JP2007023017A - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】アシル化アミノ酸処理顔料は乾燥状態の皮膚に塗布した場合では感触に優れているが、皮膚が汗や皮脂で濡れると、急激に摩擦が強くなり、肌の上できしむ、ムラにつくなどの問題があった。
【解決手段】顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆し、さらにメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理した後、加熱乾燥して得られる処理顔料を配合することにより、アシル化アミノ酸の密着性や感触を残したまま、汗や皮脂に対しても急激な摩擦変化が抑制された処理顔料を得、それを配合することで肌への密着性に優れ、なめらかな感触を持ち、毛穴やキメが目立たないことを特徴とする化粧料を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、肌への密着性に優れ、なめらかな感触を持ち、毛穴やキメが目立たないことを特長とする化粧料に関する。
従来、アシル化アミノ酸塩で顔料を表面処理することが行われている(特許文献1,2)。また、顔料をアシル化アミノ酸処理した後、片末端変性シリコーンやシランや分岐脂肪酸で処理した例(特許文献3)、フッ素化合物とアシル化アミノ酸で表面処理した例(特許文献4)など複合化処理の例も知られている。
特開平3−200879号公報 特開昭58−72512号公報 特開2001−72527号公報 特開平5−285369号公報
アシル化アミノ酸処理顔料は乾燥状態の皮膚に塗布した場合では感触に優れているが、皮膚が汗や皮脂で濡れると、急激に摩擦が強くなり、肌の上できしむ、ムラにつくなどの問題があった。上記のように複合化処理した場合は、摩擦感を軽減することができるが、今度はアシル化アミノ酸本来の特性である肌への密着性が失われる問題があり、いかにアシル化アミノ酸の特性を残したまま、使用感を良くするかが問題であった。
そこで、本発明人は鋭意検討した結果、水中で顔料にアシル化アミノ酸の亜鉛塩を被覆し、次いで水中または非水中にてメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理した後、加熱乾燥処理することにより、アシル化アミノ酸の優れた密着性を犠牲にしないで、水や油と接触した際の急激な摩擦の増加を緩和し、逆に滑らかな塗布感を与えることに成功した。そしてこの感触と密着性の両立の程度は従来知られている各種の処理剤で処理したものより優れたものであった。また、得られた処理顔料は優れた撥水性を示し、この処理顔料で作製した化粧料は化粧持続性に優れ、毛穴やキメが目立たず、感触に優れたきれいな塗布膜を形成した。
すなわち、第一の本発明は、水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆し、次いでメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理した後、加熱乾燥して得られる処理顔料を配合した化粧料にある。
第2の本発明は、水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆し、引き続き水中でメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理した後、固液分離し、加熱乾燥して得られる処理顔料を配合した上記の化粧料にある。
第3の本発明は、アシル化アミノ酸がN−ラウロイル−L−アスパラギン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸の1種以上から選ばれることを特長とする上記の化粧料にある。
第4の本発明は、顔料100質量部に対してアシル化アミノ酸の処理量が0.2〜3質量部の範囲にあり、メチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤の合計処理量が同0.3〜5質量部の範囲にあることを特長とする上記の化粧料にある。
第5の本発明は、有機チタネートが、
Tris(Isooctadecanoato−O)(2−Propanolate)Titaniumであることを特長とする上記の化粧料にある。
第6の本発明は、顔料をアミノ酸亜鉛塩で被覆した後、溶液のpHが4.8〜6.5の弱酸性領域になるように調整をしていることを特長とする上記の化粧料にある。
第7の本発明は、顔料の親水性が強く、処理剤が顔料から分離してしまう場合において、処理剤を投入する前に炭素数3〜4の低級アルコールを溶液中に添加して、処理剤の分離を抑制していることを特長とする上記の化粧料にある。
以上説明するように、本発明は、水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆し、引き続き水中または非水中でメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理した後、ろ過、加熱乾燥、場合により粉砕、篩い分けして得られる処理顔料を配合することで、肌への密着性に優れ、なめらかな感触を持ち、毛穴やキメが目立たないことを特徴とする化粧料が得られることは明らかである。
以下、上記本発明を詳細に説明する。
