JP6027506B2 - 部品取付け用装置 - Google Patents

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本発明は、コンクリート型枠位置決め用セパレーターや、足場と壁とをつなぐ壁つなぎ用金具などの、ネジ込みで取り付けられる各種部品を取り付ける際の中継となる取付け用金具と取付け用ビットの組み合わせから成る部品取付け用装置に関するものである。
例えばコンクリート型枠位置決め用セパレーターを土留め壁の型鋼表面に取り付ける場合、特許文献1にも記載されるように、先端に取付け用ネジ軸部が突設され且つ後端にセパレーター接続用の貫通ネジ孔が設けられた取付け用金具が使用されている。この特許文献1に記載されたような従来の取付け用金具を使用する場合、型鋼の取付け位置に先ず下孔を穿孔用ドリルで穿設し、この下孔にネジ溝を加工した後に、取付け用金具の先端の取付け用ネジ軸部を捻じ込んで固定し、最後に当該取付け用金具の貫通ネジ孔にセパレーターの螺軸部を捻じ込むことにより、当該取付け用金具を介してセパレーターを型鋼に取り付けることになる。
特開2008−255577号公報
特許文献1に記載されたような従来の取付け用金具では、この取付け用金具を取り付けるまでに、下孔加工、ネジ溝タッピング加工、そして取付け用金具の捻じ込み操作の三段階の手順が必要であり、手間と時間がかかる欠点があった。このような問題点を解決するために、下孔加工とネジ溝タッピング加工を一行程で行えるドリルビスを使用することも考えられるが、一行程が減るだけでそれほどの効果が期待出来ない。そこで取付け用金具の取付け用ネジ軸部をドリルビスに代えて、インパクトドライバーなどの回転工具により取付け用金具と一体にドリルビスを回転駆動するように構成して、取付け用金具の取付けまでを一行程で行えるようにすることが考えられるが、この場合、取付け用金具の外形に合わせて構成された専用の把持手段が必要になるばかりでなく、当該把持手段が取付け用金具を把持する位置によっては、取付け用金具にドリルビス回転駆動用の大きな回転力が作用することになる。一方、この種の取付け用金具は、コンクリート中に埋められてしまうものであるから、内部に空洞部が残らないような構造でなければならないことと、取付け用金具の外端部に設けられている貫通ネジ孔に対するセパレーターなどの捻じ込み深さを十分な範囲で調整出来るように取付け用金具の全長が比較的長くなるものであるところから、捻じり強度は比較的弱いものである。従って、取付け用金具の外端部を把持して、当該取付け用金具と共にドリルビスを回転駆動することは、取付け用金具の捻じれ変形につながり、実用的ではない。このため、取付け用金具のドリルビスが取り付けられている内端部を把持しなければならないが、このためには取付け用金具全体を包み込むような大型で特殊な構造の把持手段が必要になり、これも実用的とは言い難い。
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することの出来る部品取付け用装置を提案するものであって、本発明に係る部品取付け用装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、部品取付け用金具(1)と取付け用ビット(21)の組み合わせから成り、部品取付け用金具(1)は、中空棒状本体(2)、この中空棒状本体(2) の一端に突設されたドリルビス(3)、及び中空棒状本体(2)の他端に前記ドリルビス(3)と同心状に設けられた部品取付け用貫通ネジ孔(4)から成り、前記ドリルビス(3)は、この部品取付け用金具(1) を取付けるためのネジ軸部(16)の前端に穿孔用ドリル部(17)が同心状に突設され且つ前記ネジ軸部(16)の後端には取付け用軸部(19)が設けられ、この取付け用軸部(19) が前記中空棒状本体(2)の一端に固定されることにより前記ドリルビス(3)と中空棒状本体(2)が一体化され、このドリルビス(3)の前記取付け用軸部(19)には、前記中空棒状本体(2)の内部空間に面する後端に回転操作用角孔(20)が同心状に設けられ、前記取付け用ビット(21)は、前記部品取付け用貫通ネジ孔(4)の内径より細い丸棒状軸体(22)の先端に、前記回転操作用角孔(20) に嵌合可能な角軸部(23)が突設され、この角軸部(23)を前記回転操作用角孔(20)に嵌合させたとき、前記部品取付け用貫通ネジ孔(4)から外に突出している前記丸棒状軸体(22) の外端部に、回転工具との接続部(24)が設けられた構成になっている。
