成させる。この露光動作と並行して、4つの気泡観察系が常時作動しており、光学素子Laの外径範囲19から露光エリア範囲20を除いた領域e1、e2、e3、e4を投影光学系4を中継して観察している。
ArF液浸露光における露光線幅はハーフピッチで65nmから45nmであり、この露光線幅に影響を与えないためには、サブミクロンオーダーの気泡がウエハ5に塗布された感光剤の表面23の近傍に存在しているか、否かを検出する必要がある。気泡観察系24の被写界深度は、この感光剤表面23から液浸層12の上層側に数ミクロン範囲に設定されている。なお、これ以上の上層側にあるサブミクロンオーダーの気泡は、露光波長の散乱特性から結像性能に及ぼす影響は非常に少ない。また、被写界深度を感光剤表面23から液浸層12の上層側に数ミクロン範囲に設定しているので、感光剤下層部にあるパターン構造が観察像にバックグラウンドとして現れることがない。
上述の気泡観察系24を含む4つの気泡観察系において、領域e1、e2、e3、e4に存在する気泡を2次元CCD28で受光する構成にしてあることにより気泡の位置を2次元CCD28の画素番号と対応させることができ、また、その気泡が球体であることから、気泡サイズと散乱量の相関付けを行うことが可能であり、2次元CCD28の出力信号レベルから気泡のサイズを定量化することができる。
以上説明した気泡観察系で気泡が検出された場合は、参照ミラー7とレーザ干渉計8によってリアルタイムに計測されるウエハステージ6の二次元的な位置に対応して、その時の露光エリア番地を記録しておくようにする。露光動作の後工程に行う欠陥検査で、この記録された露光エリアを優先して検査し、欠陥が認められない場合は、液浸露光装置の気泡発生排除性能が十分機能していると判断されるので、以後の気泡起因の欠陥検査を簡略化することができる。
実施形態1との違いは、露光動作時以外、即ち、露光動作を開始する前工程の段階で気泡観察系30により液浸層12内の気泡を観察することと、観察領域を実施形態1で説明した露光エリア20に設定している点であり、液浸層12に液浸液を給水、排水する給排水機構については同じである。なお、構成の共通部分については同じ符号を用い、その説明は省略する。
次に、本発明の実施形態2を図5に基づいて説明する。液浸層12内において露光エリア20を少なくともi線(365nm)より長波長側の波長λにて照明手段21により照明する。液浸層12内の照明光束の指向性を整形する方法は、水平方向、垂直方向それぞれ実施形態1で説明した内容と同じである。
この実施形態2おける気泡観察系30の構造は、液浸層12の露光エリア20に気泡が存在すると、液浸層12を照明する照明手段21によりその気泡で散乱が生じ、その散乱が投影光学系4内で光路R3で示す部分を通過し、レチクル2の近傍にある反射部材25により光路を水平に偏向し、露光波長、ここではArF波長をカットし、少なくともi線(365nm)より長波長側の波長を透過させるフィルター26と、受光レンズ27を経て受光素子28に入射する。受光レンズ27は、投影光学系4との組合せにおいて、少なくともi線(365nm)より長波長側の波長λについて収差補正されている。また、受光素子28は2次元CCDで、投影光学系4と受光レンズ27により、前述の露光エリア20を結像するようになっている。この気泡観察系30の被写界深度は、このウエハ5に塗布された感光剤表面23から液浸層12の上層側に数ミクロン範囲に設定されていて、その理由は実施形態1で説明した内容と同じである。これより上層側にあるサブミクロンオーダーの気泡は、露光波長の散乱特性から結像性能に及ぼす影響は非常に少なく、被写界深度を感光剤表面23から液浸層12の上層側に数ミクロン範囲に設定しているので、感光剤下層部にあるパターン構造が観察像にバックグラウンドとして現れることをなくすためである。
実施形態2についても、受光素子28に2次元CCDを用いているので、気泡の位置を2次元CCD28の画素番号と対応させることにより定量化することができ、さらに、その気泡が球体であることから、気泡サイズと散乱量の相関付けを行うことにより、2次元CCD28の出力信号レベルから気泡のサイズを定量化することができる。
液浸露光装置における気泡発生防止について、本来、露光性能保証上の観点からミクロンオーダーの気泡が発生する状態を完全に排除するよう液浸液給排水機構14や液浸層12内の液体流動状態に関して適性に調整されていなければならない。しかしながら、サブミクロンオーダーの気泡発生が完全に排除されているかを検査することはこれまで非常に困難なことであり、この実施形態2の方法を露光動作の前工程段階において試験的に用いることは有効なことである。また、気泡観察系30で気泡が検出された場合、液浸液給排水機構14や液浸層12内の液体流動状態に関する設定条件、即ち、給水、排水の圧力、流量と温度の条件、また、ウエハステージ6の速度と加速度の設定条件に関して相対的な修正を行い、液浸露光装置の気泡発生防止の性能保証を確かなものにすることができる。
実施形態1との違いは、露光動作時以外、即ち、露光動作を開始する前工程の段階で気泡観察系31により液浸層12内の気泡を観察することと、観察領域を実施形態1で説明した露光エリア20に設定している点であり、さらには、液浸層12の水平方向、垂直方向を照明する照明手段21の波長を露光波長としている点である。液浸層12に液浸液を給水、排水する給排水機構については同じである。なお、構成の共通部分については同じ符号を用い、その説明は省略する。
次に、本発明の実施形態3を図6に基づいて説明する。液浸層12内において露光エリア20を露光波長、即ちよりArFエキシマレーザやF2レーザなどの露光光源と同じ波長にて照明手段21により照明する。液浸層12内の照明光束の指向性を整形する方法は、水平方向、垂直方向それぞれ実施形態1で説明した内容と同じである。
