JP2007026822A - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アイドルストップ後の蓄電量不足により、車両運転性が低下することを防止する。
【解決手段】 燃料電池発電電力検出手段9は燃料電池2の発電電力P2を検出する。駆動モータ電力検出手段10は駆動モータ4の消費電力P1を検出する。蓄電装置入出力電力検出手段11は蓄電装置7の入出力電力P3を検出する。パワープラント補機電力推定手段12はパワープラント補機5の消費電力P4を推定する。制御装置8は、P1〜P4に基づいて、車両補機6の消費電力P5を算出し、P5が所定値より小さいとき、燃料電池システムの停止を許可する。
【選択図】 図1
【解決手段】 燃料電池発電電力検出手段9は燃料電池2の発電電力P2を検出する。駆動モータ電力検出手段10は駆動モータ4の消費電力P1を検出する。蓄電装置入出力電力検出手段11は蓄電装置7の入出力電力P3を検出する。パワープラント補機電力推定手段12はパワープラント補機5の消費電力P4を推定する。制御装置8は、P1〜P4に基づいて、車両補機6の消費電力P5を算出し、P5が所定値より小さいとき、燃料電池システムの停止を許可する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電力需要が低下したときにアイドルストップを行う燃料電池システムの制御装置に関する。
従来、燃料電池に対する要求電力が所定値以下に低下したとき、蓄電装置の残量が所定値以上である場合に、燃料電池の発電を停止し、蓄電装置の残量が所定値以下となったとき発電を再開する燃料電池車両のアイドル制御装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−359204号公報(第5ページ、図2)
しかしながら、上記従来技術にあっては、アイドルストップ制御の可否を車両の補機消費電力を十分に考慮せずに判断していたため、ラジエターファンが作動していたり、エアコンの負荷が大きいときなど蓄電装置からの持ち出しが大きいと、アイドルストップできる時間が非常に短く、音の変化が乗員に違和感を与えたり、登坂路での発進のように連続して高負荷運転を行わなければならないときなどに、蓄電量が足りず、運転性を確保できないという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、燃料電池と、前記燃料電池に空気を供給するコンプレッサ、前記燃料電池の燃料ガスを循環させる循環ポンプ、前記燃料電池に冷却水を循環させる冷却水ポンプのうちの少なくとも一つであるパワープラント補機と、前記燃料電池の余剰電力を充電するとともに発電電力が不足するときに放電する蓄電装置と、前記燃料電池及び前記蓄電池の電力を用いて車両を駆動する駆動モータと、を備えた燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池の発電電力を検出する燃料電池発電電力検出手段と、前記駆動モータの電力を検出する駆動モータ電力検出手段と、前記蓄電装置の入出力電力を検出する蓄電装置入出力電力検出手段と、前記パワープラント補機の電力を推定するパワープラント補機電力推定手段とを備え、前記検出又は推定された電力に基づいて燃料電池システムを停止したときの消費電力を算出し、該消費電力が所定値より小さいとき、燃料電池システムの停止を許可することを要旨とする。
本発明によれば、消費電力が大きいときの燃料電池システムの停止を避けることができ、燃料電池システムの発電復帰中の電力不足により、車両の運転性を損なうことを防止できるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池システムの制御装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの制御装置が適用された燃料電池車両の概略構成図である。同図において、燃料電池システム1は、例えば固体高分子型の燃料電池2と、燃料電池2からの電力取り出しを制御するパワーマネジャー(P/M)3と、車両を駆動するとともに車両制動時に運動エネルギーを電力に回生する駆動モータ4と、燃料電池2の補機であるパワープラント補機5と、車両補機6と、蓄電装置7と、燃料電池システムの制御装置である制御装置8とを備えている。
パワーマネジャー3は、負荷に応じて変動する燃料電池2の電圧を所定の電圧に変換するDC/DCコンバータを備えている。
