JP2007026809A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極層へのガスの良好な供給および発電された電気の良好な集電を達成するとともに、発電に伴って発生する反応熱を効果的に冷却する燃料電池用セパレータを提供すること。
【解決手段】 コレクタ10は、多数の貫通孔が形成されたエキスパンドメタル11に筋状凹部12と筋状凸部13が形成されている。また、コレクタ10には、筋状凸部13の立壁面と接触して冷媒を循環する冷却管14が一体的に組み付けられている。そして、コレクタ10は、MEA40に対して筋状凹部12が接触するように配置されるため、ガスを良好に供給することができるとともに、接触抵抗を大幅に低減することができて発電された電気を効率よく集電することができる。さらに、冷却管14がMEA40により近い位置に配置されるため、反応熱を効率よく冷却することができるとともに燃料電池をコンパクトとすることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、燃料電池、特に、燃料電池に採用されるセパレータに関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示すような燃料電池は知られている。この従来の燃料電池は、集電体から触媒層に向かって開口径が減少するように、開口径の異なる多孔質層を積層した積層体を拡散層として用いるようになっている。そして、開口径の小さい多孔質層側に電極触媒を含む触媒層を形成してガス拡散電極とし、このガス拡散電極を電解質膜の両面に接合して、電極・電解質膜接合体を形成するようになっている。さらに、電極・電解質膜接合体を両面から集電体で挟むことにより、固体高分子型燃料電池を形成するようになっている。
また、従来から、例えば、下記特許文献2に示すような燃料電池の構造も知られている。この燃料電池の構造におけるメタルセパレータは、アノード電極またはカソード電極を支持する集電部と、燃料ガスまたは酸化剤ガスを各電極に供給するための流路を形成する集電部サポートとを備える構造となっている。また、メタルセパレータの集電部と電極との間には、多数の貫通孔が形成されるとともにその表面に多数の凹凸形状を有するエキスパンドメタルが設けられている。そして、このエキスパンドメタルの厚み(凹凸寸法)を適宜調整することにより、燃料電池のアノード電極またはカソード電極とエキスパンドメタルとの接触を良好に確保するようになっている。
さらに、従来から、例えば、下記特許文献3に示すような燃料電池も知られている。この燃料電池は、金属製の反応ガス流路と冷媒流路を有するセパレータとMEAを重ねてセルを形成するとともに、1つ以上のセルからモジュールを構成するようになっている。そして、隣接するモジュールのセパレータの冷媒流路にシャフト材を配置し、この状態で冷媒流路位置をセル積層方向に合わせてモジュールを重ねて、スタックを形成するようになっている。
特開2000−58073号公報 特開平8−138701号公報 特開2005−44620号公報
一般的に、燃料電池の発電効率を向上させるためには、電極反応効率および集電効率を向上させることが重要である。このため、燃料電池に採用されるセパレータに要求される機能として、燃料電池に導入される燃料ガスと酸化剤ガスとを電極層に効率よく供給する機能と、電極反応により発電された電気を効率よく集電する機能が要求される。
ところで、上記特許文献1に示された従来の燃料電池においては、発電された電気を効率よく集電する機能については満足するものの、段階的に開口径が減少するガス流路を形成しているため、ガス導入に伴う抵抗(圧力損失)が大きく、ガスを充分に電極層に供給できない場合がある。このため、燃料電池の発電効率が低下する可能性がある。
また、上記特許文献2に示された従来の燃料電池の構造においては、エキスパンドメタルと電極との接触が良好に確保されるため、発電された電気を効率よく集電する機能は満足する。しかし、気体不透過性の集電部サポートによって燃料ガスまたは酸化剤ガスが電極に供給される。このため、各電極に対して十分な燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給できず、言い換えると、ガス拡散性が不均一となり、ガスを効率よく供給する機能を満足しない場合がある。
また、上記特許文献3に示された従来の燃料電池においても、気体不透過性の反応ガス流路によって燃料ガスまたは酸化剤ガスが電極に供給されるため、ガス拡散性が不均一となる。このため、ガスを効率よく供給する機能を満足しない場合がある。さらに、上記特許文献3に示された従来の燃料電池においては、2枚の反応ガス流路を積層することによって、MEA(電極層)における反応熱を冷却するための冷媒流路を形成する構造であるため、燃料電池自体が大型化する問題がある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電極層へのガスの良好な供給および発電された電気の良好な集電を達成するとともに、発電に伴って発生する反応熱を効果的に冷却する燃料電池用セパレータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、燃料電池の電極構造体を構成する電極層に対して、燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するためのガス流路を形成する燃料電池用セパレータにおいて、導電性を有する素材から成形されて、前記燃料ガスと酸化剤ガスとを分離して混流を防止する平板状のセパレータ本体と、多数の貫通孔が形成された素材に対して筋状の凹部と筋状の凸部を連続的に成形することにより、前記電極層に接触する第1面と、前記セパレータ本体に接触する第2面と、同第1面と第2面とを互いに連結する第3面とを有して、前記燃料ガスまたは酸化剤ガスを前記電極層に供給するためのガス流路を形成するとともに、前記電極層の電極反応によって発電された電気を集電するコレクタと、前記コレクタに対して、少なくとも前記第3面に接触して一体的に組み付けられて、前記電極層の電極反応によって発生した反応熱を冷却するための冷媒を循環させる冷却管とを備えたことにある。
