JP2007026728A - 誘導加熱方法及び焼入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1台の発振器から2つの共振回路それぞれに発振される交流電力の周波数に大差をつけて2つの被加熱対象部位を誘導加熱できる誘導加熱方法を提供する。
【解決手段】ブッシュ110の外周壁110aと内周壁110bを同時に焼入れするために、誘導加熱コイル14としては外周壁110aに近接して沿う形状の環状のものを用い、誘導加熱コイル16としては内周壁110bに近接して沿う形状の環状のものを用いた。外周壁110aには深い硬化層d1を形成し、内周壁110bには浅い硬化層d2を形成する。このため、誘導加熱コイル14には、1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をもつ第1交流電力が供給される一方、誘導加熱コイル16には、50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をもつ第2交流電力が供給される。交流電力の周波数は、ブッシュ110の材質や硬化層の深さ等に応じて適宜に決める。
【選択図】図4

Description

本発明は、1台の発振器から異なる周波数をもつ2種類の交流電力を交互に発振させて異なる被加熱対象部位を誘導加熱する誘導加熱方法及びこの被加熱対象部位を硬化させる焼入方法に関する。
歯車やブッシュ類のような部品では、内面(内周壁)と外面(外周壁)の2ヶ所に焼入れが要求される場合がある。この場合、その構造や耐久性などの要求の違いから、内面と外面では互いに異なる硬化深さが要求されることが多い。例えば、内面では浅い硬化深さが要求され、この逆に、外面では深い硬化深さが要求される。上記のような部品を高周波焼入れする場合、周知のように、誘導加熱コイルに供給する交流電力の周波数が高いほど電流浸透深さが浅くなるので、浅い硬化深さが要求される部分(例えば内面)を誘導加熱する誘導加熱コイルには周波数の比較的高い交流電力を供給し(発振し)、一方、深い硬化深さが要求される部分(例えば外面)を誘導加熱する誘導加熱コイルには周波数の比較的低い交流電力を供給する。このように内面と外面を誘導加熱するときの周波数が異なるので、内面の焼入れと外面の焼入れを別々に分けて実施している。すなわち、一つの部品に2回の焼入れが施されている。
また、複数の鋼材を連続して高周波焼入れする場合、鋼材の加熱効率を高めると共に鋼材を均熱するために、しばしば2段加熱方法が用いられている。この2段加熱方法では、鋼材が低温でその透磁率が大きいときと、鋼材が高温でその透磁率が1になったときとで、誘導加熱コイルに供給する交流電力の周波数を変更している。鋼材が低温でその透磁率が大きいときには1段目の誘導加熱コイルに低い周波数(例えば10kHz)の交流電力を供給して鋼材を約700℃まで昇温させて予熱し、続いて、鋼材が高温で透磁率が1になったときには、2段目の誘導加熱コイルに高い周波数(例えば200kHz)の交流電力を供給して鋼材の表面を1000℃まで昇温させて焼入れする。この2段加熱方法では、一般に、2つの交流電源(2台の発振器)を用いて誘導加熱コイルに周波数の異なる2種類の交流電力を供給している。
上記のように異なる2箇所(2つの被加熱対象部位)を誘導加熱する技術として、一つの可変周波数型インバータから2つの共振回路に交流電力を発振させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術によれば、インバータを安定に起動させて異なる2つの被加熱対象部位を容易に誘導加熱できる。
特公昭58−10835号公報
しかし、上記した技術では、2つの共振回路に発振される交流電力の周波数を狭い範囲でしか変更できない。この範囲は、上記の特許文献1に記載されているように、一方の共振回路に発振される交流電力の周波数を3.15kHzとした場合、他方の共振回路に発振される交流電力の周波数は3.15kHz〜4.2kHzとなる。このように狭い範囲内において(大差のない)異なる周波数をもつ2種類の交流電力をそれぞれ異なる誘導加熱コイルに供給して2つの被加熱対象部位を誘導加熱した場合、2つの被加熱対象部位の加熱深さは大幅には変わらない(大差ない)。即ち、2つの被加熱対象部位に異なる深さの硬化層を形成する場合、上記のように狭い範囲内において異なる周波数をもつ2種類の交流電力を使用するときは、2つの被加熱対象部位の硬化深さに大差をつけられない(硬化深さがほぼ同じである)。
本発明は、上記事情に鑑み、1台の発振器から2つの共振回路それぞれに発振される交流電力の周波数に大差をつけて2つの被加熱対象部位を誘導加熱できる誘導加熱方法及び焼入方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の誘導加熱方法は、
(1)1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をもつ第1交流電力と50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をもつ第2交流電力とを所定の時間比率配分に従って切り替えて発振するように1台の発振器を制御しながら、この1台の発振器から前記第1交流電力を一方の第1誘導加熱コイルに発振すると共に、この発振のタイミングとは異なるタイミングで前記第2交流電力を他方の第2誘導加熱コイルに発振し、
(2)これら2つの誘導加熱コイルで互いに異なる被加熱対象部位を同時に誘導加熱することを特徴とするものである。
ここで、
(3)前記第1誘導加熱コイルを有する直列共振回路が前記第1交流電力の周波数で共振するように、前記第1交流電力の電流値に基づいて前記1台の発振器を制御すると共に、
(4)前記第2誘導加熱コイルを有する直列共振回路が前記第2交流電力の周波数で共振するように、前記第2交流電力の電流値に基づいて前記1台の発振器を制御してもよい。
