JP2007023781A - 内燃機関の燃焼診断方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筒内圧力検出信号からノイズの影響を除去し筒内圧力の実際の値からのずれの発生を回避して、高精度の燃焼診断結果を得ることができる内燃機関の燃焼診断装置及び燃焼診断方法を提供する。
【解決手段】 筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断において、筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力(Pb)に設定して、エンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎の基準筒内圧力(Pb)を検出し、該検出区間における基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)を算出し、該筒内圧力平均値(Pbm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なうことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスエンジン及びディーゼルエンジンを含む内燃機関における燃焼診断方法及び燃焼診断装置であって、特にシリンダ内から検出された筒内圧力線図におけるノイズの影響を解消するようにした筒内圧力修正手段をそなえ、該筒内圧力修正手段での修正筒内圧力を用いて燃焼診断を行なうようにした内燃機関の燃焼診断方法及び燃焼診断装置に関する。
内燃機関、特に都市ガス等の清浄ガスを主燃料とするガスエンジンにおいては、燃焼室内における失火や消炎及び混合気濃度の不均一等によるノッキングの発生を確実に検知して速やかに対応処置を行うことが要求される。さらに前記ガスエンジン及びガソリンエンジン、デイーゼルエンジン等の内燃機関については、前記失火や消炎、ノッキングに加えて燃焼室内の最高圧力即ち筒内最高圧力の過大な上昇や圧縮圧力の低下を確実に検知してエンジンの耐久性、性能の安定性を維持することが要求される。
また、前記ガスエンジン及びガソリンエンジン、デイーゼルエンジン等の内燃機関においては、燃焼室内における燃焼状態を検知、診断し、その燃焼診断結果に適合した燃料着火タイミング及び燃料噴射量の制御が必須である。
さらに前記燃焼診断装置においては、その主要機器である筒内圧力検出器にノイズ等による異常が発生しても、エンジンを停止することなく異常状態からの復旧をなし得るとともに正常な燃焼診断及び燃焼制御に迅速に復帰することが要求される。
かかる内燃機関の燃焼室内における燃焼状態を検知、診断する燃焼診断装置として、特許文献1(特開平2000−110652号)、特許文献2(特開平9−42040号公報)等の技術が提供されている。
特許文献1(特開平2000−110652号)の技術においては、筒内圧力検出器からの筒内圧力検出信号中の抽出周波数帯域を内燃機関の運転パラメータの現在値に応じて設定し、前記筒内圧力検出信号中から設定した抽出周波数帯域の信号成分をフイルタ手段によって抽出し、該抽出成分がしきい値以上であるときノッキング発生の判定を行っている。
また特許文献2(特開平9−42040号公報)の技術においては、互いにカットオフ周波数の異なる3つのハイパスフィルタを用いて、非定常運転時においても空燃比あるいはEGR量の精度の良いフィードバック制御を可能としている。
特開平2000−110652号 特開平9−42040号公報
かかる内燃機関の燃焼診断装置において、筒内圧力検出器による筒内圧力検出信号にノイズが重畳されると、その影響によって、該筒内圧力検出値に基づく燃焼診断結果に誤差を生ずることとなる。即ち、図7(A)は筒内圧力検出時に高周波のノイズが重畳された筒内圧力の実際の波形を示し、同図においてPmaxは筒内最高圧力、Pbdはピストン下死点における筒内圧力、Pb0は着火前の一定クランク角における筒内圧力である。
図7(A)のように筒内圧力検出信号にノイズが重畳されると、図7(B)のように燃焼診断時における一定クランク角での筒内圧力Pb0、あるいは下死点での筒内圧力Pbd等の筒内圧力が実際の値からずれを生じてサイクル毎に異なる値となる。
図7(A),(B)のような高周波のノイズによる影響を除去する手段として、筒内圧力検出信号をローパスフィルタを通す手段が多く用いられている。図8(A)は図7(A)と同様な実際の波形、図8(B)は筒内圧力検出信号をローパスフィルタを通した後の筒内圧力波形を示している。
図8(B)に示されるように、ノイズが重畳された筒内圧力検出信号をローパスフィルタを通すことにより高周波のノイズは除去できるが、エンジン回転数が上昇するに従い筒内圧力波形の時間遅れが顕著になり、この場合も、一定クランク角における筒内圧力Pb、あるいは下死点における筒内圧力Pbd等の筒内圧力が実際の値からずれを生じてサイクル毎に異なる値となる。
