JP2020070292A - 粉末化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の粉末化粧料は、色ムラや凹凸ムラ等を隠すカバー効果が高く、塗布時の伸び広がり、しっとり感に優れ、且つ、透明感のある仕上がりを実現する粉末化粧料を提供すること。【解決手段】次の成分(A)〜(C);(A)ピロリドンカルボン酸変性シリコーン(B)窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイト及び合成金雲母よりなる群から選ばれる1種または2種以上の板状粉体、(C)酸化鉄被覆二酸化チタンを含有する粉末化粧料を提供するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末化粧料に関する。
ファンデーションや白粉等に多く用いられる粉末化粧料は、粉体を主成分として構成されており、マットに仕上げつつ、シミ・ソバカス等の色ムラや、毛穴・シワ等の凹凸ムラを隠せることが好まれている。このように粉末化粧料は高いカバー効果を持つ一方で、粉を主体としていることから塗布時に乾燥感を感じやすくしっとり感がないことや、伸び広がりが悪いといった課題があった。また、近年では、化粧により色ムラ・凹凸ムラは隠しつつも、化粧をしていることを感じさせない透明感が求められている。これまでに粉末化粧料の伸び広がりを向上させる技術としては、油性成分を1〜20質量%含み、特定のピロリドンカルボン酸変性シリコーンを含む固型粉末化粧料(特許文献1)や、数平均粒子径0.05〜0.5μmの酸化チタン0.1〜25質量%、疎水化処理された酸化鉄被覆二酸化チタンであって、一次粒子の数平均粒子径が0.05〜4μmであり、酸化チタンの質量に対して、酸化鉄が0.5〜5質量%被覆されている、疎水化処理された酸化鉄被覆二酸化チタン0.1〜40質量%、窒化ホウ素3〜35質量%、25℃で液体の油剤 2〜15質量%を含有する粉末化粧料(特許文献2)等が提案されている。
特開2006−169206号公報 特開2018−70484号公報
しかしながら、どちらの技術も粉体の肌への付着性が十分とは言えず、肌上で粉体がきれいに並ばず化粧膜が膜厚になり、透明感のない仕上がりになる場合があった。上述したように、高いカバー効果と、塗布時の伸び広がりの良さ、乾燥感のないしっとりとした感触を維持しつつ、透明感のある仕上がりを実現できる粉末化粧料の開発が望まれていた。
一方、高いカバー効果と透明感のある仕上がりは相反する効果で、カバー力を高めると透明感が損なわれ、透明感を高めるとカバー力が低下する場合があった。また、粉体を主体とする粉末化粧料において、透明感、カバー力を有しながらもしっとり感、伸び広がりの良さの付与は、従来の技術では困難であった。
そこで本発明は、粉末化粧料が持つカバー効果を維持しつつ、塗布時の伸び広がり、しっとり感に優れ、且つ、透明感のある仕上がりを実現する粉末化粧料の開発を課題とするものである。
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意研究を行った結果、ピロリドンカルボン酸変性シリコーンと、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイト、合成金雲母よりなる群から選ばれる1種または2種以上の板状粉体とを組み合わせることで、粉末化粧料とした場合の透明性が高いことに着目し、その透明性を損なわずカバー力を維持できる素材を探索した。カバー力を得るために二酸化チタンを用いる場合があるが、酸化鉄被覆二酸化チタンを用いることで、高いカバー効果を維持しつつ、塗布時の伸び広がり、しっとり感に優れ、さらにはきれいな薄い化粧膜を形成し透明感のある仕上がりを実現できることを見出した。また、球状粉体を含有することで前記効果により優れることを見出した。さらに、特定の表面処理剤で表面処理した粉体を含有することで、前記効果により優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)ピロリドンカルボン酸変性シリコーン、
(B)窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイト及び合成金雲母よりなる群から選ばれる1種または2種以上の板状粉体、
(C)酸化鉄被覆二酸化チタン
を含有する粉末化粧料に関するものである。
前記成分(B)が窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス及び焼成セリサイトよりなる群から選ばれる1種または2種以上である前記粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A)及び成分(B)の含有質量割合が0.001≦(A)/(B)≦0.1である前記粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(B)の板状粉体が、前記成分(A)による表面処理物である前記粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(C)酸化鉄被覆二酸化チタンの平均粒子径が200〜1000nmである前記粉末化粧料を提供するものである。
更に、成分(D)球状粉体を含有する前記粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(D)球状粉体の平均粒子径が10μm以下である前記粉末化粧料を提供するものである。
更に、成分(E)下記の表面被覆処理剤(a)及び(b)により表面被覆処理された粉体を含有する前記粉末化粧料を提供するものである。