さらに、
(5)前記第1誘導加熱コイルへの前記第1交流電力の発振を停止してから前記第2誘導加熱コイルへの前記第2交流電力の発振を開始するまでは1ms以下の時間間隔であってもよい。
さらにまた、
(6)前記第2誘導加熱コイルへの前記第2交流電力の発振を停止してから前記第1誘導加熱コイルへの前記第1交流電力の発振を開始するまでは1ms以下の時間間隔であってもよい。
また、上記目的を達成するための本発明の焼入方法は、
(7)1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をもつ第1交流電力と50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をもつ第2交流電力とを所定の時間比率配分に従って切り替えて発振するように1台の発振器を制御しながら、この1台の発振器から前記第1交流電力を一方の第1誘導加熱コイルに発振すると共に、この発振のタイミングとは異なるタイミングで前記第2交流電力を他方の第2誘導加熱コイルに発振し、
(8)これら2つの誘導加熱コイルそれそれで互いに異なる被加熱対象部位を同時に誘導加熱してこれら異なる被加熱対象部位を焼入温度にし、
(9)この焼入温度に加熱された前記異なる被加熱対象部位を同時に焼入れすることを特徴とするものである。
さらに、
(10)前記互いに異なる被加熱対象部位を誘導加熱する際に、上記した誘導加熱方法を実施してもよい。
さらにまた、
(11)前記第1誘導加熱コイルによって誘導加熱する被加熱対象部位は円筒状被加熱物の外周壁であり、前記第2誘導加熱コイルによって誘導加熱する被加熱対象部位は前記円筒状被加熱物の内周壁であり、これら外周壁と内周壁を同時に焼入れしてもよい。
なお、交流電力の周波数とは、交流電流(又は交流電圧)の周波数と同義である。
本発明によれば、1台の発振器から、1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をもつ第1交流電力を第1誘導加熱コイルに発振すると共に、50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をもつ第2交流電力を第2誘導加熱コイルに発振し、且つ、この発振の際に、第1及び第2交流電力を所定の時間比率配分に従って切り替えるので、1台の発振器から2つの共振回路それぞれに発振される交流電力の周波数に大差をつけて2つの被加熱対象部位を誘導加熱できる。
本発明は、ブッシュなどの円筒状ワークの内周面(内周壁)と外周面(外周壁)を同時に焼入れする焼入方法等に実現された。
図1を参照して、本発明の実施例1を説明する。図1は、本発明の焼入方法に用いられる電力供給装置の一例の概略構成を示す回路図である。
電力供給装置10は、例えばブッシュなどの被加熱物12の外周壁(被加熱対象部位1)を誘導加熱する誘導加熱コイル14(本発明にいう第1誘導加熱コイルの一例である)と、被加熱物12の内周壁(被加熱対象部位2)を誘導加熱する誘導加熱コイル16(本発明にいう第2誘導加熱コイルの一例である)とに、互いに異なる2つの周波数をもつ交流電力を交互に供給するものである。誘導加熱コイル14に供給される交流電力が、本発明にいう第1交流電力であり、誘導加熱コイル16に供給される交流電力が、本発明にいう第2交流電力である。
これら2種類の交流電力の周波数は、1つの交流電源(商用電源)18からの交流電力の周波数を1台の発振器20によって適宜に変換して得られるものである。誘導加熱コイル14を有する第1直列共振回路42と、誘導加熱コイル16を有する第2直列共振回路44とは、1台の発振器20に並列に接続されている。後述するように、この1台の発振器20から、異なる周波数をもつ2種類の交流電力(第1、第2交流電力)が所定の時間比率配分に従って切り替えて発振される。低い周波数(1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数)をもつ第1交流電力が誘導加熱コイル14に発振され、高い周波数(50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数)をもつ第2交流電力が誘導加熱コイル16に発振される。第1交流電力が誘導加熱コイル14に発振されているときは(発振のタイミングでは)、第2交流電力が誘導加熱コイル16に発振されず、この逆に、第2交流電力が誘導加熱コイル16に発振されているときは、第1交流電力が誘導加熱コイル14に発振されない。また、誘導加熱コイル14を有する第1直列共振回路42が第1交流電力の周波数で共振するように、第1交流電力の電流値に基づいて発振器20が制御されると共に、第2誘導加熱コイル16を有する第2直列共振回路44が第2交流電力の周波数で共振するように、第2交流電力の電流値に基づいて発振器20が制御される。
電力供給装置10は、大別して、交流電源18から出力された交流電力の周波数を変換して所定の第1周波数及びこの第1周波数よりも高い第2周波数をもつ交流電力を交互に出力する1台の(1つの)発振器(電源主回路)20と、この発振器20から発振された第1周波数をもつ第1交流電力に対応した第1直列共振回路42及び発振器20から発振された第2周波数をもつ第2交流電力に対応した第2直列共振回路44双方が形成された整合器40と、整合器40に入力される交流電力の電流と電圧に基づいて発振器20が発振する交流電力の周波数が共振周波数になるように発振器20を制御する電源制御回路60とを備えている。ここでいう所定の第1周波数とは1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をいい、所定の第2周波数とは50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をいう。従って、第2周波数は第1周波数よりも高く、この逆に、第1周波数は第2周波数よりも低い。また、整合器40に入力される交流電力の電流と電圧に基づくとは、後述する直流電流センサCTOによって検出された電流の位相信号と、後述する周波電力比率制御回路64から逆変換部24に出力する電圧のゲート信号とに基づくことをいう。なお、誘導加熱コイル14,16の等価インダクタンスL01及びL02は数十nH〜数μHとする。