駆動モータ4は、供給された直流を交流に変換するDC/ACインバータ及び交流回生電力を整流して直流に変換する整流回路を内蔵している。また駆動モータ4には、その電圧及び電流を検出するセンサが設けられ、図示しない信号線により制御装置8に電圧値、電流値が伝送される。
パワープラント補機5としては、燃料電池2に空気を供給するコンプレッサ、燃料電池2の燃料ガスを循環させる循環ポンプ、燃料電池2に冷却水を循環させる冷却水ポンプを備えていて、図2を参照して後述される。車両補機6には、図示しないエアコンディショナーやラジエターファン、各種ライト、カーステレオやナビゲーション装置等があげられる。
蓄電装置7は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の2次電池、或いは、電気二重層コンデンサ等の大容量コンデンサである。本実施例では、蓄電装置7として、バッテリーを備えているものとし、バッテリーは、その充放電電流をモニタすることにより充電状態(SOC)を算出するバッテリーコントローラを備えているものとする。
ここで、パワーマネジャー3と、駆動モータ4とパワープラント補機5と、車両補機6と蓄電装置7は、互いに接続され、所定の直流電圧(例えば、数百[V])で電力の授受を行う構成となっている。燃料電池2で発電された電力は、パワーマネジャー3を介して駆動モータ4、パワープラント補機5、車両補機6、及び蓄電装置7に供給する。燃料電池システム1を停止するときは、燃料電池2からの電力供給はストップし、蓄電装置7から駆動モータ4、車両補機6へ電力供給される。
制御装置8は、燃料電池2の発電電力を検出する燃料電池発電電力検出手段9と、駆動モータ4の電力を検出する駆動モータ電力検出手段10と、蓄電装置7の入出力電力を検出する蓄電装置入出力電力検出手段11と、パワープラント補機5の電力を推定するパワープラント補機電力推定手段12とを備えている。そして、制御装置8は、前記検出又は推定された電力に基づいて燃料電池システムを停止したときの消費電力を算出し、該消費電力が所定値より小さいとき、燃料電池システムの停止を許可するとともに、燃料電池システム全体を制御する。
図2は、燃料電池2とパワープラント補機5の構成を説明するパワープラント構成図である。燃料電池2は、例えば固体高分子電解質を用いた高分子電解質型燃料電池である。高圧水素タンク等の水素貯蔵装置や燃料改質装置を用いた燃料供給装置21は、燃料電池2の図示しないアノード(燃料極)へ燃料ガスとしての水素を供給する。アノードで発電反応に利用されなかった水素ガスは、燃料循環路22及び循環ポンプ23により再度燃料電池2へ供給される。燃料電池2のアノード及び燃料循環路22に不純物が蓄積した場合、パージ弁24を開いて不純物を含んだ燃料ガスを系外へ放出する。
酸化剤ガスとしての空気は、コンプレッサー25により圧縮されて燃料電池2の図示しないカソード(酸化剤極)へ供給される。カソード出口には、空気圧調整弁26が設けられ、その開度を調整することによりカソードの空気圧力が調整可能となっている。
冷却水ポンプ27は、冷却水タンク29と燃料電池2内部の図示しない冷却水経路との間で冷却水を循環させることにより、燃料電池2の温度を運転に適した温度に維持する。ここで、循環ポンプ23、コンプレッサー25及び冷却水ポンプ27は、燃料電池2の発電電力で駆動されるパワープラント補機5である。
ところで、図1の車両補機6の消費電力は、車両周囲の環境、即ち、昼夜の別、温度、日射量、天候などや、車の使われ方によりさまざまであり、また多種のものとなるため、見積が非常に難しい。
次に、図3、4を参照して、車両補機6の消費電力と蓄電装置7の充電状態(SOC)の変化について説明する。燃料電池システム1を停止する時には、SOCが所定値未満であれば、所定以上となるように燃料電池2の発電を継続して、この電力で蓄電装置7を充電し、SOCが所定値以上となるように制御する。
燃料電池2の発電停止後は、車両補機6の消費電力が大きいときには急激にSOCが減り、短時間でSOCがアイドルストップから発電状態への復帰する下限値にまで到達してしまう。一方、車両補機6の消費電力が小さいときには、ゆっくりSOCが減っていくため、アイドルストップ復帰SOCに到達するまでの放電時間は長くなる。