(a)下記一般式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサン
SiO−(R SiO)−SiR (1)
(式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
(b)下記一般式(2)で示されるアミノ基含有シラン化合物
mSiX(3−m) (2)
(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは0または1である)
本発明の粉末化粧料は、色ムラや凹凸ムラ等を隠すカバー効果が高く、塗布時の伸び広がり、しっとり感に優れ、且つ、透明感のある仕上がりを実現するものである。
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、本発明における「平均粒子径 」とは、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。
本発明に使用される成分(A)ピロリドンカルボン酸変性シリコーンは、ポリメチルシロキサンの一部のシロキサンが、メチル(N−アルキル−ピロリドンカルボン酸)シロキサン、またはジ(N−アルキル−ピロリドンカルボン酸)シロキサンである化合物を示し、「International Nomenclature of Cosmetic Ingredients」(INCI)において、「PCA DIMETHICONE」と記載されるものである。成分(A)の市販品としては、例えば、SENSASIL PCA−LQ−(AP)(クローダジャパン社)等が挙げられる。
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが0.1〜5.0質量%(以下、単に%と略す場合がある)が好ましく、0.1〜1.0%がより好ましい。この範囲であれば、伸び広がりが良い点で好ましい。
本発明における成分(B)窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイト及び合成金雲母よりなる群から選ばれる1種または2種以上の板状粉体は、化粧料に一般的に用いられる前記板状粉体であれば特に限定されない。これらの中でも仕上がりの透明感により優れる観点から、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイトから選ばれる1種又は2種以上を含有していることがより好ましい。さらに、本発明の効果をより高めるために、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイトを3種併用していることが更に好ましい。
本発明における成分(B)の平均粒子径は、特に限定されないが、1〜20μmが好ましく、さらに3〜15μm好ましい。この範囲であれば、仕上がりの透明感が高い点でより好ましい。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが10〜50質量%が好ましく、20〜35%がより好ましい。この範囲であれば、伸び広がりの良さと仕上がりの透明感より優れる点で好ましい。
本発明においては、前記成分(A)と成分(B)を適宜含有することで得られるものではあるものの、含有する量比を特定することにより、より高い効果が期待できるため好ましい。このような量比は特に限定されず、成分(A)と成分(B)の含有質量割合が0.001≦(A)/(B)≦0.1であることが好ましく、0.01≦(A)/(B)≦0.1がより好ましい。この範囲であれば、塗布時の伸び広がりにより優れるためより好ましい。
本発明における成分(A)と成分(B)の混合状態は、特に限定されないが、しっとり感が優れる観点から、予め成分(A)により成分(B)の板状粉体が表面処理されていることが好ましい。表面処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、表面被覆処理剤となる成分(A)と、成分(B)板状粉体とを、必要に応じて加熱しながら、直接混合し被覆する乾式被覆方法、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン等の溶媒に成分(A)を溶解又は分散し、この溶液又は分散液に粉体を添加し、混合後、前記溶媒を乾燥等により除去、加熱、粉砕する湿式被覆方法、メカノケミカル方法等が挙げられる。上記表面処理方法のうち、しっとり感が高いという点で、湿式被覆方法で処理することが好ましい。
本発明における成分(C)酸化鉄被覆二酸化チタンは、酸化チタンの表面に鉄の酸化物又は水酸化物を被覆している酸化チタンである。本発明における成分(C)は、鉄の酸化物又は水酸化物の他に、ケイ素の酸化物又は水酸化物、アルミニウムの酸化物又は水酸化物を各層として被覆していても良い。
前記鉄の酸化物又は水酸化物による被覆を行う方法は特に限定されず、公知の鉄の酸化物、水酸化物の被覆処理方法を利用して行うことができる。例えば、一例として、苛性ソーダ水溶液を30〜35℃に加温し、粉体粒子を分散させて、硫酸第二鉄を含む水溶液を添加・撹拌し、90℃で2時間程度反応させる。得られた複合化合物を水洗・中和し乾燥させる。粉砕した後に、原料粒子と鉄の酸化物又は水酸化物を焼成(例えば、750〜900℃程度、1〜3時間程度)して得ることができる。
当該鉄化合物として、酸化第二鉄、酸化第一鉄、四三酸化鉄、水酸化鉄、有機酸鉄(例えばシュウ酸鉄、クエン酸鉄等)、無機酸鉄(例えば、塩化鉄、硫酸第二鉄、硫酸鉄等)等が挙げられ、これらの群から1種又は2種以上選択することができる。当該鉄化合物は、粒子中に酸化鉄、または水酸化鉄として存在する。本発明において、酸化鉄の被覆量は、特に限定されないが、透明感の観点から、酸化鉄被覆二酸化チタン中0.5〜5%が好ましく、0.7〜3.5%がより好ましく、0.9〜3%がさらに好ましい。
