JP2007022858A - 細孔構造を有する窒化物及びその製造方法 - Google Patents

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一成 堂免
Junko Nomura
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Abstract

【課題】結晶化した細孔構造を有する窒化タンタル、その製造方法及び結晶化した細孔構造を有する窒化タンタルからなる光触媒を提供する。
【解決手段】非晶質細孔酸化タンタルの細孔内表面をケイ酸化合物等からなる被覆材で被覆し、結晶化すると共に窒化し、その後アルカリ処理により被覆材を除去することにより結晶化した細孔構造を有する窒化タンタルを得る。及び得られた窒化タンタルに助触媒を担持することにより、光触媒を提供する。
【選択図】図5

Description

本発明は、細孔窒化タンタル、細孔窒化タンタルの製造方法及び前記細孔窒化タンタルからなる可視光応答性光触媒に関する。
本願の明細書において;
細孔の平均最大長とは、各細孔内径の最も長い距離を平均した値を意味する。
細孔が結晶化したとは、X線回折パターンにおいて回折ピークが観察されることを意味する。
メソポーラスとは、メソサイズの大きさの平均最大長を有する細孔のことであり、メソサイズとは、IUPACの定義に従い、平均最大長が2nm〜50nmの値を意味する。
細孔窒化物とは、細孔構造を有する窒化物を意味する。
光触媒とは、光照射によって酸化、還元反応を起こす物質のことを言う。すなわち、伝導帯と価電子帯との間のバンドギャップエネルギーよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、電子と正孔を生成しうる物質であり、このとき、伝導帯に生成した電子の還元力および/または価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。
これまで、シリカをはじめとして直径(ここでは、最も長い内径を言う)2nm〜50nmナノスケールの結晶した細孔壁からなる細孔物質が数多く提案されている。該細孔構造を持つ無機材料を合成するのに利用されている技術としてゾル−ゲル法がある。該合成方法は、合成系に界面活性剤を添加し、選択される界面活性剤により、形成されるミセル集合体を制御し、また、前記添加剤により形成される細孔構造を規定する鋳型(テンプレートとも言う)として利用して所望の無機材料の多孔性物質を調製することが行われている。このような手法により合成された無機多孔質材料は、構成する材料及び細孔径の大きさに関連して、触媒、吸着媒、センサーなどの機能性材料として利用が可能であることから注目され、期待されている。しかしながら、構成材料としてシリカを用いる場合は、シリカは不活性な物質であり、前記機能性材料として用いるには、種々の工夫が必要であり、用途の開発は非常に難しいとされている。
このような中で、本発明者らは、非シリカ系細孔物質の合成方法の開発に取り組んできた。初期の段階においては、合成されてきた非シリカ系細孔物質の多くは非晶質(アモルファス)であることから、熱に対する耐性などに劣り、構造安定性が悪いという問題があった。そこで、本発明者は前記アモルファスによる問題を解決する技術として、細孔構造周期が六方配列構造であり、細孔の内径の最大長が平均2nm〜50nmであり、該細孔を形成する材料をTa、Nbの酸化物またはこれらの複合酸化物などから選択される非シリカ系酸化物から構成されている細孔酸化物を製造する技術(特許文献1)の開発に取り組んできた。また、結晶化前のメソポーラスの細孔の形状を細孔壁の結晶化時に変形させることなく、均一な細孔構造と、細孔配列を有する結晶化したメソポーラス酸化物を製造する技術を確立した(特許文献2)。
そのような中で、酸化タンタルの窒化により可視光応答性電極材料として利用できる窒化タンタルの薄膜を製造する技術も提案されている(非特許文献1)。