本発明は、A)水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆する工程と B)その表面をメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理する工程の2つの工程からなる。
A工程とB工程は連続しても良いし、別々に実施しても構わないが、連続して実施することで工程が大幅に簡略化できるメリットがあり、これに伴う感触上のデメリットも少ないことから連続して実施することが好ましい。
本発明で用いる処理顔料は水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆したものを用いるが、ここで言う顔料とは、化粧料で使用可能な顔料であれば特に限定されず、一次粒子径が1nm〜1mmの範囲にある顔料が該当し、その形状は球状、棒状、略球状、紡錘状、不定形状又は板状などのものが挙げられる。顔料の例としては、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素などがあげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン又はシリカなどがある。有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、12ナイロンや6ナイロンなどのナイロンパウダー、ポリアクリルパウダー、ポリアクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末又はラウロイルリジンなどがある。界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウムなどがある。有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄などの無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラックなどの無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルトなどの無機緑色顔料、紺青、群青などの無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体などある。パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母、酸化チタン・酸化鉄被覆マイカなど;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダーなど;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号など;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン又はクロシンなどから選ばれる顔料が挙げられる。水溶性の色素を用いる場合では事前に層状粘土鉱物などに包摂して水不溶化したものや、金属塩にてレーキ化したものを用いる必要がある。
これらの顔料はアシル化アミノ酸の処理を妨げない範囲で各種の表面処理がされていても構わない。表面処理は撥水性処理であっても親水性処理であっても構わない。
本発明で用いるアシル化アミノ酸としては、アシル基としては、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸など飽和、不飽和の炭素数10〜24の範囲に入る脂肪酸が例示されるが、特にラウリン酸が感触改善効果に優れ、後処理する各種シリコーン系素材との相性に優れることから好ましい。また、アミノ酸としては、リジンを除くアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギン酸が利用可能であるが、特にアスパラギン酸、グルタミン酸が感触改善効果に優れ、後処理する各種シリコーン系素材との複合処理時に適度な密着効果を持つことから好ましい。本発明で用いるアシル化アミノ酸の内、特に好ましいものとしては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸塩とN−ラウロイル−L−アスパラギン酸塩を用いて処理することが好ましい。尚、塩としてはナトリウム、カリウムが好ましく用いられる。
本発明で用いる処理顔料は水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆するが、事前に撥水性のある表面処理がされていたり、もしくはタルクのようにもともと弱い撥水性を持っているような顔料を表面処理する場合では、精製水と共に低級アルコールを併用することが好ましい。顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆する方法としては、顔料の水性スラリーとアシル化アミノ酸の溶解液を均一に混合した後、水溶性亜鉛塩溶液を投入してアシル化アミノ酸の亜鉛塩を顔料表面に析出させることが挙げられる。この際にアシル化アミノ酸の顔料に対する密着性は強くないため、溶液の水量は、顔料の質量に対してなるべく少ない割合で用いることが好ましい。水量が多いとアシル化アミノ酸は顔料表面に移行しないで単独で析出してしまう割合が高くなる傾向がある。本発明では処理時には必ず攪拌を行うが、攪拌不良が発生しない程度の水量で、かつ少ない量に設定することが好ましい。また、水溶性亜鉛塩としては、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、水酸化亜鉛などを用いることが可能であるが、亜鉛は炭酸と反応すると、不溶性の炭酸亜鉛を形成し、アシル化アミノ酸との反応に関与できなくなること、中和反応は反応速度が速く、大きなスケールでの処理時に攪拌の効果が影響して部分的に処理不良が発生しやすい問題があることから、塩化亜鉛のエチルアルコール溶液を用いることが好ましい。この場合、炭酸の影響は受けず、またスケールアップ時にも安定的に生産ができるメリットがある。亜鉛塩の投入量は使用したアシル化アミノ酸の質量に対して0.3〜1倍の質量範囲で使用することが好ましく、特に好ましくは0.5〜0.8倍の質量範囲である。この範囲であると、アシル化アミノ酸の不溶化と、感触の両立が図れるメリットがある。
