JP2007026850A - 燃料電池及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料の自然的な消耗を効果的に抑制できる燃料電池及び燃料電池を搭載する電子機器を提供する。
【解決手段】 燃料が輸送され、前記輸送された前記燃料の電気化学反応が生ずる燃料極部と、酸素が導入され、前記導入された酸素の電気化学反応が生ずる酸化剤極部と、前記燃料極部と前記酸化剤極部との間に設けられた電解質板と、前記燃料極部と前記電解質板と前記酸化剤極部とを収容し、前記燃料極部と外側とを連通するガス排出孔を有する筐体と、前記ガス排出孔を開閉する開閉弁と、を備えたことを特徴とする燃料電池を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池及び電子機器に関し、より詳細には、アルコールなどを燃料として発電する燃料電池及びこれを搭載する電子機器に関する。
ノートパソコン、小型オーディオプレーヤやワイヤレスヘッドセットなどの電子機器の電源として、メタノールなどを燃料とした燃料電池が実用化されつつある。このメタノール燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)は、 自発呼吸型の燃料電池であり、燃料としてのメタノールが毛細管現象や拡散現象等により、燃料極まで自発的に輸送される。そして、燃料極で発生した活性化した水素イオン(以下、プロトン)及び電子と、電解質膜を介して空気側から取り込んだ酸素ガスとの間で電気化学反応が生じ、電力が発生する(例えば、特許文献1)。
この時、燃料極において二酸化炭素などのガスが発生する。このガスを排出するため、燃料極で発生したガスを燃料タンクに導く手段と、このガスを外部に放出させるガス排出口を燃料タンクに設けた燃料電池が開示されている(特許文献2)。
しかし、自発呼吸型の燃料電池の場合、電力を使用していない状態においても、液体燃料であるメタノールが蒸発する。このため、自然的に燃料が減少し、ユーザが使用したい時に燃料切れが発生しているという問題が生ずることがある。
特開2000−106201号公報 特開昭60−62064号公報
本発明は、燃料の自然的な消耗を効果的に抑制できる燃料電池及び燃料電池を搭載する電子機器を提供するものである。
本発明の一態様によれば、
燃料が輸送され、前記輸送された前記燃料の電気化学反応が生ずる燃料極部と、
酸素が導入され、前記導入された酸素の電気化学反応が生ずる酸化剤極部と、
前記燃料極部と前記酸化剤極部との間に設けられた電解質板と、
前記燃料極部と前記電解質板と前記酸化剤極部とを収容し、前記燃料極部と外側とを連通するガス排出孔を有する筐体と、
前記ガス排出孔を開閉する開閉弁と、
を備えたことを特徴とする燃料電池が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
燃料が輸送され、前記輸送された前記燃料の電気化学反応が生ずる燃料極部と、
酸素が導入され、前記導入された酸素の電気化学反応が生ずる酸化剤極部と、
前記燃料極部と前記酸化剤極部との間に設けられた電解質板と、
前記燃料極部と前記電解質板と前記酸化剤極部とを収容し、前記燃料極部と外側とを連通するガス排出孔を有する筐体と、
前記ガス排出孔を開閉する開閉弁と、
を有する燃料電池を収容可能な収容室と、
前記燃料電池において発生する電力を使用する時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を開き、電力を使用しない時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を閉じる制御部と、
を備えたことを特徴とする電子機器が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
ガス排出孔を有する燃料電池を収容可能な収容室と、
収容された前記燃料電池の前記ガス排出孔を開閉する開閉弁と、
を備えたことを特徴とする電子機器が提供される。
本発明によれば、燃料の自然的な消耗を効果的に抑制できる燃料電池及び燃料電池を搭載する電子機器を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態にかかる燃料電池の基本構成を例示する概念図である。
すなわち、本実施形態の燃料電池1は、燃料極部2と、電解質板4と、酸化剤極部6と、がこの順に筐体140の中に積層された構造を有する。そして、筐体140の上部は、カソード側筐体部150により閉止されている。
燃料極部2は、外部から供給されたメタノールなどの燃料が輸送し、この燃料を燃料極において反応させる部分である。