この場合、前記冷却管は、前記コレクタの第3面に対して、固着(例えば、溶着)されて一体的に組み付けられるとよい。また、前記冷却管は、さらに、前記コレクタの第2面と接触して一体的に組み付けられるとよい。また、前記コレクタと前記セパレータ本体とを一体的に固着するとよい。
また、この場合、前記コレクタに連続的に成形される筋状の凹部と筋状の凸部は、同筋状の凹部と筋状の凸部の成形方向における断面形状が略矩形状に成形されており、前記成形方向における前記第1面の成形幅が、前記第2面の成形幅に比して大きいとよい。このとき、冷媒を循環させるための冷却管の冷媒循環方向における断面の外径寸法が、前記第2面の成形幅寸法と略同一であり、前記冷却管が、前記第1面と第2面とを連結する第3面と、前記第2面とによって形成される空間内に組み付けられるとよい。さらに、前記多数の貫通孔が形成された素材は、例えば、金属製の薄板に対して網目状の多数の貫通孔が形成された略平板状のエキスパンドメタルであるとよい。
これらによれば、燃料電池用セパレータを、セパレータ本体と、多数の貫通孔を有して筋状の凹部と凸部が連続的に成形されたコレクタと、同コレクタに一体的に組み付けられた冷却管とから構成することができる。そして、この構成により、燃料電池用セパレータは、燃料ガスまたは酸化剤ガスの良好な供給と電極層にて発電された電気の良好な集電とを両立するとともに、電極層にて発生した反応熱を効率よく冷却することができる。
すなわち、外部から導入された燃料ガスまたは酸化剤ガスは、コレクタの貫通孔を通過することにより、電極層に均一に接触する、言い換えれば、ガス濃度勾配を均一とすることができる。したがって、電極層の電極反応領域を大幅に向上させることができ、燃料電池の発電効率を大幅に向上させることができる。また、コレクタに対して、連続的に筋状の凹部および筋状の凸部を成形してガス流路を形成することにより、ガスの導通に伴う抵抗すなわち圧力損失を大幅に低減することができる。また、冷却管をコレクタの第3面に接触させるとともに第2面にも接触させて一体的に組み付けることによって、コレクタに冷却管を一体的に組み付けた場合であっても、電極層の周辺におけるガスの導通が阻害されることを防止することができる。このため、ガスをスムーズに導通させることができて、ガスと電極層との反応(電極反応)を促進することができる。したがって、これによっても、燃料電池の発電効率を大幅に向上することができる。
このように、電極層における電極反応が促進されると、同電極反応に伴って大きな熱量の反応熱が発生する。そして、この発生した反応熱は、電極層の周囲に伝熱するとともにコレクタに伝熱される。これに対して、冷却管は、コレクタに対して、電極層に接触する第1面とセパレータ本体に接触する第2面とを連結する第3面、特に、筋状の凹部と筋状の凸部とが略矩形状に成形された場合には、第1面と第2面とを連結する第3面としての立壁面に接触するように、一体的に組み付けることができる。このように、冷却管を一体的に組み付けて、同冷却管内に冷媒を循環させた場合には、第3面(立壁面)が優先的に冷却される。特に、冷却管をコレクタの第3面(立壁面)に固着させることによって一体的に組み付けた場合には、冷却管の外面と第3面(立壁面)との間の伝熱性が良好となるため、第3面(立壁面)がより冷却される。
これにより、電極層にて発生した反応熱がコレクタの第1面を介して第3面に伝熱しやすくなり、この結果、電極層を効率よく冷却することができる。ここで、冷却管をコレクタの第3面に接触するように組み付けることにより、従来の燃料電池が備えていた冷却水路(冷却層)を設ける必要がないため、燃料電池をコンパクトにすることができる。また、冷却管をコレクタに一体的に組み付けることにより、冷却管を電極層に対してより近く配置することもできる。これにより、電極層の周囲に伝熱された反応熱も効果的に冷却することができる。さらに、コレクタに伝熱した反応熱および電極層の周囲に伝熱した反応熱を直接冷却することができるため、例えば、冷却管内を循環する冷媒の流量を変化させることによって、冷却効果を可変とすることもできる。すなわち、冷却管内を循環する冷媒の流量を大きくすると、冷却効果を大きくすることができ、冷媒の流量を小さくすると、冷却効果を小さくすることができる。したがって、冷却管内の冷媒の流量を適宜調整することによって、燃料電池の作動温度をきめ細かく調整することができ、発電効率を良好に維持することができる。
また、電極層に接触するコレクタの第1面の成形幅をセパレータ本体に接触する第2面の成形幅よりも大きくすることができる。これにより、コレクタと電極層との接触面積を大きくすることができる。また、コレクタの第1面に形成された貫通孔により、単位体積当たりの表面積すなわち電極層との接触面積を大きくすることができる。このため、電極層にて発生した反応熱がコレクタの第1面に伝熱しやすくなり、これによっても、電極層を効率よく冷却することができる。