また、顔料のアシル化アミノ酸亜鉛塩処理は水温、投入する溶液の液温などにより、感触特性が変化する問題があり、感触特性に優れた顔料の水性分散スラリーの液温としては、35〜50℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは38〜43℃の範囲が挙げられる。また、アシル化アミノ酸塩の溶解液水溶液の液温としては、40〜60℃の範囲が好ましい。アシル化アミノ酸塩は加温により均一に溶解させてから投入することが好ましい。また、亜鉛塩溶液の投入温度としては亜鉛塩の種類や溶媒によって異なるが、例えば塩化亜鉛のエタノール溶液の場合、40〜60℃の範囲が好ましい。
さらに、顔料のアシル化アミノ酸亜鉛塩処理はそれぞれ用いる成分の溶液中の濃度によっても得られる感触特性が変化する。まず、顔料の水性分散スラリー中の顔料濃度であるが、これは顔料の吸水率にも影響を受け、一概に言えないが、均一に顔料の分散ができ、かつ溶液全体が滞留なく流動している粘度に設定する必要がある。例えば顔料級酸化チタンやセリサイトなどでは15〜25質量%の顔料濃度が好ましい。顔料濃度が高すぎるとアシル化アミノ酸亜鉛塩処理が不均一になりやすく、顔料濃度が低すぎるとアシル化アミノ酸亜鉛塩が顔料表面だけでなく、単独で析出する傾向が出てくる問題がある。次に、アシル化アミノ酸塩であるが、これは特に限定されないが、0.05〜0.5質量%あたりの水溶液濃度が溶液の起泡など考慮すると作業性が良い領域として挙げられる。次に、亜鉛塩であるが、亜鉛塩が均一に溶解できる濃度であれば問題なく、例えば0.01〜1質量%程度の濃度の溶液を用いることが挙げられる。尚、亜鉛塩を低級アルコールに溶解している場合は、亜鉛塩投入後の顔料とアシル化アミノ酸塩を含む水性スラリー中の水量に対する低級アルコール濃度が15質量%以下、より好ましくは10質量%以下になるようにすると、アシル化アミノ酸亜鉛塩が顔料表面にうまく被覆できることが多い。
本発明で用いるアシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料は顔料100質量部に対してアシル化アミノ酸の処理量が0.2〜5質量部の範囲にあることが好ましく、特に0.2〜3質量部の範囲にあることが好ましい。アシル化アミノ酸の処理量が0.2質量部未満であると、密着性の改善効果が不充分になる場合があり、また5質量部を超えると、各種シリコーン系素材による後処理をしても、水や油と接触した時に摩擦が強くなりすぎ、感触が悪くなってしまう問題がある。また、亜鉛塩の投入量としては亜鉛塩の種類によるが、アシル化アミノ酸と亜鉛塩の質量比で、100:25〜100:300の範囲が好ましい。
こうして得られたアシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料はここで中和を行うことが好ましい。中和は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン系化合物などを用いることが好ましく、特に水酸化ナトリウムでの中和が好ましい。中和時の目標pH範囲としては、4.8〜6.5の弱酸性の範囲が好ましい。この範囲であると、塗布時の感触が優れ、肌馴染みが優れる特長がある。尚、中和は後工程のシリコーン化合物を被覆した後に実施することも可能であるが官能特性的には前工程で実施した方が好ましい。また、この領域にpHを設定した場合、出来上がった複合処理顔料も弱酸性を示すようになる場合が多い。
こうして得られたアシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料は、一度脱水して乾燥させても、そのままスラリー状としたまま後工程に入っても構わない。後工程は、上記アシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料の表面をメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理するものである。特に有機チタネートが感触改善効果に特に優れており、アシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料の付着性などの特性を維持したまま、水や油に接触した際の摩擦感が強くなる現象をうまく消して、なめらかで高級感のある感触を得ることが可能となる。次に、メチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体を組み合わせたものが感触の改善効果に優れており、メチルハドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体の混合質量比率が100:0〜50:50の範囲が感触向上効果に優れていることから好ましい。