JP2007024665A - 動的応答解析法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 時系列の順に時間単位ごとの解析モデルの応答波を求めるのに、周波数領域での線形応答解析を行う。第1番目の解析条件として、解析モデルの初期状態および初期物性値を設定し、入力波を解析対象波として周波数領域での線形応答解析を行い、第1番目の時間単位の応答波を求める。第2番目の時間単位以降は、当該番目の直前の解析条件の下で、当該番目の直前の解析対象波に対して求めた応答波において、当該番目の直前の時間単位の応答波に後続する波が応答波となるために入力されるべき波を、周波数領域での線形応答解析により求めて、当該番目の解析対象波と定める。当該番目の直前の時間単位の応答波にもとづいて当該番目の解析条件を設定し、当該番目の解析対象波に対する周波数領域での線形応答解析を行い、当該番目の時間単位の応答波を求める。
【選択図】 図2
Description
これに対し、周波数領域における等価線形解析法では、離散的な周波数ごとの定常な応答波の和として解析結果を求めるので、逐次非線形解析が不可能とされ、比較的大きな応答が生じる場合に解析精度が悪いという問題がある。
さらに、周波数領域における等価線形解析法では有効ひずみの概念を用い、有効ひずみ換算係数を設定するが、その設定値が解析精度に影響するという問題がある。また、有効ひずみが解析に用いた物性値に対応するものになるまで、物性値を変化させつつ繰り返し解析を行うが、その際、比較的大きな応答が生じる場合などにおいて、繰り返し回数が相当数に及んでも、有効ひずみが物性値に対応するものとならない場合があるという問題もある。
一方、時間領域における逐次非線形解析法では、比較的大きな応答波が生じる場合の解析精度は、一般的には周波数領域における等価線形解析法を上回る。しかし、周波数領域における等価線形解析で可能な逆解析や、波を上昇波と下降波に分離することが困難である。
また、時間領域における逐次非線形解析法は、解析に用いる直接積分の手法により解析精度が異なることや、直接積分の安定性などのために付加される減衰定数が経験的に与えられることなどから、解析者により解析結果に差異が生じやすいという問題がある。さらに、直接積分における時間刻みの大きさにより解が不安定になる場合があるし、直接積分の安定性が高い手法の場合は、一般的に解析精度が悪いという問題がある。
以上、時間領域における逐次非線形解析法と周波数領域における等価線形解析法は、それぞれ長所を有するもののいくつかの問題を有している。
これにより、当該番目の直前の時間単位の応答波にもとづいて、解析モデルの状態および物性値を設定することができ、それに応じた、当該番目の直前の時間単位の応答波に後続する波の変化を解析しつつ、当該番目の時間単位ごとの応答波を時系列の順に求めることができる。即ち、入力波に対する逐次非線形動的応答解析を、周波数領域での線形応答解析を繰り返すことにより行うことができる。その際に、最小の時間単位である単一の時刻ごとに解析条件を設定して、周波数領域での線形応答解析を行うことができ、高精度な逐次非線形動的応答解析を行うことができる。また、同一の解析条件を適用する時間単位を、所定の時系列に並ぶ複数の時刻として、周波数領域での線形応答解析を行うことができ、解析を迅速に行うことができる。
これにより、解析条件の変更が必要な時刻を判断し、その都度、同一の解析条件を適用する時刻の範囲を同一の時間単位として設定し、その直後の時間単位では解析条件を変更することができる。
これにより、各々の波形単位ごとに、当該番目の直前の時間単位での入力波に対する応答波にもとづいて設定した、当該番目の解析モデルの状態および物性値に応じて、当該番目の直前の時間単位の応答波に後続する波の変化を解析しつつ、当該番目の時間単位ごとの応答波を時系列の順に求めることができる。すなわち、各々の波形単位に対する逐次非線形動的応答解析を、周波数領域での線形応答解析を繰り返すことにより行うことができる。