上記本発明の構成によれば、部品取付け用金具を形鋼表面などに取り付けるとき、前記取付け用ビットをインパクトドライバーなどの回転工具に、外端の接続部を利用して取り付け、この取付け用ビットを部品取付け用金具の部品取付け用貫通ネジ孔から挿入して、先端の角軸部をドリルビスの後端の回転操作用角孔に嵌合させる。このようにして部品取付け用金具を回転工具にセットしたならば、部品取付け用金具の先端のドリルビスを形鋼表面などの取付け位置に圧接させた状態で回転工具を作動させ、前記取付け用ビットを介してドリルビスを直接回転駆動して当該ドリルビスの穿孔用ドリル部で下孔を穿設すると共に当該下孔にドリルビスのネジ軸部を、ネジ溝のセルフタッピングにより螺合締結させ、当該ドリルビスのネジ軸部により部品取付け用金具を形鋼表面などに取り付けることが出来る。しかもその間、部品取付け用金具にはドリルビスに対する回転駆動力は作用せず、単にドリルビスと一体に回転するだけであるから、部品取付け用金具が捻じり変形する恐れは全く無い。部品取付け用金具の取付け完了後は、取付け用ビットを部品取付け用金具から引き抜いて取り除き、この後、部品取付け用金具の部品取付け用貫通ネジ孔にセパレーターなどの取付け対象の部品をネジ嵌合により取り付ければ良い。
以上のように、本発明の部品取付け用装置によれば、ドリルビスを回転駆動するための取付け用ビットの軸長が部品取付け用金具の長さより長くなるだけで、部品取付け用金具全体を把持するような特別な把持手段は不要であり、しかも、部品取付け用金具が如何に捻じり力に対して弱い構造であっても、全く問題なくドリルビスを利用して取付け用金具を一行程で簡単且つ能率的に取り付けることが出来る。
尚、本発明の構成は、部品取付け用金具(1)の前記中空棒状本体(2)が、ドリルビス(3)の前記取付け用軸部(19)が固定される前記一端と、前記部品取付け用貫通ネジ孔(4)が設けられる前記他端との間が並列する2枚の帯状板材(6b,6c)で構成されているような構造、換言すれば、捻じり力に対して強度が極めて弱くなる構造である場合に、特に効果的なものである。又、前記中空棒状本体(2)の、ドリルビスの前記取付け用軸部(19)が固定される前記一端には、ドリルビス取付け用貫通ネジ孔(15)を設け、ドリルビス(3)の前記取付け用軸部(19)は、前記ドリルビス取付け用貫通ネジ孔(15)に螺合締結可能で且つこのドリルビス(3)の前記ネジ軸部(16)よりも太いネジ軸とすることにより、部品取付け用金具に対するドリルビスの取付けが簡単容易に行え、しかもドリルビスに対する部品取付け用金具の取付け強度も高めることが出来る。又、ドリルビスの取付け用軸部に設けられる回転操作用角孔も口径を大きくすることが容易になる。
図1は、部品取付け用金具に対し取付け用ビットをセットするときの状態を示す一部縦断側面図である。 図2は、部品取付け用金具に取付け用ビットをセットし終わった状態を示す側面図である。 図3は、ドリルビスを利用して取り付けられた部品取付け用金具にセパレーターを取り付けた状態を示す側面図である。 図4は、部品取付け用金具にドリルビスを取り付ける前の状態を示す一部縦断側面図である。 図5Aは、ドリルビスを取り付ける前の部品取付け用金具の平面図、図5Bは、その部品取付け用金具の外端部を示す正面図、図5Cは、図5AのX−X線断面図である。
図1〜図3において、1は部品取付け用金具であって、中空棒状本体2、この中空棒状本体2の一端に突設されたドリルビス3、中空棒状本体2の他端に前記ドリルビス3と同心状に設けられた部品取付け用貫通ネジ孔4、及び中空棒状本体2の他端外側に付設されたセパレーター回り止め手段5から構成されている。