前記ケイ素の酸化物又は水酸化物による被覆を行う方法は特に限定されず、公知の被覆方法を利用して行うことができる。例えば、原料粒子を含む水スラリーに珪酸ナトリウム等をそのまま又は水溶液にして添加し、後に硫酸等の酸を添加してシリカ又はその水和物を析出させる方法;又は、原料粒子を溶媒(アルコール、水、又はアルコール水混合溶媒等)に分散させ、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン系の金属カップリング剤を添加し、酸又は塩基を添加したり、加熱すること等によりシリカ又はその水酸化物を析出させる方法等が挙げられる。その後、洗浄、ろ過、乾燥等を行うことで被覆した粉体粒子が得られる。
前記アルミニウムの酸化物又は水酸化物による被覆を行う方法は特に限定されず、公知の被覆方法を利用して行うことができる。例えば、原料粒子を含む水スラリーに、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等をそのまま又は水溶液にして加えて、その後、酸又はアルカリを加えて、アルミニウム化合物を析出させる方法等が挙げられる。また、原料粒子を溶媒(アルコール、水、又はアルコール水混合溶媒等)に分散させ、アルミニウム系の金属カップリング剤を添加し、酸又は塩基を添加したり、加熱すること等によりアルミニウム又は水酸化物を析出させる方法等が挙げられる。その後、洗浄、ろ過、乾燥等を行うことで被覆された粉体粒子が得られる。
本発明における成分(C)の平均粒子径は、特に限定されないが、200〜1000nmが好ましく、200〜500nmがより好ましく、さらに好ましくは350〜500nmである。この範囲であれば、色ムラを隠すカバー効果により優れより好ましい。
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、1〜20%が好ましく、5〜15%がより好ましく、7〜12%がさらに好ましい。この範囲であれば、透明感、カバー力、伸び広がりにより優れるため、より好ましい。
本発明は、さらに成分(D)球状粉体を含有することができる。本発明において、球状とは真球状だけでなく、略球状、楕円球状、偽球状などを包含し、長径/短径の比が好ましくは1.5/1〜1/1、より好ましくは、1.2/1〜1/1の範囲のものである。また、成分(D)の球状粉体は、表面が平滑のものでも、表面に孔が開いているものや、表面に微小の凹凸があるものでも良い。成分(D)を含有することで、毛穴やシワ等の凹凸ムラを隠し、より高いカバー効果が得られる。
発明における成分(D)の平均粒子径は、特に限定されないが、10μm以下が好ましい。本発明における成分(D)の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。平均粒子径の範囲としては、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは5〜10μmである。この範囲であれば、透明感、伸び広がりの良さにより優れるため、より好ましい。
成分(D)の球状粉体は、その組成は特に限定はされず、通常化粧料に用いられる粉体であれば、多孔質、無孔質等の粒子構造等に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、セルロースパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ポリスチレンパウダー、ウレタンパウダー等の有機粉体類、シリカ、ケイ酸マグネシウム等の無機粉体類、シラスバルーン、ガラスバルーン、(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル)コポリマー等の中空粉体類、前記有機粉体・無機粉体・中空粉体等の複合化粉体類等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を用いることができる。
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5%より好ましい。この範囲であれば、毛穴やシワの凹凸を隠すカバー力、仕上がりの透明感により優れる点でより好ましい。
本発明の化粧料において、さらに成分(E)として下記表面被覆処理剤(a)及び(b)により表面被覆処理された粉体を含有することができる。
(a)下記一般式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサン
SiO−(R SiO)−SiR (1)
(式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
(b)下記一般式(2)で示されるアミノ基含有シラン化合物
mSiX(3−m) (2)
(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは0または1である)
上記成分(E)を含有することで、塗布時の伸び広がりがより良好になるため、より好ましい。
本発明に用いられる表面被覆処理剤(a)は、両末端反応性ジオルガノポリシロキサンであり、下記一般式(1)で示される両末端ヒドロキシシリル基変性シリコーンである。
SiO−(R SiO)L−SiR (1)
(式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