特開2003−261333号、特許請求の範囲 特開2003−321211号、特許請求の範囲 J.Phys.Chem.B 2004,108,p11049−11503 Chem.Mater.2001,13,p1194−1199なお、これらの文献は本願明細書に包含される。
前記特許文献2には、メソポーラス酸化物の細孔内に充填物、例えばテトラエチルオルトシ
リケート(TEOS)を導入し、シリカ層を形成後、細孔壁を加熱結晶化して細孔壁が結晶化したメソポーラス酸化物を製造する発明が記載されている。また、前記非特許文献1には、窒化タンタルが、タンタルフォイル上に形成された酸化タンタルを窒化することにより製造できること、及び、得られた窒化タンタルの薄膜は可視光応答型光電極材料として利用できることが記載されている。
一方、メソポーラス材料は細孔構造によりバルク内部と表面との距離が比較的近いために、バルク内部で生成された電子と正孔を速やかに表面に移動させることが可能である。また、比表面積がバルク体のものと比べて大きいために活性サイトの絶対的な量が多いという利点がある。そのため、メソポーラス材料を光触媒材料として応用しようという試みがなされている。本発明者はメソポーラス遷移金属酸化物が通常のバルク体に比べて水の光分解反応において高い活性を示すことを見出している(前記非特許文献2)。
以上のことから、細孔構造を持つ遷移金属の窒化物が合成されれば従来のバルクの窒化物に比べて高い光触媒活性が得られることが期待される。いままでに、このような細孔構造を持つような遷移金属窒化物は報告されていない。従って、このような細孔窒化物を合成することができれば新規の技術として多方面の応用が可能であると考えられる。
本発明の課題は、細孔構造を持つ遷移金属の窒素物及びその製造方法を提供することである。また可視光応答性の高い、細孔構造を有する窒化タンタルを提供することである。
本発明は、細孔構造を有する窒化タンタルである。好ましくは、その細孔構造が規則性を有し、また当該細孔がメソサイズであることが好ましい。
また、本発明は、細孔構造を有する窒化タンタルの製造方法であり、(1)非晶質細孔
酸化タンタルを被覆材で被覆する工程;(2)被覆された細孔酸化タンタルを窒化する工程;(3)窒化した酸化タンタルから被覆材を除去する工程、の各工程を有する、窒化タンタルの製造方法に関する。
更に、本発明は、上記で得られた窒化タンタルに助触媒を担持させたことを特徴とする光触媒に関する。
発明の効果として、細孔構造を有する窒化タンタルを提供できる。また可視光応答性が改善された細孔構造を有する窒化タンタルを提供でき、これにより可視光の利用を高めた光触媒を提供できた、ということを挙げることができる。
本発明をより詳細に説明する。
(A)細孔構造を有する窒化タンタル
本発明の窒化タンタルは細孔構造を有する。好ましくはその細孔構造が規則性を有する。また細孔の平均最大長はメソ以下であることが好ましい。メソ以下とは、細孔の平均最大長が50nm以下であることを意味する。更に好ましくは、細孔の平均最大長は、メソの範囲(2nm〜50nm)であるが、2nm以下のいわゆるミクロの範囲を排除するものではない。
本発明において、細孔構造は規則性を有する。規則性を有する、とは細孔構造が一定の間隔で、一定の構造を有することを意味する。好ましくは、細孔構造は、六方配列構造である。なお、六方配列の細孔構造は、使用するテンプレート成分、細孔を形成する自己組織化を制御するための溶媒,ゲル化剤、ゲル化温度,焼成条件などが重要な条件である。
また本発明において、細孔を形成する壁が結晶化していることが好ましい。
結晶化しているか否かは、例えば電子線回析像の観察により、六方配列構造の場合は、当該構造が細孔に対して垂直方向に六つのスポットが等間隔で配列する。
(B)細孔構造を有する窒化タンタルの製造方法
本発明の製造方法は、(1)非晶質細孔酸化タンタルを被覆材で被覆する工程;(2)被覆された細孔酸化タンタルを窒化する工程;(3)窒化した酸化タンタルから被覆材を除去する工程、の各工程を有する、
(1)非晶質細孔酸化タンタルを被覆材で被覆する工程