これにより、逐次非線形動的応答解析において、入力波に対する応答波を、各々の波形単位に対する応答波を足し合わせたものとしてとらえることができる。
図1は、本発明による周波数領域での逐次非線形動的応答解析法を実施して、入力波に対する応答波を求める場合のフローチャートを示し、図2は図1の続きを示すフローチャートである。図3は、前記解析法における入力波と時間単位を示す。図4は、前記解析法において、第m−1番目の解析対象波に対して求めた応答波と、その応答波をもとに第m番目の解析対象波を設定する説明図を示す。
図3に、入力波に対して各々の時間単位を設定した例を示す。第1番目、第2番目、第m−1番目、第m番目および最終の第n番目の時間単位がそれぞれT1、T2、Tm-1、TmおよびTnである。時間単位は単一の時刻か、時系列に並ぶ複数の時刻のいずれかとして設定する。図3においては、第m番目の時間単位が単一の時刻、第1番目、第2番目、第m−1番目、第n番目の時間単位が、それぞれ異なる複数の時刻からなる時間単位である。すべての時間単位を単一の時刻としてもよいし、各々の時間単位をそれぞれ所定の時系列に並ぶ複数の時刻としてもよい。各々の時間単位として、単一の時刻と時系列に並ぶ複数の時刻が混在してもよい。
高精度な逐次非線形動的応答解析を行うためには、応答波の時間変化に応じた解析モデルの状態および物性値の変化を逐次与える必要があり、時間単位が短いほど解析精度は高い。一方、時間単位の数が多いほど解析時間を要する。解析時間の短縮をはかる場合などは必要に応じて、時間単位を長く設定することも可能である。
まず、入力波を第1番目の解析対象波として設定する(ステップS4)。
まず、解析対象物を各要素に分割してモデル化し、解析モデルの初期状態を設定するとともに、各要素に初期物性値を設定し、解析モデルの初期状態および初期物性値を第1番目の解析条件とする(ステップS5)。例えば、解析対象物が構造物であれば、剛性と減衰定数の初期値、解析対象物が地盤であれば、せん断剛性と減衰定数の初期値を設定する。解析モデルの各要素の質量もあわせて設定する。さらに、解析モデルにおいて入力波が入力される所定の位置として、入力波設定位置を定める。入力波設定位置は、解析モデルの境界だけでなく、解析モデルの任意点に定めて解析を行うことができる。
この周波数領域での線形応答波解析では、まず第1番目の解析対象波をフーリエ変換し、フーリエスペクトルを求める。一方、第1番目の解析条件の下で、周波数応答関数を周波数領域での線形応答解析により求める。
フーリエスペクトルと周波数応答関数が求められると、両者をかけ合わせて応答波のフーリエスペクトルを求める。そしてこれをフーリエ逆変換し、第1番目の解析対象波に対する応答波が得られる(ステップS7)。
以下、図4を参照して説明する。第m−1番目の解析対象波(図4の左側の下段(b))を、解析モデル(図4の中央(a))の入力波設定位置に入力した場合の、周波数領域での線形応答解析により、第m−1番目の解析対象波に対する応答波(図4の左側の枠内(c))が求められる(ステップS11)。図4には、解析モデルの3箇所の応答波を示している。この応答波は、第m−1番目の時間単位以降に応答値を有する(図4の左側の枠内(d),(e))。この応答波のうち、第m−1番目の時間単位の応答波(図4の左側の枠内(d))に後続する波(図4の左側の枠内(e))は、第m−1番目の解析条件がそのまま変化しない場合の応答波である。しかし、実際は第m−1番目の時間単位での応答波(図4の左側の枠内(d))により解析条件が変化して、この後続する波も変化する。
そこで第m−1番目の時間単位の応答波に後続する波が応答波となるために、入力波設定位置に入力されるべき波を、周波数領域での線形応答解析(ステップS14)により求める。
