JP2017020382A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MFBの実測データがノイズの影響を受けていることを精度良く判定できるようにし、その判定結果を利用して、適切なノイズ対策を伴って特定割合燃焼点に基づくエンジン制御を行えるようにした内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】筒内圧センサ30により検出される筒内圧に基づくクランク角度同期でのMFBの実測データを算出する。当該実測データに基づいて算出される実測CA10および実測CA50に基づくSA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御を実行する。MFBに関する第1相関指標値αと、dMFB/dθに関する第2相関指標値βとを算出する。第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であって第2相関指標値βが第2判定値βth以上である場合には、上記フィードバック制御を中止する。
【選択図】図8

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、筒内圧センサを備える内燃機関を制御する装置として好適な内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、筒内圧センサを備えた内燃機関の燃焼制御装置が開示されている。この従来の燃焼制御装置は、筒内圧センサとクランク角センサとを用いて、クランク角度同期での燃焼質量割合のデータを算出し、このデータに基づいて、実燃焼開始点と燃焼重心点とを算出する。そのうえで、燃焼制御装置は、燃焼重心点から実燃焼開始点を引いて得られる差が上限値を超えた場合には、燃焼が悪化したと判断し、燃料噴射量の増量などの燃焼改善のための処置を施すこととしている。なお、特許文献1では、実際に筒内で燃焼が開始された時のクランク角度である上記実燃焼開始点として、一例として、燃焼質量割合が10から30パーセントの間の適宜な値を用いることとし、燃焼重心点として、例えば、燃焼質量割合が40から60パーセントの間の適宜な値を用いることとしている。
特開2008−069713号公報 特開2014−025380号公報 特開2006−169996号公報 特開2012−077729号公報
筒内圧センサの出力信号には、様々な要因でノイズが重畳することがある。特許文献1に記載のように、燃焼質量割合(MFB)が特定の燃焼質量割合となる時のクランク角度(以下、「特定割合燃焼点」と称する)に基づくエンジン制御を行う場合には、当該特定割合燃焼点は、MFBの実測データに基づいて算出される。筒内圧センサの出力信号にノイズが重畳すると、筒内圧の実測データに基づくMFBの実測データに対してもノイズが重畳する。その結果、エンジン制御に利用する特定割合燃焼点に対して、ノイズに起因する誤差が生じ得る。このようなノイズに対して何らの配慮なしに上記特定割合燃焼点に基づくエンジン制御を行うこととすると、当該エンジン制御の精度が悪くなってしまう可能性がある。このため、上記特定割合燃焼点に基づくエンジン制御を行う場合には、MFBの実測データに対してノイズが重畳していることを適切に検出することができ、かつ、ノイズを検出した場合に適切な対策がなされるようになっていることが必要とされる。
一方、筒内圧センサにより検出される筒内圧には、センサ先端部の熱歪に起因する誤差(熱歪誤差)が生じ得る。熱歪誤差の影響はMFBの実測データにも及ぶ。したがって、MFBの実測データに対するノイズの影響と熱歪の影響とを適切に判別することができていないと、ノイズの影響によってMFBの実測データが変化したことを精度良く把握することが難しくなり、その結果、適切なノイズ対策をとることが難しくなる可能性がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、MFBの実測データがノイズの影響を受けていることを精度良く判定できるようにし、その判定結果を利用して、適切なノイズ対策を伴って特定割合燃焼点に基づくエンジン制御を行えるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、筒内圧センサと、クランク角センサと、燃焼質量割合算出手段と、制御手段と、第1相関指標値算出手段と、第2相関指標値算出手段とを備える。筒内圧センサは筒内圧を検出する。クランク角センサはクランク角度を検出する。燃焼質量割合算出手段は、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧と前記クランク角センサにより検出されるクランク角度とに基づいて、クランク角度と同期した燃焼質量割合の実測データを算出する。制御手段は、燃焼質量割合の実測データに基づいて燃焼質量割合が特定割合となる時のクランク角度である特定割合燃焼点の実測値を算出し、当該特定割合燃焼点の実測値に基づいて内燃機関のアクチュエータを制御するエンジン制御を実行する。第1相関指標値算出手段は、燃焼質量割合の前記実測データと、前記内燃機関の運転条件に基づく燃焼質量割合の基準データとの相関の度合いを示す第1相関指標値を算出する。第2相関指標値算出手段は、燃焼による筒内の熱発生量が最大値に到達する熱発生量最大クランク角度から排気弁の開き時期までの第1クランク角期間と、吸気弁の閉じ時期から燃焼開始点までの第2クランク角期間のうちの少なくとも前記第1クランク角期間中の一部を含む第1特定クランク角期間を対象として、燃焼質量割合の前記実測データをクランク角度で微分して得られる実測一階微分データと、燃焼質量割合の前記基準データをクランク角度で微分して得られる基準一階微分データとの相関の度合いを示す第2相関指標値を算出する。前記制御手段は、前記第1相関指標値が第1判定値未満であって前記第2相関指標値が第2判定値以上である場合には、当該判定に用いられた前記第1および前記第2相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第1相関指標値が前記第1判定値以上である場合と比べて低くする。
前記制御装置は、前記第1特定クランク角期間を対象として、前記実測一階微分データをクランク角度で微分して得られる実測二階微分データと、前記基準一階微分データをクランク角度で微分して得られる基準二階微分データとの相関の度合いを示す第3相関指標値を算出する第3相関指標値算出手段をさらに備えるものであってもよい。そして、前記制御手段は、前記第1相関指標値が前記第1判定値未満であって前記第2相関指標値が前記第2判定値未満である状況下において前記第3相関指標値が第3判定値未満である場合には、当該判定に用いられた前記第1、前記第2および前記第3相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第1相関指標値が前記第1判定値以上である場合と比べて低くするものであってもよい。
前記制御装置は、前記筒内圧センサにより検出される筒内圧と前記クランク角センサにより検出されるクランク角度とに基づいて、クランク角度と同期した前記熱発生量の実測データを算出する熱発生量算出手段と、燃焼開始点から前記排気弁の開き時期までの第3クランク角期間中の少なくとも一部を含む第2特定クランク角期間を対象として、前記熱発生量の前記実測データと、前記運転条件および最大熱発生量の基準値に基づく前記熱発生量の基準データとの相関の度合いを示す第4相関指標値を算出する第4相関指標値算出手段と、をさらに備えるものであってもよい。そして、前記制御手段は、前記第1相関指標値が前記第1判定値以上であって前記第4相関指標値が第4判定値未満となる場合には、当該判定に用いられた前記第1および前記第4相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第4相関指標値が前記第4判定値以上である場合と比べて低くするものであってもよい。
前記制御手段は、前記第1相関指標値が前記第1判定値よりも小さな第5判定値未満であって前記第2相関指標値が前記第2判定値未満である場合には、当該判定に用いられた前記第1および前記第2相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第1相関指標値が前記第1判定値以上である場合と比べて低くするものであってもよい。
燃焼質量割合(MFB)の実測データと基準データとの相関の度合いを示す第1相関指標値は、MFBの実測データがノイズまたは熱歪の何れの影響を受けている場合にも小さくなる。一方、上記特定クランク角期間を対象として算出され、かつ、MFBの実測一階微分データと基準一階微分データとの相関の度合いを示す第2相関指標値は、熱歪の影響を受けている場合よりもノイズの影響を受けている場合の方が高くなる。このため、本発明によれば、これらの第1および第2相関指標値を利用することで、MFBの実測データがノイズの影響を受けていることを精度良く判定することができる。そして、その判定結果を利用して、ノイズに起因する特定割合燃焼点の誤差がエンジン制御にそのまま反映されることを抑制できるようになる。このため、適切なノイズ対策を伴って特定割合燃焼点に基づくエンジン制御を行えるようになる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 点火時期と燃焼質量割合の波形とを表した図である。 ECUが実行するCA10とCA50とを利用した2通りのフィードバック制御の概要を説明するためのブロック図である。 筒内圧データに重畳するノイズがエンジン制御に与える影響を具体的に説明するための図である。 MFBの基準波形と実測波形との相関の度合いを判定することによってノイズ検出を行う手法を説明するための図である。 MFBの実測データに対するノイズの影響と熱歪の影響とを表した図である。 dMFB/dθの実測データに対するノイズの影響と熱歪の影響とを表した図である。 ノイズおよび熱歪の影響と、MFBおよびその微分値dMFB/dθの実測データの相関指標値α、βの大小との関係をまとめて表した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 MFBの基準データの作成手法の一例を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 MFBの二階微分値(dMFB/dθ)のデータの波形の特徴を、MFBおよびdMFB/dθのデータの波形と比較して説明するための図である。 ノイズおよび熱歪の影響と相関指標値α、βおよびγの大きさとの関係をまとめて表した図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 熱発生量QおよびMFBの実測データに対するノイズ、熱歪および出力感度低下の影響を説明するための図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 熱発生量Qの基準データの作成手法の一例を説明するための図である。
実施の形態1.