また、蓄電装置7であるバッテリーの充電は、図3に示すように、バッテリーの温度が低いときと高いときとで充電できる速度が異なる。図4に示すように充電時間に比べて、放電時間が短いような場合には、運転者には、燃料電池システム1をアイドル停止している時間が短く感じられる。逆に充電時間に対して放電時間が長い場合には、燃料電池システム1をアイドル停止している時間が長く感じられる。
図5に、バッテリーSOCの詳細な変化の一例を示す。制御装置8は、時刻t0で燃料電池2の発電を停止すると判断すると、t0からt1まで発電停止のための準備操作を行う。この停止準備操作には、燃料供給装置21からの燃料供給停止、燃料供給停止後にアノードに残留した燃料ガスを発電により消費させてアノード圧力を低下させること、アノード圧力の低下に応じてカソード圧力を低下させること、燃料電池2の温度を所定温度以下に低下させること等が含まれる。
この停止準備時間(t0〜t1)には、車両補機6とともにパワープラント補機5のコンプレッサー25、循環ポンプ23、冷却水ポンプ27が電力を消費するため、SOCの低下率が大きい。停止準備が終了すると、t1からt2までは、パワープラント補機5の電力消費が無くなり、車両補機6のみによる電力消費となるため、SOCの低下率は小さくなる。
そして、SOCがアイドルストップ復帰判断SOCまで低下する(時刻t2)と、制御装置は、アイドルストップを中断して燃料電池の運転状態に復帰するための発電準備操作を開始する。発電準備操作には、燃料供給装置21からの燃料供給開始や、循環ポンプ22、コンプレッサー25及び冷却水ポンプ27の起動等が含まれる。即ち、時刻t2からt3までが発電準備時間となる。
この発電準備時間では、停止準備時間と同様に、車両補機6に加えてパワープラント補機5が作動するため、SOCの低下率が大きくなる。この発電準備時間中に、SOCがバッテリ固有の下限SOC以下とならないように、アイドルストップ復帰判断SOCが設定されている。発電準備時間が時刻t3に終了して、燃料電池2の発電が開始されると、燃料電池2の発電電力が車両補機6及びパワープラント補機5に供給される。このとき、駆動モータ4に電力供給の必要がなければ、蓄電装置7に充電が開始され、SOCが回復する。この充電は、SOCが目標SOC(アイドルストップ開始SOC)まで継続される。そして、SOCが目標SOCに到達すると、再びアイドルストップ準備が開始される。
図6は、本実施例1における制御装置8が実行する制御フローチャートである。まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、燃料電池システム1の停止要求の有無を判定する。例えば、車速が0[km/h]、ブレーキが踏まれている、アクセルペダルの踏み込み量が0、バッテリーSOCが所定値以上、という条件が全て成立した場合に、燃料電池システムの停止要求が有ると判断する。車速センサ、ブレーキセンサ、SOCセンサの各検出値は、それぞれ制御装置に入力されているものとする。S10の判断がNOの場合、S19へ進んで、燃料電池システムの運転を継続して、リターンする。
S10の判断がYESのとき、S11において、駆動モータ4の電圧電流からその消費電力P1を算出する(駆動モータ電力検出手段)。
次いで、S12で、燃料電池2の発電電力P2を算出する。発電電力P2は、パワーマネジャー3が取り出している電流i2とそのときの電圧V2より算出する(燃料電池発電電力検出手段)。
次いで、S13において、バッテリー入出電力P3を算出する。この値もバッテリーの電圧V3と出し入れされている電流i3から算出する(蓄電装置入出力電力検出手段)。次いで、S14において、パワープラント補機電力P4を算出する。コンプレッサー25の消費電力の場合には、例えば、コンプレッサー回転数とコンプレッサー負荷(空気圧力)から、予め実験的に求めて記憶しておいた制御マップを参照して求められる。同様に冷却水ポンプ、循環ポンプについても消費電力が算出され、これら、コンプレッサー、冷却水ポンプ、循環ポンプの消費電力の合計をパワープラント補機電力P4として算出する(パワープラント補機消費電力推定手段)。
次いで、S15において、これらの電力収支を示す式(1)を変形した式(2)により、車両補機電力P5を算出する。
P2+P3 = P1+P4+P5 …(1)
P5=P2+P3−(P1+P4) …(2)
次いでS16で、車両補機電力P5に基づいて、燃料電池システムを停止するか否かを判断する。S16では、燃料電池システムを停止すると判断した場合、燃料電池停止フラグの値1、燃料電池システムを停止しないと判断した場合、燃料電池停止フラグの値0を返すものとする。