即ち、前記のように、筒内圧力検出信号にノイズが重畳されると、該筒内圧力検出信号をローパスフィルタを通す手段を用いても、ノイズの影響によって筒内圧力検出値に基づく燃焼診断結果に誤差を生ずるのを回避することは困難となる。
しかしながら,前記特許文献1(特開平2000−110652号)及び特許文献2(特開平9−42040号公報)には、筒内圧力検出信号をフィルタを通してノイズ成分を除去し目標信号を得る手段が示されているにとどまり、特許文献1及び特許文献2には前記のような課題を解決する手段は開示されていない。
従って、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、筒内圧力検出信号からノイズの影響を除去し筒内圧力の実際の値からのずれの発生を回避して、高精度の燃焼診断結果を得ることができる内燃機関の燃焼診断装置及び燃焼診断方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断方法であって、前記筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力(Pb)に設定して、エンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎の前記基準筒内圧力(Pb)を検出し、該検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)を算出し、該基準筒内圧力平均値(Pbm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なうことを特徴とする。
かかる発明において、具体的には前記平均値(Pbm)を次のいずれかの方法により算出する。
(1)前記基準筒内圧力平均値(Pbm)を、前記検出区間における基準筒内圧力(Pb)の単純平均により算出する。
(2)前記基準筒内圧力平均値(Pbm)を、前記検出区間における基準筒内圧力(Pb)の修正移動平均により算出する。
そしてかかる燃焼診断方法を実施する装置の発明は、
筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断装置において、前記筒内圧力検出値に基づき該筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における基準筒内圧力(Pb)をエンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎に検出する手段、及び前記検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の単純平均あるいは修正移動平均のいずれかにより基準筒内圧力平均値(Pbm)を算出する手段よりなる筒内圧力修正手段と、該筒内圧力修正手段から入力される前記基準筒内圧力平均値(Pbm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なう燃焼診断手段とをそなえたことを特徴とする。
エンジンの燃焼サイクルにおいて、図2(A)のように、着火直後の筒内圧力波形はノッキングや燃焼のばらつき等によって正規波形からのサイクル毎の乱れが発生し、かかる波形の乱れはノイズによるものとそれ以外の要因によるものとの区別がつかない。これに対して、下死点から着火点以前の間においては、ガスエンジンの場合は燃料ガスと空気との混合気の圧縮、ディーゼルエンジンの場合は空気のみの圧縮であるため、毎サイクルの筒内圧力波形は一致する。
この発明は、かかる現象に着目したもので、筒内圧力修正手段において、これに入力される筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力(Pb)に設定しておき、エンジンの複数サイクルで設定された数サイクル〜数十サイクルの検出区間におけるサイクル毎の前記基準筒内圧力(Pb)を連続的に検出し、該検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の単純平均あるいは修正移動平均により基準筒内圧力平均値(Pbm)を算出し、該基準筒内圧力平均値(Pbm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なっている。
従って、かかる発明によれば、毎サイクルの筒内圧力波形が一致する着火点以前の基準筒内圧力(Pb)の数サイクル〜数十サイクルの一定検出区間における基準筒内圧力平均値(Pbm)を用いて燃焼状態の診断を行なうので、ノイズの影響を排除できるとともに、従来技術のような筒内圧力検出信号をローパスフィルタを通すことによるエンジン回転数の上昇に伴なう筒内圧力波形の時間遅れの発生を回避できる。