まず、図1から図10を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。筒内におけるピストン12の頂部側には、燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の吸気ポートには、当該吸気ポートを開閉する吸気弁20が設けられており、排気通路18の排気ポートには、当該排気ポートを開閉する排気弁22が設けられている。また、吸気通路16には、電子制御式のスロットルバルブ24が設けられている。内燃機関10の各気筒には、燃焼室14内(筒内)に直接燃料を噴射するための燃料噴射弁26、および、混合気に点火するための点火装置(点火プラグのみを図示)28が、それぞれ設けられている。さらに、各気筒には、筒内圧を検出するための筒内圧センサ30が組み込まれている。
さらに、本実施形態のシステムは、内燃機関10を制御する制御装置として、電子制御ユニット(ECU)40とともに、下記の各種アクチュエータを駆動するための駆動回路(図示省略)および下記の各種センサなどを備えている。ECU40は、入出力インターフェースとメモリと演算処理装置(CPU)とを備えている。入出力インターフェースは、内燃機関10もしくはこれを搭載する車両に取り付けられた各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、内燃機関10を制御するための各種アクチュエータに対して操作信号を出力するために設けられている。メモリには、内燃機関10を制御するための各種の制御プログラムおよびマップ等が記憶されている。CPUは、制御プログラム等をメモリから読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいて各種アクチュエータの操作信号を生成する。
ECU40が信号を取り込むセンサには、上述した筒内圧センサ30に加え、クランク軸(図示省略)の近傍に配置されたクランク角センサ42、および、吸気通路16の入口付近に配置されたエアフローメータ44等のエンジン運転状態を取得するための各種センサが含まれる。
ECU40が操作信号を出すアクチュエータには、上述したスロットルバルブ24、燃料噴射弁26および点火装置28等のエンジン運転を制御するための各種アクチュエータが含まれる。また、ECU40には、筒内圧センサ30に関する異常を運転者に知らせるための故障表示灯(MIL)46が接続されている。さらに、ECU40は、筒内圧センサ30の出力信号を、クランク角度と同期させてAD変換して取得する機能を有している。これにより、AD変換の分解能が許す範囲で、任意のクランク角タイミングにおける筒内圧を検出することができる。さらに、ECU40は、クランク角度と筒内容積との関係を定めたマップを記憶しており、そのようなマップを参照して、クランク角度に対応する筒内容積を算出することができる。
[実施の形態1におけるエンジン制御]
(筒内圧センサを利用したMFBの実測データの算出)
図2は、点火時期と燃焼質量割合の波形とを表した図である。筒内圧センサ30とクランク角センサ42とを備える本実施形態のシステムによれば、内燃機関10の各サイクルにおいて、クランク角度同期での筒内圧Pの実測データ(より具体的には、所定クランク角度毎の値として算出された筒内圧Pの集合)を取得することができる。得られた筒内圧Pの実測データと熱力学第1法則とを用いて、任意のクランク角度θでの筒内の熱発生量Qを次の(1)、(2)式にしたがって算出することができる。そして、算出された筒内の熱発生量Qの実測データ(所定クランク角度毎の値として算出された熱発生量Qの集合)を用いて、任意のクランク角度θにおける燃焼質量割合(以下、「MFB」と称する)を次の(3)式にしたがって算出することができる。そして、MFBの算出処理を所定クランク角度毎に実行することで、クランク角度同期でのMFBの実測データ(実測MFBの集合)を算出することができる。MFBの実測データは、燃焼期間およびその前後の所定クランク角期間(ここでは、一例として、吸気弁20の閉じ時期IVCから排気弁22の開き時期EVOまでのクランク角期間)で算出される。
Figure 2017020382

Figure 2017020382
ただし、上記(1)式において、Vは筒内容積、κは筒内ガスの比熱比である。また、上記(3)式において、θminは燃焼開始点であり、θmaxは燃焼終了点である。
上記手法によって算出されたMFBの実測データによれば、MFBが特定割合X%となる時のクランク角度(以下、「特定割合燃焼点」と称し、「CAX」を付して示す)を取得することができる。より具体的には、特定割合燃焼点CAXを取得する際、MFBの実測データの中に当該特定割合X%の値が首尾よく含まれていることもあり得るが、この値が含まれていない場合には、当該特定割合X%の両隣に位置する実測データを基に内挿することで、特定割合燃焼点CAXを算出することができる。以下、本明細書中においては、MFBの実測データを利用して取得されるCAXのことを「実測CAX」と称する。ここでは、図2を参照して代表的な特定割合燃焼点CAXについて説明する。筒内の燃焼は、点火時期SAにて混合気に点火を行った後に着火遅れを伴って開始する。この燃焼の開始点(上記(3)式中のθmin)、すなわち、MFBが立ち上がる時のクランク角度をCA0と称する。CA0からMFBが10%となる時のクランク角度CA10までのクランク角期間(CA0−CA10)が初期燃焼期間に相当し、CA10からMFBが90%となる時のクランク角度CA90までのクランク角期間(CA10−CA90)が主燃焼期間に相当する。また、本実施形態では、MFBが50%となる時のクランク角度CA50を燃焼重心点として用いている。MFBが100%となる時のクランク角度CA100は、熱発生量Qが最大値に到達する燃焼終了点(上記(3)式中のθmax)に相当する。燃焼期間は、CA0からCA100までのクランク角期間として特定される。
(CAXを利用したエンジン制御)
図3は、ECU40が実行するCA10とCA50とを利用した2通りのフィードバック制御の概要を説明するためのブロック図である。ECU40が行うエンジン制御には、特定割合燃焼点CAXを利用した制御が含まれている。ここでは、特定割合燃焼点CAXを利用したエンジン制御の一例として、CA10とCA50とをそれぞれ利用した2通りのフィードバック制御について説明する。これらの制御は、本実施形態では、理論空燃比よりも大きな(燃料リーンな)空燃比にて行うリーンバーン運転中に実行されるものである。
1.SA−CA10を利用した燃料噴射量のフィードバック制御
このフィードバック制御では、10%燃焼点であるCA10は、直接的な目標値とするのではなく、次のように利用される。すなわち、本明細書においては、点火時期SAからCA10までのクランク角期間のことを、「SA−CA10」と称する。より具体的には、実測CA10から点火時期SAを引いて得られる差であるSA−CA10のことを、「実測SA−CA10」と称する。なお、本実施形態では、実測SA−CA10の算出に用いる点火時期SAとしては、後述のCA50を利用した点火時期のフィードバック制御によって調整された後の最終的な目標点火時期(次サイクルの点火時期の指示値)が用いられる。
SA−CA10は、着火遅れを代表するパラメータであり、SA−CA10と空燃比との間には一定の相関がある。より具体的には、リーン空燃比領域においては、空燃比がリーンになるほどSA−CA10が大きくなるという関係がある。したがって、空燃比とSA−CA10との関係を事前に定めておくことで、所望の目標空燃比に対応する目標SA−CA10を求めることができる。そのうえで、本実施形態では、リーンバーン運転中に、実測SA−CA10が目標SA−CA10に近づくように燃料噴射量を調整するフィードバック制御(以下、単に、「SA−CA10フィードバック制御」と称する)を実行するようにしている。
図3に示すように、SA−CA10フィードバック制御では、エンジン運転条件(より具体的には、目標空燃比、エンジン回転速度および吸入空気量)に応じた目標SA−CA10が設定される。実測SA−CA10は、各気筒においてサイクル毎に算出される。そのうえで、SA−CA10フィードバック制御では、目標SA−CA10と実測SA−CA10との差が無くなるように燃料噴射量を調整するために、一例としてPI制御が使用されている。このPI制御では、目標SA−CA10と実測SA−CA10との差と所定のPIゲイン(比例項ゲインと積分項ゲイン)とを用いて、当該差およびその積算値の大きさに応じた燃料噴射量の補正量が算出される。そして、気筒毎に算出される補正量が、対象となる気筒の基本燃料噴射量に反映される。これにより、当該気筒において次サイクルに供給される燃料噴射量がSA−CA10フィードバック制御によって調整(補正)されることになる。
SA−CA10フィードバック制御によれば、目標SA−CA10よりも小さい実測SA−CA10が得られた気筒では、空燃比をリーン化して実測SA−CA10を大きくするために、次のサイクルで用いる燃料噴射量を減少させる補正が実行される。これとは逆に、目標SA−CA10よりも大きい実測SA−CA10が得られた気筒では、空燃比をリッチ化して実測SA−CA10を小さくするために、次のサイクルで用いる燃料噴射量を増やす補正が実行される。
SA−CA10フィードバック制御によれば、SA−CA10という空燃比と相関の高いパラメータを利用することで、リーンバーン運転中に空燃比を狙いの値(目標空燃比)に制御できるようになる。このため、目標SA−CA10をリーン燃焼限界近傍の空燃比に対応した値に設定することで、リーンリミット近傍で空燃比を制御できるようになる。これにより、低燃費および低NOx排出を実現することができる。
2.CA50を利用した点火時期のフィードバック制御
最適点火時期(いわゆる、MBT(Minimum advance for the Best Torque)点火時期)は、空燃比に応じて変化する。このため、SA−CA10フィードバック制御によって空燃比が変化すると、MBT点火時期が変化する。その一方で、MBT点火時期が得られる時のCA50は、リーン空燃比領域において空燃比に対してほぼ変化しない。したがって、MBT点火時期が得られるときのCA50を目標CA50として、実測CA50と目標CA50との差が無くなるように点火時期を補正することにより、上記の空燃比変化の影響を受けずにリーンバーン運転時の点火時期をMBT点火時期に調整できるようになるといえる。そこで、本実施形態では、リーンバーン運転中には、SA−CA10フィードバック制御とともに、実測CA50が目標CA50に近づくように点火時期を調整するフィードバック制御(以下、単に、「CA50フィードバック制御」と称する)を実行するようにしている。
図3に示すように、CA50フィードバック制御では、点火時期をMBT点火時期にするための目標CA50が、エンジン運転条件(より具体的には、目標空燃比、エンジン回転速度および吸入空気量)に応じた値で設定される。なお、ここでいうCA50フィードバック制御は、必ずしもMBT点火時期が得られるように制御するものに限らない。すなわち、CA50フィードバック制御は、いわゆる遅角燃焼時のようにMBT点火時期以外のある点火時期を狙い値とする場合にも用いることができる。そのような場合には、例えば、上記エンジン運転条件に加え、目標点火効率(MBT点火時期からの狙い値の乖離の度合いを示す指標値)に応じて変化するように目標CA50を設定すればよい。
