JP2010147471A - リソグラフィ装置及び少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コーティングなどの表面材料の劣化が防止されるリソグラフィ装置を提供する。
【解決手段】テーブルと、テーブル上又はテーブル上のオブジェクト上の少なくとも2つのターゲット部分と、少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料とを含むリソグラフィ装置が開示される。リソグラフィ装置は、テーブルに向かう光路に沿って、少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射する断面を有する放射ビームを投影する光学システムをさらに含む。リソグラフィ装置は、光路内に移動して放射ビームの断面を制限して少なくとも2つのターゲット部分間の照明を制限することができるシールドをさらに含み、光学システムからの放射で照射された時に、少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料が劣化する。
【選択図】図8

Description

[0001] 本発明は、リソグラフィ装置及び少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に浸漬することが提案されている。ある実施形態では液体は蒸留水であるが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体に関連して説明されている。しかし別の流体、特に湿潤流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
[0004] 基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 液浸装置では、液浸流体は、流体ハンドリングシステム、構造又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体を供給することができ、それ故、流体供給システムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、少なくとも部分的に液浸流体を閉じ込めることができ、それにより、流体閉じ込めシステムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体へのバリアを形成することができ、それにより、流体閉じ込め構造などのバリア部材である。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、ガスのフローを生成又は使用して、例えば、液浸流体のフロー及び/又は位置を制御するのを助けることができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成することができ、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼ぶこともできる。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。ある実施形態では、液浸液は、液浸流体として使用される。この場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。上記説明に関して、本節で流体に関して定義された特徴部への言及は、液体に関して定義された特徴部を含むと考えてもよい。
[0006] 提案されている構成の1つは、液体供給システムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口によって基板W(図3に矢印で示す)上に、好ましくは最終要素に対する基板Wの動作方向に沿って供給され、投影システムPS(図3に矢印で示す)の下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板Wの動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは両側に出口を持つ4組の入口が、最終要素のまわりに規則的パターンで設けられる。液体供給デバイス及び液体回収デバイス内の矢印は、液体フローの方向を示す。
[0007] 局所液体供給システムがある液浸リソグラフィのさらなる解決法が、図4に図示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口によって供給され、矢印で表される入口の半径方向外側に配置された複数の別個の出口によって除去される。入口及び出口は、投影される投影ビームが通る穴が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口によって供給され、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口によって除去されて、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組合せの入口と出口を使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組合せの入口及び出口は動作しない)。図4の断面図では、矢印は、入口/出口への/からの液体フローの方向を示す。
[0008] 欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開US2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを有する。第1の位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第2の位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は1つのテーブルのみを有する。
[0009] PCT特許出願公開WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められないオールウェット構成を開示している。このようなシステムでは、基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を供給する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/0119809号に記載されている。すべての位置で基板を覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
[0010] 液浸リソグラフィ装置の多くの表面は、装置で使用される液浸液に対して疎液性の材料で形成されている。材料は、下地面上に塗布されたコーティングであってもよい。表面材料が疎液性であるために、例えば、その表面を乾燥させる又は液浸液の位置を制御する際の助けになる。
[0011] 疎液性の材料の困難な点は、そのような材料は、光学システムからの放射で照射された時に劣化することがあるという点である。例えば、材料は、疎液性を失って親液性に変わることがある。コーティング材料などの材料は、劣化して例えば微粒子の形態の汚染物を放出することがある。例えば、コーティングなどの表面材料の劣化が防止されるリソグラフィ装置を提供することが望ましい。
[0012] ある態様によれば、テーブルと、テーブル上又はテーブル上のオブジェクト上の少なくとも2つのターゲット部分と、少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料と、テーブルに向かう光路に沿って、少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射する断面を有する放射ビームを投影する光学システムと、光路内に移動して放射ビームの断面を制限して少なくとも2つのターゲット部分間の照明を制限することができるシールドとを備え、少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料が、光学システムからの放射で照射された時に、劣化するか、変形するか、又は劣化及び変形する、リソグラフィ装置が提供される。