これにより、ローパスフィルタ等の格別なノイズ除去装置を不要として、ノイズの影響による筒内圧力の実際の値からのずれの発生を回避可能となり、筒内圧力検出値に基づく燃焼診断結果の誤差の発生を防止できて燃焼診断の精度を向上できる。
また本発明は、筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断方法であって、筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力(Pb)として、エンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎の基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)とサイクル毎の下死点の筒内圧力(Pbd)の平均値(Pbdm)との差である平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を算出し、該平均圧力差(ΔPm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なうことを特徴とする。
かかる発明において、具体的には前記平均値(Pbm)を次のいずれかの方法により算出する。
(1)前記下死点の筒内圧力平均値(Pbdm)を、前記検出区間における下死点の筒
内圧力(Pbd)の単純平均により算出する。
(2)前記下死点の筒内圧力平均値(Pbdm)を、前記検出区間における下死点の筒
内圧力(Pbd)の修正移動平均により算出する。
そしてかかる燃焼診断方法を実施する装置の発明は、
筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断装置において、前記筒内圧力検出値に基づき該筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における基準筒内圧力(Pb)及び下死点の筒内圧力(Pbd)をエンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎に検出する手段、及び前記検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)と下死点の筒内圧力(Pbd)の平均値(Pbdm)との差である平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を単純平均あるいは修正移動平均のいずれかにより算出する手段よりなる筒内圧力修正手段と、該筒内圧力修正手段から入力される前記平均圧力差(ΔPm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なう燃焼診断手段とをそなえたことを特徴とする。
かかる発明によれば、筒内圧力修正手段において、筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力(Pb)に設定しておき、エンジンの複数サイクルで設定された数サイクル〜数十サイクルの検出区間におけるサイクル毎の前記基準筒内圧力(Pb)及びサイクル毎の下死点の筒内圧力(Pbd)を検出し、該検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の単純平均あるいは修正移動平均により平均値(Pbm)を算出するとともに、下死点の筒内圧力(Pbd)の単純平均あるいは修正移動平均により平均値(Pbdm)を算出し、さらに前記基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)と下死点の筒内圧力(Pbd)の平均値(Pbdm)との差である平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を算出し、該平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なうので、筒内圧力検出器が温度によりオフセットの影響をうける場合つまり筒内圧力検出信号が温度ドリフトする場合においても、前記検出区間における絶対圧力の平均値に代えて、前記平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)からなる相対圧力の平均値を用いることにより、前記温度ドリフトによる絶対圧力検出値の変動があってもかかる圧力変動の影響を受けることなく、燃焼診断の精度を所要精度に維持できる。
本発明によれば、毎サイクルの筒内圧力波形が一致する着火点以前の基準筒内圧力(Pb)の一定検出区間における筒内圧力平均値(Pbm)を用いて燃焼状態の診断を行なうので、ノイズの影響を排除できるとともに、従来技術のような筒内圧力検出信号をローパスフィルタを通すことによるエンジン回転数の上昇に伴なう筒内圧力波形の時間遅れの発生を回避でき、これにより、ローパスフィルタ等の格別なノイズ除去装置を不要として、ノイズの影響による筒内圧力の実際の値からのずれの発生を回避可能となり、筒内圧力検出値に基づく燃焼診断結果の誤差の発生を防止できて燃焼診断の精度を向上できる。
