JP2007023312A - 真空処理装置用の回転シール機構および真空処理装置 - Google Patents

真空処理装置用の回転シール機構および真空処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 シール部材のシール性能を適正に判定することを可能にした真空処理装置用の回転シール機構および真空処理装置を提供する。
【解決手段】 回転シール機構101は、筒状の中空回転軸25と、筒状のケーシング部材23と、中空回転軸25を回転可能な駆動装置31と、ケーシング部材23の外部から中空回転軸25の中空部に亘るように形成された冷却液体の流路H1、H2と、前記流路H1、H2の途中に位置して、中空回転軸25またはケーシング部材23の少なくとも何れか一方に設けられた環状かつ溝状の冷却液体貯留部S1と、冷却液体貯留部S1をシールする一対の環状のシール部材51、52と、中空回転軸25の回転時の、シール部材51、52の液体シール性能に関連する情報を検知する検知手段82と、この情報に基づいて、シール部材51、52の液体シール性能を判定する制御装置80と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、真空処理装置用の回転シール機構および真空処理装置に係り、更に詳しくは、シール部材の液体シール技術に関する。
半導体素子、光学素子等の用途に用いる基板への膜形成には、イオンプレーティング法やスパッタリング法等の真空成膜方法が多用されている。
こうした真空膜形成においては、例えば、蒸発源から基板にもたらされる輻射熱や基板に堆積した物質の基板への伝導熱によって基板の温度が過度に上昇する場合があり、プラスチック基板等の熱影響に対し脆弱な基板であれば、熱ダメージを受けることが懸念される。
このため、熱ダメージを受け易いプラスチック基板等を使用する真空成膜装置には、従来から基板を保持する基板ホルダに冷媒(例えば、冷却水)を循環して基板を冷却する機能が付与され、これにより基板ホルダを介して冷却水との熱交換により基板が、適切に冷却するように構成されている(特許文献1参照)。
ところで、こうした基板冷却技術との組合せにおいて、基板ホルダに配した多数の基板を基板ホルダと共に回転させ、これらの基板に堆積する膜の均一化を図る技術も、既に開発されている。
例えば、中空部を有する回転体が基板ホルダを保持してなり、この回転体の中空部に、基板ホルダに循環させる冷却水通流用の配管を配置して構成する基板冷却および回転技術がある。そして、この様な回転体の内側構造には、回転体を回転させつつ冷却水を回転体の内外において案内するための冷却水通水構造と、回転体の摺動面の僅かな間隙を伝って回転体の軸方向に漏洩する冷却水を封止する環状のシール部材とが、標準的に設けられている。
実開平2−25564号公報
ところで、上記シール部材は、回転体の摺動面との接触摩擦により磨耗劣化する消耗品であり、シール部材の冷却水シール性能(磨耗劣化)の正確な把握は、真空処理装置の成膜効率化の観点から望まれている。
例えば、仮にシール部材の過度な磨耗により、そこから漏洩した冷却水が真空槽の内部を汚染すれば、その後の真空処理装置の排気速度が大幅に低下して、真空成膜プロセスの非効率化を招くことになる。
その一方、シール部材の磨耗劣化に対する対処法を示した公知文献例として、特開2004−68965号公報(以下、「従来公報」という。)があり、この従来公報には蒸気タービンやガスタービン等の高温高圧の作動流体をシールするブラシシールの磨耗劣化を、ブラシシール下流側の作動流体の圧力の多寡に応じて診断する診断技術と共に、この診断に異常があれば、上記作動流体の圧力に応じてブラシシールの押圧力を調整するというシール性能回復技術が記載されている。
しかしながら、この従来公報には、作動流体圧力データとしての診断指標と、ブラシシールの磨耗劣化との間の関連性について、単なる定性的な傾向が記載されているに過ぎず、この従来公報に記載の診断技術を、真空処理装置のシール部材の磨耗劣化対処に適用した際に、シール部材の冷却水シール性能に関する適正な情報が得られるか否か疑問がある。
例えば、真空処理装置の冷却水圧力データは、冷水機の吐出圧や冷却水の温度等の物性値と複雑に絡み合って時々刻々変動する可能性があり、この従来公報に依拠して取得した圧力データが、シール部材の冷却水シール性能を具体的に反映した情報源として最適であるとは言い難いと、本件発明者等は考えている。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、シール部材の液体シール性能を適正に判定することを可能にした真空処理装置用の回転シール機構およびこれを備えた真空処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、シール部材の液体シール性能判定結果に基づいて、シール部材の液体シール性能を簡易かつ適正に調整可能な真空処理装置用の回転シール機構およびこれを備えた真空処置装置を提供することも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る真空処理装置用の回転シール機構は、筒状の中空回転軸と、
前記中空回転軸の外側に位置するようにして前記中空回転軸と同軸状に嵌合し、前記中空回転軸を回転自在に支持する筒状のケーシング部材と、前記中空回転軸を回転可能な駆動装置と、前記ケーシング部材の外部から前記中空回転軸の中空部に亘るように形成された冷却液体の流路と、前記流路の途中に位置して、前記中空回転軸または前記ケーシング部材の少なくとも何れか一方に設けられた環状かつ溝状の冷却液体貯留部と、前記中空回転軸と前記ケーシング部材との隙間に前記冷却液体貯留部を挟むように配設され、前記冷却液体貯留部をシールする一対の環状のシール部材と、前記中空回転軸の回転時の、前記シール部材の液体シール性能に関連する情報を検知する検知手段と、前記情報に基づいて前記シール部材の液体シール性能を判定する制御装置と、を備えて構成される。
具体的には、前記シール部材は、前記中空回転軸と前記ケーシング部材との間の隙間に浸入した冷却液体が前記中心軸の方向に前記隙間から漏れることを、前記中空回転軸または前記ケーシング部材との接触圧により抑制可能であっても良く、前記情報は、前記接触圧の状態に関連する相関データであっても良い。
ここで、前記相関データの一例は、前記中空回転軸の回転時の、前記駆動装置の負荷電流である。また、前記相関データの他の例は、前記冷却液体の単位時間当たりの漏れ量の容積である。また、前記相関データの他の例は、前記冷却液体の単位時間当たりの漏れ量の重量である。また、前記相関データの他の例は、前記ケーシング部材の外部を流れる前記冷却液体の流量の単位時間当たりの差分である。
このような回転シール機構によれば、シール部材を中空回転軸に押し付けてこの中空回転軸を回転させた際の、シール部材の磨耗劣化に関連するシール部材の液体シール性能の有効な指標が特定され、回転シール機構の制御装置が、この指標データに基づいて、予め設定された基準データとの比較によりシール部材の液体シール性能を適正に判定できる。
また、上記相関データは何れも、シール部材の磨耗劣化に関連した中空回転軸との接触圧の状態に対応するデータであって、これはシール部材の液体シール性能の有効な指標になる。
ここで、前記ケーシング部材を貫通して前記冷却液体を前記ケーシング部材の径方向に導いてなる第1の貫通孔と、前記中空回転軸を貫通して前記冷却液体を前記中空回転軸の径方向に導いてなる第2の貫通孔と、を備え、前記冷却液体貯留部は、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔に連通し、複数の基板を装着した状態で前記第2の貫通孔に連通する液体通路を有する基板ホルダを介して、前記冷却液体が前記液体通路を流れる際に、前記基板が前記冷却液体との熱交換により冷却されても良い。
これにより、この回転シール機構を真空成膜装置用の基板ホルダを回転させる回転体として使用する際に、基板ホルダに装着された基板を適温に冷却できて好適である。
更に、この回転シール機構が、以下に述べるような各種の前記接触圧を調整する接触圧調整手段を有して構成されても良い。