[0013] ある態様によれば、リソグラフィ装置内のテーブル又はテーブル上のオブジェクトの少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法であって、照射された時に少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料が劣化し、該方法が、ターゲット部分へ向けて、少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射するのに十分な大きさの断面を有する放射ビームを投影すること、放射ビームの断面を制限して少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料の照明を制限することを含む方法が提供される。
[0014] ある態様によれば、リソグラフィ装置内のテーブル又はテーブル上のオブジェクトの少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法であって、照射された時に少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料が変形し、該方法が、ターゲット部分へ向けて、少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射するのに十分な大きさの断面を有する放射ビームを投影すること、放射ビームの断面を制限して少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料の照明を制限することを含む方法が提供される。
[0015] ある態様によれば、リソグラフィ装置の光学システム内の放射ビームの断面を制限するフレーミング部材であって、フレーミング部材が放射を通過させる穴をフレーミング部材内に画定し、穴が基板の結像中に放射ビームの断面を制限する必要がないフレーミング部材の部分に位置する、フレーミング部材が提供される。
[0016] ある態様によれば、テーブルと、テーブルに向けて光路に沿って放射ビームを投影するように構成された光学システムと、テーブル上又はテーブルによって支持されたオブジェクト上に位置するターゲット部分であって、表面材料がターゲット部分に隣接し、表面材料が光学システムからの放射で照射された時に劣化できる、ターゲット部分と、光路内に移動可能なフレーミング部材であって、フレーミング部材の本体を通過する開口を画定するフレーミング部材とを備え、フレーミング部材が光路内にある時に、放射ビームが開口を通過し、開口が放射ビームの断面を制限してターゲット部分への放射ビームによる照射を制限する、リソグラフィ装置が提供される。
[0017] ある態様によれば、テーブル上又は、テーブルによって支持されたオブジェクト上に位置するターゲット部分を照射する方法であって、表面材料がターゲット部分に隣接し、表面材料が照射された時に劣化でき、該方法が、ターゲット部分へ向けて放射ビームを投影すること、フレーミング部材を放射ビームの光路内へ移動させて、放射ビームの断面をフレーミング部材に画定された開口によって制限し、ターゲット部分への放射ビームによる照射を制限することを含む方法が提供される。
[0018] 添付の略図を参照しながら、本発明の実施形態を以下に説明するが、これは単なる例示としてのものにすぎない。図面において、対応する参照符号はその対応する部材を示す。
[0019]本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。 [0020]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。 [0020]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。 [0021]リソグラフィ投影装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。 [0022]リソグラフィ装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。 [0023]基板テーブルの上面の平面図である。 [0024]TISセンサの上面の平面図である。 [0025]本発明のある実施形態のy方向のフレーミング部材の平面図である。
[0026] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0027] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0028] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0029] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0030] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0031] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0032] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0033] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0034] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0035] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタAMを備えていてもよい。通常、少なくともイルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0036] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの光路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの光路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0037] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0038] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0039] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0040] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0041] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0042] 投影システムの最終要素と基板との間に液体を供給する構成は、少なくとも2つのカテゴリーに分類される。これらは、浴槽タイプ(又は浸漬)構成と、局所液浸システムである。浸漬構成では、実質的に基板全体と任意選択として基板テーブルの一部が液体内に、例えば、浴槽内又は液体膜の下に浸漬される。局所液浸システムは、基板の局所領域にのみ液体を供給する液体供給システムを使用する。後者のカテゴリーでは、液体によって充填される空間は、平面視で基板の上面より小さい。基板を覆う空間内の液体の量は、基板がそのような空間の下を移動する間、投影システムに対して実質的に静止している。
