JP2007027036A - 固体酸化物型燃料電池の電極構造およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電極の比表面積の確保に好適な固体酸化物型燃料電池の電極構造を提供する。
【解決手段】 酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子5と、酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子5に対して1/10〜1/100の第2電極粒子6と、からなり、前記第2電極粒子6は前記第1電極粒子5の周囲に付着して存在するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】 酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子5と、酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子5に対して1/10〜1/100の第2電極粒子6と、からなり、前記第2電極粒子6は前記第1電極粒子5の周囲に付着して存在するようにした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、固体酸化物から成る電解質を備えた固体酸化物型燃料電池(SOFC)の電極構造およびその製造方法に関するものである。
固体酸化物型燃料電池(以下では、SOFCという)は、例えば、イットリア(Y2O3)や酸化ネオジウム(Nd2O3)のような酸化物イオン導電性を備えた固体酸化物材料を電解質として用い、その両面に、例えば、La(Sr)MnOやLa(Sr)CoOなどのペロブスカイト構造の酸化物材料(空気極)及びNiやNiと固体電解質のサーメット(燃料極)などの多孔性電極をそれぞれ積層して発電部としての電極/電解質積層体を構成する。SOFCでは、空気極側に酸素(空気)が、燃料極側に燃料ガス(H2、CO、CH4等)が供給され、空気極側に供給された酸素は、空気極を通過して固体電解質との界面近傍に到達すると、ここで空気極から電子を受け取って、酸化物イオン(O2 -)にイオン化される。生成した酸化物イオンは、固体電解質中を燃料極の方向に向かって拡散移動し、燃料極との界面近傍で燃料ガスと反応して、反応生成物(H2O、CO2等)を生じ、燃料極に電子を放出する。この電子を外部に電気として取出す。
ところで、SOFCの電極反応、例えば、空気極側で起こる酸素分子から酸化物イオンへのイオン化反応(1/2O2+2e-→O2 -)は、酸素分子と電子と酸化物イオンの三者が関与することから、酸化物イオンを運ぶ固体電解質と、電子を運ぶ空気極と、酸素分子を供給する気相(空気)、の三相の界面で起こる。燃料極側でも同様に、固体電解質と、燃料極と、気相の燃料ガスとの三相界面で電極反応が起こる。従って、三相界面、より正確には「三相界面長さ」を増大させることが電極反応の円滑な進行に有利であるとされている。
以上の観点から、前記三相界面長さを大きくするため、電極層の電解質に接する部分に細粒が、その他の部分には粗粒が存在するように粒度調整を行うことが提案されている(特許文献1、2参照)。
特開平1−227362号公報
特開平6−89736号公報
しかしながら、上記従来例の電極材料の粒度調整によるSOFCの電極の気孔率の調整では、三相界面長さを十分に大きくすることができず、従って電極反応が制限され、分極が大きくなってSOFCの出力が低下するという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、電極の比表面積の確保に好適な固体酸化物型燃料電池の電極構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子と、酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子に対して1/10〜1/100の第2電極粒子と、からなり、前記第2電極粒子は前記第1電極粒子の周囲に付着して存在するようにした。
したがって、本発明では、酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子と、酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子に対して1/10〜1/100の第2電極粒子と、からなり、前記第2電極粒子は前記第1電極粒子の周囲に付着して存在するため、電極の比表面積が飛躍的に増大され、電極の反応場の数が増大されて燃料電池セルの出力密度を向上させることができる。また、電極層と電解質層との密着性が第2電極粒子の存在により増大され、両者間の接触抵抗が低減され、燃料電池セルの出力密度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態の固体酸化物型燃料電池の電極構造およびその製造方法を説明する。