そして、電極層の電極反応によって効率よく発電された電気は、コレクタによって集電されて、例えば、セパレータ本体を介して外部に取り出される。このとき、コレクタの第1面の電極層に対する接触面積が大きいため、電極層とコレクタとの間に生じる集電抵抗を極めて小さくすることができ、発電された電気の集電効率を大幅に向上させることができる。また、コレクタの第2面をセパレータ本体に対して固着することもできる。これにより、コレクタとセパレータ本体との接触状態を良好に維持することができ、コレクタとセパレータ本体間の接触抵抗を大幅に低減することができる。
また、燃料電池においては、その発電作動に伴って、導電性を有しない酸化物がコレクタとセパレータ本体との接触部位、より詳しくは、コレクタとセパレータ本体との間の僅かな隙間に析出する場合がある。このように、酸化物が析出すると、コレクタとセパレータ本体との間の接触抵抗が増大するため、効率よく発電された電気を集電できない場合がある。これに対し、コレクタとセパレータ本体とを固着することにより、前記僅かな隙間が存在しないために接触抵抗の増大がない。したがって、発電された電気の集電効率を大幅に向上させることができ、その結果、燃料電池は、外部に対し、安定して電気を供給することができる。
一方で、コレクタとセパレータ本体とを一体的に固着させることにより、燃料電池の組み立てを容易とすることができる。また、特に、コレクタの筋状の凹部と筋状の凸部とが略矩形状に成形された場合には、冷却管の冷媒循環方向における断面の外形(例えば、円形状、楕円形状や矩形形状など)の寸法を第2面の成形幅寸法と略同一とすることにより、冷却管のコレクタに対する位置規制が可能となる。これにより、例えば、溶着などによって、冷却管をコレクタに一体的に組み付ける必要がなく、生産性を向上させることができる。また、この場合には、冷却管が第3面(立壁面)と確実に接触するため、電極層にて発生した反応熱を良好に冷却することもできる。
さらに、コレクタを、多数の貫通孔が網目状に形成されたエキスパンドメタルから形成することができる。このエキスパンドメタルは、平板状の金属製の薄板に対して、順次千鳥配置の切れ目を加工するとともに同加工した切れ目を押し延ばすことによって、網目状の小径の貫通孔が形成されるものである。このため、例えば、打ち抜き加工によって形成される他の材料(例えば、パンチングメタルなど)に比して、歩溜まり性が極めて良好であり、製造コストを低減することができる。したがって、このエキスパンドメタルを用いてコレクタを成形することにより、燃料電池の製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は、燃料電池のメタルセパレータを構成するコレクタ10を示している。このコレクタ10は、燃料電池を構成する電極層(アノード電極層およびカソード電極層)に外部から供給される燃料ガスおよび酸化剤ガス(以下、単にガスともいう)を供給する機能と、これら電極層の電極反応によって発電された電気を集電する機能とを有するものである。このため、コレクタ10の形状としては、外部から供給されたガスを各電極層に効率よく供給することに加え、発電された電気を効率よく集電する形状が要求される。
すなわち、外部から供給されたガスを各電極に効率よく供給するためには、導通するガスの圧力損失を低減する形状であることが要求される。一方、発電された電気を効率よく集電するためには、各電極層との接触面積を大きくし集電抵抗を低減する形状であることが要求される。
したがって、コレクタ10は、図1に示すように、多数の網目状の貫通孔が形成された素材としてのエキスパンドメタル11に対して、導通ガスの圧力損失を低減するための多数の筋状凹部12および筋状凸部13が成形されている。また、集電抵抗を低減するために、筋状凹部12の成形幅に比して筋状凸部13の成形幅が大きくなるように成形されている。以下、このコレクタ10について詳細に説明する。
エキスパンドメタル11は、板厚が0.1mmから0.2mm程度のステンレス板に対して、順次千鳥配置の切れ目を加工するとともに加工した切れ目を押し伸ばすことにより、図2(a)に一部を拡大して示すように、孔径が0.1mm〜1mm程度の網目状の貫通孔11aが多数形成されたものである。さらに、エキスパンドメタル11は、多数の網目状の貫通孔11aが形成された後、圧延加工されることにより、図2(b)にて(a)のX−X断面を示すように、略平板状となっている。なお、エキスパンドメタル11は、周知の製造方法によって製造されるものであるため、製造に関する説明を省略する。
そして、このエキスパンドメタル11に対して、多数の筋状凹部12および筋状凸部13を形成することにより、コレクタ10を成形する。以下、この筋状凹部12および筋状凸部13を、例えば、プレス成形により形成する場合を例示して、簡単に説明しておく。図3(a)〜(c)は、エキスパンドメタル11に筋状の凹凸部を形成するための筋状凹凸部形成工程を概略的に示している。この筋状凹凸部形成工程は、エキスパンドメタル11の幅方向(図3において紙面垂直方向)全体に対して、幅広の筋状凹部12を成形するための凹部および幅狭の筋状凸部13を成形するための凸部が形成された下型SGと、上下動可能とされて下型SGに形成された凹部に侵入してエキスパンドメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13を成形するパンチPと、同パンチPによる成形中においてエキスパンドメタル11を固定する先行パッドSPとを備える筋状凹凸部成形機を利用する。