[0043] 本発明のある実施形態が狙いとする別の構成は、液体が閉じ込められていないオールウェット解決策である。この構成では、実質的に基板の上面全体と基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜であってもよい。図2〜図5の液体供給デバイスのいずれもそのようなシステムで使用することができる。しかし、液体供給デバイス内には封止特徴部が存在しないか、動作していないか、通常のものより効率が落ちるか、又は他の点で液体を局所領域にのみ封止する効果がない。図2〜図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが示されている。図2〜図4に開示された液体供給システムについては上記の通りである。
[0044] 提案されている別の構成は、液体供給システムに流体閉じ込め構造を提供することである。図5は、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材又は流体閉じ込め構造12を備えた局所液体供給システム又は流体ハンドリング構造を示す。(以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルの表面も指すことに留意されたい。)流体閉じ込め構造12は投影システムに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、流体閉じ込め構造と基板Wの表面との間に封止が形成され、封止はガスシール又は流体封止などの非接触封止であってもよい。
[0045] 流体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間内に閉じ込められるように、基板Wへの非接触封止16を投影システムの画像フィールドの周囲に形成することができる。空間は、投影システムPSの最終要素の下に位置し、それを取り囲む流体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムの下の空間、及び液体入口13によって流体閉じ込め構造12内に流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去することができる。流体閉じ込め構造12は、投影システムの最終要素から上に少し突き出すことができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、流体閉じ込め構造12は、上端で投影システム又はその最終要素の形状にぴったりと一致する内周を有する。底部で、内周は、画像フィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
[0046] 液体は、使用時に流体閉じ込め構造12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められる。ガスシールは、ガス、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N又はその他の不活性ガスによって形成される。ガスシール16内のガスは、入口15を介して流体閉じ込め構造12と基板Wとの間の空隙に加圧下で提供される。ガスは、出口14を介して取り出される。液体を内側に閉じ込める高速のガスフローが存在するように、ガス入口15上の過剰圧力、出口14上の真空レベル及び空隙の幾何構造が配置されている。流体閉じ込め構造12と基板Wとの間の液体上のガスの力で、液体は空間11内に封じ込められる。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は、連続的又は不連続的であってもよい。ガス16の流れは、液体を空間11内に封じ込める効果がある。そのようなシステムが米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0047] 本発明のある実施形態は、使用する液体供給源の種類にかかわらず、任意のリソグラフィ装置、特に液浸装置で使用することができる。図5の例は、液体が任意の一時点で基板Wの上面の局所部分(すなわち領域)にのみ提供されるいわゆる局所領域構成である。ある実施形態では、液体ハンドリングシステムは、多孔質の部材で覆われた出口などの開口を有していてもよい。
[0048] 例えば、米国特許出願公開US2006−0038968号に開示された単相抽出器(2相モードで動作するか否かを問わず)を使用する流体ハンドリングシステムを含むその他の構成及び変形形態も可能である。これに関して、単相抽出器のある実施形態は、2単モードで動作可能であることに留意されたい。ある実施形態では、単相抽出器は、多孔質の材料、例えば、プレートの形態でもよい多孔質の部材で覆われた入口を有していてもよい。多孔質の材料は、一液相の液体抽出を可能にするためにガスから液体を分離するために使用される。多孔質の材料の下流側にあるチャンバは、わずかに圧力がかかった状態に保たれ、液体で満たされている。チャンバ内の加圧は、多孔質の材料の穴に形成されたメニスカスによって周囲ガスがチャンバ内に引き込まれない程度の大きさである。しかし、多孔質の表面が液体に接触すると、フローを制限するメニスカスは存在せず、液体はチャンバ内に自由に流入できる。多孔質の材料は、例えば5〜50μmの範囲の直径の多数の小さい孔を有する。ある実施形態では、多孔質の材料は、少なくともわずかに親液性(例えば水が存在する場合、親水性)であり、すなわち、例えば水などの液浸液に対して90°未満の接触角を有する。
[0049] 別の構成又は変形例は、ガス抵抗原理(gas drag principle)に基づく構成である。いわゆるガス抵抗原理は、例えば、米国特許出願公開US2008−0212046号及び2008年5月8日出願の米国特許出願US61/071,621号に記載されている。そのシステムでは、抽出開口(例えば穴)が、望ましくは、角を有する形状に配置されている。角は、ステップ及びスキャン方向に整合することができる。これによって、2つの出口がスキャン方向に垂直に整合していた場合と比較して、ステップ又はスキャン方向の基板テーブルWT(基板Wを含む)と流体閉じ込め構造との間の所与の速度について流体ハンドリング構造の表面の2つの開口の間のメニスカスにかかる力が低減する。
[0050] 本発明のある実施形態は、オールウェット液浸装置で使用される流体ハンドリング構造に適用することができる。オールウェット実施形態では、例えば、投影システムの最終要素と基板との間に液体を閉じ込める閉じ込め構造から液体が漏出できるようにすることで、流体は実質的に基板テーブルの上面全体を覆うことができる。オールウェット実施形態の流体ハンドリング構造の一例は、2008年9月2日出願の米国特許出願US61/136,380号に記載されている。
[0051] その他の構成も可能であり、以下の説明から明らかなように、どのタイプの液体供給システム又は液体閉じ込めシステムを使用するか、又はそのようなシステムの正確な構造は重要ではない。
[0052] 図6は、基板テーブルWTの上面の平面図を示す。基板テーブルWTは、基板Wを支持する。基板テーブルWTは、クロージングディスク又はダミー基板80を支持することができる。基板テーブルWTの上面にはいくつかのセンサ50、60、70があってもよい。
[0053] クロージングディスク80は、流体閉じ込め構造12の断面領域よりも大きいサイズ、例えば、流体閉じ込め構造12の下面に画定された開口の半径方向内方のリムより大きい領域を有する。クロージングディスクは、流体閉じ込め構造12の下面領域より大きくてもよい。クロージングディスクを使用することで、液体閉じ込め構造の下にクロージングディスク80を配置して開口を塞ぐ(すなわちクロージング)することができる。クロージングディスク80は、基板テーブルWTから取り外しができてもできなくてもよい。こうして、例えば、基板の交換中に空間10を通る液体のフローを維持することができる。