また、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸を用いる場合は、環状シリコーンやメチルトリメチコンなどに溶解させたものを用いることが好ましい。後工程を水中で実施する場合では、これらの後処理剤は、前記アシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料の水または水−低級アルコール混合溶液スラリーにこれらの後処理剤を滴下することで被覆が行われる。これは、前記アシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料の表面が弱い親油性となっており、水中で攪拌下に、ここに強い撥水性の後処理剤を投入すると、後処理剤は水の表面に膜を形成するよりも、アシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料の表面に析出する方が安定であるため、顔料の比表面積に依存するものの、一定量の後処理剤を顔料表面に保持させることが可能となる。また、この方法で被覆を行うと、水存在下ではかなり均一な表面処理が行える。一方、水が少ないと、上記後処理剤は水を嫌って局所的に集まった状態をつくることが予想される。そのため、本方法で後処理剤を処理した場合には、ろ過、遠心脱水などの固液分離後、できるだけすみやかに乾燥を実施することが好ましい。また、水中で後処理剤の処理を実施することのメリットは、上記のように均一な被覆が実施できる、工程が簡略化できること以外にも、乾式や溶剤処理と比べてアシル化アミノ酸亜鉛処理顔料の感触をより効果的に引き出せるメリットもある。
尚、上記にも拘わらず、酸化チタンのように顔料表面の親水性が強い顔料を用いた場合では、後処理剤が顔料表面から分離してしまうことがある。この場合、液面に油膜が形成されたり、後処理剤投入後にスラリー底部に油性スラリーが形成されたりする。このような状態は均一な処理は全くできておらず、感触も悪くなる。このような親水性の強い顔料を用いる場合は、アシル化アミノ酸亜鉛塩処理工程の前および/または後に炭素数3〜4の低級アルコール、例えばイソプロピルアルコール、プロピルアルコール、イソブチルアルコールなどを溶液中に加えることが好ましい。これらの低級アルコールは親水性顔料の表面にアルキレーションして顔料表面をやや親油性側に変換する効果があり、アシル化アミノ酸亜鉛塩の顔料表面への付着性を改善したり、後処理剤の分離を抑制したりする効果が得られる。尚、これらの低級アルコールは適量があり、一般的には水の量に対して3〜15質量%の範囲で加えることが好ましい。添加量が多すぎると、溶液全体の親油性が増して、逆に後処理剤が顔料表面に移行せず、溶液中に分離する傾向が強くなる場合がある。
本発明では、後工程として非水中で実施することも可能である。その場合、後処理剤とアシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料をミキサーなどと混合し、乾燥させる方法、また、溶剤を用いて後処理剤とアシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料のスラリーを形成した後、溶媒を除去し乾燥する方法、さらに、ボールミルなどを用いて後処理剤とアシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料を機械的に被覆し、場合により乾燥する方法などを挙げることができる。
本発明では、上記後処理されたアシル化アミノ酸亜鉛塩処理顔料におけるメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤の合計処理量は、もとのアシル化アミノ酸亜鉛塩処理されていない顔料100質量部に対して1〜10質量部の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜5質量部の範囲にあることが好ましい。この範囲であると、処理顔料が水や油と接触した際に急激な摩擦感の増加を緩和し、化粧料に適した感触を持つようになる。
上記の内、有機チタネートとしては、長鎖カルボン酸型のアルキルチタネートとして、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられ、ピロリン酸型アルキルチタネートとして、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等が挙げられ、亜リン酸型アルキルチタネートとして、イソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられ、アミノ酸型アルキルチタネートとして、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等の1種以上が挙げられるが、特にイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(Tris(Isooctadecanoato−O)(2−Propanolate)Titanium)が感触調整効果に優れるため、最も好ましい。