図1〜図4は、本発明を適用した固体酸化物型燃料電池の電極構造およびその製造方法の一実施形態を示し、図1は燃料極、固体電解質および空気極からなる電極/電解質積層体の断面図、図2および図3は電極層としての空気極の構造を模式的に示す説明図、図4は実施例1で作成した電極層表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図1に示すように、本実施形態における発電部としての電極/電解質積層体1は、一般の固体酸化物型燃料電池と同様に、固体電解質層2を挟んで空気電極層3と燃料電極層4とを積層して形成されている。
固体電解質層2としては、電子を通さず、イオンを通す特性が要求され、酸素イオンが発電の導体である場合は、酸素イオンの導伝特性が高いことが望まれる。さらに、固体電解質層2の重要な特性として、ガス不透過性であることが挙げられる。以上の点から、固体電解質層2には、例えば、イットリア(Y2O3)、酸化ネオジウム(Nd2O3)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化スカンジウム(Sc2O3)などを固溶した安定化ジルコニアや、セリア(CeO2)系固溶体、酸化ビスマスおよびランタンガレート(LaGaO3)などの酸化物から成る材料が用いられる。ここでは、一般的に使用されている、YSZ(Yttria Stabilized Zirconia、イットリウム−安定化ジルコニア)を用いるものについて説明している。
空気電極層3に必要な特性としては、酸化に強く、酸化ガスを透過し、電気伝導度が高く、酸素分子を酸素イオンに変換する触媒作用に優れていることが挙げられる。この点から、空気電極極3の材料としては、La(Sr)MnO3(ランタンストロンチウム亜マンガン酸塩、通称、LSM)、Sm(Sr)CoO3(サマリウムストロンチウムコバルトタイト、通称、SSC)やLa(Sr)CoO3(ランタンストロンチウムコバルトタイト、通称、LSC)に代表されるペロブスカイト構造の酸化物材料が用いられる。空気電極層の材料としては、上記以外に、例えば、LNF(ランタンニッケル鉄酸化物)等を用いるものについて説明している。
また、燃料電極層4としては、還元雰囲気に強く、燃料ガスを透過し、電気伝導度が高く、水素分子をプロトンに変換する触媒作用に優れていることが要求される特性として挙げられる。この点から、燃料電極層4の材料としては、ニッケル(Ni)やニッケルと固体電解質のサーメット(Ni−YSZ)などが用いられる。燃料電極層2の材料としては、上記以外に、例えば、Ni−SDC、Ni−GDC、Ni−YDC、Ni−ScSZ等を用いるものであってもよい。ここでは、Ni−YSZを用いるものについて説明している。
本実施形態の電極3は、図2に模式的に示すように、電極材料で構成したミクロンサイズの微粒子5(以下では、ミクロン粒子という)とナノサイズの超微粒子6(以下では、ナノ粒子という)との混合体で形成した焼結体である。前記ミクロン粒子5同士、ナノ粒子6同士、および、ミクロン粒子5とナノ粒子6とは、互いの一部を凝集させて、各粒子5、6間に気孔7を存在させた状態で多孔質の骨格構造をもつ電極層としている。
ミクロン粒子5同士の凝集では、粒子5と気孔7とが単純に分散した構造、即ち、気孔7は粒子5間に存在するだけであるが、ミクロン粒子5の表面にナノ粒子6が凝集により一部が取込まれると、ナノ粒子6の混合比率にもよるが、粒子間に存在する気孔7は様々な形状となり、電極粒子5、6の比表面積を格段に増加させる。電極層3の気孔率としては、20%〜70%として、電極層3のガス拡散による抵抗を小さくして電極性能を向上させる。なお、気孔率が20%以下の場合は、電極の拡散抵抗が大きくなり、また、70%以上になる場合には、電極構造が崩れやすく、電極強度が問題となる。
また、電解質層2との接合面に対しても、図3に模式的に示すように、ミクロン粒子5とナノ粒子6とで電解質層2の表面に対して接合する界面を形成することとなり、電極3と電解質2との界面の焼結性が向上して、界面の密着性が向上する。
前記ミクロン粒子5は、その平均粒径が数ミクロンに形成され、前記ナノ粒子6の平均粒径は、前記ミクロン粒子5に対して1/10〜1/100の大きさ、例えば、数十nm〜数百nmの大きさに設定している。
前記ミクロン粒子5およびナノ粒子6の組成は、SSC(Sm(Sr)CoO3)若しくはLSM(La(Sr)MnO3)により得ることができる。