酸化剤極部6は、矢印Aで表したように外部から酸素を取り入れて、酸化剤極において反応させる部分である。酸素を酸化剤極部6に導入するため、カソード側筐体部150には、酸素導入孔150Hが適宜設けられている。
電解質板4は、燃料極と酸化剤極とを電気的に分離する部分である。このように、本実施形態の燃料電池においては、燃料極部2において供給される燃料の分解・電気化学反応と、酸化剤極部6において供給される酸素と分解・電気化学反応とにより電力を発生する。なお、これら各要素のさらに具体的な構造については、後に詳述する。
そして、本実施形態においては、燃料極部2と外気とを連通するガス排出孔130が筐体140に設けられている。ガス排出孔130としては、例えば、直径1マイクロメータ程度の複数の開口を筐体140に形成すればよい。そしてさらに、本実施形態においては、図1及び図2に例示したように、ガス排出孔130を開閉する開閉弁5が設けられている。なお、図1及び図2においては、開閉弁5が筐体140の外側にある具体例を表したが、本発明はこれに限定されず、開閉弁5は筐体140の内側に設けてもよく、または筐体140に内蔵させてもよい。
図3は、開閉弁5の動作を説明するためのフローチャートである。
すなわち、開閉弁5は、手動または自動により開閉し、燃料電池が電力使用状態にない時にはガス排出孔130を閉じ(図1)、燃料電池が電力使用状態にある場合にはガス排出孔130を開く(図2)。
このように燃料電池の電力使用状態に応じてガス排出孔130を開閉する開閉弁5を設けることにより、電力使用時には内部で生成されるガスを外部に排出させて内圧の上昇を防ぎ、また電力を使用していない状態においては燃料の自然消耗を抑制することができる。
すなわち、このような燃料電池においては、電力使用時の副生成物として二酸化炭素(CO)などのガスが発生する。電解質板4として用いられる固体高分子膜において、このガスの透過は小さいので、発生したガスは固体高分子膜からみて燃料極部2の側に滞留し、その空間が加圧される。これに対して、本実施形態においては、図2に表したように開閉弁5を開いてガス排出孔130を開放する。その結果として、余剰な副生成物のガスは、矢印Bで表したように外部に放出され、燃料極部2の側の内部空間の圧力上昇を防ぐことができる。
一方、燃料電池が電力使用状態にない場合には、図1に表したように開閉弁5を閉じることにより、燃料の消耗を防ぐことができる。つまり、ガス排出孔130が常に開放状態にあると、図2に矢印Bで表した経路でメタノールなどの燃料が自発的に揮発し、ガス排出孔130から外部に消散してしまう。つまり、使っていない状態で放置すると燃料が自然消耗し、「燃料切れ」になってしまう。
これに対して、本実施形態によれば、電力を使用していない状態においては、図1に表したようにガス排出孔130を閉じることにより、ガス排出孔130を介した燃料の自然消耗を防ぐことができる。
またさらに、本実施形態によれば、開閉弁5によりガス排出孔130を閉じることにより、酸化剤極部6を介した燃料の自然消耗も抑制できる。
すなわち、このような構造の燃料電池の場合、電力を使用しない状態においても、メタノールなどの燃料は自発的に蒸発し、燃料極部2に設けられた燃料極から固体高分子膜(電解質板4)を透過して酸化剤極部4に設けられた酸化剤極にまで拡散することにより、消費されてしまうことがある。また、このように酸化剤極部6の側に拡散した燃料は、カソード側筐体部150に設けられた酸素導入孔150Hから消散してしまう。
またさらに、このように燃料が酸化剤極部6の側に拡散すると、酸化剤極に達した燃料が酸化剤極で酸化されてエネルギーを消費するとともに、酸化剤極の触媒の表面が燃料で覆われることにより、触媒表面での反応速度が酸化剤極本来の反応速度よりも低下してしまう。この現象は、「クロスオーバー」などと呼ばれ、燃料電池において燃料の消費効率を低下させる一因である。この現象のため、電力の使用を再び開始したときに、発電効率が低下することもある。
これに対して、本実施形態によれば、電力を使用していない状態においては図1に表したように開閉弁5によりガス排出孔130を閉じることにより、燃料極において発生する二酸化炭素などのガスを固体高分子膜からみて燃料極部2の側に閉じこめて、その内部圧力を上昇させる。その結果として、燃料極部2におけるアルコールなどの燃料の蒸発を抑制し、クロスオーバーや酸化剤極の触媒能力の低下を防ぐことができる。
図4は、本実施例及び比較例の燃料電池の燃料保持率を例示するグラフ図である。
すなわち、同図の横軸は、燃料電池の発電を使用しない状態での経過時間を表し、縦軸は燃料の残量の相対値を表す。この燃料の残量の相対値は、発電を停止した直後の燃料の残量を100パーセントとして算出した。また、比較例としては、開閉弁5を設けず、ガス排出孔130を常に開放状態とした燃料電池を用いた。