本発明では上記工程の次の工程として、必要に応じて加熱乾燥を行う。本発明では、加熱乾燥温度が130〜150℃の範囲にありことが好ましい。加熱乾燥温度を150℃としたのは、アシル化アミノ酸は一般的に160℃以上で変質を始め、においや着色などの問題を引き起こすため、工場生産時の温度制御の実態を考慮すると150℃までと設定した方が良いためであり、130℃以下では滅菌が不十分になるのと、特にメチルハイドロジェンポリシロキサン系の化合物を使用した場合に、反応が不十分になることを避けるためである。尚、水分を除去する目的で、事前に80〜130℃の温度範囲で加熱処理を行うことも可能である。またこの温度範囲での加熱時間は6〜72時間が好ましく、さらに好ましくは12〜24時間である。加熱時間が6時間未満だと、とりあえず処理顔料は得られ、かつ密着性などにも優れたものが得られるものの、ロットごとの品質ぶれが激しい場合がある。品質は6時間以上で安定し、特に12時間以上になるとよりばらつきが少なくできるメリットがある。尚、加熱滅菌を伴わず、ガンマ線滅菌など別の滅菌方法を用いる場合では、上記条件以外の乾燥条件を使用することが可能である。
こうして得られた表面処理顔料はさらに撥水化や親水化などの表面処理がなされていても構わない。撥水化表面処理の例としては、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、シリコーンガム処理、アクリルシリコーン処理、フッ素化シリコーン処理などのオルガノシロキサン処理、ステアリン酸亜鉛処理などの金属石鹸処理、シランカップリング剤処理、アルキルシラン処理などのシラン処理、有機チタネート処理。有機アルミネート処理、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル処理などのフッ素化合物処理、N−ラウロイル−L−リジン処理などのアミノ酸処理、スクワラン処理などの油剤処理又はアクリル酸アルキル処理などのアクリル処理などが挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。また、親水化表面処理の例としては、寒天処理、デオキシリボ核酸処理、レシチン処理、ポリアクリル酸処理、シリカ処理、アルミナ処理又はジルコニア処理などが挙げられる。
こうして得られた顔料はまだ凝集が激しい場合がある。次の工程として粉砕を実施することができる。本処理顔料で用いたアシル化アミノ酸は他の表面処理剤、たとえばシリコーンやパーフルオロアルキルリン酸エステルなどと比べて顔料への密着性が弱い問題があり、あまり強い粉砕を行うと顔料表面から剥離してしまい、水や油と接触した時の摩擦挙動が大きくでる場合があるので注意が必要である。粉砕はハンマーミル、ピンミルなど従来公知の粉砕機を用いることが好ましい。また、粉砕後に篩をかけることが好ましい。
本発明の化粧料ではこうして得られた処理顔料を化粧料100質量部に対して0.1〜99質量部の範囲で配合が可能であり、特に10質量部以上配合するとその特長が明確に得られるので好ましい。
本発明の化粧料では、上記の処理顔料以外に、化粧料で使用される各種の素材、例えば顔料、紫外線吸収剤、油剤、界面活性剤、フッ素化合物、樹脂、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を使用することができる。
本発明の化粧料としては、メイクアップ化粧料、基礎化粧料、頭髪化粧料、香料、ボディ化粧料など各種の化粧料が該当するが、特にファンデーション、頬紅、白粉、フェースパウダー、口紅、アイシャドウ、アイブロー、マスカラ、ネイルカラー、ボディパウダー、サンスクリーン、デオドラント料に好適である。
本発明の化粧料の形態としては、パウダー状、乳液状、クリーム状、スティック状、固型状、スプレー、多層分離型などいずれの剤型を用いても構わない。
以下に実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔製造実施例1〕
シリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料の製造
セリサイト100質量部を35℃の精製水300質量部と混合し、攪拌した。そこに50℃の精製水100質量部にN−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム1質量部を溶解した溶解液を投入し、さらに攪拌した。50℃のエチルアルコール20質量部に塩化亜鉛0.7質量部を溶解させた溶液を用意し、攪拌下に除々に加えた。次に5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを5.8に調整した後、メチルハイドロジェンポリシロキサン2質量部とジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体(信越化学社製KF−9901)1質量部の混合液を攪拌下の上記溶液に除々に滴下した。次いで、ろ過、水洗した後、ステンレスバットに移し、送風型乾燥器を用いて100℃にて2時間加熱した後、145℃にて12時間加熱処理した。この処理品をミキサーを用いて粉砕し、さらにメッシュを通してシリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を得た。
同様にして顔料級酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm)、大粒径酸化チタン(平均一次粒子径1.0μm)、マイカ、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄を処理した。