前記接触圧調整手段の一例として、弾性力に基づいて前記シール部材を前記中空回転軸または前記ケーシング部材に対して付勢する弾性部材と、前記弾性部材を、前記接触圧を増す方向に変形可能な前記弾性部材の押圧部材と、を備え、前記シール部材の液体シール性能の判定結果に基づき、前記押圧部材の押圧に応じた前記弾性力の多寡により前記接触圧が調整されても良い。
また、前記接触圧調整手段の他の例として、流体圧力に基づいて前記シール部材を前記ケーシング部材に対して付勢する流体供給装置を備え、前記シール部材の液体シール性能の判定結果に基づき、前記流体供給装置の流体供給量に応じた前記流体圧力の多寡により前記接触圧が調整されても良い。
更に、前記接触圧調整手段の他の例として、前記ケーシング部材と前記中空回転軸との間に設けられ、前記シール部材を保持してこれを前記中心軸の方向に移動してなる筒状可動体を備え、前記筒状可動体は、前記シール部材との間の接触反力により、前記シール部材を前記中空回転軸に対して付勢可能に構成され、前記シール部材の液体シール性能の判定結果に基づき、前記筒状可動体の前記中心軸の方向の可動位置に応じた前記接触反力の多寡により前記接触圧が調整されても良い。
なおこの場合、前記中心軸の方向において前記中空回転軸の壁部の肉厚量の変化に応じた前記接触反力の多寡により前記接触圧が調整されても良い。例えば、前記中空回転軸の外周面が、前記中心軸の方向において段差状に欠いた切り欠き部を有して構成され、これにより上記接触圧が調整されても良い。若しくは、前記中空回転軸の外周面が、前記中心軸の方向においてテーパ状に欠いた切り欠き部を有して構成され、これにより上記接触圧が調整されても良い。
これらの接触圧調整手段によれば、シール部材を中空回転軸に押し付けてこの中空回転軸を回転させた際の、シール部材の磨耗劣化に関連するシール部材の液体シール性能の判定結果に基づき、シール部材が磨耗劣化してもシール部材と中空回転軸との間の接触圧が簡易かつ適正に調整され、これにより、シール部材の磨耗劣化による寿命(部品交換期間)を延ばすことが可能になる。
なお、本発明に係る真空処理装置は、上記回転シール機構と、前記中空回転軸の中空部と連通した、減圧可能な空間を有する真空槽と、を備えて構成されても良く、この真空処理装置の一例として、イオンプレーティング装置やスパッタリング装置等の真空成膜装置がある。
本発明によれば、シール部材の液体シール性能を適正に判定することを可能にした真空処理装置用の回転シール機構およびこれを備えた真空処理装置を提供することができる。
また、本発明によれば、シール部材の液体シール性能判定結果に基づいて、シール部材の液体シール性能を簡易かつ適正に調整可能な真空処理装置用の回転シール機構およびこれを備えた真空処置装置を提供することもできる。
以下、本発明の実施の形態1、2について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転シール機構を備えた真空処理装置の一構成例を示した断面図である。
真空処理装置100は、略円筒状の回転シール機構101と、この回転シール機構101の中空部102と連通して減圧可能な内部空間12を有する箱型の真空槽10と、を備えて構成されている。
ここで、この回転シール機構101の中空回転軸25の内部に相当する中空部102に配置された第1の冷却水内配管57Aを流れ、かつ適温に冷やされた冷却水は、基板ホルダ40の冷却水通路41(詳細構造は省略。)の入口に導かれた後、基板(不図示)との熱交換により温められ冷却水通路41の出口を通って同じく中空部102に配置された第2の冷却水内配管57Bを流れて、回転シール機構101の外部に排出される。要するに、基板ホルダ40に装着された状態で膜堆積プロセスにより加熱された多数の基板は、冷却水(冷媒)が冷却水通路41を流れる間に、この冷却水との熱交換により適正な温度に保たれている。
また、この回転シール機構101は、基板への膜堆積プロセス中に、この基板を保持する基板ホルダ40を回転させて、基板に堆積する膜の均一化を図るように構成されている。
以下、回転シール機構101の詳細な構成を、図1を参照して説明する。
回転シール機構101は、主として図1に示す如く、真空槽10の壁部11(上壁)に設けられた孔に気密に装着される円筒状のステンレス製のケーシング部材23およびこのケーシング部材23の内側に、ケーシング部材23の中心軸105と同軸状にケーシング部材23に対して回転可能に配設された円筒状のステンレス製の中空回転軸25を備えて構成されている。そして、円筒状の内蓋21は、これらのケーシング部材23および中空回転軸25の方向上端に当接する鍔部21Sを有して中空回転軸25の中空部102に挿入される。また、円盤状の外蓋20は、この内蓋21の鍔部21Sに密接して、中空回転軸25(内蓋21)の中空部102の上端開口を塞いで配置される。このような状態において、環状の上方軸受22および下方軸受27は、ケーシング部材23の内周面に固定され、これにより、中空回転軸25が回転自在に支持されることになる。更に、ケーシング部材23と中空回転軸25との間の空間内に配置され、中空回転軸25の外周面に設けられたスプロケット33が配設されている。
ここで、この回転シール機構101は、スプロケット33に巻き掛けられたベルト32に回転駆動力を伝達する中空回転軸25回転用のインバータ駆動定トルク回転モータ31(以下、「回転モータ31」という。)により、ケーシング部材23に対し中空回転軸25を回転可能に構成される。即ち、ベルト32は、ケーシング部材23に設けられた開口を通って回転モータ31の回転軸(不図示)およびスプロケット33に連結されている。
また、回転シール機構101の中空回転軸25の壁部に接続された第1および第2の冷却水内配管57A、57Bを介して基板ホルダ40が回転シール機構101に保持され、これにより、基板ホルダ40は、中心軸105を中心にして約30rpmの回転速度で回転する。
また、回転シール機構101のケーシング部材23の鍔部23Sの、真空槽10の上壁部との間の接触面には、環状溝が形成され、ここにOリング30(環状パッキング)を配設することにより、適宜の固定手段(不図示)に基づき両者が固定され適切に真空シールされている。
同様に、内蓋21の鍔部21Sへの、外蓋20の接触面には、環状溝が形成され、ここにOリング29(環状パッキング)を配設することにより、適宜の固定手段(不図示)に基づき両者が固定され適切に真空シールされている。
また、中空回転軸25と、固定された内蓋21の筒部との間には、環状の第1の真空シール部材24が配設され、回転可能な中空回転軸25と、固定されたケーシング部材23との間に環状の第2の真空シール部材28が配設され、これにより、中空回転軸25と内蓋21の筒部との間および中空回転軸25とケーシング部材23との間が、中空回転軸25の回転時において適切に真空シールされている。
更に、ケーシング部材23の壁部には、冷却水循環ポンプ(不図示)から延びて第1の冷却水外配管13Aに接続する第1の貫通孔H1が配設され、この第1の貫通孔H1と同一高さ位置の中空回転軸25の壁部には、第1の冷却水内配管57Aに接続する第2の貫通孔H2が配設されている。
ここで、中空回転軸25はケーシング部材23に対して回転可能に構成されることから、第1の貫通孔H1と第2の貫通孔H2との間の、中空回転軸25の外周面に冷却水をこの外周面に沿って周方向に回すための溝状の第1の環状水通路S1(冷却液体貯留部としての環状空間;環状凹部)が設けられ、これにより、第1の冷却水外配管13Aを流れる冷却水が、中空回転軸25の回転時には約0.5MPaの水圧でもって第1の環状水通路S1を介してスムーズに第1の貫通孔H1から第2の貫通孔H2に向けて通流可能であり、第1および第2の貫通孔H1、H2を通過した冷却水が、中空回転軸25の中空部102に存在する第1の冷却水内配管57Aを通ってその下流側の基板ホルダ40に送られる。
同様に、ケーシング部材23には、冷水機(不図示)から延びて第2の冷却水外配管13Bに接続する第3の貫通孔H3が配設され、この第3の貫通孔H3と同一高さ位置の中空回転軸25には、第2の冷却水内配管57Bに接続する第4の貫通孔H4が配設されている。