次に、フーリエスペクトルと周波数応答関数の逆数をかけ合わせて、第m−1番目の時間単位の応答波に後続する波以外の振幅値を零とした波(図4の右側の上段(f))が応答波となるために、入力波設定位置に入力されるべき波のフーリエスペクトルを求める。そしてこれをフーリエ逆変換し、入力波設定位置に入力すべき波が得られ(図4の右側の下段(g))、これを第m番目の解析対象波として設定する(ステップS15)。
第m番目の解析対象波をフーリエ変換し、フーリエスペクトルを求める。一方、第m番目の解析条件の下で(ステップS17)、周波数応答関数を周波数領域の線形応答解析により求める。
フーリエスペクトルと周波数応答関数が求められると、両者をかけ合わせて応答波のフーリエスペクトルを求める。そしてこれをフーリエ逆変換し、第m番目の解析対象波に対する応答波を得る(ステップS19)。
よって、第m番目の解析対象波に係わる前記のフーリエ逆変換とフーリエ変換は行わず、入力波設定位置に入力されるべき波のフーリエスペクトルに、第m番目の解析条件の下で求めた周波数応答関数をかけ合わせて、応答波のフーリエスペクトルを求めることができ、これをフーリエ逆変換することにより、第m番目の解析対象波に対する応答波を得る(ステップS19)ことも可能である。
上記の手順を繰り返し、第2番目から最終の第n番目までの時間単位の応答波を求め(ステップS21)、解析結果として保存する。
各要素の物性値は、物性の非線形特性に係るデータをもとに設定するが、例えば、解析対象物が構造物であれば、剛性や減衰定数と変位の関係から応答波としての変位をもとに剛性や減衰定数をそのまま用いる時間単位を設定する。解析対象物が地盤であれば、せん断剛性や減衰定数とせん断ひずみの関係から、応答波としてのせん断ひずみをもとにせん断剛性や減衰定数をそのまま用いる時間単位を設定する。また応答波としての、変位、ひずみ、応力などをもとに、解析モデルの状態としてのはく離、亀裂、すべり、分離、接触、貫入などの現象に対して、解析モデルを変更せずにそのまま用いる時間単位を設定する。
なお、上記の方法により設定する時間単位と、あらかじめ設定する時間単位が混在しての解析も可能である。
以下、その発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。図5は、本発明による周波数領域における逐次非線形動的応答解析法を実施して、波形単位に対する応答波を求める場合のフローチャートを示し、図6は図5の続きを示すフローチャートである。図7は、前記解析法における入力波と、入力波を波形単位に区分し波形単位以外の振幅値を零とした波の設定の説明図、および各々の波形単位に対する応答波と、それらの応答波から入力波に対する応答波を求める説明図を示す。ここで、第m番目の時間単位をTmで示す。なお、mは整数であり、1≦m≦nである。
図7の左側に、上段に再掲した図3と同じ入力波に対して各々の波形単位を設定した例を示す。第1番目、第2番目、第m−1番目、第m番目および最終の第n番目の時間単位であるT1、T2、Tm-1、Tm、Tnごとに区分した、第1番目、第2番目、第m−1番目、第m番目および最終の第n番目の波形単位をそれぞれV1、V2、Vm-1、Vm、Vnで示す。時間単位を単一の時刻と設定した場合は、波形単位が単一の時刻での入力波の振幅値を有するインパルスであり、時間単位を所定の時系列に並ぶ複数の時刻と設定した場合は、波形単位は時系列に並ぶ複数の時刻で入力波の振幅値を有する波である。図7においては、第m番目の波形単位がインパルス、第1番目、第2番目、第m−1番目、第n番目の波形単位が、それぞれ異なる複数の時刻で入力波の振幅値を有する波である。
図7の左側に示すように入力波に対して、入力波の前後それぞれに、入力波を設定した時刻と同じ時間間隔で時系列に並ぶ所定の時刻における振幅値を零としたものを付加した波を用いてもよい。こうすることにより、時刻ごとの振幅値として与えられる第m番目の波形単位の第m番目の解析対象波のデータ数を調整し、後述のフーリエ変換、逆変換に高速フーリエ変換、高速フーリエ逆変換を用いることが可能で、解析を迅速に行うことができる。