P5=P2+P3−(P1+P4) …(2)
次いでS16で、車両補機電力P5に基づいて、燃料電池システムを停止するか否かを判断する。S16では、燃料電池システムを停止すると判断した場合、燃料電池停止フラグの値1、燃料電池システムを停止しないと判断した場合、燃料電池停止フラグの値0を返すものとする。
次いで、S17で燃料電池停止フラグの値を判断して、値0の場合S19へ進む。値1の場合、S18へ進み、燃料電池システムを停止する。S18の燃料電池システム停止には、図5で説明したように、停止準備操作を行ってから、循環ポンプ23,コンプレッサー25及び冷却水ポンプ27を停止させて、リターンする。
次に、図7の詳細フローチャートを参照して、図6のS16における燃料電池システム停止判断を説明する。まず、S20において、蓄電装置(バッテリー)7のバッテリモニタからSOCを取得することによりSOCを検出する。ここで、SOCは、バッテリーの満充電状態に対する割合[%]で示されるものとする。次いで、S21で、図10に示すような予め記憶したSOC−放電可能電力量マップを参照して、SOC[%]を放電可能電力量Q1[kWh]に換算する。
次いでS22で、アイドルストップ復帰SOC[%]を電力量Q2[kWh]に換算する。次いでS23で、S15で算出したP5の消費電力が続いたと仮定したとき、バッテリーの放電によりSOCがアイドルストップ復帰SOCまで到達するまでの時間、言い換えれば放電可能時間Δt1を式(3)により算出する。
Δt1=(Q1−Q2)/P5 …(3)
次いでS24で、アイドルストップ可能SOC[%]を電力量Q3[kWh]に換算する。次いでS25で、SOC[%]とバッテリー温度から充電可能電力[kW]P7を算出する。バッテリーは、通常、SOCと温度に応じて、充電可能電力の上限値が定まる。このため予め実験等により、SOCと温度に応じて充電可能電力のマップを求め、制御装置に記憶しておくものとする。次いでS26で、充電所要時間Δt2を式(4)により算出する。
次いでS24で、アイドルストップ可能SOC[%]を電力量Q3[kWh]に換算する。次いでS25で、SOC[%]とバッテリー温度から充電可能電力[kW]P7を算出する。バッテリーは、通常、SOCと温度に応じて、充電可能電力の上限値が定まる。このため予め実験等により、SOCと温度に応じて充電可能電力のマップを求め、制御装置に記憶しておくものとする。次いでS26で、充電所要時間Δt2を式(4)により算出する。
Δt2=(Q3−Q2)/P7 …(4)
次いでS27で、燃料電池システム1の停止準備時間及び発電準備時間の和Δt3を算出する。これらの停止準備時間、発電準備時間は、図2では図示しないセンサにより、燃料電池2の温度、燃料ガスの圧力等を測定した結果である燃料電池の運転状態に基づいて、予め記憶した制御マップを参照して算出する。
次いでS27で、燃料電池システム1の停止準備時間及び発電準備時間の和Δt3を算出する。これらの停止準備時間、発電準備時間は、図2では図示しないセンサにより、燃料電池2の温度、燃料ガスの圧力等を測定した結果である燃料電池の運転状態に基づいて、予め記憶した制御マップを参照して算出する。
次いでS28で、放電可能時間Δt1が所定値を超えているか否かを判定する。Δt1があまり短い場合には、アイドルストップしてもすぐに発電に復帰しなければならず、停止準備や発電準備に要する電力を考慮すると、結果として燃費性能の向上に寄与しないので、放電可能時間Δt1が所定値以下の場合には、S31へ進み、燃料電池停止フラグに0をセットして、リターンする。この所定値は、予め実験的に求めて制御装置に記憶しておく。
次いでS29で、以下の式(5)が成立するか否かを判定する。
Δt2 < Δt1+Δt3 …(5)
S29で式(5)が成立すると判定した場合、S30へ進み、燃料電池停止フラグに1をセットして、リターンする。S29で式(5)が成立しない場合、S31へ進み、燃料電池停止フラグに0をセットして、リターンする。
S29で式(5)が成立すると判定した場合、S30へ進み、燃料電池停止フラグに1をセットして、リターンする。S29で式(5)が成立しない場合、S31へ進み、燃料電池停止フラグに0をセットして、リターンする。
尚、S29の判定に加えて、車両補機電力P5が、バッテリーのSOCとバッテリー温度から定まる放電可能電力以下であるか否かを燃料電池停止可能判定に加えてもよい。図12は、バッテリーのSOCとバッテリー温度から予め実験的に求めた放電可能電力のマップであり、制御装置8に記憶しておいて、前記判定に利用するものとする。