また、筒内圧力検出器が温度ドリフトする場合においても、前記検出区間における平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)からなる相対圧力の平均値を用いることにより、温度ドリフトによる絶対圧力検出値の変動があっても、かかる圧力変動の影響を受けることなく、燃焼診断の精度を所要精度に維持できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の第1実施例に係るガスエンジンの燃焼診断装置における筒内圧力修正手段の制御フローチャート、図2の(A),(B),(C)は前記第1実施例における作用説明用線図、図3は本発明の第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断装置における筒内圧力修正手段の制御フローチャート、図4は前記第2実施例における作用説明用線図である。
図5は本発明の第1,第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断、燃焼制御装置の全体構成を示すブロック図である。図6は前記第1実施例に係るガスエンジンの燃焼診断の一例を示す制御フローチャートである。
本発明の第1,第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断、燃焼制御装置の全体構成を示す図5において、20はガスエンジンのエンジン本体、45はピストン、46はクランク軸、44は燃焼室、41は吸気弁、42は排気弁、43は排気管である。
9は前記吸気弁41に通ずる吸気管であり、該吸気管9の管路の途中に該吸気管9内を通流する空気(吸気)中に燃料ガスを噴射するガス噴射装置10が設けられている。8は燃料ガスを収容する燃料ガスタンク(図示省略)と前記ガス噴射装置10とを接続するガス供給管である。
7は該ガス供給管8の前記ガス噴射装置10入口に設けられたガス供給電磁弁で、図示しない電磁弁制御装置からの制御信号により開閉せしめられて前記ガス供給管路8の流路面積を調整するとともに、後述する燃焼制御装置12からの制御信号により遮断あるいは開度制御されるものである。
11は該ガスエンジンの起動時に、副室(図示省略)内にパイロット燃料噴射弁からパイロット燃料を噴射しトーチ着火させて主燃焼室側の希薄混合ガスの燃焼を促進するための着火装置である。
1は前記燃焼室44内のガス圧力即ち筒内圧力を検出する筒内圧力検出器、2は前記クランク軸46のクランク角を検出するクランク角検出器である。
100は燃焼診断装置で、詳細を後述する筒内圧力修正手段3、該筒内圧力修正手段3を経た筒内圧力検出信号を増幅する増幅器4、及び燃焼診断部5により構成されている。
前記燃焼診断部5は、前記筒内圧力修正手段3にて後述するような修正処理がなされ、前記増幅器4にて増幅された筒内圧力検出信号に基づき前記クランク角検出器2からのクランク角検出信号を補助的に用いて前記燃焼室44内における燃焼状態の診断を行うものである。
200は燃焼制御装置で、前記燃焼診断部5における診断結果信号が入力され、該診断結果信号に基づき前記ガス供給電磁弁7を遮断あるいは開度制御するとともに、前記着火装置11の作動を制御するものである。6は前記燃焼診断部5における診断結果を表示する表示装置である。尚、前記燃焼診断装置5に燃焼診断結果に基づく警報を発信する警報装置を接続してもよい。
かかる構成からなるガスエンジンの運転時において、前記着火装置11においてトーチ着火がなされるとともに、ガスバルブ(図示省略)が開かれると燃料ガスタンク(図示省略)内の燃料ガスがガス圧力調整装置(図示省略)にて圧力を調整されて前記ガス噴射装置10に供給され、前記ガス供給電磁弁7の開弁により前記吸気管9内の空気中に噴出され該空気と混合される。そして該ガス噴射装置10からの混合気は前記吸気弁41の開弁とともに前記着火装置11からの噴出火炎によって予燃焼がなされている燃焼室44内に導入されて燃焼し、所定の燃焼サイクルがなされる。
図1は本発明の第1実施例に係るガスエンジンの燃焼診断装置100における筒内圧力修正手段3の制御フローチャートであり、図1において、前記筒内圧力検出器1からの筒内圧力検出値は該燃焼診断装置100の筒内圧力修正手段3に入力される(ステップA1)。該燃焼診断装置100においては、前記筒内圧力検出値及び前記クランク角検出器2からのクランク角信号によって、図2(A)のような筒内圧力線図が作成される(ステップA2)。
前記筒内圧力修正手段3においては、次のような演算、制御を行う。
