JP2007024133A - アンカーボルト - Google Patents
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Abstract
【課題】耐引き抜き強度を維持しながら、スリーブとテーパーボルトを手で予め仮固定の状態にセットすることができ、テーパーボルトの下孔に対する挿入作業が容易になるアンカーボルトを提供する。
【解決手段】軸部2の一方端部に拡径状のテーパー部3と他方端部に雄ねじ軸4を設けたテーパーボルト5と、一方端部から軸方向に設けた複数のスリット6間が可開脚部7となり、前記テーパーボルト5の軸部2に嵌挿するスリーブ8と、前記雄ねじ軸4に螺合するナット9とからなるアンカーボルト1aにおいて、前記スリーブ8に対して設けたスリット6のスリーブ8の一方端部から内端までの長さ(L1)を、スリーブ8の全長の5分の3の直線状に設定する。
【選択図】図1
【解決手段】軸部2の一方端部に拡径状のテーパー部3と他方端部に雄ねじ軸4を設けたテーパーボルト5と、一方端部から軸方向に設けた複数のスリット6間が可開脚部7となり、前記テーパーボルト5の軸部2に嵌挿するスリーブ8と、前記雄ねじ軸4に螺合するナット9とからなるアンカーボルト1aにおいて、前記スリーブ8に対して設けたスリット6のスリーブ8の一方端部から内端までの長さ(L1)を、スリーブ8の全長の5分の3の直線状に設定する。
【選択図】図1
Description
この発明は、コンクリート打設面に各種器材をナットの締め付けによって固定するアンカーボルト、更に詳しくは、コンクリートに形成した下孔に挿入した後、スリーブを打ち込むことで先端を開脚させ、耐引き抜き強度を得ることができるようにしたアンカーボルトに関する。
図2(a)と(b)のように、コンクリート打設面に各種器材をナットの締め付けによって固定する従来のアンカーボルト1は、軸部2の一方端部に先端に向けて拡径するテーパー部3と他方端部に雄ねじ軸4を設けたテーパーボルト5と、一方端部から軸方向に設けた複数のスリット6間が可開脚部7となり、前記テーパーボルト5の軸部2に嵌挿するスリーブ8と、前記雄ねじ軸4に螺合するナット9の組み合わせによって形成されている(例えば、特許文献1参照)。
このアンカーボルト1を用いて、コンクリート打設面に各種器材を固定するには、先ず、コンクリート打設面で器材の固定位置に、スリーブ8の外径が丁度嵌合する内径と、スリーブ8の全長が納まる深さの下孔をドリルで穿設し、次に、スリーブ8をテーパーボルト5の軸部2にスリット6がテーパー部3に臨むように嵌挿し、このテーパーボルト5を下孔に挿入してテーパー部3の端面を下孔の内端に当接させ、この状態でテーパーボルト5の軸部2に嵌挿した筒状工具を介してスリーブ8を打ち込むと、テーパー部3に対して進入するスリーブ8は、スリット6間の可開脚部7が開脚してコンクリート内に食い込むことで、テーパーボルト5は下孔からの抜け止め状となり、この後、器材の取り付け部を雄ねじ軸4に嵌挿し、雄ねじ軸4に座金10とワッシャ11を嵌めこんでナット9を螺合し、これを締め付ければ、器材の取付けが完了する。
従来、上記のようなアンカーボルト1は、JIS規格によって各部の材質や寸法が規定されており、例えば、M12−80のアンカーボルトにおいて、テーパーボルト5は、全長が80mm、軸部2の直径が12mmであり、また、スリーブ8は、材料に厚さ1.4mmの一般鉄の金属板を用い、長さ50mm前後、外径が15mmの金属円筒に形成され、このスリーブ8に設けるスリット6は、スリーブ8の一方端部から内端までの長さ(L)が、10〜20mmとなるスリーブ8全長の5分の1から2程度の長さに設定され、このスリット6の内端に裂け止め孔12が設けられている。
特開2002−349522号公報
ところで、上記のようなアンカーボルト1において、テーパーボルト5の下孔に対する挿入作業が容易に行えるよう、スリーブ8をテーパーボルト5のテーパー部3に向けて押し込むことで、スリーブ8の一方端部をテーパー部3に食い付かせ、スリーブ8とテーパーボルト5を予め仮固定の状態にセットしておくのが好ましい。
しかし、従来のアンカーボルト1におけるスリーブ8のスリット6は、スリーブ8の一方端部から内端までの長さ(L)が、スリーブ8全長の5分の1程度の短い長さに設定されているので、スリーブ8の一方端部において、隣接するスリット6間に形成された可開脚部7は、拡開方向の弾性力に乏しく、このため、スリーブ8をテーパーボルト5の軸部2にスリット6がテーパー部3に臨むように嵌挿した組み合わせ時に、スリーブ8をテーパー部3に向けて指先で押し込んで、スリーブ8の一方端部をテーパー部3に食い付かせようとしても、可開脚部7は拡開方向の弾性力が乏しいため、テーパー部3への食い付きが悪く、指先の力ではスリーブ8とテーパーボルト5の仮固定が簡単に行えず、このため、テーパーボルト5の下孔に対する挿入作業が行いにくいという問題がある。