実測CA50は、各気筒においてサイクル毎に算出される。そのうえで、CA50フィードバック制御では、目標CA50と実測CA50との差が無くなるように点火時期を基本点火時期に対して補正するために、一例としてPI制御が使用されている。基本点火時期は、エンジン運転条件(主に、吸入空気量およびエンジン回転速度)に応じた値としてECU40に予め記憶されている。このPI制御では、目標CA50と実測CA50との差と所定のPIゲイン(比例項ゲインと積分項ゲイン)とを用いて、当該差およびその差の積算値の大きさに応じた点火時期の補正量が算出される。そして、気筒毎に算出される補正量が、対象となる気筒の基本点火時期に反映される。これにより、当該気筒において次サイクルで用いられる点火時期(目標点火時期)がCA50フィードバック制御によって調整(補正)されることになる。
[実施の形態1における異常検出手法と異常検出時の対策]
(筒内圧データに重畳するノイズがエンジン制御に与える影響)
筒内圧センサ30の出力信号には、様々な要因でノイズが重畳することがある。筒内圧センサ30の出力信号にノイズが重畳すると、筒内圧に基づいて算出される熱発生量Qの実測データ、さらにはMFBの実測データにも、ノイズの影響が現れる。その結果、本実施形態のエンジン制御であるSA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御に利用するCA10およびCA50に対して、ノイズに起因する誤差が生じ得る。このようなノイズに対して何らの配慮なしにSA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御のようなエンジン制御を行うこととすると、当該エンジン制御の精度が悪くなってしまう可能性がある。
図4は、筒内圧データに重畳するノイズがエンジン制御に与える影響を具体的に説明するための図である。まず、図4(A)は、燃焼期間よりも後のクランク角期間において、スパイク状の大きなノイズが重畳した筒内圧データに基づく熱発生量データの波形を模式的に表したものである。このようなノイズが重畳した熱発生量データを利用してMFBデータを算出した場合には、次のような問題が生ずる。すなわち、ノイズが重畳したクランク角タイミングでの熱発生量データの値を誤って最大熱発生量Qmaxと認識してしまう可能性がある。このことは、MFBが100%となる熱発生量データを誤判定することを意味する。その結果、CA100の算出に誤差が生じてしまう。このように、燃焼期間よりも後のクランク角期間に重畳するノイズの影響を受けることによって、CA100およびその近傍の燃焼点は、ノイズに起因する誤差が生じ易くなる。このような態様で重畳するノイズの影響は、CA100からCA0側により大きく離れるほど小さくはなるが、MFBの計算の基準となる最大熱発生量Qmaxを誤っていることで、他の燃焼点の値にも誤差を生じさせてしまう。より具体的には、図4(A)中に例示したように、CA50のように本来的には直接はノイズの影響を受けにくい燃焼期間の中央付近の燃焼点にも誤差が生じてしまう。
一方、図4(B)は、燃焼期間よりも前のクランク角期間において、点火時期SAよりも後のクランク角タイミングでスパイク状の大きなノイズが重畳した筒内圧データに基づくMFBデータの波形を摸式的に表したものである。上記のSA−CA10フィードバック制御の実行中に取得されるMFBの実測データの波形がこのような波形であったとすると、スパイク状のノイズが重畳したデータ付近のクランク角度を誤ってCA10として算出してしまう可能性がある。
図4(A)および図4(B)に示す例のように、MFBの実測データがノイズの影響を受けていると、CA10やCA50といった特定割合燃焼点CAXに誤差が生じ得る。このため、特定割合燃焼点CAXに基づくエンジン制御を行う場合には、MFBの実測データに対してノイズが重畳していることを適切に検出することができ、かつ、ノイズを検出した場合に適切な対策がなされるようになっていることが必要とされる。より具体的には、上記の例からも分かるように、燃焼期間よりも後のクランク角期間中にノイズが重畳すると、燃焼期間よりも前のクランク角期間中にノイズが重畳する場合と比べて、多くの特定割合燃焼点CAXが誤差の影響を受け易くなる。したがって、ノイズがエンジン制御に与える影響の度合いは、燃焼期間よりも後のクランク角期間中にノイズが重畳する場合の方が大きくなる。
(MFBの実測データと基準データとの相関の度合いを利用したノイズ検出)
内燃機関10の多様な使用環境を想定した場合、エンジン制御に影響を及ぼすノイズが何時どのような態様で筒内圧センサ30の出力信号に重畳するのかを事前に把握することは困難である。しかしながら、筒内圧センサ30の出力に基づく上述のSA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御を行う場合には、MFBの実測データがノイズの影響を受けていることを適切に検出することができ、かつ、ノイズを検出した場合に適切な対策がなされるようになっていることが好ましい。
図5は、MFBの基準波形と実測波形との相関の度合いを判定することによってノイズ検出を行う手法を説明するための図である。図5中に示す基準波形とは、エンジン運転条件に基づいて規定されるMFBの基準データの波形のことである。同図中に示す実測波形とは、MFBの実測データの波形のことである。より具体的には、実測波形(ノイズなし)は、ノイズが重畳していない例を模式的に示し、実測波形(ノイズあり)は、燃焼期間(CA0−CA100)よりも後のクランク角期間中にノイズがスパイク状のノイズが重畳した例を模式的に示している。
MFBの実測データがノイズの影響を受けていると、実測データは、そのようなノイズの影響を受けていない同一運転条件のMFBの基準データから離れたものとなる。そこで、本実施形態では、MFBの基準データと実測データとの相関の度合いを示す「第1相関指標値α」の大きさを評価することによって、MFBの実測データがノイズの影響を受けていることを検出することとした。そして、第1相関指標値αの算出の好ましい手法として、本実施形態では、相互相関関数が用いられる。相互相関関数を用いた相互相関係数Rの算出は、次の(4)式を用いて行われる。
Figure 2017020382
ただし、上記(4)式において、θはクランク角度である。τθは、相関の度合いの評価対象の2つの波形(本実施形態では、MFBの基準データと実測データの波形)についてのクランク角軸方向における相対的なずれを表す変数である。関数fa〜b(θ)は、所定クランク角度毎に存在する離散値の集合であるMFBの基準データに相当する。関数ga〜b(τθ−θ)は、同様に離散値の集合であるMFBの実測データに相当する。より具体的には、(a〜b)は、これらの関数fa〜b(θ)およびga〜b(τθ−θ)がそれぞれ定義されたクランク角軸上の期間を示している。当該期間(a〜b)は、MFBの基準データおよび実測データの中で相互相関係数Rの算出の対象となる(換言すると、相関の度合いの評価対象となる)基準データおよび実測データが存在するクランク角期間(以下、「評価期間T」と称する)に相当する。評価期間Tの具体例については後述するが、例えば、点火時期から排気弁22の開き時期(EVO)までとすることができる。評価期間Tは、基準データもしくは実測データの何れを利用して特定される期間であってもよい。なお、筒内圧の実測データに基づいて算出したMFBの実測データの中に、エンジン制御に用いる特定割合燃焼点CAX(本実施形態では、CA10とCA50)の実測値が含まれていない場合には、当該実測値を近隣の実測データの内挿によって求めるとともに、これと対となる基準データ側の値も求めたうえで、相関の度合いの評価対象にこれらの一対の値を含めてもよい。
(4)式を用いて畳み込み演算を行うことは、所定範囲内で変数τθを変化させることによって、基準データの波形を固定したままで評価期間T内のMFBの実測データの波形全体をクランク角度方向(図5の横軸方向)に少しずつ移動させつつ相互相関係数Rを連続的に演算していく動作を伴うものである。そして、この演算の過程における相互相関係数Rの最大値Rmaxは、2つの波形が全体的に最も近づいた時の相互相関係数Rに相当するものであり、次の(5)式のように表すことができる。そのうえで、本実施形態で用いられる第1相関指標値αは、最大値Rmaxそのものではなく、相互相関係数Rに対して所定の正規化処理を施すことによって得られる値としている。ここでいう正規化処理とは、2つの波形(基準データと実測データの波形)が完全に一致したときのRmaxが1を示すように規定された処理であり、このような処理自体は公知であるのでここではその詳細な説明は省略する。
Figure 2017020382
上述の演算処理によって算出される第1相関指標値αは、2つの波形が完全に一致する場合に1(最大)となり、2つの波形の相関の度合いが低いほどゼロに近づいていく。なお、第1相関指標値αがマイナスの値を示す場合には、2つの波形には負の相関があり、第1相関指標値αは、2つの波形が完全に反転したものとなる場合に−1を示す。したがって、上記のようにして得られる第1相関指標値αに基づいて、MFBの基準データと実測データとの相関の度合いを把握することができる。
図5に示す例では、実測波形(ノイズなし)の場合であれば、第1相関指標値αは大きな値(1に近い値)となる。一方、スパイク状のノイズが単発的に重畳している実測波形(ノイズあり)の場合には、第1相関指標値αは実測波形(ノイズなし)の場合の値と比べて小さな値となる。そして、重畳するノイズの大きさが大きいほど、第1相関指標値αはより小さくなる。
なお、本実施形態では、上述のように、相互相関係数Rを正規化した値の最大値を第1相関指標値αとして用いることとしているが、本発明における「相関指標値」は、所定の正規化処理を伴わない相互相関係数Rの最大値Rmaxそのものであってもよい。このことは、後述の第2〜第4相関指標値β、γおよびδについても同様である。ただし、正規化処理を伴わない場合の相関指標値(すなわち、最大値Rmax)は、単に相関の度合いが高いほど大きくなるのではなく、最大値Rmaxの大小と相関の度合いの高低との間には次のような関係がある。すなわち、最大値Rmaxの増加に伴って相関の度合いが高くなっていき、最大値Rmaxがある値Yとなるときに相関の度合いが最高となる(すなわち、2つの波形が完全に一致する)。そして、値Yよりも最大値Rmaxが増加すると、最大値Rmaxの増加に伴って相関の度合いが低くなっていく。したがって、正規化処理を伴わない最大値Rmaxそのものを「相関指標値」として用いる場合には、「相関指標値」が「判定値」未満であるか否かの判定は次のような処理によって行うことができる。すなわち、最大値Rmaxが値Yを中心とする所定範囲内から外れる場合には、「相関指標値が判定値未満である」と判定することができ、逆に、最大値Rmaxが上記所定範囲内に収まる場合には、「相関指標値が判定値以上である」と判定することができる。
(MFBの実測データに対するノイズの影響と熱歪の影響との判別)
図6は、MFBの実測データに対するノイズの影響と熱歪の影響とを表した図である。図6中に「正常」と付して示す波形は、ノイズおよび熱歪の何れの影響も受けていないときのMFBの実測データの波形(基準データの波形に相当)を示している。