先ず、前記筒内圧力線図において、基準筒内圧力Pbを検出する検出区間及び該基準筒内圧力Pbの検出クランク角を設定する。該検出区間は、後述する要領で、エンジンの複数サイクルで設定された数サイクル〜数十サイクルの検出区間に設定する(ステップA3)。
ここで、ガスエンジンの燃焼サイクルにおいて、図2(A)の筒内圧力線図のように、着火点直後の筒内圧力波形はノッキングや燃焼のばらつき等によって正規波形からのサイクル毎の乱れが発生し、かかる波形の乱れはノイズによるものとそれ以外の要因によるものとの区別がつかない。これに対して、下死点から着火点以前の間においては、ガスエンジンの場合は燃料ガスと空気との混合気の圧縮であるため毎サイクルの筒内圧力波形は一致する。
かかる現象に着目すると、筒内圧力検出器1から前記筒内圧力修正手段3に入力される筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角(図2(A)におけるクランク角θ1)における筒内圧力を基準筒内圧力Pbに設定し、燃焼診断の基準筒内圧力に設定しておけば、前記ノイズや以外の要因によるサイクル毎の波形の乱れのない基準筒内圧力が得られることとなる。
そこで、かかる第1実施例においては、図2(B)のように、前記のようにして設定された検出区間におけるサイクル毎の前記基準筒内圧力Pb1,Pb2,Pb3,…Pbmを連続的に検出する(ステップA4)。
次いで、図2(C)のように、前記基準筒内圧力Pb1,Pb2,Pb3,…Pbmの検出区間における平均値Pbmを算出する。
該平均値Pbmの算出は、単純平均で算出する方法(ステップA4)、あるいは修正移動平均で算出する方法(ステップA5)のいずれかの方法による。かかる単純平均算出法及び修正移動平均算出法自体は、公知であるので算出方法の詳細な説明は省略する。
かかる方法で算出した検出区間における基準筒内圧力の平均値Pbmを用いて、ノイズの影響を除去した前記筒内圧力線図によって、燃焼状態の診断を行なう(ステップA7)。
図6は、かかる基準筒内圧力の平均値Pbmを用いてノイズの影響を除去した筒内圧力線図によって、前記燃焼診断部5(図5参照)において燃焼診断を行なう一例を示す。
図6において、先ず、前記筒内圧力線図におけるガスエンジンの圧縮行程における任意点の圧縮圧力検出値Pと予め設定された該圧縮圧力の許容される最小値即ち許容圧縮圧力Pc0とを比較し、前記許容圧縮圧力Pc0以下のとき即ちP≦Pc0のときには、ガス漏れ等の機械的トラブルによって圧縮圧力Pが正常値から異常に低下しているものと判定する(ステップE1)。
次いで、前記筒内圧力線図における筒内最高圧力検出値Pと圧縮行程における任意点の前記圧縮圧力検出値Pとの最高圧力比P/Pを算出し、該最高圧力比P/Pの算出値と予め設定された最高圧力比の許容される最大値即ち許容最高圧力比Pp0とを比較し、前記最高圧力比P/Pの算出値が前記許容最高圧力比Pp0を超えたとき即ちP/P≧Pp0のとき(ステップE2)、
もしくは、前記最高圧力比P/Pが予め設定された圧力比即ち前記最高圧力比の許容値Ph1を超えた状態即ちP/P≧Ph1(ステップE3)での運転サイクルの回数Nが許容回数Nh0を超えたとき即ちN≧Nh0のとき(ステップE4)には、筒内最高圧力Pが設計値(正常値)から異常に上昇しているものと判定する。
次いで、ノッキングの判定時点から過去の複数サイクル中において前記最高圧力比P/Pが、ノッキング発生限界として予め設定されたノッキング許容圧力比Ph2を超える即ちP/P≧Ph2となる(ステップE5)サイクルの発生数Sが許容発生数Sn0を超えたとき即ちS≧Sn0となったとき(ステップE6)には、前記燃焼室44内においてノッキングが発生しているものと判定する。
次いで、前記最高圧力比P/Pが予め設定された前記最高圧力比P/Pの最小値(失火発生条件となる圧力比)即ち許容最小圧力比Pよりも小さくなり(P/P≦P)(E7)、かつ燃焼行程における任意点の圧力検出値Pと前記圧縮行程における任意点の圧力検出値Pとの燃焼圧力比P/Pを算出して、該燃焼圧力比P/Pが予め設定された失火発生限界の圧力比即ち許容圧力比Pよりも小さく(即ちP/P≦P)となるとき(ステップE8)、前記燃焼室44内において失火が発生しているものと判定する。
かかる第1実施例によれば、毎サイクルの筒内圧力波形が一致する着火点以前の基準筒内圧力Pbの数サイクル〜数十サイクルの一定検出区間における基準筒内圧力平均値Pbmを用いて燃焼状態の診断を行なうので、ノイズの影響を排除できるとともに、従来技術のような筒内圧力検出信号をローパスフィルタを通すことによるエンジン回転数の上昇に伴なう筒内圧力波形の時間遅れの発生を回避できる。
これにより、ローパスフィルタ等の格別なノイズ除去装置を不要として、ノイズの影響による筒内圧力の実際の値からのずれの発生を回避可能となり、筒内圧力検出値に基づく燃焼診断結果の誤差の発生を防止できて、燃焼診断の精度を向上できる。