[0054] クロージングディスクは、シャッター部材として動作することができる。シャッター部材の他の実施形態は、(非限定的なリスト内に)別の基板テーブルなどの別のテーブル又は洗浄テーブル、測定テーブル又は測定及び洗浄テーブルなどの第2のテーブル、又は、例えば基板の交換中にテーブルが流体閉じ込め構造12の下で平滑に移動することができるように2つのテーブルの表面を相互接続する表面を有するアセンブリを含んでいてもよい。そのようなアセンブリはリトラクタブルブリッジ(retractable bridge)とも呼ばれ、ブリッジは、例えば基板の交換のために所定位置に移動することができる。洗浄テーブルは、液浸システムの一部を洗浄するコンポーネントを有していてもよい。測定テーブルは、例えば、投影システムのパラメータを測定するセンサを有していてもよい。洗浄及び測定テーブルは、各々基板を支持するように構成されていてもよく、又は基板を支持することができないように構成されていてもよい。
[0055] 液浸リソグラフィ装置の使用中に、基板テーブルWTの上面に装着された1つ又は複数のセンサ50、60、70を用いて一定の測定が行われる。センサは、例えば、投影システムPS、基板W、及び/又は基板テーブルWTの測定に使用することができる。センサ50、60、70は、透過イメージセンサ(TIS)、レンズ干渉計(ILIAS)、スポットセンサなどを含んでいてもよい。これらのセンサの1つ以上は、例えば、センサを用いてセンサを結像して測定値を得る時に液浸液で覆われていてもよい。センサが流体閉じ込め構造12の下を通過する際に流体閉じ込め構造12によって液体がセンサ上に残ることがある。センサなどの表面に残った液体は、蒸発して表面に熱負荷を加える。熱負荷によって表面が変形することがある。センサ上に残った液体は、放射に暴露されて加熱され、液体の屈折率と液体の光学特性に影響を与えることがある。センサ上に残った液体によって汚染物がセンサの表面に付着することがある。そのような汚染物は、液浸液内に存在するか、又はおそらくは照明放射の影響で液浸装置の表面の物質との液体(例えば、水)との相互作用の結果として形成されることがある。
[0056] したがって、センサ上の汚染物、液体、過剰な熱は、個別に又は任意の組合せでその測定性能に悪影響を及ぼすおそれがある。別のコンポーネントもそのように汚染され、及び/又は加熱されることがある。そのようなコンポーネントは、非限定的なリストでは、単相又は2相の液浸流体を供給又は抽出する開口、及び/又は基板テーブルなどのテーブルの表面上にあるエンコーダマーキングを含んでもよい。
[0057] 基板テーブル及び/又は他のコンポーネント(例えば、基板テーブルWT上に装着されたセンサ50、60,70)の液浸液に暴露された表面を液浸液に対して疎液性にするために、表面の材料又は表面に塗布された材料は、疎液性である。そのような表面材料、例えばコーティングは、紫外線(UV)放射内で劣化することがある(例えば、液浸リソグラフィで通常使用される放射の波長は193nmで、疎液性材料はその波長の放射で劣化することがあり、劣化は水などの液浸液があると特に発生しやすい)。「劣化する」という用語は、表面材料の望ましい特性が照射によって除去されることを意味する。そのような除去は、徐々に発生し、UV放射への暴露が増加すると共に発生することがある。この用語は、放射感応性で放射によって変化する特性を有するフォトレジストのケースと対照的であるが、劣化するとは言うことができない(特性の変化は動的で望ましい属性であるため)。さらに、フォトレジストの時間応答は、前記表面材料よりもはるかに速い。数百枚のダイの基板ではなく、1枚のダイを露光するのにかかる時間である。
[0058] 疎液性表面材料(例えばコーティング)を有する理由は、基板テーブルWTと投影システムPS及び閉じ込め構造12との相対速度を増大するためである。スキャン中に、基板テーブルWTは、投影システムPS及び液体閉じ込めシステム12の下でこれらに対して移動することがある。液浸液のメニスカスは、より大きい疎液性の特性を備えた表面上でより大きい後退接触角を有する。メニスカスと液体で覆われた表面との間のこのような接触角は90度以上である。より大きい後退接触角は、メニスカスのより大きい安定性を示す。メニスカスのより大きい安定性は、基板テーブルWT及び/又は基板Wと空間11内の閉じ込め構造12に閉じ込められた液体との相対運動の高速化を可能にする。疎液性表面は、メニスカスの安定性を維持する助けになる。それによって、例えば、基板上に液滴が形成されて投影システムPSと基板Wとの間の貯蔵所11内に気泡が形成されるリスクが低減される。それ故、疎液性コーティングの使用によってより速いスキャン速度を達成する助けになる。
[0059] 以下の説明は、本発明のある実施形態をセンサに適用する方法の一例としてTIS50に言及する。この説明は、決して本発明をこのタイプのセンサに限定するものではない。この説明は、本発明のある実施形態の態様とそれらの態様を液浸リソグラフィ装置のコンポーネントのフィーチャに適用する方法を示しているに過ぎない。
[0060] 図7は、TIS50の上面の平面図を示す。TISは、少なくとも2つのTISマーク110、120で構成される。TISマーク110、120は、x方向に離間している。TISマーク110、120の各々は、2つの格子112、114、122、124を含む。TISマーク110、120の各々は、ブロック115、125をさらに含む。照明するセンサの各部(TISマーク110、120、又はより詳細には、ブロック115、125と格子112、114、122、124)はターゲット部分と見なされる。
[0061] TISは、その上に不透明なコーティングが形成される透明なプレートを備える。不透明コーティングはクロムであってもよい。不透明コーティングは、パターニングされていてもよい。透明なプレートの下には、放射ビーム(例えば、ビームB)の照射を受けた時に発光する発光層がある。発光層の下には、フォトダイオードがある。
[0062] ブロック115、125は、各々、不透明コーティングでコートされない領域を有する。ブロック115、125は、透明なプレート上の不透明コーティングのパターニングの一部である。したがって、ビームがブロック115を照明すると、ブロック115、125の下のフォトダイオードは、強力なルミネセンス放射を受ける。ルミネセンス放射が十分な強度を有する時には、ダイオードは、接続先の電気回路が信号を発するように動作する。この構成は、リソグラフィ装置の位置決めシステムで使用することができる。特に、この構成は、例えば、投影システムPSに対する基板テーブルWTの粗位置決めに使用することができる。
[0063] 格子112及び122は、垂直格子を含むxアライメントマークを有する。格子114及び124は、水平格子を含むyアライメントマークを有する。
[0064] パターニングデバイスMAは、図1に示すアライメントマークM1、M2を有する。パターニングデバイスMA、特にアライメントマークM1、M2は、放射ビームを用いて照明されて、TIS50に入射する前に放射ビームの断面にパターンを形成する。放射ビームの断面のパターンは、格子112、114、122、124のパターンと実質的に同じである。各格子112、114、122、124のパターンは、透明なプレート上の不透明コーティングのパターニングの一部である。4つの格子112、114、122、124の少なくとも1つ、できれば全部が同時に照明される。次に、基板テーブルWTは、パターニングデバイスMAと基板テーブルWTとの最良のアライメントが達成されるまでx/y平面内を移動する。望ましくは、最良のアライメントは、最適化されたアライメントである。最良のアライメントは、パターニングデバイスMA上のアライメントマークM1、M2とTIS50の格子112、114、122、124とのアライメントによって示されてもよい。アライメントは、格子112、114、122、124の各々の下のフォトダイオードから受信した信号によって決定される。同様に、基板テーブルWTをz方向に移動させて例えば最適な焦点を決定することができる。