MFBの実測データは、上述のようなノイズの影響だけでなく、筒内圧センサ30の熱歪の影響も受ける。ここでいう熱歪とは、筒内に露出しているセンサ先端部が高温の燃焼ガスに晒されることによって変形する現象のことである。このような熱歪が生じると、筒内圧センサ30により検出される筒内圧には、熱歪に起因する誤差(熱歪誤差)が生じ得る。
熱歪誤差は、上記(1)式により算出される熱発生率dQ/dθに影響を与え、その結果として、上記(2)および(3)式によりそれぞれ算出される熱発生量Qの実測データおよびMFBの実測データに対しても影響を与えることになる。より具体的には、熱歪誤差が大きいほど、MFBの実測データはより大きな影響を受ける。ある燃焼サイクルの燃焼に起因する熱歪誤差は、その燃焼サイクルの燃焼期間よりも後のクランク角期間におけるMFBの実測データ(すなわち、最大熱発生量Qmaxに到達するクランク角度(熱発生量最大クランク角度θQmax)よりも後のMFBの実測データ)に影響を及ぼす。なお、図6中に「熱歪」と付して示すMFBの実測データの波形は、θQmaxよりも後のクランク角期間において、クランク角度θが進むにつれてMFBの実測データが低下する態様で熱歪誤差が生じている波形の一例である。この例とは逆に、θQmaxよりも後のクランク角期間において、クランク角度θが進むにつれてMFBの実測データが上昇する態様で熱歪誤差が生じる場合もある。
ノイズの影響を受けた場合だけでなく、熱歪誤差の影響を受けた場合にも、MFBの実測データと基準データとの相関度合いは低くなるので、第1相関指標値αは小さくなる。このため、熱歪の発生が想定される場合には、単にMFBのデータに関する第1相関指標値αの大きさを評価するだけでは、第1相関指標値αが小さい理由がノイズの影響であるのか熱歪の影響であるのかを判別することが難しく、MFBの実測データがノイズの影響を受けていることを精度良く判定することが難しくなる。
ここで、図6中に示す実測波形(ノイズ)と実測波形(熱歪)は、第1相関指標値αの低下度合いとしては同等のレベルのものを表していることとする。図4を参照して既述し、かつ図6からも分かるように、θQmaxよりも後のクランク角期間において発生したノイズの影響を受ける場合には、MFBが100%となるときの熱発生量Q(最大熱発生量Qmax)のデータを誤検出することに起因してCA50およびCA10に対しても比較的大きなずれが発生する。一方、熱歪に関しては、図6からも分かるように、燃焼期間中のデータについては正常時のものに十分に近いので、CA50およびCA10への熱歪の影響はノイズの影響と比べて小さいといえる。このことから、第1相関指標値αの低下度合いとしては同等であっても、ノイズの影響を受けている実測波形の方が、熱歪の影響を受けている実測波形と比べて、特定割合燃焼点CAXを利用するエンジン制御に与える影響は大きいといえる。したがって、MFBの実測データに対するノイズの影響と熱歪の影響とを適切に判別することができていないと、ノイズの影響によってMFBの実測データが変化したことを精度良く把握することが難しくなり、その結果、適切なノイズ対策をとることが難しくなる可能性がある。
図7は、dMFB/dθの実測データに対するノイズの影響と熱歪の影響とを表した図である。ここでいうdMFB/dθの実測データとは、MFBの実測データをクランク角度θで微分することにより得られる実測一階微分データのことである。また、図7中に「正常」と付して示す波形は、ノイズおよび熱歪の何れの影響も受けていないときのdMFB/dθの実測データの波形(基準データの波形に相当)を示している。
図7に示すように、dMFB/dθの実測データの波形で比較した場合、スパイク状のノイズを伴う実測データの波形は、ノイズが発生する極短期間を除き、太い実線で示す正常波形(基準波形)と十分に相関のとれたものとなる。一方、熱歪誤差を伴うケースでは、dMFB/dθの実測データの波形においても、依然として正常波形(基準波形)から離れたものとなる。より具体的には、図6に示す態様で熱歪誤差が生じている場合におけるdMFB/dθの実測データに対する熱歪誤差の影響は、θQmaxよりも後のクランク角期間においてdMFB/dθの実測データが負側で正常波形から離れたものとなるという態様で表れる。なお、ここでは図示していないが、θQmaxよりも後のクランク角期間においてクランク角度θが進むにつれてMFBの実測データが上昇する態様で熱歪誤差が生じるケースでは、dMFB/dθの実測データに対する熱歪誤差の影響は、θQmaxよりも後のクランク角期間においてdMFB/dθの実測データが正側で正常波形から離れたものとなるという態様で表れる。
また、燃焼期間(CA0−CA100)に関しては、θQmaxよりも後のクランク角期間中にノイズが重畳する場合のMFB/dθの実測データの波形は、MFBの実測データが図6に示すように正常のものと大きく相違する影響を引き継ぐ形となり、正常波形に対して図7に示すように大きく相違する。
以上の点を考慮すると、燃焼期間(CA0−CA100)を除いてdMFB/dθの実測データと基準データとの相関の度合いを評価すれば、ノイズの影響があるケースと熱歪の影響があるケースとを判別することができるといえる。この点について、図8を参照して以下に具体的に説明する。
図8は、ノイズおよび熱歪の影響と、MFBおよびその微分値dMFB/dθの実測データの相関指標値α、βの大小との関係をまとめて表した図である。ここでは、dMFB/dθの実測データと基準データとの相関の度合いを示す相関指標値を「第2相関指標値β」と称する。第2相関指標値βの算出は、上述した第1相関指標値αの算出と同じ手法で行うことができる。ここでは、第2相関指標値βの評価期間T2は、一例として、θQmax(CA100)から排気弁22の開き時期(EVO)までのクランク角期間と、点火時期から燃焼開始点(CA0)までのクランク角期間であるものとする。MFBに関する第1相関指標値αは、図6を参照して既述したように、ノイズの影響もしくは熱歪の影響がある何れのケースにおいても小さくなる。
一方、dMFB/dθに関する第2相関指標値βは、図7を参照して既述したように、ノイズの影響があるケースの方が、熱歪の影響があるケースと比べて大きくなる。したがって、ノイズの影響がある場合に得られる第2相関指標値βと、熱歪の影響がある場合に得られる第2相関指標値βとを判別可能な値として、第2判定値βth(正の値)を予め適切に設定しておくことで、第2相関指標値βと第2判定値βthとの比較結果に基づいて、ノイズの影響があるケースと熱歪の影響があるケースとを適切に切り分けられるようになる。
(ノイズの検出と対策)
MFBの実測データにノイズが重畳しているような状況下であるにもかかわらず、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御をそのまま継続すると、精度の高いフィードバック制御を行えない可能性がある。そこで、本実施形態では、MFBに関する第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であってdMFB/dθに関する第2相関指標値βが第2判定値βth以上である場合に、MFBの実測データがスパイク状のノイズの影響を受けていると判断することとした。
そのうえで、上記判断がなされた場合には、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御を中止することとし、これにより、当該判断の対象となった第1相関指標値αおよび第2相関指標値βが算出された燃焼サイクルにおける実測CA10および実測CA50がSA−CA10フィードバック制御等に反映されることをそれぞれ中止することとした。一方、第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であって第2相関指標値βが第2判定値βth未満となるケース(熱歪の影響があるケース)については、本実施形態では熱歪がCA10およびCA50に与える影響は小さいと判定し、SA−CA10フィードバック制御等の中止は行わないこととした。
また、スパイク状の大きなノイズがMFBの実測データに重畳している場合には、筒内圧センサ30の電気回路(図示省略)に異常が発生していることが考えられる。そこで、本実施形態では、MFBに関する第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であってdMFB/dθに関する第2相関指標値βが第2判定値βth以上である場合には、筒内圧センサ30の電気回路に異常が生じていると判定し、MIL46を点灯させることとした。なお、より具体的には、ここでいう電気回路の異常としては、例えば、筒内圧センサ30のシールド線の断線を挙げることができる。
(実施の形態1における具体的処理)
図9は、本発明の実施の形態1においてECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。なお、本ルーチンは、各気筒において排気弁22の開き時期を経過したタイミングで起動され、かつ、1燃焼サイクル毎に繰り返し実行される。
図9に示すルーチンでは、ECU40は、まず、ステップ100において、現在のエンジン運転条件を取得する。ここでいうエンジン運転条件には、主に、エンジン回転速度、吸入空気量、空燃比および点火時期が該当する。エンジン回転速度はクランク角センサ42を用いて算出される。吸入空気量はエアフローメータ44を用いて算出される。空燃比は、目標空燃比のことであり、エンジントルクとエンジン回転速度との関係で目標空燃比を定めたマップを参照して算出することができる。目標空燃比は、リーンバーン運転時に用いる所定のリーン空燃比と理論空燃比との何れかである。点火時期は、今回の燃焼サイクルで用いる点火時期の指示値(すなわち、目標点火時期)のことである。目標点火時期は、理論空燃比での運転時であれば、吸入空気量およびエンジン回転速度を主なパラメータとして決定され、リーンバーン運転時であれば、CA50フィードバック制御が反映された値が使用される。なお、エンジントルクは、例えば、車両のアクセルポジションセンサ(図示省略)により検出されるアクセル開度に基づいて算出される目標トルクを用いることができる。
次に、ECU40は、ステップ102に進み、現在の運転領域がリーンバーン運転領域であるか否かを判定する。具体的には、ステップ100において取得した目標空燃比に基づいて、現在の運転領域がリーンバーン運転領域であるか、或いは理論空燃比を用いる運転領域であるかが判定される。
ステップ102の判定が不成立となる場合には、今回のルーチンの処理が速やかに終了される。一方、ステップ102の判定が成立する場合には、ECU40は、ステップ104に進む。ステップ104では、ステップ100において取得されたエンジン運転条件に基づいてMFBの基準データが評価期間T1を対象として算出される。評価期間T1は、一例として、点火時期から排気弁22の開き時期(EVO)である。MFBの基準データは、一例として、図10を参照して以下に説明する手法を用いて算出することができる。
図10は、MFBの基準データの作成手法の一例を説明するための図である。図10は、クランク角度θをx座標値とし、燃焼質量割合MFBをy座標値とするxy平面(以下、「MFB−θ平面」と称する)を表している。