筋状凹凸部成形工程は、まず、図3(a)に示すように、前回の成形サイクルにより成形された筋状凹部12および筋状凸部13を一段送り、下型SG上に載置する。続いて、図3(b)に示すように、先行パッドSPを、前回の成形サイクルにより成形した筋状凹部12方向に下降させて、エキスパンドメタル11を下型SGとともに狭持して固定する。このように、エキスパンドメタル11を固定した状態で、図3(c)に示すように、パンチPをエキスパンドメタル11とともに下型SGに形成された凹部方向に下降させることによって、エキスパンドメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13が成形される。
このように、図3(a)〜(c)によって概略的に示される成形サイクルを繰り返すことにより、エキスパンドメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13を連続的に成形することができる。なお、図3(c)に示す工程において、矢印で示す方向にエキスパンドメタル11を送ることによって材料流れを良好に確保することができるため、筋状凹部12および筋状凸部13の成形に際して、例えば、エキスパンドメタル11の割れや破れを効果的に防止することができる。そして、上記した筋状凹凸部成形工程によって筋状凹部12および筋状凸部13が連続的に成形されたエキスパンドメタル11は、所定長さおよび所定幅となるように、詳しくは、後述するMEA40のアノード電極層AEまたはカソード電極層CEの大きさと略同一の大きさの正方形となるように切断されて、コレクタ10が成形される。
ここで、上述したように成形されたコレクタ10を備える燃料電池においては、燃料ガスおよび酸化剤ガスが効率よく供給されるため、発電効率が大幅に向上する。一方で、発電効率が大幅に向上した場合には、MEA40における電極反応に伴って発生する反応熱を冷却する必要がある。このため、コレクタ10には、図4に示すように、所定の形状に曲げ加工されてMEA40における反応熱を冷却するための冷却管14が組み付けられる。冷却管14は、所定の冷媒(例えば、水道水や不凍液)に対して発生した熱を伝熱しやすい材料(例えば、金属など)から形成されて、冷媒を循環させるための中空管である。ここで、この冷却管14の外径寸法は、コレクタ10の筋状凸部13の成形寸法と略同一となるように設定される。そして、冷却管14は、コレクタ10の筋状凸部13が成形された間隔(ピッチ)と一致するように、また、その長手方向寸法が筋状凸部13の成形方向寸法に比して所定長さだけ長くなるように、曲げ加工されて成形される。以下、この曲げ加工工程について、簡単に説明しておく。
図5(a)〜(c)は、金属製の中空管Pに所定の曲げ形状を加工するための曲げ加工工程を概略的に示している。この曲げ加工工程は、中空管Pを所定長さだけ送る送り機構OKと、中空管Pを左右方向に略180゜曲げる加工ヘッドKHとを備える曲げ加工機を利用する。なお、曲げ加工機自体は、周知の加工機を利用することができるため、その詳細な構成および作動についての説明は省略する。
曲げ加工工程は、まず、図5(a)に示すように、送り機構OKが中空管Pを所定長さだけ加工ヘッドKH方向に送る。続いて、図5(b)に示すように、加工ヘッドKHの曲げ型に沿ってクランプ型が略180゜移動することにより、中空管Pは、一方向に略180゜曲げ加工される。さらに、図5(c)に示すように、送り機構OKが、中空管Pを所定長さだけ加工ヘッドKH方向に送るとともに、加工ヘッドKHが、中空管Pの送り方向を中心軸として略180゜回転する。これにより、加工ヘッドKHのクランプ型が曲げ型に沿って略180゜移動することにより、中空管Pは、図5(b)の場合と逆方向に曲げ加工される。
このように、図5(a)〜(c)によって概略的に示される加工サイクルを繰り返すことにより、中空管Pに対して左右曲げを連続的に加工することができる。そして、冷却管14は、図6に示すように、コレクタ10の筋状凸部13に収容される。このとき、冷却管14は、コレクタ10の筋状凸部13の第3面としての立壁面に接触するとともに、第2面としての頂面(底面)にも接触するように組み付けられる。そして、冷却管14は、コレクタ10に組み付けられた状態で、例えば、ロー付け加工や溶接または拡散接合などによって一体的に固着される。
このように成形されたコレクタ10は、固体高分子型燃料電池を構成するセパレータとして用いられる。以下、このコレクタ10を採用した固体高分子型燃料電池について説明する。固体高分子型燃料電池は、一般的に、単セルが多数積層された燃料電池スタックから形成される。そして、この実施形態に係る単セルは、図7にその構成を示すように、上述したコレクタ10およびセパレータ本体20から構成されるセパレータを上下に配し、同セパレータ間に2枚の樹脂フレーム30およびMEA40(Membrane-Electrode Assembly:膜―電極アッセンブリ)を備えて構成される。このように構成された単セルに対して、燃料ガス(例えば、水素ガスなど)と、酸化剤ガス(例えば、空気など)とが燃料電池スタックの外部から導入されることにより、MEA40での電極反応によって電気が発電される。ここで、以下の説明においては、燃料ガスと酸化剤ガスとをまとめて単にガスともいう。なお、酸化剤ガスには、MEA40が適度な水分を有するように水のミストが含まれる場合がある。