ここで使用した燃料電池は、発電面積が30×40ミリメートルであり、実験の開始時に約10ccの燃料を充填したものである。
図4から、比較例の燃料電池においては、発電を停止した後も燃料の残量が時間とともに低下し、3時間後にはおよそ30パーセント近くにまで下がることが分かる。これに対して、開閉弁5にてガス排出孔130を閉じた本実施例の燃料電池の場合には、3時間経過後も、ほぼ100パーセントの燃料を保持できた。これは、本実施例によりガス排出孔130が閉じられているため、ガス排出孔130からの蒸発が阻止され、さらに、副生成物の二酸化炭素ガスにより燃料極部2の側の内圧が高まり、メタノールの揮発が抑制されるからであると考えられる。また、これに付随して、酸化剤極の触媒能力の低下も防ぐことができた。
ここで、本実施形態において開閉弁5を開閉させる方法は、手動でもよく自動でもよい。 図5は、手動により開閉弁5を開閉させる態様を表す概念図である。
すなわち、開閉弁5としてスライド式や回転式、または蓋を開閉する方式などのものを燃料電池に付設し、燃料電池の電力を使用する時には、同図(a)に表したように手動により開閉弁5を開き、電力の使用を停止する時に、同図(b)に表したように手動により開閉弁5を閉じる。このようにすれば、電力使用時には副生成物のガスをガス排出孔130から排出させ、電力不使用時には燃料の自然消耗を抑制できる。
一方、電力の使用・不使用に対応して開閉弁5を自動で開閉すると便利である。
図6は、燃料電池に自動開閉機構を付与した具体例を例示する概念図である。
すなわち、本具体例においては、燃料電池にコントローラ180が設けられている。コントローラ180は、燃料電池1のカソード側とアノード側の電極の間の電圧あるいは電流をモニタし、燃料電池1が使用状態にあるか否かを判定する。そして、電力が不使用状態にあると判定した時には、図6(a)に表したように開閉弁5を閉じ、使用状態にあると判定した時には、図6(b)に表したように開閉弁5を開く。例えば、開閉弁5として、ノーマリ・クローズ型の弁を用い、コントローラ180から開動作のための駆動信号を出力することにより、開閉弁5を開くようにしてもよい。
開閉弁5の駆動方式としては、後に詳述するように、例えば、電磁駆動方式や、モータ駆動方式、静電駆動方式、ピエゾ駆動方式など、各種のものを用いることができる。また、コントローラ180の電源電力や開閉弁5を開くための電力は、この燃料電池1から得ることができる。
一方、燃料電池の開閉弁5を開閉する制御機構を、燃料電池を搭載する電子機器に設けてもよい。
図7は、開閉弁5を開閉する制御機構を設けた電子機器を例示する概念図である。
すなわち、この電子機器400は、燃料電池1を搭載し、さらに、電源スイッチ410とコントローラ415とを有する。
電源スイッチ410は、典型的には、電子機器400の主電源をオン・オフする電源スイッチである。つまり、電源スイッチ410がオン状態にある時、燃料電池の電力が使用され、電源スイッチ410がオフ状態にある時には燃料電池の電力は使用されない。
コントローラ415は、電源スイッチ410のオン・オフ状態に応じて開閉弁5を制御する。つまり、電源スイッチ410がオフ状態にある時には、図7(a)に表したように、コントローラ415の制御に基づいて開閉弁5は閉じられる。
一方、電源スイッチ410がオン状態にある時には、図7(b)に表したように、コントローラ415の制御に基づいて開閉弁5は開かれる。ここで、開閉弁5を駆動する電力は、燃料電池から得ることができる。
例えば、開閉弁5として、ノーマリ・クローズ型の弁を用い、コントローラ415から開動作のための駆動信号を出力することにより、開閉弁5を開くようにすればよい。このようにすれば、燃料電池1を電子機器400に装填する前の状態においては、ガス排出孔130は閉じられているので燃料の自然消耗を防ぐことができ、電子機器400の電源スイッチ410をオンにした時には、ガス排出孔130を自動的に開くことができ便利である。
また、この場合も、開閉弁5の駆動方式としては、後に詳述するように、例えば、電磁駆動方式や、モータ駆動方式、静電駆動方式、ピエゾ駆動方式など、各種のものを用いることができる。また、コントローラ180の電源電力や開閉弁5を開くための電力は、この燃料電池1から得ることができる。
また一方、燃料電池1が電子機器400に着脱自在に設けれられる場合には、電子機器400に接点416を設け、燃料電池1にもこれに対応する接点160を設けて、燃料電池1が電子機器400の収容室に装填された時に、これら接点416、160が接触してコントローラ415からの制御信号が開閉弁5に伝達されるようにすればよい。
なお、図7においては簡単のためにコントローラ415から開閉弁5までの制御経路をひとつのみ表したが、この制御経路は2本あるいはそれ以上であってもよく。また、これら制御経路の少なくともいずれかは、燃料電池1から電子機器400に電力を取り出すための電力経路であってもよい。