中空回転軸25はケーシング部材23に対して回転可能に構成されることから、第3の貫通孔H3と第4の貫通孔H4との間の、中空回転軸25の外周面に冷却水をこの外周面に沿って周方向に回すための溝状の第2の環状水通路S2(冷却液体貯留部としての環状空間;環状凹部)が設けられ、これにより、第2の冷却水内配管57Bを流れる冷却水が、中空回転軸25の回転時には約0.5MPaの水圧でもって第2の環状水通路S2を介してスムーズに第4の貫通孔H4から第3の貫通孔H3に向けて通流可能であり、第3および第4の貫通孔H3、H4を通過した冷却水が、第2の冷却水外配管13Bを通ってその下流側の冷水機に送られ、冷水機により適温に冷却された冷却水が、再び冷却水循環ポンプにより第1の冷却水外配管13Aに還流される。
なおここでは、第1および第2の環状水通路S1、S2を中空回転軸25の外周面に設けた構成例を述べたが、こうした環状水通路をケーシング部材23の内周面に配設しても良く、中空回転軸25の外周面とケーシング部材23の内周面の両方に跨って配設しても良い。
また、図1に示す如く、第1の環状水通路S1の高さ位置と第2の環状水通路S2の高さ位置とは、違えて構成され、これにより、第1の環状水通路S1を流れる冷却水と、第2の環状水通路S2を流れる冷却水と、が互いに干渉しないように設計されている。
ここで、中空回転軸25の中心軸105方向に所定の間隔を隔てて第1の環状水通路S1を上下に挟んで区画するように上下の環状溝が、ケーシング部材23の内周面に形成され、これらの環状溝の各々には回転シール部材51および回転シール部材52が、中空回転軸25の外周面およびケーシング部材23の内周面の両方に当接して配置されている。
要するに、この様な一対の環状の回転シール部材51、52は、中空回転軸25とケーシング部材23との間の隙間に、第1の環状水通路S1を挟むように配設され、ケーシング部材23と回転シール部材51、52との間の接触反力の多寡により、中空回転軸25の外周面と回転シール部材51、52との間の接触圧が制御され、この接触圧により、第1の環状水通路S1からケーシング部材23および中空回転軸25の間の僅かな隙間(不図示)に浸入した冷却水が軸105の方向にこの隙間から漏れることを抑制するように構成されている。
同様に、中空回転軸25の中心軸方向に所定の間隔を隔てて第2の環状水通路S2を上下に挟んで区画するように上下の環状溝が、ケーシング部材23の内周面に形成され、これらの環状溝の各々には回転シール部材50および回転シール部材51が、中空回転軸25の外周面およびケーシング部材23の内周面の両方に当接して配置されている。
そして、この様な一対の環状の回転シール部材50、51は、中空回転軸25とケーシング部材23との間の隙間に、第2の環状水通路S2を挟むように配設され、ケーシング部材23とこれらの回転シール部材50、51との間の接触反力の多寡により、中空回転軸25の外周面と回転シール部材51、50の間の接触圧が制御され、この接触圧により、第2の環状水通路S2からケーシング部材23および中空回転軸25の間の僅かな隙間に浸入した冷却水が軸105の方向にこの隙間から漏れることを抑制するように構成されている。
なお、3つの回転シール部材50、51、52のうちの中心軸105の上下方向の中央に位置する回転シール部材51は、第1の環状水通路S1の冷却水と第2の環状水通路S2の冷却水との混合を防止することから設けられており、冷却水の漏れ防止の観点から必須の部品では無い。
またここでは、ケーシング部材23の内周面に回転シール部材50、51、52を収納する環状溝を設けた例を述べたが、こうした環状溝を中空回転軸25の外周面に配設しても良い。
次に、各回転シール部材50、51、52の具体的な構成を述べる。
各回転シール部材50、51、52は、フッ素樹脂からなる環状かつ剛性の内リング50A、51A、52Aを有してなり、この内リング50A、51A、52Aの外面に当接して、所定の弾性力により内リング50A、51A、52Aを内側に付勢可能な、Oリング等のゴム製の弾性部材としての環状の外リング50B、51B、52Bが設けられている。
この様な回転シール部材50、51、52によれば、外リング50B、51B、52Bの弾性変形に基づく内リング50A、51A、52Aの外面への付勢力により、内リング50A、51A、52Aの内面が、中空回転軸25の外周面に所定の接触圧のもとに押し付けられることになる。
こうして内リング50A、51A、52Aの内面と中空回転軸25の外周面との間の適正な接触圧の確保により、回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能が有効に発揮される。
なおここでは、内リング50A、51A、52Aと、外リング50B、51B、52Bと、を回転シール部材50、51、52の構成部品として扱うが、正確には、外リング50B、51B、52Bは、回転シール部材としての内リング50A、51A、52Aを中空回転軸25に対して付勢する弾性部材として機能するものである。
次に、回転シール部材50、51、52を潜って中心軸105の方向に漏れた冷却水の、回転シール機構101による排水構成を述べる。
最上段の回転シール部材50の上方に位置して、ケーシング部材23および中空回転軸25並びに上方軸受22により区画された環状の第1の冷却水溜まり部70は、第2の環状水通路S2内の冷却水の水圧により、この第2の環状水通路S2から回転シール部材50およびケーシング部材23の内周面と中空回転軸25の外周面との間の隙間を浸水して、更に上方に漏洩した冷却水を一時的に貯留する役割を果たす。
また、最下段の回転シール部材52の下方に位置して、ケーシング部材23および中空回転軸25並びに下方軸受27により区画された環状の第2の冷却水溜まり部71および環状の受部72は、第1の環状水通路S1内の冷却水の水圧により、この第1の環状水通路S1から回転シール部材52およびケーシング部材23の内周面と中空回転軸25の外周面との間の隙間を浸入して、更に下方に漏洩した冷却水を一時的に貯留する役割を果たす。
また、この受部72は第2の冷却水溜まり部71の内部に配置され、受部72の構成は、詳しくは、略矩形断面の環状の基部72aとこの基部72aの内周部から上方に突設された壁状のストッパ壁72bを有してなり、このストッパ壁72bは、第2の冷却水溜まり部71に到達した冷却水がその自重により更に下方の真空槽10の内部空間12に浸入することを防ぐ仕切板としての役割を担っている。
なお、基部72aの外周面と接触する、ケーシング部材23の内周面には、環状溝が形成され、ここにOリング77(環状パッキング)を配設することにより、適宜の固定手段(不図示)によって両者が固定され適切に真空シールされている。
また、ケーシング部材23をその径方向に貫通して第1の冷却水溜まり部70に連通するように第1のドレン孔73が、設けられており、第1の冷却水溜まり部70に溜まった冷却水が、この第1のドレン孔73を介して外部に排水され、これにより、第1の冷却水溜まり部70に溜まった冷却水が適正に水抜きされる。
同様に、ケーシング部材23をその径方向に貫通して第2の冷却水溜まり部71に連通するように第2のドレン孔74が、設けられており、第2の冷却水溜まり部71に溜まった冷却水が、この第2のドレン孔74を介して外部に排水され、これにより、第2の冷却水溜まり部71に溜まった冷却水が適正に水抜される。
回転シール機構101の制御装置80は、例えば、CPU(中央演算装置;不図示)と、真空処理装置100の各ユニットの制御プログラム等を予め格納したROM(リードオンリーメモリ;不図示)と、電流センサ82によって得られた回転モータ31の負荷電流データおよび第1および第2の冷却水量センサ75、76によって得られた冷却水の漏れ量データ並びに流量センサ78によって得られた冷却水の流量データの一時的な記憶部としてのRAM(ランダムアクセスメモリ;不図示)と、を備えて構成されている。
回転シール機構101の電流センサ82は、回転モータ31の負荷電流を検出するセンサであり、この負荷電流は、回転シール部材50、51、52を中空回転軸25の外周面に押し付けてこの中空回転軸25を回転させた際の、中空回転軸25に作用する回転トルクに対応している。そしてこの回転トルクは、回転シール部材50、51、52と中空回転軸25との間の冷却水シール性能(密着度合)に直接に対応している。