セパレータ本体20は、図7に示すように、略正方形の平板状に形成されて、燃料電池スタック内に導入されたガスの混流を防ぐものである。そして、セパレータ本体20は、薄肉金属板(例えば、板厚が0.1mm程度のステンレス板など)から形成されている。なお、薄肉金属板としては、他に、例えば、金めっきなどの防食処理を施した鋼板などを採用することができる。また、薄肉金属板から形成されるセパレータ本体20に代えて、平板状のカーボンなど導電性を有する他の材料からセパレータ本体20を形成することもできる。
また、セパレータ本体20の周縁部分には、ガス導入口21と、同ガス導入口21と対向する位置にガス導出口22が2対形成されている。ここで、各対は、互いに略直交するように形成されている。ガス導入口21は、略長楕円状の貫通孔に形成されていて、燃料電池スタックの外部から供給された燃料ガスまたは酸化剤ガスを単セル内に導入するとともに、積層された他の単セルに対して、供給された燃料ガスまたは酸化剤ガスを流通する。ガス導出口22も、略長楕円状の貫通孔に形成されていて、単セル内にガス導入口21から導入されたガスのうちMEA40にて未反応のガスを外部に排出するとともに、積層された他の単セルからの未反応ガスを流通する。
さらに、セパレータ本体20の周縁部分には、ガス導入口21に隣接する冷媒導入部23と、ガス導出口22に隣接する冷媒導出部24が2対形成されている。冷媒導入部23は、略円形の貫通孔に形成されていて、燃料電池スタックの外部から圧送された冷媒をコレクタ10の冷却管14に供給するための、供給マニホールドを挿通する。冷媒導出部24も、略円形の貫通孔に形成されていて、コレクタ10の冷却管14を導通した冷媒を回収するための回収マニホールドを挿通する。
ここで、コレクタ10が組み付けられる際には、前記供給マニホールドおよび回収マニホールドがポートごとに分割され、同分割された各ポートが冷却管14に接続されて構成される。具体的に説明すると、供給マニホールドは、単セルごとに対応したポートDPに分割されていて、冷却管14の一端部側(入口側)にシール性を確保して組み付けられている。また、回収マニホールドは、単セルごとに対応したポートCPに分割されていて、冷却管14の他端部側(出口側)にシール性を確保して組み付けられている。このように構成されたセパレータ本体20に対して、コレクタ10は、図8に示すように、セパレータ本体20に筋状凸部13が接触するように配置される。
樹脂フレーム30は、図7に示すように、同一の構造とされた2枚一対の樹脂板から形成されていて、2枚のセパレータ本体20にそれぞれの一面側が固着される。そして、樹脂フレーム30は、セパレータ本体20の外径寸法と略同一の外形寸法とされるとともに、コレクタ10の筋状凹部12および筋状凸部13の成形高さよりも僅かに小さい板厚とされている。ここで、2枚の樹脂フレーム30は、一の樹脂フレーム30に対して、他の樹脂フレーム30が同一平面方向にて略90°回転した状態で配置されて積層される。なお、樹脂フレーム30を形成する樹脂板は、種々の樹脂材料を採用することができ、好ましくは、ガラスエポキシ樹脂を採用するとよい。
また、樹脂フレーム30には、その周縁部分にて、単セルを構成した状態でセパレータ本体20に形成されたガス導入口21、ガス導出口22、冷媒導入部23および冷媒導出部24に対応する位置に同各貫通孔の形状と略同一の形状の貫通孔31〜34が形成されている。さらに、樹脂フレーム30には、その略中央部分にて、コレクタ10を収容する収容孔35が形成されている。この収容孔35は、固着されるセパレータ本体20に形成された一対のガス導入口21、ガス導出口22、冷媒導入部23および冷媒導出部24を収容するとともに、積層される他の樹脂フレーム30に形成された貫通孔31〜34とを収容するように形成されている。
このように、収容孔35を形成することにより、固着されるセパレータ本体20の下面(または上面)、収容孔35の内周面およびMEA40の上面(または下面)によって空間(以下、この空間をガス導通空間という)が形成される。そして、ガス導通空間に対して、例えば、燃料ガスを一方のガス導入口21から、または、酸化剤ガスを他方のガス導入口21および貫通孔31から導入することができる。また、ガス導通空間を通過した未反応ガスは、一方のガス導出口22を介して、または、他方のガス導出口22および貫通孔32を介して外部に導出することができる。
さらに、燃料ガスが導入されるガス導通空間内に収容されたコレクタ10の冷却管14は、ポートDPが燃料ガスを導入するガス導入口21に隣接する冷媒導入部23にて積層された他の単セルのポートDPと連結される。また、冷却管14は、ポートCPが未反応の燃料ガスを導出するガス導出口22に隣接する冷媒導出部24にて積層された他の単セルのポートCPと連結される。これにより、冷却管14は、外部から圧送された冷媒を導通(循環)させることができる。
一方、酸化剤ガスが導入されるガス導通空間内に収容されたコレクタ10の冷却管14は、ポートDPが酸化剤ガスを導入するガス導入口21に隣接する冷媒導入部23にて積層された他の単セルのポートDPと連結される。また、冷却管14は、ポートCPが未反応の酸化剤ガスを導出するガス導出口22に隣接する冷媒導出部24にて積層された他の単セルのポートCPと連結される。これにより、冷却管14は、外部から圧送された冷媒を導通(循環)させることができる。