次に、本発明に係る電極/電解質積層体1の製造方法について説明する。製造にあたっては、予め、前記したミクロン粒子5およびナノ粒子6と、燃料極ベース4上に電解質層2を形成した基材とを準備し、ミクロン粒子5とナノ粒子6とを紺練りした電極ペーストを作成し、この電極ペーストを電解質層2上に塗布し、乾燥後に焼成することで、電極/電解質積層体1を得ることができる。以下、ミクロン粒子5およびナノ粒子6の準備段階から説明する。
前記ミクロン粒子5は、その組成をSSCとする場合には、例えば、各組成の重量比をSm(サマリウム)0.5%、Sr(ストロンチウム)0.5%、CoO(コバルトタイト)残量%とした前躯体溶液である混合硝酸溶液からの沈殿法などにより液相から粒子を得る液相法により得ることができる。また、前記ミクロン粒子5の組成をLSMとする場合には、例えば、各組成の重量比をLa(ランタン)0.8%、Sr(ストロンチウム)0.2%、MnO(亜マンガン酸塩)残量%とした前躯体溶液である混合硝酸溶液からの沈殿法などにより液相から粒子を得る液相法により得ることができる。このような液相法により得られた粒子では、粒子同士が凝集しやすい性質を持つ。なお、ミクロン粒子5の各元素の組成は、各元素の両論比に従っている。また、ミクロン粒子5の比表面積は5m2/g以上である。
前記ナノ粒子6の組成をSSCとする場合には、例えば、各組成の重量比をSm(サマリウム)0.5%、Sr(ストロンチウム)0.5%、CoO(コバルトタイト)残量%とした前躯体溶液である混合硝酸溶液を噴霧し、プラズマ照射により瞬間的に高温状態にして蒸発させ、その後に冷却して、得られる粒子を捕集する。その後に、捕集粒子を摂氏600℃で熱処理することで、ナノ粒子6を得ることができる。この場合、得られたナノ粒子6を、蛍光X線で分析を行ったところ、その組成は、Sm(0.50)Sr(0.45)CoOx(残量)になっていることが判明した。この組成は、前記したミクロン粒子5の組成に対して若干のずれがあり、不定比組成となっている。
また、前記ナノ粒子6をLSMとする場合には、例えば、各組成の重量比をLa(ランタン)0.8%、Sr(ストロンチウム)0.2%、MnO(亜マンガン酸塩)残量%とした前躯体溶液である混合硝酸溶液を噴霧し、プラズマ照射により瞬間的に高温状態にして蒸発させ、その後に冷却して、得られる粒子を捕集する。その後に、捕集粒子を摂氏600℃で熱処理することで、ナノ粒子6を得ることができる。この場合でも、得られたナノ粒子6を、蛍光X線で分析を行ったところ、その組成は、La(0.71)Sr(0.21)CoOx(残量)になっていることが判明した。この組成は、前記したミクロン粒子5の組成に対して若干のずれがあり、不定比組成となっている。これら方法で合成したナノ粒子6は、凝集しにくい特徴を備える。また、ナノ粒子6の比表面積は、100m2/g以上である。
前記電極構造は、ミクロン粒子5およびナノ粒子6を夫々ペースト化し、所定の比率、例えば、ミクロン粒子5:ナノ粒子6=50〜97:50〜3の比率で混合し、ロールにより紺練して均一な混合状態となった電極ペーストを作成する。そして、予め準備した燃料極ベース4上に電解質層2を形成して形成した基材の電解質層上に、例えば、スクリーン印刷法により印刷・塗布し、電気炉等により、例えば、摂氏1100℃、2時間焼成して、電極層3を形成することができる。前記ミクロン粒子5に対するナノ粒子6の最も望ましい混合比率は、5%〜20%である。
なお、使用する粒子として、ミクロン粒子5とナノ粒子6とは、同一若しくは類似の組成のものを使用する、即ち、ミクロン粒子5にSSCを使用する場合にはナノ粒子6もSSCを使用することが望ましいが、ミクロン粒子5にSSCを使用しナノ粒子6にミクロン粒子5と組成が異なるLSMを使用したり、ミクロン粒子5にLSMを使用しナノ粒子6にミクロン粒子5と組成が異なるSSCを使用するものであってもよい。
(実施例1)
Sm0.5Sr0.5CoOx(SSC、xは残量を示す)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、SSCの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。また、前記混合硝酸溶液を噴霧し、霧滴にプラズマ照射して瞬間的に高温状態にして蒸発させ、その後冷却して粉末を捕集し、捕集粉末を600℃で熱処理してナノ粒子6を作成した。
Sm0.5Sr0.5CoOx(SSC、xは残量を示す)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、SSCの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。また、前記混合硝酸溶液を噴霧し、霧滴にプラズマ照射して瞬間的に高温状態にして蒸発させ、その後冷却して粉末を捕集し、捕集粉末を600℃で熱処理してナノ粒子6を作成した。