このことから、回転モータ31の負荷電流データは、回転シール部材50、51、52の内側のフッ素樹脂製の内リング50A、51A、52Aの磨耗劣化に関連して、中空回転軸25の外周面との接触圧の状態に対応する状態信号であって、これは回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の有効な指標になる。
また、回転シール機構101の第1の冷却水量センサ75は、単位時間当たりに第1のドレン孔73から排出された冷却水の漏れ容積量を検出可能なセンサであり、第2の冷却水量センサ76は、単位時間当たりに第2のドレン孔74から排出された冷却水の漏れ容積量を検出可能なセンサである。
これらの漏れ容積量データは、回転シール部材50、51、52を中空回転軸25の外周面に押し付けてこの中空回転軸25を回転させた際の、回転シール部材50、51、52の内側のフッ素樹脂製の内リング50A、51A、52Aの磨耗劣化に関連している。このため、中空回転軸25の外周面との接触圧の状態に対応する状態信号であって、これは回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の有効な指標になる。
なお、第1の冷却水量センサ75により第1のドレン孔73から排出された冷却水の重量を検知し、第2の冷却水量センサ76により第2のドレン孔74から排出された冷却水の重量を検知して得られた、単位時間当たりの冷却水の漏れ重量も同様に回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の有効な指標になる。
回転シール機構101の流量センサ78は、第2の環状水通路S2を流れる単位時間当たりの冷却水の流量を検出可能なセンサであり、第2の冷却水外配管13Bの途中に配設されている。
そして、流量センサ78により得られる流量データの単位時間当たりの流量の変動(差分)は、第1および第2の環状水通路S1、S2から漏洩する漏れ冷却水容積量に対応するものである。
このことから、この差分データは、回転シール部材50、51、52の内側のフッ素樹脂製の内リング50A、51A、52Aの磨耗劣化に関連している。このため、中空回転軸25の外周面との接触圧の状態に対応する状態信号であって、これは回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の有効な指標になる。
なお、この流量センサ78は、基板ホルダ40に供給する冷却水のトータル水量のモニター用として真空処理装置100に標準的に装備されたセンサであり、この流量センサ78を回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能評価に使えば、真空処理装置100の部品数を増やさずに済む。
こうして制御装置80のCPUは、ROMに格納された真空処理装置100の各ユニットの制御プラグラムを読み込み、例えば駆動回路81を介して回転モータ31の動作を制御可能であると共に、後程詳しく述べるように、電流センサ82により検出された電流データ、第1および第2の冷却水量センサ75、76により検出された冷却水の容積量データおよび流量センサ78により検出された冷却水流量を取得して、これらのデータをRAMに記憶させ、これらのデータのうちの何れかのデータに基づいて、予め設定された基準データとの比較により回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能を適正に判定する。
なお本明細書中の制御装置とは、複数の制御装置が協働して真空処理装置の各ユニットの動作を制御する制御装置群およびこれらの制御装置を統合した単一の制御装置の何れをも意味するものである。
次に、真空処理装置100の回転シール機構101における回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の判定動作を説明する。
図2は、制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材の冷却水シール性能判定ルーチンの一例を示したフローチャートである。
本判定ルーチンの開始タイミングは、作業者の手動によるルーチンスタート指令に基づいても良く、制御装置80による所定の期間毎の自動スタートに基づいても良い。
また、図3は、横軸に単位時間(例えば、1時間当たり)当たりに回転シール部材から漏洩する冷却水の漏れ容積量の相対数値(無負荷状態の最大漏れ容積量を「1」、最大負荷電流の最小漏れ容積量を「0」として、漏れ容積量の数値を表示)をとり、縦軸に回転モータの負荷電流の測定値(Am)の相対数値(最大負荷電流(αE;例えば3.7A程度)を「100%」、無負荷電流(αS;例えば2.4A程度)を「0%」として、負荷電流の測定値の数値を表示)をとって、これらの数値の相関を示した図である。
図3に示した通報漏れ容積量(L1)は、冷却水漏れ検知を作業者に通報する第1の基準負荷電流(α1)に対応し、この値は、回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の劣化が進行中であることを意味する。
また、ここに述べた通報漏れ容積量(L1)は、上記第1および第2のドレン孔73、74による水抜き機能が有効に発揮される程度の量に相当し、この状態においては真空処理装置100に対し真空槽10の内部空間12への冷却水浸入等の深刻な不具合を招く可能性は低い。
また、この通報漏れ容積量(L1)より漏れ量の多い許容限界漏れ容積量(L2)は、真空処理装置100を止め、回転シール交換を作業者に促す第2の基準負荷電流(α2)に対応し、この値は、回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の劣化が、最小限の冷却水シール性能さえ発揮し得ない深刻な状態に達したことを意味する。
即ち、ここに述べた許容限界漏れ容積量(L2)は、上記第1および第2のドレン孔73、74による水抜き機能の排水能力を超えた量に相当し、真空処理装置100に対し真空槽10の水汚染を招く可能性がある。
なお、第1および第2の基準負荷電流(α1)、(α2)および最大負荷電流(αE)並びに無負荷電流(αS)並びに通報漏れ容積量(L1)並びに許容限界漏れ容積量(L2)の各データは、予め設定された基準データとして制御装置80のROMに記憶され、適宜、CPUに読み込まれる。
図2に示す如く、制御装置80のCPUは、電流センサ82により検出されRAMに記憶された回転モータ31の負荷電流の測定値(Am)を読み込む(ステップS201)。なお、この負荷電流の測定値(Am)は、電流センサ82から得られた実測値の生データでは無く、図2に示した縦軸の値に対応可能なように規格化された数値である。
続いて、CPUは、この負荷電流の測定値(Am)が第1の基準負荷電流(α1)以下であるか否かを判定する(ステップS202)。
ここで、この負荷電流の測定値(Am)が第1の基準負荷電流(α1)以下であれば(ステップS202において「Yes」)、次の判定ステップに進み、CPUは、この負荷電流の測定値(Am)が第2の基準負荷電流(α2)以下であるか否かを判定する(ステップS203)。
そして、この負荷電流の測定値(Am)が第2の基準負荷電流(α2)以下であれば(ステップS203において「Yes」)、CPUは、真空処理装置100の停止および回転シール部材50、51、52の交換を、作業者に促すメッセージを適宜の表示部(不図示)に表示して(ステップS204)、本判定ルーチンを終える。
その一方、この負荷電流の測定値(Am)が第2の基準負荷電流(α2)を超える値であれば(但し、第1の基準負荷電流(α1)以下;ステップS203において「No」)、CPUは、冷却水漏れ検知を作業者に通報するメッセージを表示部に表示して(ステップS205)、本判定ルーチンを終える。
また、この負荷電流の測定値(Am)が第1の基準負荷電流(α1)を超える値であれば(ステップS202において「No」)、CPUは、回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の劣化が見られないと判定して、何らのメッセージも表示部に表示すること無く、本判定ルーチンを終える。