図3を参照して既述したように、CA50フィードバック制御の目標値である目標CA50は、エンジン運転条件(目標空燃比、エンジン回転速度および吸入空気量)に応じた値として決定される。SA−CA10フィードバック制御の目標値である目標SA−CA10も、同様に、エンジン運転条件に応じた値として決定される。各燃焼サイクルにおける点火時期SAの指示値(目標点火時期)は、CA50フィードバック制御が実行されるリーンバーン運転時であれば、エンジン運転条件に応じた基本点火時期を基礎としてCA50フィードバック制御が反映された後の値として決定される。このように算出される目標SA−CA10と目標点火時期とからCA10を算出することができる。ただし、このCA10自体は、上記SA−CA10フィードバック制御の直接の制御目標値ではないため、以下、当該CA10のことを「特定CA10」と称する。
CA50はMFBが50%となる時のクランク角度であり、CA10はMFBが10%となる時のクランク角度である。このため、目標CA50の値と特定CA10の値とが決定されれば、図10に示すMFB−θ平面上において目標CA50および特定CA10がそれぞれ位置する点Aおよび点Bが自ずと定まる。
MFBの実測データの相関の度合いを評価するためには、基準データは、所定クランク角度毎に取得されるようになっている実測データの各データと対となるデータを漏れなく持っておく必要がある。このため、本手法では、2点A、Bを基に線形内挿と線形外挿とが行われ、燃焼開始点CA0から燃焼終了点CA100までのクランク角期間内のMFBの基準データが生成される。そして、CA0よりも前のクランク角期間の基準データについては、MFBが0%であるデータとして生成され、CA100よりも後のクランク角期間の基準データについては、MFBが100%であるデータとして生成される。このようにして、MFBの基準データが生成される。生成された基準データが通る波形は、図13中に破線で示すような波形となる。特定割合燃焼点CAXに基づくエンジン制御における直接的もしくは間接的な制御目標値(目標CA50と特定CA10)を利用する本手法によれば、MFBのデータの波形の特徴を捉えながら、MFBの基準データを簡便かつ精度良く生成することができる。なお、後述のステップ126の処理によりSA−CA10フィードバック制御等が中止されている状態において本ステップ104に進んで基準データを算出する場合には、中止直前の目標CA50および特定CA10の値が使用されるものとする。
次に、ECU40は、ステップ106に進む。ステップ106では、今回の燃焼サイクルにおいて筒内圧センサ30を用いて取得された筒内圧の実測データに基づいて、上記(3)式に従ってMFBの実測データが算出される。
次に、ECU40は、ステップ108に進む。ステップ108では、ステップ104および106にてそれぞれ算出されたMFBの基準データおよび実測データを用いて、評価期間T1を対象として、上記(5)式を用いて第1相関指標値αが算出される。
次に、ECU40は、ステップ110に進む。ステップ110では、ステップ108にて算出された第1相関指標値αが所定の第1判定値αth1未満であるか否かが判定される。本ステップ110で用いられる第1判定値αth1は、SA−CA10フィードバック制御等に影響が生じる大きさ以上のノイズが重畳したことを判別可能な値として予め設定されたものである。
ステップ110の判定が不成立である場合(α≧αth1)、すなわち、今回の燃焼サイクルにおけるMFBの実測データが同一運転条件での基準データと相関の度合いの高いものであると判断できる場合には、ECU40は、ステップ112に進み、今回の燃焼サイクルにおけるMFBの実測データは正常であると判定する。次いで、ECU40は、ステップ114に進み、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御の継続を許可する。
一方、ステップ110の判定が成立する場合(α<αth1)、すなわち、MFBの実測データが基準データと相関の度合いの低いものであると判断できる場合には、ECU40は、ステップ116に進む。ステップ116では、ステップ104において算出されたMFBの基準データをクランク角度θで微分することにより、dMFB/dθの基準データ(MFBの基準一階微分データ)が上述の評価期間T2を対象として算出される。
次に、ECU40は、ステップ118に進み、ステップ106において算出されたMFBの実測データをクランク角度θで微分することにより、dMFB/dθの実測データ(MFBの実測一階微分データ)が算出される。
次に、ECU40は、ステップ120に進む。ステップ120では、ステップ116および118にてそれぞれ算出されたdMFB/dθの基準データおよび実測データを用いて、評価期間T2を対象として、上記(5)式を用いて第2相関指標値βが算出される。
次に、ECU40は、ステップ122に進む。ステップ122では、ステップ120にて算出された第2相関指標値βが所定の第2判定値βth以上であるか否かが判定される。本ステップ122で用いられる第2判定値βthは、上述のように、ノイズの影響がある場合に得られる第2相関指標値βと、熱歪の影響がある場合に得られる第2相関指標値βとを判別可能な値として事前に設定されたものである。
ステップ122の判定が不成立である場合(β<βth)、すなわち、MFBの実測データの相関性が低下している要因が熱歪誤差であると判断できる場合には、ECU40は、ステップ114に進み、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御の継続を許可する。
一方、ステップ122の判定が成立する場合(β≧βth)、すなわち、MFBの実測データの相関性が低下している要因がスパイク状のノイズであると判断できる場合には、ECU40は、ステップ124に進む。ステップ124では、筒内圧センサ30の電気回路にシールド線の断線等の異常が生じていると判断され、MIL46を点灯させる処理が実行される。さらに、この場合には、ECU40は、ステップ126に進む。ステップ126では、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御が中止される。
SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御は、本実施形態では、リーンバーン運転中に気筒別に実行されるようになっており、これらのフィードバック制御の結果(すなわち、当該フィードバック制御に基づく補正量)は、同一気筒の次の燃焼サイクルに反映されるようになっている。本ステップ126の処理は、より具体的には、SA−CA10フィードバック制御に基づく燃料噴射量の補正量とCA50フィードバック制御に基づく点火時期の補正量とをそれぞれ前回値(より具体的には、前回の燃焼サイクルで算出された値)で保持し、かつ、今回の燃焼サイクルで算出された実測CA10および実測CA50は、それぞれの補正量に反映しないことによって、これらのフィードバック制御を中止するというものである。なお、図3を参照して行った上記フィードバック制御の一例は、PI制御を利用している。つまり、これらのフィードバック制御には、目標値(目標SA−CA10など)と実測値(実測SA−CA10など)との累積的な差を利用するI項(積分項)が含まれている。したがって、フィードバック制御の再開時においてI項の算出のために過去の燃焼サイクルでの上記差を利用する場合には、ノイズが検出された燃焼サイクルの値を含まないようにするのが望ましい。
以上説明した図9に示すルーチンの処理によれば、同一運転条件でのMFBの基準データと実測データとを対象として算出される第1相関指標値αだけでなく、MFBの一階微分値であるdMFB/dθに関する第2相関指標値βをも利用して、実測データと基準データとの相関の度合いが評価される。これにより、MFBの実測データがスパイク状のノイズの影響を受けていることを熱歪の影響があるケースと切り分けて判定できるようになる。そして、ノイズの影響があると判定された場合には、MFBの実測データを利用するフィードバック制御(すなわち、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御)が中止される。これにより、ノイズに起因する誤差が生じている可能性のある今回の燃焼サイクルの実測CA10もしくは実測CA50がそれぞれのフィードバック制御に反映されることが中止される。このため、上記の実測CA10もしくは実測CA50の利用によってエンジン制御の精度が悪化することを回避できるようになる。その結果、当該エンジン制御のロバスト性を向上させることができる。
また、上記ルーチンの処理によれば、第1および第2相関指標値αおよびβを利用してスパイク状のノイズの影響があることを検出した場合には、MIL46を点灯させることにより、筒内圧センサ30の電気回路の異常を運転者に知らせることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、MFBに関する第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であってdMFB/dθに関する第2相関指標値βが第2判定値βth以上であることが、ある燃焼サイクルにおいて判定された場合に、筒内圧センサ30の電気回路に異常が生じていると判定し、MIL46を点灯させることとしている。しかしながら、このような筒内圧センサ30に関する異常判定は、個々のサイクルにおいてMFBに関する第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であってdMFB/dθに関する第2相関指標値βが第2判定値βth以上であると判定される度に仮異常であると判定し、仮異常と判定される回数(燃焼サイクル数)が所定回数以上となった場合に、筒内圧センサ30の電気回路に異常が生じているとの判定を確定するようにしてもよい。そして、確定的な判定がなされたことをもって、MIL46を点灯するとともに、SA−CA10フィードバック制御等を中止するようにしてもよい。このような処理を行うことにより、偶発的な要因でスパイク状のノイズが重畳したケースと区別して、筒内圧センサ30の電気回路の異常をより正確に判定できるようになる。なお、このように、仮異常と判定される回数が所定回数以上となった場合に、異常判定を確定するという処理は、後述の実施の形態2〜4における他の異常判定に関しても同様である。
なお、上述した実施の形態1においては、ECU40がステップ106の処理を実行することにより本発明における「燃焼質量割合算出手段」が実現されており、ECU40がSA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御を実行するとともに、ステップ110の判定が成立し、かつ、ステップ122の判定が成立した場合にステップ126の処理を実行することにより本発明における「制御手段」が実現されており、ECU40がステップ108の処理を実行することにより本発明における「第1相関指標値算出手段」が実現されており、そして、ECU40がステップ120の処理を実行することにより本発明における「第2相関指標値算出手段」が実現されている。また、燃料噴射弁26および点火装置28が本発明における「アクチュエータ」に相当している。
実施の形態2.