また、上記セリサイトをタルクに変更し、さらに25℃の精製水300質量部を25℃の精製水300質量部とエチルアルコール20質量部の混合溶液に代えた以外は上記と同様にしてタルクを処理した。
尚、上記の各顔料0.5質量部をそれぞれ蒸留水20質量部中に浮かばせ、1分間攪拌した後の溶液のpHは5.6〜6.5の弱酸性領域にあった。
〔製造実施例2〕
シリコーン・N−ラウロイル−L−グルタミン酸亜鉛複合処理顔料の製造
セリサイト100質量部を40℃の精製水130質量部と混合し、攪拌した。そこに45℃の精製水100質量部にN−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム0.5質量部を溶解した溶解液を投入し、さらに攪拌した。50℃のエチルアルコール20質量部に塩化亜鉛0.3質量部を溶解させた溶液を用意し、攪拌下に除々に加えた。次に5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを5.8に調整した後、トリメチルシロキシケイ酸の30質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液6.7質量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン0.2質量部の混合溶液を攪拌下の上記溶液に除々に滴下した。次いで、ろ過、水洗した後、ステンレスバットに移し、送風型乾燥器を用いて100℃にて2時間加熱した後、130℃にて時間加熱処理した。この処理品をミキサーを用いて粉砕し、さらにメッシュを通してシリコーン・N−ラウロイル−L−グルタミン酸亜鉛複合処理顔料を得た。
同様にして顔料級酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm)、大粒径酸化チタン(平均一次粒子径1.0μm)、マイカ、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、球状セルロースを処理した。
また、上記セリサイトをタルクに変更し、さらに25℃の精製水300質量部を25℃の精製水300質量部とエチルアルコール20質量部の混合溶液に代えた以外は上記と同様にしてタルクを処理した。
尚、上記の各顔料0.5質量部をそれぞれ蒸留水20質量部中に浮かばせ、1分間攪拌した後の溶液のpHは5.5〜6.5の弱酸性領域にあった。
〔製造実施例3〕
有機チタネート・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料の製造
大粒径酸化チタン(平均一次粒子径1.0μm)100質量部を40℃の精製水300質量部とイソプロピルアルコール20質量部と混合し、攪拌した。そこに45℃の精製水100質量部にN−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム0.5質量部を溶解した溶解液を投入し、さらに攪拌した。50℃のエチルアルコール20質量部に塩化亜鉛0.35質量部を溶解させた溶液を用意し、攪拌下に除々に加えた。次に5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを5.8に調整した後、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート1.5質量部とデカメチルシクロペンタシロキサン1.5質量部の混合溶液を攪拌下の上記溶液に除々に滴下した。次いで、ろ過、水洗した後、ステンレスバットに移し、送風型乾燥器を用いて130℃にて6時間加熱した。この処理品をミキサーを用いて粉砕し、さらにメッシュを通して有機チタネート・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を得た。
同様にして、顔料級酸化チタン、タルクを処理した。
また、イソプロピルアルコールを用いない他は全て同様にしてセリサイト、マイカ、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄の処理を実施した。
尚、上記の各顔料0.5質量部をそれぞれ蒸留水20質量部中に浮かばせ、1分間攪拌した後の溶液のpHは5.8〜6.5の弱酸性領域にあった。
〔製造実施例4〕
シリコーン・N−ラウロイル−L−グルタミン酸亜鉛複合処理顔料の製造
セリサイト100質量部を40℃の精製水130質量部と混合し、攪拌した。そこに45℃の精製水100質量部にN−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム0.5質量部を溶解した溶解液を投入し、さらに攪拌した。50℃のエチルアルコール20質量部に塩化亜鉛0.3質量部を溶解させた溶液を用意し、攪拌下に除々に加えた。次に5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを5.8に調整した後、ろ過し、105℃にて5時間乾燥を行った。ついで、得られたN−ラウロイル−L−グルタミン酸亜鉛処理セリサイト100質量部をイソプロピルアルコール300質量部に分散し、その上からトリメチルシロキシケイ酸の30質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液6.7質量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン0.2質量部の混合溶液を滴下し、よく混合した。次いで、溶媒を減圧加熱留去し、得られた粉末をステンレスバットに移し、送風型乾燥器を用いて130℃にて6時間加熱した。この処理品をミキサーを用いて粉砕し、さらにメッシュを通してシリコーン・N−ラウロイル−L−グルタミン酸亜鉛複合処理顔料を得た。