以上説明した実施例1によれば、消費電力が大きいときの燃料電池システムの停止を避けることができ、発電復帰中の電力不足により運転性を損なうことを防止できるという効果がある。
また、本実施例によれば、燃料電池の運転状況により変化する停止、復帰のための時間が長くなるとき、不必要なアイドルストップを避けることができ、燃料電池システムの燃費性能を低下させることが無くなるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池システムの制御装置の実施例2を説明する。実施例2の制御装置が適用された燃料電池車両の概略構成図、及び燃料電池2とパワープラント補機5の構成図は、それぞれ図1、図2に示した実施例1と同様である。本実施例2は、車両補機電力P5を算出する際に、駆動モータ4への電流供給を停止し、且つパワープラント補機は停止せずに燃料電池2の発電を一時的にゼロにすることを特徴とする。
図8は、本実施例2における制御装置8が実行する制御フローチャートである。まず、S40において、燃料電池システム1の停止要求の有無を判定する。例えば、車速が0[km/h]、ブレーキが踏まれている、アクセルペダルの踏み込み量が0、バッテリーSOCが所定値以上、という条件が全て成立した場合に、燃料電池システムの停止要求が有ると判断する。車速センサ、ブレーキセンサ、SOCセンサの各検出値は、それぞれ制御装置に入力されているものとする。S40の判断がNOの場合、S49へ進んで、燃料電池システムの運転を継続して、リターンする。
S40の判断がYESのとき、S41において、駆動モータ4への電力供給を0[kW]とし(P1=0)、駆動モータを停止する。
次いで、S42で、パワーマネジャー3に対して燃料電池取出電流を0とする指令を発する。これにより燃料電池2から取り出される電力は0(P2=0)となる。
次いで、S43において、バッテリー入出電力P3を算出する。この値はバッテリーの電圧V3と出し入れされている電流i3から算出する(蓄電装置入出力電力検出手段)。次いで、S44において、パワープラント補機電力P4を算出する。コンプレッサー25の消費電力の場合には、例えば、コンプレッサー回転数とコンプレッサー負荷(空気圧力)から、予め実験的に求めて記憶しておいた制御マップを参照して求められる。同様に冷却水ポンプ、循環ポンプについても消費電力が算出され、これら、コンプレッサー、冷却水ポンプ、循環ポンプの消費電力の合計をパワープラント補機電力P4として算出する(パワープラント補機消費電力推定手段)。
次いで、S45において、これらの電力収支を示す式(6)を変形した式(7)により、車両補機電力P5を算出する。
P3 = P4+P5 …(6)
P5 = P3−P4 …(7)
次いでS46で、車両補機電力P5に基づいて、燃料電池システムを停止するか否かを判断する。S46では、燃料電池システムを停止すると判断した場合、燃料電池停止フラグの値1、燃料電池システムを停止しないと判断した場合、燃料電池停止フラグの値0を返すものとする。S46の詳細は、図7で説明したS16と同様である。
P5 = P3−P4 …(7)
次いでS46で、車両補機電力P5に基づいて、燃料電池システムを停止するか否かを判断する。S46では、燃料電池システムを停止すると判断した場合、燃料電池停止フラグの値1、燃料電池システムを停止しないと判断した場合、燃料電池停止フラグの値0を返すものとする。S46の詳細は、図7で説明したS16と同様である。
次いで、S47で燃料電池停止フラグの値を判断して、値0の場合S49へ進む。値1の場合、S48へ進み、燃料電池システムを停止する。S48の燃料電池システム停止には、図5で説明したように、停止準備操作を行ってから、循環ポンプ23,コンプレッサー25及び冷却水ポンプ27を停止させて、リターンする。
本実施例2によれば、駆動モータ4の消費電力見積もりによる誤差要因を取り除き、より正確に車両補機6の消費電力を見積もることができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池システムの制御装置の実施例3を説明する。実施例3の制御装置が適用された燃料電池車両の概略構成図、及び燃料電池2とパワープラント補機5の構成図は、それぞれ図1、図2に示した実施例1と同様である。本実施例3は、パワープラント補機電力推定手段は、パワープラント補機を稼動させたときの消費電力とパワープラント補機を停止させたときの消費電力との差から求めたパワープラント補機消費電力の値を記憶する記憶手段を備え、該記憶手段から読み出したパワープラント補機消費電力値を使用して、消費電力の算出を行うことを特徴とする。