発振器20は電源制御回路60に制御されることにより、低い周波数の交流電力と高い周波数の交流電力を高速(例えば1ms)で切り替えながら交互に発振できるだけでなく、この切り替えの時間比率配分を適宜に変更することにより、発振器20から発振される交流電力が誘導加熱コイル14と誘導加熱コイル16に配分される比率(電力比率(デューティ))を連続的に変更できる。例えば、第1交流電力と第2交流電力の時間比率配分を1:1にした場合は、誘導加熱コイル14と誘導加熱コイル16に発振される電力比率は1:1となり、第1交流電力と第2交流電力の時間比率配分を2:1にした場合は、誘導加熱コイル14と誘導加熱コイル16に発振される電力比率は2:1となる。
発振器20は、一台の交流電源(商用電源)18から出力された3相交流電力を直流電力に変換する1つの順変換部(コンバータ)22と、この順変換部22から出力された直流電力を平滑する平滑コンデンサCfと、平滑コンデンサCfで平滑された直流電力を交流電力に変換する電圧型の1つの逆変換部(インバータ)24とを備えている。順変換部22には、周知のブリッジ整流回路が形成されている。また、逆変換部24には、周知のトランジスタから構成された複数のスイッチング素子が組み込まれおり、これら複数のスイッチング素子をオン・オフ制御することにより直流電力を交流電力に変換する。なお、発振器20は、順変換部22から出力された直流電流を検知する直流電流センサCTOも備えている。発振器20は電源制御回路60によって制御されて、第1周波数をもつ第1交流電力と、第1周波数よりも高い第2周波数をもつ第2交流電力を短い周期で交互に発振する。
第1直列共振回路42は、低い第1周波数(F1)を共振させるための回路であり、数μH〜数十μHの範囲内のリアクトルL1、容量が数十μF〜数百μFの範囲内の整合コンデンサC1、及び数十nH〜数μHの範囲内の等価インダクタンスL01をもつ誘導加熱コイル14から構成される。一方、第2直列共振回路44は、第1周波数(F1)よりも高い第2周波数(F2)を共振させるための回路であり、容量が数十nF〜数μFの範囲内の整合コンデンサC2、及び数十nH〜数μHの範囲内の等価インダクタンスL02をもつ誘導加熱コイル16から構成される。
上記の範囲内で第2周波数は第1周波数の10倍以上になるように設定されている。このため、2つの直列共振回路42,44のLC常数は互いに影響を及ぼさない。従って、第1直列共振回路42の共振周波数は近似的に下記のF1となり、一方、第2直列共振回路44の共振周波数は近似的に下記のF2となる。

Figure 2007026728
Figure 2007026728
第1直列共振回路42を構成するリアクトルL1は、第2周波数をもつ交流電流(高周波電流)が第1直列共振回路42に分流しない(漏れない)ように設けられたリアクトルである。さらに、誘導加熱コイル16に流れる高周波電流に起因して第1直列共振回路42に誘導電流が発生することをリアクトルL1が抑制し、これにより、誘導加熱コイル16の加熱効率の低下が防止される。
第2直列共振回路44を構成する整合コンデンサC2は高周波整合共振コンデンサであり、その容量は整合コンデンサC1の容量よりもはるかに小さく設計されている(整合コンデンサC2の容量は整合コンデンサC1の容量の例えば1/10から1/20までの範囲内)。このため、第1周波数をもつ交流電流(低周波電流)が第2直列共振回路44へ分流する(漏れる)ことを整合コンデンサC2が抑制し、これにより、誘導加熱コイル14の加熱効率の低下が防止される。従って、2つの誘導加熱コイル14,16を互いに近付けても相互誘導による加熱効率低下の問題は生じない。
また、誘導加熱コイル14の等価インダクタンスL01が充分に大きいときは(すなわち、第1直列共振回路42での分流が第2直列共振回路44を流れる電流の1/10〜1/20以下のときは)、リアクトルL1を省略できる。あるいは、後述するように整合コンデンサC1と誘導加熱コイル14との間に電流変成器を設けた場合、電流変成器の1次側でのインダクタンスがNL01となり、適宜の巻数比を選択することにより、充分大きいインダクタンスが得られる。この場合も、リアクトルL1を省略できる。このようにリアクトルL1を省略することは整合器40の簡素化にもなる。ここで、Nを電流変成器1次の巻数とし、2次巻数を1ターンとし、負荷のインダクタンスをL01とした場合、電流変成器の1次側での負荷等価インピーダンスはNL01となる。なお、後述する実施例2で説明するように、負荷インピーダンスを電流の出力インピーダンスに整合(一致)させるために、整合器40に整合変圧器MTR1,MTR2と電流変成器CTR1,CTR2を設けてもよい。電流変成器CTR1、CTR2は共振周波数の整合(調整)の役割も兼ねる。
電源制御回路60は、整合器40で直列共振させる低周波(第1周波数)及び高周波(第2周波数)の同期をとって、所定の時間比率配分に従って低周波及び高周波を高速で切り替えながら発振器20から出力させるように発振器20を制御する。この電源制御回路60は、加熱電力の設定や電力比率の設定などが入力される入力手段(図示せず)に接続されている。この入力手段は、操作者による加熱電力の設定や電力比率の設定などの各種設定に対応した入力操作に対応して所定の設定入力信号を出力する。この入力手段からの設定入力信号に基づいて電源制御回路60が発振器20を制御し、加熱電力や電力比率を制御する。電源制御回路60は、順変換部22を制御する順変換制御回路62と、逆変換部24を制御する周波電力比率制御回路64と、整合器40の低周波電流センサCT1で検知された電流の位相信号が入力される低周波同期回路66と、整合器40の高周波電流センサCT2で検知された電流の位相信号が入力される高周波同期回路68とを備えている。