図4は、制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材の冷却水シール性能判定ルーチンの他の例を示したフローチャートである。
本判定ルーチンの開始タイミングは、作業者の手動によるルーチンスタート指令に基づいても良く、制御装置80による所定の期間毎の自動スタートに基づいても良い。
図4に示す如く、制御装置80のCPUは、第2の冷却水量センサ76により検出されRAMに記憶された、単位時間当たり(例えば、1時間当たり)の冷却水の漏れ容積量(Lm)を読み込む(ステップS401)。
この漏れ容積量(Lm)は、第2の冷却水量センサ76から得られた実測値の生データではなく、図2に示した横軸の値に対応可能なように規格化された数値である。
またここでは、第2の冷却水溜まり部71から下方に漏れた冷却水は、直接に真空槽10の内部空間12にまで浸入する可能性が高いということから、第2の冷却水量センサ76により検出された漏れ容積量(Lm)を読み込んでいるが、これに替えて、第1の冷却水量センサ75により検出された漏れ容積量を読み込んでも良い。
次に、CPUは、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量(L1)以上であるか否かを判定する(ステップS402)。
ここで、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量(L1)以上であれば(ステップS402において「Yes」)、次の判定ステップに進み、CPUは、この漏れ容積量(Lm)が許容限界漏れ容積量(L2)以上であるか否かを判定する(ステップS403)。
そして、この漏れ容積量(Lm)が許容限界漏れ容積量(L2)以上であれば(ステップS403において「Yes」)、CPUは、真空処理装置100の停止および回転シール部材50、51、52の交換を、作業者に促すメッセージを適宜の表示部(不図示)に表示して(ステップS404)、本判定ルーチンを終える。
その一方、この漏れ容積量(Lm)が許容限界漏れ容積量(L2)を下回る値であれば(但し、通報漏れ容積量(L1)以上;ステップS403において「No」)、CPUは、冷却水漏れ検知を作業者に通報するメッセージを表示部に表示して(ステップS405)、本判定ルーチンを終える。
また、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量(L1)を下回る値であれば(ステップS402において「No」)、CPUは、回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の劣化が見られないと判定して、何らのメッセージも表示部に表示すること無く、本判定ルーチンを終える。
以上に述べた真空処理装置100の回転シール機構101によれば、回転シール部材50、51、52を中空回転軸25の外周面に押し付けてこの中空回転軸25を回転させた際の、回転シール部材50、51、52(正確には内リング50A、51A、52A)の磨耗劣化に関連する回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能の有効な各種の指標が特定され、回転シール機構101の制御装置80が、この指標データに基づいて、予め設定された基準データとの比較により回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能を適正に判定できる。
なお本実施の形態では、中心軸105の上下方向の回転シール部材51、52により第1の環状水通路S1を挟み、中心軸105の上下方向の回転シール部材50、51により第2の環状水通路S2を挟むような回転シール部材50、51、52の配置構成例を述べたが、これに限らず、冷却水シール性能を向上させる観点から、例えば、同じ類の回転シール部材を多数段に亘って設けても良い。
〔変形例〕
図4に示したフローチャートのステップS401においては、CPUが、第2の冷却水量センサ76により検出されRAMに記憶された、単位時間当たり(例えば、1時間当たり)の冷却水の漏れ容積量(Lm)を読み込む処理例を説明した。
ここでは、その変形例として、CPUが、流量センサ78(図1参照)により検出されRAMに記憶された、単位時間毎(例えば、1時間毎)に回転シール機構101から排出される冷却水の流出流量を順次読み込み、この単位時間の間に変動する流出流量(即ち、前回読み込んだ流量との差分)を演算し、この値を漏れ容積量(Lm)として以下の処理を実行しても良い。
なお、後続の処理内容は、図4に示したステップS402〜ステップS405と同じであり、それの説明は省略する。
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、各回転シール部材50、51、52における冷却水漏れ検知機能および漏れ検知結果に基づく回転シール部材50、51、52の冷却水シール性能判定機能を有する形態について述べたが、ここでは、回転シール部材における冷却水シール性能の磨耗劣化をきたした際に、この回転シール部材の冷却水シール性能を復帰させる冷却水シール性能回復機能を有する形態を例示する。
図5および図6は、本発明の実施の形態2に係る回転シール機構を備えた真空処理装置の一構成例を示した断面図である。
なお、実施の形態1(図1)において述べた構成要素については、ここでは、同一の符号を付して省略するか若しくは略説する。
真空処理装置110の回転シール機構111は、実施の形態1と同様に、ケーシング部材23およびケーシング部材23の内部にケーシング部材23に対し回転可能に配設された中空回転軸25を備えて構成されている。
そして、円筒状のステンレス製の筒状可動体113は、上記ケーシング部材23および中空回転軸25の間の環状の空間112の略下半分に設けられる。この筒状可動体113は、ケーシング部材23および中空回転軸25の中心軸105の方向に沿って、この空間112の上半分の領域に移動するように構成されている。
また、第1の貫通孔H1と第2の貫通孔H2との間の連通を可能にする第5の貫通孔H5が、筒状可動体113に肉厚部を貫通するように配設され、第3の貫通孔H3と第4の貫通孔H4との間の連通を可能にする第6の貫通孔H6が、筒状可動体113に肉厚部を貫通するように配設されている。
そして、第5の貫通孔H5の一部を切り欠くように筒状可動体113の内周面には、第3の環状水通路S3(冷却液体貯留部としての環状空間;環状凹部)が設けられ、第6の貫通孔H6の一部を切り欠くように筒状可動体113の内周面には、第4の環状水通路S4(冷却液体貯留部としての環状空間;環状凹部)が設けられており、これらの第3および第4の環状水通路S3、S4は、図1に示した第1および第2の環状水通路S1、S2と同等の機能を果たす。
但し、筒状可動体113の中心軸105の方向の移動距離を見越して、図5および図6に示す如く、第5の貫通孔H5の高さ位置は、冷却水を通流可能な範囲内において第1および第2の貫通孔H1、H2の高さ位置に対して偏倚して構成され、第6の貫通孔H6の高さ位置は、冷却水を通流可能な範囲内において第3および第4の貫通孔H3、H4の高さ位置に対して偏倚して構成される。
ケーシング部材23の内周面と接触する面の筒状可動体113の外周面には、3つの環状溝が形成され、ここにOリング114(環状パッキング)を配設することにより、適切に真空および冷却水シールされている。
また、図1に示した回転シール部材50、51、52に同等の回転シール部材115、116、117が各々、中空回転軸25の外周面に当接された状態で筒状可動体113の内周面に設けられた3つの環状溝に収納されている。なお、回転シール部材115、116、117は、図1の回転シール部材50、51、52と同様に、内リングと外リングを備えて構成されているが、ここではこれらの回転シール部材115、116、117の詳細な構成の説明は省く。
その一方で、中空回転軸25の壁部の肉厚量は、中空回転軸25の中心軸105の方向において変化して、これにより、回転シール部材115、116、117は、筒状可動体113の中心軸105の方向の移動の際に、筒状可動体113との間の接触反力の多寡により、中空回転軸25の外周面に付勢可能に構成されている。