得られたミクロン粒子5の粒径は1μm、ナノ粒子6の粒径は10nmであった。蛍光X線分析では、ミクロン粒子5の組成は、Sm0.5Sr0.5CoOxであったが、ナノ粒子6の組成はSm0.50Sr0.45CoOxの不定比組成であった。
次いで、ミクロン粒子5およびナノ粒子6を、ナノ粒子6比率(重量%)5%、ミクロン粒子5比率(重量%)95%をそれぞれペースト化し、所定の比率で混合し、3本ロールで混練し、電極ペーストを形成した。得られた電極ペーストを燃料極4支持した電解質層2の上にスクリーン印刷法により膜厚10μmで印刷し、乾燥後に1100℃、2hrs電気炉で焼成し、電極/電解質積層体1を形成した。この電極の表面の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。
(比較例1)
実施例1と同様に、Sm0.5Sr0.5CoOx(SSC)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、SSCの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。得られたミクロン粒子5の粒径は1μmであった。
実施例1と同様に、Sm0.5Sr0.5CoOx(SSC)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、SSCの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。得られたミクロン粒子5の粒径は1μmであった。
次いで、ミクロン粒子5を、ミクロン粒子5比率(重量%)100%をペースト化し、3本ロールで混練し、電極ペーストを形成した。得られた電極ペーストを燃料極4支持した電解質層2の上にスクリーン印刷法により膜厚10μmで印刷し、乾燥後に1100℃、2hrs電気炉で焼成し、電極/電解質積層体1を形成した。この電極の表面の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。
以上の実施例1および比較例1の電極/電解質積層体1を夫々隔壁として両側からセパレータで挟み、外部から燃料極の側に5%のH2Oで加湿した水素からなる燃料ガスを供給し、空気極には空気からなる酸化剤ガスを供給して、セル電圧0.6[V]となるよう、摂氏600[℃]において、100時間連続運転させる長期安定性試験を実施した。
上記の発電実験において、実施例1の電極/電解質積層体1を用いた燃料電池セルでの出力密度は、200mw/cm2であったが、比較例1の電極/電解質積層体1を用いた燃料電池セルでの出力密度は、130mw/cm2であった。即ち、比較例1では、電極材料としてミクロン粒子5のみで構成されて電極の比表面積に限界があり、その三面界面長さが増大されないこと、および、電極3と電解質層2との密着性に限界があり、両者間の接触抵抗が増加していることに起因している。他方、実施例1では、電極材料としてミクロン粒子5の周囲にナノ粒子6が存在するよう構成されて電極の比表面積が飛躍的に増大され、その三面界面長さ、即ち、電極の反応場の数が増大されたこと、および、電極3と電解質層2との密着性がナノ粒子6によっても増大され、両者間の接触抵抗が低減されたことに起因している。
なお、参考のために、実施例1で形成したナノ粒子6のみで10μmで印刷し、乾燥後に1100℃、2hrs電気炉で焼成し、電極/電解質積層体1を形成した。この電極の表面および断面の走査型電子顕微鏡写真を図6および図7に示す。この電極においては、ナノ粒子6同士の凝集が進行し、その気孔率が低下され、電極の比表面積が低下している。
(実施例2)
La0.8Sr0.2MnOx(LSM)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、LSMの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。また、前記混合硝酸溶液を噴霧し、霧滴にプラズマ照射して瞬間的に高温状態にして蒸発させ、その後冷却して粉末を捕集し、捕集粉末を600℃で熱処理してナノ粒子6を作成した。
La0.8Sr0.2MnOx(LSM)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、LSMの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。また、前記混合硝酸溶液を噴霧し、霧滴にプラズマ照射して瞬間的に高温状態にして蒸発させ、その後冷却して粉末を捕集し、捕集粉末を600℃で熱処理してナノ粒子6を作成した。