上記した入力手段としては、例えばグラフィックタッチパネルを採用しており、低い周波数(第1周波数)と高い周波数(第2周波数)との電力比率(周波電力比率)を0%から100%までの間で適宜に設定できると共に、加熱電力も適宜に設定できるものが使用される。例えば、グラフィックタッチパネルで0%を選択した場合、高い周波数の交流電力だけが誘導加熱コイル16に供給されて、誘導加熱コイル14には交流電力が供給されない。この逆に、グラフィックタッチパネルで100%を選択した場合、低い周波数の交流電力だけが誘導加熱コイル14に供給されて、誘導加熱コイル16には交流電力が供給されない。また、グラフィックタッチパネルで10%を選択した場合、発振器20から発振される交流電力を100%としたときに、低い周波数の交流電力が10%の割合で誘導加熱コイル14に供給されるのに対して、高い周波数の交流電力が90%の割合で誘導加熱コイル16に供給される。
順変換制御回路62は発振器20の順変換部22に接続されている。この順変換制御回路62は、順変換部22から出力される直流電力の電圧Vdcを認識し、上記の入力手段から出力される加熱電力を表す(担持する)設定入力信号に基づいて、所定の出力値となるように順変換部22を制御する。この制御に当たっては、順変換部22の出力側の電圧Vdcと、順変換部22の出力側に設けられた直流電流センサCT0で検知された電流Idcとを順変換制御回路62で検出し、上記の入力手段から順変換制御回路62に入力された設定入力信号に基づいて、サイリスタなどによって直流電圧及び電流フィードバック制御などにより順変換部22から出力される直流電力の出力値を制御する。
周波電力比率制御回路64は発振器20の逆変換部24に接続されている。この周波電力比率制御回路64は、逆変換部24から出力される低い周波数(第1周波数)をもつ第1交流電力と高い周波数(第2周波数)をもつ第2交流電力とを設定入力信号に基づいて所定の電力比率(デューティ比)で、且つ、高速(例えば1ms)で切り替えさせるように逆変換部24を制御する。この設定入力信号は上記の入力手段の入力操作に対応する電力比率を表すものであり、入力手段から周波電力比率制御回路64に入力される。この制御にあたっては、入力手段からの設定入力信号に基づいて、第1周波数及び第2周波数の1周期内にそれぞれの交流電力(第1及び第2交流電力)を出力させる期間(時間)を設定し、第1周波数及び第2周波数双方を選択的に切り替えると共に設定された電力比率になるように逆変換部24を制御する。
また、周波電力比率制御回路64は、第1周波数及び第2周波数を切り替えるタイミングを表す信号(例えばデューティ比を表す信号)を順変換制御回路62に出力する。このタイミングを表す信号が入力された順変換制御回路62は、順変換部22から出力される直流電力の出力値が第1周波数及び第2周波数の所定のタイミングでそれぞれ所定の出力値となるように順変換部22を制御する。
低周波同期回路66は、整合器40に接続されると共に周波電力比率制御回路64に接続されている。低周波同期回路66には、低周波電流センサCT1によって検出された交流電流(整合器40の第1直列共振回路42に入力される交流電流)の電流値が入力され、この入力された電流値に基づいて周波電力比率制御回路64に所定の制御信号を出力する。この制御信号に基づいて周波電力比率制御回路64が逆変換部24を制御する。この制御信号は、発振器20から出力される第1交流電力の第1周波数が直列共振周波数となるように逆変換部24の発振周波数を制御させるための信号である。
また、低周波同期回路66は、低周波電流センサCT1が交流電流(周波電流)を検出できずに制御信号の出力を停止する休止期間に移行する際に、検出した交流電流に関する同期情報である周波数情報をメモリなどの記憶手段に記憶させて(保持して)おき、低周波電流センサCT1が交流電流を再び検出して制御信号を出力する動作期間に移行する際に、上記の記憶手段に記憶された周波数情報を読み出して(復元させて)周波数同期のための制御信号を出力して逆変換部24を制御する。なお、休止期間と動作期間の間隔が非常に短い周期に設定されているので、この間では、温度変化に起因する誘導負荷周波数の変動が僅かであり、同期追従の時間が短く、高速化できる。
高周波同期回路68は、整合器40に接続されると共に周波電力比率制御回路64に接続されている。高周波同期回路68には、高周波電流センサCT2によって検出された交流電流(整合器40の第2直列共振回路44に入力される交流電流)の電流値が入力され、この入力された電流値に基づいて周波電力比率制御回路64に所定の制御信号を出力する。この制御信号に基づいて周波電力比率制御回路64が逆変換部24を制御する。この制御信号は、発振器20から出力される第2交流電力の第2周波数が直列共振周波数となるように逆変換部24の発振周波数を制御させるための信号である。
また、高周波同期回路68は、低周波同期回路66と同様に、高周波電流センサCT2が交流電流(周波電流)を検出できずに制御信号の出力を停止する休止期間に移行する際に、検出した交流電流に関する同期情報である周波数情報をメモリなどの記憶手段に記憶させて(保持して)おき、高周波電流センサCT2が交流電流を再び検出して制御信号を出力する動作期間に移行する際に、上記の記憶手段に記憶された周波数情報を読み出して(復元させて)周波数同期のための制御信号を出力して逆変換部24を制御する。なお、休止期間と動作期間の間隔が非常に短い周期に設定されているので、この間では、温度変化に起因する誘導負荷周波数の変動が僅かであり、同期追従の時間が短く、高速化できる。