次に、図11を新たに参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
[実施の形態2における異常検出手法と異常検出時の対策]
上述した実施の形態1においては、第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であって第2相関指標値βが第2判定値βth未満となるケースについては、熱歪がCA10およびCA50に与える影響は小さいと判定し、SA−CA10フィードバック制御等の中止は行わないこととしている。
一般に、筒内圧センサとこれを取り巻く燃焼室の壁面との間には、筒内のガスが筒内圧センサと上記壁面との隙間を通って外部に漏れ出さないように当該隙間をシールするシール部(図示省略)が備えられる。このようなシール部のシール機能が低下すると、高温の燃焼ガスがシール部よりも奥側の部位にまで入り込むこととなり、筒内圧をセンシングするセンサ先端部が燃焼ガスから受ける熱量が増加する。このため、シール部のシール機能が低下すると(すなわち、シール部に異常が発生すると)、熱歪誤差が大きくなる。シール部の異常によって熱歪誤差が過大となった場合には、熱歪がCA10およびCA50に与える影響が無視できないほど大きくなる。したがって、熱歪がSA−CA10フィードバック制御等に与える影響が大きくなる。
そこで、本実施形態では、第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であって第2相関指標値βが第2判定値βth未満となる場合には、さらに、第1相関指標値αが第1判定値αth1よりも小さな第5判定値αth5以上であるか否かを判定することとした。
第1相関指標値αが第5判定値αth5以上である場合(αth5≦α<αth1)には、第1相関指標値αは、第1判定値αth1よりは小さいけれども第5判定値αth5以上であるために熱歪の影響によるMFBデータの相関性の低下の度合いは比較的低いと判断することができる。
一方、第1相関指標値αが第5判定値αth5未満である場合(α<αth5<αth1)には、第1相関指標値αは、第5判定値αth5よりも小さいために熱歪の影響による相関性の低下の度合いは比較的高いと判断することができる。本実施形態では、このような場合には、シール部に異常が発生していると判定することとした。さらに、この場合には、シール部の異常を運転者に知らせるためにMIL46を点灯させるとともに、SA−CA10フィードバック制御等の中止を行うこととした。
(実施の形態2における具体的処理)
図11は、本発明の実施の形態2においてECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。なお、図11において、実施の形態1における図9に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図11に示すルーチンでは、ECU40は、ステップ122において第2相関指標値βが第2判定値βth未満であると判定した場合には、ステップ200に進む。ステップ200では、第1相関指標値αが第5判定値αth5以上であるか否かが判定される。第5判定値αth5は、熱歪の影響によるMFBデータの相関性の低下がシール部の異常に起因する大きなものであるか否かを判別可能な値として予め設定されたものである。
ステップ200において第1相関指標値αが第5判定値αth5以上であると判定した場合には、ECU40は、ステップ114に進み、SA−CA10フィードバック制御等の実行を許可する。一方、ステップ200において第1相関指標値αが第5判定値αth5未満であると判定した場合には、ECU40は、ステップ202に進み、シール部のシール機能に異常が生じていると判定し、MIL46を点灯させる。さらに、この場合には、ECU40は、ステップ126に進み、SA−CA10フィードバック制御等を中止させる。
以上説明した図11に示すルーチンの処理によれば、第1相関指標値αおよび第2相関指標値βを利用して、MFBの実測データがスパイク状のノイズの影響を受けていることを熱歪の影響があるケースと切り分けて判定できるだけでなく、シール部の異常の有無の判定を行えるようになる。そして、シール部の異常が発生したと判定された場合に、適切な対策(SA−CA10フィードバック制御等の中止)を行えるようになる。
実施の形態3.
次に、図12〜図14を新たに参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
[実施の形態3における異常検出手法と異常検出時の対策]
図12は、MFBの二階微分値(dMFB/dθ)のデータの波形の特徴を、MFBおよびdMFB/dθのデータの波形と比較して説明するための図である。なお、図12中に示すCA0およびCA100は正常波形のものである。上述した実施の形態1および2においては、MFBデータの波形(図12(A))に関する第1相関指標値αとともにdMFB/dθ(MFBの一階微分値)データの波形(図12(B))に関する第2相関指標値βを利用することで、MFBの実測データがスパイク状のノイズの影響を受けていることを熱歪の影響があるケースと切り分けて判定することができる。
ここで、MFBの実測データは、熱歪の影響とともにノイズの影響を受ける可能性がある。熱歪とノイズの双方の影響を受けている場合にも、第2相関指標値βは小さくなる。したがって、第2相関指標値βの大きさを評価するだけでは、熱歪の影響を単独で受けているケースと、熱歪とノイズの双方の影響を受けているケースとを判別することは難しいといえる。付け加えると、スパイク状のノイズに関して第2相関指標値βを用いて可能となる判定は、MFBの実測データがノイズの影響を受けているかどうかではなく、ノイズの影響を単独で受けているケースを、ノイズの影響の有無を含めて熱歪の影響を受けているケースと切り分けることであるといえる。
次に、図12(C)は、MFBの二階微分値(dMFB/dθ)のデータの波形を示している。MFBの実測データが熱歪の影響を受ける場合には、dMFB/dθのデータの波形は、図12(B)に示すように、θQmaxよりも後のクランク角期間において、ほぼ一定値を示す。したがって、当該クランク角期間におけるMFBの二階微分値は、ほぼゼロを示すようになる。このため、MFBの二階微分値によれば、図12(C)に示すように、熱歪の影響を極小化できることが分かる。
一方、スパイク状のノイズの影響を受けるケースでは、図12(C)に示すように、θQmaxよりも後のクランク角期間において、ノイズの影響が二階微分値に対し、熱歪の影響を受けるケースと比べて相対的に大きく表れるようになる。
図13は、ノイズおよび熱歪の影響と相関指標値α、βおよびγの大きさとの関係をまとめて表した図である。ここでは、dMFB/dθの実測データと基準データとの相関の度合いを示す相関指標値を「第3相関指標値γ」と称する。第3相関指標値γの算出は、上述した第1相関指標値α等の算出と同じ手法で行うことができる。ここでは、第3相関指標値γの評価期間は、一例として、上述の評価期間T2であるものとする。
図12を参照して行った考察の結果をまとめると、図13に示すようになる。ここで注目する関係は、図13中に太線で囲んだ2つのケースについてである。まず、図13に示すように、dMFB/dθに関する第2相関指標値βは、図12を参照して既述したように、熱歪の影響を単独で受けているケース、ならびに、熱歪およびノイズの双方の影響を受けているケースの何れにおいても小さくなる。
一方、dMFB/dθに関する第3相関指標値γは、図13を参照して既述したように、熱歪の影響を単独で受けているケースの方が、熱歪およびノイズの双方の影響を受けているケースと比べて大きくなる。したがって、これらのケースにおいて得られる第3相関指標値γを判別可能な値として、第3判定値γth(正の値)を予め適切に設定しておくことで、第3相関指標値γと第3判定値γthとの比較結果に基づいて、熱歪の影響を単独で受けているケースと、熱歪およびノイズの双方の影響を受けているケースとを適切に判別できるようになる。
(実施の形態3における具体的処理)
図14は、本発明の実施の形態3においてECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。なお、図14において、実施の形態1における図9に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図14に示すルーチンでは、ECU40は、ステップ122において第2相関指標値βが第2判定値βth未満であると判定した場合には、ステップ300に進む。ステップ300では、ステップ116において算出されたdMFB/dθの基準データをクランク角度θで微分することにより、dMFB/dθの基準データ(MFBの基準二階微分データ)が評価期間T2を対象として算出される。
次に、ECU40は、ステップ302に進み、ステップ118において算出されたdMFB/dθの実測データをクランク角度θで微分することにより、dMFB/dθの実測データ(MFBの実測二階微分データ)が算出される。
次に、ECU40は、ステップ304に進む。ステップ304では、ステップ300および302にてそれぞれ算出されたdMFB/dθの基準データおよび実測データを用いて、評価期間T2を対象として、上記(5)式を用いて第3相関指標値γが算出される。
次に、ECU40は、ステップ306に進む。ステップ306では、ステップ304にて算出された第3相関指標値γが所定の第3判定値γth以上であるか否かが判定される。本ステップ306で用いられる第3判定値γthは、上述のように、熱歪の影響を単独で受けている場合に得られる第3相関指標値γと、熱歪およびノイズの双方の影響を受けている場合に得られる第3相関指標値γとを判別可能な値として事前に設定されたものである。
ステップ306の判定が成立する場合(γ≧γth)には、熱歪の影響を単独で受けていることを要因としてMFBの実測データの相関性が低下していると判断することができる。この場合には、ECU40は、ステップ114に進み、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御の継続を許可する。
一方、ステップ306の判定が不成立となる場合(γ<γth)には、熱歪およびノイズの双方の影響を受けていることを要因としてMFBの実測データの相関性が低下していると判断することができる。この場合には、ECU40は、ステップ124に進む。この場合は、ステップ122の判定が不成立となったケースであるが、ステップ306にて熱歪とともにノイズの影響を受けていると判断されたことを受けて、筒内圧センサ30の電気回路に異常が生じていると判断され、MIL46を点灯させる処理が実行される。さらに、この場合には、SA−CA10フィードバック制御等が中止される(ステップ126)。