[0065] 疎液性、例えば疎水性のコーティングをTIS50の上面に提供することができる。疎液性コーティングは透明であってもよい。上記のように、疎液性の表面は、UV放射に照射されるとその疎液性の特性を失って(すなわち劣化して)接触角が小さくなる。表面は、親液性、例えば親水性になる。これは、TISマーク110、120にわたって、特にブロック115、125にわたって、時には格子112、114、122、124にわたって許容されることができる。しかし、接触角が失われると、センサ上の別の場所に問題が発生する場合がある。例えば、TISマーク110、120間の領域140及び/又は格子112、114とブロック115との間又は格子122、124とブロック125との間の領域150は、UV放射を照射されると、望ましくないことに接触角を失い親液性になる場合がある。水などの液浸液がある場合に照射が行われると、劣化はより顕著になる。
[0066] 追加的に又は代替的に、照明用UV放射は、センサ、例えばTIS50の表面を加熱することがある。センサの表面温度の上昇によって、センサは変形してセンサが行う測定のエラーを誘発することがある。例えば、温度上昇は、マーク110、120間の距離及び/又は格子112、114及びブロック115の間又は格子122、124及びブロック125の間の領域150に影響を与える場合がある。これらの場所では表面のこの部分は有効熱膨張係数が小さい材料で形成されていないため、熱は表面を歪ませる。そのような材料は、露光放射を吸収するか、露光放射を反射するか、又はその両方である。材料は、放射アブソーバ又はリフレクタであってもよい。そのような材料は、クロム、又はモリブデンシリカ(例えばMoSi)、又はその両方を含むか又はそれらから構成されてもよい。
[0067] センサ50のフィーチャの少なくとも一部は、使用時に放射の特性の測定中の付随的な放射のための開口として機能することができる。例えば、開口は、例えば、センサで誘導されるマーカでパターニングされた放射の空間像をスキャンするために使用することができる。そのような構成をレチクル又はマスクなどのパターニングデバイスMAのアライメント時に使用することができる。同じ材料を用いてパターニングデバイスMA上のフィーチャを形成するための材料として開口の周囲の表面を形成することができる。したがって、熱膨張係数が低い材料がマーク110、120、格子112、114、122、124及びブロック115、125の少なくとも1つに存在してもよい。これらのコンポーネントの放射は、センサの変形を引き起こしにくい。
[0068] センサ、例えばTIS50上にある液浸液は、露光放射によって加熱される。液体は、蒸発してセンサに熱負荷を加えることがある。液体は、加熱されるにつれて屈折率が変化し、それが光学特性に影響して液体を通した測定に影響することがある。追加的に又は代替的に、加熱された液体は、液体閉じ込め構造12内、すなわち空間11内に閉じ込められた液浸液に戻ることがある。加熱された液体は、空間11に直接供給される液体閉じ込め構造内に閉じ込められた調整液浸液の温度に影響することがある。加熱された液体を調整液浸液と混合すると、空間内に閉じ込められた液浸液の光学特性に影響することがある。
[0069] ある実施形態では、センサの表面は、放射ビームからの熱負荷を受けることがある。センサの表面は、液体が表面に接触する前に放射ビームに暴露される場合がある。センサ50の動作中に、液浸空間はセンサより上にあってもよい。液浸空間11内の液体は熱調整される。こうして、液体の光学特性が制御される。熱は、センサの表面と液浸液との間で容易に伝達する。表面と液体との間には、効果的で有効な熱伝導がある。ビームは、液浸液を直接加熱することができる。熱が液体に伝達すると、その屈折率が変化する。液体は、表面上を液浸空間11の別の部分、例えば、放射ビームの光路内の液体へ流れる。放射ビームは、光路に沿って液浸空間11内を通過することができ、例えば、パターニングデバイスのアライメント中にセンサを用いて測定値を得ることができる。
[0070] 加熱した表面上を液体が光路へ向かい通過する時、その温度と屈折率が影響を受けることがある。空間11内の液浸液の熱安定性が影響されることがある。液浸液の光学特性が損なわれ、例えば、歪められてセンサを用いた測定値のエラーを引き起こすことがある。
[0071] 図1から分かるように、パターニングデバイスMA上のアライメントマークM1、M2は、デバイスパターンCの側面である距離だけ離れている。アライメントマークM1、M2の離間は、パターニングデバイスMAと基板テーブルWTとの間の正確及び/又は確実な回転アライメントに十分な大きさである。顧客は、2つのアライメントマークM1、M2間の領域を自由に、例えば他のマークのために使用することができる。しかし、顧客がこれを利用すると、TISのTISマーク110、120の照明の間に放射がパターニングデバイスMAを通過して領域140上に到達する。領域140へのそのような放射によって領域140の表面材料(コーティングでもよい)が劣化する場合がある。そのような劣化は望ましくない。従来の装置では、放射が領域140又は150に到達しないという保証がない。
[0072] 本発明のある実施形態では、放射ビームで照明することが望まれる領域へ向けて誘導される放射ビームの光路内でシールドが使用される。シールドは、放射がその領域の周辺の、又は隣接する表面に到達することを防止する。ある実施形態では、シールドは、アライメントマーク110、120間の領域140の照明を制限し(例えば、放射ビームがそこに到達するのを防止する)、及び/又は格子112、114及び/又は格子120、124間の領域150の照明を制限する。望ましくは、シールドは、基板Wの照明中に光路から取り外せるように移動可能である。
[0073] 図8は、光路内へ移動可能なシールドのある実施形態を示す。使用時に、シールドは、放射ビームで照明することが望まれる領域、例えば、格子112、114、120、124のいずれか及び/又はブロック115、125のいずれかへ向けて誘導される放射ビームの断面の一部分を阻止する。こうして使用時に、例えば、センサ50の少なくとも2つのTISマーク110、120間の領域150の照明が制限される。こうして、領域150上にある液体の照明も制限される。図8は、基板Wのy方向の照射中の放射ビームの断面を制限するための上部及び底部フレーミング部材210、220を示す。そのようなフレーミング部材210、220は、照明システムILの後段及びパターニングデバイスMAと投影システムPSの前段のビームの光路内に配置されている。すなわち、フレーミング部材は、照明システムILとパターニングデバイスMAの間の光路内の中間焦点面に配置されていてもよい。その他の場所、特に、任意の中間焦点面も適当である。その他のフレーミング部材、特にx方向のフレーミングのためのフレーミング部材があってもよい。そのようなフレーミング部材は、縁部が図8に示す2つのフレーミング部材210、220の対向する縁部211、221に実質的に垂直に配置されている。
[0074] フレーミング部材210、220は、正常動作中は、例えば、放射ビームがパターニングデバイスMAを通過する前にビームの断面を画定するために使用される。本発明のある実施形態では、フレーミング部材210、220は互いに対向する最も奥の縁部211、221が接触可能なようにフレーミング部材210、220を合せることができるように十分に大きく作られている。
[0075] フレーミング部材210、220の1つに、貫通穴(又は開口)301、302、303、311、312、313が画定されている。貫通穴は、正常動作中に放射ビームBのフレーミングに使用されないフレーミング部材210、220の一部に画定されている。貫通穴301、302、303、311、312、313は、TIS上の格子112、ブロック115、格子114、格子122、ブロック125、格子124とそれぞれ位置が対応している。したがって、TISの格子112、114、122、124及びブロック115、125と、任意選択としてこれらの領域上の液体に入射する放射だけがフレーミング部材によって阻止されない。したがって、フレーミング部材は、TISマーク110、120間及び各々の個別のTISマーク内の格子とブロックの間の領域140、150の照明を制限する。それ故、TISマーク110、120が照明される時に、望ましくは、放射ビームで照明されない特徴部が2つのTISマーク110、120間の領域140及び/又は150内に配置することができるようにセンサを設計してもよい。それ故、これらの特徴部は、所望の位置に移動することができ、及び/又はセンサのサイズを低減することができる。