上記(a)は特に限定されないが、本発明においては、水サスペンションまたは水エマルジョンの形態で用いることが、成分(E)の感触等を良好にする点で好ましい。該(a)の水エマルジョンを調製する方法としては、通常公知の方法でよく、低分子環状シロキサンを出発原料として乳化重合する方法や、オイル状の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンを乳化する方法等が例示される。
本発明に用いられる表面被覆処理剤(b)は、アミノ基含有シラン化合物であり、下記一般式(2)で示されるものである。
SiX(3−m) (2)
(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4アルコキシ基を表し、mは0または1である)
上記(b)の好ましい例としては、特に限定されないが、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を例示できる。
さらに、本発明に使用される成分(E)の好ましい様態としては、上記の表面被覆処理剤である(a)と(b)とを縮合反応させた、シリコーンの微三次元架橋構造を有する重合物(以下、「シリコーン微架橋物」と称する)により、表面を被覆された粉体である。該シリコーン微架橋物は、ゴム弾性を有しない化合物であればよく、(a)と(b)との質量比が、概ね、表面被覆処理剤(a):表面被覆処理剤(b)=100:0.1〜100:35であることが好ましい。表面被覆処理剤(b)が0.1質量%より少ないと、粘性を有するシリコーンオイルまたはガム状であり、35質量%より多いと弾性を有するシリコーンエラストマー状となり、表面被覆処理された粉体の撥水性が低下する傾向がある。
また、上記シリコーン微架橋物は、ゴム弾性すなわちゴム硬度を有しない重合体であることが好ましい。ゴム硬度を有しない重合体とは、ISO7619−1に規定されるデュロメータタイプAOによる測定法(軟質ゴム硬度測定)の測定値が10未満であり、より好ましくは5未満、さらに好ましくは0のものである。
さらに、上記シリコーン微架橋物のレオロジー特性は、特に限定されないが、動的粘弾性測定(25℃、歪み率17%、剪断周波数4Hz)における複素弾性率が3,000〜100,000Pa、損失係数tanδ(損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’)が1.0〜2.5であることが好ましい。より好ましくは、複素弾性率が10,000〜100,000Paであり、損失係数tanδが1.0〜2.0である。この範囲であれば、表面被覆処理粉体の使用感、肌への密着性、化粧膜の均一性により優れるためより好ましい。
前記シリコーン微架橋物のレオロジー特性は、以下のようにして測定することができる。
動的粘弾性測定装置:Rheosol−G3000(UBM社製)
測定治具:直径20mmのパラレルプレート
測定周波数:4Hz
測定温度:25±1.0℃
測定歪の設定:歪み率17%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
測定試料厚み(ギャップ):1.0mm
ここで剪断周波数を4Hzとしたのは、人にとって一般的な物理的動作速度の範囲であり、化粧料を肌へ塗布する際速度に近似している理由による。
本発明に使用される成分(E)において、表面被覆処理されうる粉体としては、成分(B)〜(D)以外の粉体であって、通常の化粧料に用いられる粉体であれば、特に限定されず、無機粉体、有機粉体、金属石鹸粉末、光輝性粉体、色素粉体、複合粉体等が挙げられ、その粒子形状(針状、板状、不定形等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等を問わず、何れのものも使用することができる。
無機粉体として、具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ等が挙げられ、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン)、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体パウダー、ビニル樹脂パウダー、尿素樹脂パウダー、フェノール樹脂パウダー、フッ素樹脂パウダー、ケイ素樹脂パウダー、アクリル樹脂パウダー、メラミン樹脂パウダー、エポキシ樹脂パウダー、ポリカーボネイト樹脂パウダー、微結晶繊維パウダー、コメデンプン、ラウロイルリジン等が挙げられ、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、特に限定されないが、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、白雲母、金雲母、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化鉄、紺青、群青、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン)、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、シリコーンパウダー、ポリエチレンテレフタレートパウダー、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン・酸化スズ被覆合成雲母、酸化チタン被覆ガラス末等を選択すると、より化粧効果が高い表面被覆処理粉体を得ることができるため特に好ましい。これらの粉体の平均粒子径は特に限定されないが、化粧効果の観点から3〜200μm程度のものが好ましい。