以上説明した図14に示すルーチンの処理によれば、第1相関指標値αおよび第2相関指標値βに加え、MFBの二階微分値であるdMFB/dθに関する第3相関指標値γをも利用して、実測データと基準データとの相関の度合いが評価される。これにより、熱歪の影響を単独で受けているケースと、熱歪およびノイズの双方の影響を受けているケースとを適切に判別できるようになる。
ところで、上述した実施の形態3においては、実施の形態1の図9に示すルーチンの処理に対して、本実施形態の第3相関指標値γを利用した処理(ステップ300〜306)を組み合わせた例について説明を行った。しかしながら、第3相関指標値γを利用した処理は、実施の形態2の図11に示すルーチンの処理と組み合わせて実行されるものであってもよい。具体的には、ステップ200の判定が成立する場合および不成立となる場合のそれぞれにおいて、上記処理(ステップ300〜306)を続けて実行すればよい。ただし、ステップ200の判定が不成立となった後に上記処理に進む場合には、シール部の異常と判定された場合であるため、その後にステップ306の判定が成立した場合には、ステップ114ではなくステップ126に進むように処理が変更されることが好ましい。
なお、上述した実施の形態3においては、ECU40がステップ304の処理を実行することにより本発明における「第3相関指標値算出手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図15〜図17を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
[実施の形態4における異常検出手法と異常検出時の対策]
図15は、熱発生量QおよびMFBの実測データに対するノイズ、熱歪および出力感度低下の影響を説明するための図である。なお、図15中に示すCA0およびCA100は正常波形のものである。筒内圧センサ30の出力感度は、センサ先端部(圧力検出部)へのデポジット付着などの理由によって低下することがある。筒内圧センサ30の感度低下が生じると、筒内圧センサ30の出力が低下する。その結果、熱発生量Qの実測データに関しては、図15(A)に示すように、正常時と比べて、燃焼期間中の熱発生量Qの上昇が緩やかになるとともに、最大熱発生量Qmaxが低下する。
一方、MFBの算出は、熱発生量Qの実測データの波形の違いによらずに、それぞれの波形の熱発生量Qの実測データにおける最大熱発生量QmaxをMFB100%として行われるものである。このため、図15(B)に示すように、感度低下が生じている場合のMFBの実測データの波形は、正常時の波形に十分に近いものとなる。
図15に示す各波形の特徴に着目すると、MFBの実測データが正常時の実測データ(基準データに相当)と相関の高いものであるとき(すなわち、MFBの実測データにノイズおよび熱歪の大きな影響が認められないとき)に、熱発生量Qの実測データが正常時の実測データ(基準データ)と相関が低いようであれば、MFBの実測データは感度低下の影響を受けていると判定できるといえる。
そこで、本実施形態では、第1相関指標値αが第1判定値αth1以上であって、熱発生量Qの実測データと基準データとの相関を示す第4相関指標値δが第4判定値δth未満である場合に、感度低下の影響があるケースであると判定することとした。そして、本実施形態では、感度低下を筒内圧センサ30に関する異常と捉えて、当該異常を運転者に知らせるためにMIL46を点灯させることとした。さらに、この場合には、SA−CA10フィードバック制御等の中止を行うこととした。
(実施の形態4における具体的処理)
図16は、本発明の実施の形態4においてECU40が実行するルーチンを示すフローチャートである。なお、図16において、実施の形態1における図9に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図16に示すルーチンでは、ECU40は、ステップ110において第1相関指標値αが第1判定値αth1以上であると判定した場合には、ステップ400に進む。ステップ400では、熱発生量Qの基準データが評価期間T3を対象として算出される。評価期間T3は、一例として、評価期間T1と同様に、点火時期から排気弁22の開き時期までのクランク角期間であるものとする。熱発生量Qの基準データは、一例として、図17を参照して以下に説明する手法を用いて算出することができる。
図17は、熱発生量Qの基準データの作成手法の一例を説明するための図である。図17は、クランク角度θをx座標値とし、熱発生量Qをy座標値とするxy平面(以下、「Q−θ平面」と称する)を表している。ここで説明する作成手法は、図10を参照して説明したMFBの基準データの作成手法と共通の思想に基づくものであり、直接的もしくは間接的な制御目標値である目標CA50および特定CA10が使用される。ただし、ここでの作成対象はMFBではなく熱発生量Qであるため、データの波形の形状を特定するための情報として、最大熱発生量Qmaxの値を必要とする。ここで用いられる最大熱発生量Qmaxの値は、例えば、エンジン運転条件(目標空燃比、エンジン回転速度および吸入空気量)に応じた最大熱発生量Qmaxの基準値(目標値)として事前にマップ化しておき、そのようなマップを参照して、現在のエンジン運転条件に基づいて算出することができる。
CA50は、熱発生量Qが最大熱発生量Qmaxの50%の値Q50%となる時のクランク角度であり、CA10は、熱発生量Qが最大熱発生量Qmaxの10%の値Q10%となる時のクランク角度である。このため、最大熱発生量Qmaxの基準値が上記のように定まれば、値Q50%と値Q10%とを算出することができる。そして、目標CA50に対応する値Q50%と特定CA10に対応する値Q10%とを利用することで、図17に示すQ−θ平面上において目標CA50および特定CA10がそれぞれ位置する点A’および点B’を定めることができる。このように定まる2点A’、B’を基に線形内挿と線形外挿とを行うことによって、燃焼開始点CA0から燃焼終了点CA100までのクランク角期間内の熱発生量Qの基準データを生成することができる。そして、CA0よりも前のクランク角期間の基準データについては、熱発生量Qがゼロであるデータとして生成され、CA100よりも後のクランク角期間の基準データについては、熱発生量Qが最大熱発生量Qmaxであるデータとして生成される。
次に、ECU40は、ステップ402に進む。ステップ402では、ステップ106におけるMFBの実測データの算出の過程で算出されている熱発生量Qの実測データが取得される。
次に、ECU40は、ステップ404に進む。ステップ404では、ステップ400および402にてそれぞれ算出された熱発生量Qの基準データおよび実測データを用いて、評価期間T3を対象として、上記(5)式を用いて第4相関指標値δが算出される。
次に、ECU40は、ステップ406に進む。ステップ406では、ステップ404にて算出された第4相関指標値δが所定の第4判定値δth未満であるか否かが判定される。第4相関指標値δは、感度低下の程度が高いほど大きくなる。本ステップ406で用いられる第4判定値δthは、異常として検出すべきレベルでの感度低下が生じたことを判別可能な値として予め設定されたものである。
ステップ406の判定が不成立である場合(δ≧δth)、すなわち、今回の燃焼サイクルにおける熱発生量Qの実測データが同一運転条件での基準データと相関の度合いの高いものであると判断できる場合には、ノイズおよび熱歪の影響だけでなく、感度低下の影響をも受けていないと判断される。この場合には、ECU40は、ステップ112に進み、今回の燃焼サイクルにおけるMFBの実測データは正常であると判定する。
一方、ステップ406の判定が成立する場合(δ<δth)、すなわち、ステップ110の判定が不成立であることでノイズおよび熱歪の影響が小さいと判断できる状況下において熱発生量Qに関するデータの相関性が低い場合には、感度低下の影響があるケースであると判断される。この場合には、ECU40は、ステップ408に進み、感度低下が生じていることを運転者に知らせるためにMIL46を点灯させる。次いで、ECU40は、ステップ126に進み、SA−CA10フィードバック制御等を中止させる。なお、既述したように、感度低下の要因の1つとしてセンサ先端部へのデポジットの堆積を挙げることができる。そこで、感度低下が生じた場合に運転者に知らせる情報には、筒内圧センサ30にデポジットが堆積している可能性があるためにデポジットを除去するための洗浄剤の使用を促すものを含めてもよい。
以上説明した図16に示すルーチンの処理によれば、第1相関指標値αとともに第4相関指標値δを利用することで、MFBの実測データがスパイク状のノイズの影響を受けていることを熱歪の影響があるケースと切り分けて判定できるだけでなく、感度低下の影響があるケースをも判定できるようになる。そして、この判定結果に基づき、異常発生時の適切な対策(SA−CA10フィードバック制御等の中止およびMIL46の点灯)をとれるようになる。
ところで、上述した実施の形態4においては、実施の形態1の図9に示すルーチンの処理に対して、第4相関指標値δを利用した処理(ステップ400〜408)を組み合わせた例について説明を行った。しかしながら、第4相関指標値δを利用した処理は、実施の形態2の図11に示すルーチンの処理もしくは実施の形態3の図14に示すルーチンの処理と組み合わせて実行されるものであってもよい。
なお、上述した実施の形態4においては、ECU40がステップ402の処理を実行することにより本発明における「熱発生量算出手段」が実現されており、ECU40がステップ404の処理を実行することにより本発明における「第4相関指標値算出手段」が実現されている。