この周波数領域での線形応答波解析では、まず、第m番目の波形単位の第m番目の解析対象波をフーリエ変換し、フーリエスペクトルを求める。一方、第m番目の解析条件の下で、周波数応答関数を周波数領域での線形応答解析により求める。
フーリエスペクトルと周波数応答関数が求められると、両者をかけ合わせて応答波のフーリエスペクトルを求める。そしてこれをフーリエ逆変換し、第m番目の波形単位の第m番目の解析対象波に対する応答波を得る(ステップS29)。
以下の説明は、段落0023で図4を参照して説明したものと同様で、具体的には以下のとおりである。第m番目の波形単位の第k−1番目の解析対象波を、解析モデルの入力波設定位置に入力した場合の、周波数領域での線形応答解析により、第m番目の波形単位の第k−1番目の解析対象波に対する応答波が求められる(ステップS33)。この応答波は、第k−1番目の時間単位以降に応答波を有する。この応答波のうち、第k−1番目の時間単位の応答波に後続する波は、第k−1番目の解析条件がそのまま変化しない場合の応答波である。しかし実際は、入力波に対する第k−1番目の時間単位での応答波に応じて解析条件が変化して、この後続する波も変化する。
そこで第k−1番目の時間単位の応答波に後続する波が応答波となるために、入力波設定位置に入力されるべき波を、周波数領域での線形応答解析(ステップS36)により求める。
次に、フーリエスペクトルと周波数応答波関数の逆数をかけ合わせて、第k−1番目の時間単位の応答波に後続する波以外の振幅値を零とした波が応答波となるために、入力波設定位置に入力されるべき波のフーリエスペクトルを求める。そしてこれをフーリエ逆変換し、入力波設定位置に入力すべき波が得られ、これを第m番目の波形単位の第k番目の解析対象波として設定する(ステップS37)。
第m番目の波形単位の第k番目の解析対象波をフーリエ変換し、フーリエスペクトルを求める。一方、第k番目の解析条件の下で、周波数応答関数を周波数領域の線形応答解析により求める。
フーリエスペクトルと周波数応答関数が求められると、両者をかけ合わせて応答波のフーリエスペクトルを求める。そしてこれをフーリエ逆変換し、第m番目の波形単位の第k番目の解析対象波に対する応答波を得る(ステップS40)。
よって、上記の第m番目の波形単位の第k番目の解析対象波に係わる、フーリエ逆変換とフーリエ変換は行わず、入力波設定位置に入力されるべき波のフーリエスペクトルに、第k番目の解析条件の下で求めた周波数応答関数をかけ合わせて、応答波のフーリエスペクトルを求めることができる。そして、これをフーリエ逆変換し、第m番目の波形単位の第k番目の解析対象波に対する応答波を得る(ステップS40)ことも可能である。
上記の手順を繰り返し、第m+1番目から最終の第n番目の時間単位までの応答波を求め、解析結果として保存し、第m番目の波形単位に対する解析が終了する(ステップS41)。
図7の左側において、第1番目から最終の第n番目までの各々の波形単位以外の振幅値を零とした波を足し合わせたものは入力波である。図7の右側において、各々の波形単位である第m番目の波形単位に対する応答波は、第m番目の時間単位以降に応答値を有する。よって、入力波に対する第1番目の時間単位の応答波は、第1番目の波形単位に対する第1番目の時間単位の応答波として求める。入力波に対する第2番目以降としての第m番目の時間単位の応答波は、第1番目から第m番目までの各々の波形単位に対する第m番目の時間単位の応答波を足し合わせて求めることができ、この手順を繰り返し、入力波に対する第2番目から最終の第n番目までの時間単位の応答波が求められる。以上により、図7の右側の下に示すとおり、入力波に対する応答波を得る。