図9は、本実施例3における制御装置8が実行する制御フローチャートである。まず、S70において、燃料電池システム1の停止要求の有無を判定する。例えば、車速が0[km/h]、ブレーキが踏まれている、アクセルペダルの踏み込み量が0、バッテリーSOCが所定値以上、という条件が全て成立した場合に、燃料電池システムの停止要求が有ると判断する。車速センサ、ブレーキセンサ、SOCセンサの各検出値は、それぞれ制御装置に入力されているものとする。S70の判断がNOの場合、S85へ進んで、燃料電池システムの運転を継続して、リターンする。
S70の判断がYESのとき、S71において、駆動モータ4への電力供給を0[kW]とし(P1=0)、駆動モータを停止する。
次いで、S72で、パワーマネジャー3に対して燃料電池取出電流を0とする指令を発する。これにより燃料電池2から取り出される電力は0(P2=0)となる。
次いで、S73において、バッテリー入出電力P3を算出する。この値はバッテリーの電圧V3と出し入れされている電流i3から算出する(蓄電装置入出力電力検出手段)。次いで、S74において、電力収支の関係より、車両補機電力とパワープラント補機電力との和P6は、式(8)に示すように、バッテリー出力電力P3に等しいとする。言い換えれば、バッテリー入出力電力P3により、P6が測定されたことになる。この測定タイミングは、図13の(a)コンプレッサーが動作している時刻tB から時刻t0 までの期間である。
P3 = P4+P5 = P6 …(8)
次いで、S75において、前回停止時におけるパワープラント補機電力P4の記憶値があるか否かを判定する。パワープラント補機電力P4の記憶値があれば、S76へ進み、その記憶値を読み出して、パワープラント補機電力P4とし、S78へ進む。S75の判定において、パワープラント補機電力P4の記憶値がなければ、S77へ進み、パワープラント補機電力P4を推定し、S78へ進む。S77におけるパワープラント補機電力P4の推定方法は、実施例1におけるS14と同様の算出による。
次いで、S75において、前回停止時におけるパワープラント補機電力P4の記憶値があるか否かを判定する。パワープラント補機電力P4の記憶値があれば、S76へ進み、その記憶値を読み出して、パワープラント補機電力P4とし、S78へ進む。S75の判定において、パワープラント補機電力P4の記憶値がなければ、S77へ進み、パワープラント補機電力P4を推定し、S78へ進む。S77におけるパワープラント補機電力P4の推定方法は、実施例1におけるS14と同様の算出による。
S78では、車両補機電力P5を式(9)により算出する。
P5 = P6−P4 …(9)
次いで、S79では、車両補機電力P5に基づいて、燃料電池システムを停止するか否かを判断する。S79では、燃料電池システムを停止すると判断した場合、燃料電池停止フラグの値1、燃料電池システムを停止しないと判断した場合、燃料電池停止フラグの値0を返すものとする。S79の詳細は、図7で説明したS16と同様である。
次いで、S79では、車両補機電力P5に基づいて、燃料電池システムを停止するか否かを判断する。S79では、燃料電池システムを停止すると判断した場合、燃料電池停止フラグの値1、燃料電池システムを停止しないと判断した場合、燃料電池停止フラグの値0を返すものとする。S79の詳細は、図7で説明したS16と同様である。
次いで、S80で燃料電池停止フラグの値を判断して、値0の場合S85へ進む。値1の場合、S81へ進み、燃料電池システムを停止する。S81の燃料電池システム停止には、図5で説明したように、停止準備操作を行ってから、循環ポンプ23,コンプレッサー25及び冷却水ポンプ27を停止させる。
次いで、S82で車両補機電力P5をバッテリー出力電力P3として測定する。このとき、駆動モータ4及びパワープラント補機5は停止しており、燃料電池2も発電していないので、バッテリー出力電力P3と車両補機電力P5は等しい。次いでS83において、S74で測定した車両補機電力とパワープラント補機電力との和P6からS82で測定した車両補機電力P5を減じることにより、S74の時点におけるパワープラント補機電力P4を計算する。次いでS84で、S83で計算したパワープラント補機電力P4を制御装置内部に記憶する。このP4記憶値は、次回のアイドルストップ時にS76で読み出して使用される。