本発明に使用される成分(E)において、これらの粉体に上記の表面被覆処理剤(a)と(b)とを表面被覆する方法としては、特に限定されないが、例えば、表面被覆処理剤と粉体とを直接混合し(加熱して)被覆する乾式被覆方法、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン等の溶媒に表面被覆処理剤を溶解又は分散し、この溶液又は分散液に粉体を添加し、混合後、前記溶媒を乾燥等により除去、加熱、粉砕する湿式被覆方法、メカノケミカル方法等が挙げられる。
また成分(E)は、国際公開2014/102863号に記載された方法に基づいて得ることができる。例えば、粉体と上記シリコーン微架橋物をミキサー等で単純混合して被覆することも可能である。また、より好ましくは、in-situ法にて粉体の存在下でシリコーン微架橋物を粉体粒子表面に析出させた後、加熱することで、粒子表面にシリコーン微架橋物を固着する方法を用いることができる。この方法により、粉体粒子表面への被覆の均一性が高まり、より良好な分散性を有すると共に、肌への密着性に優れた粉体を得ることができる。
このようにして得られる成分(E)は、粉体表面が表面被覆処理剤である(a)及び(b)により被覆されたものであり、その被覆量は、特に制限されないが、粉体と表面被覆処理剤との含有質量比が、(表面被覆処理され得る粉体):(表面被覆処理剤(a)及び(b))=99.99:0.01〜70:30が好ましく、99.9:0.1〜90:10が特に好ましい。この範囲であれば、粉体が良好な分散性を有すると共に、より滑らかな軽い感触でしっとり感があり、化粧膜の均一性、化粧持ちに優れた表面被覆処理粉体が得られる。
本発明における成分(E)の含有量は、特に限定されないが、1〜20%が好ましく、5〜15%がより好ましく、7〜12%がさらに好ましい。この範囲であれば、透明感、しっとり感、伸び広がりにより優れるため、より好ましい。
本発明の粉末化粧料は、上記成分の他、成分(A)以外の油剤、界面活性剤、高分子、着色剤、成分(B)〜(E)以外の粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、香料、美容成分等を本発明の効果を妨げない範囲で適宜含有することができる。
本発明の粉末化粧料は、通常公知の方法で製造することができる。特に限定されないが、例えば、成分(B)〜(E)、その他の粉体を含む粉体成分と、成分(A)を含む油剤、及びその他の成分を混合した後、粉砕し粉末状にする方法等が挙げられる。
本発明の粉末化粧料は、形状は特に限定されず、粉末状化粧料、固形粉末化粧料とすることができる。本発明の粉末化粧料の形態としては特に限定されず、皿状容器に圧縮成型して成る固形粉末化粧料、皿状容器に粉末状で充填して成る粉末状化粧料としても良く、保持体に本発明の粉末化粧料を担持しても良い。前記保持体は特に限定されず、紙、プラスチック等種々の材質を使用でき、形状についても特に限定されず、平面状、皿状、花型等種々の形状とすることができる。また、本発明は、ファンデーション、白粉、アイカラー、チークカラー、アイブロウ等のメークアップ化粧料、ボディパウダー、美白パウダー等の基礎化粧品に適用可能であり、本発明の効果であるカバー効果が期待されるメークアップ化粧料に好適に用いられる。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
表面処理された粉体(E)の製造
製造例1:((a)ジメチコノール/(b)アミノシラン=100/10(質量比))5%表面被覆マイカ
特開2016−216424号公報の製造例1と同様にしてジメチコノールの水エマルジョンを得た。具体的には以下のとおりである。容量2リットルのポリエチレンビーカーにオクタメチルシクロテトラシロキサン450gとイオン交換水500g、ラウロイルメチルタウリンナトリウム6.75gを仕込み、ホモミキサー撹拌2,000rpmにより予備混合した後、クエン酸4gを添加して、70℃に昇温してホモミキサー5000rpmにより24時間乳化重合した。卓上加圧ホモジナイザー(APVゴーリン製)で50MPaにて1回乳化分散した。次いで10%炭酸ナトリウムを加えてpH7に調整してジメチコノールの水エマルジョン(1)を得た(固形分45.0%、固形分分子量100,000)。容量20リットルのPE製容器に、水7LとY−2300(ヤマグチマイカ社製)1kgを仕込み、ディスパーミキサー(プライムミクス社;AM−40)にて2000rpmで5分間分散した。前記の水エマルジョン(1)103gを添加して2500rpmにて5分間攪拌した。次いで、架橋剤としてアミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903;信越化学工業社製)5質量%水溶液を96g添加した。1N−NaOH水溶液にてpHを10.3に調整した後、3000rpmにて30分間攪拌反応させた。遠心脱水機にてろ過して7Lの水にて洗浄した後、脱水ケーキを乾燥機中120℃にて16時間乾燥した。この時ケーキ中に温度センサーを挿入して温度を記録したところ、115℃以上で7時間加熱されていた。乾燥したケーキをパルベライザーで粉砕して、5%表面被覆マイカを得た。
製造例2:((a)ジメチコノール/(b)アミノシラン=100/10(質量比))5%表面被覆タルク
製造例1の粉体をタルクJA−13R(浅田製粉社製)に換えた以外は、製造例1に準じて5%表面被覆タルクを得た。
実施例1〜20及び比較例1〜8:パウダーファンデーション(乾式)
下記表1〜3に示す処方のパウダーファンデーションを調製し、透明感、カバー力、しっとり感、伸び広がりの良さを下記評価方法により評価し、判定した。その結果も併せて各表に示す。
※1:Pearl−Glo UVR(BASF社)