本発明の実施例について、図面を参照して説明する。図8は、本発明の周波数領域における逐次非線形動的応答解析法による実施例の地盤の構造と、地震観測記録および解析結果としての加速度時刻歴波形を示す。図9は、前記実施例の地盤の構造と解析モデルの説明図を示す。図10は、前記実施例で用いた解析モデルの初期物性値を示す。図11は、前記実施例で用いた地盤物性の非線形特性であるせん断剛性と減衰定数のせん断ひずみ依存曲線を示す。図12は、前記実施例の解析結果としての上昇波と下降波に分離した加速度時刻歴波形を示す。
対象とした地震観測記録は、1987年11月24日に、アメリカのカリフォルニア州ワイルドライフで、スーパースティション・ヒルズ(Superstition Hills)地震の際に観測されたものである。地盤の構造と、地面と地中(地面から7.5mの深度)の地震計設置位置を図8の(a)に示す。図8の左側の下段(b)が、地中で観測された加速度時刻歴波形、図8の右側の上段(d)が、地面で観測された加速度時刻歴波形である。
入力波の全時間にわたって、時間単位はすべて1/200秒ごとの単一の時刻とした。
図10に、解析モデルの初期物性値を示す。図10には、各層の下端深度、層厚とともに、単位体積重量、せん断剛性の初期値、減衰定数の初期値を示している。
図11が解析に用いた、地盤物性の非線形特性であるせん断剛性と減衰定数のせん断ひずみ依存曲線である。せん断剛性と減衰定数を、各層ごとに直前の時間単位の各層のひずみに応じて図11にもとづき設定した。周波数領域での線形応答解析は、重複反射理論による解を用いた。
一方、上記とは逆に、地面で観測された加速度時刻歴波形を、層番号1の層の表面1aにおける入力波とし、本発明の周波数領域における逐次非線形動的応答解析法を適用して得た、層番号22の層の下面22aでの加速度時刻歴波形を、図8の右側の下段(e)に示す。これは、図8の左側の下段(b)に示した、地中で観測された加速度時刻歴波形を概ね良好に再現している。
このように、本発明の周波数領域における逐次非線形動的応答解析法によれば、前者の地面での加速度時刻歴波形を求めた順解析のみならず、後者の地中での加速度時刻歴波形を求めた逆解析の逐次非線形動的応答解析が可能である。
このように1次元問題においては、周波数応答関数を求める線形応答解析として、本解析例のように重複反射理論などによる理論解を用いる場合には、上昇波と下降波を求めることが可能である。
V1〜Vn 第1番目の波形単位〜第n番目の波形単位
Claims (4)
- 地震波等の波を対象に設定した、所定の時系列に並ぶ時刻で振幅値を有する入力波が、解析モデルの所定の位置に入力される場合の、前記解析モデルの応答波を求める動的応答解析法において、
前記入力波に対する前記解析モデルの応答波を、前記時系列に並ぶ時刻に対し、単一の時刻または時系列に並ぶ複数の時刻のいずれかとして設定した、第1番目から最終の第n番目(2≦n,nは整数)までの各々の時間単位である、第m番目(1≦m≦n,mは整数)の時間単位ごとに、時系列の順に求める動的応答解析法であって、
前記解析モデルの初期状態および初期物性値として設定した、第1番目の解析条件の下で、周波数領域での線形応答解析により、前記入力波を第1番目の解析対象波とし、前記解析モデルの所定の位置に入力した場合の応答波を求め、求めた前記応答波のうち、前記第1番目の時間単位の応答波を、前記入力波に対する前記第1番目の時間単位の応答波とする第1の手順と、
前記入力波に対する、第2番目以降としての前記第m番目の時間単位の応答波を求めるのに、第m−1番目の解析条件の下で、周波数領域での線形応答解析により、第m−1番目の解析対象波に対して求めた応答波において、第m−1番目の時間単位の応答波に後続する波以外の振幅値を零とした波が応答波となるために、前記解析モデルの所定の位置に入力されるべき波を、第m番目の解析対象波として求める第2の手順と、
前記入力波に対して求めた前記第m−1番目の時間単位の応答波にもとづいて設定した、前記解析モデルの状態および物性値である、第m番目の解析条件の下で、周波数領域での線形応答解析により、前記第m番目の解析対象波を、前記解析モデルの所定の位置に入力した場合の応答波を求め、求めた前記応答波のうち、前記第m番目の時間単位の応答波を、前記入力波に対する前記第m番目の時間単位の応答波とする第3の手順と、