同様にして顔料級酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm)、大粒径酸化チタン(平均一次粒子径1.0μm)、マイカ、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄を処理した。
また、上記セリサイトをタルクに変更し、さらに25℃の精製水300質量部を25℃の精製水300質量部とエチルアルコール20質量部の混合溶液に代えた以外は上記と同様にしてタルクを処理した。
尚、上記の各顔料0.5質量部をそれぞれ蒸留水20質量部中に浮かばせ、1分間攪拌した後の溶液のpHは5.5〜6.5の弱酸性領域にあった。
〔製造比較例1〕
製造例1の後工程であるシリコーン処理工程を全てカットし、N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛のみで処理した以外は全て製造例1と同様にしてN−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛処理顔料を得た。
〔製造比較例2〕
製造例1で用いたのと同じメチルハイドロジェンポリシロキサン2質量部とジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体(信越化学社製KF−9901)1質量部をイソプロピルアルコール150質量部に溶解した溶液に、セリサイト100質量部を投入し、攪拌した後、イソプロピルアルコールを除去し、さらに送風型乾燥器を用いて100℃にて2時間加熱した後、130℃にて時間加熱処理した。この処理品をミキサーを用いて粉砕し、さらにメッシュを通してシリコーン処理顔料を得た。
同様にして顔料級酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm)、大粒径酸化チタン(平均一次粒子径1.0μm)、マイカ、タルク、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄を処理した。
〔製造比較例3〕
製造比較例1で作製したN−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛処理顔料を用い、その上にオクチルトリエトキシシランを母材の質量に対して2質量%乾式被覆し、130℃にて6時間加熱した後、ミキサーを用いて粉砕し、さらにメッシュを通してシラン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を得た。 同様にして顔料級酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm)、大粒径酸化チタン(平均一次粒子径1.0μm)、マイカ、タルク、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄を処理した。
〔実施例1〕
パウダーファンデーションの製造
表1に示す処方および製造方法によりファンデーションを製造した。尚、複合処理顔料は製造実施例1のシリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を用いた。(表中では本表面処理を複合処理と表記する) シリコーンビーズとしては、GE東芝シリコーン社製のトスパール145Aを使用した。また、表中の単位は質量%である。
Figure 2007023017
製造方法
複合処理大粒径酸化チタンと複合処理顔料級酸化チタンとシリコーンビーズと複合処理タルクを粗混合した後、ミキサーを用いて均一に混合した。次に、複合処理セリサイトと複合処理酸化鉄をミキサーを用いて均一に混合した。前記顔料と残りの顔料成分をミキサーを用いて混合しながら、均一に加熱溶解させた油性成分を除々に滴下し、均一になるように混合した。次いで、メッシュを通した後、金皿を用いて金型に打型して製品を得た。
〔実施例2〕
パウダーファンデーションの製造
実施例1で用いた製造実施例1のシリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料の代わりに、製造実施例3で作成した有機チタネート・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
〔実施例3〕
パウダーファンデーションの製造
実施例1で用いた製造実施例1のシリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料の代わりに、製造実施例4で作成したシリコーン・N−ラウロイル−L−グルタミン酸亜鉛複合処理顔料用いた以外は全て実施例1と同様にして製品を得た。
〔実施例4〕
リクイドファンデーションの製造
表2に示す処方および製造方法によりファンデーションを製造した。尚、複合処理顔料は製造実施例2のシリコーン・N−ラウロイル−L−グルタミン酸亜鉛複合処理顔料を用いた。(表中では上記同様に本表面処理を複合処理と表記する)また、表中の単位は質量%である。
Figure 2007023017