このような制御機構を電子機器に設けることにより、燃料電池の開閉弁5を電子機器のオン・オフに対応して開閉でき、便利である。
図8は、開閉弁5を開閉する制御機構を設けた電子機器のもうひとつの例を表す概念図である。
すなわち、この電子機器400も燃料電池を搭載し、さらに、電源スイッチ430とこれに連動する伝達アーム435、437と、支点436とを有する。伝達アーム437の先端は、開閉弁5に接続されている。電子機器400の電源がオフの状態、すなわち、図8(a)に表したように、電源スイッチ430が押されていない状態においては、開閉弁5は閉じた状態にある。
一方、電子機器400の電源スイッチ430が矢印Aの方向に押されてオン状態にされると、その動作が伝達アーム435、437を介して開閉弁5に伝達され、開閉弁5が開かれる。すなわち、本具体例においては、電源スイッチ430に与えられた運動を伝達することにより、開閉弁5を開閉させる。
この場合も、燃料電池1が電子機器400に対して着脱自在に設けられる場合には、燃料電池1を電子機器400の収容室に装填した時に、伝達アーム437の接触部437Aが開閉弁5に接触可能となるようにすればよい。
また本具体例の場合も、開閉弁5として、例えばスプリングなどで閉状態に付勢されたノーマリ・クローズ型の弁を用い、電源スイッチ430をオン状態にした時に、伝達アーム437の接触部437Aが開閉弁5を押すことにより、ガス排出孔130が開かれるようにすることができる。このようにすれば、燃料電池1を電子機器400に装填する前の状態においては、ガス排出孔130は閉じられているので燃料の自然消耗を防ぐことができ、電子機器400の電源をオンにした時には、ガス排出孔130を自動的に開くことができ便利である。
図9は、開閉弁を電子機器の側に設けた具体例を表す概念図である。
すなわち、この具体例の場合、燃料電池1のガス排出孔130を開閉する開閉弁450が電子機器400に設けられている。すなわち、燃料電池1には開閉弁5は設けられていない。その代わりに、燃料電池1を電子機器400の収容室に装填した時に、燃料電池1のガス排出孔130を塞ぐ位置に、開閉弁450が設けられている。
電子機器400の電源スイッチ440がオフ状態にある時、図9(a)に表したように、燃料電池のガス排出孔130は、開閉弁450により塞がれた状態にある。そして、電子機器400の電源スイッチ440をオン状態にすると、開閉弁450が開かれる。ここで、電源スイッチ440の操作に対応した開閉弁450の動作の機構としては、図7に関して前述したように電気的な制御機構を設けてもよく、または図8に関して前述したように機械的な動作を伝達させる機構を設けてもよい。
本具体例によれば、燃料電池1に開閉弁を設ける必要がないため、燃料電池1の構造を簡単にでき、コストも下げることができる。なお、電子機器400に装填する前の状態において燃料電池1に液体燃料が充填されている時には、ガス排出孔130にシールなどを貼って塞いでおき、電子機器400に装填する時にこのシールを剥がすようにすれば、燃料の自然消耗を防ぐことができる。
以下、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
まず、本実施形態において用いることができる燃料電池の構造について説明する。
図10は、燃料電池の具体的な構造を例示する模式断面図である。
すなわち、本具体例の燃料電池は、保液シート20と、液体を気化させるための多孔質膜30と、燃料極側集電体40と、燃料側ガス拡散層50と、燃料極60と、電解質板70と、酸化剤極80と、酸化剤側ガス拡散層90と、酸化剤側集電体100と、保湿シート110と、をこの順に積層させた構造を有する。これらの要素は、複数のセルCを構成し、これらセルCは、筐体140により保護されている。
筐体140には燃料供給口10が設けられ、保液シート20にアルコールなどの液体燃料を供給可能とされている。そしてさらに、筐体140にガス排出孔130が設けられ、多孔質膜30を介して二酸化炭素などの副生成物ガスを外部に排出可能とされている。開閉弁5は、このガス排出孔130を開閉可能に設けられている。
次に、燃料としてメタノールを用いた場合を例に挙げて、本具体例の燃料電池における発電メカニズムについて説明する。
まず、燃料極60側は、次式(1)により表されるメタノールと水の電気化学反応に基づく半反応により、プロトン(H)と電子(e)とを発生させる。

CHOH(l)+HO(l) → CO(g)↑+6H+6e (1)

ここで、メタノールは毛細管現象をドライビングフォースとして保液シート20の中を自発的に移動し、燃料極側集電体40に設けられた開口(図示せず)を介して蒸発し、燃料側ガス拡散層50を経由して燃料極60に供給される。