前記第2および第3の手順を繰り返して、前記入力波に対する第2番目から最終の第n番目までの各々の時間単位の応答波を時系列の順に求める第4の手順と、
を備えることを特徴とする動的応答解析法。 - 請求項1に記載の動的応答解析法であって、
当該番目の解析対象波に対して求めた応答波にもとづいて、当該番目の解析条件を変更する時刻を定め、定めた前記時刻の前の単一の時刻または時系列に並ぶ複数の時刻のいずれかを、前記当該番目の解析条件を適用する時間単位として設定することを特徴とする動的応答解析法。 - 請求項1または2に記載の動的応答解析法であって、
さらに、前記入力波を前記第1番目から最終の第n番目までの各々の時間単位ごとに区分した、第1番目から最終の第n番目までの各々の波形単位に対する前記解析モデルの応答波を求めるために、前記第1番目から最終の第n番目までの各々の波形単位である、第m番目の波形単位に対する前記解析モデルの応答波を、第m番目から前記最終の第n番目までの各々の時間単位である、第k番目(m≦k≦n,kは整数)の時間単位ごとに、時系列の順に求める動的応答解析法であり、
前記第m番目の解析条件の下で、周波数領域での線形応答解析により、前記入力波において前記第m番目の波形単位以外の振幅値を零とした波を前記第m番目の波形単位の第m番目の解析対象波とし、前記解析モデルの所定の位置に入力した場合の応答波を求め、求めた前記応答波のうち、前記第m番目の時間単位の応答波を、前記第m番目の波形単位に対する前記第m番目の時間単位の応答波とする第5の手順と、
前記第m番目の波形単位に対する、第m+1番目以降としての前記第k番目の時間単位の応答波を求めるのに、第k−1番目の解析条件の下で、周波数領域での線形応答解析により、前記第m番目の波形単位の第k−1番目の解析対象波に対して求めた応答波において、第k−1番目の時間単位の応答波に後続する波以外の振幅値を零とした波が応答波となるために、前記解析モデルの所定の位置に入力されるべき波を、前記第m番目の波形単位の第k番目の解析対象波として求める第6の手順と、
第k番目の解析条件の下で、周波数領域での線形応答解析により、求めた前記第m番目の波形単位の前記第k番目の解析対象波を、前記解析モデルの所定の位置に入力した場合の応答波を求め、求めた前記応答波のうち、前記第k番目の時間単位の応答波を、前記第m番目の波形単位に対する前記第k番目の時間単位の応答波とする第7の手順と、
前記第6および第7の手順を繰り返して、前記第m番目の波形単位に対する第m+1番目から最終の第n番目までの各々の時間単位の応答波を、時系列の順に求める第8の手順と、
前記第5および第8の手順を繰り返して、前記第1番目から最終の第n番目までの各々の波形単位に対する応答波を求める第9の手順と、
を備えることを特徴とする動的応答解析法。 - 請求項3に記載の動的応答解析法であって、
前記入力波に対する前記解析モデルの応答波を、求めた前記第1番目から最終の第n番目までの各々の波形単位に対する前記解析モデルの応答波をもとに求める動的応答解析法であり、
求めた第1番目の波形単位に対する第1番目の時間単位の応答波を、前記入力波に対する第1番目の時間単位の応答波とする第10の手順と、
前記入力波に対する、第2番目以降としての前記第m番目の時間単位の応答波を求めるのに、第1番目から第m番目までの各々の波形単位に対する第m番目の時間単位の応答波を足し合わせて、前記入力波に対する第m番目の時間単位の応答波とする第11の手順と、
前記第11の手順を繰り返して、第2番目から最終の第n番目までの各々の時間単位の前記入力波に対する応答波を求める第12の手順と、
を備えることを特徴とする動的応答解析法。
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