上記した電力供給装置10を用いて2つの誘導加熱コイル14,16に交流電力を供給して被加熱物12の内周壁と外周壁を同時に(一回で、一度に)誘導加熱する例を説明する。
電力供給装置10を含めた誘導加熱システム(図示せず)に電源を投入して上記の入力手段で加熱電力と周波電力比率を設定することにより、電源制御回路60が作動し始めると共に交流電源18から発振器20に交流電力が供給され始める。発振器20では、交流電源18から供給された交流電力が、順変換制御回路62に制御されている順変換部22で直流電力に変換され、この順変換部22から出力された直流電力が平滑コンデンサCfで平滑されて逆変換部24に入力される。この入力された直流電力は、周波電力比率制御回路64に制御されている逆変換部24において、高い周波数(第2周波数)をもつ第2交流電力及び低い周波数(第1周波数)をもつ第1交流電力に交互に変換される。この変換された第1及び第2交流電力は整合器40に交互に出力される。
整合器40には、発振器20から発振された第1周波数をもつ第1交流電力と第2周波数をもつ第2交流電力とが交互に入力される。発振器20から第1交流電力が発振されたときは、第1交流電力は第1直列共振回路42に入力されて共振状態となり、共振周波数をもつ交流電流が誘導加熱コイル14を流れ、この交流電流によって被加熱対象1に渦電流が誘導されて被加熱対象1が加熱される。ここで、整合器40の整合コンデンサC2の容量は整合コンデンサC1の容量よりもはるかに小さい(整合コンデンサC2の容量は整合コンデンサC1の容量の1/10〜1/20の範囲内にある)ので、第1周波数(F1)に対して第2直列共振回路44が大きなインピーダンスが呈していることとなる。このため、第1周波数(F1)の動作モードでは、整合コンデンサC2は第1周波数をもつ交流電流を通しにくく、第2直列共振回路44をオープン(開)と見なすことができる。従って、第1周波数をもつ第1交流電力のほとんどが第1直列共振回路42(L1、C1,Lo1の共振回路)に投入されるので、第1周波数をもつ第1交流電力(低周波電力)を誘導加熱コイル14に効率良く供給できて被加熱対象1を効率良く加熱できる。
誘導加熱コイル14に第1周波数をもつ第1交流電力が供給されている期間に、低周波電流センサCT1が検出した交流電流(F1周波電流)に基づいて、低周波同期回路66は、発振器20からの出力周波数が共振周波数になるように発振周波数を調整して制御している。低周波電流センサCT1が交流電流を検出できずに制御信号の出力を停止する休止期間に移行する際は、検出した交流電流に関する同期情報である周波数情報をメモリなどの記憶手段に記憶させて(保持して)おき、低周波電流センサCT1が交流電流を再び検出して制御信号を出力する動作期間に移行する際に、上記の記憶手段に記憶された周波数情報を読み出して(復元させて)周波数同期のための制御信号を出力して逆変換部24を制御する。
一方、発振器20から第2周波数をもつ第2交流電力が発振されたときは、第1直列共振回路42のインピーダンスが第2直列共振回路44のインピーダンスよりもはるかに大きい(10〜20倍に設計されている)ので、第1直列共振回路42に流れる高周波成分は非常に小さい。従って、第1直列共振回路42がオープンとみなすことができ、第2周波数をもつ第2交流電力のほとんどが第2直列共振回路44に投入されるので、第2周波数をもつ第2交流電力(低周波電力)を誘導加熱コイル16に効率良く供給できて被加熱対象2を効率良く加熱できる。
誘導加熱コイル16に第2周波数をもつ第2交流電力が供給されている期間に、高周波電流センサCT2が検出した交流電流(F2周波電流)に基づいて、高周波同期回路68は、発振器20からの出力周波数が共振周波数になるように発振周波数を調整して制御している。高周波電流センサCT2が交流電流を検出できずに制御信号の出力を停止する休止期間に移行する際は、検出した交流電流に関する同期情報である周波数情報をメモリなどの記憶手段に記憶させて(保持して)おき、高周波電流センサCT2が交流電流を再び検出して制御信号を出力する動作期間に移行する際に、上記の記憶手段に記憶された周波数情報を読み出して(復元させて)周波数同期のための制御信号を出力して逆変換部24を制御する。なお、第1周波数をもつ第1交流電力と第2周波数をもつ第2交流電力は発振器20から交互に発振されて整合器40で整合されているので、第1直列共振回路42と第2直列共振回路44の間では相互干渉は起らない。
以上説明したように、電力供給装置10では、互いに異なる周波数(例えば上記の第1周波数と第2周波数)をもつ複数の交流電力(例えば上記の第1交流電力と第2交流電力)を1つ(一台)の発振器20から複数の誘導加熱コイル(例えば誘導加熱コイル14,16)に交互に供給できるので、複数の誘導加熱コイルの間の相互誘導に起因する加熱効率の低下や複数の交流電源間の相互干渉による制御不安定などが無く、簡易なシステムの電力供給装置が得られる。また、被加熱物12の内面と外面を同時に(一回で、一度に)加熱できるので、被加熱物12が加熱される時間を短くでき、加熱に起因する被加熱物12の変形や歪みを低減できる。また、発振器20から発振される第1周波数は1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数であり、第2周波数は50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数であるので、1台の発振器20から2つの共振回路42,44それぞれに発振される交流電力の周波数に大差をつけて2つの被加熱対象部位を誘導加熱して同時に焼入れできる。ブッシュの内周壁と外周壁を同時に焼入れした例については後述する。
図2と図3を参照して本発明の焼入方法に用いられる他の電力供給装置の一例を説明する。