※2:窒化ホウ素(平均粒子径8.5μm)37%、オキシ塩化ビスマス(※1)24%、焼成セリサイト(平均粒子径10.5μm)37%、ピロリドンカルボン酸変性シリコーン(※4) 2%の割合で、前記3種の板状粉体に予めピロリドンカルボン酸変性シリコーンを処理したもの
※3:窒化ホウ素(平均粒子径8.5μm)37%、オキシ塩化ビスマス(※1)24%、焼成セリサイト(平均粒子径10.5μm)37%、メチコン2%の割合で、前記3種の板状粉体に予めメチコンを処理したもの
※4:赤色酸化鉄28%、黄色酸化鉄69%、黒色酸化鉄3%の割合で予め混合した顔料混合物
※5:SENSASIL PCA−LQ−(AP)(クローダジャパン社)
(製造方法)
A.1〜17をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.18〜23を均一に混合溶解する。
C.AにBを添加し均一に混合する。
D.Cを粉砕し容器に充填し圧縮成型してファンデーションを得た。
(評価方法)
下記イ〜ニの評価項目について、各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.透明感
ロ.カバー力
ハ.しっとり感
二.伸び広がりの良さ
専門パネル20名に各試料を、化粧用パフを用いて使用塗布してもらい、イ〜ニの各項目について、各自が下記絶対評価基準に従って5段階に評価し、試料毎に評点を付け、更に全パネルの評点の平均点を下記以下判定基準に従って判定した。なお、「しっとり感」は、塗布後の肌がしっとりとした感触を感じ、乾燥感を感じないかどうか、「伸び広がりの良さ」は、塗布時に途中でかすれることなく均一に伸ばせるかどうか、「透明感」については、仕上がった化粧膜が厚みを感じることなく肌と一体化しているように感じるか、「カバー力」については塗布直後に、シミやソバカス等の色ムラ・毛穴やシワ等の凹凸ムラが隠れたかどうかを評価した。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
4 :非常に良い
3 :良い
2 :普通
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ :3点を超える :非常に良好
○ :2点を超える3点以下 :良好
△ :1点を超える2点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜20のファンデーションは、透明感、カバー力、しっとり感、伸び広がりの良さの全ての項目に優れた粉末化粧料であった。一方、成分(B)を含有しない比較例1、2及び3は、主に透明感に満足のいくものでなく、板状粉体の種類によっては伸び広がりの良さも満足いくものではなかった。また、成分(A)を含有せず、代わりにジメチコンを含有する比較例4は透明感が低く、代わりに水添レシチンを含有する比較例5は伸び広がりに満足のいくものではなかった。さらに成分(A)の代わりにメチコンを成分(B)の板状粉体に表面処理した比較例6は、透明感に満足のいくものではなかった。一方、(C)成分の代わりに酸化鉄が被覆されていない顔料級酸化チタンと微粒子酸化チタンをそれぞれ含有する比較例7及び8について、比較例7では化粧膜が厚く、かつ白浮きして透明感のない仕上がりになり、比較例8では色ムラを隠しきれずカバー力が足らない点で満足のいくものではなかった。
実施例21:パウダーファンデーション(スラリー)
下記の処方および製法によりスラリー製法のパウダーファンデーションを製造した。
(成分) (%)
1.酸化チタン(平均粒子径35nm) 10.0
2.酸化鉄被覆二酸化チタン(平均粒子径400nm) 10.0
3.酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 5.0
4.窒化ホウ素(平均粒子径8.5μm) 8.0
5.オキシ塩化ビスマス ※1 16.5
6.赤色酸化鉄 0.5
7.黄色酸化鉄 1.7
8.黒色酸化鉄 0.15
9.マイカ 残量
10.球状シリカ(平均粒子径8μm) 10.0
11.ラウロイルリシン 4.0
12.製造例2の表面被覆タルク 10.0
13.ピロリドンカルボン酸変性シリコーン ※5 0.5
14.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 8.0
15.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
16.ジメチルポリシロキサン 2.0
17.クロルフェネシン 0.2
18.レモンエキス 0.001
19.ハトムギエキス 0.001
20.緑茶エキス 0.001
21.コメ発酵エキス 0.001
22.コメヌカエキス 0.001
23.ヒアルロン酸Na 0.001
24.加水分解コラーゲン 0.001
25.プロテオグリカン 0.001
26.オウゴンエキス 0.001
27.加水分解ダイズエキス 0.001
28.アスタキサンチン 0.001
29.ローズハチミツ 0.001
30.シア脂 0.001
31.セラミドNG 0.001
32.フムスエキス 0.001
33.ケイケットウエキス 0.001
34.テアニン 0.001
35.ミョウバン 0.001
36.クロルヒドロキシアルミニウム 0.001
(製造方法)
A.1〜12をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.Aに、成分13〜36を均一に混合したものを加えて、均一に分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C.前記化粧料基材100部に溶剤(イソドデカン)を50部添加して混合し、スラリー状の混合物を得た。