油性成分を70℃に加熱し、ここに事前に混合しておいた顔料成分を加え、よく混合した。次いで、ここに70℃に加熱した水性成分を除々に加え、攪拌下に室温まで冷却した後、容器に充填して製品を得た。
〔比較例1〕
実施例1で用いた製造実施例1のシリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料の代わりに、製造比較例1で製造したN−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛処理顔料を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
〔比較例2〕
実施例1で用いた製造実施例1のシリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料の代わりに、製造比較例2で製造したシリコーン処理顔料を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
〔比較例3〕
実施例1で用いた製造実施例1のシリコーン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料の代わりに、製造比較例3で製造したシラン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
実施例および比較例で作製した各化粧料について、女性パネラー10名を使用して、使用感に関する官能評価試験を実施した。試験はアンケート形式で実施し、各項目ごとに0から5点の間の点数をつけ、0点は評価が悪い、5点は評価が優れるとして数値化し、結果を全パネラーの平均点として表した。従って、点数が高い程評価が優れていることを示す。尚、化粧料は乳液状の化粧下地を使用してから塗布する形式で実施した。結果を表3に示す。
Figure 2007023017
表3の結果から、本発明の実施例は比較例と比べて各項目において優れた性能を示していることが判る。特に有機チタネート・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を用いた実施例2の感触が特に高く評価された。実施例2は塗布感が軽くなめらかで、経時でも良好な感触を維持していた。また、本実施例は適度なツヤも有していた。
比較例1は、複合化処理していないN−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛処理顔料を用いた場合の例であるが、伸びが大変悪く、たたくように塗布しないと塗膜がきれいにつかない問題があり評価が悪くなった。比較例2はアシル化アミノ酸処理していないシリコーン処理顔料を用いた場合の例であるが、実施例と比べるとやや悪い結果となったが、全体的に良い評価結果となった。比較例3はシラン・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸亜鉛複合処理顔料を用いた場合の結果であるが、摩擦が強めで伸びが悪く、キメが目立つなどの問題を抱えていた。

Claims (7)

  1. 水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆し、次いでメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理した後、加熱乾燥して得られる処理顔料を配合した化粧料。
  2. 水中で顔料の表面をアシル化アミノ酸亜鉛塩で被覆し、引き続き水中でメチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤にて被覆処理した後、固液分離し、加熱乾燥して得られる処理顔料を配合した請求項1に記載の化粧料。
  3. アシル化アミノ酸がN−ラウロイル−L−アスパラギン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸の1種以上から選ばれることを特長とする請求項1または2のいずれかに記載の化粧料。
  4. 顔料100質量部に対してアシル化アミノ酸の処理量が0.2〜3質量部の範囲にあり、メチルハドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素置換トリメチルシロキシケイ酸、有機チタネートから選択される1種以上の処理剤の合計処理量が同0.3〜5質量部の範囲にあることを特長とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料。
  5. 有機チタネートが、Tris(Isooctadecanoato−O)(2−Propanolate)Titaniumであることを特長とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料。
  6. 顔料をアミノ酸亜鉛塩で被覆した後、溶液のpHが4.8〜6.5の弱酸性領域になるように調整をしていることを特長とする請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料。
  7. 顔料の親水性が強く、処理剤が顔料から分離してしまう場合において、処理剤を投入する前に炭素数3〜4の低級アルコールを溶液中に添加して、処理剤の分離を抑制していることを特長とする請求項2〜7のいずれかに記載の化粧料。
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