電極構造体としてのMEA40は、図7に示すように、電解質膜EFを備えている。電解質膜EFは、樹脂フレーム30を積層した際に形成される略正方形の開口部分に比して大きく、かつ、樹脂フレーム30を積層した状態で各貫通孔31〜34を塞がない大きさに成形されている。このように、電解質膜EFを成形することにより、ガス導通空間に導入されたガスが他側に形成されたガス導通空間に漏れることを防止することができる。そして、電解質膜EF上には、図8に詳細に示すように、燃料ガスが導入されるガス導通空間側に配置されるアノード電極層AEと、酸化剤ガスが導入されるガス導通空間側に配置されるカソード電極層CEとが、所定の触媒を層状に積層することにより形成される。このように、電解質膜EF上に形成されるアノード電極層AEおよびカソード電極層CEは、その大きさが樹脂フレーム30を積層した際に形成される略正方形の開口部分に比して僅かに小さい外径寸法とされている。なお、MEA40における電極反応については、本発明に直接関係しないため、その詳細な説明を省略する。
また、MEA40のアノード電極層AEおよびカソード電極層CEのそれぞれの表面側は、導電性を有した繊維としてのカーボンクロスCCで覆われる。このカーボンクロスCCは、アノード電極層AEまたはカソード電極層CEとコレクタ10との接触面積を大きく確保するとともに、単セルを構成した際の各構成部品の寸法誤差を吸収するものである。なお、MEA40は、このカーボンクロスCCを省略して構成することも可能である。
そして、2枚のセパレータ本体20間に、コレクタ10、樹脂フレーム30およびMEA40を積層することによって単セルが構成される。具体的に説明すると、互いに同一平面内にて略90°回転して配置される樹脂フレーム30間にMEA40を狭持し、例えば、接着剤などを塗布することにより、樹脂フレーム30間にMEA40の電解質膜EFを一体的に固着する。そして、樹脂フレーム30の収容孔35内にコレクタ10を収容し、2枚のセパレータ本体20を、例えば、接着剤などを塗布することにより、一体的に固着する。
このとき、コレクタ10は、図8に示すように、成形幅が幅広の筋状凹部12とMEA40(より詳しくは、カーボンクロスCC)とが接触するように配置される。また、樹脂フレーム30の板厚が筋状凹部12および筋状凸部13の成形高さよりも僅かに小さい寸法とされているため、筋状凹部12がセパレータ本体20によってMEA40側に若干押圧された状態で固着される。これにより、コレクタ10とMEA40との接触状態を良好に保つことができる。そして、このように形成された単セルは、多数積層された後、例えば、図示しないボルトとナットによって所定の締結力(積層荷重)で固定されることによって、燃料電池スタックを構成する。なお、単セルを積層する際には、冷却管14に接続された各ポートDP,CPが積層方向にて互いに連結されることによって、供給マニホールドおよび回収マニホールドが形成される。
このように構成された燃料電池スタックを有する固体高分子型燃料電池においては、コレクタ10によって、MEA40のアノード電極層AEおよびカソード電極層CEに燃料ガスおよび酸化剤ガスを効率よく供給することができる。具体的に説明すると、コレクタ10は、薄肉のエキスパンドメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13が形成されて構成されている。このため、外部からガス導入口21を介してガス導通空間内に導入されたガスは、筋状凹部12または筋状凸部13を導通することにより、圧力損失を大幅に低減することができる。したがって、ガス導通空間内を導通するガスは、スムーズに通過して各電極層に良好に供給される。これにより、ガスと各電極層との反応を促進することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
また、コレクタ10は、多数の貫通孔11aの形成されたエキスパンドメタル11から形成されている。このため、ガス導通空間内に導入されたガスは、ガス導通空間内全体に均一に広がることができる。したがって、ガス導通空間内のガス濃度勾配が均一化され、電極層の電極反応領域は、形成したアノード電極層AEおよびカソード電極層CEの全面となる。すなわち、ガス導通空間内に導入されたガスは、コレクタ10の筋状凹部12に形成された貫通孔11aを介して、各電極層に供給される。この結果、有効な電極反応領域が増大することにより、アノード電極層AEおよびカソード電極層CEは、供給された燃料ガスまたは酸化剤ガスと効率よく電極反応することができ、電極反応効率を大幅に向上させることができる。したがって、このことからも、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
そして、MEA40によって効率よく発電された電気は、コレクタ10によって集電される。このとき、コレクタ10が、MEA40(詳しくは、カーボンクロスCC)に対して、筋状凹部12にて接触するように単セルが構成されている。これにより、MEA40との接触面積が大きくなる。また、筋状凹部12に多数の小径の貫通孔11aが形成されていることによっても、MEA40との接触面積が大きくなる。このように、MEA40との接触面積を大きくすることにより、電気を集電する際の集電抵抗を極めて小さくすることができ、発電された電気を効率よく、言い換えれば、集電効率を大幅に向上させて集電することができる。そして、コレクタ10によって集電された電気は、セパレータ本体20を介して、外部に供給される。このとき、セパレータ本体20は、コレクタ10を若干押圧して固着されるため、コレクタの筋状凸部13とセパレータ本体20との接触状態が良好に確保することができる。したがって、コレクタ10とセパレータ本体20との間の接触抵抗が増大することを防止することができるため、安定して電気を外部に供給することができる。