D.前記混合物を丸型の金皿(直径5.5cm)に11g充填し、プレス圧2.0kgf/cm、プレス時間4秒、紙6枚の条件で4回圧縮し、溶剤を一部除去した。その後、70℃で一昼夜乾燥し、溶剤を除去してファンデーションを得た。
得られたパウダーファンデーション(スラリー)は、塗布時のしっとり感、伸び広がりが良好であり、仕上がりの透明感、及びカバー力に優れるパウダーファンデーションであった。
実施例22:ファンデーション(固形粉末と油性固形の間の性状)
下記の処方および製法により、固形粉末と油性固形の間の性状のファンデーションを製造した。
(成分) (%)
1.酸化チタン(平均粒子径35nm) 2.0
2.酸化鉄被覆二酸化チタン(平均粒子径270nm) 8.0
3.酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 1.0
4.窒化ホウ素(平均粒子径6.5μm) 5.0
5.合成金雲母(平均粒子径11.6μm) 8.0
6.焼成セリサイト(平均粒子径10.5μm) 14.0
7.赤色酸化鉄 0.5
8.黄色酸化鉄 1.7
9.黒色酸化鉄 0.15
10.セリサイト 残量
11.球状シリカ(平均粒子径8μm) 5.0
12.製造例1の表面被覆マイカ 6.0
13.ジメチルシリル化シリカ 0.2
14.ピロリドンカルボン酸変性シリコーン ※5 0.5
15.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 5.0
16.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 15.0
17.オクタン酸グリセリル 5.0
18.ジメチルポリシロキサン 15.0
19.ペンチレングリコール 0.2
20.イソドデカン 5.0
(製造方法)
A:成分13〜20を三本ローラーにて分散、膨潤させる。
B:Aに成分1〜12を添加し、プラネタリーミキサーにて減圧しながら混練する。
C:Bを容器に充填し、固形粉末と油性固形の間の性状のファンデーションを得た。
得られたファンデーションは、塗布時のしっとり感、伸び広がりが良好であり、仕上がりの透明感、及びカバー力に優れるファンデーションであった。
実施例23:プレストパウダー
下記の処方および製法によりプレストパウダーを製造した。
(成分) (%)
1.酸化鉄被覆二酸化チタン(平均粒子径270nm) 1.0
2.酸化チタン(平均粒子径35nm) 2.0
3.タルク 残量
4.雲母チタン 5.0
5.合成金雲母(平均粒子径20μm) 8.0
6.オキシ塩化ビスマス ※1 10.0
7.焼成セリサイト(平均粒子径10.5μm) 5.0
8.球状ポリエチレン末(平均粒子径10μm) 4.0
9.球状メタクリル酸メチルクロスポリマー
(平均粒子径15μm) 10.0
10.球状シリカ(平均粒子径8μm) 1.0
11.赤色酸化鉄 0.1
12.黄色酸化鉄 0.2
13.黒色酸化鉄 0.01
14.製造例2の表面被覆タルク 10.0
15.ピロリドンカルボン酸変性シリコーン ※5 0.5
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
17.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 2.0
18.テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 2.0
19.ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル 2.0
20.ジメチルポリシロキサン(6CS) 3.0
21.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.0
22.スクワラン 0.5
23.ケイ酸アルミニウムマグネシウム 1.0
(製造方法)
A.成分1〜14を均一に混合する。
B.Aに、成分15〜23を均一に混合したものを均一に分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C.化粧料基材100部に水を70部添加して混合した。常温にて混練した後、これを樹脂皿容器に充填し、乾燥により水を除去して、白粉を得た。
得られたプレストパウダーは、塗布時のしっとり感、伸び広がりが良好であり、仕上がりの透明感、及びカバー力に優れるプレストパウダーであった。
実施例24:ルースパウダー
下記の処方および製法によりルースパウダーを製造した。
(成分) (%)
1.球状シリカ(平均粒子径5μm) 10.0
2.球状ナイロン(平均粒子径7μm) 5.0
3.シリコーン樹脂球状粉末(平均粒子径5μm) 10.0
4.酸化鉄被覆二酸化チタン(平均粒子径400nm) 3.0
5.赤色酸化鉄 0.2
6.黄色酸化鉄 0.4
7.黒色酸化鉄 0.05
8.マイカ 残量
9.窒化ホウ素(平均粒子径8.0μm) 10.0
10.合成金雲母(平均粒子径6.7μm) 15.0
11.製造例1の表面被覆マイカ 10.0
12.ピロリドンカルボン酸変性シリコーン ※5 0.5
13.エチルヘキシルグリセリン 0.2
14.流動パラフィン 2.0
15.香料 0.5
(製造方法)
A.1〜11をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.12〜15を均一に混合溶解する。
C.AにBを添加し均一に混合する。
D.Cを粉砕し金皿に樹脂皿容器に充填してルースパウダーを得た。
得られたルースパウダーは、塗布時のしっとり感、伸び広がりが良好であり、仕上がりの透明感、及びカバー力に優れるルースパウダーであった。