[0076] 使用時に、フレーミング部材210、220を基板Wの照明及びパターン形成中に垂線として使用することができる。しかし、パターニングデバイスMAのTIS(その結果、基板テーブルWT)へのアライメント中、フレーミング部材210(ブレードと呼んでもよい)の1つは、放射ビームの断面内にさらに移動する。ある実施形態では、貫通穴を有するフレーミング部材210は、放射ビームの光路を横断する。ある実施形態では、両方のフレーミング部材210、220が放射ビームの光路内にある。フレーミング部材210、220の1つ以上を動かして対向する縁部211、221が合致するようにできる。あるいは、フレーミング部材210、220を同じ方向に動かして対向する縁部211、221が合致しないようにできる。
[0077] こうして、ブロック115、125の1つ以上及び/又は格子112、114、122、124の1つ以上に入射する放射が、例えば、それぞれの対応する貫通穴301、302、303、311、312、313を通してフレーミング部材210を通過する。しかし、その他の放射は制限される。
[0078] 放射ビームが貫通穴301、302、303、311、312、313を通過した後で、放射はパターニングデバイスMAを通過することができる。特に、放射は、TISと併用するために必要に応じてパターニングするアライメントマークM1、M2を通過することができる。こうして特性(例えば、パターニングデバイスMAに対する位置)を検出/測定することができる。
[0079] 貫通穴301、302、303、311、312、313は、複数のフレーミング部材内に提供することができる。
[0080] 放射ビームBの光路内のシールド又はフレーミング部材210、220の別の位置も適切である。例えば、シールド又はフレーミング部材210、220を光路内の照明システムILの前段の、照明システムIL内の、照明システムILと投影システムPSとの間の、投影システムPS内の、又は投影システムPSの後段の中間焦点面に配置してもよい。ある実施形態では、シールド部材は、センサの該当部分、例えば、ブロック115、125の1つ以上に、及び/又は格子112、114、122、124の1つ以上にビームをパターニングするためのパターンを有するパターニングデバイスMAであってもよい。パターニングデバイスを基板Wの露光時に放射ビームにパターンを形成するパターニングデバイスと交換するために余分な時間がかかるため、これは、フレーミング部材210、220を使用することより望ましくない。
[0081] 2つのTISマーク110、120間の領域140(及び望ましくは2つのTISマーク110、120を取り囲む領域)と、任意選択として、領域140上の液体のみが遮蔽される場合、利点が達成される。本発明のある実施形態は、例えば、格子112、114間及び格子112とブロック115の間の領域150、及び任意選択として、領域150上の液体のみが遮蔽される場合に利益を提供する。
[0082] ビームに暴露される(すなわち、表面の一部分を遮蔽する)例えばセンサの表面の領域を制限することが以下の理由の1つ以上のために望ましい。放射に暴露される領域を制限することは、表面にある物質の劣化を制限する助けになる。照明放射に暴露される表面の領域を制限することで、表面の歪みのリスクを低減することができる。表面に液体がある場合、放射ビームに暴露される表面と液浸液の量を制限することで、測定中に空間内の液浸液に伝達する熱を低減することができる。表面がパターニングデバイスと基板テーブル及び/又は基板とのよりよいアライメントを達成するセンサの表面である場合、これは望ましい。
[0083] 本発明のある実施形態は、TIS以外のコンポーネントの照明中に使用することが望ましい。例えば、照明されているターゲット部分の周囲の又は隣接する表面を遮蔽することで利益を得る別のタイプのセンサ又は液浸リソグラフィ装置の別の特徴部の照明である。例えば、適切な特徴部は、基板テーブル、例えばテーブルの1つ又は複数の縁部上にあるエンコーダマーキングであってもよい。この特徴部は、放射ビームにより照明される必要がある画定された表面を有していてもよく、画定された表面は、放射ビームによる照射からの保護を必要とする選択又は、画定された接触角特性を有するコーティングなどの材料でできた表面の周囲にあるか又は隣接する。本発明のある実施形態は、そのような状況に使用することができる。
[0084] ある実施形態では、シールド部材、例えばフレーミング部材210、220の1つは、照明するターゲット部分に対応する断面形状を放射ビームに付与する1つの貫通穴を有する。しかし、TIS同様、ターゲット部分は、別のターゲット部分の近くにあってもよい。その場合、シールド部材は、各々が放射ビームの光路内のターゲット部分に対応する複数の貫通穴を有する。各々の穴又は開口は、比較的小さい有効熱膨張係数を有するセンサの表面の一部に対応する場所に放射を誘導するように配置されていてもよい。そのような場所の周囲の材料は、比較的高い有効熱膨張係数を有していてもよい(例えば、リフレクタではない)。したがって、各穴は、より高い顕著な有効熱膨張係数を有する材料でできた表面内の低い有効熱膨張係数を有する材料でできた表面の部分に関連付けることができる。
[0085] 本発明のある実施形態は、センサ50などの放射ビーム(例えば、ビームB)の下に配置することができる特徴部の洗浄中に使用することができる(この実施方法の例については、2008年3月7日出願の米国特許出願US61/064,487号を参照)。すなわち、洗浄中には、ターゲット部分を照明し、その周囲の領域は照明しない、例えば少なくとも2つのターゲット部分を照明し、ターゲット部分間の(すなわち、少なくとも2つのターゲット部分間の)領域を照明しないことが望ましい。それ故、洗浄は、洗浄を意図するセンサの部分に制限される。
[0086] 上記説明では、疎水性又は親水性の材料に言及していることを理解されたい。これは、使用する液浸液が水であるケースに該当する。しかし、液浸液として別の液体又は流体を使用してもよい。この場合、疎水性及び親水性という用語は、疎液性又は親液性あるいは疎油性又は親油性と読み替えなければならない。疎液性(例えば、水がある場合には疎水性)とは90°より大きい、望ましくは、100、120、130又は140°より大きい後退接触角を意味する。一実施形態では、接触角は180°未満である。親液性(例えば、水がある場合には親水性)とは、90°未満、望ましくは80°未満、70°未満、60°未満、又は50°未満の後退接触角を意味する。一実施形態では、接触角は0°より大きく、望ましくは10°より大きい。これらの角度は、室温(20℃)で大気圧の下で測定することができる。
[0087] 上記特徴部のいずれも他のいずれの特徴部とも併用することができ、本願で対象になる範囲は、上記の明示的な組合せに限定されないことが理解されよう。
[0088] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0089] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか一つ、又はその組合せを指す。
[0090] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に格納したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実施することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に格納することができる。