本発明で用いられる非晶質細孔酸化タンタルは、公知の方法、例えば、有機溶媒に高分子界面活性剤を溶解した溶液に、遷移金属酸化物の前駆体である遷移金属塩または/および金属アルコキシドを加え溶解させ、該遷移金属の塩または/および金属アルコキシドを加水分解、ポリマー化および自己組織化したゾル溶液とし、前記ゾル溶液から組織の安定化したゲルを得、該ゲルを酸素が存する雰囲気中において200℃〜650℃で焼成することにより得られる。具体的なゾル溶液の作成方法としては、例えば、まず、塩化タンタル(TaCl),低級アルコール(好ましくはエタノール)、テンプレート化合物を適宜混合し、水を加えて加水分解及び重縮合反応を行うことによって得ることが出来る。加水分解の際、添加する水の量は前記遷移金属塩に対して同等量から60モル倍加えることが好ましい。
細孔構造は、合成時の環境から大きな影響を受けることから、均一な細孔径及び周期的な細孔の配列構造を有する遷移金属酸化物の合成、例えば非晶質細孔酸化タンタルを合成するには、前記特許文献1又は2に記載の技術等の本発明者らが既に開発した合成方法を採用することができる。
本工程は、非晶質細孔酸化タンタルを被覆材で被覆する工程である。
被覆とは、非晶質細孔酸化タンタルの表面を、その後の窒化工程や結晶化工程で、細孔が潰れたり,構造が変形したりすることの影響を受けることのないように、被覆材で覆うことを意味する。被覆には、蒸着その他の方法があるが、好ましい被覆方法は、ケイ酸塩を用いて、シリカ層(例えば二酸化ケイ素SiO)を非晶質酸化タンタルの細孔内表面に形成させる。何故ならば、シリカ層は、窒化した後、アルカリ処理等の方法を用いて容易に除去することができるからである。
また、本発明で用いられる被覆材は、後の工程で除去が容易なものであれば、特に種類は問わない。好ましくは被覆材はケイ酸化合物、炭化物質から選択されることを特徴とする。
例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition化学的蒸着)法により、オルトケイ酸テトラアルキル(Si(OR)、Rはアルキル基、以下「TROS」という)の蒸着及び加水分解によりシリカ層を形成させることにより、非晶質メソポーラス酸化タンタルを被覆することができる。
理論に拘束されるものではないが、これは、非晶質細孔酸化タンタルをTROSと共に溶解させることによりSi(OR)がSi(OH)として、非晶質細孔酸化タンタルの表面に蒸着し、その後加熱することにより、H2Oを除去することで、非晶質細孔酸化タンタルの表面をSiOで被覆することができると考えられる。
なお、好ましいTROSはアルキル基がメチル基であるテトラメチルシリケート(TMOS)、またはエチル基であるテトラアルキルエチルシリケート(TEOS)である。
TMOSを被覆材として用いる場合には、例えば、真空(1.0×10−3Torr)下、温度200℃にて、TMOSの蒸着(好ましくは5回)、及び加水分解(好ましくは2回)を繰り返す工程を採用できる。酸化タンタルの窒化及び結晶化時の細孔の変形を防ぐには0.5nm以上のシリカ層の厚さであることが好ましい。更に好ましくは、シリカ層は、0.5nm以上細孔内径の1/2未満である。
また,炭化物質の場合は、高温あるいは強酸処理で炭化物質を炭化することにより、非晶質細孔酸化タンタルの表面を炭素層で被覆することができる。好ましい炭化物質としては、炭素を含む有機物質であればよく、例えば、グルコース、フルクトースといった糖類またはこれらの誘導体やアルコールの重合体(例えばフルフリルアルコールの重合体)から選択することができる。なお、炭化物質を用いた被覆方法については、例えば、特開2003−321211(前記特許文献2)に記載されている方法を用いることができる。
(2)被覆されたメソポーラス酸化タンタルを窒化する工程
本工程は、工程(1)で得られた被覆された非晶質メソポーラス酸化タンタルを窒化する工程である。