より具体的には、中空回転軸25の外周面には、図5のA部拡大図(a)に示す如く、中空回転軸25の壁部の肉厚量を変化させる一例として、中空回転軸25の軸方向において、筒状可動体113の内周面との間の距離を違えるように段差状(ステップ状)に欠いた切り欠き部201を設けて構成されている。若しくは、中空回転軸25の外周面には、図5のA部拡大図(b)に示す如く、中空回転軸25の壁部の肉厚量を変化させる他の例として、中空回転軸の軸方向において、筒状可動体113の内周面との間の距離を下方に向かって開くことを可能にするテーパ状(斜面状)に欠いた切り欠き部202を設けて構成されている。なおここでは、回転シール部材115の近傍の中空回転軸25の外周面の詳細構成を述べたが、勿論、回転シール116および回転シール部材117の近傍の中空回転軸25の外周面もこれと同様に構成されている。
次に、筒状可動体113を中心軸105の方向に移動させる構成例を、図面を参照して説明する。
図5および図6から理解されるとおり、円盤状の外蓋20から更に径方向外側に延在してなる円筒状の内蓋120の円環状の鍔部120Sの延在部分の適所(例えば、鍔部120Sの平面視における周方向90°間隔毎の4ヶ所)には、第1のボルト124の頭よりも大径の第1のボルト孔121が設けられている。
また、円環状の板部材122は、ケーシング部材23の中心軸105の方向の上方端部と鍔部120Sの両方に当接して適宜の固定手段(不図示)によりケーシング部材23に固定される。そして、この板部材122には、第1のボルト124の螺子部より大径かつ第1のボルト124の頭よりも小径の第2のボルト孔123が、第1のボルト孔121と同じ位置に設けられている。
更に、第1のボルト124の頭が板部材122に当接した状態において、第1のボルト124の螺子部が、第1および第2のボルト孔121、123を通って空間112の上半分の領域に至り、その結果、第1のボルト124の螺子部の先端が、筒状可動体113の中心軸105の方向上面に設けられた螺子孔125に螺着されている。そして、この螺子孔125は、第1のボルト124の更なる進入を許すようにより深く螺刻されている。
なお、筒状可動体113は、ケーシング部材23および中空回転軸25および第1のボルト124により軸移動に除いてその動きを規制されている。
この様な第1のボルト124の螺子部(雄ねじ)と筒状可動体113の螺子孔125(雌ねじ)との間のねじ嵌合によれば、第1のボルト124による螺子の締め付け力が、筒状可動体113の中心軸方向の移動作用力に変換される。即ち、第1のボルト124を螺子孔125に更に深く螺着させようとすれば、この第1のボルト124による螺着進行分、この第1のボルト124と噛み合った筒状可動体113は、中心軸105に沿って上方に移動せしめられる。
また、図5および図6に二点鎖線により記したように、筒状可動体113の中心軸105の方向の移動の際に、筒状可動体113の確実な位置決めを可能にするために、第1のボルト124と貫通位置を違えた箇所(例えば、鍔部120Sの平面視における第1のボルト124の貫通位置から45°ずれた箇所)に、鍔部120Sおよび板部材122を通してなる第2のボルト126を設けて、この第2のボルト126の先端を筒状可動体113の上面に当接させても良い。
こうすると、筒状可動体113の上面との当接による第2のボルト126の圧縮力とこの圧縮力に抗する第1のボルト124による筒状可動体113の引張力とによって、筒状可動体113の中心軸105の方向の動きが確実に規制され好適である。
以上に述べた筒状可動体113によれば、筒状可動体113の中心軸方向(即ちケーシング部材23および中空回転軸25の中心軸105の方向)の移動により、回転シール部材115、116、117と中空回転軸25との間の接触圧が調整可能になる。
要するに、回転シール部材115、116、117と中空回転軸25の外周面との間の当接部が凹部(中空回転軸25の壁部の最も薄肉の部分)と凸部(中空回転軸25の壁部の最も厚肉の部分)の略中央部分(例えば、中空回転軸25の壁部の肉厚の平均部分)に位置して、両者間に適度の接触圧が保たれた状態(図5の状態)から、仮に回転シール部材115、116、117の中空回転軸25との間の接触摩擦による回転シール部材115、116、117(正確には回転シール部材115、116、117のうちの内側にあるフッ素樹脂製の内リング)の磨耗劣化が進行すれば、回転シール部材115、116、117と中空回転軸25の外周面との間の当接部が凸部の略頂点に位置し、両者間の接触圧を増大させる状態(図6の状態)に移行することになる。
このような状態への移行が実行されると、回転シール部材115、116、117の磨耗劣化による接触圧低下を補うように、回転シール部材115、116、117と中空回転軸25との間の接触圧が適切に回復されて冷却水シール性能が適正に復帰され、延いては、回転シール部材115、116、117の磨耗劣化による寿命(部品交換期間)を延ばすことが可能になる。
次に、真空処理装置110の回転シール機構111における回転シール部材115、116、117と中空回転軸25との間の接触圧の調整動作を説明する。
図7は、制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材と中空回転軸との間の接触圧調整動作の一例を示したフローチャートである。
なお、本判定ルーチンの開始タイミングは、作業者の手動によるルーチンスタート指令に基づいても良く、制御装置80による所定の期間毎の自動スタートに基づいても良い。
図7に示す如く、制御装置80のCPUは、電流センサ82により検出されRAMに記憶された回転モータ31の負荷電流の測定値(Am)を読み込む(ステップS701)。この負荷電流の測定値(Am)は、電流センサ82から得られた実測値の生データではなく、図2に示した縦軸の値に対応可能なように規格化された数値である。
続いて、CPUは、この負荷電流の測定値(Am)が第1の基準負荷電流(α1)以下であるか否かを判定する(ステップS702)。
ここで、この負荷電流の測定値(Am)が第1の基準負荷電流(α1)以下であれば(ステップS702において「Yes」)、次のステップに進み、CPUは、冷却水漏れ検知を作業者に通報するメッセージを表示部に表示する(ステップS703)。
作業者がこのメッセージを知覚した際には、作業者は、回転シール部材115、116、117と中空回転軸25との間の接触圧を増す方向に、筒状可動体113を中心軸105に沿った所定距離分、移動させる。即ち、筒状可動体113の中心軸方向の可動位置に応じた回転シール部材115、116、117との間の接触反力の多寡により、上記接触圧が適正に調整される。
そして、CPUは、電流センサ82により検出されRAMに記憶された回転モータ31の負荷電流の測定値(Am)を再び読み込み(ステップS704)、この負荷電流の測定値(Am)が、最大負荷電流(αE)と第1の基準負荷電流(α1)との合算値の半分((αE+α1)/2)以上であるか否かを判定する(ステップS705)。
ここで、この負荷電流の測定値(Am)が、上記値((αE+α1)/2)未満であれば(ステップS705において「No」)、CPUは、ステップS703において冷却水漏れメッセージを再表示し、それ以後の処理が繰り返される。
一方、この負荷電流の測定値(Am)が、上記値((αE+α1)/2)以上であれば(ステップS705において「Yes」)、CPUは、回転シール部材115、116、117の冷却水シール性能が充分に改善したと判定して、本ルーチンを終える。
また、この負荷電流の測定値(Am)が第1の基準負荷電流(α1)を超える値であれば(ステップ702において「No」)、CPUは、回転シール部材115、116、117の冷却水シール性能の劣化が見られないと判定して、何らのメッセージも表示部に表示すること無く、本判定ルーチンを終える。
図8は、制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材と中空回転軸との間の接触圧調整動作の他の例を示したフローチャートである。
なお、本判定ルーチンの開始タイミングは、作業者の手動によるルーチンスタート指令に基づいても良く、制御装置80による所定の期間毎の自動スタートに基づいても良い。