また、ウエハ位置には、石英ガラス製の擬似ウエハ32を設置してある。この実施形態3おける気泡観察系31の構造は、液浸層12の露光エリア20に気泡が存在すると、液浸層12を照明する照明手段21によりその気泡で散乱が生じ、その散乱が投影光学系4内で光路R4で示す部分を通過し、レチクル2の近傍にある反射部材33により光路を水平に偏向し、受光レンズ34を経て受光素子35に入射する。受光レンズ34は、投影光学系4との組合せにおいて、露光波長について収差補正されている。また、受光素子35は2次元CCDで、投影光学系4と受光レンズ34により、前述の露光エリア20を結像するようになっている。この気泡観察系31の被写界深度は、この擬似ウエハ32の表面36から液浸層12の上層側に数ミクロン範囲に設定されていて、その理由は実施形態1で説明した内容と同じである。実施形態3についても、受光素子28に2次元CCDを用いているので、気泡の位置を2次元CCD28の画素番号と対応させることにより定量化することができ、さらに、その気泡が球体であることから、気泡サイズと散乱量の相関付けを行うことにより、2次元CCD35の出力信号レベルから気泡のサイズを定量化することができる。
なお、図4は、気泡観察領域を示す図である。
実施形態1の構成図 気泡照明手段の水平図 気泡照明手段の断面図 気泡観察領域を示す図 実施形態2の構成図 実施形態3の構成図
符号の説明
1 照明光学系
2 レチクル
4 投影光学系
5 ウエハ
6 ウエハステージ
9 ステージ制御装置
10 給水ノズル
11 排水ノズル
12 液浸層
14 液体供給装置
16 液体回収装置
17 液浸制御装置
20 露光エリア
21 気泡照明手段
24、29、30、31 気泡観察手段

Claims (11)

  1. 光源からの光束でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板上に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学系の最も前記基板近くに配置された光学素子と前記基板との間隙に充填された液浸液を介して、前記パターンを前記基板に投影する露光装置であって、
    前記投影光学系を介して前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を検出する気泡観察系があり、前記気泡観察系の動作は露光動作と並行して行われ、前記気泡の位置とサイズを定量化することを特徴とする露光装置。
  2. 前記気泡観察系で、前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を照明する照明手段の波長は、露光装置で使用される感光剤に実質的に吸収されない波長を用いることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記気泡観察系の受光素子は2次元に配列されたCCDで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  4. 前記気泡観察系で気泡が検出された場合、前記基板上の露光エリア位置を記録することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  5. 光源からの光束でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板上に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学系の最も前記基板近くに配置された光学素子と前記基板との間隙に充填された液浸液を介して、前記パターンを前記基板に投影する露光装置であって、
    前記投影光学系を介して前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を検出する気泡観察系があり、前記気泡観察系の動作は露光動作前に行われ、前記気泡の位置とサイズを定量化することを特徴とする露光装置。
  6. 前記気泡観察系で、前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を照明する照明手段の波長は、露光装置で使用される感光剤に実質的に吸収されない波長を用いることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記気泡観察系の受光素子は2次元に配列されたCCDで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  8. 前記気泡観察系で気泡が検出された場合、前記間隙に液浸液を供水、排水する液浸液給排水機構の設定条件と液体流動状態に関する設定条件を相対的に修正することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  9. 光源からの光束でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板上に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学系の最も前記基板近くに配置された光学素子と前記基板との間隙に充填された液浸液を介して、前記パターンを前記基板に投影する露光装置であって、
    前記投影光学系を介して前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を検出する気泡観察系があり、前記気泡観察系で前記間隙に充填された液浸液中に存在する気泡を照明する照明手段の波長は露光装置で使用される感光剤に吸収される波長であり、さらに前記気泡観察系の動作は露光動作前に行われ、前記気泡の位置とサイズを定量化することを特徴とする露光装置。
  10. 前記気泡観察系の受光素子は2次元に配列されたCCDで構成されていることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記気泡観察系で気泡が検出された場合、前記間隙に液浸液を供水、排水する液浸液給排水機構の設定条件と液体流動状態に関する設定条件を相対的に修正することを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
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