窒化とは酸化タンタル(Ta)を窒化タンタル(Ta)に変換する工程である。例えばアンモニアガス(NH)雰囲気下で、高温にすることで、窒化することができる。温度、アンモニアの流量、処理時間などは場合に応じて設定することができるが、温度条件は好ましくは700℃以上、好ましくは700℃〜1200℃、更に好ましくは800℃から900℃である。またアンモニアの流量は最低20mL/分、好ましくは500〜1000mL/分である。処理時間は窒化が十分に進行する範囲で適宜選択できるが、最低10分、好ましくは1時間〜30時間であることが好ましい。
なお本工程では、高温で加熱しているため、窒化と同時に、得られる窒化タンタルの細孔壁は部分的に、もしくは全部が結晶化している。
なお必要であるならば、本工程の前に、非晶質細孔酸化タンタルを別途結晶化することができる。結晶化は、例えば空気中で焼成することによって行うことができる。具体的には700℃以上1200℃以下、好ましくは約800℃において、1−2時間焼成させることによって行うことができる。
理論に拘束されるものではないが、窒化と同時に結晶化を行う方が比較的規則正しい細孔構造が得られると考えられる。
(3)窒化した酸化タンタルから被覆材を除去する工程
本工程は、工程(2)で窒化した酸化タンタルから被覆材を除去する。除去する方法は被覆材によって異なる。例えば、被覆材にケイ酸塩を用いた場合では、pH12−14の比較的高アルカリの溶液で10分―15分洗浄することにより、被覆材を除去することができる。好ましいアルカリ性の溶液としてはNaOH、KOHなどが挙げられる。例えば、被覆材に炭化物質を選択した場合には、空気雰囲気下の電気炉などの加熱手段中で加熱することにより、二酸化炭素として除去することができる。
(C)光触媒
本発明では、上記の工程より得られた窒化タンタルに助触媒を担持させることにより、メソポーラス窒化タンタルが可視光にても光触媒効果のあることを見出した。 助触媒は好ましくは窒化タンタルの量の0.05〜5.0重量%を、窒化タンタルに担持させることが好ましい。助触媒が2種類以上の場合には、2番目の助触媒は、好ましくは1番目の助触媒と窒化タンタルの合計重量の0.05〜5.0重量%を、1番目の助触媒に担持させることが好ましい。
好ましい助触媒はPt、NiO及びRuOからなる群より選択される。助触媒としてPtを用いる場合には、犠牲試薬が必要である。犠牲試薬とは、電子を反応に供与し,水素を生成させるために正孔を速やかに消費させるために反応系に共存させる物質を指し、例えばメタノールなどが用いられる。
助触媒を細孔窒化タンタルに担持させるには、助触媒を適当な溶媒に溶解させ、細孔内部に助触媒を運搬し、その後焼成することによって、溶媒を除去する、含浸法を用いることができる。助触媒を担持させるときにも、もし犠牲試薬を用いる場合には、例えばメタノールを80容量%配合した水に細孔窒化タンタルを分散して溶液に添加し、光照射して光電着により担持させることができ、このように、系中に犠牲試薬が共存したままの状態で、助触媒を担持させた窒化タンタルを光触媒として反応に用いることが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これは本発明をより理解し易くすることを目的とするものであり、これにより本発明を限定的に解釈されないことは当然である。
測定機器;
1,XRD(Rigaku社製 RINT 2000 Ultima III、CuKa線)法:X線回折法:低角度(0.5〜6°)ピークパターンによりメソ細孔の周期構造が観察される。
2,窒素吸着等温線(日本ベル社製Belsorp mini):窒素吸着量(Y軸/容積(mL/g))の急激に増加する相対圧(P/P)(X軸)領域と細孔径とが対応する。立ち上がりの程度は細孔容積と関連する。
3,TEM:透過型電子顕微鏡(JEOL 社製 JEM 2010F、加速電圧200 kV):メソポーラスTa化合物の六方配列構造のTEM象が観察される。
4,電子線回折像(JEOL 社製 JEM 2010F、加速電圧200 kV):細孔に対して垂直に、一つのスポットの周りに等距離に六つのスポットが規則的に配列した像から細孔の六方配列構造が観察された。
5,紫外可視分光光度計(日本分光製V-560):可視から紫外領域の波長の光を照射し、物質の光の吸収特性を観察される。