図8に示す如く、制御装置80のCPUは、第2の冷却水量センサ76により検出されRAMに記憶された、単位時間当たり(例えば、1時間当たり)の冷却水の漏れ容積量(Lm)を読み込む(ステップS801)。この漏れ容積量(Lm)は、第2の冷却水量センサ76から得られた実測値の生データではなく、図2に示した横軸の値に対応可能なように規格化された数値である。
続いて、CPUは、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量(L1)以上であるか否かを判定する(ステップS802)。
ここで、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量(L1)以上であれば(ステップS802において「Yes」)、次のステップに進み、CPUは、冷却水漏れ検知を作業者に通報するメッセージを表示部に表示する(ステップS803)。
作業者がこのメッセージを知覚した際には、作業者は、回転シール部材115、116、117と中空回転軸25との間の接触圧を増す方向に、筒状可動体113を中心軸105に沿った所定距離分、移動させる。即ち、筒状可動体113の中心軸方向の可動位置に応じた回転シール部材115、116、117との間の接触反力の多寡により、上記接触圧が適正に調整される。
そして、CPUは、第2の冷却水量センサ76により検出されRAMに記憶された、単位時間当たり(例えば、1時間当たり)の冷却水の漏れ容積量(Lm)を再び読み込み(ステップS804)、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量の半分(L1/2)以下であるか否かを再び判定する(ステップS805)。
ここで、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量の半分(L1/2)を越えていれば(ステップS805において「No」)、CPUは、ステップS803において冷却水漏れ検知メッセージを再表示し、それ以降の処理が繰り返される。
一方、この漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量の半分(L1/2)以下であれば(ステップS805において「Yes」)、CPUは、回転シール部材115、116、117の冷却水シール性能が充分に改善したと判定して、本ルーチンを終える。
また、初期の漏れ容積量(Lm)が通報漏れ容積量(L1)未満であれば(ステップ802において「No」)、CPUは、回転シール部材115、116、117の冷却水シール性能の劣化が見られないと判定して、何らのメッセージも表示部に表示すること無く、本判定ルーチンを終える。
以上に述べた真空処理装置110の回転シール機構111によれば、回転シール部材115、116、117を中空回転軸25の外周面に押し付けてこの中空回転軸25を回転させた際の、回転シール部材115、116、117(正確には内リング)の磨耗劣化に関連する回転シール部材115、116、117の冷却水シール性能の判定結果に基づき、回転シール部材115、116、117が磨耗劣化しても回転シール部材115、116、117と中空回転軸25との間の接触圧が簡易かつ適正に調整され、これにより、回転シール部材115、116、117の磨耗劣化による寿命(部品交換期間)を延ばすことが可能になる。
〔変形例1〕
本実施の形態では、筒状可動体113の中心軸105の方向の移動による回転シール部材115、116、117と中空回転軸25との間の接触圧調整手段を述べたが、ここでは、この様な接触圧調整手段の変形例について図面を参照して説明する。
図9は、変形例1に係る回転シール機構の回転シール部材周辺構造を示した断面図である。
回転シール部材周辺構造130は、減圧可能な中空部134を有する中空回転軸137と、この中空回転軸137の外側に中空回転軸137と同軸状に配置されたケーシング部材138と、ケーシング部材138の内周面に段差状に設けられた、環状かつ鉛直上方を開口した凹部131と、この環状の凹部131の底に配置されたフッ素樹脂製の環状の内リング132A(シール部材)と、この内リング132Aの外面に当接して、弾性力によりこの内リング132Aを内側に付勢可能なゴム製の環状の外リング132B(弾性部材)と、適宜のアクチュエータ(不図示)でもたらされる押圧力により外リング132Bの全域を鉛直下方に押し付け可能な凸部を有する環状の押圧部材133と、を備えてなる。
なおここでは、ケーシング部材138に内外リング132A、132Bを固定させたうえで、中空回転軸137は、中心軸136を中心にしてケーシング部材138および内外リング132A、132Bに対して回転可能に構成されているが、中空回転軸137に内外リング132A、132Bを固定させ、これら中空回転軸137および内外リング132A、132Bを、中心軸136を中心にしてケーシング部材138に対して回転可能に構成することも可能である(但し、凹部131を中空回転軸137側に設けて、内外リング132A、132Bの配置を逆にすることを要する。)。
この様な回転シール部材周辺構造130によれば、外リング132Bの弾性力に基づいて、内リング132Aを中空回転軸137に付勢する付勢力が得られる。これにより、内リング132Aの内面と中空回転軸137の外周面との間の接触圧が適正に確保され、この接触圧に基づいて中空回転軸137の回転の際の、冷却水通水領域135に存在する冷却水の中心軸136の方向の漏れを防ぐように冷却水シール性能が発揮される。
一方、押圧部材133は、内リング132Aの内面と中空回転軸137の外周面との間の接触圧を増すように、上記鉛直押圧により外リング132Bの幅を広げる方向(水平方向)に外リング132Bを変形可能である。
このため、押圧部材133の押圧に応じた外リング132Bの弾性力の多寡により、仮に内リング132Aが磨耗劣化しても内リング132Aの内面と中空回転軸25の外周面との間の接触圧が簡易かつ適正に調整され、これにより、内リング132Aの磨耗劣化による寿命(部品交換期間)を延ばすことが可能になる。
〔変形例2〕
ここでは、接触圧調整手段の他の変形例について図面を参照して説明する。
図10は、変形例2に係る回転シール機構の回転シール部材周辺構造を示した断面図である。
回転シール部材周辺構造140は、減圧可能な中空部144を有する中空回転軸147と、この中空回転軸147の外側に中空回転軸147と同軸状に配置されたケーシング部材148と、ケーシング部材148の内周面に溝状に設けられた、環状の凹部141と、この環状の凹部141の内側に挿入された、環状かつ断面略U字状(U字の両端に外側に延びる突起142Aを有する。)ゴム製のシール部材142と、このシール部材142のU字底を中空回転軸147の外周面に固定するための取り付けバンド143と、ケーシング部材148の外部と凹部141との間を連通する連通孔149と、この連通孔149を介して凹部141にエアーや水等の流体を圧送供給可能な流体供給装置(不図示)と、を備えてなる。
なおここでは、中空回転軸147にシール部材142および取り付けバンド143を共に固定され、これらの中空回転軸147およびシール部材142並びに取り付けバンド143を、中心軸146を中心にしてケーシング部材148に対して回転可能に構成されている。
この様な回転シール部材周辺構造140によれば、流体供給装置から凹部141に圧送封入された流体(例えばエアー)の流体圧力により、シール部材142のU字の両腕は外側に開く如く、シール部材142をケーシング部材148に対して付勢する付勢力が得られる。これにより、シール部材142の突起142Aと凹部141の内面の間の接触圧が適正に確保され、この接触圧に基づいて中空回転軸25の回転の際の、冷却水通水領域145に存在する冷却水の中心軸146の方向の漏れを防ぐように冷却水シール性能が適正に発揮される。
一方、流体供給装置は、突起142Aと凹部141の内面との間の接触圧を増すように、流体供給量を増やすことができる。
このため、流体供給装置の流体供給量に応じた流体圧力の多寡により、仮にシール部材142の突起142Aが磨耗劣化しても突起142Aと凹部141の内面との間の接触圧が簡易かつ適正に調整され、これにより、シール部材142の磨耗劣化による寿命(部品交換期間)を延ばすことが可能になる。