一方で、燃料電池の発電効率を向上させた場合には、MEA40に電極反応に伴う発熱が増大する場合がある。これに対して、コレクタ10の筋状凸部13に一体的に組み付けられた冷却管14に冷媒を循環させることにより、電極反応に伴って発熱したMEA40を効率よく冷却することができる。すなわち、冷却管14に冷媒を循環させると、コレクタ10の筋状凸部13が優先的に冷却される。これにより、MEA40に発生した熱が、コレクタ10の筋状凹部12を介して、筋状凸部13に伝熱しやすくなり、その結果、MEA40の発熱を効果的に冷却することができる。さらに、冷却管14は、コレクタ10の筋状凸部13に一体的に組み付けられているため、MEA40までの距離を短くすることができる。これにより、MEA40から周囲のガスを介して冷却管14に伝わる熱も冷却することができる。したがって、MEA40の発熱による電極反応効率の低下を防止することができるため、燃料電池の発電効率を良好に維持することができる。
また、MEA40の近接した位置にて冷却管14を配置し、同冷却管14内に冷媒を循環させることができるため、燃料電池の作動温度をきめ細かく管理することができる。すなわち、冷却管14内を循環する冷媒の流量を大きくすれば、筋状凸部13に伝熱した反応熱をより多く吸熱することができるため、MEA40の温度を大きく低下させることができる。一方、冷媒の流量を小さくすれば、筋状凸部13に伝熱した反応熱の吸熱量を小さくすることができるため、MEA40の温度の低下を小さくすることができる。これにより、冷却管内を循環する冷媒の流量を適宜制御すれば、MEA40の温度すなわち燃料電池の作動温度を最適に、かつ、容易に管理することができる。したがって、燃料電池の良好な発電効率を維持することができる。
さらに、冷却管14をコレクタ10に対して一体的に組み付けることにより、別途冷却水路を単セルに積層する必要がない。このため、発電時の燃料電池を効果的に冷却することができて、燃料電池を小型化することができる。
上記実施形態においては、セパレータ本体20に対して、コレクタ10を筋状凸部13が接触するように配置して単セルを構成するように実施した。これに対し、セパレータ本体20とコレクタ10とを一体的に固着して、単セルを構成するように実施することも可能である。この場合には、コレクタ10は、図9(a)に示すように、セパレータ本体20の略中央部分にて、筋状凸部13がセパレータ本体20に接触するように配置される。そして、コレクタ10の筋状凸部13とセパレータ本体20の接触部分は、例えば、ロー付け加工や溶接または拡散接合などにより、金属的に接合されて一体的に固着される。
このように、コレクタ10とセパレータ本体20とが一体的に固着されることにより、コレクタ10とセパレータ本体20との間の接触状態を常に良好に確保することができるため、接触抵抗の増大を防止することができる。すなわち、燃料電池においては、発電に伴って、導電性を有しない酸化物がガス導通空間内に析出する場合がある。この酸化物が、特に、コレクタ10とセパレータ本体20との接触部分における隙間に析出すると、接触抵抗が増大し、発電された電気の集電効率が低下する可能性がある。これに対し、コレクタ10は、セパレータ本体20に対して、一体的に固着されるため、接触部分における隙間が存在せず、コレクタ10とセパレータ本体20との接触抵抗の増大を防止することができる。したがって、発電された電気を効率よく集電することができ、これにより、燃料電池は、安定して電気を外部に供給することができる。
また、図9(b)に示すように、セパレータ本体20とコレクタ10の筋状凸部13の頂面(底面)の固着と同時に冷却管14と筋状凸部13とを固着することもできる。これにより、別途、コレクタ10の筋状凸部13に対して冷却管14を固着するための工程(例えば、ロー付け加工や溶接または拡散接合など)を設ける必要がない。したがって、燃料電池を組み立てるための工程を少なくすることができて、生産性を向上することができる。
また、上記実施形態においては、冷却管14と筋状凸部13の隣接する立壁面(第3面)とを固着させるように実施したが、外径寸法と成形幅寸法とが略同一(より詳しくは、冷却管14の外径寸法が筋状凸部13の成形幅寸法より僅かに大きい)とすることにより、固着することなく実施することもできる。すなわち、冷却管14の外径寸法と筋状凸部13の成形幅寸法とが略同一の状況においては、コレクタ10の筋状凸部13に組み付けられた冷却管14は位置決めされる。また、冷却管14と筋状凸部13の隣接する立壁面との接触が良好に確保される。これにより、筋状凸部13と冷却管14とを固着しなくても、上記実施形態と同様の効果が期待できるとともに、固着するための工程を省略することができて、燃料電池の生産性を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、中空管Pに対して曲げ加工を施し、冷却管14を形成するように実施した。これに対して、例えば、図10に示すように、複数の中空管を井桁状に組み合わせた冷却管14’を採用して実施することも可能である。これによっても、上記実施形態と同様に、コレクタ10の筋状凸部13に対して冷却管14’を一体的に組み付けることができて、MEA40にて発生する反応熱を効果的に冷却することができる。