これに対応して、酸化剤極80側においては、酸素導入孔150Hを介して保湿シート110から燃料電池系内に酸素を取り込み、次式(2)より表される半反応により、大気中の酸素(O)ガスを燃料側からのHとeと、電気化学反応を行うことで、発電が生じる。

3/2O+6H+6e → 3HO (2)

なお、この電気化学反応により生じた水(HO)は、保液シート20へ移動し、燃料を希釈する水の一部として、再利用することが可能である。また、(1)式に表した電気化学反応により発生した二酸化炭素ガス(CO)は、多孔質膜30を介して、ガス排出孔130から燃料電池の系外へ排出される。
次に、本実施形態の燃料電池を構成する主要部の材料の具体例について説明する。
まず、燃料供給口10は熱可塑性ポリエステル、保液シート20はナイロン繊維、多孔質膜30は厚さ200mmのシリコーンゴムシートによりそれぞれ形成することができる。 また、燃料極60は、白金族元素の単体金属(例えば、Pt、Ru、Rh、Ir、Oa、Pd等)や白金属元素を有する合金などを用いて形成することができ、メタノールや一酸化炭素に対する耐性の強いPt−Ru合金を用いることがましいが、これには限定されない。また、燃料極60の材料として、炭素材料のような伝導性担持体を使用する担持触媒を用いることもできる。
電解質板70には、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系樹脂、スルホン酸基を有するハイドロカーボン系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸などの無機物などを用いることができるが、こられには限定されない。一方、酸化剤極80には、白金族元素の単体金属(例えば、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等)、白金族元素を含有する合金など、炭素材料のような伝導性担持体を使用する担持触媒を使用することもできる。
また、保湿シート110としては、例えば、厚み500μmのポリエチレン製多孔質フィルムを用いることができる。この場合、フィルムの透気度は、例えば2秒/100cm程度で、透湿度は4000g/m・24h程度とすることができる。
そして、本実施形態によれば、このような燃料電池において、開閉弁5を設けて適宜開閉することにより、発電時に生ずる二酸化炭素ガスを外部に排出するとともに、電力を使用しない状態における燃料の自然消耗を防ぐことができる。また、図9に関して前述したように、このような燃料電池1を装填する電気機器の側に開閉弁を設けても同様の作用効果が得られる。
次に、本実施形態において用いることができる開閉弁5、450の構造の具体例のいくつかについて説明する。
図11は、バイモルフを用いた開閉弁を例示する模式図である。
すなわち、本具体例では、開閉弁5、450としてバイモルフ積層板205を用いることにより、ガス排出孔130の開閉が実行される。
例えば、図11(a)に表したように、電圧を印加しない状態でバイモルフ積層板205がガス排出孔130を塞ぐように設置する。そして、バイモルフ積層板205に電圧を印加すると、図11(b)に表したように、ガス排出孔130の主面に対して略垂直方向に反り返ることで、ガス排出孔130が開かれる。
バイモルフ積層板205としては、例えば圧電バイモルフ積層体を用いることができる。すなわち、厚み方向に分極された2枚の誘電体膜を積層させ、これらに電圧を印加すると湾曲変位するため、この変位により生じたスペースからCOガスを排出させることが可能となる。誘電体膜としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の材料を用いることができる。
また、気密性を向上させるために、この積層板205のガス排出孔130に対する対向面に柔軟性を有する材料からなるシール膜207を設けてもよい。シール膜207の材料としては、例えば、シリコンゴムやブチルゴム、クロロプレンゴムなどを用いることができる。
また、バイモルフ積層板205として、熱膨張率の差を利用したものを用いることもできる。すなわち、熱膨張率の異なる2種類の薄板の積層板からなるバイモルフ積層板205に電流を流して熱を発生させると、熱膨張率の違いにより、熱膨張率が比較的小さい薄板の側に湾曲変位するため、この変位により生じたスペースからCOガスを排出させることが可能となる。この場合、バイモルフ積層板205の組み合わせ材質は、例えば、熱膨張率が比較的小さい薄板をシリコン(Si、熱膨張率:52×10−7/℃、25℃)210とし、熱膨張率の比較的大きい薄板をニッケル(Ni、熱膨張率:12×10−6/℃、25℃)200とすることができる。