図3は本発明の第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断装置における筒内圧力修正手段の制御フローチャート、図4は前記第2実施例における作用説明用線図である。
図3において、前記筒内圧力検出器1からの筒内圧力検出値は該燃焼診断装置100の筒内圧力修正手段3に入力される(ステップA1)。該燃焼診断装置100においては、前記筒内圧力検出値及び前記クランク角検出器2からのクランク角信号によって、図2(A)のような筒内圧力線図が作成される(ステップA2)。
前記筒内圧力修正手段3においては、次のような演算、制御を行う。
先ず、前記筒内圧力線図において、基準筒内圧力Pb及び下死点の筒内圧力Pbdを検出する検出区間及び該基準筒内圧力Pbの検出クランク角を設定する。該検出区間は、前記第1実施例と同様な要領で、エンジンの複数サイクルで設定された数サイクル〜数十サイクルの検出区間に設定する(ステップA31)。
次いで、図2(B)のように、前記のようにして設定された検出区間におけるサイクル毎の前記基準筒内圧力Pb1,Pb2,Pb3,…Pbmを連続的に検出する(ステップA4)とともに、前記検出区間における下死点の筒内圧力Pbd1,Pbd2,Pbd3,…Pbdmを連続的に検出する(ステップA41)。
次いで、図2(C)のように、前記基準筒内圧力Pb1,Pb2,Pb3,…Pbmの検出区間における平均値Pbmを、単純平均で算出する方法(ステップA5)、あるいは修正移動平均で算出する方法(ステップA6)のいずれかの方法により算出する。
また、前記下死点の筒内圧力Pbd1,Pbd2,Pbd3,…Pbdmの検出区間における平均値Pbdmを、単純平均で算出する方法(ステップA51)、あるいは修正移動平均で算出する方法(ステップA61)のいずれかの方法により算出する。
次いで、前記基準筒内圧力Pbの平均値Pbmとサイクル毎の下死点の筒内圧力Pbdの平均値Pbdmとの差である平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を算出する(ステップA71)。
そして、かかる方法で算出した検出区間における平均圧力差ΔPmを用いてノイズの影響を除去した前記筒内圧力線図によって、燃焼状態の診断を行なう(ステップA8)。
かかる第2実施例によれば、前記筒内圧力修正手段3において、筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力Pbに設定しておき、エンジンの複数サイクルで設定された数サイクル〜数十サイクルの検出区間におけるサイクル毎の前記基準筒内圧力Pb及びサイクル毎の下死点の筒内圧力Pbdを検出し、該検出区間における前記基準筒内圧力Pbの単純平均あるいは修正移動平均により基準筒内圧力平均値Pbmを算出するとともに、下死点の筒内圧力Pbdの単純平均あるいは修正移動平均により下死点筒内圧力平均値Pbdmを算出し、さらに前記基準筒内圧力の平均値Pbmと下死点筒内圧力平均値Pbdmとの差である平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を算出し、該平均圧力差ΔPmを用いて前記燃焼状態の診断を行なうので、筒内圧力検出器1が温度によりオフセットの影響をうける場合、つまり筒内圧力検出信号が温度ドリフトする場合においても、前記第1実施例のような検出区間における絶対圧力の平均値Pbmに代えて、前記平均圧力差ΔPmからなる相対圧力の平均値を用いることにより、前記温度ドリフトによる絶対圧力検出値の変動があっても、かかる圧力変動の影響を受けることなく、燃焼診断の精度を所要精度に維持できる。
本発明によれば、筒内圧力検出信号からノイズの影響を除去し筒内圧力の実際の値からのずれの発生を回避して、高精度の燃焼診断結果を得ることができる内燃機関の燃焼診断装置及び燃焼診断方法を提供できる。
本発明の第1実施例に係るガスエンジンの燃焼診断装置における筒内圧力修正手段の制御フローチャートである。 (A),(B),(C)は前記第1実施例における作用説明用線図である。 本発明の第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断装置における筒内圧力修正手段の制御フローチャートである。 前記第2実施例における作用説明用線図である。 本発明の第1,第2実施例に係るガスエンジンの燃焼診断、燃焼制御装置の全体構成を示すブロック図である。 前記第1実施例に係るガスエンジンの燃焼診断の一例を示す制御フローチャートである。 従来技術の第1例における作用説明用線図である。 従来技術の第2例における作用説明用線図である。
符号の説明
1 筒内圧力検出器
2 クランク角検出器
3 筒内圧力修正手段
4 増幅器
5 燃焼診断部
6 表示装置
20 エンジン
44 燃焼室
100 燃焼診断装置
200 燃焼制御装置