図2は、本発明の電力供給装置の他の例の概略構成を示す回路図である。図3は、図2の整合器におけるインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。図2では、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
図2に示す電力供給装置100が電力供給装置10(図1参照)と相違する点は、整合器80に2つの整合変圧器MTR1,MTR2と、2つの電流変成器CTR1,CTR2を備えた点にある。第1周波数(低い周波数)用の整合変圧器MTR1は、第1周波数をもつ第1交流電力の直列共振回路のインピーダンスを整合するためのものであり、第2周波数(高周波)用の整合変圧器MTR2は、第2周波数をもつ第2交流電力の直列共振回路のインピーダンスを整合するためのものである。また、第1周波数(低い周波数)用の電流変成器CTR1は、第1周波数をもつ第1交流電力の直列共振回路のインピーダンスと周波数を整合させるためのものであり、第2周波数(高周波)用の電流変成器CTR2は、第2周波数をもつ第2交流電力の直列共振回路のインピーダンスと周波数を整合させるためのものである。
整合変圧器MTR1は、上述したように、第1周波数の共振周波負荷のインピーダンスと、発振器20から出力される第1交流電力の出力インピーダンスとを整合(一致)させるためのものである。この整合変圧器MTR1の1次巻線MTR1Aが発振器20に接続されており、発振器20から発振された交流電力が1次巻線MTR1A入力される。また、整合変圧器MTR1の2次巻線MTR1Bには、リアクトルL1、整合コンデンサC1、及び電流変成器CTR1の1次巻線CTR1Aが直列に接続されている。
また、整合器80には、リアクトルL1、整合コンデンサC1、及び誘導加熱コイル14の等価インダクタンスNLO1により構成されて、第1周波数で直列共振する第1直列共振回路82が形成されている。この第1直列共振回路82の共振インピーダンスと一致するように、整合変圧器MTR1の2次巻線MTR1Bの出力等価インピーダンスが設定されている。
整合変圧器MTR2は、上述したように、第2周波数の共振周波負荷のインピーダンスと、発振器20から出力される第2交流電力の出力インピーダンスとを整合(一致)させるためのものである。この整合変圧器MTR2の1次巻線MTR2Aは、整合変成器MTR1の1次巻線MTR1Aと並列に接続されて発振器20に接続されており、1次巻線MTR2Aには発振器20から発振された交流電力が入力される。また整合変圧器MTR2の2次巻線MTR2Bには、整合コンデンサC2及び電流変成器CTR2の1次巻線CTR2Aが直列に接続されている。
また、整合器80には、整合コンデンサC2及び誘導加熱コイル16の等価インダクタンスNLO2により構成されて、第2周波数で直列共振する第2直列共振回路84が形成されている。この第2直列共振回路84の共振インピーダンスと一致するように、整合変圧器MTR2の2次巻線MTR2Bの出力等価インピーダンスが設定されている。
上記した電力供給装置100を用いて2つの誘導加熱コイル14,16に交流電力を供給して被加熱物12の内周壁と外周壁を同時に誘導加熱する例を説明する。
電力供給装置100を含めた誘導加熱システム(図示せず)に電源を投入して上記の入力手段で加熱電力と周波電力比率を設定することにより、実施例1と同様に、電源制御回路60が作動し始めると共に交流電源18から発振器20に交流電力が供給され始める。発振器20では、交流電源18から供給された交流電力が、順変換制御回路62に制御されている順変換部22で直流電力に変換され、この順変換部22から出力された直流電力が平滑コンデンサCfで平滑されて逆変換部24に入力される。この入力された直流電力は、周波電力比率制御回路64に制御されている逆変換部24において、高い周波数(第2周波数)をもつ第2交流電力及び低い周波数(第1周波数)をもつ第1交流電力に交互に変換される。この変換された2種類の交流電力は整合器80に出力される。
整合器80には、発振器20から発振された第1周波数をもつ第1交流電力と第2周波数をもつ第2交流電力とが交互に入力される。発振器20から第1交流電力が発振されたときは、第1交流電力は第1直列共振回路82に入力されて共振状態となり、共振周波数をもつ交流電流が誘導加熱コイル14を流れ、この交流電流によって被加熱対象1に渦電流が誘導されて被加熱対象1が加熱される。ここで、整合器80の整合コンデンサC2の容量は整合コンデンサC1の容量よりもはるかに小さい(整合コンデンサC2の容量は整合コンデンサC1の容量の1/10〜1/20の範囲内にある)ので、第1周波数(F1)に対して第2直列共振回路84が大きなインピーダンスが呈していることとなる。このため、第1周波数(F1)の動作モードでは、整合コンデンサC2は第1周波数の交流電流を通しにくく、第2直列共振回路84をオープン(開)と見なすことができる。従って、第1周波数の交流電流は整合変圧器MTR2に流れずに整合変圧器MTR1に流れるので、第1直列共振回路82に第1周波数の第1交流電力が供給される。この第1交流電力の供給により、第1直列共振回路82が直列共振状態となって被加熱対象1を誘導加熱する。
一方、発振器20から第2周波数をもつ第2交流電力が発振されたときは、第1直列共振回路82のインピーダンスが第2直列共振回路84のインピーダンスよりもはるかに大きい(10〜20倍に設計されている)ので、第1直列共振回路82に流れる高周波成分は非常に小さい。従って、第1直列共振回路82がオープンとみなすことができる。このため、第2周波数をもつ交流電流は整合変圧器MTR1には流れずに、この交流電流は整合変圧器MTR2に流れ、この結果、第2直列共振回路84に第2周波数の交流電力が供給される。この交流電力の供給により、第2直列共振回路84が直列共振状態となって被加熱対象2を誘導加熱する。