図12は、リニアアクチュエータを用いた開閉弁を例示する模式図である。
すなわち、本具体例では、開閉弁5、450としてリニアアクチュエータ250が設けられている。リニアアクチュエータ250は、例えば、保治具57によって燃料電池1の筐体140に固定されている。そして、燃料電池1の電力を使用されない状態においては、図12(a)に表したように、シール膜207によりガス排出孔130を塞ぎ、電力が使用される状態においては、図12(b)に表したように、シール膜207を後退させることにより、ガス排出孔130を開放する。
リニアアクチュエータとしては、例えば、圧電素子を用いたものや、電磁ソレノイドを用いたもの、静電力を利用したもの、マイクロモータを利用したものなど、各種のものを用いることができる。
図13は、スライドする静電モータ構造体を用いた開閉弁を例示する模式図である。
すなわち、ガス排出孔130の開口部に、静電モータ構造体280を設置する。静電モータ構造体280は、移動子260を有し、例えば、電圧を印加しない状態においては、図13(a)に表したように、移動子260がガス排出孔130を塞ぐ。
一方、静電モータ構造体280に電圧を印加すると、図13(b)に表したように、固定子260に誘導電流が印加され、移動子260がスライドすることによってガス排出孔130が開放される。また、移動子260のストロークを規定するために、ストッパ290が適宜設けられている。
図14は、本具体例の静電モータ構造体280の動作メカニズムを説明するための模式図である。
同図(a)に表したように、固定子270は、複数に分割された固定子Pn−1、Pn,Pn+1、Pn+2・・・からなり、それぞれに電圧350が印加され、その上に移動子260がスライド可能に設けられている。移動子260は、最初は電荷を帯びていない。
これらの固定子270(Pn−1、Pn,Pn+1)に、例えば、(+、−、+)となるように電圧を印加すると、固定子Pnの上に設けられた移動子260はプラスの電荷を帯びる。しかる後に、図14(b)に表したように、固定子270(Pn−1、Pn,Pn+1)に、例えば、(+、+、−)となるように電圧を印加すると、移動子260に対して、マイナスの電荷を帯びている固定子Pn+1へと吸引される駆動力が作用する。すると、図14(b)に表したように、この移動子260を、固定子1ピッチ分を移動させることができる。さらに、固定子270の各分割領域に印加する電圧に応じて、移動子260の動きをコントロールすることが可能となる。
すなわち、本具体例においては、上述した静電モータ構造体280の運動メカニズムを利用して、ガス排出孔130の開閉を実行できる。
図15は、開閉弁5、450として機械的に動作するスライドシャッタを用いた具体例を例示する模式図である。
本具体例においては、複数のガス排出孔130を有する筐体140の上に、これに対応して複数のスライドプレート孔370が設けられたスライドプレート360が設けられている。また、筐体140には、スライドプレート360のスライド動作を規定するためのガイド390およびストッパ380が適宜設けられている。
燃料電池の発電を使用しない状態においては、図15に表したように、ガス排出孔130とスライドプレート孔370とが連通しない位置に、スライドプレート360が停止している。
一方、燃料電池の発電が使用され、燃料極部2に蓄積した不要な二酸化炭素ガスを排出させる場合、図15(b)に表したように、ガイド390に沿ってスライドプレート360を移動させ、ガス排出孔130と、スライドプレート孔370とを連通させる。スライドプレート360の駆動は、例えば、圧電素子を用いたものや、電磁ソレノイドを用いたもの、静電力を利用したもの、マイクロモータを利用したものなど、各種のものを用いることができる。
以上、具体例を限定しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明の燃料電池は、これらの具体例には限定されない。
例えば、ガス排出孔、開閉弁及びこれを駆動する機構等の各要素について、当業者が適宜変更したものであっても、本発明の要旨を有する限りにおいて、本発明の範囲に包含される。
また、本発明の燃料電池を構成する各要素の材質、サイズ、形状、配置関係などについては、当業者が適宜変更を加えたものであっても、本発明の要旨を包含する限りにおいて本発明の範囲に包含される。