実施例25:チークカラー
下記の処方および製法によりチークカラーを製造した。
(成分) (%)
1.球状シリカ(平均粒子径5μm) 10.0
2.球状ナイロン(平均粒子径7μm) 5.0
3.シリコーン樹脂球状粉末(平均粒子径5μm) 10.0
4.酸化鉄被覆二酸化チタン(平均粒子径400nm) 1.0
5.赤色226号 0.04
6.赤色202号 0.25
7.マイカ 残量
8.ピロリドンカルボン酸変性シリコーン
処理板状粉体※2 24.0
9.製造例2の表面被覆タルク 10.0
10.ベンガラ被覆雲母チタン 1.0
11.PET 0.5
12.ベンガラ被覆アルミニウム末 0.1
13.ガラス末 0.3
14.フェノキシエタノール 0.2
15.イソノナン酸イソトリデシル 0.5
16.流動パラフィン 2.0
17.香料 0.5
(製造方法)
A.1〜9をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.10〜17を均一に混合する。
C.AにBを添加し均一に混合する。
D.Cの100質量部に溶媒としてイソドデカンを30質量部加え、混合してスラリー状にする。
E.Dを充填成型した後、イソドデカンを除去し、チークカラーを得た。
得られたチークカラーは、塗布時のしっとり感、伸び広がりが良好であり、仕上がりの透明感、及びカバー力に優れるチークカラーであった。
実施例26:アイカラー
下記の処方および製法によりアイカラーを製造した。
(成分) (%)
1.球状ポリメチルメタクリル酸メチルクロスポリマー
(平均粒子径6μm) 4.0
2.球状シリカ(平均粒子径5μm) 5.0
3.酸化鉄被覆二酸化チタン(平均粒子径400nm) 1.0
4.黄色酸化鉄 2.0
5.黒色酸化鉄 0.5
6.マイカ 残量
7.雲母チタン 15.0
8.酸化チタン被覆合成金雲母 5.0
9.酸化チタン被覆ガラス末 3.0
10.窒化ホウ素(平均粒子径8.5μm) 9.0
11.オキシ塩化ビスマス ※1 5.0
12.焼成セリサイト(平均粒子径10.5μm) 8.0
13.合成金雲母(平均粒子径40μm) 4.0
14.製造例1の表面被覆マイカ 10.0
15.ピロリドンカルボン酸変性シリコーン ※5 0.5
16.カプリリルグリコール 0.3
17.ジメチルポリシロキサン(10CS) 1.0
18.セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
19.リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
(製造方法)
A.成分1〜14をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.15〜19を均一に混合する。
C.AにBを添加し均一に混合する。
D.Cを粉砕し金皿にプレス成型してアイカラーを得た。
得られたアイカラーは、塗布時のしっとり感、伸び広がりが良好であり、仕上がりの透明感、及びカバー力に優れるアイカラーであった。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)ピロリドンカルボン酸変性シリコーン、
    (B)窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイト、合成金雲母よりなる群から選ばれる1種または2種以上の板状粉体、
    (C)酸化鉄被覆二酸化チタン
    を含有する粉末化粧料。
  2. 前記成分(B)が窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、焼成セリサイトよりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の粉末化粧料。
  3. 前記成分(A)及び成分(B)の含有質量割合が0.001≦(A)/(B)≦0.1である請求項1又は2に記載の粉末化粧料。
  4. 前記成分(B)の板状粉体が、前記成分(A)による表面処理物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
  5. 前記成分(C)酸化鉄被覆二酸化チタンの平均粒子径が200〜1000nmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
  6. 更に、成分(D)球状粉体を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
  7. 前記成分(D)球状粉体の平均粒子径が10μm以下である請求項6に記載の粉末化粧料。
  8. 更に、成分(E)下記の表面被覆処理剤(a)及び(b)により表面被覆処理された粉体を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
    (a)下記一般式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサン
    SiO−(R SiO)−SiR (1)
    (式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
    (b)下記一般式(2)で示されるアミノ基含有シラン化合物
    mSiX(3−m) (2)
    (式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは0または1である)

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