ここで、2つの直列共振回路82,84それぞれにインピーダンスの整合が必要な理由を説明する。
電気回路原理によれば、負荷インピーダンスが電源出力インピーダンスと同じとき、負荷に最大電力を供給できる。このため、図3のグラフに示す整合器80のインピーダンスの周波数特性に基づいて、電源の出力インピーダンス(抵抗)と共振回路のインピーダンス(抵抗)とを整合(一致)させることが必要となる。誘導負荷と共振コンデンサで構成される共振回路では、共振点において回路インピーダンスが純抵抗になる。通常、この負荷抵抗が電源の出力インピーダンスよりもはるかに小さい抵抗値であり、また、負荷抵抗は周波数の平方根(ルートf)に比例しているので、整合器80では2つの共振周波数に応じて互いに異なる共振インピーダンス(純抵抗)を有している。従って、それぞれにインピーダンスの整合が必要となるのである。
以上説明したように、電力供給装置100では、互いに異なる周波数(例えば上記の第1周波数と第2周波数)をもつ複数の交流電力(例えば上記の第1交流電力と第2交流電力)を1つ(一台)の交流電源18から複数の誘導加熱コイル(例えば誘導加熱コイル14,16)に交互に供給できるので、複数の誘導加熱コイルの間の相互誘導に起因する加熱効率の低下や複数の交流電源間の相互干渉による制御不安定などが無く、簡易なシステムの電力供給装置が得られる。また、被加熱物12の内面と外面を同時に(一回で、一度に)加熱できるので、被加熱物12が加熱される時間を短くでき、加熱に起因する被加熱物12の変形や歪みを低減できる。
図4から図6までを参照して、上記した電力供給装置10(又は電力供給装置100)を使用して円筒状被加熱物の一例であるブッシュ110の外周壁110aと内周壁110bを同時に誘導加熱して同時に焼入れする例を説明する。外周壁と内周壁は2つの被加熱対象部位の一例である。
図4は、誘導加熱されているブッシュを模式的に示す断面図である。図5は、2つの誘導加熱コイルに交流電力を発振するタイミングを示す模式図であり、(a)は、時間比率配分が1:1の場合を示し、(b)は、時間比率配分が3:1の場合を示す。図6は、焼入れされたブッシュを示す横断面図である。
ブッシュ110の外周壁110aと内周壁110bを同時に焼入れするために、誘導加熱コイル14としては外周壁110aに近接して沿う形状の環状のものを用い、誘導加熱コイル16としては内周壁110bに近接して沿う形状の環状のものを用いた。ここでは、一巻きのコイル(ワンターンコイル)を用いたが、これに限定されず、被加熱対象部位に合わせた形状の誘導加熱コイルを用いてもよい。誘導加熱コイル14,16は、整合器40(又は整合器80)に図1(又は図2)に示すように接続されている。また、外周壁110aには深い硬化層d1を形成し、内周壁110bには浅い硬化層d2を形成する。このため、誘導加熱コイル14には、1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をもつ第1交流電力が供給される一方、誘導加熱コイル16には、50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をもつ第2交流電力が供給される。交流電力の周波数は、ブッシュ110の材質や硬化層の深さ等に応じて適宜に決める。
1台の発振器20(図1等参照)から所定の時間比率配分に従って第1交流電力と第2交流電力を切り替えて発振する。図5(a)には、発振器20から誘導加熱コイル14に発振する交流電力の時間と誘導加熱コイル16に発振する交流電力の時間とを1:1(時間比率配分を1:1)にした例を示し、この場合は、発振器20から誘導加熱コイル14に例えば50kHzの周波数をもつ交流電力をt1時間(例えば100ms)発振して停止し、続いて、発振器20から誘導加熱コイル16に例えば200kHzの周波数をもつ交流電力をt2時間(例えば100ms)発振して停止し、続いて、誘導加熱コイル14に例えば50kHzの周波数をもつ交流電力をt3時間(例えば100ms)発振して停止し、続いて、発振器20から誘導加熱コイル16に例えば200kHzの周波数をもつ交流電力をt4時間(例えば100ms)発振して停止し、このような発振を所定時間続け、外周壁110aの硬化層d1に相当する部分と、内周壁110bの硬化層d2に相当する部分とを焼入温度にして急冷する。これにより、図6に示すように、外周壁110aには深い硬化層d1が形成されると共に、内周壁110bには浅い硬化層d2が形成される。
上記した例では、時間比率配分を1:1にしたが、図5(b)に示すように3:1にしてもよく、また、他の比率にしてもよい。時間比率配分を3:1にした場合は、発振器20から誘導加熱コイル14に例えば50kHzの周波数をもつ交流電力をT1時間(例えば150ms)発振して停止し、続いて、発振器20から誘導加熱コイル16に例えば200kHzの周波数をもつ交流電力をT2時間(例えば50ms)発振して停止し、続いて、誘導加熱コイル14に例えば50kHzの周波数をもつ交流電力をT3時間(例えば150ms)発振して停止し、続いて、発振器20から誘導加熱コイル16に例えば200kHzの周波数をもつ交流電力をT4時間(例えば50ms)発振して停止し、このような発振を所定時間続け、外周壁110aの硬化層に相当する部分と、内周壁110bの硬化層に相当する部分とを焼入温度にして急冷する。これにより、外周壁110aには深い硬化層が形成されると共に、内周壁110bには浅い硬化層が形成される。時間比率配分が3:1の例では、1:1の場合に比べて、外周壁110aを加熱する時間が長くなる一方、内周壁110bを加熱する時間が短くなるので、外周壁110aの硬化層は図5(a)のときよりも深くなる一方、内周壁110bの硬化層は図5(a)のときよりも浅くなる。