また、上記実施形態においては、コレクタ10の筋状凸部13内に冷却管14を組み付けて実施したが、筋状凹部12内に組み付けて実施することも可能である。この場合には、ガス導通空間内に導通されたガスとMEA40とが接触する状態、言い換えれば、MEA40の電極反応領域に対するガス濃度勾配の均一性が若干乱れるものの、よりMEA40に近づけて冷却管14を配置することができるため、MEA40を効率よく冷却することができる。
さらに、冷却管14の断面形状は、円形に限定されるものではなく、楕円、矩形であってもよい。特に、上記実施形態で説明したように、コレクタ10の筋状凹部12と筋状凸部13が断面略矩形状に形成された場合において、冷却管14の断面形状を矩形形状とすることにより、コレクタ10の筋状凸部13との接触面積を十分に確保することができる。このため、例えば、上記実施形態のように冷却管14を筋状凸部13に対して固着しなくても、反応熱を効率よく吸収することができて、MEA40を良好に冷却することができる。
本発明の実施形態に係るコレクタを示した斜視図である。 図1のコレクタを形成するためのエキスパンドメタルを説明するための図である。 (a)〜(c)は、コレクタの筋状凹部および筋状凸部を成形する工程を説明するための概略図である。 図1のコレクタに組み付けられる冷却管を示した概略図である。 (a)〜(c)は、冷却管を曲げ成形する工程を説明するための概略図である。 コレクタと冷却管とを組み付けた状態を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する単セルの構成を説明するための概略的な分解斜視図ある。 図7の燃料電池スタックの断面を拡大して示した断面拡大図である。 (a),(b)は、本発明の変形例に係り、コレクタとセパレータ本体との固着を説明するための図である。 本発明の変形例に係り、井桁状に形成した冷却管を説明するための図である。
符号の説明
10…コレクタ、11…エキスパンドメタル、12…筋状凹部、13…筋状凸部、14,14’…冷却管、20…セパレータ本体、40…MEA

Claims (7)

  1. 燃料電池の電極構造体を構成する電極層に対して、燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するためのガス流路を形成する燃料電池用セパレータにおいて、
    導電性を有する素材から成形されて、前記燃料ガスと酸化剤ガスとを分離して混流を防止する平板状のセパレータ本体と、
    多数の貫通孔が形成された素材に対して筋状の凹部と筋状の凸部を連続的に成形することにより、前記電極層に接触する第1面と、前記セパレータ本体に接触する第2面と、同第1面と第2面とを互いに連結する第3面とを有して、前記燃料ガスまたは酸化剤ガスを前記電極層に供給するためのガス流路を形成するとともに、前記電極層の電極反応によって発電された電気を集電するコレクタと、
    前記コレクタに対して、少なくとも前記第3面に接触して一体的に組み付けられて、前記電極層の電極反応によって発生した反応熱を冷却するための冷媒を循環させる冷却管とを備えたことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 請求項1に記載した燃料電池用セパレータにおいて、
    前記冷却管は、
    前記コレクタの第3面に対して固着されて一体的に組み付けられることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  3. 請求項1に記載した燃料電池用セパレータにおいて、
    前記冷却管は、さらに、
    前記コレクタの第2面と接触して一体的に組み付けられることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  4. 請求項1に記載した燃料電池用セパレータにおいて、
    前記コレクタと前記セパレータ本体とを一体的に固着したことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  5. 請求項1に記載した燃料電池用セパレータにおいて、
    前記コレクタに連続的に成形される筋状の凹部と筋状の凸部は、同筋状の凹部と筋状の凸部の成形方向における断面形状が略矩形状に形成されており、
    前記成形方向における前記第1面の成形幅が、前記第2面の成形幅に比して大きいことを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  6. 請求項5に記載した燃料電池用セパレータにおいて、
    冷媒を循環させるための冷却管の冷媒循環方向における断面の外径寸法が、前記第2面の成形幅寸法と略同一であり、
    前記冷却管が、前記第1面と第2面とを連結する第3面と、前記第2面とによって形成される空間内に組み付けられることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  7. 請求項1に記載した燃料電池用セパレータにおいて、
    前記多数の貫通孔が形成された素材は、
    金属製の薄板に対して網目状の多数の貫通孔が形成された略平板状のエキスパンドメタルであることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
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