実施例1の説明;
1,細孔酸化タンタル(Ta)の調製
界面活性剤として、P−123〔商品名、BASF社製:(HO(CHCHO)20(CHCH(CH)O)70(CHCHO)20)H〕1gを脱水エタノール10g(関東化学製)に加え、攪拌して上記界面活性剤を溶解させた。この溶液に塩化タンタルを6ミリモル加え、10分間攪拌溶解させた。さらに加水分解のために6ミリモルの水を加えて1時間攪拌した。得られた透明ゾル溶液をシャーレーに移し、空気中で40℃の温度に保たれたオーブンで7日間熟成しゲルを形成する。次いで、得られた透明ゲルを空気雰囲気下の電気炉中で500℃、5時間焼成により、細孔構造の鋳型成分である上記界面活性剤(P−123)が除去され、アモルファスの細孔構造周期が六方配列構造の細孔酸化タンタルが合成された。
得られた細孔の酸化タンタルの細孔壁のXRDパターンからアモルファスであることがわかった。
細孔径は平均4.7nmであった。
2,細孔酸化タンタルの細孔内表面にシリカ層を形成した細孔酸化タンタルの調製;
前記1,で合成された細孔酸化タンタルに吸着している水を除去するために250℃に加熱し、1時間真空排気(1.0×10−3Torr)を行った。真空排気処理を行った細孔酸化タンタルを容器に入れて200℃に保ち、室温のオルトケイ酸テトラメチル(TMOS)を飽和蒸気圧量の蒸気を導入し、その後真空排気処理を行った。この操作を5回繰り返した。その後、同様に200℃に保った細孔酸化タンタルに、水(室温)を飽和蒸気圧分導入し、真空排気処理を行った。この操作を2回繰り返した。このようにして、オルトケイ酸テトラメチルの加水分解を行い、細孔酸化タンタルの表面をシリカ層を形成した。蒸着前の表面積は126.6m/gであり、シリカ層形成後の表面積114.2m/gであった。
シリカ層の厚さは0.5nmであった。
3,酸化タンタルの窒化及び窒化タンタルの結晶化;
(a)シリカ層を形成した細孔酸化タンタルを、500mL/minのアンモニア流通下において800℃、5時間窒化して、細孔窒化タンタルを得た。
(b)比較のために、酸化タンタルを結晶化した後に窒化する方法として、シリカ層が形成された細孔酸化タンタルを空気中で800℃、2時間で焼成して結晶化を行った後、500mL/minのアンモニア流通下において800℃、5時間窒化して、細孔窒化タンタルを得た。
4,細孔窒化タンタルからのシリカ層の除去;
前記3(a)または(b)の工程により得られた結晶化後化合物を、アルカリ溶液(NaOH溶液、pH14)により処理をしてシリカ層を除去することにより、結晶化した細孔壁を有する細孔窒化タンタルが得られた。
前記3(a)を含む1−4の工程を図1の(A)に示す。(1)−(4)は前記工程1−4に対応する。
また、前記(b)の工程を図1の(B)に示す。工程(5)は細孔酸化タンタルを空気中で800℃、5時間で焼成して結晶化を行った工程、(6)は500mL/minのアンモニア流通下において800℃、2時間で結晶化した細孔酸化タンタルを窒化する工程、(4)”は得られた結晶化した細孔窒化タンタルを、それぞれ示す。
また図2に、アモルファス細孔酸化タンタル(a)、細孔内表面をシリカ層を形成したでコーティング後(b)、窒化及び結晶化したもの(前記3(a)の工程(c)、及び(c)からシリカ層を除去したもの(b)のXRDパターンを示す。
図3に上記(1)−(4)の工程で製造された細孔窒化タンタルの窒素吸着等温線を示す。窒素吸着等温線がP/Pが0.40付近で急激に上昇し、P/P0.60付近以上で平坦であることから、BET比表面積が129.1m/g、平均細孔径が3.3nmであると観測された。一方、図4に上記(1)−(4)”の工程で製造された細孔窒化タンタルの窒素吸着等温線を示す。窒素吸着等温線は完全なIV型にはなっておらず,細孔構造が一定でないことを示している。
図5に上記の(1)−(4)の工程の合成法で製造された細孔窒化タンタルの紫外可視吸収スペクトルを示す。600nm付近に吸収端が存在し、窒化タンタルの吸収端と一致した。