ところで、上述した実施の形態1〜4においては、MFBデータに関する評価期間T1として、点火時期から排気弁22の開き時期までのクランク角期間を例示した。しかしながら、MFBデータに関する評価期間は、上記の例に限らず、吸気弁20の閉じ時期から排気弁22の開き時期までのクランク角期間の全体もしくは一部であればよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、dMFB/dθデータおよびdMFB/dθデータに関する評価期間T2(本発明においては、「第1特定クランク角期間」がこれに相当)として、θQmax(CA100)から排気弁22の開き時期(EVO)までのクランク角期間と、点火時期から燃焼開始点(CA0)までのクランク角期間とを例示した。しかしながら、当該第1特定クランク角期間は、図7および図12(C)に示す波形の特徴を捉えてθQmax以降の第1クランク角期間を中心とする評価を良好に行えるようにするために、θQmaxから排気弁22の開き時期までの第1クランク角期間と、吸気弁20の閉じ時期から燃焼開始点(CA0)までの第2クランク角期間のうちの少なくとも第1クランク角期間中の一部を含むものであればよい。例えば、上記第1クランク角期間と第2クランク角期間との和であってもよいし、第1クランク角期間の全体もしくは一部のみであってもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜4においては、熱発生量Qのデータに関する評価期間T3(本発明においては、「第2特定クランク角期間」がこれに相当)として、点火時期から排気弁22の開き時期までのクランク角期間を例示した。筒内圧センサ30の出力感度低下は、図15に示すように燃焼開始点(CA0)以降のクランク角期間の熱発生量Qのデータに影響を与える。このため、当該第2特定クランク角期間は、燃焼開始点から排気弁22の開き時期までの第3クランク角期間中の少なくとも一部を含むようになっていれば、上記の例に限られるものではなく、例えば、第3クランク角期間の全体もしくは一部であってもよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、第1相関指標値αが第1判定値αth1未満であって第2相関指標値βが第2判定値βth以上である場合には、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御のそれぞれの補正量を前回値で保持することによって、当該判定に用いられた第1および第2相関指標値αおよびβが算出された燃焼サイクルの実測CA10もしくは実測CA50がそれぞれのフィードバック制御に反映されることが中止されるようになっている。しかしながら、このような中止の態様は、補正量の前回値を保持する例に限らず、例えば、それぞれの補正量をゼロとするものであってもよい。補正量を前回値で保持すれば、今回の燃焼サイクルにおける実測CA10等がフィードバックされることが中止されるが、過去のフィードバック結果を用いた燃料噴射量等の調整は継続されることになる。一方、補正量をゼロとすれば、過去のフィードバック結果の利用自体も中止されることになる。また、上記フィードバック制御を中止するのではなく、フィードバックゲインを下げつつ当該フィードバック制御を行うようにしてもよい。このような手法は、今回の燃焼サイクルにおける実測CA10等がSA−CA10フィードバック制御等に反映される度合いを第1相関指標値αが第1判定値αth1以上である場合と比べて低くすることの一例に相当する。以上のことは、図11においてステップ200の判定が不成立となったことを受けてエンジン制御が変更される場合、図14においてステップ306の判定が不成立となったことを受けてエンジン制御が変更される場合、および、図16においてステップ406の判定が成立したことを受けてエンジン制御が変更される場合についても同様である。ただし、ステップ406の判定が成立したことを受けて今回の燃焼サイクルにおける実測CA10等がSA−CA10フィードバック制御等に反映される度合いを低くする場合、その比較対象は、第4相関指標値δが第4判定値δth以上である場合となる。
また、上述した実施の形態1〜4においては、各種異常判定に伴うMIL46の点灯と、SA−CA10フィードバック制御等の中止の双方を実施することとしている。しかしながら、このような実施態様に代え、MIL46の点灯を行わずに、SA−CA10フィードバック制御等の中止といったエンジン制御の変更のみが実施されてもよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、相関指標値α、β、γおよびδの算出のために、相互相関関数を用いている。しかしながら、本発明における「相関指標値」の算出手法は、必ずしも相互相関関数を用いるものに限られない。すなわち、当該算出手法は、例えば、所定の評価期間を対象として、同一クランク角度での各種実測データとこれに対応する基準データとの差の二乗を合計して得られる値(いわゆる、残差二乗和)であってもよい。残差二乗和の場合には、相関の度合いが高いほど、値が小さくなる。本発明における「相関指標値」は、より具体的には、相関の度合いが高いほど大きな値としている。したがって、残差二乗和を利用する場合には、「相関指標値」は残差二乗和の逆数を用いればよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、図10または図17に示すように制御目標値を利用して各種の基準データを算出することとしている。しかしながら、本発明においてエンジン運転状態に基づいてMFBの「基準データ」を算出する手法は、上記の例に限られず、例えば、Wiebe関数を用いてMFBを算出する公知の手法を利用するものであってもよい。熱発生量Qの「基準データ」についても、この公知の手法を利用して算出したMFBデータと、上述のように算出可能な最大熱発生量Qmaxの基準値とを用いて算出されてもよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、SA−CA10フィードバック制御とCA50フィードバック制御とを例示したが、本発明における「特定割合燃焼点の実測値に基づいて内燃機関のアクチュエータを制御するエンジン制御」とは、上記のようなフィードバック制御に限られない。すなわち、特定割合燃焼点CAXは、内燃機関のトルク変動もしくは失火の判定に用いることができる。したがって、上記エンジン制御には、上記判定の結果を受けて行われる所定のアクチュエータの制御も含まれる。また、本発明における「エンジン制御」の対象として用いられる特定割合燃焼点CAXは、CA10およびCA50に限られず、CA0からCA100までの範囲内から選択される任意の値であってもよく、例えば、90%燃焼点であるCA90であってもよい。さらには、例えば、CA10からCA50までのクランク角期間であるCA10−CA50のように、複数の特定割合燃焼点CAXの組み合わせが用いられていてもよい。
また、上述した実施の形態1〜4においては、SA−CA10フィードバック制御およびCA50フィードバック制御の実施を伴うリーンバーン運転時に、相関指標値α等に基づくMFBデータ等の相関の度合いの評価を行うこととしている。しかしながら、当該評価は、特定割合燃焼点CAXに基づくエンジン制御を行っていることを前提として、リーンバーン運転時に限らず、例えば、理論空燃比燃焼運転時に行われるようになっていてもよい。
10 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
16 吸気通路
18 排気通路
20 吸気弁
22 排気弁
24 スロットルバルブ
26 燃料噴射弁
28 点火装置
30 筒内圧センサ
40 電子制御ユニット(ECU)
42 クランク角センサ
44 エアフローメータ
46 故障表示灯(MIL)

Claims (4)

  1. 筒内圧を検出する筒内圧センサと、
    クランク角度を検出するクランク角センサと、
    前記筒内圧センサにより検出される筒内圧と前記クランク角センサにより検出されるクランク角度とに基づいて、クランク角度と同期した燃焼質量割合の実測データを算出する燃焼質量割合算出手段と、
    燃焼質量割合の実測データに基づいて燃焼質量割合が特定割合となる時のクランク角度である特定割合燃焼点の実測値を算出し、当該特定割合燃焼点の実測値に基づいて内燃機関のアクチュエータを制御するエンジン制御を実行する制御手段と、
    燃焼質量割合の前記実測データと、前記内燃機関の運転条件に基づく燃焼質量割合の基準データとの相関の度合いを示す第1相関指標値を算出する第1相関指標値算出手段と、
    燃焼による筒内の熱発生量が最大値に到達する熱発生量最大クランク角度から排気弁の開き時期までの第1クランク角期間と、吸気弁の閉じ時期から燃焼開始点までの第2クランク角期間のうちの少なくとも前記第1クランク角期間中の一部を含む第1特定クランク角期間を対象として、燃焼質量割合の前記実測データをクランク角度で微分して得られる実測一階微分データと、燃焼質量割合の前記基準データをクランク角度で微分して得られる基準一階微分データとの相関の度合いを示す第2相関指標値を算出する第2相関指標値算出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記第1相関指標値が第1判定値未満であって前記第2相関指標値が第2判定値以上である場合には、当該判定に用いられた前記第1および前記第2相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第1相関指標値が前記第1判定値以上である場合と比べて低くすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記第1特定クランク角期間を対象として、前記実測一階微分データをクランク角度で微分して得られる実測二階微分データと、前記基準一階微分データをクランク角度で微分して得られる基準二階微分データとの相関の度合いを示す第3相関指標値を算出する第3相関指標値算出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1相関指標値が前記第1判定値未満であって前記第2相関指標値が前記第2判定値未満である状況下において前記第3相関指標値が第3判定値未満である場合には、当該判定に用いられた前記第1、前記第2および前記第3相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第1相関指標値が前記第1判定値以上である場合と比べて低くすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記筒内圧センサにより検出される筒内圧と前記クランク角センサにより検出されるクランク角度とに基づいて、クランク角度と同期した前記熱発生量の実測データを算出する熱発生量算出手段と、
    燃焼開始点から前記排気弁の開き時期までの第3クランク角期間中の少なくとも一部を含む第2特定クランク角期間を対象として、前記熱発生量の前記実測データと、前記運転条件および最大熱発生量の基準値に基づく前記熱発生量の基準データとの相関の度合いを示す第4相関指標値を算出する第4相関指標値算出手段と、
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1相関指標値が前記第1判定値以上であって前記第4相関指標値が第4判定値未満となる場合には、当該判定に用いられた前記第1および前記第4相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第4相関指標値が前記第4判定値以上である場合と比べて低くすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1相関指標値が前記第1判定値よりも小さな第5判定値未満であって前記第2相関指標値が前記第2判定値未満である場合には、当該判定に用いられた前記第1および前記第2相関指標値が算出された燃焼サイクルにおける特定割合燃焼点の実測値が、前記エンジン制御に反映されることを中止し、もしくは、当該エンジン制御に反映される度合いを当該第1相関指標値が前記第1判定値以上である場合と比べて低くすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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