得られたミクロン粒子5の粒径は1μm、ナノ粒子6の粒径は20nmであった。蛍光X線分析では、ミクロン粒子5の組成は、La0.8Sr0.2MnOxであったが、ナノ粒子6の組成はLa0.71Sr0.21CoOxの不定比組成であった。
次いで、ミクロン粒子5およびナノ粒子6を、ナノ粒子6比率(重量%)5%、ミクロン粒子5比率(重量%)95%をそれぞれペースト化し、所定の比率で混合し、3本ロールで混練し、電極ペーストを形成した。得られた電極ペーストを燃料極4支持した電解質層2の上にスクリーン印刷法により膜厚10μmで印刷し、乾燥後に1100℃、2hrs電気炉で焼成し、電極/電解質積層体1を形成した。
(比較例2)
実施例2と同様に、La0.8Sr0.2CoOx(LSM)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、LSMの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。得られたミクロン粒子5の粒径は1μmであった。
実施例2と同様に、La0.8Sr0.2CoOx(LSM)の組成となるように、各金属酸化物の粉末をボールミル混合し、LSMの前躯体溶液である混合硝酸溶液を作成し、液相法によりミクロン粒子5を作成した。得られたミクロン粒子5の粒径は1μmであった。
次いで、ミクロン粒子5を、ミクロン粒子比率(重量%)100%をペースト化し、3本ロールで混練し、電極ペーストを形成した。得られた電極ペーストを燃料極4支持した電解質層2の上にスクリーン印刷法により膜厚10μmで印刷し、乾燥後に1100℃、2hrs電気炉で焼成し、電極/電解質積層体1を形成した。
以上の実施例2および比較例2の電極/電解質積層体1を夫々隔壁として両側からセパレータで挟み、外部から燃料極4の側に5%のH2Oで加湿した水素からなる燃料ガスを供給し、空気極3には空気からなる酸化剤ガスを供給して、セル電圧0.6[V]となるよう、摂氏600[℃]において、100時間連続運転させる長期安定性試験を実施した。
上記の発電実験において、実施例2の電極/電解質積層体1を用いた燃料電池セルでの出力密度は、150mw/cm2であったが、比較例2の電極/電解質積層体1を用いた燃料電池セルでの出力密度は、100mw/cm2であった。即ち、比較例2では、電極材料としてミクロン粒子5のみで構成されて電極の比表面積に限界があり、その三面界面長さが増大されないこと、および、電極3と電解質層2との密着性に限界があり、両者間の接触抵抗が増加していることに起因している。他方、実施例2では、電極材料としてミクロン粒子5の周囲にナノ粒子6が存在するよう構成されて電極の比表面積が飛躍的に増大され、その三面界面長さ、即ち、電極の反応場の数が増大されたこと、および、電極3と電解質層2との密着性がナノ粒子6によっても増大され、両者間の接触抵抗が低減されたことに起因している。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子5と、酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子5に対して1/10〜1/100の第2電極粒子6と、からなり、前記第2電極粒子6は前記第1電極粒子5の周囲に付着して存在するため、電極の比表面積が飛躍的に増大され、電極の反応場の数が増大されて燃料電池セルの出力密度を向上させることができる。また、電極層3と電解質層2との密着性が第2電極粒子6の存在により増大され、両者間の接触抵抗が低減され、燃料電池セルの出力密度を向上させることができる。
(イ)第2電極粒子6の電極3への混合比率を、電極の比表面積の増大に効果が低い3%以下と電極の反応抵抗が増大し、電極性能が低下する50%以上の範囲を除いた3%〜50%とすると、充分な比表面積と電極の反応抵抗の低減との両者の効果を発揮させることができる。
(ウ)電極の気孔率を、電極の拡散抵抗が大きくなる20%以下と電極構造が崩れやすく、電極強度が問題となる70%以上の範囲を除いた20%〜70%とすると、電極の拡散抵抗の低減と電極強度の確保との両者の効果を発揮させることができる。
(エ)酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子5のペーストと酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子5に対して1/10〜1/100の第2電極粒子6のペーストとを混合して電極ペーストを形成し、前記電極ペーストを電解質層2の上に印刷し、前記印刷した電極ペーストの乾燥後に電解質層2と共に焼成して電極/電解質積層体1を得る。即ち、第1電極粒子5と第2電極粒子6とのペースト同士を混合させて電極ペーストを形成するため、両者が均一に混合された電極ペーストが得られ、均一に第1電極粒子5と第2電極粒子6とが存在する電極3を得ることができる。