中空棒状本体2は、図1、図4、及び図5に示すように、1枚の帯状金属板を折り返して形成したもので、その折返しの端面板部6aとこの端面板部6aから互に平行に延出する2枚の帯状板材6b,6cの基部で形成されたコ字形外端部の内側に、前記部品取付け用貫通ネジ孔4を形成するナット7を嵌合させ、このナット7を前記端面板部6aとの間で挟み付ける一対の凸部8a,8bを帯状板材6b,6cに形成すると共に、当該ナット7を挟んで回り止めするための一対の突出部9a,9bを前記端面板部6aの帯状板材6b,6cが連設されていない両側辺に形成している。
前記セパレーター回り止め手段5は、中空棒状本体2の片側の帯状板材6bの外側に複数の係止用舌片10aを介して固定された取付け板部10、この取付け板部10から連設されて中空棒状本体2の端面板部6aの外側に配置された傾斜板部11、この傾斜板部11に設けられたセパレーター挿通孔11a、及びこのセパレーター挿通孔11aの、傾斜板部11の長さ方向の両側辺から前記端面板部6aに隣接するように連設された一対の食込み用舌片11bから構成されている。尚、前記端面板部6aには、部品取付け用貫通ネジ孔4と同心状で当該部品取付け用貫通ネジ孔4よりも大径の貫通孔6dが設けられている。
中空棒状本体2の内端部には、この中空棒状本体2の長さ方向と平行で部品取付け用貫通ネジ孔4と同心状の円筒部12が形成されている。この円筒部12は、帯状板材6b,6cの遊端部それぞれに形成されて互に重ねられる一対の半円筒部12a,12bを、一方の半円筒部12aの両側辺に形成された係止孔13a,13bに、他方の半円筒部12bの両側辺から連設された係止片14a,14bを嵌合係止させることにより形成され、この円筒部12の内側に雌ネジ溝をタッピング加工して、部品取付け用貫通ネジ孔4と同心状のドリルビス取付けネジ孔15が構成されている。
ドリルビス3は、上記構成の部品取付け用金具1を取付けるためのネジ軸部16、このネジ軸部16の外端から同心状に連設された穿孔用ドリル部17、及びネジ軸部16の内端から張出しフランジ部18を介して同心状に連設され且つネジ軸部16よりも大径の取付け用ネジ軸部19によって構成されたものである。前記取付け用ネジ軸部19は、ドリルビス取付けネジ孔15の全長とほぼ同一の長さで、その内端には、回転操作用角孔20が同心状に形成されている。従って、このドリルビス3の取付け用ネジ軸部19を中空棒状本体2の内端のドリルビス取付けネジ孔15に、その張出しフランジ部18が中空棒状本体2の内端の円筒部12の端面に当接する位置まで螺合締結させることにより、中空棒状本体2の内端にドリルビス3が同心状に取り付けられる。このドリルビス3の取付け状態では、ドリルビス3の取付け用ネジ軸部19の内端の回転操作用角孔20が、中空棒状本体2の内部空間に向かって同心状に開口している。
以上のように構成された部品取付け用金具1と組み合わされる取付け用ビット21は、中空棒状本体2の外端の部品取付け用貫通ネジ孔4の内径より細い丸棒状軸体22の先端に、前記回転操作用角孔20に内嵌可能な角軸部23が突設され、当該丸棒状軸体22の後端に、回転工具のチャックに把持させるための角軸状の接続部24を形成したものであって、その全長は、後端の接続部24を利用してこの取付け用ビット21をインパクトドライバーなどの回転工具にセットした状態で、その丸棒状軸体22を部品取付け用金具1の部品取付け用貫通ネジ孔4から中空棒状本体2内に挿入して、その先端の角軸部23をドリルビス3の内端の回転操作用角孔20に内嵌させることが出来る長さとなっている。
使用方法について説明すると、部品取付け用金具1を形鋼などの鋼材25に取り付けるとき、図1〜図3に示すように、取付け用ビット21をインパクトドライバーなどの回転工具(図示省略)に、外端の接続部24を利用して取り付け、この取付け用ビット21を部品取付け用金具1の部品取付け用貫通ネジ孔4から中空棒状本体2内に挿入して、先端の角軸部23をドリルビス3の後端の回転操作用角孔20に嵌合させる。このようにして部品取付け用金具1を回転工具にセットしたならば、部品取付け用金具1の先端のドリルビス3を鋼材25の表面の取付け位置に圧接させた状態で回転工具を作動させ、前記取付け用ビット21を介してドリルビス3を直接回転駆動し、当該ドリルビス3の穿孔用ドリル部17で鋼材25に下孔を穿設すると共に当該下孔にドリルビス3のネジ軸部16を、張出しフランジ部18が鋼材25の表面に圧接する深さまで、ネジ軸部16によるネジ溝のセルフタッピングにより螺合締結させ、当該ドリルビス3のネジ軸部16により部品取付け用金具1を鋼材25の表面に取り付けることが出来る。部品取付け用金具1の取付け完了後は、取付け用ビット21を部品取付け用金具1から引き抜いて取り除き、この後、部品取付け用金具1の部品取付け用貫通ネジ孔4にセパレーター26を、その先端の螺軸部26aの螺合により取り付ければ良い。このとき、中空棒状本体2内の空間を利用して、セパレーター26の螺軸部26aの螺合深さを調整することが出来る。