[0091] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するコントローラは、各々又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは、各々又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成される。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを格納するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[0092] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が浴槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、又は閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、これに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸流体を閉じ込めることができないか、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[0093] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組合せでよい。これは、1つ又は複数の構造と、1つ又は複数の液体開口を含む1つ又は複数の流体開口と、1つ又は複数のガス開口又は2相フロー用の1つ又は複数の開口との組合せを含んでもよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、又は空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでもよい。液体供給システムは、任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
[0094] ある実施形態では、テーブルと、少なくとも2つのターゲット部分と、光学システムと、シールドとを備えるリソグラフィ装置が提供される。少なくとも2つのターゲット部分は、テーブル上又はテーブル上のオブジェクト上にある。少なくとも2つのターゲット部分間には表面材料がある。光学システムは、テーブルに向かう光路に沿って、少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射する断面を有する放射ビームを投影するように構成される。シールドは、光路内に移動して放射ビームの断面を制限して少なくとも2つのターゲット部分間の照明を制限することができる。少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料は、光学システムからの放射で照射された時に、劣化するか、変形するか、又は劣化及び変形する。
[0095] シールドは、支持構造のビーム内の上流側に配置されてもよい。支持構造は、パターンを放射ビームの断面に付与するパターニングデバイスを支持するように構成される。シールドは、基板の照射中に放射ビームの断面を制限するフレーミング部材を含んでもよい。
[0096] フレーミング部材は、スキャン中に断面を制限するように構成されてもよい。フレーミング部材は、放射を通過させて少なくとも2つのターゲット部分のうちの少なくとも1つに入射させる穴を有してもよい。穴は、基板の照射中に放射ビームの断面を制限するために使用しないフレーミング部材の一部分にあってもよい。
[0097] 光学システムは、照明システムと投影システムとを含んでもよい。シールドは、照明システムの前段の、照明システム内の、照明システムと投影システムとの間の、投影システム内の、又は投影システムの後段の光路内の中間焦点面に配置してもよい。
[0098] 少なくとも2つのターゲット部分の少なくとも1つは、光学システムからの放射で照射された時に劣化する領域に隣接してもよい。少なくとも2つのターゲット部分は、センサの一部であってもよい。センサは、伝送画像センサであってもよい。少なくとも2つのターゲット部分のうちの少なくとも1つは、使用時に、パターニングデバイスによって放射ビームに付与されたパターンで照明されてもよい。少なくとも2つのターゲット部分間の表面は、光学システムからの放射で長時間照明された時に減少する接触角を有してもよい。少なくとも2つのターゲット部分間にコーティングがあってもよい。
[0099] シールドは、放射ビームの断面の一部をブロックするように構成されてもよい。
[00100] ある実施形態では、少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料は、表面材料上にある任意の液浸液と共に、光学システムからの放射で加熱された時に変形する。
[00101] リソグラフィ装置内のテーブル又はテーブル上のオブジェクトの少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法が提供される。照射された時に少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料は劣化する。この方法は、投影こと、制限ことを含む。投影ステップでは、ターゲット部分へ向けて、少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射するのに十分な大きさの断面を有する放射ビームが投影される。制限ステップでは、放射ビームの断面が制限されて少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料の照明が制限される。
[00102] 制限ステップは、ブロックステップであってもよい。この方法は、放射ビームの制限された断面にパターンを付与することをさらに含んでもよい。この方法は、テーブルを移動させて少なくとも2つのターゲット部分への放射ビームの入射位置を変更することをさらに含んでもよい。この方法は、ターゲット部分への放射ビームの入射による信号の変化を検出することをさらに含んでもよい。この方法は、信号に基づいて焦点の位置及び/又は深度を決定することをさらに含んでもよい。
[00103] リソグラフィ装置内のテーブル又はテーブル上のオブジェクトの少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法が提供される。照射された時に少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料は変形する。この方法は、投影こと、制限ことを含む。投影ステップでは、ターゲット部分へ向けて放射ビームが投影される。放射ビームは、少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射するのに十分な大きさの断面を有する。制限ステップでは、放射ビームの断面が制限されて少なくとも2つのターゲット部分間の照明が制限される。
[00104] 本明細書に記載する方法を用いて少なくとも2つのターゲット部分を放射ビームで照射することでこれらのターゲット部分を洗浄する方法が提供される。
[00105] リソグラフィ装置の光学システム内の放射ビームの断面を制限するように構成されたフレーミング部材が提供される。フレーミング部材は、放射を通過させる穴を有する。穴は、基板の結像中に放射ビームの断面を制限する必要がないフレーミング部材の部分に位置する。