本発明による真空処理装置用の回転シール機構によれば、シール部材の液体シール性能を適正に判定することが可能であり、例えば、真空処理用の基板を回転させつつ流動冷媒により冷却してなる真空処理装置の回転シール機構の用途に適用できる。
本発明の実施の形態1に係る回転シール機構を備えた真空処理装置の一構成例を示した断面図である。 制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材の冷却水シール性能判定ルーチンの一例を示したフローチャートである。 単位時間当たりに回転シール部材から漏洩する冷却水の漏れ容積量の相対数値と、回転モータの負荷電流の測定値(Am)の相対数値と、の相関を示した図である。 制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材の冷却水シール性能判定ルーチンの他の例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る回転シール機構を備えた真空処理装置の一構成例を示した断面図である。 本発明の実施の形態2に係る回転シール機構を備えた真空処理装置の一構成例を示した断面図である。 制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材と中空回転軸との間の接触圧調整動作の一例を示したフローチャートである。 制御装置のROMに格納された制御プログラムにより実行される回転シール部材と中空回転軸との間の接触圧調整の他の例を示したフローチャートである。 変形例1に係る回転シール機構の回転シール部材周辺構造を示した断面図である。 変形例2に係る回転シール機構の回転シール部材周辺構造を示した断面図である。
符号の説明
10 真空槽
11 壁部
12 内部空間
13A 第1の冷却水外配管
13B 第2の冷却水外配管
20 外蓋
21、120 内蓋
21S、120S 内蓋の鍔部
22 上方軸受
23、138、148 ケーシング部材
23S ケーシング部材の鍔部
24 第1の真空シール部材
25、137、147 中空回転軸
27 下方軸受
28 第2の真空シール部材
29、30、77、114 Oリング
31 回転モータ
32 ベルト
33 スプロケット
40 基板ホルダ
41 冷却水通路
50、51、52、115、116、117 回転シール部材
50A、51A、52A、132A 内リング
50B、51B、52B、132B 外リング
57A 第1の冷却水内配管
57B 第2の冷却水内配管
70 第1の冷却水溜まり部
71 第2の冷却水溜まり部
72 受部
72a 基部
72b ストッパ壁
73 第1のドレン孔
74 第2のドレン孔
75 第1の冷却水量センサ
76 第2の冷却水量センサ
78 流量センサ
80 制御装置
81 駆動回路
82 電流センサ
100、110 真空処理装置
101、111 回転シール機構
102、134、144 中空部
105、136、146 中心軸
112 空間
113 筒状可動体
121 第1のボルト孔
122 板部材
123 第2のボルト孔
124 第1のボルト
125 螺子孔
126 第2のボルト
130、140 回転シール部材周辺構造
131、141 凹部
133 押圧部材
135、145 冷却水通水領域
142 シール部材
142A 突起
143 取り付けバンド
149 連通孔
H1 第1の貫通孔
H2 第2の貫通孔
H3 第3の貫通孔
H4 第4の貫通孔
H5 第5の貫通孔
H6 第6の貫通孔
S1 第1の環状水通路
S2 第2の環状水通路
S3 第3の環状水通路
S4 第4の環状水通路

Claims (15)

  1. 筒状の中空回転軸と、
    前記中空回転軸の外側に位置するようにして前記中空回転軸と同軸状に嵌合し、前記中空回転軸を回転自在に支持する筒状のケーシング部材と、
    前記中空回転軸を回転可能な駆動装置と、
    前記ケーシング部材の外部から前記中空回転軸の中空部に亘るように形成された冷却液体の流路と、前記流路の途中に位置して、前記中空回転軸または前記ケーシング部材の少なくとも何れか一方に設けられた環状かつ溝状の冷却液体貯留部と、
    前記中空回転軸と前記ケーシング部材との隙間に前記冷却液体貯留部を挟むように配設され、前記冷却液体貯留部をシールする一対の環状のシール部材と、
    前記中空回転軸の回転時の、前記シール部材の液体シール性能に関連する情報を検知する検知手段と、
    前記情報に基づいて、前記シール部材の液体シール性能を判定する制御装置と、
    を備えた真空処理装置用の回転シール機構。
  2. 前記シール部材は、前記中空回転軸と前記ケーシング部材との間の隙間に浸入した冷却液体が前記中心軸の方向に前記隙間から漏れることを、前記中空回転軸または前記ケーシング部材との接触圧により抑制可能であり、前記情報は、前記接触圧の状態に関連する相関データである請求項1記載の回転シール機構。
  3. 前記相関データは、前記中空回転軸の回転時の、前記駆動装置の負荷電流である請求項2記載の回転シール機構。
  4. 前記相関データは、前記冷却液体の単位時間当たりの漏れ量の容積である請求項2記載の回転シール機構。
  5. 前記相関データは、前記冷却液体の単位時間当たりの漏れ量の重量である請求項2記載の回転シール機構。
  6. 前記相関データは、前記ケーシング部材の外部を流れる前記冷却液体の流量の単位時間当たりの差分である請求項2記載の回転シール機構。
  7. 前記ケーシング部材を貫通して前記冷却液体を前記ケーシング部材の径方向に導いてなる第1の貫通孔と、
    前記中空回転軸を貫通して前記冷却液体を前記中空回転軸の径方向に導いてなる第2の貫通孔と、を備え、
    前記冷却液体貯留部は、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔に連通し、複数の基板を装着した状態で前記第2の貫通孔に連通する液体通路を有する基板ホルダを介して、前記冷却液体が前記液体通路を流れる際に、前記基板が前記冷却液体との熱交換により冷却される請求項1乃至6の何れかに記載の回転シール機構。
  8. 前記接触圧を調整する接触圧調整手段を有して構成される請求項2記載の回転シール機構。
  9. 前記接触圧調整手段は、弾性力に基づいて前記シール部材を前記中空回転軸または前記ケーシング部材に対して付勢する弾性部材と、前記弾性部材を、前記接触圧を増す方向に変形可能な前記弾性部材の押圧部材と、を備え、
    前記シール部材の液体シール性能の判定結果に基づき、前記押圧部材の押圧に応じた前記弾性力の多寡により前記接触圧が調整される請求項8記載の回転シール機構。
  10. 前記接触圧調整手段は、流体圧力に基づいて前記シール部材を前記ケーシング部材に対して付勢する流体供給装置を備え、
    前記シール部材の液体シール性能の判定結果に基づき、前記流体供給装置の流体供給量に応じた前記流体圧力の多寡により前記接触圧が調整される請求項8記載の回転シール機構。
  11. 前記接触圧調整手段は、前記中空回転軸と前記ケーシング部材との間に設けられ、前記シール部材を保持してこれを前記中心軸の方向に移動してなる筒状可動体を備え、
    前記筒状可動体は、前記シール部材との間の接触反力により、前記シール部材を前記中空回転軸に対して付勢可能に構成され、
    前記シール部材の液体シール性能の判定結果に基づき、前記筒状可動体の前記中心軸の方向の可動位置に応じた前記接触反力の多寡により前記接触圧が調整される請求項8記載の回転シール機構。
  12. 前記中心軸の方向における前記中空回転軸の壁部の肉厚量の変化に応じた前記接触反力の多寡により前記接触圧が調整される請求項11記載の回転シール機構。
  13. 前記中空回転軸の外周面が、前記中心軸の方向において段差状に欠いた切り欠き部を有して構成される請求項12記載の回転シール機構。
  14. 前記中空回転軸の外周面が、前記中心軸の方向においてテーパ状に欠いた切り欠き部を有して構成される請求項12記載の回転シール機構。
  15. 請求項1乃至14の何れかに記載の回転シール機構と、前記中空回転軸の中空部と連通した、減圧可能な空間を有する真空槽と、を備えた真空処理装置。
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