以上説明した本実施例3によれば、燃料電池パワープラント停止の前後の消費電力からパワープラント補機の消費電力を正確に算出し、この消費電力値を次回のアイドルストップ時に使用することで、パワープラント補機電力の個体ばらつきによる誤差を減じて、より精度高く燃料電池システムの停止の可否判定を行うことができ、燃料電池システムの音響振動レベルの低減、燃費性能の向上を実現できる。
1:燃料電池システム
2:燃料電池
3:パワーマネジャ(P/M)
4:駆動モータ
5:パワープラント補機
6:車両補機
7:蓄電装置
8:制御装置
9:燃料電池発電電力検出手段
10:駆動モータ電力検出手段
11:蓄電装置入出力検出手段
12:パワープラント補機電力推定手段
2:燃料電池
3:パワーマネジャ(P/M)
4:駆動モータ
5:パワープラント補機
6:車両補機
7:蓄電装置
8:制御装置
9:燃料電池発電電力検出手段
10:駆動モータ電力検出手段
11:蓄電装置入出力検出手段
12:パワープラント補機電力推定手段
Claims (6)
- 燃料電池と、
前記燃料電池に空気を供給するコンプレッサ、前記燃料電池の燃料ガスを循環させる循環ポンプ、前記燃料電池に冷却水を循環させる冷却水ポンプのうちの少なくとも一つであるパワープラント補機と、
前記燃料電池の余剰電力を充電するとともに発電電力が不足するときに放電する蓄電装置と、
前記燃料電池及び前記蓄電池の電力を用いて車両を駆動する駆動モータと、
を備えた燃料電池システムの制御装置において、
前記燃料電池の発電電力を検出する燃料電池発電電力検出手段と、
前記駆動モータの電力を検出する駆動モータ電力検出手段と、
前記蓄電装置の入出力電力を検出する蓄電装置入出力電力検出手段と、
前記パワープラント補機の電力を推定するパワープラント補機電力推定手段とを備え、
前記検出又は推定された電力に基づいて燃料電池システムを停止したときの消費電力を算出し、該消費電力が所定値より小さいとき、燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする燃料電池システムの制御装置。 - 前記パワープラント補機電力推定手段は、前記パワープラント補機を稼動させたときの消費電力と前記パワープラント補機を停止させたときの消費電力との差から求めたパワープラント補機消費電力の値を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 前記蓄電装置の放電可能電力量と前記消費電力とに基づいて、燃料電池の発電停止後に蓄電装置が前記消費電力を賄える放電可能時間を算出する放電可能時間算出手段と、
前記燃料電池の発電停止準備時間及び発電開始準備時間の合計である準備時間を推定する準備時間推定手段と、を備え、
前記放電可能時間より前記準備時間が短い場合には、燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システムの制御装置。 - 燃料電池システムの停止中の下限まで前記蓄電装置の充電状態が低下した後、燃料電池システムの発電を再開して再度燃料電池システムの停止を許可する前記蓄電装置の充電状態へ到達するまでの充電時間を算出する充電時間算出手段を備え、
該充電時間と前記放電可能時間とを比較し、充電時間の方が放電可能時間より短い場合には、燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。 - 燃料電池システムの停止中の下限まで前記蓄電装置の充電状態が低下した後、燃料電池システムの発電を再開して再度燃料電池システムの停止を許可する前記蓄電装置の充電状態へ到達するまでの充電時間を算出する充電時間算出手段を備え、
前記放電可能時間と前記準備時間との和と、前記充電時間と、を比較し、充電時間の方が前記和より短い場合には、燃料電池システムの停止を許可することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。 - 前記放電可能時間を算出するときに、前記駆動モータの消費電力、及び燃料電池からの取り出し電力をともに0とすることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
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