[00106] テーブルと、光学システムと、フレーミング部材と、ターゲット部分とを備えるリソグラフィ装置が提供される。光学システムは、テーブルに向かう光路に沿って放射ビームを投影するように構成される。ターゲット部分は、テーブル又はテーブルによって支持されたオブジェクト上にある。表面材料がターゲット部分に隣接している。光学システムからの放射で照射された時に表面材料は劣化することがある。フレーミング部材は、光路内に移動可能なように構成され、配置される。フレーミング部材は、フレーミング部材の本体を通過する開口を有する。フレーミング部材が光路内にある時に、放射ビームが開口を通過する。開口は、放射ビームの断面を制限してターゲット部分への放射ビームによる照射を制限するように構成される。
[00107] この装置は、光学システムからの放射ビームにパターンを形成するパターニングデバイスを保持するように構成された支持構造をさらに有してもよい。フレーミング部材は、放射ビームがパターニングデバイスに到達する前に放射ビームの断面を制限するように構成されてもよい。液浸液があると劣化が発生することがある。フレーミング部材は、結像中に放射ビームをフレーミングするように構成され、配置される。
[00108] テーブル又はテーブルによって支持されたオブジェクト上に位置するターゲット部分を照射する方法が提供される。表面材料がターゲット部分に隣接している。照射された時に、表面材料は劣化することがある。この方法は、投影こと、移動ことを含む。投影ステップでは、放射ビームがターゲット部分へ向けて投影される。移動ステップでは、フレーミング部材が放射ビームの光路内へ移動して放射ビームの断面がフレーミング部材に画定された開口によって制限されてターゲット部分への放射ビームによる照射が制限される。
[00109] 本明細書に記載する方法を用いて基板テーブル上に装着されたセンサのターゲット部分を照射するステップを含むリソグラフィ装置内の基板テーブルの特性を検出する方法が提供される。
[00110] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、下記に示す請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (15)

  1. テーブルと、
    前記テーブル上又は前記テーブル上のオブジェクト上の少なくとも2つのターゲット部分と、該少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料と、
    前記テーブルに向かう光路に沿って、前記少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射する断面を有する放射ビームを投影する光学システムと、
    前記光路内に移動して前記放射ビームの断面を制限して前記少なくとも2つのターゲット部分間の照明を制限することができるシールドとを備え、
    前記少なくとも2つのターゲット部分間の前記表面材料が、前記光学システムからの放射で照射された時に、劣化するか、変形するか、又は劣化及び変形する、リソグラフィ装置。
  2. 前記シールドが、パターンを前記放射ビームの断面に付与するパターニングデバイスを支持する支持構造のビーム内の上流側に配置される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記シールドが、基板の照射中に放射ビームの断面を制限するフレーミング部材を含む、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記フレーミング部材が、放射を通過させて前記少なくとも2つのターゲット部分の少なくとも1つに入射させる穴を有する、請求項3に記載の装置。
  5. 前記光学システムが、照明システムと投影システムとを含み、前記シールドが、前記照明システムの前段の、前記照明システム内の、前記照明システムと前記投影システムとの間の、前記投影システム内の、又は前記投影システムの後段の中間焦点面における前記光路内に配置された、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記少なくとも2つのターゲット部分の少なくとも1つが、前記光学システムからの放射で照射された時に劣化する領域に隣接する、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記少なくとも2つのターゲット部分が、センサの一部である、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記少なくとも2つのターゲット部分間の前記表面が、前記光学システムからの放射で長時間照明された時に減少する接触角を有する疎液性である、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記少なくとも2つのターゲット部分間にコーティングがある、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記シールドが、前記放射ビームの断面の一部をブロックする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
  11. リソグラフィ装置内のテーブル又はテーブル上のオブジェクトの少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法であって、照射された時に前記少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料が劣化し、該方法が、
    前記ターゲット部分へ向けて、前記少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射するのに十分な大きさの断面を有する放射ビームを投影すること、
    前記放射ビームの断面を制限して前記少なくとも2つのターゲット部分間の前記表面材料の照明を制限すること、
    を含む方法。
  12. リソグラフィ装置内のテーブル又はテーブル上のオブジェクトの少なくとも2つのターゲット部分を照射する方法であって、照射された時に前記少なくとも2つのターゲット部分間の表面材料が変形し、該方法が、
    前記ターゲット部分へ向けて、前記少なくとも2つのターゲット部分を同時に照射するのに十分な大きさの断面を有する放射ビームを投影すること、
    前記放射ビームの断面を制限して前記少なくとも2つのターゲット部分間の前記表面材料の照明を制限すること、
    を含む方法。
  13. リソグラフィ装置の光学システム内の放射ビームの断面を制限するフレーミング部材であって、該フレーミング部材が放射を通過させる穴を有し、該穴が基板の結像中に放射ビームの断面を制限する必要がない前記フレーミング部材の部分に位置する、フレーミング部材。
  14. テーブルと、
    前記テーブルに向けて光路に沿って放射ビームを投影する光学システムと、
    前記テーブル上又は前記テーブルによって支持されたオブジェクト上に位置するターゲット部分であって、表面材料が該ターゲット部分に隣接し、該表面材料が前記光学システムからの放射で照射された時に劣化できる、ターゲット部分と、
    前記光路内に移動可能なフレーミング部材であって、該フレーミング部材の本体を通る開口を有するフレーミング部材とを備え、
    前記フレーミング部材が前記光路内にある時に、前記放射ビームが前記開口を通過し、前記開口が前記放射ビームの断面を制限して前記ターゲット部分への前記放射ビームによる照射を制限する、リソグラフィ装置。
  15. テーブル上又はテーブルによって支持されたオブジェクト上に位置するターゲット部分を照射する方法であって、表面材料が該ターゲット部分に隣接し、該表面材料が照射された時に劣化でき、該方法が、
    前記ターゲット部分へ向けて放射ビームを投影すること、
    フレーミング部材を前記放射ビームの前記光路内へ移動させて、前記放射ビームの断面を前記フレーミング部材に画定された開口によって制限し、前記ターゲット部分への前記放射ビームによる照射を制限すること、
    を含む方法。
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