尚、この実施例の部品取付け用金具1に設けられているセパレーター回り止め手段5は、取付け用ビット21の挿脱やセパレーター26を部品取付け用貫通ネジ孔4に螺合締結させるときには、これら取付け用ビット21やセパレーター26と干渉するものではないが、セパレーター26の取付け完了後に傾斜板部11の遊端部を中空棒状本体2の側にハンマーなどで打ち叩くことにより、当該傾斜板部11の一対の食込み用舌片11bが中空棒状本体2の端面板部6aによって部品取付け用貫通ネジ孔4の軸心に向かって滑動するので、当該一対の食込み用舌片11bをセパレーター26のネジ溝に食い込ませて、当該セパレーター26を部品取付け用金具1に対して回り止めすることが出来るものである。
又、以上の実施例では、セパレーター26を取り付ける取付け用装置として実施したときの構成を示したが、部品取付け用金具1を介して鋼材26の表面に取り付けられるものはセパレーター26に限定されない。例えば、足場と壁とをつなぐ壁つなぎ用金具など、先端に取付け用螺軸部を備えたものであれば如何なるものであっても良い。この場合、部品取付け用金具1に設けられる部品取付け用貫通ネジ孔4と中空棒状本体2は、取付け対象部品が備える取付け用螺軸部の直径と取付け調整長さに応じて構成すれば良い。
本発明の部品取付け用装置は、コンクリート型枠位置決め用セパレーターや、足場と壁とをつなぐ壁つなぎ用金具などの取付け用装置として活用出来る。
1 部品取付け用金具
2 中空棒状本体
3 ドリルビス
4 部品取付け用貫通ネジ孔
5 セパレーター回り止め手段
6a 端面板部
6b,6c 帯状板材
7 ナット
12 円筒部
15 ドリルビス取付けネジ孔
16 ネジ軸部
17 穿孔用ドリル部
18 張出しフランジ部
19 取付け用ネジ軸部
20 回転操作用角孔
21 取付け用ビット
22 丸棒状軸体
23 角軸部
24 接続部
25 鋼材
26 セパレーター

Claims (3)

  1. 部品取付け用金具と取付け用ビットの組み合わせから成り、部品取付け用金具は、中空棒状本体、この中空棒状本体の一端に突設されたドリルビス、及び中空棒状本体の他端に前記ドリルビスと同心状に設けられた部品取付け用貫通ネジ孔から成り、前記ドリルビスは、この部品取付け用金具を取付けるためのネジ軸部の前端に穿孔用ドリル部が同心状に突設され且つ前記ネジ軸部の後端には取付け用軸部が設けられ、この取付け用軸部が前記中空棒状本体の一端に固定されることにより前記ドリルビスと中空棒状本体が一体化され、このドリルビスの前記取付け用軸部には、前記中空棒状本体の内部空間に面する後端に回転操作用角孔が同心状に設けられ、前記取付け用ビットは、前記部品取付け用貫通ネジ孔の内径より細い丸棒状軸体の先端に、前記回転操作用角孔に嵌合可能な角軸部が突設され、この角軸部を前記回転操作用角孔に嵌合させたとき、前記部品取付け用貫通ネジ孔から外に突出している前記丸棒状軸体の外端部に、回転工具との接続部が設けられている、部品取付け用装置。
  2. 部品取付け用金具の前記中空棒状本体は、ドリルビスの前記取付け用軸部が固定される前記一端と、前記部品取付け用貫通ネジ孔が設けられる前記他端との間が、並列する2枚の帯状板材で構成されている、請求項1に記載の部品取付け用装置。
  3. 前記中空棒状本体の、ドリルビスの前記取付け用軸部が固定される前記一端には、ドリルビス取付け用貫通ネジ孔が設けられ、ドリルビスの前記取付け用軸部は、前記ドリルビス取付け用貫通ネジ孔に螺合締結可能で且つこのドリルビスの前記ネジ軸部よりも太いネジ軸となっている、請求項1又は2に記載の部品取付け用装置。
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