Claims (6)

  1. 筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断方法であって、前記筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力(Pb)に設定して、エンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎の前記基準筒内圧力(Pb)を検出し、該検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)を算出し、該基準筒内圧力平均値(Pbm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なうことを特徴とする内燃機関の燃焼診断方法。
  2. 筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断方法であって、筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における筒内圧力を基準筒内圧力(Pb)として、エンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎の基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)とサイクル毎の下死点の筒内圧力(Pbd)の平均値(Pbdm)との差である平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を算出し、該平均圧力差(ΔPm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なうことを特徴とする内燃機関の燃焼診断方法。
  3. 前記基準筒内圧力平均値(Pbm)あるいは下死点の筒内圧力平均値(Pbdm)を、前記検出区間における基準筒内圧力(Pb)の単純平均あるいは下死点の筒内圧力(Pbd)の単純平均により算出することを特徴とする請求項1あるいは2のいずれかに記載の内燃機関の燃焼診断方法。
  4. 前記基準筒内圧力平均値(Pbm)あるいは下死点の筒内圧力平均値(Pbdm)を、前記検出区間における基準筒内圧力(Pb)の修正移動平均あるいは下死点の筒内圧力(Pbd)の修正移動平均により算出することを特徴とする請求項1あるいは2のいずれかに記載の内燃機関の燃焼診断方法。
  5. 筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断装置において、前記筒内圧力検出値に基づき該筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における基準筒内圧力(Pb)をエンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎に検出する手段、及び前記検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の単純平均あるいは修正移動平均のいずれかにより基準筒内圧力平均値(Pbm)を算出する手段よりなる筒内圧力修正手段と、該筒内圧力修正手段から入力される前記基準筒内圧力平均値(Pbm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なう燃焼診断手段とをそなえたことを特徴とする内燃機関の燃焼診断装置。
  6. 筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づきシリンダ内の燃焼状態の診断を行なう内燃機関(エンジン)の燃焼診断装置において、前記筒内圧力検出値に基づき該筒内圧力検出値のうち着火点以前の一定クランク角における基準筒内圧力(Pb)及び下死点の筒内圧力(Pbd)をエンジンの複数サイクルで設定された検出区間におけるサイクル毎に検出する手段、及び前記検出区間における前記基準筒内圧力(Pb)の平均値(Pbm)と下死点の筒内圧力(Pbd)の平均値(Pbdm)との差である平均圧力差(ΔPm=Pbm−Pbdm)を単純平均あるいは修正移動平均のいずれかにより算出する手段よりなる筒内圧力修正手段と、該筒内圧力修正手段から入力される前記平均圧力差(ΔPm)を用いて前記燃焼状態の診断を行なう燃焼診断手段とをそなえたことを特徴とする内燃機関の燃焼診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103512754A (zh) * 2012-06-18 2014-01-15 罗伯特·博世有限公司 用于在四冲程内燃机上进行动态的压力损失检测或者阀密封性检测的装置和方法

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