そこで、この発明の課題は、耐引き抜き強度を維持しながら、スリーブとテーパーボルトを指先で予め仮固定の状態にセットすることができ、テーパーボルトの下孔に対する挿入作業が容易になるアンカーボルトを提供することにある。
上記のような課題を解決するため、この発明は、軸部の一方端部に拡径状のテーパー部と他方端部に雄ねじ軸を設けたテーパーボルトと、一方端部から軸方向に設けた複数のスリット間が可開脚部となり、前記テーパーボルトの軸部に嵌挿するスリーブと、前記雄ねじ軸に螺合するナットとからなり、軸部に嵌挿したスリーブを軸方向に打ち込むことでテーパー部によって可開脚部が開脚するようにしたアンカーボルトにおいて、前記スリーブに対して設けたスリットのスリーブの一方端部から内端までの長さを、スリーブの全長の5分の3に設定し、このスリットがスリーブの軸方向に沿って直線状に設けられている構成としたものである。
上記スリーブは、長さ50mm、外径が15mmの金属円筒に形成され、上記スリットの内端に裂け止め孔が設けてある構造とすることができる。
ここで、テーパーボルトは、全長が80mm、軸部の直径が12mmであり、また、スリーブは、材料に厚さ1.4mmの一般鉄の金属板を用い、長さ50mm前後、外径が15mmとなる平巻きの金属円筒に形成され、このスリーブに設けるスリットは、一方端部から軸方向に30mmの長さとなり、周方向に等間隔の配置で3本が設けられている。
上記のように、スリーブに設けるスリットの長さを30mmに設定すると、スリーブの開脚時の脚の長さが長くなり、これによって脚は開脚方向への弾力性が向上することになり、スリーブをテーパー部に向けて指先で押し込むと、スリーブの一方端部を容易にテーパー部に食い付かせることができ、スリーブとテーパーボルトを指先で予め仮固定の状態にセットすることができる。
この発明によると、アンカーボルトのスリーブに対して設けたスリットのスリーブの一方端部から内端までの長さを、スリーブの全長の5分の3に設定したので、スリーブの開脚部の脚の長さが長くなり、これによって脚は開脚方向への弾力性が向上することになり、従って、スリーブをテーパー部に向けて指先で押し込むことにより、スリーブの一方端部を容易にテーパー部に食い付かせることができ、スリーブとテーパーボルトを指先で予め仮固定の状態にセットすることができるので、テーパーボルトの下孔に対する挿入作業が容易になる。
また、上記スリットをスリーブの軸方向に沿って直線状に設けることにより、曲線に比べて開脚部の脚の幅を最大限に確保することができ、耐引き抜き強度の向上が図れることになる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来のアンカーボルトと同一部分には同一符号を付して説明する。
図1(a)と(b)のように、この発明のアンカーボルト1aは、軸部2の一方端部に拡径状のテーパー部3と他方端部に雄ねじ軸4を設けたテーパーボルト5と、一方端部から軸方向に設けた複数のスリット6間が可開脚部7となり、前記テーパーボルト5の軸部2に嵌挿するスリーブ8と、前記雄ねじ軸4に螺合するナット9の組み合わせからなり、前記スリーブ8に対して設けたスリット6のスリーブ8の一方端部から内端までの長さ(L1)が、スリーブ8の全長の5分の3に設定されている。
なお、各種器材の固定のために、座金10とスプリングワッシャ11が別に用意されている。
上記テーパーボルト5は、例えば、全長が80mmで雄ねじ軸4が40mm、テーパー部3が10mm程度の長さで軸部2の直径が12mmに設定され、また、スリーブ8は、材料に厚さ1.4mmの一般鉄の金属板を用い、長さ50mm前後、外径が15mmとなる平巻きの金属円筒に形成され、このスリーブ8に設けるスリット6は、一方端部から軸方向に直線状で30mmの長さとなり、周方向に等間隔の配置で3本が設けられ、各スリット6の内端には裂け止め孔12が設けられている。
上記のように、スリーブ8に設けるスリット6の長さ(L1)を、スリーブ8の全長の5分の3に設定すると、スリーブ8の可開脚部7に十分な長さを確保することができ、これによって可開脚部7は開脚方向への弾力性が向上することになり、スリーブ8をテーパー部3に向けて指先で押し込むと、スリーブ8の一方端部を容易にテーパー部3に食い付かせることができ、スリーブ8とテーパーボルト5を指先で予め仮固定の状態にセットすることができることになる。
ここで、スリーブ8に設けるスリット6の長さ(L1)を、スリーブ8の全長の5分の3以上に設定すると、スリット6の裂け止め孔12とスリーブ8の他端の距離が短くなり、この部分の強度低下を招くことになり、また、スリット6の長さ(L1)を、スリーブ8の全長の5分の3以下に設定すると、可開脚部7に生じさせる開脚方向への弾力性の発生が少なくなり、上記仮固定の状態にセットする作業が行いにくくなる。
この発明のアンカーボルト1aは、上記のような構成であり、各種器材、例えば、自動販売機をコンクリート打設面に設置する場合の固定に用いるものであり、先ず、コンクリート打設面で器材の固定位置に、スリーブ8の外径が丁度嵌合する内径と、スリーブ8の全長が納まる深さの下孔をドリルで穿設する。