実施例1の(1)−(4)の工程で製造された細孔窒化タンタル0.2gを80容積%のメタノール水溶液に懸濁させ、助触媒の前駆体としてHPtClを触媒量に対して0.05wt.%になるように導入し、300Wキセノンランプ(λ≧420nmのフィルター付き、ランプ:パーキンエルマー社製;フィルター:HOYA社製)を用いて光照射を行った。
比較例として、細孔構造を有しない窒化タンタル(酸化タンタルを950度,15時間,アンモニア流量1000ml/minの条件下で窒化して作成)0.2gを上記と同様にメタノール水溶液に懸濁させて用いた。
その結果、細孔窒化タンタルを用いて製造した触媒を用いた場合、水素生成が一時間あたり13.0マイクロモルの水素が発生したのに対し、バルクの窒化タンタルを用いた場合には1.4マイクロモルの水素生成量にすぎなかった。
図6に可視光(λ≧420nm)の照射下における水素発生特性を示す。
以上述べたように、本発明が提供する高温でも安定なシリカを細孔の保護剤として導入することによって、細孔構造を維持したまま窒化を行うことが可能になり、高い光触媒活性を示す細孔金属窒化物、特に細孔窒化タンタルの合成が容易に行うことができる。細孔窒化物が持つ該均一な細孔構造による特性と合わせて、様々な用途に応用可能であることから、前記特性の利用による産業の発展に寄与することは明らかである。
本発明の細孔窒化タンタルの製造工程(1)−(4)、及び比較例、製造工程(1)−(4)” 実施例1の工程(1)−(4)で得られた本発明の細孔周期構造が六方配列構造の細孔窒化タンタルのXRD 実施例1の工程(1)−(4)で得られた本発明の細孔周期構造が六方配列構造の細孔窒化タンタルの窒素吸着等温線 比較例の工程(1)−(4)”で得られた細孔窒化タンタルの窒素吸着等温線 実施例1の工程(1)−(4)で得られた本発明の細孔周期構造が六方配列構造の細孔窒化タンタルの紫外可視吸収スペクトル 本発明の細孔周期構造が六方配列構造の細孔窒化タンタルの光触媒活性

Claims (14)

  1. 細孔構造を有する窒化タンタル
  2. 結晶化していることを特徴とする、請求項1の窒化タンタル
  3. 細孔構造が規則性を有する、請求項1の窒化タンタル
  4. 細孔の平均最大長がメソ以下であることを特徴とする請求項1の窒化タンタル。
  5. 細孔構造が六方配列構造であることを特徴とする、請求項1の窒化タンタル。
  6. 細孔構造を有する窒化タンタルの製造方法であって、
    非晶質細孔酸化タンタルの細孔内表面を被覆材で被覆する工程;
    (2)、(1)で被覆された細孔酸化タンタルを窒化する工程;
    (3)、(2)で窒化した酸化タンタルから前記被覆材を除去する工程、
    の各工程を有する、細孔窒化タンタルの製造方法。
  7. (1)で被覆された細孔酸化タンタルを結晶化した後、(2)の窒化する工程に供する請求項6の製造方法。
  8. (2)の窒化する工程において、同時に当該非晶質細孔酸化タンタルを結晶化させる、請求項6の製造方法。
  9. 被覆材がケイ酸化合物、炭化物質から選択されることを特徴とする、請求項6の製造方法。
  10. 被覆材がオルトケイ酸テトラアルキルであることを特徴とする、請求項6の製造方法。
  11. 細孔構造を有する窒化タンタルの製造方法であって、
    (1)非晶質細孔酸化タンタルの細孔内表面を、オルトケイ酸テトラアルキルの蒸着と蒸着成分の加水分解との交互処理によりシリカ層を形成することにより、当該シリカで被覆する工程;
    (2)(1)で被覆された酸化タンタルを窒化する工程;
    (3)(2)で窒化した酸化タンタルからアルカリ処理により、シリカ層を除去する工程の各工程を有する、窒化タンタルの製造方法。
  12. 細孔構造を有する窒化タンタルを含有する光触媒。
  13. 細孔構造を有する窒化タンタルに助触媒を担持させたことを特徴とする光触媒。
  14. 助触媒がPt、NiO及びRuOからなる群から選択される請求項13の光触媒。
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