本発明の実施形態にかかる燃料電池の基本構成を例示する 本発明の実施形態にかかる燃料電池の基本構成を例示する 開閉弁5の動作を説明するためのフローチャートである。 本実施例及び比較例の燃料電池の燃料保持率を例示するグラフ図である。 手動により開閉弁5を開閉させる態様を表す概念図である。 燃料電池に自動開閉機構を付与した具体例を例示する概念図である。 開閉弁5を開閉する制御機構を設けた電子機器を例示する概念図である。 開閉弁5を開閉する制御機構を設けた電子機器のもうひとつの例を表す概念図である。 開閉弁を電子機器の側に設けた具体例を表す概念図である。 燃料電池の具体的な構造を例示する模式断面図である。 バイモルフを用いた開閉弁を例示する模式図である。 リニアアクチュエータを用いた開閉弁を例示する模式図である。 スライドする静電モータ構造体を用いた開閉弁を例示する模式図である。 本発明の具体例の静電モータ構造体280の動作メカニズムを説明するための模式図である。 開閉弁5、450として機械的に動作するスライドシャッタを用いた具体例を例示する模式図である。
符号の説明
2 燃料極部
4 電解質板
5 ガス排出弁
6 酸化剤極部
10 燃料供給口
20 保液シート
30 多孔質膜
40 燃料側集電体
50 燃料側ガス拡散層
57 保治具
60 燃料極
70 電解質板
80 酸化剤極
90 酸化剤側ガス拡散層
100 酸化剤側集電体
110 保湿シート
130 ガス排出孔
140 筐体
150 カソード側筐体部
205 バイモルフ積層板
207 シール膜
250 圧電素子
260 移動子
270 固定子
280 静電モータ構造体
360 スライドプレート
370 スライドプレート孔
380 ストッパ
390 ガイド
400 電子機器
410 電源スイッチ
415 コントローラ
416 接点
430 電源スイッチ
435 伝達アーム
436 支点
437 伝達アーム
437A 接触部
440 電源スイッチ
450 開閉弁

Claims (8)

  1. 燃料が輸送され、前記輸送された前記燃料の電気化学反応が生ずる燃料極部と、
    酸素が導入され、前記導入された酸素の電気化学反応が生ずる酸化剤極部と、
    前記燃料極部と前記酸化剤極部との間に設けられた電解質板と、
    前記燃料極部と前記電解質板と前記酸化剤極部とを収容し、前記燃料極部と外側とを連通するガス排出孔を有する筐体と、
    前記ガス排出孔を開閉する開閉弁と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料電池において発生する電力が使用される時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を開き、電力が使用されない時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を閉じる制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記開閉弁は、前記ガス排出孔を閉じる位置に付勢されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 請求項1記載の燃料電池を収容可能な収容室と、
    前記燃料電池において発生する電力を使用する時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を開き、電力を使用しない時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を閉じる制御部と、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
  5. ガス排出孔を有する燃料電池を収容可能な収容室と、
    収容された前記燃料電池の前記ガス排出孔を開閉する開閉弁と、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
  6. 前記燃料電池において発生する電力を使用する時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を開き、電力を使用しない時には前記開閉弁により前記ガス排出孔を閉じる制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の電子機器。
  7. 前記制御部は、前記開閉弁に電気信号を供給することにより前記ガス排出孔を開くことを特徴とする請求項4または6に記載の電子機器。
  8. 前記制御部は、前記電子機器に設けられたスイッチの操作に伴う運動を前記開閉弁に伝達することにより前記ガス排出孔を開くことを特徴とする請求項4または6に記載の電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011505673A (ja) * 2007-12-06 2011-02-24 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 燃料電池システム

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