(オ)第2電極粒子6は、電極粒子の前躯体溶液を霧化させ、プラズマ照射により蒸気化させ、冷却して得られた粉体を酸素雰囲気中で加熱処理することにより生成するため、得られた第2電極粒子6は、焼成時に凝集しにくく、焼成後の電極中の気孔形成に効果を発揮する。
(カ)第1電極粒子5の比表面積は、液相法により形成されて5m2/g以上であるため、粒子同士が凝集しやすい性質を持ち、第1電極粒子5同士および/または第2電極粒子6との凝集により、電極の骨格構造を形成することができる。
1 電極/電解質積層体
2 電解質層
3 空気電極層、電極層、電極
4 燃料電極層、燃料極
5 第1電極粒子、ミクロン粒子
6 第2電極粒子、ナノ粒子
7 気孔
2 電解質層
3 空気電極層、電極層、電極
4 燃料電極層、燃料極
5 第1電極粒子、ミクロン粒子
6 第2電極粒子、ナノ粒子
7 気孔
Claims (9)
- 酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子と、
酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子に対して1/10〜1/100の第2電極粒子と、からなり、
前記第2電極粒子は前記第1電極粒子の周囲に付着して存在することを特徴とする固体酸化物型燃料電池の電極構造。 - 前記第2電極粒子の電極への混合比率は、3%〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池の電極構造。
- 前記電極の気孔率は、20%〜70%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池の電極構造。
- 前記第2電極粒子は、その前躯体溶液の組成に対して不定比組成であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の固体酸化物型燃料電池の電極構造。
- 酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなる平均粒径が数ミクロンの第1電極粒子のペーストと酸化物イオン伝導性材料および/または酸化物イオン混合伝導性材料からなり、その平均粒径が前記第1電極粒子に対して1/10〜1/100の第2電極粒子のペーストとを混合して電極ペーストを形成し、
前記電極ペーストを電解質層の上に印刷し、
前記印刷した電極ペーストの乾燥後に電解質層と共に焼成して電極/電解質積層体を得ることを特徴とする固体酸化物型燃料電池用電極の製造方法。 - 前記第2電極粒子は、電極粒子の前躯体溶液を霧化させ、プラズマ照射により蒸気化させ、冷却して得られた粉体を酸素雰囲気中で加熱処理することにより生成することを特徴とする請求項5に記載の固体酸化物型燃料電池用電極の製造方法。
- 前記第2電極粒子の平均粒径は、数nm〜数十nmであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の固体酸化物型燃料電池用電極の製造方法。
- 前記第2電極粒子の比表面積は、100m2/g以上であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の固体酸化物型燃料電池用電極の製造方法。
- 前記第1電極粒子の比表面積は、5m2/g以上であることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一つに記載の固体酸化物型燃料電池用電極の製造方法。
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JP2011009144A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 固体酸化物形電気化学セルの製造方法 |
JP2014112569A (ja) * | 2014-03-24 | 2014-06-19 | Univ Of Yamanashi | 固体高分子形燃料電池用高電位安定担体および電極触媒の製造方法 |
WO2019188349A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 堺化学工業株式会社 | 固体酸化物形燃料電池の空気極材料粉体 |
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