次に、スリーブ8をテーパーボルト5の軸部2にスリット6がテーパー部3に臨むように嵌挿し、このスリーブ8をテーパー部3に向けて指先で押し込むことにより、可開脚部7は開脚方向への弾力性が優れているので、スリーブ8の可開脚部7を容易にテーパー部3に食い付かせることができ、これによって、スリーブ8とテーパーボルト5を予め仮固定の状態にセットしておく。
このようにして、スリーブ8を仮固定したテーパーボルト5を下孔に挿入してテーパー部3の端面を下孔の内端に当接させる。上記のように、テーパーボルト5にスリーブ8が仮固定されていると、テーパーボルト5とスリーブ8の下孔への挿入作業が容易に行えることになる。
この状態でテーパーボルト5の雄ねじ軸4に嵌挿した筒状工具を介してスリーブ8を下孔に打ち込むと、テーパー部3に対して進入するスリーブ8は、スリット6間の可開脚部7が開脚してコンクリート内に食い込むことで、テーパーボルト5はコンクリート打設面から雄ねじ軸4が所定長さ突出する状態で下孔からの抜け止め状となる。
この後、器材の取り付け部を雄ねじ軸4に嵌挿してコンクリート打設面に重ね、雄ねじ軸4に座金10とスプリングワッシャ11を嵌挿した状態でナット9を螺合して締め付ければ、コンクリート打設面に対する器材の取付けが完了する。
上記のように、下孔に打ち込んだスリーブ8は、スリット6間の可開脚部7が十分に開脚してコンクリート内に食い込むことで、テーパーボルト5の耐引き抜き強度が優れ、コンクリート打設面に器材を強固に固定することができる。
1、1a アンカーボルト
2 軸部
3 テーパー部
4 雄ねじ軸
5 テーパーボルト
6 スリット
7 可開脚部
8 スリーブ
9 ナット
10 座金
11 スプリングワッシャ
12 裂け止め孔
2 軸部
3 テーパー部
4 雄ねじ軸
5 テーパーボルト
6 スリット
7 可開脚部
8 スリーブ
9 ナット
10 座金
11 スプリングワッシャ
12 裂け止め孔
Claims (2)
- 軸部の一方端部に拡径状のテーパー部と他方端部に雄ねじ軸を設けたテーパーボルトと、一方端部から軸方向に設けた複数のスリット間が可開脚部となり、前記テーパーボルトの軸部に嵌挿するスリーブと、前記雄ねじ軸に螺合するナットとからなり、軸部に嵌挿したスリーブを軸方向に打ち込むことでテーパー部によって可開脚部が開脚するようにしたアンカーボルトにおいて、
前記スリーブに対して設けたスリットのスリーブの一方端部から内端までの長さを、スリーブの全長の5分の3に設定し、このスリットがスリーブの軸方向に沿って直線状に設けられていることを特徴とするアンカーボルト。 - 上記スリーブは、長さ50mm、外径が15mmの金属円筒に形成され、上記スリットの内端に裂け止め孔が設けてあることを特徴とする請求項1に記載のアンカーボルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005205195A JP2007024133A (ja) | 2005-07-14 | 2005-07-14 | アンカーボルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005205195A JP2007024133A (ja) | 2005-07-14 | 2005-07-14 | アンカーボルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007024133A true JP2007024133A (ja) | 2007-02-01 |
Family
ID=37785170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005205195A Pending JP2007024133A (ja) | 2005-07-14 | 2005-07-14 | アンカーボルト |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007024133A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100841090B1 (ko) | 2008-02-01 | 2008-06-25 | 최정훈 | 앵커 볼트 |
CN104400753A (zh) * | 2014-11-30 | 2015-03-11 | 重庆锦冈机械有限公司 | 水泵预埋紧固系统 |
CN105090718A (zh) * | 2015-09-21 | 2015-11-25 | 中国人民解放军63908部队 | 一种插拔式膨胀连接结构 |
-
2005
- 2005-07-14 JP JP2005205195A patent/JP2007024133A/ja active Pending
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