いずれの時間比率配分にした場合であっても、加熱層の温度降下が無いように切り替える。発振中(誘導加熱中)において加熱層に温度降下が生じるような時間配分比率にした場合は、加熱効率が低下するだけでなく、硬化層の深さが不均一になるおそれがある。
上記の例では、ブッシュ110の外周壁110aと内周壁110bを同時に焼入れして、これらに深さの異なる硬化層を形成する例を説明したが、本発明の誘導加熱方法は、異種材質を接合する場合にも用いられる。この例について図7を参照して説明する。
図7は、異なった材質の金属板を接合する例を模式的に示す断面図である。
本発明の誘導加熱方法を用いた場合、材質の異なる金属板210(例えば鋼)と金属板220(例えばアルミニウム)を、接着剤を使用せずに接合できる。金属板210に近接させて誘導加熱コイル114を配置し、金属板220に近接させて誘導加熱コイル116を配置する。誘導加熱コイル114,116は、整合器40(又は整合器80)(図1、図2参照)に接続されており、これらの誘導加熱コイル114,116には発振器20(図1等参照)から交流電力が発振される。誘導加熱コイル114には、金属板210を溶融させるために最適な周波数をもつ交流電力を発振し、誘導加熱コイル116には、金属板220を溶融させるために最適な周波数をもつ交流電力を発振する。誘導加熱コイル114,116それぞれに流れる交流電力の2つの周波数は互いに異なる。
金属板210と金属板220を図7に示すように重ねて(密着させて)、発振器20から交流電力が発振されている誘導加熱コイル114,116の間を矢印A方向に通過させることにより金属板210,220の一部が溶融して、これらの境界部分が同時に溶け合って接合される。これにより、異材金属板200が形成される。
本発明で用いた電力供給装置の一例の概略構成を示す回路図である。 本発明で用いた電力供給装置の他の例の概略構成を示す回路図である。 図2の整合器におけるインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。 誘導加熱されているブッシュを模式的に示す断面図である。 2つの誘導加熱コイルに交流電力を発振するタイミングを示す模式図であり、(a)は、時間比率配分が1:1の場合を示し、(b)は、時間比率配分が3:1の場合を示す。 焼入れされたブッシュを示す横断面図である。 異なった材質の金属板を接合する例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10,100 電力供給装置
14,16 誘導加熱コイル
18 交流電源
20 発振器
40,80 整合器
60 電源制御回路
42,82 第1直列共振回路
44,84 第2直列共振回路
110 ブッシュ
110a 外周壁
110b 内周壁

Claims (7)

  1. 1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をもつ第1交流電力と50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をもつ第2交流電力とを所定の時間比率配分に従って切り替えて発振するように1台の発振器を制御しながら、この1台の発振器から前記第1交流電力を一方の第1誘導加熱コイルに発振すると共に、この発振のタイミングとは異なるタイミングで前記第2交流電力を他方の第2誘導加熱コイルに発振し、これら2つの誘導加熱コイルで互いに異なる被加熱対象部位を同時に誘導加熱することを特徴とする誘導加熱方法。
  2. 前記第1誘導加熱コイルを有する直列共振回路が前記第1交流電力の周波数で共振するように、前記第1交流電力の電流値に基づいて前記1台の発振器を制御すると共に、
    前記第2誘導加熱コイルを有する直列共振回路が前記第2交流電力の周波数で共振するように、前記第2交流電力の電流値に基づいて前記1台の発振器を制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱方法。
  3. 前記第1誘導加熱コイルへの前記第1交流電力の発振を停止してから前記第2誘導加熱コイルへの前記第2交流電力の発振を開始するまでは1ms以下の時間間隔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱方法。
  4. 前記第2誘導加熱コイルへの前記第2交流電力の発振を停止してから前記第1誘導加熱コイルへの前記第1交流電力の発振を開始するまでは1ms以下の時間間隔であることを特徴とする請求項1,2,又は3に記載の誘導加熱方法。
  5. 1kHz以上50kHz以下の範囲内の周波数をもつ第1交流電力と50kHz以上1MHz以下の範囲内の周波数をもつ第2交流電力とを所定の時間比率配分に従って切り替えて発振するように1台の発振器を制御しながら、この1台の発振器から前記第1交流電力を一方の第1誘導加熱コイルに発振すると共に、この発振のタイミングとは異なるタイミングで前記第2交流電力を他方の第2誘導加熱コイルに発振し、これら2つの誘導加熱コイルそれそれで互いに異なる被加熱対象部位を同時に誘導加熱してこれら異なる被加熱対象部位を焼入温度にし、
    この焼入温度に加熱された前記異なる被加熱対象部位を同時に焼入れすることを特徴とする焼入方法。
  6. 前記互いに異なる被加熱対象部位を誘導加熱する際に、請求項2から4までのうちのいずれか一項に記載の誘導加熱方法を実施することを特徴とする請求項5記載の焼入方法。
  7. 前記第1誘導加熱コイルによって誘導加熱する被加熱対象部位は円筒状被加熱物の外周壁であり、前記第2誘導加熱コイルによって誘導加熱する被加熱対象部位は前記円筒状被加熱物の内周壁であり、これら外周壁と内周壁を同時に焼入れすることを特徴とする請求項6に記載の焼入方法。
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